今週は、あなたのデータを安全に保つことに目を向ける。Glenn Fleishman は最近リリースされた Mac OS X 10.3.4 のセキュリティに関する変更を追いかけ、我々は Apple の最も新しい(そして最も重要な)セキュリティアップデートに注目、そして David Shayer が Tech Tool Pro 4 をレビューする。もしデータの完全性があなたの耳に心地よく聞こえなければ、Glenn の報告、Apple の新しい AirPort Express と AirTunes を読まれたし、これを使えばあなたの Mac から Wi-Fi 経由でステレオへ音楽を飛ばすことが出来る。更に、新リリースとして Six Degrees 2.0, Eudora 6.1.1, PowerMail 5, そして Ergonis の KeyCue についてお伝えする。
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Apple、Mac OS X 10.3.4 アップデートをリリース -- Apple は Mac OS X 10.3.4 をリリースした。これは Mac OS X 10.3 Panther の所有者に対する無償のアップデートである。(同様なアップデートが Mac OS X Server 10.3 に対してもリリースされている。) Apple によれば、このアップデートでは Mail, Safari, Address Book, Stickies, QuickTime Player, そして DVD Player に関わる問題に対応している;更に USB 2.0 経由で接続された iPod、大容量記録装置、そして FireWire 経由で PowerBook に接続されたビデオカメラの動作が改善されている。このインストーラは最新のセキュリティアップデートもインストールすると報じられている (しかし Adam はこの 10.3.4 をインストールした後でも一台の Mac で最新のアップデートをインストールするようにとの指示表示を経験している)、ファイル共有とディレクトリサービスが改善され、そしてディスク焼き付けに関するおかしな振舞いも対策されている。このアップデートは Software Update で入手可で 41 MB のダウンロードとなっている。独立のインストーラもあり Mac OS X 10.3.3 からのアップデート用は 39.5 MB のダウンロード、その他の 10.3 バージョン用は 79 MB の統合アップデートとなっている。[MHA](カメ)
<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=25764>(日本語)アップル - サポート - TIL
<http://www.apple.com/support/downloads/macosxupdate_10_3_4.html>(日本語)アップル - サポート - ダウンロード - Mac OS X Update 10.3.4
<http://www.apple.com/downloads/macosx/apple/macosxcombinedupdate.html>(日本語)アップル - サポート - ダウンロード - Mac OS X Combined Update 10.3.4
Creo Six Degrees 2.0 サポートするメールプログラムを追加 -- Creo は、整然としたプロジェクト管理のための関連するメールメッセージ、ファイル、それに人を結びつけるユーティリティである Six Degrees のメジャーアップデートをリリースした。最も重要な変更点は、Six Degrees 2.0 は今や Microsoft Entourage だけでなく Apple Mail と Eudora とも働くようになったことである。Six Degrees はあなたの POP 或いは IMAP サーバと直接会話し全てのメッセージのコピーを取り込むことでこの機能を実現している。Six Degrees 2.0 が一旦そのデータベースにメールをインポートすると、又はメッセージを取り込みインデックスを付け終わると、プロジェクト関連のメールメッセージ、添付ファイル、等々を追跡するための Web ブラウザベースのインターフェースを提供する。その他の機能には、メッセージの全文検索、to-do リスト、そして Creo Tokens (TidBITS-707 の “Creo から Tokens を使った易しいファイル共有法” 参照) との統合がある。多少機能が落ちる Six Degrees 2.0 Lite Edition もあり無償の 13.4 MB ダウンロードとなっている;$100 の Personal Edition (Six Degrees 1.x の所有者には無償) では追加の機能として無制限の数のプロジェクト、Microsoft Entourage (無料版では Eudora と Mail のみ) からのインポート、自分のデフォルトメールクライアントの返信/転送へつながるリンク、そしてアイテムを削除する機能が付いている。[ACE](カメ)
<http://www.creo.com/global/products/software_solutions/creative/six_degrees/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07449>(日本語)Creo から Tokens を使った易しいファイル共有法
Ergonis の KeyCue キーボードショートカット用のカンニングペーパーを提供 -- KeyCue は、あの貴重な PopChar X ( TidBITS-699 の “Panther 対応 PopChar が登場” 参照) のメーカーである Ergonis Software からの単純だが独創的な Mac OS X アプリケーションである。Panther の Accessibility API (TidBITS-670 で私が説明した “Mac OS X でスクリプト化不能だったことを可能にする” 参照) を利用して KeyCue は最前面にあるアプリケーションのメニューアイテムを読んで、キーボードショートカットを持っているものを探しだし、そして Command キーを数秒間押し続けるとそれをリストとしてウィンドウに表示する。結局のところメニューパラダイムと言うものがありその重大な欠陥は、ショートカットやメニューアイテムを探すには、メニューを一個一個開いていかなければならないことである。その結果、そのアプリケーションのショートカット全体を把握することはまず不可能で、またあなたはショートカットの殆どを覚えることなく来ているのではなかろうか?理由は簡単で、苦労の挙句自分の欲しいメニューにたどり着いた時にはそれをマウスで選択する方が自然だからである。少しの間 KeyCue を使ってみたら、最も頻繁に使うメニューアイテムへのショートカットを短時間で覚えられる様になったのに気付いた;そして勿論のことだが、普段あまり使わず従って覚えていないショートカットに、メニューの中での探索無しにすばやく到達できる道を与えてくれる。KeyCue は欲を言えばきりが無いが私の理想とするユーティリティにはまだ到達していない;私が本当に欲しいのはカンニングペーパーで、アプリケーションの全てのメニューアイテムを、ショートカットの有り無しに関係なく、見る事が出来て選択させてくれるものである。同時に、色々なアプリケーションがインストールしている汎用の "ホットキー" 全てを示すカンニングペーパーも欲しい。しかし、この KeyCue は大いなる助けになるし、$15 の価格も納得のいくものである。試してみたい方にはデモ版 (659K) がダウンロード出来る;これは最初の 10 回だけは全てのショートカットを表示するが、その後はショートカットの一部を隠してしまう。[MAN](カメ)
<http://www.ergonis.com/products/keycue/>
<http://www.ergonis.com/products/popcharx/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07372>(日本語)Panther 対応 PopChar が登場
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07102>(日本語)Mac OS X でスクリプト化不能だったことを可能にする
Eudora 6.1.1 リリースされる -- Qualcomm は Eudora 6.1.1 をリリースした。これは同社の人気のメールプログラムに対するマイナーアップデートである。修正されたのは Apple Mail からのインポートのバグ、 Eudora の Bayesian ベースのスパムフィルタの改良、他にもマイナーな修正が施されている。このアップデートはマイナー(そして無償)ではあるが、スパムフィルタ修正の一つに、Eudora のジャンクメールデータベースが破壊されるバグに対する対策が入っているので入手する価値がある。Eudora 6.1.1 は Mac OS 9 と Mac OS X 用があり 6.1 MB のダウンロードとなっている。[ACE](カメ)
<http://www.eudora.com/download/>
PowerMail 5 リリースされる -- 他のメールに関連したものとして CTM Development は同社のメールクライアントのメジャーな改版である PowerMail 5 の出荷を開始した。PowerMail 5 は、スパムフィルタに Michael Tsai の優秀な SpamSieve との密接な連携を取り、全般的な性能向上、フィルタ動作の追加、ゴミ箱からユーザーが定義した日にちを過ぎての自動的なメール削除、添付書類のロングファイル名とエイリアスに対するサポート、完全にカスタマイズ出来るツールバー、種々のメッセージ管理命令に対する複数回の Undo、等々を特徴としている。PowerMail 3 と 4 からのアップグレードは $30 (SpamSieve 付きの場合は $45、大幅な値引きとなっている);過去3ヶ月以内に PowerMail 4.2.1 を買った人には無償である。新たなライセンスは $50, または SpamSieve 付きで$65 である。PowerMail 5 は Mac OS X 10.2 かそれ以降を必要とする;デモ版もあり 4.8 MB のダウンロードである。[ACE](カメ)
<http://www.ctmdev.com/powermail5.html>
<http://www.c-command.com/spamsieve/>
<http://www.ctmdev.com/documentation/Read_me.html>
<http://www.ctmdev.com/download.html>
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 貞広正則 <msadahiro@peccom.com>
Unsanity 社の Paranoid Android(不明なURLスキームを起動した場合にユーザーに警告を発するユーティリティ)のアップデートへの簡単な説明を入れて今回の号も完成間近というまさにその時、Apple から Security Update 2004-06-07 のリリースが出た。それは Mac OS Xで最近確認されたセキュリティの脆弱性全て(問題の詳細に関しては、TidBITS-731 の記事を参照のこと)を修復するものだと宣言している。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07679>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07680>
<http://www.unsanity.com/haxies/pa/>
つまり、今回の security update は Launch Services に手を加え、(Paranoid Android が警告の際に表示させているダイアログに沿ったもので)以前明確に起動されたことのないアプリケーションの警告をユーザに与えるものである。このアップデートは、さらに disk URL スキームの登録を抹消するので、disk URL からアクセスされたディスクイメージはもはや自動的にマウントされることは無い。Safari への変更では、「ファインダーで表示」ボタンがクリックされたときに、ダウンロードされたファイルを開く機能が削除されている。最後に、セキュリティ向上とは無関係な修正ではあるが、前回のsecurity update で取り除かれてしまっていた機能であるポート番号付きのtelnet URL が再び使えるようになっている。さらに詳しい情報や新しい警告に関しては、Apple の記事を参照。
<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=61798>(日本語)アップル - サポート - TIL"
<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=25785>
Security Update 2004-06-07は Software Update から入手可能。また、Mac OS X 10.3.4 と Mac OS X 10.2.8用の、900Kのアップデータを個別にダウンロードすることができる。
<http://www.apple.com/support/downloads/securityupdate_2004-06-07_(_10_3_4).html>(日本語)アップル - サポート - ダウンロード - Security Update 2004-06-07 (10.3.4)"
<http://www.apple.com/support/downloads/securityupdate_2004-06-07_(_10_2_8).html>(日本語)アップル - サポート - ダウンロード - Security Update 2004-06-07 (10.2.8)
言うまでもなく、Apple の修正がどれくらい効果的に機能するのか、あるいは別の問題を引き起こすのかを評価する時間は持ち合わせていなかったが、来週の TidBITS Talk への書き込みやほかのフォーラムへのユーザによる報告を追跡していくつもりである。
文: Glenn Fleishman <[email protected]>
訳: 古川敬章 <tac@mac.com>
Appleは最近リリースされたMac OS X 10.3.4で2つのセキュリティホールを埋めた。これらは以前の号で解説し、現在Security Update 2004-06-07で処置されている(今号で前に触れている)URLスキームの欠陥とは違うレベルのものだが、いくつか詳細を述べておきたい。
一つ目の問題はSSHプロトコルを使ったAppleShareサーバの暗号化通信に関するものだ。Mac OS X 10.3から10.3.2にかけて、この種の通信はつながらず、10.3.3では、実装に第三者による横取り、パスワードの盗用を許すようなバグがあった。(TidBITS-719「AppleShare 暗号化にセキュリティ問題が発見される」参照 )
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07563>(日本語)AppleShare 暗号化にセキュリティ問題が発見される
このアップデートでは、ユーザがSSH接続が無いのにSSHを使用するオプションをオンにしたときに警告する。依然としてSSH fingerprintや他の安全な接続方法は使えないが、SSH上でのAppleShareに頼っている一握りの人たちはこれでセキュリティの危険に備えることが出来る。
テストでは、SSHが正しくオンにされファイアーウォールのない二つのMac OS X 10.3.4搭載システム同士で、インターネット経由でも、同じローカルネットワーク上でも、SSH上のAppleShareのセッションを開始できなかった。しかし、Mac OS X Server 10.3.4の動くサーバからAppleShareのボリュームをマウントすることは問題なく出来た。
もう一つの別の問題は、インターネットのいろいろなバックボーンや高レベルのルータを混乱させるおそれがあるというものだ(TidBITS-727 「重大な TCP 弱点が浮かび上がる」参照)。機器のオペレータの努力によりこの問題はまだ表面化してないように見えるが、利用される危険がずっと少ないだけで同じ欠陥はパーソナルコンピュータにもある。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07648>(日本語)重大な tcp 弱点が浮かび上がる
Appleが10.3.4に添付しているセキュリティ向上の説明文には、10.3.4は「非連続TCPパケットの扱いを改善する」とある。これがApple製品でこの問題がおさまったことを意味するのかは、現時点ではまだはっきりしない。
<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=61798>(日本語) アップル - サポート - TIL
文: Glenn Fleishman <[email protected]>
訳: 古川敬章 <tac@mac.com>
PowerBookのACアダプタより少し大きくて、ポートが3つあって、Wi-Fiを話せるものってなんだ?Appleの最新ワイヤレス製品、AirPort Expressの、802.11gベースステーション(重さ189g)である。本日発表のAirPort Expressは7月中旬に$130で発売される。下位機種で$200のAirPort Expressにとって代わる形になる。
<http://www.apple.com/airportexpress/>(日本語)アップル - AirMac Express
AirPort Expressは電源コンセントに直接差し込むことができ、アダプタなしで交流電気の各規格に対応する。3つのポートがあり、Ethernet(コンピュータ1台またはEthernetハブに接続)、USB(プリンタ追加用)、オーディオ(アナログ2チャンネルやデジタル5.1chサラウンドなどに接続)が使える。AirPort Expressとあなたのステレオをつなぐケーブルが必要なら、Appleが$40でAirPort Expressステレオ接続キット(Monster Cable付)を販売している。これはMonster miniとRCA左/右オーディオの接続ケーブル、Monster miniと光デジタルToslinkを繋ぐオーディオケーブル、AirPort Express電源用の延長ケーブルが含まれ、機器の配置がより自由になる。
最も面白いのがオーディオ機能だ。AirTunesと呼ばれるこのシステムは、今週末アップデートされるiTunes 4.6とAirPort Expressに内蔵のソフトウェアが連携して動作する。iTunesを持っているワイヤレスユーザはMac OS XかWindowsかにかかわらず、AirPort Expressベースステーションに接続されたスピーカに送信できる。いわば、AirTunesはiTunesのあるMacを究極のステレオ用リモコンに変えてしまう。
<http://www.apple.com/airportexpress/airtunes.html>(日本語)アップル - AirMac Express - AirTunes
<http://www.apple.com/airportexpress/unwireyourlivingroom.html>(日本語)アップル - AirMac Express - リビングルームをワイヤレスに
複数のAirPort Expressベースステーションがネットワーク上にあるときは、それぞれが別のスピーカを持ち、別々のiTunesから独立にコントロールできる。iTunesはRendezvousを用いて使用可能なスピーカを探す。iTunesとベースステーションは、一度に一つのiTunesが1組のスピーカだけに音楽を送信するように調整する。音楽のストリームはロスレスで送られるが、Appleによると、音楽の「盗難を防止する」ためiTunesとAirPort Expressユニットの間では暗号化される。
新しいAirPort Expressベースステーションは搭載Ethernetポートで直接DSLモデムやケーブルモデムに繋ぐことが出来る。またはWireless Distribution System(WDS)で既存のAirPort ExtremeかAirPort Expressネットワークに参加してもよい。Appleによると、AirPort ExpressのWDSは他社のベースステーションとでも動作するかもしれない(たとえばBuffalo Technologyのベースでは動くことがわかった。TidBITS-696 「峠の我が AirPort に、バッファロー濶歩す」参照 http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/TidBITS-jp-696.html#lnk2)が、WDSには標準がないためApple製デバイスでしか動作すると保証できないとのことだ。あなたのネットワークがWDSに対応していない場合は、AirPort ExpressをEthernetポートで利用するしかない。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07341>(日本語)峠の我が AirPort に、バッファロー濶歩す
AirPort ExpressはAirPort Extremeの機能を全部受け継いでいるわけではない。どれが欠けているかは設定ソフトを見るまでは詳しくわからないが、スペックによると10ユーザまでの対応だ($250のモデルは50ユーザ)これは処理能力などをもとにした目安だが、頭においておくとよい。$250のモデルはアンテナ入力があり、1機種はEthernet線電源機能や火災安全レーティングがあり、もう一方はモデムを内蔵している。Appleによると、数々の共通点の他に、AirPort ExpressはAirPort Extremeと同じようにDHCPとNATを用いてインターネット接続を共有できるとのことだ。
AirPort Expressの持ち運びやすさは見逃せない。2、3ヶ月前の調査では、私は使いやすいポータブルベースステーションを探したが結局見つからなかった。同じようなデバイスはAirPort Expressよりも数段高価で、ケーブルを多く必要とする。AirPort Expressが小型軽量であるという点は、それがビジネストラベラーが外出先でもっとも快適に働くための標準アイテムになるということを意味する。
<http://www.apple.com/airportexpress/onthego.html>(日本語)アップル - AirMac Express - On the Go
AirPort Expressは、単にMac OS 8.6/9やMac OS Xでソフトウェア・ベースステーションをオンにするのと結局の所何が違うのだろうか。家の中では、スタンドアロンのベースステーションの代わりにMac一台を犠牲にしないで済む。外出先では、汚れた椅子と出来の悪い机の上で、あなたのラップトップを接続しなくても済む。さらに、ソフトウェア・ベースステーション/インターネット共有にはWPA(Wi-Fi Protected Access)の暗号化機能がない。(特に旅行する場合にこの機能が重要なユーザもいるだろう。)
TidBITSでの私たちの視点から言うと、AirPort Expressは重要な発展である。Appleはまた、単なる基本機能の競争ではなく、ずっと多くの可能性を提供してくれた。AirPort Expressの発売で、Appleはワイヤレスベースステーションの価格を今までよりずっと競争力のあるものにし、プリンタ共有、ワイヤレスブリッジング、音声のストリーミングなど、一つのデバイスの中ににはめったに無い機能を融合した。他社の最も良く安い機器を組み合わせてこれと同じ機能を全部手に入れるとすると、$300〜$500は軽く超えてしまう。AirPort Expressはまた、その魅力的な設計で真の持ち運びやすさを可能にし、ワイヤレスを家庭のエンターテイメントシステムと融合するための洗練された方法をもたらす。起こるかもしれない技術的な問題は別として、AirPort Expressは新たなAppleのヒット商品になる可能性を秘めている。ウォール街はもうすでに発売を心待ちにしているのかもしれない:今日Appleの株価の終値は過去4年間で最も高かった。
David Shayer <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
半年ほど前、私は TidBITS に、Mac OS X 用として入手できるいろいろなディスク修復プログラムの比較記事を書いて、Norton Utilities 8.0 ($100)、DiskWarrior 3.0 ($80)、Drive 10 1.1.4 ($70)、Disk Guardian 2.2 ($70)、それに Apple のディスクユーティリティ (無料) を比較した。詳しいことは TidBITS-707 の記事“ディスク修復牧場の決闘”をご覧頂きたい。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07451>(日本語)ディスク修復牧場の決闘
<http://www.symantec.com/nu/nu_mac/>
<http://www.alsoft.com/DiskWarrior/>
<http://www.micromat.com/drive_10/drive_10_introduction.html>
<http://www.subrosasoft.com/>
ただ、その記事で私は Tech Tool Pro を比較対象に入れなかった。Micromat は 2003 年 1 月の Macworld Expo San Francisco で、TechTool 4 を $100 で発売予定と発表していたが、それから9ヵ月も経っていた私の記事の執筆時点で、まだこれは発売になっていなかったのだ。私は TechTool 3 をレビュー対象にするつもりはなかった。こちらはもう間もなくバージョン落ちになることがわかっていたからだ。幸か不幸か、バージョン 4 がようやく出荷されたのはちょうどその記事が TidBITS で出版された直後のことだった。
<http://www.micromat.com/tt_pro_4/tt_pro_4.html>
ディスク修復ユーティリティを比較するにあたって、その時の私は 13 個の違った HFS+ ディスクイメージを作り、それぞれ1つ1つ違ったディスク上の部分にダメージを与えておいた。それからこれらの壊れたディスクイメージについて、それぞれのディスク修復ユーティリティごとに1つずつ複製を作った。こうして全く同じ壊れたディスクイメージをそれぞれのディスク修復ユーティリティに修復させ、どれだけのイメージが正しく修復されたか、どれに未修復のエラーが残ったか、あるいはデータが失われたかを記録した。ディスク修復プログラムの他の機能についてはテストしなかった。個々のエラーのあらましについては以下で簡潔に説明したい。もっと詳しいことは元の記事を参照して頂きたい。
さて、今回のテストでも前回の比較実験と同じ方法を採用した。Tech Tool Pro 4.0.2 を使って、私は前回のレビュー用のテストで使ったのと全く同じディスクエラーを修復させてみた。もう一度強調しておくが、テストは壊れたディスクの修復という機能のみについてで、Tech Tool Pro の他の機能についてはここでレビューするつもりはない。
まずは無料のアドバイスを -- ディスク修復プログラムというものはさまざまのことを修復できるが、それでもあなたが Mac を水泳のプールに落としてしまった時、タクシーの座席に置き忘れた時、空巣に入られて盗まれた時、そういう時には、データの最新のバックアップを持っていること以外にあなたを助けてくれるものはあり得ない。今、あなたが最新のバックアップを持っていないのなら、ぜひ今日中に作っておかれるのが良い。
また、もしもあなたが Mac OS X 10.3 Panther を使っておられるのなら、ディスクユーティリティを使ってジャーナリングをオンにしておくことをお勧めする。ジャーナリングがオンになっていれば、いくつかの種類のダメージについては、あなたが問題の所在に気付くよりも前の時点で、自動的に Mac OS X が修復してくれる。
悪いセクタが! -- 悪いセクタというのはよくある問題で、ディスク表面の物理的な傷によって、またはセクタ上のデータがソフト的に壊れてしまったという理由によって、どれかのセクタが読み取り不能になることで起こり得る。どちらにしてもそのセクタのデータはもはや読めないので、このようなディスクを修復するのは比較的容易だ。前者の理由の場合は、その悪いセクタはディスクに予備として取り置かれているセクタにで置き換えられる。後者の場合は、壊れてしまったデータの上に新しいデータが書き込まれる。どちらの場合も、そのセクタに存在していた元のデータ内容は失われる。
私は特別のツールを使って、データが壊れてしまった悪いセクタを作成した。(このテストは実際のディスクの上に施さねばならなかった。)Tech Tool Pro は悪いセクタを検知できたが、それを修復することはできなかった。また、その悪いセクタがどのファイルに含まれているのかも表示してくれなかったので、どのファイルが壊れているかという手掛かりを得ることもできなかった。この結果は、Drive 10 と Disk Guardian と同点ということだ。ディスクユーティリティ、Norton Disk Doctor、それに DiskWarrior は、悪いセクタを検知することすらできなかった。
現代のディスクでは悪いセクタを修復するのはかなり易しいし、どのファイルが悪いセクタを含んでいるのかを見つけ出すのもそれほど難しいことではない。それなのに、ディスク修復ユーティリティたちのうちにどれ一つとしてそれが出来るものがないというのは、私には驚き以外の何物でもない。その機能を装備するだけで、ライバルたちにはっきりと差をつけられるというのに。
ディレクトリの崩壊 -- それ以外のテストはすべて、ファイルがディスク上のどの場所に置かれているのかを追跡するために Mac OS X が使用する、さまざまのデータ構造のうちどこかにダメージを与えることによって行なった。
アロケーションファイルは、ディスク上のどのブロックがファイルを含んでいて、どのブロックが空いているのかを記録している。アロケーションファイルにエラーが起こるのは珍しいことではない。Tech Tool Pro は、私のテスト用ディスクイメージでダメージのあるアロケーションファイルを問題なく修理できた。これは、他のディスク修復ユーティリティもすべて同じだった。
ボリュームヘッダは、ディスク上でそれ以外のすべての重要な構造を見つけ出す手掛かりとなる。これがなければ、アロケーションファイルも見つからないし、カタログファイルも、あなたが保存したどのファイルも見つからない。ボリュームヘッダの署名部分を削除すると、Mac OS X はそのディスクが壊れているとみなし、マウントを拒否してしまう。Tech Tool Pro はこの問題を素早く修理できた。他のディスク修復ユーティリティもすべて同じだった。
HFS+ ディスクで最も重要なデータ構造は何かと言えば、それはカタログだ。すべてのファイルやフォルダを追跡するための情報が、カタログに収められている。私はカタログの最初のノードを消去してみた。これは破壊的なエラーだ。Tech Tool Pro はこの問題を適切に修復できた。これは Norton Disk Doctor、Drive 10、それに DiskWarrior と同点で、Disk Guardian とディスクユーティリティの2つが他のものよりも劣るという結果だった。
カタログファイルには(後述するエクステントファイルもそうだが)どのノードが使用中でどのノードが空いているのかを記録するマップが含まれている。このマップを壊してみたが、Tech Tool Pro は問題なく修理できたし、この点は他のディスク修復ユーティリティもすべて同じだった。
カタログファイルの内容はツリー構造になっている。その枝が、さまざまのファイルやフォルダの情報を厳密な順序で互いにリンクさせている。もしもこのリンクが壊れれば、いくつかのファイルやフォルダがもはや見つからないということになる。カタログが壊れる問題の最も一般的な原因の一つが、このリンクのダメージだ。Tech Tool Pro は、このダメージを完璧に修理できた。DiskWarrior、Norton Disk Doctor と Drive 10 も修理できたが、ディスクユーティリティと Disk Guardian には修理できなかった。
カタログ内のファイルとフォルダのレコードは特定の順序で並んでいる。図書館のカタログカードと同じことで、レコードの順序が狂ってしまったら、ファイルやフォルダを見つけるのは不可能になってしまう。Tech Tool Pro はこの問題を修復できた。1個のファイル名がおかしくなっていたが、ファイル内のデータそのものには影響なかった。他のディスク修復ユーティリティも、皆このエラーを修復できた。
特定の文字、例えばコロンや、ある種の組み合わせユニコード文字など(何かは聞かないで!)は、ファイル名に使用することが許されない。Tech Tool Pro はファイル名の中の使用禁止のコロンを発見できたが、それを修理することはできなかった。このエラーを修理するところまでできたのは、DiskWarrior と Norton Disk Doctor だけだった。
カタログファイルはノードに分かれており、ノードはレコードに分かれている。1つのレコードには1つのファイルまたはフォルダについての情報が保存されている。ノードの末尾には、そのノード内の個々のレコードを指し示すマップがある。このマップが壊れると、そのノード内のファイルやフォルダが見つからなくなる。Tech Tool Pro は壊れたマップを修復したが、その際に 5 個のファイルが失われた。Drive 10 と Disk Guardian も、このエラーを修復したがその際それぞれ 5 個と 6 個のファイルを失った。Norton Disk Doctor とディスクユーティリティはこのエラーを修復できなかった。たった一つ、DiskWarrior だけが壊れたノードマップを適切に修復できた。
カタログ内にはスレッドと呼ばれる特別のレコードがある。これは素早くフォルダを見つけ出したりエイリアスを辿ったりするために使われるものだ。スレッドにダメージを与えることで、私は2つの問題を作り出した。1つは壊れたスレッドレコードそれ自体、もう1つはもはや対応するスレッドを持っていない壊れたエイリアスだ。Tech Tool Pro はどちらも問題も修復できた。Norton Disk Doctor、DiskWarrior、それに Drive 10 も修復に成功したが、Disk Guardian とディスクユーティリティは修復に失敗した。
「重複したエクステント」あるいは「クロスリンクしたファイル」と呼ばれる危険な状況がある。これは、2つのファイルがディスク上の同じ場所を占有するとファイルシステムが思い込んでしまったということだ。この場合、(少なくとも)片方のファイル内容は上書きされてしまっている。私は、1つのファイルの長さを拡張することで、その次のファイルの初めの部分を上書きさせてみた。Tech Tool Pro は、それ以上データを失うことなく2つのファイルを分離できた。DiskWarrior、Norton Disk Doctor と Drive 10 も私がクロスリンクさせたファイルを修復できたが、ディスクユーティリティと Disk Guardian は修復できなかった。
スペイン流の審問なんて予想できなかった -- これまでのところは、Tech Tool Pro はなかなか良い成績だった。でもここからは、例の安楽椅子を持ち出す時間だ。
ファイルがひどく細分化された時、あまりにも多数の部分(これがエクステントと呼ばれる)に分割されたためにカタログだけではそれらをすべて追跡できなくなってしまうこともある。このような場合、追加の部分についてはエクステントファイルという特別のファイルによって追跡されることになる。私はカスタムツールを使って、テスト用ディスクの上のファイルをすべて細分化させてみた。それから、私はエクステントレコードのうち2個にダメージを与えた。Tech Tool Pro はこの問題を検知したが、修復することはできなかった。ディスクユーティリティ、Drive 10 と Disk Guardian もこれを修復できなかった。DiskWarrior と Norton Disk Doctor だけが、すべてを正しく修復できた。
HFS+ ボリュームは、実は HFS+ がまだ新しかった時代の名残りである「ラッパー」によって囲まれている。ROM が HFS+ というものを認識しなかった時代の Mac では、このラッパーが存在することで初めて HFS+ でも起動できるというブートストラップの役割を果たしていた。ラッパーは、小さいながら独自の完備した HFS (HFS+ ではない) ファイルシステムとして存在している。そこで私は、このラッパーのカタログファイルを壊してみた。Tech Tool Pro は何も問題がないと報告した。うまく動作しなかったのは Tech Tool Pro だけではなかった。この微妙な問題を完全に修正できたのは Norton Disk Doctor だけであった。
ハードディスクにいくつかのパーティションを置いている人もいる。さまざまのパーティションを追跡するためにあるのが、パーティションマップだ。私はこのパーティションマップを壊してみた。悪いセクタの時と同じように、このテストは実際のハードディスクの上に施した。Tech Tool Pro は、この問題を検知できなかった。他のユーティリティの中でも、問題の存在を検知できたのは、Norton Disk Doctor だけだった。そして、その Norton Disk Doctor でさえも、問題の修復はできなかった。
最後に、個々のエラーを別々にテストする代わりに、私は多数の問題点を抱えたディスクイメージを作ってみた。いくつかのノードでヘッダをいじり、いろいろなノードでレコードを壊し、またノードのマップを変えたりした。ノードによっては、これら3種類の深刻な障害すべてを受けたものまであった。私はこれをカタログファイルとエクステントファイルの両方に施した。Tech Tool Pro はこれらを修復しようと3度試みて、その3度目に固まってしまったが、結局ディスクを何とか使用できる状態に戻せた。けれども、およそ 50 個のファイルが失われていた。施されたダメージの大きさを考えれば、Tech Tool Pro は十分その任を果たしたと言えるのだろう。この深刻なダメージ状況で、より良い結果を残せたのは DiskWarrior だけだった。ディスクは使用できる状態に戻り、失われたファイルの数も少なかった。それ以外のユーティリティも懸命に修復を試みたが、結局、王様の家来も馬も、壊れたハンプティ・ダンプティを元に戻すことはできなかった。
テストした 15 個の壊れたディスクイメージのうち、Tech Tool Pro は 9 個を完全ないしほぼ完全に修復し、あの最後のディスクでもかなり良い結果を残した。これに比べて DiskWarrior は 12 個、Norton Utilities は 11 個、Drive 10 は 9 個、Disk Guardian は 5 個、そしてディスクユーティリティは 4 個を修復できた。
Micromat によれば、Tech Tool Pro と Drive 10(これも Micromat の製品)は同じ修復エンジンを共用していると言う。だから、この2つのプログラムがほぼ同じ結果を残せたのも驚くには当たらない。
TechTool Pro はそこそこ良い成績で、全体の中程度のところに Drive 10 と並んでいるというところだろう。でも、私としては、壊れたディスクへの対処法として、やはり前の記事で書いたのと同じことを推奨させて頂きたい。それは、まず最初に Apple のディスクユーティリティを試してみること(とにかく無料だし、また問題を悪化させる可能性が一番低いからだ)そして、もしもディスクユーティリティで修復できなけらば、DiskWarrior に修復をやらせてみることだ。あなたのハードディスクにどんな問題が起こっているにせよ、それを修復できる可能性が一番高いのは DiskWarrior と思われるからだ。それから、どうか、良いバックアップを常に備えておくことをお忘れなく!
[David Shayer は Norton Utilities for Macintosh 3.0、4.0、そして 5.0 の上級エンジニアだった。それ以前の彼は、MacUser Magazine の Editor's Choice Award を受賞したディスク修復プログラムの Public Utilities や、ロー・レベルのディスクエディタである Sedit の開発に携わっていた。]
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文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
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FrameMaker に代わるもの -- Adobe は、長い書類もレイアウトできるこのプログラムの開発をもう続けることはないと発表した。これ以外にどんなツールが使えるのだろうか? もしもそういうツールがあるとしたら、機能的に FrameMaker とどの程度対抗できるのだろうか? (メッセージ数 16)
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Envision はどう動作すべきか -- Open Door Software からベータ版が出ている Envision は、いろいろなデジタル額縁との比較や、このウェブ画像表示アプリケーションの、来たるべきバージョン 1.0 に向けての機能の提案などを求めている。(メッセージ数 2)
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, , 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA