TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#734/21-Jun-04

Microsoft Office 2004 について取り上げてきたが、今週は Matt Neuburg がWord 2004 について言葉がある;何が直って、何が改善し、そして何がまだ足りないか。更に今週は Agen Schmitz が英国、フランスそしてドイツでのiTunes Music Store の開店について報告。我々からは、Apple が iBook の修理プログラムを拡張したこと、Macworld Expo Boston への無料入場券、Adamの iPhoto 4 Visual QuickStart Guide の出版、そして先週のメールクライアント調査の結果についてお伝えする。最後に、Atlassian が TidBITS のスポンサーになった!

記事:

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本号の TidBITS のスポンサーは:


MailBITS/21-Jun-04

Atlassian 社、TidBITS のスポンサーに -- 二週間で二つの長期スポンサー!新しい会社が TidBITS をスポンサーする事に価値を認めてくれたと言うのは嬉しいことである。

今週ご紹介するのは Atlassian 社である。同社は小さな Australia の会社で、プロジェクトチームをより効率的にしたいと思っている組織向けに目を見張る二つの製品を出している。JIRA は機能満載の問題追跡とプロジェクト管理のアプリケーションで、チームがバグ、機能要求、それにタスクをプロジェクトの生涯を通じて追跡するのを手助けするものである。JIRA は自動的にプロジェクトのロードマップを生成し、ユーザーやグループによるアクセスを管理し、他のシステム (メール, Excel, XML, そして CVS を含む) と統合し、更に全文検索とフィルタリングを提供する。JIRA の他に、Atlassian はConfluence も作っている。これはナレッジ管理ツールでプロジェクトチームが情報を速やかにかつ柔軟に共有出来るようにするものである。Confluenceは基本的には wiki である。wiki は Web サーバで、誰でもどのページにアクセスし編集するのを許す。よく設計された wiki はグループの間で情報を共有する素晴らしい方法の一つであり、Confluence は更に全文検索、内蔵のコメント機能、メール通知機能、そして細分化されたセキュリティレベルを提供している。JIRA も Confluence もどちらも J2EE ベースであり、広範囲なプラットフォームで走らせられる。その中には Mac OS X、その他の種々のUnix、そして Windows が含まれる。

<http://www.atlassian.com/software/jira/>
<http://www.atlassian.com/software/confluence/>

JIRA と Confluence については勿論オンラインで読むことも出来るが、Atlassian は、San Francisco で6月28日から7月2日まで開催される Apple のWorldwide Developer Conference にも出展するので、もし WWDC に参加するのであれば、立ち寄って直接話をされるようお勧めする (ついでに TidBITSから話を聞いたと伝えよう!);大抵の人にとっては Sydney に飛ぶよりはずっと楽なはずである。[ACE](カメ)

<http://developer.apple.com/wwdc/>

Macworld Expo Boston の無料入場券 -- Boston での Macworld Conference and Expo ももうすぐであるが (12-Jul-04 から 15-Jul-04 まで)、何時ものように Peachpit Press の我等が友が今回もある程度まとまった数の無料パスを提供してくれる。パス二枚 (展示会場のみ有効で通常は $15から $35 する) をリクエストするには、名前と住所を書いたメールを <macworld@peachpit.com> に送ればよい。パスは先着順で配られるが、Peachpit はリクエストを遅くとも 30-Jun-04 までに出して欲しいと言っている。[JLC](カメ)

<http://www.macworldexpo.com/live/20/>
<http://www.peachpit.com/>

iBook 修理プログラム拡張される -- Apple は iBook Logic Board Repair プログラムを拡長して対象となるラップトップモデルを増やした( TidBITS-715 の “Apple、iBook ロジックボード交換を発表” 参照)。更新された対象モデルは、2001年5月から2003年10月までの間に製造されたものでそのシリアル番号が UV117XXXXXX から UV342XXXXXX 迄のものである。問題のある iBook は、その内蔵 LCD か外付けのディスプレイに次の症状の一つ或いは複数の問題が現れる:映像がごちゃごちゃになったり歪んだりする;画面上に不要の線が現れる;映像が途切れる;映像が固まってしまう;或いはコンピュータが起動した時真っ白のスクリーンになってしまう。Apple は無償で修理 (送料も負担) を行っている;更なる情報は Apple のサイトの FAQ ページを参照のこと。[JLC](カメ)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07527>(日本語)Apple、iBook ロジックボード交換を発表
<http://www.apple.com/support/ibook/faq/> (日本語)アップル - サポート - iBook - iBookロジックボードリペアエクステンションプログラム(2004年6月18日改訂)FAQ

iPhoto 4 Visual QuickStart Guide が印刷本と PDF で入手可 -- どうも格好悪い話だが、私の最新の iPhoto 本 - iPhoto 4 for Mac OS X: Visual QuickStart Guide - について一度も触れたことがないのに最近気付いた。この本はすでに 4月の末から発売されている (Peachpit は我々が Hawaii での妹の結婚式に参加するため家を後にしたときに丁度出版した。その後はご存知の様に私は旅の期間中ずっと病気であった -勿論言い訳であるが- このせいにさせてもらう!)。いずれにしろ、電子版も準備でき eSellerate 経由で入手できる (The Wireless Networking Starter Kit, Second Edition も同時に出ている) ようにしたので印刷本よりも PDF 版の方を買いたい人はこちらをどうぞ。値段はどちらも大体同じである;印刷本の方は定価は $20 だが Amazonからは $14 で買えるので、電子本の方も Peachpit との競争を避ける意味で$14 とした。

<http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0321246624/tidbitselectro00/ref=nosim/>
<http://store.esellerate.net/store/cart.aspx?s=STR4750768179&Cmd=BUY&SkuIDC=SKU0695255939>

注意書き二つ:最初に、もしプリント版と PDF 版の両方が欲しいのであれば、プリント本を買って欲しい、そうすれば PDF の方は無料でダウンロードできる (主な違いは、PDF の方はフルカラーのスクリーンショットが付いている)。第二に、もし私の iPhoto 2 Visual QuickStart Guide をすでにお持ちなら、この本も更に買って欲しいとはなかなか言いにくいのが本音である (そうして貰えるのであれば大変嬉しい)。勿論 iPhoto 4 に合わせて完全にアップデートしたし、新機能について新たに 8ページ書き加えて、スマートアルバム、Rendezvous フォトシェアリング、そして編集可能なファイルロールなどについて説明しているが、事実関係をはっきりさせれば iPhoto 4 での主要な改良は性能に関するものなのでこの本の内容に大きな変更は起きていない。それから iPhoto 本のサポートページを Swiki から我々の Web Crossing サーバ上の進行役付きのディスカッションへと移動した。これは Web Crossing でのサポート論議を管理する実験をもっとやってみたいためである。[ACE](カメ)

<http://iphoto.tidbits.com/>
<http://www.apple.com/ilife/iphoto/>(日本語)アップル - iLife - iPhoto


投票結果:愛用のメールソフト

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: 古川敬章 <tac@mac.com>

先週愛用のメールソフトを尋ねる投票を行ったが、(非科学的であるにしろ)面白い結果が出た。Apple Mailが、2600以上の票のうち41%を獲得してトップとなった。4年半前の同じテーマの投票では、デフォルトのメールソフトはOutlook Expressだったが12%の票しか獲得しなかった。MailはOutlook Expressが前回の投票でそうだったよりも全般的に良い出来で、Apple製のバンドルプログラムは他のメーカーのバンドルアプリケーションに勝つ傾向にあると思わせる。(残念ながら、前回のCyberdogとクラリスメールへの集団投票により、比率を正確に比べることができない。)しかしながら、Mailの健闘は驚きではなかった。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbpoll=83>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07704>(日本語)再投票:愛用のメールソフトは?
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbpoll=16>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05664>

2位に終わったが、票の28%を獲得した(前回の37%からはダウン)Qualcomm社のEudoraは明らかに今でも多く使われている−−おそらくTidBITS読者には特に多く使われているのだろう。Eudoraはメールを多く受信する人のための最高のメールソフトだという長く培われた評判があり、実際TidBITS読者はこれに当てはまることが多いので、Eudoraがこの投票で未だ根強いのもうなずける。

Entourageの3位(13%)という結果にはいささか驚いた。Entourageは間違いなくトップを争うメールソフトであり、Microsoft Officeに含まれているということは、何百万のMacユーザが所有しているはずだということだ。Entourageはマーケット全体ではもっとシェアが大きいと思う。そういう意味では、TidBITSの読者は全体の傾向を反映していないのかもしれない。

トップ3の後は、得票数がガクンと少なくなる。PowerMailが5%で続き、さらにMailsmithとNetscape/Mozilla/Thunderbird troikaが3%で続いた。もしこれが賭けなら、私はPowerMailよりも、色々いじれるMailsmithの方がTidBITS読者に人気と予想しただろう。しかし一方、Mozilla発祥のメールソフトがそれらほど人気がないのには驚かない。より良いMacインタフェースを提供する、もっとパワフルなプログラムが相手だからだ。

下位の方では、クラリスメールがメーリングリストでの呼びかけに助けられて2%を獲得。Outlook ExpressやWebベースメールはやっと1%、QuickMailとAOLは1%の壁を破れなかった。その他のソフト、GyazMail、Mulberry、Nisus Email、Magellanは合わせて3%となった。Mac OS 9のみで動くメールソフトが振るわないのは予想通りのことだ。現在もMac OS 9に頼っているユーザはわざわざTidBITSのような、もはやMac OS 9関連ニュースがほとんど無い情報源を読んでいないだろうからだ。Webベースのメールインターネットユーザのかなりの割合に使われているはずだが、たった22人(前回の4人よりは上昇)しか使われていないという事実は、TidBITSの読者が典型的なユーザを代表していないということをまたしても表す結果になった。

この投票が統計学的に有意だと言い張る気はないが、投票結果のおおまかな全体像を拾うのは面白い。ご参加ありがとう!


iTunes Music Store、ヨーロッパでも開店

文: Agen G. N. Schmitz <agen@comcast.net>
訳: 古川敬章 <tac@mac.com>

先週、Appleはロンドンでイギリスへの進出を発表し、iTunes Music Storeをイギリス、フランス、ドイツで開始することをアナウンスした。Appleによれば、9月には全ヨーロッパでiTunesストアがオープンし、今週での開店にあずかれなかった国もカバーされるとのことだ。

<http://www.apple.com/pr/library/2004/jun/15itunes.html>(日本語)米国報道発表資料抄訳:アップル、英国・フランス・ドイツでiTunes Music Storeをスタート
<http://www.apple.com/itunes/>(日本語)アップル - iPod + iTunes

新しいオンラインストアの店頭は、新しくリリースされたiTunes 4.6(7月リリースのAirPort Express ハードウェア、AirTunesソフトウェアにも同時に対応)でアクセスできる。iTunes Music Storeホームページ下のポップアップメニューで、地域別のストアに飛べる。イギリスではバラ売りの曲は1曲0.79ポンド(USドルで$1.45)、ほとんどのアルバムは7.99ポンド($14.68)である。(Amazon.co.uk では 9〜10 ポンドになる。)またドイツとフランスでは1曲0.99ユーロ(より安い$1.20)、アルバムは9.99ユーロ($12.10)。(一方ドイツのAmazon.deでは12.99ユーロ、フランスのAmazon.frでは16ユーロである。)

<http://www.apple.com/itunes/download/>(日本語)アップル - iLife - iTunes - ダウンロード
<http://www.apple.com/airportexpress/>(日本語)アップル - AirMac Express
<http://www.apple.com/airportexpress/airtunes.html>(日本語)アップル - AirMac Express - AirTunes

Amazon.co.ukで大量の音楽を買う者として、私はイギリスのiTMSから最新のAshのB面をダウンロード購入するのをよだれを垂らして待っていた。しかし私のU.S.用アカウントがU.K.ストアでは無効だというメッセージが出て、その夢はすぐくずれ去った。曲のライセンス契約のため、自分のクレジットカードの請求先住所のある国でしかiTunes Music Storeで曲を購入することはできない。新しいアカウントを作成するには、ポップアップメニューで自分の地域のストアを選び、「アカウント」ボタンをクリックする。サインインダイアログが開き、新規アカウントを作るか既存の.Mac IDを利用できる。

Appleはこの3つの地域での曲数を700,000曲としているが、これは5つの主要音楽レーベルからのものである。全世界に展開するレーベルにサポートされたアーティスト(Beastie Boys、Anastacia、The Corrsなど)も見つかる。しかし、独立レーベルからの提供は少ない。(イギリスではアメリカに比べインディーズポップが盛んである。)BBCのトップ40を見てみると、イギリスのiTMSにはかなりの主要なアルバム、例えばSupergrassやKeaneが抜けている。(Keaneは今年イギリスで最も話題のアルバムだ。もっとも2つのボーナス付シングルとAOL live exclusiveは用意されているが。)

<http://www.bbc.co.uk/radio1/chart/top40/albums.shtml>

イギリスのiTMSには、アメリカのストアでは扱われているアーティストがかなり欠けているというイギリスのユーザもいる。間違いなく、こみいったライセンスの問題だろう。

[Agen Schmitzはフリーランスライター、編集者、Amazon.com Electronics Storeの元シニアエディター、そして広軌にわたるイギリスおたくである。]


新たなる言葉ありき! Word 2004

文: Matt Neuburg <matt@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

訳: 貞広正則 <msadahiro@peccom.com>

過去二年間ほどを Shackleton の第3次南極探検の名誉再回復のために費やしてきたという人でもない限り、Microsoft Word 2004 が現在の現実であるのはどなたもご存じのことだろう。この前のメジャーなアップグレードは Word 2001 だった。これは(将来の歴史家の頭を混乱させようという企みなのだろうか)リリースされたのは 2000 年のことだった。それから一年ほど経って Word X が出たが、こちらには Mac OS X との互換性以外に目新らしい機能はほとんど無かった。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06637>(日本語)Microsoft Office X 出荷
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06514>(日本語)Microsoft Office 10 のアメとムチ
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06161> (日本語)旺盛な Microsoft Word 2001

Word 2004 には根本的に挙動が変わるような種類の変更はない。だから、もしもあなたが現状で問題に遭遇していないのならば、あえてアップグレードしなければならないような差し迫った理由は無いのかもしれない。けれどももしもあなたが何らかの限界に直面しているならは、ことに変更履歴機能や、AppleScript によるスクリプト機能、ユニコードベースのフォントや Windows との互換性などの分野で問題を抱えているのならば、Word 2004 にアップグレードすることが必須なのかもしれない。それ以外の新機能、例えば Notebook View とか、新しいアニメーションやインラインボタンなどは、私に言わせればどうでもいいようなものだと思う。

インストール -- CD からのインストールは簡単だった。Office フォルダをそのまま直接ハードディスクにドラッグしてもよいし、あるいはインストーラのプログラムを走らせてもよい。インストーラを走らせた場合は何をインストールするかについて若干の選択肢が与えられる。私は、Microsoft の推奨通りにインストーラを走らせた。(他の TidBITS の中で、ベータ版をドラッグ&ドロップでインストールしたら問題が起こったという人もいた。)インストーラで、第2パーティションにインストールすることもできた。各ユーザーが、自分の Normal テンプレートを自分の ~/Documents/Microsoft User Data フォルダ内に置けるようになったのも嬉しい。これまでは、Normal テンプレートが Office フォルダの中に置かれてすべてのユーザーに共有されるという、どう見ても間違った状況にあった。なぜなら、大抵のユーザー・カスタマイズ情報はこの Normal テンプレート内に収められるからだ。これまでと同様、私の古い Normal テンプレートは自動的に見つけられて使用されたが、それ以外のカスタムテンプレートの内容は一つ一つ手で回収しなければならなかった。

私の Office 2004 インストールでは、外国語用の校正ツールや、その他私が使うとは思えない余分のものを省いており、これで Office X のサイズ(私のマシンで 360 MB 以上)よりも 50% 以上大きな場所を占めている。その差の大部分は、新たにより広汎に取り揃えられたフォント (80 MB、Office X では 2 MB だった)、チュートリアル (23 MB)、それに新しいテンプレート (以前より 13 MB も大きくなった) によるものだ。全てをドラッグ&ドロップでインストールすると、総サイズは 525 MB となる。

私が最初に Word を起動させた時、およそ 60 個のフォントが私の User Fonts フォルダにインストールされた。そのうちのいくつかのフォントは価値が高くて便利に使える。例えば、新しい Verdana フォントは既に /Library/Fonts に存在していた Verdana に比べて、およそ2倍の種類の文字を含んでいる。けれども、同じフォントが複数個あると、実際に使用する時になってどちらが使われるのかを見極めるのが難しい。第一、80 MB ものフォントをインストールするなんて、無礼ではないだろうか。ことに、既存のフォントを置き換える(か、あるいは置き換えられる)かもしれないようなものを勝手にインストールするなんて。少なくとも、あらかじめユーザーにどんなことが起こるかの説明をするくらいのことはして欲しいものだ。

コメント機能と変更履歴機能 -- Word におけるコメントとは、脚注のようなものだけれども、ただ書類を印刷した時には現われないものだ、ということを思い出して頂けるだろうか。コメントの内容は、著者から、誰か他の、書類がその手に渡って行くような人に向けて書かれる伝言なのだ。これは、書類が何人もの人たちの協力で作られて行くような場合(例えば、私たちの Take Control 電子ブックの原稿のような場合)に、その人たちの間の連絡手段として非常に便利なものだ。以前には、このコメントはウィンドウ下部のスクロールする第二ペインに現われていて、仕事中に邪魔になることといったら、もうどうしようもなかった。例えば、コメントペインのスクロールは同時にメインの書類部分のスクロールも引き起こしてしまっていたし、またコメントを挿入すると選択したメインのテキストが黄色に強調表示されて、どのテキストを選択していたのかがわからなくなっていた。どちらの問題点も今回のバージョンで修正されており、Word 2004 は複数の人が協力して作業するためにはずっと使いやすいものになっている。

書類に加えられた変更を記録できるという Word の機能(変更履歴機能)は誰のためにも重要という訳ではないが、例えば編集者との間で書類をやり取りして行くような場合には欠くべからざる機能となる。(これも、Take Control 電子ブックの制作段階で決定的な意味を持つ機能だった。)けれども以前には、この変更履歴を使おうという人はその機能の足りない点、不便な点と格闘し続けなければならなかった。変更箇所の表示はカラーやアンダーライン、あるいは取り消し線などで示されるだけで、どの変更が誰の手によってなされたのかを知るには、マウスをそのテキスト部分の上にかざしてバルーンが現われるのを待たなければならず、しかもそれで分かる情報といえば何かが誰かの手で「挿入された」か「消去された」かのどちらかだけであって、実際に何が行われたかがすべて分かる訳ではなかった。例えばフォーマットの変更(書体をプレーンからボールドに変える、など)は全く記録されなかった。

これらの点も、今回すべて修正され、これもやはり著者たちや編集者たちが大歓迎すべきところだろう。レビューペインを表示させれば、ここにすべての変更履歴やコメントが単純なリストとして現われるようになった。このリストは具体的なもので、フォーマットの変更なども含まれる。だから、例えばフォントがボールド体に変わったり、“decision”という単語が消去されたり、といったことも分かるようになった。こうして変更履歴とコメントは、同じ物の二つの側面という位置付けに統合された。そして、もちろんそれは事実その通りなのだ。また、リストを単純化させるためにコメントだけを表示させたり、あるいは変更履歴だけを表示させたり、特定の人による変更だけを表示させたりすることもできる。

ページレイアウト表示では、コメントや変更履歴も右マージン部分に常時表示のバルーンとして出しておくこともできる。右側部分に現われるのでテキストの表示を邪魔することもない。このバルーンはインタラクティブ、つまりコメントバルーンの中にタイプして書き込むことも、変更履歴バルーンの中のボタンをクリックしてその変更を受け入れたり拒否したりすることもできる。これらのバルーンがページレイアウト表示のみに限られているのは残念なことだ。レビューペインで操作するよりも、このバルーンで操作する方が変更履歴やコメントがフォローしやすいからだ。

ページレイアウト表示のバルーンと書類の状態とは、4つの異なった方法で表示させることができる。“Original”では、変更履歴を開始する前の時点での書類を表示する。バルーンは現われない。“Original Showing Markup”では、元の書類に消去部分が表示され、挿入された部分はバルーンで示される。“Final Showing Markup”では、挿入・消去後のテキストを表示し、消去された部分がバルーンで示される。“Final”では、すべての変更が施された後の書類を表示し、バルーンは現われない。これらそれぞれの表示状態が、加えられた変更をインラインで表示するかどうかの環境設定(例えば消去されたテキストを中引き線付きで見えるようにしておくかどうかという設定)と組み合わせて使うことができるので、こうしてその書類の変更履歴を表現するためのパワフルな環境が実現されている。

このような機能を必要とする人にとっては、Word の変更履歴機能は他に比べるもののない貴重なものだ。私は、他のプログラムで同様のことをできるものを知らない。けれども、一つだけ残念な限界が依然として残っている。驚くなかれ、Word は同じ人が別の編集時点で加えた変更を区別できないのだ。(例えば、Adam が先週加えた変更と、その後私 Matt が変更をしてからその上にまた Adam が重ねて施した変更とが区別されない。)

この欠点はあるが、Word 2004 における改良は、この機能を「便利だけれど使いづらい」というレベルから「素晴しく独創的で使って楽しい」というレベルにまで引き上げている。私は、この機能を使いこなせる日が待ち遠しい。この点に関しては、文句無しに Microsoft に大喝采を贈りたい。

AppleScript -- 以前は、AppleScript によってスクリプト化するための Word 側のサポートはまばらに存在していただけで、とても信頼できるようなものではなかった。直接 AppleScript に対応した Word の機能はほんの一握りだけで、それをスクリプト化しようとするとすぐに Word がクラッシュするというありさまだった。ただそれを回避する方法があって、それが Visual Basic for Applications (VBA) を使う方法だった。VBA は Word のネイティブなスクリプト言語で、Word に文字通りあらゆることをさせることができた。AppleScript は、長い文字列を AppleScript の中に埋め込むことで VBA スクリプトを作り出し、その文字列を Word に送れたので、こうして AppleScript から VBA を使うことで Word の AppleScript モデルの欠如を補うことができていた。けれども、これは満足できる解決とは言えなかった。でき上がったコードはとても見にくくてメンテナンスも難しく、それに何よりも問題なのはこの AppleScript 内に VBA コードを埋め込むルーチンがスクリプトの結果応答をあなたのスクリプトに返すことができず、インタラクティブなスクリプトを適切に書くことが不可能だった。この困難を回避するため、スクリプトの熟達者たちはさまざまな恐ろしい工夫を編み出したりしていたものだ。それでも、外部から Word をスクリプト化することで達成できることの範囲に厳しい限界が課せられていることに変わりはなかった。

そして今回、これら全てのことが完全に変わった。AppleScript のサポートが一から書き直されたのだ。これは膨大な作業だったに違いない。そしてこれは何よりも歓迎すべき変化だろう。Word の機能の圧倒的大部分(本当にすべての部分をカバーしているのかどうかは、実験を経て時が来れば判明するだろう)が、今や自然な方法で直接 AppleScript に対応付けされた。これこそ真に素晴しい改善、Word が人々のワークフローの中に占める位置付けまでも根本的に変えてしまう、巨大な一歩だろう。

(少し話が逸れるが、もしも私の著書“AppleScript: The Definitive Guide”をお持ちなら、今述べたと同じ変更が今回 Excel にも施されているために、その本に書かれている Excel の実例がもはや当てはまらなくなっていることにご注意願いたい。Excel の実例の新バージョンを、私の Errata ウェブページにポストしておいた。)

<http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0596005571/tidbitselectro00/ref=nosim>
<http://www.tidbits.com/matt/aserrata.html>

フォントとユニコード -- 私が Word X を使い始めていた頃、古典専攻の同僚の一人が私に便りをくれ、彼の悩みを相談してきた。友人たちに勧められて、彼は Windows から Mac OS X にスイッチしたばかりだったが、それ以来彼は古代ギリシャ文字の含まれた古い自分の Word 書類が読めなくなってしまったというのだ。私は彼に問題のフォントとサンプルの書類を送ってくれるように頼み、試してみた。すると彼の言う通り、彼の第一のギリシャ文字フォント(実にふさわしくも“Greek”という名前だった)の文字の一部がアンダーラインで置き換えられてしまっていた。私は何ヵ月もかけてこの問題に取り組んだが、問題を解決することはできなかった。Word がそもそもユニコード文字を含んだギリシャ文字フォントに対応していなかったのだ。これは私が以前ユニコードに関する TidBITS の記事で説明した通りだ。けれども Word は Windows 上ではユニコードに対応していた。だから、Windows で作った書類でギリシャ文字を含むものが Mac OS X では読めなくなっていたのだ。当然ながら、Word 2004 が自分のマシンで走り出すやいなや、私がまず最初にこの同じ書類を開いてみた。その結果、書類は見事正確に表示された!

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06780>(日本語)チェリーを2バイト - ユニコードと Mac OS X - その2

これで Word は Mac OS X でもユニコード対応となった。これは、多数の入力メソッドのサポートや、文字パレットからの直接入力も含んでいる。(詳しいことは Word Help で“multilingual support”を検索されたい。)これは重大な進歩で、この種のことを必要とする人にとっては絶対的に欠くべからざることだ。ただ、ここであまり高い期待をしないで欲しい。重大な欠陥も、まだまだ残っている。複雑なスクリプト(例えばインド語)で動作しないものもある。右から左へ書くスクリプト(例えばセム語)も動作しない。という訳で、これらの点に関しては Word 2004 の機能は Mac OS 9.2 の下で WorldScript を使って Word 98 を走らせる場合に比べて後退してしまったことになる。そればかりでなく、アクセント付き文字が複数個絡んだ場合の文字表示がうまく動作しなくなった。また Word は合字や変形書体などの処理に関する Mac OS X の先進機能にも対応していない。実際、このことは Word によってインストールされたフォントが Cocoa アプリケーションにおいていくつかの言語の表示を壊してしまう可能性があるということも意味している。[この段落の内容については Tom Gewecke が大きな助力をしてくれたことに感謝する。]

<http://homepage.mac.com/thgewecke/mlingos9.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06222>

また、Word にはフォント関係の訳の分からない挙動も新たに発生している。この問題は、Symbol フォントを使えば簡単に確認できる。まず Times フォントの文字をいくつか選択し、それを Symbol フォントに変更してから、またもう一度 Times フォントに戻すことができるのは問題ない。けれどももしも Times フォントの段落の中に現在の挿入ポイントがある時に Symbol フォントに切り替えてからいくつか Symbol フォントの文字をタイプし始めると、その今タイプしたばかりの Symbol フォントの文字を選択してから Times に変更しようとしても、できない。こうして、Symbol フォントの文字のうちいくつかは別フォントに変更不可能でいくつかは変更可能、という風に両者の文字が混じった書類が簡単に作れてしまう。そして、どの文字が変更可能でどの文字が変更不可能なのかは、見ただけでは分からないのだ。その上、この書類で Replace All コマンドを使ってすべての Symbol 文字を Times 文字で置き換えると、変更可能な方の Symbol 文字は Times に変わるが、変更可能な方の文字はすべて長方形の箱に変わってしまう!

この問題がどれほど広く蔓延しているのか、私は知らない。これは Symbol フォントだけの問題なのだろうか? 他のフォントでの問題を報告するユーザーの声も聞こえているので、たぶん Symbol フォントだけに限った問題ではないのだろう。いずれにしても、Word がフォントに関してこれほどまでに奇妙な挙動をすることがあるというのは、重大かつ根本的な懸念であると言わざるを得ない。少なくとも、Word はこの際に警告を表示して、なぜこのような奇妙な動作をするのかを説明して欲しいものだ。現状では、ユーザーは困惑と、そして一抹の恐怖とともに取り残されるばかりだ。フォントが変更できない、あるいはあの恐ろしい長方形の箱が並ぶ、自分の書類をそういう危険な状態に陥らせるのが、誰でも簡単にできてしまうのだから。

互換性 -- フォントの問題について情報説明を表示しないということで、私がちょっと Word に厳しすぎると感じた方もおられるかもしれない。実は、Word の今回の新機能としてフォントの問題の可能性がある時に情報説明を表示するというものがあるのが、その理由だった。Compatibility Report というユーティリティパネル(これは Excel や PowerPoint とも共有されるが、おそらく Word において最も重要な意味を持つ)が、あなたの書類に旧バージョンのプログラムとの間で非互換性の問題を起こす可能性がある場合にそのことをリストしてくれるのだ。

例えば、あなたが“1/4 of our users are ecstatic”とタイプすると、Word 2004 の自動フォーマット機能が働いて最初の3文字“1/4”を1つの分数文字に変えてくれる。Word がユニコードに対応したので、その文字も表示できるようになったからだ。けれども、従来の Mac 用バージョンの Word はユニコード非対応なので、この分数文字を表示することはできない。Compatibility Report はこの場合、あなたの書類に問題を起こす可能性のある文字が含まれていると報告する。実際、Word がこの分数文字を作成すると、その後は標準ツールバー内の Toolbox ボタンが赤く光るようになり、あなたに Compatibility Report の報告を読むように促す。また、あなたが書類を保存する時、Word が保存ダイアログの中であなたに互換性のチェックをするよう促すこともある。その際、あなたはその場で即座にチェックができる。その他報告される非互換性には、改行文字の違いや、書類が開かれた時点で利用可能でなかったフォントへの置き換えなどの場合がある。

以前には、Word は何かデータやフォーマット情報が失われる可能性がある時のみ警告を表示し、その表示も本当に失われるのかどうかもはっきりしない、また何が失われるかもしれないのかも明示しない、という曖昧なものでしかなかった。だから、普段から旧バージョンの Word のユーザーたちとファイルを共有している人にとっては、今回の Compatibility Report は大きな助けになるに違いない。ただ、現時点ではまだ少し不完全なところがありバグも存在していることを忘れてはならない。私の実験では、書類の要求するフォントが存在しないという状況で Word がそのことを正しく報告できず、その代わりに全く違った的外れの警告を表示するという状態をたちどころに作り出すことができた。(ロシア語フォントが使用されているがロシア語用の校正ツールが無い、と報告してきた。)それでも、この機能が正しい方向へ向けた第一歩であることは間違いないだろう。

新しい表示モード -- Notebook View は、AquaMinds NoteTaker や Circus Ponies NoteBook のようなプログラムを思い起こさせる表示モードだ。初期状態では、Notebook View は水平方向の罫線と垂直方向のマージン線を持ち、学校の売店でよく売られているノートのような感じがする。上部には大きな空き領域があってここにタイトルを記入し、右側の端沿いにはセクションタブがある。セクションを追加したり、セクションタイトルを変更したりもできる。個々のセクションの中でノートのアウトラインを作ることができ、各項目には優先順位を示すためのチェックボックスを付けることさえできる。

<http://www.aquaminds.com/product.jsp>
<http://www.circusponies.com/pages.aspx?page=products>

この Notebook View と、あなたの書類内部の他の表示モードとの関係は次のようになる。アウトラインの各項目には自動的に段落フォーマットの“Note Level 1”“Note Level 2”等が適用される。上部の空き領域部分はページヘッダとなる。セクションの切れ目では改ページによってセクション境界が示され、セクションタイトルは無視される。

けれども、このような Notebook View は存在論的に言ってアウトライン表示やページレイアウト表示、標準表示などと同列に扱う訳には行かない。標準表示とページレイアウト表示は同じ書類を少し違うやり方で表わしたものだ。アウトライン表示はあなたの書類内部の既存の構造を、見出し部分の段落をアウトラインのレベルに対応させることによって表わしたものだ。こうして、これら三つの表示モードはすべて同じものを別の角度から見ているに過ぎない。けれどもこの Notebook View というのは全く違うものを表示する。なぜなら、ワードプロセッサの書類というものは普通 Note Level 段落などは持っていないからだ! 実際、もしもあなたが既存の書類を Notebook View に切り替えると、Word はいくらかの変換が施されると警告を表示した後で、その情報を含んだ新規の書類を作るように提案してくる。どうしても変換を実行するようにと指令すると、あなたの書類のフォーマットや構造は大部分が破壊されてしまう。

ここでの問題は、NoteBook View が実際は表示モードでも何でもないということだ。これは単に、全く違った種類の書類、つまり、Notebook 書類というものを表現したものに他ならない。確かに、この種の書類に使い道が無い訳ではない。けれども本来これは別種のアプリケーションに属するべきものだ。(実際 Windows 側には Microsoft OneNote がある。)それに、Microsoft によるこのノートブックのメタファの実装の仕方は、あの AquaMinds や Circus Ponies によるエレガントな実装に比べれば機能も見劣りして体裁も悪い。個人的には、私はもしもあなたがノートブックのプログラムを必要としているならば、もっとちゃんとしたプログラム、例えば NoteTaker や NoteBook、あるいは私が以前から折々にレビュー記事を書き続けているテキスト断片保管プログラムのどれかを試してみられることをお勧めしたい。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbser=1196>
(日本語) WebArranger は Web よりも使える
復活: Helix の逆襲
それはキーパー(Idea Keeper だ、それは)
Boswell:テキスト保管庫
断片情報キーパーをあと3つ
Tinderbox でハートに火を点けて
デジタル下駄箱: iData Pro X 1.0.5
NoteTaker でテイク・ノオト
Hog Bay Notebook でグイッと行こう
DEVONthink は考える、あなたのために

ボタンとリボンで厚化粧 -- Word 2004は、書類上や書類中に漂う小さくてカラフルなアニメーション、マーキング、そしてボタンに似たオブジェクトを多用している。書類に Unicode の文字を使うと、パレットボタンが赤色に鼓動する。使われないとフォーマットパレットはだんだんと透明になり、ポインターを上にかざすと一瞬で不透明な状態に戻る。"the" ではなくて"teh" と入力すると、自動スペルチェッカーが機能し、青の2重線がその単語の下に現れる。さらに、もしあとで、その単語の上にポインターをかざしたりクリックしたりすると2重線が再び現れ、そして、その2重線にポインターをかざすと、その線はボタンに変わり、クリックすればオプションメニュー("teh"に戻す、スペルチェッカーリストから"teh" を取り除く、など)が表示される。同様に、テキストをペーストするといつでも、ペーストされた最後の部分にボタンが現れる。このボタンにポインターをかざすと、ペースト部分をどのような形式(元の形式、ペースト先の形式を使う、あるいはテキストのみ)にするかを選択できるポップアップメニューに変わる。

平穏な実際の書類をギラギラした動きのある世界に変えてしまう、いやまるで、Word のデザインが Xbox の熱狂的なファンの手に落ちたかのような、この一目を引くやり方はちょっと馬鹿げている。新しい要素は何もない。他の方法でヒントを得ることが可能なものばかりだ。同時に、歓迎される可能性もある、というのは、これらのヒントは、やり方を知らなかったかもしれない、あるいは、存在していることを知らないオプションに関する情報を暴露してくれるからだ。もし今までに Word 書類にプログラミングのコードを書いていて、i = 3 のような行を書いた途端になぜ "i" が "I" に変わってしまうのか、どうすればそれを避けることができるのかと悩んでいたなら、なぜそうなっていたかに疑問を持つ必要はもはや無い。

結論 -- Word 2004の全ての変更を説明したわけではない。全てを見つけていないというのがおそらく正しいところであろう。そのかわり、最も大きな、最も重要な革新と考えているものは議論している。しかし、小さな変更も重要であるには違いない。例えば、Word は現在では長いファイル名や長いファイルパスを適切に処理することができる。たとえ、これが随分前からこうあるべきだったということはあっても、この修正をちゃんと認めることは公正なことであろう。また、書類を作業中に繰り返し保存をすると、システムが開くことのできるファイル数の制限にかかり、変更部分を全てなくしてしまうといった、最悪のバグはなくなったと言われている。

<http://blogs.msdn.com/rick_schaut/archive/2004/05/19/135315.aspx>

同時に、どのバージョンの Word であっても、それぞれが問題を抱え、またユーザをがっかりさせるのだが、Word 2004も例外ではなさそうだ。あなたのいわゆる「お気に入り」のバグはおそらく治っていないだろう。特にそれがMicrosoft が触れたがらないコードの奥深くに関わっている問題であれば、なおさらのことだ。例えば、Word にペーストされたあるいは取り込まれたグラフィックはまだちゃんと印刷されないとの報告が依然としてある。Page Up や Page Down キーを使ってスクロールすると、挿入ポイントが移動してしまうので、書類の別の部分を見ようとすると、元の位置が分からない為に大変な思いをする事になる。たとえあなたが数十個のスタイルを使い、巨大なモニターを持っていて何十ものスタイルがあったとしてもスタイルメニューが10項目分だけしか表示されない問題は修正されていない。そしてもちろん、あるスタイルを適用したときに、私が長年に渡って文句を言い続けている、同様の不可解な動きが起きてしまうのである。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=04822> (日本語)Word 賢者

新しい問題が増えていることも疑いがない。例えば、EndNote は Word 2004では分断されているそうだし、私は検索ダイアログで困難な状況を経験している。「次を検索」の操作中に、ときおり使用中の書類の選択部分が消え去るのである。それはあたかも、目に見えない「無」が選択されているようだ。単語単位で選択するためにダブルクリック-ドラッグをするときに、まず上にドラッグして左側を選択状態にし、次に下にドラッグして右側を選択状態にした場合、最初に選んだ部分の左側にある単語が一つよけいに選択状態になってしまう。そして新しい機能だが、どんなに魅力的であろうとも、実際にどれくらい役立つのかに気づくまでには、その機能に慣れる時間が必要であろう。例えば、パラグラフや文字のスタイルに加えて、テーブルスタイル、さらにはナンバリングスタイルも使えるのだから。これらはユーザが一貫性のある文書を作成するのに役立つであろうか。あるいは、過去に自動ナンバリングやスタイルが混乱を引き起こした状況に輪をかけたものになるのだろうか。時間が経てば分かるだろう。

<http://www.endnote.com/>

しかし、今では、長年の Word ユーザは間違いなく、この事全てに慣れているにちがいない。長年の経験から、Microsoft 社の Word をアップグレードするということは、新車を買うことに似ていることを知っているからだ。つまり、お金がかかり、自分の家のガレージよりもショールームの方が見栄えがし、そして運転中、非常にまずいタイミングで、以前から存在していた正体不明の問題が露呈する可能性があるということだ。はっきり言って、深呼吸をして、冷たい水に顔を突っ込み、現実に直面すべきだろう。すなわち、Word は巨大で複雑なアプリケーションであり、それは昔ながらのコードを持ち、Macと Windows の世界の間の細い線上を歩いているようなものだからだ。Wordが簡素化されることは決してないだろう。また、Microsoft 社がWord の奥深くに抱えている問題の核心にふれることも絶対にしないかもしれない。Word 5.1の復活の希望は、いつものように、Word 2004で裏切られた。Word 5.1は物事が簡単な時代のものであり、Microsoft 社がその時代に戻ることはないだろう。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07139>(日本語)Microsoft Word 5.1 が Mac OS X 版で再登場

しかし、新車と同様に、最新版 Word のアップグレードが必要であれば、頭痛の種になることは有っても、たしかにそれは必要なのであって、新車の匂いや自動ロックを楽しむことだろう。古い Word 5.1を使っていようが、あるいは(同様に可能性がありそうだが)より新しいバージョンの Word を使っていようが、Word 2004で劇的に向上した、コメント、バージョン追跡機能、改善された Unicode の扱い、AppleScript の完全なサポート、そして互換性チェック機能は、これらの機能を日々使用するユーザにとっては、結局著しく機能強化されたアプリケーションということになるのである。

Word 2004は Microsoft Office suite の一部として購入するのがもっとも一般的である。一般ユーザは、400ドル、教育関係者は、150ドル、そしてアップグレード価格は240ドルとなっている。Word だけを購入したいのであれば、アップグレードには110ドル、本体購入には230ドル必要である。TidBITS のスポンサーである Small Dog Electronics のような小売店を通せば、一般的には30ドルから40ドルの値引きをしてもらえる。30日間試用できるお試し版の Office 2004(186MB) をダウンロードすることも可能である。Microsoft Office 2004を使うには、Mac OS X 10.2.8 かそれ以降が、必要である。

<http://www.microsoft.com/mac/products/office2004/howtobuy/howtobuy.aspx>
<http://www.microsoft.com/mac/default.aspx?pid=office2004td>
<http://www.smalldog.com/search/x/x/wag125/?z=1&find=Microsoft+Office+2004>


TidBITS Talk/21-Jun-04 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: 古川敬章 <tac@mac.com>

各話題の下の2つ目のリンクは、よりずっと高速なWeb Crossingサーバ上のものだが、望ましいデザインへの改良がまだ済んでいない。

<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/>

AirPort Express -- Appleのこの新しいメカは、他のベースステーションにうまくつながるか?AirTunes用のリモコンを目にすることができるのはいつか?(メッセージ数 11)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2249>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/115>

EudoraからMailへの移行? -- EudoraからApple Mailへ切り替えるユーザのために、読者がTipsとソフトウェアの入手先を提供する。(メッセージ数 7)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2253>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/119>

FileMakerの同期 -- 先週のSyncDeKのニュースに触発されて、FileMakerとSQLのデータベースを同期する別のツールが話題になっている。(メッセージ数 1)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2250>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/116>

ソフトウェア移行機能 -- 新しいPower Mac G5の、新しく改良されたMac OS Xセットアップアシスタントはデータの移行の面倒さでアップグレードをためらっている人に朗報かもしれない。(メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2251>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/117>


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA