TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#697/15-Sep-03

iMovie のエキスパート Jeff Carlson が iMovie 3 を最大限活用するためのハウツーをお伝えする。その中で iMovie のいくつかの最もうんざりさせられる問題についての回避方法についても触れている。Adam は Asante と Linksys のワイヤレスゲートウェイについての比較を載せている。ニュースの部では、Apple Computer に対する Apple Corps からのトレードマーク訴訟、Adam の来るべき講演について、そして Panorama V プレビュー, PageSender 3.1, PowerMail 4.2 と iView MediaPro 2.0 のリリースについてお伝えする。

記事:

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MailBITS/15-Sep-03

ヘイ ジョブズ、悪く取らないで! 1968年に Beatles によって作られたマネージメント会社である Apple Corps, Ltd., 現在は Paul McCartney, Ringo Starr, Yoko Ono, 及び George Harrison の遺族が所有者である、は Apple Computer を相手取ってトレードマーク侵害の疑いで 04-Jul-03 に英国の裁判所に再度訴訟を起こしたと伝えられている。Reuters, Associated Press, それに BBC の報ずる所によると、そして MacCentral も確認をしているが、Apple Corps は iTunes Music Store 経由でインターネット上で事前に録音された音楽をダウンロードする際に "Apple" の名前と Apple ロゴを使用することに異議を唱えている。

<http://maccentral.macworld.com/news/2003/09/12/statements/>
<http://www.thebeatles.com/>
<http://www.apple.com/music/store/>

Apple Computer が 1970年代の後半に設立されて以来 - その名は Beatles への直接の敬意の表現である - Apple Corps は Apple という名前のトレードマークを侵害しているとして繰り返し Apple Computer を法廷に提訴してきている。その度に Apple Corps に金銭を支払うという和解がなされてきた。そのアグリーメントは Apple Computer が Apple の名前をどの様に使っていいかに関するもので - 基本的に Apple Computer は音楽を出版したり音楽に関する製品を制作したり出来ないとするものである。一番最新のアグリーメントでは(QuickTime、マルチメディア、そしてオーディオの機能に関して)、Apple Computer に対して広範なトレードマークの使用権を認めているとされているが、インターネットの出現と iTunes Music Store の公開が Apple Corps との一線を再び越えてしまったという事のようである。(Apple Corps はこれまで Beatles の曲を iTunes Music Store のみならず他の如何なるオンラインミュージックサービスにも提供してきていない事は注目に値する) [GD](カメ)

iView MediaPro 2.0 更に多くのお宝を管理 -- iView Multimedia は iView MediaPro 2.0 をリリースした。これは同社の強力なデジタル資産管理プログラムのメジャーアップグレードである。新機能には、より多くの編集機能(無償の iPhoto 以上だが Adobe Photoshop Elements 迄はいかない)、より大きなカタログ対応と性能向上、ファイルシステム内のカタログ化された画像に対するコントロールの追加、画像コレクションの PDF 出力、個々の画像レベルまでカスタマイズできる進化したスライドショー、強化された HTML エクスポート、等々がある。iView MediaPro の新機能は強力で歓迎できる;残念な事に、このプログラムはインターフェースのぎこちなさが残り、iPhoto のようなシンプルさに慣れた人に対してその全能力を見せきれない。更に、新品が $160、バージョン 1.5 からのアップグレードが $88 の値段では、もはや安いとはいえない。iPhoto よりも強力な画像カタログ化プログラム(この性能だけに限って)でより安いものをお探しの方には、iView Media 1.2 がある。これは iView MediaPro の高度な機能は持たないがたったの $30 である。最後に、既存のカタログを見たりスライドショーのためには、無償の iView Catalog Reader が出されている。iView MediaPro 及び iView Media のどちらも期限付きお試し版が出ている。[ACE](カメ)

