TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#677/21-Apr-03

コンピュータが我々の生活をどの様に楽にしてくれるはずか覚えていますか?Matt Neuburg が、あらゆる情報を整理し素早くアクセスする手助けをしてくれるアプリケーションである NoteTaker について検証する。そして、TidBITS Talk でのディスカッションを我々の毎週の出版にどう統合していくかについて TidBITS が考えている実験にご協力いただきたい。更に、Apple がちょっと驚きの第2四半期利益 $14 million を計上したこと、Snapz Pro X 1.0.7 及び StuffIt Expander/Deluxe 7.0.3 のリリースについてお伝えする。

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MailBITS/21-Apr-03

Apple、Q2 で $14 Million の利益計上 -- Apple Computer はその第2会計四半期で、$1.474 billion の売上に対して小さいながら $14 million の利益を計上した。総売上は前年同期に対して 1% の減であったが粗利益率は向上して 28.3% となった。国際市場向け売上は Apple 全体の売上の 47% を占めた。この四半期に Apple は 711,000 台の Mac を出荷、少なくともその 40% はノートブックであった - 新 12インチ及び 17インチ PowerBook のデビューの強さを示している。

<http://www.apple.com/pr/library/2003/apr/16earnings.html>

Apple の利益そのものは強烈とは言いがたいが、同社は手持ち現金を $4.5 billion にまで増やし、製品の流通時間を 4.5 週間に縮めた。Apple は次の四半期も横ばい(即ち、小さな利益)であろうとしている、大きなニュースが Apple の木を揺さぶることはないであろうという前提で。投資市場では最近 Apple がその豊かな手持ち資金の一部を使って Universal Music を買収するのではないかとの噂で一杯である。しかし、Apple CEO の Steve Jobs も Vivendi 取締役の Claude Bebear も、Apple がこの世界一の音楽レーベルに対して買収申し入れをしたことを否定している。Apple が iTunes 及び iPod と絡み合わせて商用の音楽サービスを始めなければいけないのは時間の問題と広く噂されている;Universal Music のカタログはいかなるオンライン商用音楽サービスにとっても鍵となるメニューであろう。[GD](カメ)

Snapz Pro X 1.0.7 リリース -- Ambrosia Software は Snapz Pro X 1.0.7 をリリースした。これは同社の Mac OS X 用スクリーンキャプチャユーティリティの最新版である。このバージョンでは、スクリーン上のアクションをムービーとしてキャプチャする際に Mac の動作への悪影響をより少なくする設定ができるようになった。(その代わりにフレームレートは低くなる。)また、このアップデートでは韓国語のローカリゼーションも追加されている。(既にオランダ語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、日本語、スペイン語、スウェーデン語、繁体字中国語のローカリゼーションは存在している。)また、各国語にローカライズされたマニュアルは今回から別ダウンロードとなって Snapz Pro X のダウンロードサイズがぐっと小さくなった。さらに、数多くのやっかいなバグも修正されている。中でも X11 アプリケーションのスクリーンショットを撮ると Snapz Pro X が問題を起こすことのあったバグや、SpellCatcher X とのコンフリクト、それにフルスクリーンのアプリケーション(例えばゲームや、あるいは Keynote での可能性も)での問題点などが修正された。さらに歓迎すべき変更点としては、Snapz Pro X のデフォルト動作が変更されて、既に存在するスクリーンショットと同じ名前を入力するとそのファイルを上書きするのがデフォルトになった。これで、失敗のスクリーンショットを置き換える作業が楽になった。以前のバージョンを Ambrosia から直接購入した登録ユーザーは無料でアップグレードできる。Mac の購入時にライセンス付きの Snapz Pro X が付いてきた場合は、$19 で 1.0.7 にアップグレードできる。4.1 MB のダウンロードだ。[ACE](永田)

<http://www.ambrosiasw.com/utilities/snapzprox/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06779>(日本語)厳選 Mac OS X ユーティリティ: サードパーティ機能の復活
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=00696>(日本語)はい、チーズ! Snapz Pro

StuffIt Expander/Deluxe が 7.0.3 にアップデート -- Aladdin Systems は Mac OS 8.6/9.x と Mac OS X 用に StuffIt Expander 及び StuffIt Deluxe のバージョン 7.0.3 をリリースした。StuffIt Expander の方は無料だが、DropStuff、 DropZip 及び DropTar とバンドルされた StuffIt Standard Edition の一部としてしか入手できない。今回のバージョンでは RAR 3.0 アーカイブの展開のサポートが追加された。StuffIt Deluxe 7.0.3 の方については、同じく RAR 3.0 アーカイブをサポートした他に、いくつかのバグが修正され、さらに Tape アーカイブ (.tar)、Bzip2 (.tbz2)、Gzip (.tgz)、それに圧縮 Tape アーカイブ (.tar.Z) フォーマットの内部をブラウズできるようになった。すべてのアプリケーションで StuffIt X フォーマットの圧縮率が向上し、カスタム圧縮セッティングの設定ダイアログも新設された。もしもあなたが StuffIt Deluxe 7.0 を Mac OS 8.6 か 9.x の下で動かしているならば、まず 7.0.1 にアップデートしてからでなければ 7.0.3 にアップデートできないことにご注意頂きたい。下記のダウンロードページへのリンクを使えば適切なアップデータが入手できる。リリースノートはインストール後に現われる ReadMe ファイルの中にある。 StuffIt Expander のアップデートはだれでも無料で受けられる。それ以外のアップデートは StuffIt Standard Edition 7.0 や StuffIt Deluxe 7.0 の登録ユーザーには無料となっている。StuffIt Standard Edition 7.0.3 は 5.8 MB のダウンロード、StuffIt Deluxe 7.0.3 は 17.1 MB のダウンロードだ。[ACE](永田)

<http://www.stuffit.com/expander/macupdates.html>
<http://www.stuffit.com/stuffit/deluxe/updates.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06942>(日本語)StuffIt Deluxe 7 - ファイル名の中身は?
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06970>(日本語)Aladdin Expands StuffIt Deluxe 7.0.1


TidBITS Talk をもっと公開

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: 倉石毅雄 <takeo.kuraishi@attglobal.net>

先週、Peter Rock という読者から“編集部への手紙”コラムを始めるべきだとの提案があった。そこで私は TidBITS Talk について説明する返事を送った。ここに、読者からの記事への返事や、TidBITS の記事の更なる説明、TidBITS の次の号で完全な訂正を必要としないような小さな修正などが現れるからだ。彼はこの対話の中で、TidBITS は電子メールで読み、TidBITS Talk アーカイブを覗きに Web サイトへ行くことは全くなく、さらにディスカッションのメールリストに登録する気も無いことなどを説明した。その時点で私は“なるほど、彼の言うことにも一理ある。”と考えた。

TidBITS Talk の読者でない人達のために説明するが、これは普通とはちょっと違う。送られてきたうちのどれをポストするかは私が個人的に選び、適当と思われる範囲でメッセージ中にコメントを加え、重複や話題からそれたメッセージははじく。さらに不要な引用を省き、スペル間違いを直し、話の流れを保つために題の行を統一にする。モデレータがいるメールリストと他のニュースサイトの読者報告を半々にしたようなものだ。かなりの労力を必要とするため、私達は TidBITS Talk を出版活動の大事な要素の一つと考えている。しかし、TidBITS Talk を購読、もしくは Web 上で読んでいるのは TidBITS 読者の 5 パーセント以下でしかない。

<http://www.tidbits.com/about/tidbits-talk.html>
<http://www.tidbits.com/about/list.html>
<http://www.tidbits.com/search/talk.html>

TidBITS Talk の高品質な内容をより多くの TidBITS 読者に知ってもらうため、これから数週間、小さな実験を行いたいと思う。現在の話題を説明し、リンクするために、毎週違った方法を試してみたい。最後にアンケートをとって、どの方法が良かったと思うか尋ね、それを続けたいと思う。今週は、それぞれの話題の題、メッセージ数、そしてアーカイブ上の話題へのリンクだけの非常に凝縮した形で公表することから始めたい。将来はそれぞれの話題についてもう少し説明を提供しよう。

この実験に対する意見は、もちろんのこと、TidBITS Talk 自体へぜひ送って欲しい。宛先は <tidbits-talk@tidbits.com> だ。


TidBITS Talk/21-Apr-03 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: 倉石毅雄 <takeo.kuraishi@attglobal.net>


NoteTaker でテイク・ノオト

文: Matt Neuburg <matt@tidbits.com>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@earthlink.net>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

情報を保管し回収するためのより良い方法を求めての我々の終わりなき旅の中では、TidBITS-675 で議論した iData Pro のようなごくシンプルなテキスト断片保管ツールはただ単純で心を休ませるだけの休憩地への寄り道に過ぎない。今回はまた旅の本道に戻って、コンテンツ大滝の滝壷に怒涛のごとくに流れ落ちる水音を横目に聞きながら、滑りやすいリレーション大岩を必死でよじ登り、ついに頂上に立って、見渡す限りの階層関係やハイパーリンク、キーワードや to-do リスト、ありとあらゆるテキスト断片をちりばめたその雄大な景色を、この目で一望できるその時を目指すのだ。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07145>(日本語)デジタル下駄箱: iData Pro X 1.0.5
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1196>
(日本語)WebArranger は Web よりも使える
(日本語)復活: Helix の逆襲
(日本語)それはキーパー(Idea Keeper だ、それは)
(日本語)Boswell:テキスト保管庫
(日本語)断片情報キーパーをあと3つ
(日本語)Tinderbox でハートに火を点けて

今の書き出しの段落で私が尋常でないメタファーに酔っていたことからも容易に想像して頂ける通り、私は今、とても興奮している。私が何に興奮しているのかと言えば、それは AquaMinds 社製の Mac OS X 用プログラムで、その名を NoteTaker と言う。NoteTaker はアウトライナーでもあり、著述ツール、カテゴリー分けツール、テキスト断片保管庫、プレゼンテーション用ツール、はたまたウェブサイト作成プログラムでもあるのだ。これを使って、あなたのアイデアを、あなたのファイルを、ひいてはあなたの生活そのものを整理することができる。その可能性は広大で、誰もがこのプログラムをそれぞれ違ったやり方で使うことができる。あなたが昔、HyperCard の可能性を、あるいは Apple event の底力を、初めて心の目を開かれて目前に実感した時の、あの目くるめくような夢想の拡がりを、覚えておられないだろうか? NoteTaker は、まさにそのようなプログラムだ。

<http://www.aquaminds.com/product.jsp>

NoteTaker は、Notebook と呼ばれた NeXT 用プログラムをベースに生まれた、言わばその子孫のプログラムだ。そして、さらにややこしいことには、子孫はこれだけではなかった! もう一人の子孫、Circus Ponies Software 社製の NoteBook というプログラムが、ちょうど私がこの記事を書き上げようとしていた頃にデビューを果たした。きっとそのプログラムにもいろいろと注目すべき点はあろうかとは思うが、この記事ではそちらには触れないことにする。これら2つの子孫プログラムの比較もしない。そもそも私は NoteTaker の方を使い始めたのだから、この記事ではこちらだけについて語ろうと思う。

<http://www.circusponies.com/pages.aspx?page=products>

アウトライン -- NoteTaker はアウトライナーなのだが、アウトラインとは何かということから始めてみたいと思う。アウトラインは、閲覧、再配置、そして検索が容易にできるよう、直線的のみならず階層的に文章を組み立てていく方式のことである。それぞれの要素 (NoteTaker では“エントリー”と呼ぶ) は、最上層かまたは別のエントリーの下位の層かのどちらかである。あるエントリーのサブエントリーは隠すことができ (“折り畳む”)、これにより、必要な時に必要なだけアウトラインを見ることができる。カットアンドペーストあるいはドラッグによりエントリーを移動した場合は、それのサブエントリーも一緒に移動する。

アウトライナーとしての NoteTaker はなかなか良く出来ているのだが、あの金字塔である MORE にはまだかなわない。例えば、プロモート (昇格)・デモート(降格) 機能が欠けている。新しくエントリーを作成する際の振る舞いも MORE程便利ではないし、最近になるまでエントリーを上下させるためのキーボードコマンドを備えていなかった。エントリーをナビゲート・操作する機能はとてもよく実装されているが、NoteTaker は明らかに ThinkTank (MORE の初版) からヒントを得たのであるから、皆好意的な評価や長所が受け継がれていることを期待しているのも無理はない。

NoteTaker のエントリーは複数の段落で構成されていても問題なく、エントリーを 2 つに分けることも簡単だ (だが、MORE のように 2 つのエントリーを一つにまとめることはできない)。これらの段落は、タブストップ、行端揃え、行間(これも MORE のように) のようなフォーマットを持つことができる。NoteTakerには、このようなフォーマットをアウトラインのレベルに基づいて合理的に扱うことができる MORE の素晴らしい“ルール”システムが欠けているが、段落のフォーマットをコピー・ペーストできる Cocoa の機能を内蔵している。また、段落を複数含むエントリーはそれぞれの段落ごとにフォーマットを持っている。従って、エントリーはすでに複数の段落から成っているため、NoteTakerは MORE のように“トピック”と“段落”を区別する必要がなくなった。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=02381>

実際には、NoteTaker はほとんど何でもエントリーとして受け入れる。スタイル付きテキストやピクチャーをペーストできるし、アドレスブックのエントリーを引っ張り出せば NoteTaker はそれをアウトラインへと解析する。Inkwell を使って絵を NoteTaker に描くこともできる。NoteTaker 内で音声を録音することさえ可能だ。これは、ドキュメントの一部として MP3 でセーブされる。

リンク -- エントリーは、同一あるいは別の NoteTaker ドキュメント内にある別のエントリーへのハイパーリンクでも構わない。リンクを作成するには、最初のリンクを選び“Link To Entry”を選ぶ。するとフローティングパレットが現れる。そこで、二番目エントリーへ移ってそれを選択し、パレットの Linkボタンをクリックする。これで、最初のエントリーがリンク元としてマークされた。それの左のボタンをクリックすれば、即座に二番目のエントリーへと導かれる。これの唯一の弱点は、リンクとなるエントリーはサブエントリーを持てないという、愚かな制限である。

リンクはまた、あなたのドキュメントをどのようなものとでも、例えばディスク、さらにはインターネット上のファイルと関連づけることができる。電子メールのアドレスやウェブの URL は自動的に認識されるので、URL を電子メールプログラムやウェブブラウザに送るためにはそれをクリックするだけで良い。エントリーがウェブ URL の場合、それがかなりシンプルなページであれば、ページのコンテンツを NoteTaker 内に表示して見ることさえできる。

ファイルを Finder から NoteTaker ドキュメントにドラッグすれば、それへのリンクが作成される (しかしながら、NoteTaker はリンクを絶対パスで記憶するので、ファイルを Finder で移動すると、NoteTaker はそれを見失ってしまう)。多くの場合、このリンクはそれ以外の情報も一緒に表示される。イメージファイルや 1 ページの PDF なら、そのイメージが見られるし、ムービーファイルなら、ムービーを再生可能である。サウンドファイルなら。その音が再生できる。そしてどんな場合でも、ディスク上のファイルへのリンクを、あたかも Finder にいるかのように扱える。それを開いたり、Finder にドラッグして複製を作成したり、Option-Command を押したまま Finder にドラッグしてエイリアスを作成することができるのだ。ファイルを NoteTaker へドラッグするときに Option キーを押していれば、それはドキュメントにコピーされる (そしてこれは“添付書類”と呼ばれる)。これは、NoteTaker のドキュメントがパッケージ、つまりファイルのように見えるフォルダだからこそできるのである。従って、NoteTaker ドキュメントは、全ての種類のファイルを収納できる一種のスーツケースとして使えるのだ。

マークとカテゴリ -- 項目にはいろいろな方法でマークする(印をつける)ことが出来る。例えば、Flag(旗)と呼ばれるマークがある;項目に旗を立てるか立てないかのどちらかである。項目の旗を切り替える Command キーショートカットもある;他の方法としては、場合によっては項目の左側をダプルクリックすることも出来る。この旗の有り無しの状態を見えるようにするかしないかはあなた次第である。それぞれに項目の左側にはいくつかのコラムのどれかを表示するか隠すか選択できる場所がある。もし Category Icons コラムを表示することを選択すれば、旗が立てられた項目にはチェックマークが表示される。これの一番の使われ方は to-do リストであろう:実行済みのアイテムには旗を立てることでチェックマークが付く。たとえ目には見えなくとも、マークには有用な使い方がある;例えば、それを目当てに検索をかけることも出来る。

二つ目のマークは Priority と呼ばれるものである。三段階のプライオリティを設定できる:Low, Medium, そして High (或いは None) である。もしある項目はプライオリティを持つとマークし、その Priorities コラムを表示するように設定すれば、そのコラムに L, M, あるいは H が表示される。これも to-do リストには便利であるし、そして、プライオリティで検索も出来る。

三つ目のマークは Date(日付)である。個々の項目には生成時に現在時が付与され、かつ最後に変更された日時も合わせて保存される。これらの日付のどちらも手動で設定できる;手動で設定された日付は自動的に更新されなくなるので、自分の好みに応じて項目に日付を関係付けることが出来る。Date コラムを表示とすることでどちらかの日付を見えるように出来るし、日付で検索も出来る。

四つ目のマークになってくると、事は熱くなってくる。それは Category である。これは簡単に言えばキーワードである;そうは言っても、どんな言葉でも良いわけではなく、ドキュメントレベルで保持されるリストから選ばれなければならない。ドキュメントにはいくつかの既成のカテゴリがついてくるが、自分自身のものも定義できる。もし Categories コラムを見えるようにすれば、個々の項目に付けられたカテゴリが表示される。

ある環境下では、NoteTaker は項目が生成された時にカテゴリを付与する。例えば、もし一つのイメージファイルを NoteTaker のドキュメントにドラッグして入れた場合、その項目には Image カテゴリが付与される。もし Address Book アイテムにドラッグして入れれば、その生成された項目にはその Address Book のフィールドに応じたカテゴリが付与される:Full Name, Email, X-Aim, 等々である。

カテゴリは Templates と一緒だともっと強力になる。テンプレートは単なるボイラープレート(型紙)であり、しょっちゅう使う情報をドキュメントに素早く挿入するのに役立つ。このボイラープレートは、カテゴリのついた階層化された項目(カラでもいい)でも構成できる。これは、WebArranger の素晴らしい機能 - アウトライン項目をそのフィールドの性格にあった格好で入れる - に相当する NoteTaker の機能である。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=01149>

例えば、あなたの友人と彼らの好みのアイスクリーム味を一緒にしたリストを作りたいとしよう。まず、Friend というカテゴリと Ice Cream というカテゴリを定義する。次に、カラの二つの項目を作り一つは他のサブ項目とする。そして一つの項目を Friend カテゴリに、もう一つを Ice Cream カテゴリに割り当てて、それをテンプレートにするのである。この様にしておけば、いつでもこのテンプレートを NoteTaker ドキュメントのどこにでも挿入することができる。さぁ、ご覧あれ!空白の Friend とそのサブ項目の Ice Cream が現れ、あなたが埋めるのを待っている。NoteTaker には一つのテンプレートが付いてくる。Contact である。これには Name, Address, Phone, そして Email のようなカテゴリを挿入するので、どんなドキュメントでも直ちにコンタクトマネジャーとして使える。

ページとセクション -- NoteTaker ドキュメントは、全体としてはノートブックの隠喩に基づいている。ドキュメントは複数のアウトラインで構成される;それぞれのアウトラインはノートブックの1ページである。あなたが作るページはそれぞれ一つの新しいアウトラインで構成される、そしてそのページにはタイトルを付与できる。ページを束ねたのがセクションである;新しいセクションも作れるし、それにタイトルを与えることもできる。セクションのタイトルはドキュメントの横或いは下からとび出しているタブとして見ることができる。そしてタブをクリックすることでそのセクションの始めに即座にとぶことができる。個々のページもオプションでタブを持つことができる - あるページにしょっちゅう辿り着かなければいけない場合は有効である。キーボードショートカットを使って、最初、最後、次、或いは前のページ或いはセクションへと辿ることもできる。更に、どのページからでも "ページマーク" ファイルを保存することができる。これは基本的にはブックマークで、どこからでも(Finder または他の NoteTaker ドキュメント)そのドキュメントのそのページへと瞬時に辿れるリンクである。

さて、このページとかセクションとか言っても、突きつめてみれば別の仮面をかぶった単なるアウトライン項目ではないのかと言われるかもしれない:これらはアウトライン組織に更に二つの階層を持ち込んだだけではないかと。その通りであるが、しかしだからといってこれらが単なる見せ掛けというわけではない。一度にすべての情報と対峙しなくとも良いというのは有用である。勿論、一つのアウトラインならコラップス(畳込み)できるし、多くのアウトライナ(NoteTaker も含めて)では関係ない部分を一時的に隠すことができる;そうではあっても、複数のアウトラインからなるドキュメントの方が一つの大きなアウトラインよりも感じがいい。ある情報が含まれているページでもその情報をしまっておければ便利である。そうすれば、必要となるまでそれと対峙しないで済ませられる;例えば、アウトライン上でテキストの中に画像をはめ込んでしまう代わりに、画像のページを別に持ち、そしてテキストから必要な画像にリンクするのである。

ページとセクションの隠喩は、更に目次の隠喩へと発展する。NoteTaker はこれを自動的に生成し保持してくれる。どの NoteTaker のドキュメントの最初のページは完全な目次となっていて、すべてのセクションとページをリストしている;セクションの最初のページはそのセクションのすべてのページをリストした目次となっている。ここでの項目はリンクとなっているので、どのセクション或いはページへととぶことができる。(残念ながら、あなたがいるセクションの目次へ直接飛ばしてくれるキーボードコマンドはない。)ページやセクションを並べ替えるには、目次上の項目を動かしてやればいい。

狩りと獲物の収穫と -- 検索はいろいろな方法でできる。まず第1に普通のワードプロセッサと同様の検索機能があり、これは文書全体を順繰りに検索して回って、指定された単語が次に現われる箇所を探してくれる。

第2にはグローバル検索がある。これは、テキスト、フラッグ、カテゴリー、優先度、日付といった基準での検索をする。グローバル検索の結果は2通りの異なったやり方で一覧できる。1つは、合致した項目が単純にハイライトされる(黄色にマークされる)もので、この場合はハイライトされた1つの項目から次のものへと文書全体にわたって巡回することもできる。もう1つは、合致したすべての項目がコピーされ、その文書の末尾に新規に“Summary”セクションが追加されてその新しいページにコピーした内容がまとめて置かれるというものだ。これらの機能はまさに MORE の Mark and Gather 機能にそっくりで、NoteTaker はこれを Highlight and Summarize と呼んでいるものの、名前だけ違って中身は同じという感じだ。残念ながら、まとめて集められたコピーたちはリンクにはなっていないので、検索結果のそれぞれから元の文書内の箇所に戻る手段は提供されていない。

第3の検索方法として、あなたの文書には索引のセクションを付けることができる。オンにした途端に索引は即座に現われるので、私の想像だが NoteTaker は常時自動的に索引の作成・管理を内部で実行しているのだろうと思う。索引の各ページはあなたの文書内の項目へのリンクによって構成されたアウトラインになっており、いろいろの方法によってフィルターされて並べ束ねられている。優先度によってリンクを並べたページもある。(つまり、低優先度の項目へのリンクがまず並び、次に中優先度の項目へのリンク、その後に高優先度の項目へのリンク、という順序だ。)カテゴリーによってリンクを並べたページもある。あなたの文書中に登場するすべての電子メールアドレスやウェブサイトへのリンクのページもある。日付によってリンクを並べたページもある。文書リンクである項目へのリンクだけを集めて、それをファイル拡張子によって並べたページもある。さらに、単語の索引もある - そう、あなたの文書中のすべての単語が索引付けされるのだ! 残念ながら、ここで単語と共に表示されるのはページ番号だけで、直接文脈にリンクされるわけではないので、実際に索引の単語からその文脈を見つけるのはあまりスマートには行かないのだが。

何をしようか -- さきほどは NoteTaker のいくつかの機能の応用例として to-do リストを取り上げたが、これは別にあなたが手間を掛けて作り上げる必要はない。NoteTaker が自動的に作ってくれるのだ。“To Do Section”をオンにすれば、自動的にセクションが1つ作られて、そこには何とも魔法のような秘密が隠されている。毎日、自動的に新しいページが作成されてタイトルにその日の日付が表示される。そして、前日のページ内容のうちフラッグの付いていない項目がすべて今日のページにコピーされるのだ。こうして、進行中の仕事のリストが毎日更新されて機能して行くわけだ。もちろん、この機能を逆手に取って日記として使うこともできる。つまり、自動的に毎日ページが追加されるところだけを利用し、すべての項目にフラッグを立てておくことで次の日には引き継がれないようにしておけばよいのだ。

出船に入り船 -- NoteTaker は文書の中と外部との間で情報を出し入れするためのさまざまの方法を用意している。(もちろん、カットやペースト以外にも、ということだ。)情報を取り入れる方法の中で、最も驚くべきものは Clipping Service だ。NoteTaker 文書内のどのページでも、それを開いた状態で Create Clipping Service というメニュー項目を選ぶことができる。すると、その後はその文書を閉じてもよいし、必要とあれば NoteTaker を終了してしまっても構わない。あなたが今作成したサービスは、もはや NoteTaker とは独立に存在している。(場所はあなたの ~/Library/Services フォルダ内だ。)こうしておくと、Mac OS X services 対応のどんなアプリケーションにもアプリケーションメニューの Services サブメニューの中に相応する項目が現われる。それを選べば、そのアプリケーションで現在選択されているテキストが、さきほどの NoteTaker 文書内のページの中へとコピーされるのだ。ただし、現時点では Carbon アプリケーションの大多数がまだ Services メニューに対応していないので、AquaMinds ではその同じ機能にアクセスするためのコンテクストメニューも提供している。このコンテクストメニューは現在ベータ版とされているが、私の試した範囲内では何の問題もなく動作するようだった。

また、検索サービスを作成することもできる。これを使えば、他のいくつかのアプリケーションの中で、特定の NoteTaker 文書内のテキストを検索できるようになる。もしも検索の結果 NoteTaker で開いたテキストがあなたの欲しかったものでなかった場合には、同じアクションを繰り返して次に合致するテキストを検索させることもできるし、そのまま NoteTaker に移って検索を続けることもできる。

あなたの文書を“スライドショウ”として一覧することもできる。これは実際は同じ文書をフルスクリーンモードで見ているだけのことだ。スクロールバーは無いのでページを短くしておかなければならないが、それ以外の機能はすべて普通に動作する。リンクや QuickTime ムービー、その他もうまく働くので、これを利用して NoteTaker 文書によるマルチメディアプレゼンテーションを上映することもできる。

NoteTaker にはまた、さまざまのフォーマットでインポート及びエクスポートをする機能もある。例えばテキスト、タブ区切りのテキスト、RTF、それに OPML(元来 UserLand によってデザインされた、アウトライン専用の XML フォーマット)などもサポートしている。特に注目すべきエクスポートのフォーマットとしては Web Notebook がある。これはあなたの文書をいくつかのウェブページのセットとして書き出す。可能な限りのコンテンツがそのページに表示され、さらに JavaScript の魔法の力を駆使することによって、アウトライン構造の展開・収縮も見事に実現されるのだ!

<http://www.opml.org/>

私のノートを初公開 -- 私が NoteTaker を普段実際にどう使っているのか、お知りになりたい読者のかたもおられることだろう。1つには、私にとっての NoteTaker は単に MORE の Mac OS X-ネイティブ版、という位置付けがある。私が書こうと思っている本の構想を練ったりメモを書き溜めたり、あるいは講演の原稿を書いたり、といった用途に使っている。けれどもそれだけでは NoteTaker の真のパワーを使いこなしたことにはならない。ずっとおもしろい使い方として、私がある会社のクライアントのためにカスタマイズされたソフトウェアを Cocoa でプログラミングしていた時、その私の仕事の構造付けと進行状況把握のために使っていたやり方をご紹介しよう。クライアントから機能の希望の詳細やバグ報告が届く度に、私はそれらをそれぞれ独立の NoteTaker ページに放り込んでおき、もしもスクリーンショット等の補助資料があればそのページに付けておく。それから、私の文書のメインページに移る。このページは to-do リストとしての機能が付加されているのだ。ここでは、それぞれの問題点を記述した項目を作って、それぞれに付随したサブ項目としてそれをどう解消したらよいのか自分で考え付いたアイデアを書き留めておく。また、クライアントから送られた資料が保存されているページへのリンクも張っておく。私はこのメインの項目には To Do カテゴリーと高優先度、それに作成日付の表示を指定しておいた。それぞれの問題点についてクライアントとの相談が進行する度に同様の手順を続け、自分で新たなアイデアを思い付けば追加のノートを加え、また補助ページに電子メールのメッセージをまるまる張り付けるようなこともしばしばだった。こうして、私の手元にはいつでも簡単に検索できる会話の進行状況の記録や、スペックの進展状況の記録が残り、あとで必要ならばいつでも自分のしたことがちゃんとクライアントとの合意に合致していることが証明できるようになった。ある項目についてその後どうするかの方針が自分の中ではっきりと固まった時には、その項目のサブ項目として“解決”カテゴリーを指定して自分の決定事項を書き留めておいた。その項目に関する作業が完了すれば、その優先度を消去してフラッグを立て、“終了”カテゴリーのサブ項目を付けて終了日時を記録するようにした。このようにして、私にはいつでも何が一番緊急の作業なのか、それぞれの問題点に対する自分のアイデアの進展状況がどうなのか、ということが一目でわかり、その上個々の問題点に関する討論と作業の進行、そして問題解決の過程が、すべて完璧に記録されて保存されている、という環境が実現されたのだ。

最後に一言 -- NoteTaker のマニュアルは明らかに練り上げ不足で、表現もあいまいで余計な話題の記述も多い。このプログラムは若干の AppleScript サポートも備えている。スクリプトに間違ったことを書くとプログラムがクラッシュすることもあるが、いったんスクリプトの使い方のコツがわかれば、なかなかいろいろなことに使いこなせる。全般的に言って NoteTaker はかなり動作の信頼性が高いと思う。Undo 機能はかなりうまい具合に装備されているが、もちろんいつ何が起こるかはわからないのだから、オートセーブやオートバックアップの機能は利用するに越したことはないだろう。

NoteTaker は現在活発に開発が進行中で、今後のバージョンで数多くの改良がなされるに違いないと思われる。もしもあなたが NoteTaker の可能性に興味を引かれたのならば、今こそご自分で試してみる絶好の機会だろう。少しでも早く、あなたがご自分の目的に合わせてこのプログラムを実地に使い始めてみるならば、それだけ早くあなたが開発元にフィードバックを送ることができることになり、そうすれば、きっとそれが、このプログラムの今後の進展の方向を押し進める力の一つになるかも知れないのだから。

NoteTaker の価格は $70、アカデミック価格は $40 だ。30 日間有効のデモ版が、5.3 MB のダウンロードで利用可能だ。

<http://www.aquaminds.com/download.jsp>

PayBITS: NoteTaker をレビューした Matt の記事は、あなたの貴重な情報を整理するお役に立ちましたか? PayBITS で感謝の意を示してみませんか?
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PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


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