TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#743/23-Aug-04

「どの Mac を買うのがいいんだろう?」という質問を、皆さんはこれまでどのくらい聞いてきただろうか。17 年間この質問をずっと聞き続けてきてきた Adam が、その答として“Take Control of Buying a Mac”という電子ブックを書いた。また今号では Jeff Carlson が、PalmSource の HotSync ソフトウェアの役割を引き継ぐことになる The Missing Sync for Palm OS 4.0 をレビューする。ニュースの部では、Apple が 15 インチ PowerBook G4 用バッテリーのうち一部のものをリコールしたことをお知らせし、Spring Cleaning 7.0 と Now Up-to-Date & Contact 4.5.3 のリリースをお伝えする。もう一つ、Glenn の息子、Benjamin Warner Fleishman がこの世に生を受けたことを喜びをもってお知らせしたい!

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MailBITS/23-Aug-04

ようこそ、Benjamin Warner Fleishman!-- ライター兼編集者の Glenn Fleishman と、彼の妻の Lynn Warner に、私たちから心をこめてのお祝いを申し上げたい。先週の水曜日、2004 年 8 月 18 日に、彼らの息子 Benjamin が誕生したのだ。Tonya と私は長年にわたって Glenn と共に働き、友人としてお付き合いさせて頂いた。彼が最初に TidBITS に登場したのは 1991 年のこと、TidBITS-053 においてだった。1990 年代の半ばには、数年にわたって彼の会社の POPCO で私たちのサーバをホストしてくれた。短命であった NetBITS で私たちは協力して働いたが、その後彼はホジキン病の治療のために休みをとることになった。彼と私は The Wireless Networking Starter Kit の第一版・第二版の共著者であり、今は彼も私たちと一緒に Take Control 電子ブックを書いている。振り返ってみれば長くて楽しい道のりであったし、これからも彼と Lynn と Benjamin にはつつがない旅路を続けていってもらいたいと思う。

先週の水曜日に生まれた赤ちゃんと言えば、実はもう一人、私たちの友人の Jason と Lauren Snell に第二子、Julian William Snell が誕生したことにも心からの祝福を贈りたい。Jason は Macworld Magazine の主任編集者であり、TidBITS Talk にも時折投稿してくれている。Lauren は、何年も前のことになるが、当時の形態での DealBITS において私たちと共に働いてくれた。

シアトル在住の Glenn と Lynn や、サンフランシスコ近郊に住む Jason と Lauren と、普段の生活を共にして暮らすことができないのはとても残念だが、私たち3家族の子供たちがもしも同じ学校に通うことになったなら、その学校の学校新聞はきっと物凄いことになるかもしれない。こんな会話が飛び交っているところを想像してみよう:「僕のママは、タイトルの中の前置詞は大文字で始めちゃいけないって言ったぞ!」「でも、Chicago Manual の第 23 版には、副詞的用法の場合には大文字で始めるようにするって書いてあるんだ!」[ACE](永田)

DealBITS 抽選: Mail Factory の当選者-- 先週の DealBITS で当選したのは、ngsec.com の Tomas Serna、mac.com の Norm Norris、carlson.com の Martin Tschofen、ptdprolog.net の Jody Sebring、それに yahoo.com の Jan Ferrera の5人で、それぞれに BeLight Software の Mail Factory が贈られた。それ以外の応募者すべてには Mail Factory が購入時に $5 割引になるコードが電子メールで送られた。応募して下さった 740 名の方々にお礼を申し上げたい。今後の DealBITS 抽選にもどうぞご注目あれ! [ACE](永田)

<http://www.belightsoft.com/products/mailfactory/>
<http://www.tidbits.com/dealbits/belight2.html>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07772> (日本語)DealBITS 抽選:BeLight の Mail Factory

Allume が Spring Cleaning 7 を出荷-- Allume Systems が Spring Cleaning 7 を出荷した。これは同社のロングラン製品であるクリーンアップ・ユーティリティで、不要なファイルやフォルダを特定して適切に処理してくれる。(ただ単に消去するだけでなく、さまざまな処理方法がとれる。)今回の Spring Cleaning アプリケーションの新機能としては、巨大になりかねないログファイルや一時ファイルなどを特定できる Logs & Temporary Items Finder や、あなたが指定したサイズの基準によるファイルの検索(およびビジュアルな比較)ができる SizeManager などがある。Spring Cleaning 7 ではまた、カスタム検索の保存、壊さずに移動したファイルの復元の簡素化、選択したファイルのプレビュー表示、似たファイルを比較する QuickCompare アプリケーションの操作の簡略化などが加わった。また、あなたのシステムをスキャンして、それを基準に前回のスキャンとの違いを表示できる新しいアプリケーション、System Snapshot も追加された。Spring Cleaning 7 の価格は $50 で、以前のバージョンまたは iClean からのアップグレードは $20 となる。(ただし、2004 年 7 月 16 日より後に Spring Cleaning 6.0 を購入した人は無料でアップグレードできる。)[ACE](永田)

<http://www.allume.com/mac/springcleaning/>

Now Up-to-Date & Contact 4.5.3 がサーバを改良-- Now Software が Now Up-to-Date & Contact 4.5.3 をリリースした。これは同社のマルチユーザー用カレンダー・コンタクト情報管理ソフトウェアのバグ修正アップグレードだ。今回のアップデートでは、カレンダーとコンタクト情報の媒介となる Now Up-to-Date サーバと Now Contact サーバのプログラムにおける問題点を修正することに力点が置かれた。詳細にわたった説明は変更リストを参照されたい。また、クライアントのアプリケーションの側にも若干の変更があるし、今回のアップデートはすべての Now Up-to-Date & Contact 4.x ユーザーに無料なので、15.2 MB のダウンロードをする価値は十分にある。[ACE](永田)

<http://www.nowsoftware.com/mac453.html>
<http://www.nowsoftware.com/453list.html>


Apple が 15 インチ PowerBook G4 のバッテリーをリコール

文: Geoff Duncan <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple Computer 社は、2004 年 1 月から 2004 年 8 月までの間に販売された PowerBook G4 15 インチ アルミニウムモデル用のリチウムイオン充電式バッテリーのうち一部のものをリコールしている。これは、バッテリーの過熱事故が4件発生し、発火する可能性の存在が判明したことによる。

<http://www.apple.com/support/powerbook/batteryexchange/>(日本語)15 インチ PowerBook G4 バッテリー交換プログラム

該当するバッテリーは 2003 年 12 月の最終週に韓国 LG Chem 社で製造されたものだ。これらはすべて、機種番号が A1045 であって、シリアル番号の上4桁が HQ404、HQ405、HQ406、HQ407、HQ408 のいずれかであることで識別できる。

これらのバッテリーは 15 インチ画面のアルミニウムモデルの PowerBook G4 システムに付属して出荷されたもので、他の PowerBook や iBook のバッテリーは該当しない。また、バッテリー単体で販売されたもので該当するものもある。バッテリーのシリアル番号は、コンピュータからバッテリーを外して(まずコンピュータに電源コードを繋ぐか、または予めシステム終了することをお忘れなく!)から、バッテリー底面にあるラベルを見れば分かる。

該当するバッテリーをお持ちで合衆国国内に在住の顧客は、Apple のバッテリー交換ウェブページに送付先情報と、コンピュータおよびバッテリーのシリアル番号とを入力すれば、無料で交換用バッテリーが受け取れる。Apple は新しいバッテリーと、回収対象のバッテリーを返送するための料金着払い封筒とを、無料で送付してくれる。合衆国以外に在住の顧客は、それぞれの国での Apple のサポート用電話番号に電話することになる。[訳注: 日本にいる人の場合は上記の“15 インチ PowerBook G4 バッテリー交換プログラム”ウェブページで手続きができるようです。]4個以上の回収対象のバッテリーを交換しなければならないユーザーは、直接 Apple に 800/275-2273 で電話する必要がある。ただし合衆国以外に在住の場合はそれぞれの地域の連絡用電話番号に電話することになる。[訳注: 上記のウェブページによれば、4個以上の場合に使う日本での電話番号は、AppleCare サービス&サポートライン (0070-800-27753-1) とのことです。]

<http://www.apple.com/contact/phone_contacts.html>


Take Control of Buying a Mac

文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

何年ものあいだ私が恐れてきた質問は「どの Mac を買えばいいのか?」であり、僅差で「Apple はいつ新しい Mac を発表するか」が続く。悩んでいる人の手助けをするのはやぶさかではないが、この簡単な質問は、公正な立場に立てば、少なくとも一時間は話をすることになり、さらにまた質問が続くのだ。電子メールでこの質問が来たとき問題はさらに複雑になる。なぜなら、この質問から逃げて完全に的外れかもしれない適当な答えを返すことになったり、でなければ時間ばかり取ってしまう議論を、それでなくても溢れかえっている受信箱で何日もやりとりを始めてしまうからだ。

しかし、どうしてこの話題は難しくなるのだろうか? 結局のところ、毎年数百万人が Mac を買っているのにだ。しかし、何年ものあいだ行ってきた数多くの議論から判断すると、多くの人は Mac を購入するプロセスが簡単ではないと感じているらしい。例えば、それでなくとも高価なのに必要以上に高い買い物になっていないか心配したり、あるいはまた購入した販売店に対して満足していないのだ。どちらの場合でも、詳細を聞きながら相づちを打ち、何が間違ったのかできるだけ言わないようにして、代わりに次はどのようにすれば良いかを優しく話している。

Take Control 電子本のタイトルを最初に振り分けていたころに戻るが、私は“Take Control of Buying a Mac”に挙手した。主な理由はまさに、どのように Mac を購入するすればよいかを調査し説明するために時間を割く口実が欲しかったからだ。私は長い間、努力すれば誰もが実現できる方程式を導くことができると信じていた。自分自身のものより他の著者の本を先に片付けたため予想より時間がかかってしまったが、有能な編集者である Caroline Rose (恐れ多くも Macintosh の黎明時期に Apple から出版された Inside Macintosh のうち最初の 3 巻の編集者だった) の助けにより“Take Control of Buying a Mac”が発行できた。来年 Mac を買う人や他人に推薦するための情報源が欲しい人にうってつけである。72 ページのボリュームで価格はたったの 5 ドルだ。もし再販業者やコンサルタントの方で、顧客に配布するためまとまった量の購入を考えていたりあるいはこの電子本を取次ぎたいと思っている方はご一報頂きたい。

<http://www.tidbits.com/takecontrol/buying-mac.html>(日本語)Take Control Ebooks: あなたの知りたいことがすぐわかる

この本は 5 つのセクションに分かれており、それぞれ購入の過程での異なったステップが扱われている。ここで一番良い結果を得るためには、これらのステップを一歩づつ進んでいくことが肝要であることを発見した。でなければ、新しい情報を考慮するためもう一度意志決定をしなければならず、時間の無駄遣いに終わってしまうからである。

いつ買うかを決める-- いつ Mac を買うか決めるためには、二つの要因がある。まず、Mac が本当に今必要なのか、すばらしい新製品が欲しいだけではないのか、ということである。テクノロジーの塊に対する欲望は悪いことではないが、必要性と欲望を区別することは大切である。もし買うことに決めたのなら、次はいつ買うかだ。言うまでもなく、もし本当に新しい Mac が今必要なら後回しにせず今すぐ買ってしまうことだろう。しかしながら、多くの場合待つことが可能であり、あなたも知っている通り待つことの見返りとして高性能の Mac を安く手に入れることができる。それでは、もし待てるのなら一年のうちで購入に最適、そして最悪な時期はいつだろう?

私は本の中でこのセクションに一番満足している。過去 5 年間、Apple が発表した新 Mac においてスピードの向上とフルモデルチェンジの両方を調査・記録するためかなりの時間を割いたのだ。これらのデータを総合すると、あるいくつかの傾向が浮かび上がってくる。また、最近 Apple が以前の動向から逸れてきた道筋なども浮き彫りになる。業界を注意深く見守っている私たちのような者には、次に何が起こりそうか分かるような第六感が備わっていると言われていて、それが、いつ買うかを私に尋ねてくる理由なのだが、データによりこの感じが裏付けられた。

この年間サイクルの話は全体の半分でしかない。すべての Macintosh モデルはそれぞれの製品サイクルを持っているし、このサイクル内のいつ購入することにより、ある性能レベルを得るためにどれだけ支払わなければいけないかが決まる。注意深く見ている人は以前にも見たことがあるだろう。新 Mac モデルの最初のリリースは高価だが、ある期間内に価格も同時に下げた高速版を発表する。この本で示した歴史的な視点により、このような動きを察知することができるだろう。

私はこれらを、最も初期モデルを買いたいか、いくつかモデルチェンジした後でか、新モデルにより置き替わる時か、あるいは旧型モデルとなった後かなどによって、いつ購入するかを 4 つのルールにまとめた。自分自身のニーズ、希望、そして予算を充分に理解しているなら、状況に応じて完璧な買い物をするための時期を選ぶことができる。

どの Mac を購入するか決断する-- いつ買うか決めたら、次はどの Macにするかを決める番だ。この質問は、つまりデスクトップとラップトップ Macのどちらが良いのかということになり、そしてそれが決まればどのモデルにするかということになる。このために、あなたがデスクトップ派なのかラップトップ派なのかを調べるのに役立つワークシートを考え出した。この質問を投げる時、女性誌に良くある「あなたのパートナーとの相性を調べる方法」のようなクイズ方式にしてはどうかという Tonya の冗談が製作プロセス上遅すぎて使えなかったことには少しがっかりしている。

大部分の人はある程度どの Mac のタイプが欲しいかを理解しているだろうが、それでもさらに多くの人びとが、デスクトップとラップトップの両方でコンシューマとプロフェッショナルモデルを比較するために私が作成したチャートを便利だと思ってくれると思う。私の目的は、例えば見た目はすごく似ているiBook と PowerBook のあいだの違いについて、多くの人が持っているあいまいさを取り除くことだ。さらに、ご存知の方もいると思うが、現在では違いが明確になっているものの、iBook のほうが PowerBook と比べてはるかに好まれていた時代もあったのだ。

このセクションの最後は、Apple や他の多くの販売店で Mac 購入時に提供しているカスタマイズオプションや他のアドオンすべてに関する疑問へ光を当てることを目的としている。Mac を買うなら CPU は1つで充分か2つ必要か? RAMの量はどのくらい必要か? (沢山!) どの光学ドライブが一番合っているか? もっと大容量のハードディスクは必要か? 高性能ビデオカードやデュアルモニターはどうか? (ほとんどの場合、ビデオカードは必要ないが複数モニターに関しては推薦している) AirMac Extreme は? Bluetooth は? (Bluetooth は購入後には追加できないことをご存知だったろうか?) 予備のバッテリーや AC アダプターは? そして最後に、これも間違いなく重要だが、AppleCare に加入すべきか、するなら Apple から購入するのがいいのか? (少なくともラップトップに関してはイエス、加入すべきだ。そしてノー、購入は Apple 以外からの方が安く買うことができる。)

**どこで買うかを選択する-- Mac を購入する場所の選択肢としては、主に次の6つが挙げられるだろう: 近所の Mac 販売店、Apple Store、コンピュータ量販店、インターネットベースの Mac 販売店、Apple Online Store、それに個人購入だ。どこで買うのが正しいかというような決まった答が無いのはもちろんだが、それぞれの選択肢ごとの長所と短所はあるので、皆さんの判断の参考にして頂けるよう、それぞれについて詳しく解説しておいた。

また、特定の人だけが普通よりも安い価格で購入できる特別の方法が、3つある。中でも一番有名なのは、もちろん、教育関係者用割引だ。

他に何を買うかを決定する-- このセクションは、Mac OS X を走らせることができず ADB、SCSI、それにシリアル接続などの過去世代のポートを持っているような、古い Mac からアップグレードする人を主に念頭に置いて付け加えた。iMac が初めて過去世代のポートを無くして、その代わりに USB と FireWire を使うようになった時には、古い周辺機器を使い続けるにはどうすればよいかという話題が賑やかに盛り上がったものだったが、時とともにパワーユーザーたちがその問題に関心を持たなくなるにつれてあまり話題にも上らなくなってきた。実際には、このような古い機器を使うために必要なアダプタなどは今でもたいてい入手可能で、そういう過去世代のポートや周辺機器を使う Mac は今でも膨大な数が現役で使われているのだから、私はそういう事柄についての基本的な参照情報をまとめて、いくらかの努力をつぎ込んで使い続けるべきもの(例えば LocalTalk のレーザープリンタ)と、この際使うのをあきらめるべきもの(例えば外付けモデムや SCSI スキャナ)を見分けることができるようにしておきたいと思ったのだ。

また、新しい Mac を買おうという人たちにいつも私が勧めているいくつかの注意点についても簡単に説明しておいた。例えば、新しい iBook や PowerBook を保護するものを持っていない人にはラップトップケースを、新しいデスクトップ Mac を電源の事故から守るためには UPS (無停電電源装置) をお勧めしている。もちろん、これらは必須の道具ということではないが、ほんの少しの用心で結果が大きく違うということもあるものだ。

古い Mac をどうするか-- この最後のセクションは新しい Mac を購入することと直接の関係は無いが、アップグレードした後にそれまで使っていた Mac をどうすべきか迷っている人のために書いた。私は、古い Mac もできるだけ使い続けようという意見の持ち主だ。古い Mac も、ほんの少しの努力をつぎ込むだけで、いろいろなことに使えるようになるものだから。

古い Mac なんて一体何に使えるのか想像もつかない、という方々のために、いくつもの積極的な提案を挙げておいた。また、やはり古い Mac は処分したいという方々のためには、コンピュータを持たない人たちの手に渡るようにできる基本的な手段をいろいろと挙げてみた。例えばチャリティーに寄付(これで税金の控除が受けられる)したり、あるいは誰かに売ったりすることもできる。最後に、あなたの古い Mac を新天地へと送り出す場合に、その Mac を初期状態に戻しておくための方法を書き加えた。こうすることは新しい持ち主への礼儀であるばかりでなく、あなたの古いファイルが新しい持ち主の目に触れることのないように予防するという意味もある。

無料アップデートについて-- 私たちの他の電子ブックと同じように、この“Take Control of Buying a Mac”を購入して下さった方は誰でも、この本の将来の無料アップデートが受けられる。表紙にある“Check For Updates”ボタンをクリックしさえすれば、新バージョンが出ているかどうかが確かめられる。また、そのページを使ってサインアップすれば、新バージョンが出た時に電子メールで通知されるようにできる。特にこの本については無料アップデートが価値あるものとなるだろう。なぜなら、次期購入の Macintosh を検討しようと考えて今この本を買ったとしても、いざ購入の決断をする時点になればちゃんとこの電子ブックがアップデートされていて、情報が陳腐化する心配は無いからだ。

というわけで、皆さんぜひこの本をご覧頂きたい。そして、この本を始めから終わりまで通して読み終わったら、ぜひとも感想をお聞かせ願いたい。私が書いたアドバイスが何らかのお役に立つだろうという点についてはかなり自信を持っている。というのは、以前例の「どの Mac を買うのがいいんだろう?」という質問をしてくれた知人たち何人かにこの本のプレリリース版を読んでもらったところ、非常に有益だったという返事が皆から届いた(そして、皆それぞれ新しい Mac をすぐに購入した)からだ。さらにまた、現在 Tonya 本人が彼女の 733 MHz Power Mac G4 を何に買い換えるべきかを私の助言に従って検討中で、仮に彼女が最新鋭最高速のデュアルプロセッサ Power Mac G5 に心を決めたとしても、その助言を書いた私の立場からは何の文句も言えないということになってしまっているのだ。

この 72 ページの電子ブックを $5 で直接購入するには、下記の URL をクリックすればできる。また、この記事の初めの方に記したウェブページには、もう少し別の情報と、20 ページの抜粋サンプルへのリンクもある。

<http://store.eSellerate.net/s.asp?s=STR5625274989&Cmd=BUY&SKURefnum=SKU2961615790&PT=TRK-0010-TIDBITS>


Missing Sync 4.0 が Palm のギャップを埋める

文: Jeff Carlson <[email protected]>

Palm OS の開発とライセンス業務を担当している会社である PalmSource は、この 2月に次世代 OS である Palm OS Cobalt の走る機器では Mac との同期のサポートはしないことをこっそりと紛れ込ませた (TidBITS-717 の "PalmSource が Palm OS Cobalt での Mac サポートを停止" 参照)。同時に Mac のデベロッパーである Mark/Space は、その新型ハンドヘルド用に PalmSource の HotSync 技術を置き換えるソフトウェアの開発に着手していると発表した。Cobalt 機器は未だ市場には出ていないが、Mark/Space は最近 The Missing Sync for Palm OS 4.0 をリリースした。これは現行の HotSync ソフトウェアに対する改良版で、データの同期を超えた歓迎すべき機能を多く加えている。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07543>(日本語)PalmSource が Palm OS Cobalt での Mac サポートを停止
<http://www.markspace.com/>

HotSync にかっこよさを加える-- The Missing Sync for Palm OS 4.0 (以下略して Missing Sync と呼ぶ) は Cobalt の新しい同期アーキテクチャーを扱えるよう設計されているが、それに加えて既存の HotSync コンジット (カレンダーやコンタクト情報といったデータをどの様に比較し転送するかの指示命令) も使って現在 HotSync Manager と Palm Desktop for Macintosh によって扱われているのと同じ同期の作業も行う。既存の全てのコンジットは - 内蔵の Palm のもの、Apple の iSync Palm Conduit、Microsoft の Entourage conduit、等々 - あたかも HotSync Manager を使っている時と同じ様に動作する。望みのコンジットをダブルクリックすることで HotSync Manager に見られる同じコントロール ("Synchronize the Files" や "Macintosh Overwrites Handheld" と言う様な) が呼び出される。

<http://www.apple.com/isync/download/>(日本語)アップル - iSync - ダウンロード
<http://www.microsoft.com/mac/downloads.aspx?pid=download&location=/mac/DOWNLOAD/OFFICEX/palmsync.xml>

しかしながら Missing Sync は一つ素晴らしい簡単な改善を付け加えている。HotSync Manager の下では、ある特定の HotSync 動作中に一つ或いはそれ以上のコンジットを動作しない様にしたい場合、別のダイアログからはずしたい個々のコンジットの動作を "Do Nothing" に設定してやる必要がある。Missing Sync では、コンジットのチェックボックスからチェックを外すことで不能に出来る。例えば、Address Book アプリケーションでコンタクト情報だけを同期したい場合を考えてみよう。Missing Sync の Conduits ウィンドウで Address Book 以外の全てのコンジットからチェックを外し、そして Palm から HotSync を起動してやる。(小さな機能改善要望:Command-クリックすることでチェックボックス全部をオンにしたりオフにしたりできる様にして欲しい、iTunes で曲のリストを生かしたり殺したりするやり方の様に。)

更に良いことには、いちいちクリックしないで済む様にコンジットのプロファイルを作成することが出来る。Mac OS 9 の Extensions Manager の様に、コンジットプロファイルは生きているコンジットの組み合わせを保存する。Missing Sync には二つの有用なプロファイルが設定されている:Install, これは HotSync 動作中にソフトウェアをインストールすることだけをする、そして Backup, これは他のコンジットはスキップしハンドヘルドのデータをバックアップすることだけをする。私もカスタムプロファイルを作ってみた。これは Backup コンジットを走らせることなく内蔵のアプリケーションだけを同期させるものである。

テスト目的で、Palm Desktop と Apple の iSync アプリケーション (iCal と Address Book) との間の同期を取るコンジットプロファイルを作れればいいなと思っていた。しかしながら、iSync は動作中は誰が土俵に上るのかについて殊更やかましい:Missing Sync のコンジットを可能と不能にする能力は十分奥深くまで入り込めないので、iSync はもし Palm Desktop コンジットが同じコンジットフォルダ (これは ~/Library/Application Support/Palm HotSync にある) 内にいると動作を拒否してしまう。この二つのシステムの間で切替をするには、手動で入り込んでコンジットファイルを動かし回さなければならない。

Palm Desktop の代わりに iSync を使う他の副作用は、Palm の内蔵の Memo Pad アプリケーションに対応する Mac プログラムが無いことである。対応策として Mark/Space は Missing Sync に簡単な MemoPad アプリケーションを追加して Mac 上でメモを読んだり編集したり出来るようにした。更なるボーナスとして TimeCopy.prc という小さな Palm OS アプリケーションを付け加えた。これは同期する時に Palm の時計と Mac の時計とを自動的に同期させる。

インターネットの共有-- HotSync する時には、自分の Mac とハンドヘルドの間にデータ接続を開く事になる。もしそうであれば、その接続は開いたままにして置けないか?Missing Sync の Internet Sharing モードでは、まさにその様に出来るので Palm から Web をサーフしたりメールをチェックしたり出来るようになる (最近の多くの PalmOne ハンドヘルドには Web とメールのクライアントは付いてくる;一方で Missing Sync には含まれていない)。

しかし... もしハンドヘルドが Mac につながっていて、そしてその Mac がインターネットにつながっていて、またあなたが HotSync するぐらい Mac の近くにいるならば、そもそもちっぽけなスクリーンの Palm からインターネットにアクセスしたいなどと思うことなどあるのであろうか?外にいる時はハンドヘルドをラップトップ代わりに利用する人達もおり、メールを読んだり後で送るためのメールを書いたりする。列車で通勤の途中に溜まったメールを片付けておくと言うような場合だと、Palm の上で書いたメッセージを送信する場合、Mac に何らかの方法で転送してと言う換わりに Palm から直接素早く送出することも出来る。

もっといい例としては古い Palm の友達の復帰を可能にすると言うのがある:AvantGo、このプロキシ Web ブラウザはオンラインコンテンツを後で見るためにハンドヘルドにダウンロードさせてくれる (TidBITS-554 の "TidBITS Handheld Edition を AvantGo で AutoSync" 参照)。Mac OS X 版の AvantGo クライアントは開発されなかったので、Mac ユーザーは AvantGo チャネルを更新していく手軽な方法がないまま取り残されてきた。しかしながら、この Internet Sharing 機能を使えば、Mac のインターネット接続を通してハンドヘルドから直接自分の AvantGo チャネルを同期することが出来る。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06193>(日本語)TidBITS Handheld Edition を AvantGo で AutoSync

Internet Sharing の設定にはいくつかのステップを踏む必要があるが、その手順は Internet Sharing Assistant (Missing Sync の Help メニューの下で探せる) に明快に説明してある。一旦設定が終ったら、Missing Sync の Internet Sharing モードに切替えて、そしてハンドヘルド側では AvantGo の Channels メニューから Sync を選択する。

希望を言えば、このモードがハンドヘルドによって使用中であるということを示す何らかの目に見えるフィードバックが欲しい。私の場合 Tungsten T を PowerBook に Bluetooth 経由で接続するので、Mac のメニューバーにある Bluetooth のステータスから動作状況がわかるが、そうではあっても接続が生きている (いやもっと大事なのは、接続が切れてしまった) ことを知らせてくれる何かが欲しい - Missing Sync Dock アイコンの変化でもいいし、或いはアプリケーション自体の中の "on air" ライトでもいい。

拡張カードを拡張する-- ここまでは Missing Sync が現行の HotSync Manager ソフトウェアに較べてどの様に改善されたかについて取り上げた。しかしながら、このプログラムの特記すべき機能の一つは、対応するハンドヘルドに挿入された拡張カードのコンテンツがあたかも Mac に取付けられたドライブの様にマウントされることである。この機能を使えばファイルを直接カードにコピー出来る。通常のやり方では HotSync のインストールプロセスを通してファイルをやり取りする (これでも可能であるが、大きなファイルや一連のファイルと言った場合には不便である)。

どんなファイルかって?私の場合ハンドヘルドには最低一冊の電子本 (PalmOne から売られている様な) を入れて置くようにしている。そうすれば PalmOne の無料の PalmReader を使って後から見られる。

<http://ebooks.palmone.com/>

しかしマルチメディアのファイルを取扱える機器もあるので Missing Sync でそれを生かすことが出来る。iPod があればと思う時、Palm ではダメであろうか?Treo, Tungsten, それに Zire (31, 71, 及び 72 モデル) ハンドヘルドでなら、ハンドヘルドから MP3-フォーマットされた曲のファイルなら聴くことが出来る。iTunes では、マウントされた拡張カードは左側のコラムに機器のリストの中に表示される。曲のファイルを拡張カードにコピーするにはカードのアイコン上にドラッグする、その上で RealPlayer for Palm, Pocket Tunes, 或いは AeroPlayer と言ったソフトウェアを使って曲を再生する。

<http://www.realnetworks.com/industries/mobile/operators/products/player/palm/>
<http://www.pocket-tunes.com/>
<http://www.aerodrome.us/>

Missing Sync はまた写真を iPhoto からハンドヘルドに転送する方法も提供する。このソフトウェアには Palm OS のイメージビューアーである SplashPhoto のデモ版も付いてくる。拡張カードがマウントされた状態で iPhoto を開き何枚かの写真を選択しそしてエクスポートする (File メニューから Export を選択して)。この時にこのソフトウェアをインストールした時に追加される Missing Sync のプラグインを使う。

<http://www.splashdata.com/splashphoto/>

Cobalt でどうなるか-- Cobalt-ベースのハンドヘルドはまだ出ていないので、新しくなる同期アーキテクチャがどうなるかはそれが出てくるまではわからない。Mark/Space も PalmOne もどちらも Missing Sync がその新しい機器にバンドルされるのかとか Mac ユーザーに対しては何らかの割引が適用されるのかとかについては一切触れていない。HotSync Manager や Palm Desktop とは違って、The Missing Sync for Palm OS をライセンスするにはお金がかかる:新品は $40、Missing Sync の以前のバージョン (これには以下に対する特定版も含まれる、Sony CLIE, Garmin, Tapwave, そして Internet Sharing) からアップグレードする人には $20 である。もし Missing Sync が単なる HotSync Manager の代替品であれば、お金を払ってまでとは思わないであろう。しかしバージョン 4.0 に組み込まれた追加機能を考えれば、その価値はある。

もっと高所から見れば、私にはこの値札はサポートの一つの形と思える:PalmSource が Mac に対する興味を落としてきている時に、長年の Mac デベロッパーが立ち上がって現行の HotSync アーキテクチャーに置き換わるものを提供するだけでなく、Palm OS が進化していくのに合わせて積上げられたものが出されていくであろうという展望が持てると言うのは嬉しいことである。


TidBITS Talk/23-Aug-04 のホットな話題

文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

各話題の下の2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバでの討論に繋がる。こちらの方がずっと高速のはずた。

<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/>
<http://www.tidbits.com/search/talk.html>

今週の TidBITS Talk にはあまり目新らしい話題がなかったので、これを機会に皆さんにはぜひ ExtraBITS にポストした私たちの話題にも目を留めて頂きたい。以前の TidBITS 記事へのフォローアップにあたるコメントもいくつか含まれている。ここで TidBITS Talk を紹介しているのと同じように、今後は ExtraBITS にポストされたものの見出しリストを何らかの方法で TidBITS の各号に取り入れていく工夫をしてみたいと考えている。

<http://www.tidbits.com/ExtraBITS/>

パワフルなウェブブラウザ: OmniWeb 5.0-- OmniWeb 5.0 をレビューした Adam の記事にある人から短い感想(これが Adam の体験と食い違っていた)があり、またいくつか関連したコメントも寄せられた。(メッセージ数 5)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2291>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/155>


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