<http://www.iview-multimedia.com/products/>

PageSender 3.1 ファックス予約を追加 -- ファックスを送るために Panther が出る迄待っていられない、或いはもっと悪い事に、さて出てはみたが欲しいものとは違っていたと言うような目に遭いたくない?Smile Software の PageSender 3.1 はどうだろうか。これは Print ダイアログに一体化される同社の Mac OS X ファックスソフトウェアのアップデートである。PageSender 3.1 では、予約及び遅延ファックス、マニュアル送信、複数のローカルエリアコードと 10 桁ダイヤルのサポート、等が追加されている。PageSender には Mac OS X 10.1.3 かそれ以降が必要で、値段は $30 である。無料の 30日間デモも入手可である。[ACE](カメ)

<http://www.smilesoftware.com/pagesender.html>

Panorama V ネイティブとなる -- ProVUE Development は、その旗艦データベースプログラムである Panorama の Mac OS X ネイティブバージョン V の公開プレビューをリリースした。Panorama についての一番最新のレビューは TidBITS-606 の "Panorama で光明を見出す" である。(これで私のコンピュータの一つの時代の終焉を迎える;この後定常的に Classic を立ち上げるのは Adobe FrameMaker だけとなり、そしてこのプログラムはおそらく永久に Mac OS X には移植されないであろう。)Panorama V はさらに三次元様の外見、ライブ検索(iTunes に似た)、そしてプログラムするインターフェースに大きな改善が加えられている。最終リリースは Windows 版の完成まで待たなければいけないが、とりあえずこのプレビューは問題無く動作している。現在ダウンロード可で無料で使用できる;唯一の制約は、実際にプログラムに対して支払いをする迄は 250 以上のレコードを持つデータベースを保存するのが不便であることである。[MAN](カメ)

<http://www.provue.com/Documents/PanoramaV/Introduction.html>
<http://www.provue.com/Downloads/Panorama5Download.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06641>(日本語)Panorama で光明を見出す

PowerMail 4.2 スピードと検索を改善 -- CTM Development は、同社のメールクライアントの最新版として PowerMail 4.2 をリリースした (PowerMail 3.0 のレビューは TidBITS-530 の "新天地 PowerMail へ" を参照)。PowerMail 4.2 で新しくなったのは CTM の高速 FoxTrot 検索技術で、これまで PowerMail が使っていた Sherlock ベースの検索より 300% から 500% は速いという。PowerMail 4.2 は更に、大きなリストを立上げ表示する性能を向上させ、メッセージ内容でフィルタできる改良されたフィルタリング、キャッシュされた IMAP 情報の検索、等々が新しくなっている。PowerMail 4.x 登録ユーザーに対するアップグレードは無償;PowerMail 3.x ユーザーには $30、新規の顧客には $50 の値段となっている。30日期限のデモもあり 5.0 MB のダウンロードとなっている。[ACE](カメ)

<http://www.ctmdev.com/powermail4.shtml>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05930>(日本語)新天地 PowerMail へ
<http://www.ctmdev.com/download.shtml>

Adam、Kansas City MacCORE で講演 -- 私は 9月17日の水曜日、7:00 PM にワイヤレスネットワーク(時間が許せば他のどんな Mac に関する事でも)に付いて、Kansas City MacCORE Macintosh ユーザーグループの月例会で講演することになっている。もしお近くに居られるのであれば、是非お出でになり声をかけて頂きたい。[ACE](カメ)

<http://www.maccore.org/>

Adam、O'Reilly Mac OS X Conference でキーノート -- これは 10月の下旬の事でまだ先の話であるが、旅と宿泊の準備のための時間が必要だと思うので今お知らせしておきたい。私は、第二回 O'Reilly Mac OS X Conference で "Panther 成績表" と題してキーノートアドレスをつとめる (去年の成績表については TidBITS-650 の "Mac OS X 成績表: 2002 年 10 月" を参照)。このカンファレンスは 27-Oct-03 から 30-Oct-03 まで Santa Clara, CA で開催される。私のキーノートは水曜日、10月29日の 8:45 AM からである。引き続き 9:30 AM から Andy Ihnatko が、10年間にわたる Macintosh のハードウェア、ソフトウェア、そしてこれらの商品を売るために PR の人達がしてきた事について語る。TidBITS の寄稿編集者である Matt Neuburg も "どこでも AppleScript" と題して木曜日、10月30日、10:45 AM に講演する。また他の多くのセッションも大変興味深い。例えば、Gordon Meyer の "デジタルハブを生きる: お宅と Mac OS X"、Matthew Barger の "あなたの iBook に REST を"、そして Cliff Skolnick の "上級 Mac OS X ワイヤレスヒントと裏技" である。[ACE](カメ)

<http://conferences.oreillynet.com/macosx2003/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06954>(日本語)Mac OS X 成績表: 2002 年 10 月


Asante と Linksys のゲートウェイを比較する

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私が最初に使ったワイヤレスのゲートウェイは、グラファイト色の AirPort ベースステーションだった。シアトルに住んでいた頃は、これが見事に動いてくれていた。けれども、ニューヨーク州のイサカに引っ越して来てからは、このベースステーションの到達範囲が Tonya の書斎にうまく届かなくなってしまった。それに、1つしかない Ethernet ポートに私のケーブルモデムを繋がなければならなかったので、ワイヤレス専用として使わざるを得なかった。そこで私はベースステーションの中から Lucent WaveLAN カードだけを取り出し、それを使って私の PowerBook G3 を広域ワイヤレス・インターネット接続用のゲートウェイへと変身させた。その後、私はその後継機として4ポートスイッチ付きの Linksys ワイヤレス・アクセスポイントルータ (model BEFW11S4) に乗り換えた。この機種には2本の小さなアンテナが付いていてかなり良いワイヤレスの通信をカバーしてくれたし、内蔵の 10/100 Mbps の4ポートスイッチのお陰で私のネットワークの有線部分とワイヤレス部分との接続も楽だった。AppleTalk のサポートが無いことと、ファームウェアのアップデートの度に滅多に使わない PC を使わなければならないことの2点は残念だったが、この Linksys BEFW11S4 はなかなかうまく働いてくれた。

<http://www.linksys.com/products/product.asp?prid=540>(日本語)http://www.linksys.co.jp/

けれども、つい最近になって Asante 社から 802.11b ベースの FriendlyNET FR1004AL ワイヤレス・ゲートウェイが送られてきた。こちらも Linksys の BEFW11S4 と基本的には同じ機能(ワイヤレス・アクセスポイント、インターネット共有、DHCP サービス、4ポートの 10/100 Mbps スイッチ、など)を持っていた。ただ、この Asante FR1004AL は AppleTalk もサポートしているし、ファームウェアのアップデートが Macintosh からも可能で、パラレルポートも付いていてプリンタの共有もできる。AirPort や AirPort Extreme のベースステーションを使いたくない Mac ユーザー向けの機種として、果たしてこちらの方がより良いものなのだろうか?

<http://www.asante.com/products/routers/FR1004AL/>

AppleTalk のサポート -- 私が引っ越した当初には、AppleTalk のサポートがあれば有難かっただろうと思う。なぜなら、当時は LaserWriter Select 360 というレーザープリンタを使っていたし、まだまだいくつもの Mac OS 9 マシンが AppleTalk を使ってファイル共有をしていたからだ。けれども今は、もはや私にはとりたてて必要とは言えなくなった。私のネットワーク上のすべての Mac は既に Mac OS X で動いているので、ファイル共有はすべて TCP/IP 経由で、Rendezvous によって探知されている。LaserWriter ももはや問題ではない。なぜならわが家では常時稼働の Mac OS X ベースの内部ファイルサーバをすべての Mac から使えるプリンタ共有のためにも使っているからだ。詳細は TidBITS-673 の記事“Mac OS X でプリンタ共有とプリントスプーリング”をご覧頂きたい。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07129>(日本語)Mac OS X でプリンタ共有とプリントスプーリング

という訳で、Asante FR1004AL の AppleTalk サポートは確かに結構なことだとは思うが、私にとってはもはや実際の役には立たない。まだ古いマシンやプリンタを持っている人にとっては、きっと有難いものだろう。

Mac ベースのファームウェア・アップデート -- Linksys BEFW11S4 ではファームウェアをアップデートしようとする度にいちいち PC か Virtual PC かを持ち出さなければならないのが面倒だった。でも、それにも増して面倒だったのは、Asante FR1004AL の方がファームウェアをアップデートする前には私のマシンでまったく動作しなかったという事実だった。私のケーブルモデムのプロバイダから来ている DHCP ベースの IP アドレスが認識されず、その問題を解決するのに何時間も掛かってしまった。むろん気が付きさえすればそんなに時間を浪費することも無かったのだろうが、Asante のウェブサイトで、ダウンロードすべきものをリストするインターフェイスがとてもまずく出来ていたので、私が検索した時には結果が出ず、私は自分が最新のファームウェアを持っていると勘違いしてしまったのだった。実はその思い込みが間違いで、その後技術サポートの人と電話が通じた途端に疑問は解消した。サポートの人は、そのサイトでダウンロードすべきファームウェア・アップデートを見えるようにするコツを教えてくれたのだ。実は、その人と直接話せたことにはもう一つご利益があった。その人と話していなければ、私はきっと Safari を使ってそのファームウェア・アップデートをダウンロードしていただろう。彼によれば、そうするとダウンロードが失敗に終わる可能性が高いので、代わりに Internet Explorer を使う方が良い、とのことだった。

最終的には、Mac を使ってファームウェア・アップデートをダウンロード出来て良かったのだが、Asante サイトのデザインのまずさと、現行の Macintosh 用ブラウザについての情報の不十分さのお陰で、私はファームウェアをアップデートするだけのために多大の時間を浪費してしまった。Linksys BEFW11S4 でさえも、いくら PC を持ち出して来なければならなくても、これほどまでに時間が掛かったことはなかったのだから。

プリンタ共有 -- Asante FR1004AL は、Linksys BEFW11S4 には無いポートを持っている。DB-25 パラレルポートだ。たいていの Macintosh ユーザーには馴染みのない種類のポートだが、これは PC の世界では、最近になっていくつかの分野で USB に取って代わられるまでは長い間メインの位置を占め続けてきたものだ。多くのプリンタはパラレルポートを持っており、Asante FR1004AL にそれを繋いでネットワーク上の他のコンピュータとの間で共有することができる。ただ、残念なことの一つ問題点がある。そのような共有プリンタが Mac から使えるためには、そのプリンタは PostScript プリンタでなければならないのだ。廉価版のインクジェットプリンタでは使えないおそれがある。(Thursby Software の Dave を使えば、Mac からそのような共有プリンタが使えるようになるかも知れないが、私はまだ試したことがない。)

<http://www.thursby.com/products/dave.html>

理論的には、私の LaserWriter Select 360 を Asante FR1004AL に繋いで使うことも可能なのだろうが、私は既に Asante の FriendlyNET Ethernet to LocalTalk Bridge によって実働のシステムを作り上げており、また(寝室のクロゼットの中にある)Asante FR1004AL の近くに LaserWriter を置くのも具合が悪かったので、やってみる気も起こらなかった。AppleTalk サポートの時と同様、このプリンタ共有機能も、別の方法で既に問題を回避しているのでない人にとっては、きっと便利なものだろうと思う。

その他の要因 -- では、もしも私が新しいワイヤレス・ゲートウェイを今購入するとしたら、その場合は Asante FR1004AL と Linksys BEFW11S4 のどちらを買うべきだろうか? 確かに Asante FR1004AL のメインの機能はもはや私には意味のないものかも知れないが、それ以外にも考慮すべき細かな点がいくつかある。

Mac のサポートがあるのは -- 以上の説明でお分かりのこととは思うが、Linksys BEFW11S4 の代わりに Asante FR1004AL をテストしてみて、私は別に世界が揺るぐ程の感銘は受けなかった。すべてのことが、以前とそれほどには変わらず、Asante FR1004AL が特別機能で対処しているような問題点については私は既に回避策を見つけていた。けれども、私としては、少し価格が高くなるにもかかわらず、802.11b ベースのアクセスポイントを探しておられる皆さんには Asante FR1004AL の方を考慮されることをお勧めしたい。その理由はたった1つ、単純なことだ。Asante は Mac のことを知っている。Linksys の方は、いくらひいき目に見ても Mac のことをご存じないとしか言えない。いくら、その機器が Mac でうまく動作するとしても(実際たいていはうまく動作するのだが)いざサポートの人と話をしたいと思った時には、まず Mac 関連の問題点について少しでも知識のある人を電話口に出してもらうために散々苦労させられるのだろうから。

もちろん、今の時点では、最大の問題点は 802.11b ベースのワイヤレス・ゲートウェイを買うべきか、それとも 802.11g をサポートしたものを買うべきか、という選択だろう。新しい 802.11g ベースのゲートウェイは、AirPort Extreme カードを装備した Mac ではより高速な通信を実現し、古い 802.11b 機器とも完全に互換で、価格もほんの少ししか高くない。しかし一方では、802.11g の速度を享受するためには新しいワイヤレス・ネットワークカードを購入する必要がある。(それも可能ならば、という条件付きだ。TidBITS-687 の記事“AirPort 3.1 がサードパーティー製 802.11g PC カードをサポート”を参照。)また、ワイヤレスのネットワークでインターネット接続を共有したい、というだけの場合にはあまり意味がないかも知れない。802.11b の 11 Mbps でさえも、たいていのインターネット接続よりはまだ高速だからだ。それに、私は Apple 製以外の現行の 802.11g ワイヤレス・ゲートウェイで AppleTalk をサポートしているものをまだ見たことがない。(きっとAsante では FR1044AL の 802.11g 用アップデートを現在開発中に違いないとは思うが。)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07256>(日本語)AirPort 3.1 がサードパーティー製 802.11g PC カードをサポート

結びとして、私はこの記事が、皆さんが今後ワイヤレス・ゲートウェイを比較検討したいと思われた時に、その方法について一歩深い眼識を提供できるものとなればと思う。これら2機種が無くなった後でも、何かのヒントとなれば嬉しい。ただ、ことわざにもある通り、ローマに通ずる道は1つではない。それぞれの人の事情に応じて、その人なりに最も適したワイヤレス・ゲートウェイの機種があるというのも、当然のことかも知れない。

PayBITS: Adam の記事を読んで、ワイヤレス・ゲートウェイの評価方法が見えてきましたか? ならば、PayBITS で感謝の意を示してみましょう!
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PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


iMovie 3 : ヒントと注意点

文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>
訳: 倉石毅雄 <takeo.kuraishi@attglobal.net>

iMovie は、Macintosh の世界で“はぐれガラス”のようになってしまった。Apple が 1999 年に初めて iMovie を発表したとき、家庭用の Mac でデジタルビデオの編集が簡単にできるというコンセプトはあまり受けなかった。その時、私たちは iMovie のことを「Apple の Final Cut Pro ビデオ編集ソフトの普及版で、おそらく Apple は、これにより 3 年以上も探し続けていた家庭用ビデオ編集分野のマーケットを切り開いてくれるよう期待しているのだろう」と述べている (驚いたことに、そのとき TidBITS Talk とその週に実施した投票で多くの読者がビデオ編集に対して大きな興味を示したのだった)。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05591>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=814>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05622>

それ以来、その使いやすさとビデオ編集性能のおかげで iMovie は Apple にとって大きな成功となった (4 年経った今でさえも、Windows には iMovie の機能と使いやすさに肩を並べるものは無い)。プロの世界ではさすがに iMovieが Final Cut Pro や Adobe Premiere に取って代わることはなかったが、アマチュア映画家、行楽客、ビデオが趣味の人、そして学校の生徒たちにとって新しい表現方法となった。

iMovie はさらに、Apple のデジタルハブ構想を後押しするのにも一役買っている。特にこれは、去年サンフランシスコで行われた Macworld Expo で iLifeソフトウエアアプリケーションを構成する iMovie 3 を発表したことから明らかであった (TidBITS-662 の“新しい Apple ソフトウェアで iLife に色づけ”を参照)。iMovie 3 は、iTunes 4 から音楽を、iPhoto 2 から画像を簡単に取り込み、iDVD 3 を使ってムービーを直接 DVD に作成することができる。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07040>※日本語新しい Apple ソフトウェアで iLife に色づけ

では、どうして私は iMovie が“はぐれガラス”になってしまったと言ったのだろうか?

ほとんどの Apple ソフトウエア、というか実際のところ一般的なソフトウエアとは異なり、iMovie はバージョン 3 で性能が後退してしまった。これは、私の最新著作である Peachpit Press 社の iMovie 3 for Mac OS X: Visual QuickStart Guide を書き始めてすぐに明らかになった。いくつもの新機能が搭載されたのは歓迎するが、動作は遅く、理由もなく異常終了し、書き出したデータには問題があった (TidBITS-665_ の “iMovie、3 撮目”を参照)。iMovie 3 はまるで新しい Word 6 のようになってしまったのだ (あの大きく後退したソフトウエアを覚えているだろうか)。

<http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0321193970/tidbitselectro00/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07059>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=01884>※日本語 iMovie、3 撮目

しかし、それほど悪いわけではないのかもしれない。まったく問題が無いと報告している人も何人かいるのだ。そのような幸運な人たちがうらやましい。私、そして名前は出せないが連絡を取り合った知りあいが iMovie 3 を使うときは、思いもしない時に問題をよく起こしていたのだった。

どうしてそうなるかは明らかでないし、Apple の性格上この件については無言である。しかしながら報告によると、iMovie 2 の時は Carbon のままであったのに対し、今回は iMovie を Cocoa アプリケーションとして書き直すようApple が要求したことが大きく影響しているとのことであった (このため、iMovie 2 は Mac OS 9 と Mac OS X の両方で動作するのに対し iMovie 3 はMac OS X でしか動かない)。別な理由としては、iMovie 3 が大きく QuickTimeに依存していることが考えられる。QuickTime が改善されれば iMovie も同じように良くなるということだ。これは、6 月に iMovie 3.0.3 と QuickTime 6.3が同時にリリースされ速度が劇的に改善されたことが証拠である。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07208>※日本語iMovie 3.0.3 が (ようやく) 性能向上
<http://www.info.apple.com/kbnum/n120187>
<http://www.apple.com/quicktime/download/>

そうは言っても、iMovie 3 に見込みがないという訳ではない。上記の最新アップデートにより、性能が改善され初期の欠点が多数修正された。私たちはまだiMovie 3 について特にそれほど TidBITS で書いていないのでいくつかの新機能についてのヒントと、iMovie 3 を使っていてつまずかないように、まだ修正の余地がある部分について指摘したい。

iDVD と連携 -- iLife として統合されているため、iMovie ではあなたが作成したムービーの iDVD プロジェクトを簡単に作成できる。さらに、あなたの DVD を見る人がいちいち早送りせずにジャンプできるチャプターマーカーの設定が可能だ。このチャプターマーカーはとても原始的である。iMovie の再生ヘッドをチャプター開始位置に移動し、DVD 棚に切り替え、「チャプタの追加」ボタンをクリックするのだ。チャプターをタイムラインの別の場所から開始したいと思ったときは、マーカーを修正できれば良いのだがそうはいかず、マーカーを消して新しいものを作成しないとならない。チャプターの設定が完了すれば、「iDVD プロジェクトを作成」ボタンを押すだけで iDVD 3 が起動しプロジェクトを組み立てる。

それではもし iDVD 3 を持っていないとしたらどうすれば良いだろう? たぶんiLife アップグレードを購入しなかったか (なぜなら、iDVD 3 だけが無料でダウンロードできない唯一の iLife アプリケーションだからだ)、iMovie をSuperDrive が搭載されていない Mac で使っているのだろう。iMovie 2 では、「書き出し」ダイアログの「iDVD 用に」オプションを使ってムービーをセーブできたのだが、 iMovie 3 で同じオプションを選んでもご丁寧に iDVD 3 が必要だとのメッセージが出てしまう。ありがたいことに、まだ iDVD 2 で読める形式でムービーを書きだすことが可能だ。「書き出し」ダイアログボックスの書き出しポップアップメニューで「QuickTime 形式」を選び、「高品質 DV」を選ぼう。そうすれば設定したチャプターマーカーは消えてしまうが、作成したQuickTime ムービーを iDVD 2 に取り込むことができる。

iDVD 3 に関して言えば、SuperDrive を搭載していないマシンでも、iDVD 3.0.1アップデートを適用することによりそれを動作させることができるようになったことを覚えているだろうか (TidBITS-690 の“iDVD 3.0.1 を非 SuperDrive Mac で使う”を参照)。この短い記事の中で、私はインストーラが SuperDriveの有無をチェックするため iLife ディスクから iDVD 3 をインストールすることはできないと書いた。しかしこれは私の調査不足だと判明した。iDVD 3 インストールディスク (これは CD ではなく DVD なので、少なくとも DVD が読めるドライブが必要だ) があれば、下記の TidBITS Talk に投稿された方法を試して頂きたい。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07287>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkmsg=18476>

QuickTime 参照ムービー -- 目敏いビデオ編集者はそれぞれの iMovie プロジェクトフォルダに付録のファイルが入っていることに気がついたかもしれない。プロジェクトファイル自体とビデオやオーディオ断片が保存されている Media フォルダに加え、iMovie 3 は最後に保管した状態でのタイムラインを反映した QuickTime 参照ムービーを作成する。メディアファイルのどの部分を使用するかのポインタと題、遷移、そして適用されたエフェクトしか含んでいないため、iMovie プロジェクトファイルと同様にファイル自体はあまり大きくない。

この参照ファイルは iMovie 以外の QuickTime Player や第三者からのビューアーなどで映画をプレビューしたい時に便利だ。これは同時に、映画を既存の iDVD プロジェクトに手早く加える方法でもある。なぜなら、iMovie 3 で Create iDVD Project ボタンを押すと、新しい iDVD プロジェクトが作成されるからだ。そうでなく、この参照ムービーを iDVD ヘドラッグすると、プロジェクト内に映画とその章マーカーを含んだフォルダを作成する。この方法では iDVD 中の Play Movie オプションも保存する。これにより最初から最後まで映画を再生しても章を維持できる。

オーディオのエキスポートの注意点 -- 残念ながら、エキスポートされた iMovie 映画の音質は、いまだに問題点があり、これは最も苛立つと言っても良い。オーディオの雑音やオーディオとビデオの同調がずれてしまう部分があるなどといった報告がユーザから入ってきている。

一つの提案は、オーディオ源を 12-ビットではなく、16-ビットで録音することだ。12-ビットのオーディオのキャプチャでは、ビデオカメラはオーディオを二つの独立したステレオのチャンネルに保存する。これによりテープに空きが残されて、必要とあれば後からさらにオーディオを録音することが可能になる。16-ビットキャプチャはより高音質でオーディオを取り込むため、さらに録音することは出来ない。しかし、カメラではなく iMovie で録画を編集するのだから、12-ビットを使用する唯一の利点はインポートする際にハードドライブ上での容量を減らせる点しかない。また、iMovie は他のビデオ編集ソフト (例えば Final Cut Express) とは独立したオーディオチャンネルの認識方法が異なる。もし録画が現在 12-ビットのオーディオを使用しているのなら、ビデオカメラを 16-ビットオーディオに設定し、iMovie から空の MiniDV テープへエキスポートして、そこから再び iMovie に取りこめば良い。

<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=61636>

次の提案は少々怪しい気がするかもしれないが、ちゃんと働くようだ。エキスポート後に、オーディオのフェードが働かなかったり、もしくは無音に設定したはずのクリップがまだ聞こえるようであれば (私の あるDVD プロジェクトで実際にあったが)、その修正方法は映画をエキスポートする際にクリップを一つ選択しておくことだ。

オーディオとの同調がずれてしまったクリップでは、ビデオクリップのオーディオを別のトラックへ摘出してみると良い (クリップを選択して Advanced メニューから Extract Audio を選ぶ)。この際、オーディオトラックがビデオトラックにロックされるよう、再生ヘッドが二つのクリップの間にあることを確認して Advanced メニューから Lock Audio Clip at Playhead を選ぶ。

性能上の問題 -- iMovie 3 で最も突発的に起きる問題は一般的な性能だろう。iMovie 3.0.3 は性能を大きく向上したものの、オーディオとビデオの引っかかりやクリップを選択したり異なるエフェクト窓の間で切りかえる際の鈍い反応などが未だに見られる。一般的な改善のための提案は iMovie のウィンドウの大きさを縮小することだ (iMovie 1 と 2 とは異なり、画面全体を乗っ取ったりしなくなった) 。また、第三者の iMovie プラグインを取り除いてみて改善があるか確認してみよう。iMovie (と Mac OS X) はメモリの消費が激しいため、他の作動中のアプリケーションを終了し、予算があればもっと RAM を装着することを考えるべきだろう (最新の RAM の値段は dealram を参照)。

<http://dealram.com/>

iMovie 2 を使い続ける -- もし iMovie 2 からアップグレードしたものの、iMovie 3 の性能が使用に耐えないもので、iMovie 3 の新しい機能を放棄することを我慢できれば、前者を使用して iMovie 3 で作成したプロジェクトを開くことが出来る。もしまだ iMovie 3 へアップグレードしていないのなら、iMovie 2 のコピーを取ってバージョン 3 インストーラがそれを上書きしないよう、気を付けよう。もしくは、iMovie 2 が Mac の Software Restore ディスクに含まれているのであれば、Pacifist 等のユーティリティを使用して iMovie 2 特定のインストーラを摘出することも可能だ。

<http://www.charlessoft.com/>

iMovie で起こりうる問題を全てカバーしたとは思えない。Apple のサポート議論掲示板は、例えば突発的で再現するのが難しい予想外のクラッシュなどを報告している人達などで一杯だ。苛立たしい事ではあるが、この手の問題は Apple のエンジニアによってしか解決できない。iLife やデジタルハブのライフスタイルを華々しく推したことを考えれば、Apple がこれらの問題を解決するのは時間の問題だろうと思う。それでも、以下のフィードバック Web ページを使用するか、iMovie メニューの Provide iMovie Feedback を選択して、現在直面している問題を Apple に報告することを強く勧める。Apple の従業員達はこれらのフィードバック報告が読まれていると強調しているし、十分な数があれば開発用予算を再配分して報告された問題の解決に当てるよう会社の上層部に対して働きかけられるだろう。

<http://discussions.info.apple.com/webx/iMovie>
<http://www.apple.com/feedback/imovie.html>

PayBITS: iMovie 3 の新しい機能や、バグを避ける方法について学んだだろうか?もしそうなら Jeff に PayBITS 経由で数ドル送るのはどう?
<https://www.paypal.com/xclick/business=jeff%40necoffee.com>
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


TidBITS Talk/15-Sep-03 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Eudora 6 について -- Eudora 6 に新装備のスパム検出機能について、数多くの質問や回答が寄せられた。また、URL を Command-クリックした時にそのウェブページをバックグラウンドに開いてくれるという Eudora の非常に便利な機能に関する問題点についても議論があった。(メッセージ数 40)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2059>

WDS でネットワークを拡張 -- AirPort Extreme ベースステーションと Buffalo の WLA-G54 との間の WDS 互換性に関する Glenn Fleishman の記事をめぐって、WDS ブリッジのあるネットワークの下でネットワークの有線部分がどのように扱われるかについての議論があった。(メッセージ数 3)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2061>

.Mac 一年経過 -- これで一年が過ぎた。TidBITS Talk の読者たちは、もう一年 .Mac サービスの契約を延長するために Apple に料金を払うべきかどうか、意見を交換している。(メッセージ数 10)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2062>

Safari はキャッシュ無しの方が高速 -- Safari は確かに高速のウェブブラウザだが、ウェブページのキャッシュをオフにした方がさらに高速になるというのは本当だろうか? (メッセージ数 4)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2065>

SideTrack トラックパッドドライバ -- スクロールのテクニックをめぐる前回の議論に絡んで、Nik Gerber から Mac ではトラックパッドの特別の部分を利用してスクロールできるようなカスタムドライバが無いという嘆きの声が挙がった。彼がこの声を uControl の著者の Alex Harper にも伝えたところ、その後間もなく Alex はこのトラックパッドの特別機能を備えた SideTrack の公開ベータ版をリリースしてくれた。ぜひお試しを! (メッセージ数 1)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2066>


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非営利、非商用の出版物およびウェブサイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載またはウェブページにリンクすることが できます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありませ ん。書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。TidBITS ISSN 1090-7017

Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA