今週はまず、iMac がもはや販売されず、9 月までは新機種も発表されないという Apple の意外な事実暴露をお伝えする。Adam の心はもう Macworld Expo Boston のことで一杯で、来週の各種イベントや、他の業界カンファレンスを採点するシステムについて語る。Apple からは新しい iChat AV ビデオ電話を飛行機の機上で使うというニュースが届き、スパムを減らすために私たちが Postini をテストし始めたこと、Apple が AirPort を値下げしたこと、それに disclabel の DealBITS 抽選についてもお知らせする。
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Airport Express のリリースを控え AirPort を値下げ -- Apple は新しい $130 の AirPort Express Base Station(日本では AirMac Express ベースステーション)の発表と出荷の間を利用して(出荷は今月中旬の予定、TidBITS-732 の記事“AirPort Express:オーディオと機動性が加わる”を参照)AirPort Extreme 機器の価格を下げようとしている。AirPort Extreme Card の価格は以前の $100 から $80 に下がった。モデムとアンテナジャック付きの AirPort Extreme Base Station は $250 から $200 に下がった。耐火規格準拠で Power over Ethernet をサポートしたビジネス・教育関係向けの AirPort Extreme Base Station の定価は $250 のままだが、教育関係の顧客は購入数に応じて $200 から $225 程度への割引が受けられる。以前 $200 で販売されていた、モデムやアンテナジャックの付かないベースステーションは数週間前に密かに製品ラインから削除されており、今回 Apple は正式にこれを公表した。今回の値下げにより、Apple の機器は他社の Wi-Fi 製品の価格と肩を並べられるものに近づいた。依然として Apple のハードウェアが最も高価であることには変わりないが、それと引き替えに、他の機器には見られない、あるいは他の機器では設定が難しいような特定の機能を手に入れることができるのだ。[GF](永田)
<http://www.apple.com/airportexpress/>(日本語)アップル - AirMac Express
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07695> (日本語)AirPort Express:オーディオと機動性が加わる
<http://www.apple.com/airportextreme/>(日本語)アップル - AirMac Extreme
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
もしもあなたが沢山の CD や DVD を焼くのなら、SmileOnMyMac のエレガントなユーティリティ、disclabel を一度検討してみるべきだ。これを使えば、あなただけのプロ級の仕上がりのスティック・オンのラベルがデザインできる。ディスクにラベルを貼り付けたくないと思う方も、CD ケースの差し込みラベルや DVD ケースカバーなどが本格的な品質で作れる。このプログラムの内部から直接ラベル購入の注文を出すこともできるし、Canon i875 や Epson の対応機種の direct-to-disc プリンタを使って直接印刷も、また普通の紙に印刷することもできる。disclabel はトラックリストを iTunes から読み込み、AppleScript で自動化し、iPhoto や iTunes から直接画像を読み込み、それから円形にテキストを配置したりそれを編集したりもできる。disclabel は Mac OS X 10.2 かそれ以降を要する。
<http://www.smileonmymac.com/disclabel/>
今週の DealBITS 抽選では、disclabel 2.1 を3本、賞品にする。それぞれ定価 $29.95 相当の製品だ。幸運が足らずに当選から漏れた応募者には、もれなく割引価格の資格が贈られる。ぜひ奮って下記リンクの DealBITS ページで応募して頂きたい。その際、ページに記された応募のルールをよく読んでそれに同意してから応募されたい。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。最後に一言: ご自分のスパムフィルターに注意されたい。当選したかどうかをお知らせする私のアドレスからのメールを、あなたに受け取って頂くのだから。
<http://www.tidbits.com/dealbits/smileonmymac2.html>
<http://www.tidbits.com/about/privacy.html> (日本語)TidBITS プライバシー規約
文: Glenn Fleishman <[email protected]>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>
前例が無いと思われるが、Apple は先週 iMac の次期モデルの出荷が 9 月に延期になるとの声明を発表した。Apple が 4 〜 8 週より前に新製品の発表に関する情報や案内を出すことは稀であり、また通常は最低でも一種類のモデルがすぐ入手できる場合に限られている。Apple はまた、現行の iMac に対する注文の受付をもうしていないとも言っている。
<http://store.apple.com/>(日本語)The Apple Store (Japan)
以下がオンライン Apple Store の iMac のページに表示されているメッセージである: 「アップルでは、本年 9 月に発表と販売が予定されている新しい iMacへの移行準備のため、現行の iMac の受注を停止いたしました。本来であれば、現在発売されている iMac の在庫がなくなるまでに、新しい iMac の準備が整う予定でございました。お客様にはご迷惑をおかけいたしますことを、深くお詫び申し上げますと共に、何とぞご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。」
この失敗により、Apple はもうすぐ始まる非常に重要な新学期シーズンに数億ドルの損失を被るかもしれない。親や学生は 2,3 ヶ月前には何を買うか決めるため、実際には商戦はすでに始まっているからだ。我慢強くない潜在的 iMac購入者層が Windows ユーザへ転向してしまうことを防ぐため、Apple は間違いなく他のモデルの宣伝を、もしかすると大幅な値引きと共に大々的に始めることだろう。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>
とても頭にきているのだ。もう我慢できない。特に、tidbits.com ドメイン宛のスパムなどもう二度と見たくないと思っている。その結果、digital.forestの友人たちがスパム対策サービスである Postini のレビュー用アカウントを設定してくれた。来週中には利用を開始するつもりだ (digital.forest では、Postini サービスをアカウント一つにつき月 1 ドルで提供している)。
聞いたことがない人のために補足すれば、Postini とはスパムからドメイン全体を守るスパム対策サービスで、特定のアドレスからのメールは届くように設定することも可能である (少なくても最初は、このオプションを私たちの自動返信とメーリングリストアドレスすべてに対して設定する予定だ)。Postini によって tidbits.com アドレス宛のメールすべてをチェックできるようにするため、DNS 設定の MX レコードを変更する。これにより受信メールは全部 Postiniのメールサーバに送られ、私たちのメールサーバへ配送される前にスパムやウイルスのチェックが行われる。
この変更を事前にアナウンスしたのは、とにかく Postini がどれくらい効果を発揮するのか分からないからで、私やそのほかの tidbits.com ドメインアドレス宛のメールが、適切な設定ができるまで Postini により削除されてしまう可能性もある。そうは言っても、私たちは Postini が多数のユーザーが使っているクライアント側で実行されるフィルタと同じくらい正確であることを望んでいる。例えば、Michael Tsai 氏の SpamSieve は私の場合 99.6 % という確率で有効であるが、スパムの量が一日当たり 800 から 1,000 通にもなろうとしている状態では、それだけの量のスパムを受信し処理するのは非常な重荷になってしまっている。さらに悪いことに、Eudora で私のジャンクメールボックスにある間違ってスパムと判断されてしまったメッセージを探すのは現実的に無理だ。スパムのスコア順に並べ替えて低いランクのメッセージを見ることはできるが、もし何か無いと思ったらジャンクメールボックスを探すことだけが唯一の方法なのだから。
Postini がどれくらいうまく動作したか、あるいはどの程度簡単に使えたかについては、1 ヶ月程で報告しようと思う。当面のあいだ、私たちのメールシステムの信頼性が欠けることなくスパムがほとんど完全に取り除かれるような最善の結果となるよう祈ることにしよう。どうかうまくいきますように。
文: Glenn Fleishman <[email protected]>
訳: 貞広正則 <msadahiro@peccom.com>
iChat AV は、隣の席に座る者にとっては、新たなる頭痛の種になるかもしれない。Apple のプロダクトマネジャーである Eric Zelenka 氏と Kurt Knight氏は、機上ビデオチャットがフライトの間中、キーボードを打つ代わりのものになりうることを非公式に実演した。二人の Apple 従業員は、一人はルフトハンザのフライトでドイツから帰る途中だったが、iChat AV と iSight カメラを使って Connexion by Boeing と呼ばれる高速インターネットサービスでコミュニケーションを取りあった。
<http://www.apple.com/hotnews/articles/2004/06/ichat_at_35k/>
Connexion by Boeing は、フライト航続時間により1フライト当たり20ドルあるいは35ドルで、下り5M上り1Mの速度をうたうサービスを提供している。現在のところは、ミュンヘンからロサンジェルス行きの直行便の中の1機だけでそのサービスが受けられるが、2005年から2006年では、長距離フライトのおよそ200機でこのサービスが受けられるようになる。ボーイング社の人工衛星ビジネスに関連する人工衛星に搭載されている何百個もの中継器の一つと通信可能なフェーズド・アレイ(位相配列)アンテナにつなげられた機内の Wi-Fi でこのサービスは行われている。
<http://www.connexionbyboeing.com/>
Tenzing 社から競合するサービスが、900機の飛行機を使って提供されているが、それでは低速のメールプロキシーの使用しか許されず、背もたれにある電話線から接続しなければならない。Tenzing 社のサービスは、1フライト15ドルで、United、Continental、そして Delta 航空の多くの国内便で使用できる。Tenzing 社は、人工衛星でパートナーを組んでいる Inmarsat 社が、双方向864Kbps 接続を可能にする次世代の高帯域軌道衛星を打ち上げた後、サービスのアップグレードを来年に計画している。このサービスのほとんどは、互換性のある Inmarsat 機器をすでに装備されている3000機の国際便飛行機のうちの一部に提供されるとしている。
picocells と呼ばれる小さな携帯発信器を機内に装備する別の方法も進められている。それは機上中でも通常の携帯電話として効率よく使用できるもので、通信サービスを地上あるいは人工衛星に中継するものである。
<http://www.economist.com/business/displayStory.cfm?story_id=2559174>
これらの情報全てが、12月以来私がなぜ飛行機を利用していないのかを、そして、私がなぜ話し声の一杯詰まった空の旅を避けたがっているのかを、思い出させてくれる。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 貞広正則 <msadahiro@peccom.com>
ボストンに Macworld Expo が間もなくやって来る。コンファレンス開始は、2004年7月12日、トレイドショーは2004年7月13日から始まり、双方とも2004年7月15日まで開催される。当初からのうわさ話では、参加者数はニューヨークで開催された最近数回の Macworld Expo と同じ程度と言われているようだが、私から見ると、規模がかなり小さくなるように思えるもちろん Apple は出展しない。 IDG World Expo は、ここ数年間で初めて出店することになる出版業界の大物 Quark を含む、有名どころの出展社を発表しているが、現時点では、ショーフロアはくつろげる空間にどうもなりそうである。そのときは40社だったが、IDG World Expog が5月初めから載せている出展社の数を、私はずっと追っている。この記事を書いている時点で、この数字は67社まで増えている。しかし、これらの中には Mac の世界にはほとんど関係がない組織もいくつか含まれている。
<http://www.macworldexpo.com/live/20/events/20BOS04A>
<http://www.macworldexpo.com/live/20/events/20BOS04A/exposition/exhibitorlist>
にもかかわらず、私は Macworld Boston を楽しみにしている。それは、たとえ出展社や参加者が少なくなっても、TidBITS の読者や友人たち大勢とおしゃべりができるからである。最近は、とにかく「つながり」に尽きる。私やTonya を見つけて声をかけてくれ。私たちはいつだって TidBITS や Take Control の読者たちと会いたいんだから。ショーフロアは別にして、私を見つけることができるところは次の場所:
7月13日、火曜日、1:00 PM、User Group Lounge で Take Control のことや、ショーの第一印象のことなどを話している。それから2:00 PM には、520番の Peachpit ブースに向かい、iPhoto 4の私の本にサインをしたり、質問に答えることになっている。
7月14日、水曜日、11:15 AM から12:15 PM、私は、Macworld コンファレンスに参加している人たちのために、いつもの「iPhoto を初めて使う」のプレゼンをしている。会場に着いたときに、場所の詳細を確認して下さい。本当の楽しみは、3:00 PM に始まる、2チームに分かれた Mac 有名人たちと Chris Breen による司会で繰り広げられるゲームショー形式のMacBrainiac Challenge だ。むちゃくちゃに楽しいぞ。Andy Ihnatko、Dan Frakes、Rich Siegel 、そして私が勝利するか、あるいはさんぜんたる愉快さいっぱいの栄光とともに負けてしまうかのどちらかになる、私が保証する。
<http://www.macworldexpo.com/live/20/events/20BOS04A/conference/tracksessions/Cool+Tools/QMONYA048D02>
<http://www.macworldexpo.com/live/20/events/20BOS04A/keynotes>
7月15日、木曜日、私は520番の Peachpit ブースに戻っている。そしてThe Wireless Networking Starter Kit の第2版にサインをしたり、人々がワイヤレスネットワークで抱えている問題の解決になるように支援に努めている。
項目にあげられている他のイベントに関しては、Ilene Hoffman が今年も作ってくれている Hess Memorial Events リストを必ずチェックしておいてくれ。じゃ、ボストンで会おう!
<http://www.ilenesmachine.com/partylist.shtml>
あ、そうそう、もう一つ。IDG World Expo によれば、16際未満の子供たちは、必ず登録済みの大人が同行しないと行けないし、5歳未満の子供たちは入場料無料だ。このやり方は至極当然なことだ。昨年ニューヨークで開催されたMacworld Expo で子供たちが入場を拒否されたことから生じた不愉快さを繰り返さずに済むことだろう。もちろん、もし子供たちを連れてくるのなら、彼らが行儀よく振る舞えるようにしっかりと見張っておいてくれよ。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07288>(日本語)思慮に欠けた Macworld Expo New York の年齢制限
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2022>
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
古い冗談にいわく、大学が生き残るためには、卒業生のために強いフットボールチームを、在校生のためにセックスを、そして教職員のために駐車場を整備するのが絶対必要だという。こういう、いわば自己卑下的なジョークは、それを口にする人がその時何を言いたいのかによって、その使われる意味も大きく変わってくるものだ。私は Ithaca に住んでいて、ここには Cornell University と Ithaca College という2つの大学があり、私はこの手のジョークを数限りないほど聞いてきた。(なかなか良く出来たジョークもあるんだけれど、それはまた別の話だ。)さて、私はこの間、あの盛況だった MacDesign カンファレンスから帰宅して、今年の Macworld Boston に出席する予定の親しい友人数名と、内輪の会合をしようと計画し始めていたところだった。私はふと気が付いた。ああいうジョークの基本的なところは、業界カンファレンスについても全く同じように当てはまるんじゃないか、と。カンファレンスの関係者も、やはりいくつかのグループに分かれていて、その人がどのグループに属しているかによって、カンファレンスの成否を左右する要素は違うのだ、ということだ。主なグループと言えば、観衆、出展者、講演者、そしてマスコミ関係者というところだろうか。
というわけで、ちょっと試しにいろいろなカンファレンスをさまざまの立場から採点して(もちろん、皆さんはご自分がその立場に立った経験があるものについてしかカンファレンス採点に参加できないだろうけれど)成績表を作ってみるのも楽しいのではないだろうか。以下に挙げる各項目ごとに、そのカンファレンスがあなたの立場から見て成功したと思えるならば +1 点を、成功とも不成功とも言えなければ(あるいは該当しない場合、例えばあなたがセッションに出席しなかった場合の Macworld Expo セッション項目など)0 点を、そしてその項目に関してそのカンファレンスがダメだったと思えば -1 点を、それぞれ付けてみよう。極端な状況の場合は、+2 点や -2 点で、最高に素晴しかった場合や本当に最悪だった場合をそれぞれ示しても良いことにしよう。Macworld Boston に対する私の評価は数週間後の記事で報告させて頂くことにして、皆さんの中のどなたか、こういったカンファレンス成績表を集計して記録するための格好良いウェブフォームを作って後世のために役立てたい、という志のある方がもしいらっしゃれば、どうか完成の暁には私にお知らせ頂きたい。ぜひ、そのリンクをここで公表させて頂けたらと思う。
観衆の立場 -- 当然ながら、観衆こそがカンファレンス参加者の中で最も重要であり、観衆がいなければカンファレンスの存在意義そのものが失われる、と名目上言うことができるだろう。しかし実質上からも、観衆をどうやって満足させるかということこそ、カンファレンスが最も注意を払わなければならない問題なのだ。
費用と価値。カンファレンスにもいろいろあって、事実上入場無料のものから入場料として $1,000 以上も取るものまである。費用がかさむからと言っても、それだけで低い成績を付けてはいけない。そうではなくて、支払った費用の割にどれだけ大きな価値をあなたが手にすることができたか、という観点から成績を付けることにしよう。もちろん、旅行のための交通費やホテル代、食費なども考慮に入れなければならない。
時と場所。カンファレンスが成功を収めるためには、人々の興味を引いて、しかも交通も便利な都市を選び、開催時期もその都市を十分にエンジョイできる頃、ということを念頭に置かねばならない。カンファレンスを、その全般的なタイミング(祝日と重なった場合は減点)や、旅行や宿泊の費用が手ごろかどうか、その都市には良いホテルやレストランがあるかどうか、といった基準で採点してみよう。例えば、Austin や Houston でのカンファレンスを私はお断りした。(当時 Seattle から Austin への飛行機の便は不便で高くついたし、また 8 月の Houston はお話にならないから。)また 1 月に Chicago や Minneapolis のようなところに私を誘うような人は誰もいなかった。(第一、私は San Francisco の Macworld Expo から戻ったばかりで、元々タイミングも悪かった。)こう書くと、今挙げた都市に住んでいる方々から、そういう季節に自分たちの町がどんなに素晴しいかという便りが殺到しそうだが、私の言いたいのはそういうことではない。カンファレンス開催の時と場所というものは、その町に住んでいない観衆の目から見て、魅力的なものに _映る_ 必要があるということだ。昔から、全費用折り込み済みのパック旅行が冬に暖かいリゾート地へと集中しているのには、ちゃんと理由があるのだ。
利便性。カンファレンスにサインアップ(できればオンラインで)して、入場バッジやパンフレット類を手渡しで受け取り(あるいは購入し)それから毎日ホテルとカンファレンス会場の間を往復する、そういうことすべてが容易にできるだろうか? この採点項目では、カンファレンスの全般的なポリシー、例えば子供の入場を認めるかどうかとか、そういうポリシーが前もってよく説明されているかどうかとかいう点も考慮に入れたい。
出展者の幅広さ・奥深さ。その成否がトレードショウのフロアを中心に決定される Macworld Expo や Comdex のようなカンファレンスでは、一般的に観衆は多数の出展者があることを期待しており、興味ある製品を持つ出展者に一番の関心が集まる。私はかつて New York での Internet World に一度だけ行ったことがあり、その会場にはすごい数の出展者たちがひしめいていたが、おもしろそうな出展を探してすべて歩き回るのにほんの数時間しかかからなかった。それと対照的に San Francisco の Macworld Expo では、会期の4日間ではとても全部の出展を見て回れないということもよくある。(もちろん、その理由の大部分は、私が Macworld Expo ではいくつもの仕事を抱えていて忙しいということもあるが。)また、Las Vegas で 11 月に開かれる巨大な PC トレードショウである Comdex は苦しい状況に追い込まれており、最近の報道で今年の Comdex がキャンセルされたと伝えられた時には、近年のショウが主にアジアの PC コンポーネント製造業者たちに占められて、ハードドライブの筐体を見て回るのにほとんど時間がかからないという有様だから、という事情が理由とされていた。
製品サポート。この種のことはカンファレンスの主催者の手によって決まることではあるが、ここで私は出展者たちに対する希望として項目を挙げておこうと思う。トレードショウのブースに宣伝担当のスタッフを置くことは当然ではあるが、そういう人たちが提供できる情報といえばほとんどその会社のウェブページで読めるようなことばかりだろう。もしも、出展者たちが宣伝担当スタッフの数を減らして技術サポートのエンジニアたちをもう少し加えたら(そしてその両者を明白に見て分かるように区別してくれたら!)私はそのショウの採点に断然高得点を付けたいと思う。なぜなら、多くの観衆たちにとって、トレードショウというのは自分の抱えている問題について直接専門家と話ができるという貴重な機会でもあるからだ。さらにこの採点項目には、ショウの会場でスタッフが約束してくれたことを、後日どれだけフォローアップして貰えたかということも加味しよう。
セッションの質。今やほとんどすべてのカンファレンスが、殊に MacDesign や O'Reilly の Mac OS X Conference などでは、業界の専門家を講師に招いての講演を数多く取り入れるようになった。観衆たちにとっては、仕事を休んでまでカンファレンスに参加しようという動機の鍵になるのがこうした講演セッションであることが多い。もちろん、セッションが面白そうでなければ皆さんは初めからそのカンファレンスに参加しないだろうから、この項目の採点は、講演者の仕事ぶりはどうだったか、セッションのレベルは適切だったか、セッションの内容は説明と合致していたかどうか、またセッションの利便性(すべてのセッションが同じ建物内で行なわれたか、類似のセッションとの重複はなかったか、適切な温度の部屋で適度に快適な椅子が提供されたか、オーディオ・ビジュアルのサポートはうまく行ったか、セッションの配布物はどうか、など)はどうだったかといったことを基準にすることにしよう。
キーノート。どんなカンファレンスでも、キーノートの講演によって、その後のカンファレンスの進行を何らかの形でいわばお膳立てしようとするものだ。従来は、Macworld Expo は常に Steve Jobs のキーノートで大きく得点を稼ぎ、MacHack の深夜長時間にわたるキーノートはいつも標準より面白い内容になっていたものだ。良いキーノートはもちろん評価に価するが、反対に退屈で自己宣伝ばかりの、無名で実績も無いような業界の会社役員による講演などを聞かされるのは苦痛以外の何物でもない。
無料のワイヤレスインターネットアクセス。仕事場を離れてこのような所に参加しているのは多くの人たちにとって心苦しく思えるものだが、簡単に、しかも無料で電子メールのチェックができればその心のストレスが大きく軽減されるだろう。だから、カンファレンスではぜひともワイヤレスのインターネット接続が提供されているべきだ。ただし、カンファレンスセッションの最中も使えるようにしておくべきかどうかは議論の余地がある。私の経験でも、一方では O'Reilly の Mac OS X Conference でのセッションでその最中もオンラインにいるのでなければ出席する気にならなかったようなものもあれば、他方 MacDesign Conference で私が出席したセッションで、その部屋の中からはインターネットにアクセスできなかったために私は講演内容により集中できた、ということもあった。例えば参加者たちに SubEthaEdit を使った共同セッションノートのようなものを作らせる、というような企画をするカンファレンスにはボーナス点を与えたい。
割引販売。今ではあまり重くは見られないが、初期の Macworld Expo では人々は皆ショウの前には購入を控えておき、ショウの会場でどんな目を見張るような特別割引価格でいろいろのものが売られているかを見るのを楽しみにしていたものだ。観衆は、高価な品物を大幅な割引価格で購入できることで、出席に要した費用や時間の埋め合わせができたと感じるものなのだ。
無料提供品。何かを無料で貰える(あるいは少なくとも無料に見えるものを貰える)のは、誰でも大好きだ。賢明なカンファレンス企画者ならば、きっとこの方法で観衆をハッピーな気分にさせてくれるだろう。大規模なショウでは、その役割はしばしば出展者たちが担うことになる。出展者たちは知恵を絞って製品をラッフルにかけたり、ひねりの利いた提供品を配ったりする。(この、ひねりの利いた、というところが肝心だ。意味もなく退屈な提供品を配るのにお金をかけるくらいなら、何も配らない方がまだましだろう。)この項目で評価を与えられるには、小規模のカンファレンスならば必ずカンファレンス独自の提供品を配ること。例えば t-シャツから、関連企業から寄贈されたマグカップなど、いろいろあり得るだろう。カンファレンス主催者あるいは出展者がよく考え抜いた無料提供品を配ってくれた場合にはボーナス点だ。私からの助言を言わせてもらえば、本当に驚くようなデザインのものでない限り t-シャツは避けること、もしどうしても t-シャツを配りたい場合は各種サイズを取り揃えること。なぜなら、普通デフォルトで配られる特大サイズのシャツは誰にでも着られる訳ではないから。
軽食。当然ながら、例えば Macworld Expo のような大規模のショウで軽食を提供するのは実行不可能だ。(出展者が個々のブースでその埋め合わせをすることはできる。WordPerfect はこの点デモンストレーションの達人で、デモの最中質問に答えた聴衆の人たちに M&M チョコレートの小袋を配っていた。実際はほとんど全員が M&M を手に入れ、人々はちょいとした甘さを楽しみながら、話を聞く間の手持ちぶさたを解消することもできたのだった。さらにボーナスとして、デモの講演はインタラクティブなもので、聴衆は競って M&M を手に入れようと反応し、講演者から投げられる小袋をキャッチしようと注意を集中させたものだ。)私の経験では、セッション中心のカンファレンスにおいて観衆は午前の半ばと午後の半ばの休憩時間に軽食を欲しがるものだ。残念ながら、そういう軽食はホテルから提供されるのが普通で、どうしても甘いクッキーにマフィンというお決まりのものになりがちだ。こういう時にフルーツや野菜、その他の健康的な軽食を出してくれるカンファレンスがあったら、私は特別に高く評価したいと思う。
楽しさ。私はいろいろなカンファレンスに参加してきたが、やはりカンファレンスが成功するための一番の秘訣は、常に観衆に楽しさを提供し続けることだと思う。MacHack(現在は ADHOC という名前に変わっているが)はこの点、圧倒的なトップの座を占め続けてきた。実際に参加者たちの中の数人によって企画運営されてきたからだ。けれども、Scott Kelby と彼の率いるチームは、最近の MacDesign Conference でこの点それに劣らない素晴しい手腕を見せ、キーノートではいくつものユーモラスな時を提供しつつ、カンファレンス最初の夕べにはパーティーを打ち上げ、二晩目には本当に大傑作の Who Wants to Be a Millionaire?(日本では「クイズ・ミリオネア」)もどきのゲームを開催してみせた。これは高得点ものだ。
コミュニティ。大規模なカンファレンスでコミュニティの感覚を醸し出すことは難しい。観衆の人数が多すぎるからだ。けれども一方 MacHack や O'Reilly の Mac OS X Conference のような比較的小規模のカンファレンスでは、参加者たちが集まって話をしたり、電子メールをチェックしたり、その他いろいろな交流が図れるようなラウンジ区域を作ることに成功している。Mac 業界というものは人と人とのパーソナルなネットワークというものが非常に大きな位置を占めているので、どんな形ででも参加者を一緒に集めるという努力は意味があり、それだけでも +1 あるいは +2 の採点に価するだろう。
出展者の立場 -- どのカンファレンスも、ショウの核心である観衆に焦点を当てなければならないのは当然としても、多くのカンファレンスでは業界の各社が自社の製品を展示できるスペースを提供することにも力を注いでいる。もちろん、大規模な大手のショウ、例えば Macworld Expo のようなところでは、出展者が集まるトレードショウのフロアこそが中心となっている。けれども MacDesign や O'Reilly の Mac OS X Conference のようなところでも、小規模ながら展示は行なわれる。そして、出展者たちが出展費を支払ってブースを持っている以上、カンファレンスの主催者たちには彼らの必要にも応える義務があるわけだ。
ブース費用。出展者にとって、カンファレンスに参加することは純粋にビジネス上の判断になる。だから、どんな出展者でも、まず最初に口にする質問は「ブースの使用料はいくら?」だ。昨今いくつかのカンファレンスがブース使用料として驚くような高額の料金を要求するようになったことを考えれば、料金が妥当な金額であることこそ、出展者の心の安らぎに繋がる大きな要素と言えるだろう。
立地条件。観衆にとって都合の良い場所でカンファレンスを開催することも重要だが、出展者たちにとってはそれにかかわる費用の問題が一層重要な要素になる。小さな会社にとっては、航空運賃、ホテルの費用や食費でさえも、何人もの社員を送り込むことを考えればたちまちに高額な負担となる。Macworld Expo が New York で開催された時、数多くの有名な Macintosh 関連会社がショウへの不参加を決めたり参加日数を削減したりしたが、これは New York がそれだけ高く付くことを意味していたのだ。
雑事の手間。トレードショウでブースを運営するのは大変な仕事だ。この仕事をより厄介にしてしまうような要素は何でもマイナス評価に繋がる。Macworld Expo でブースを持っていて恐怖の体験をした、という話はいくらでもある。その多くは、開催者側スタッフとのトラブルだ。開催者側スタッフというものは、往々にして細々としたパワーゲーム、例えば誰が何をしてよいかというようなことを指示したがるものだ。(ここで問題にしているのは本当に信じられないほど些細なこと、例えば、開催者側スタッフがコンピュータをプラグインするのをベンダーが許さないというサービス精神の欠如に対し、ベンダーに「罰」を与えるというようなことだ。)余分な雑事が少なければ少ないほど、採点の評価は高くなる。
観衆。観衆の側からは興味深い出展者が数多くいるトレードショウが望ましいのと同様、出展者の側から見れば数多くの有能な観衆が参加するショウが望ましい。これはいわばフィードバックのループの関係にある。なぜなら、出展者の数も多く自分に関係ある会社が出展していればいるほど、多数の人々がトレードショウの会場に集まるし、一方では出展者の数が減れば減るほど、残った出展者たちは観衆の数の減少、観衆の熱意の減退に嘆かされることになるからだ。けれども結局のところ、観衆を魅了することに直接の責任があるのはカンファレンスの主催者であり、彼らがどの程度それに成功したかが、この項目の採点に直接結び付くのだろう。
売り上げ。観衆を魅了するだけでは、実は十分ではない。観衆の興味を引いて、彼らに購入意欲を引き起こさせなければならない。展示スペースに費用を払って、旅費や宿泊費も出すのは高く付くが、それに見合うだけ、あるいはそれを上回るだけの製品を販売することができれば、それは良いことだ。カンファレンスによっては製品の販売を認めないこともあるが、私から見ればそれは自己敗北と言わざるを得ない。観衆が買いたいと思うならば(それが業界のカンファレンスならば、そう思うのが普通だ)そうさせるのが義務というものだろう。
講演者の立場 -- 近年は、製品情報を満載したウェブサイトを企業が利用するのが一般的になるのに伴い、大規模なトレードショウのフロアに多数の展示者たちがひしめき合うというスタイルが企業にとってあまり魅力的なものではなくなり、それに代わって業界の専門家によるトレーニングセッションやその他の講演にカンファレンスの焦点が移されるようになってきた。私もカンファレンスで講演をする側の者として、講演者の立場からの希望や、どうすればより良いセッションが進められるかという点をいくつか述べさせて頂きたい。
報酬。カンファレンスのために出張旅行して滞在費も払うのは、決して安いものではない。もしも講演者が旅費や滞在費を自己負担しなければならないのなら、実は Macworld Expo ではそうなのだが、それでは出張するだけの価値が無いということがしばしばある。カンファレンス参加費を免除して貰えるのもやはりとても重要だ。ただ、これは講演をしてもしなくてもカンファレンスに参加しただろうという場合にしか意味がないが。MacHack は、以前からセッションの講演者に無料入場資格を与えているが、MacHack のコミュニティ指向を考えればこれは本当に適切なことでもあり、またこのような場合それで十分な報酬であるとも言える。私の評価を言うならば、カンファレンスの無料入場資格だけならば 0 点、諸費用まで負担してくれれば +1 点としたい。これを +2 点の評価として、最高のセッションにするための動機とまでになるためには、別途謝礼金の上乗せが必要だ。Macintosh 業界のエキスパートたちのほとんどは、本を著述したり、コンサルタントとして働いたり、ハイエンドのデザインやイラストを描いたりして生活を立てている。そういう人々にとっては、時は金なり、なのだ。別の言葉で言えば、カンファレンスの講演の準備をしてそのプレゼンテーションをする時間は、すなわち他で収入を得るために働くのに振り分けることのできない時間であり、従ってそれに費やす努力のレベルも自然とそれなりのものになる、理想通りには行かないということだ。MacDesign では講演者にそのセッションごとに報酬が支払われたが、私の知る限り、その謝礼金の額はもっと綿密な準備をして観衆のために講演内容をもっと充実させたいという強い動機となるものであったと思う。話は変わるが、講演者は各界に公表されるのでステータスが上がるという誘い言葉は、既に確固としたエキスパートである人たちにはあまり魅力的には響かないものだ。
司会者。マルチ・トラックのカンファレンスで私が講演した経験上、カンファレンスのスタッフが講演者を一人一人紹介し、そのまま部屋に留まってオーディオ・ビジュアルの問題の際に手を貸したり、あるいは講演の終わりに賞品を配ったりなどの便宜まで図ってくれたのは、今回の MacDesign カンファレンスが初めてのことだった。講演の初めに聴衆に向けて紹介をして貰えたのは初めてではなかったが、今回初めて、講演に先立って紹介をして貰えるのがどんなに有難いことか、自己紹介をして、冗長さを感じさせない程度に簡単になぜ自分がここで講演するにふさわしい人物であるかなどと説明せずに済むのがどれだけ嬉しいかを、実感することができた。第一、自己紹介などというものは気恥ずかしいし、司会者に紹介をして貰うのは、ただ単に講演を話し始めるのが楽になるだけではなくて、カンファレンス主催者の側から、どんなに素晴しい講演者を集めたのかを気の済むまで宣伝できるという意義もある。私は、司会者が紹介をしてくれるカンファレンスには +1 の評価をしたい。
利便性。私がいろいろなイベントに講演者として招待されてもなかなか気が進まない大きな理由は、旅行や宿泊などの雑事に手間をかけなければならないことへのストレスだ。自分のスケジュールにその時間枠を確保し、いつどの飛行機で飛んでどこに泊まるかを決め、すべての予約をする、それだけのことで丸一日がつぶれてしまう。もちろんある程度の雑事は避けることができない。でも、カンファレンスの主催者側がこうした雑事の負担を講演者の肩から少しでも取り除いてくれるなら、それだけ講演者にとって喜ばしいことになる。何年も前のことだが、Thunder Lizard Productions が一連の Adobe Internet Conference シリーズを企画していた時、Marci Eversole という名の女性がカンファレンスの雑務を担当してくれていた。彼女がいったいどうやってそれを成し遂げていたのか、今になっても不思議で仕方がないが、当時ホテルのスタッフたちは彼女の望みを何でも一生懸命に叶えてくれ、カンファレンスの終わりにはホテルから空港行きのバスが魔術のように現われたり、その他面倒な雑事がすべてスムーズに進んで行ったのだった。どんなカンファレンスでも、それ専属の Marci Eversole がいて雑事を取り仕切ってくれさえしたら、と思うし、もしもそれが実現されたら、私は喜んで +1 や +2 の評価を付けさせて頂きたい。
マスコミ関係者の立場 -- 最後に挙げるグループは、主に大規模なトレードショウで目立つ人々だ。けれどもマスコミ関係者はどんなカンファレンスにも参加することがあるし、カンファレンスの最中あるいは終了後に彼らがカバーする報道は将来の観客動員に非常に大きな影響を与える可能性がある。忘れてならないのはマスコミ関係者といっても観衆の一部であり、カンファレンスを採点するにあたっては前に述べた観衆としての立場のものも多くが当てはまるということだ。
参加登録。いくつかのカンファレンスでは、主催者側がマスコミ関係者の登録に関して煩わしい制限を付けてくることがある。これは、時折アップデートするウェブページを持っている程度のことを出版と自称して誰でも無料で入場権を得てしまうのを予防しようとしてのことだろう。その制限のうちいくつかは正当なものだが、このような制限は明確なものであって、無料パスを騙し取ろうとする連中の数を最小限に抑えるという目的に沿ったものであるべきだ。この項目では、プレス用パスを入手するためにどれだけの手間が必要かということを採点したい。私も、Macworld Expo でキーノートの開始に間に合うようにプレス用パスを入手できるかどうか、非常に危うい思いをしたことがある。
ニュースイベント。小規模のカンファレンスでニュースイベントを手配するのはなかなか難しい。けれども、もしも大きな会社のいくつかを説得してショウの会場で何か発表をするようにして貰えたら、ジャーナリストにとってもそれは報道すべき情報を貰えるということで大きな進歩となる。カンファレンスからより多くのニュースが発信されれば、それだけマスコミの報道も大きくなり、ジャーナリストの立場からもより高い評価がカンファレンスに与えられるというものだろう。
プレスルーム。カンファレンスをライブで報道するために、ジャーナリストとしては観衆たちや出展者たちをインタビューできる場所も必要になるし、一方では記事を書くための静かな場所も必要となる。カンファレンスによってはこれらの目的のために2つの別々の部屋を用意してくれることもある。もちろんそれは良いことだ。プレスルームにはワイヤレスのインターネット接続が欲しい。(万一の場合に備えて有線のポートも欲しい。)そうすれば、ジャーナリストたちが記事について調べ物をしたり、あるいは書き上げた記事を電子メールで送ったりすることもできる。理想的には、プレスルームにはテーブルもソファも備えられているのが良い。ホテルやコンベンションセンターなどによくある机は人間工学的には最悪の代物で、いずれにしてもソファに座って膝の上にラップトップ機を置いて記事を書く方がましなことが多いのだ。
食料。プレスのメンバーは、ひっきりなしにこちらのミーティングからあちらへと、休みなしに行き来しているもので、ちょっとプレスルームに立ち寄って何か食べる物を頬張り、朝食か昼食の代わりにするというのは、気分をがらりと良い方へ変えてくれるものだ。(そしてカンファレンスに対する私の意見も変えてくれるだろう。)私には、昼食のために列に並んでいる時間は無いのが普通だし、食事付きのミーティングのようなものでさえ、他のミーティングと重なってしまうことが多いので私にはストレスに感じられる。
成績を集計すると -- もっと別の基準でカンファレンスを採点できるということもきっとあるだろう。私が挙げなかった項目も、どうそご自由に付け加えて頂きたい。例えば、人々がカンファレンスに遠隔参加できるように十分な配慮が為されたら、それも +1 や +2 の評価をするに価するかもしれない。
採点が終わったら、どうぞその結果を TidBITS Talk に投稿して頂き、その他お持ちのコメントなども書き添えて頂きたい。そうすれば、他の読者の方々も、今後そのカンファレンスに参加するかどうかを考慮する際に、あなたの経験を参考にすることができるだろう。
文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
各話題の下の2つ目のリンクは、私たちの Web Crossing サーバに繋がる。こちらの方がずっと高速だが、まだ望ましいデザインに改良できる所にまでは至っていない。
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/>
Tiger: パフォーマンス、安定性、セキュリティ -- WWDC で Mac OS X 10.4 Tiger の機能の数々がプレビューされ、このオペレーティングシステムではどの程度パフォーマンスが改善されるのかという議論が起こった。(メッセージ数 4)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2265>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/131>
Apple が小さな開発者の仕事をコピーする -- Tiger での新しい Dashboard 機能は、Konfabulator と多くの共通点を持っている。どの程度、Apple は小さな開発者たちからプログラムをコピーしているのだろうか? 会社としてそういう人たちに対価を支払うべきだろうか? 共通の結論は、この状況が当初思われていた程には単純でないということだ。(メッセージ数 30)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2263>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/130>
Tiger に HFS+? -- ファイル名は大文字・小文字を区別すべきだろうか、オペレーティングシステムはどのようにファイルを認識すべきか、といった問題について読者たちが議論する。(メッセージ数 28)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2262>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/129>
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, , 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA