Bare Bones から今日 BBEdit 8.0 が登場した。この定番のテキストエディタにどんな新機能が加わったのか、スクープをお届けする。一方 Jeff Carlson は Palm Desktop をインストールしようとして出会った悪夢からどうやって脱出したかを語り、Adam は Take Control 本のアップデートについて技術的なことを説明する。他のニュースとしては、最新流行のファッションアクセサリと言えばアクション・フィギュアらしい。Adam と Microsoft が競い合う。また、SpamSieve 2.2、OmniWeb 5.0.1、それに AirPort 4.0.1 のリリースと、FMChecker の DealBITS 抽選についてもお知らせする。
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SpamSieve 2.2 がより正確になり、メッセージ表示も改善--Michael Tsai氏が彼の賞に輝いたアンチスパムプログラムの最新バージョンをリリースした。このプログラムは数多くの標準的な電子メールソフトのためのものである(TidBITS-667の TidBITS 御用達ツール SpamSieve を参照)。SpamSieve2.2は、電子メールメッセージ受信時に、Haveas WhitelistとSpamAssassinテストを適用することで、より良いメッセージ分析を行う。このプログラムは「正しい」メールをGriffin PowerMateを点滅させたり、電子メールソフトの音を鳴らしたりすることで通知してくれる。SpamSieveのアップルメール・プラグインはウェブバグから守り、スパムレートの設定に従って色分けをし、誤って振り分けられた必要なメールを適切な受信箱に移動する。SpamSieveの文例集やルールをアップルスクリプトで使うことも可能だ。さらに、ブラックリストやホワイトリストをアドレスに取り込んだり、他の項目とつき合わせたりすることも可能だ。詳細についてはSpamSieveのバージョン履歴を参照。SpamSieve 2.2は25ドルのシェアウエア。登録ユーザーは無償アップデートが受けられる。"Take Control of Spam with Apple Mail" と "Take Control of What's New in Entourage 2004" には5ドルのディスカウントクーポンがある。[ACE](笠原)
<http://www.c-command.com/spamsieve/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07076>(日本語)TidBITS ご用達ツール: SpamSieve
<http://www.c-command.com/spamsieve/manual.shtml#version-history>
<http://www.tidbits.com/takecontrol/spam-Apple-Mail.html>
<http://www.tidbits.com/takecontrol/entourage-2004.html> (日本語)Take Control Ebooks: あなたの知りたいことがすぐわかる
OmniWeb 5.0.1 が問題点をいくつか修正 -- The Omni Group からOmniWeb 5.0.1 がリリースされた。このウェブブラウザの、メンテナンス・アップデートだ。(TidBITS-472) の記事“パワフルなウェブブラウザ: OmniWeb 5.0”を参照。)今回のバージョンでは、履歴機能のバグを修正し、ヘルプファイルをアップデート、また PNG 画像ファイルの処理に関するセキュリティの脆弱性を正している。このアップデートは OmniWeb 5.0 のオーナーには無料で、5.7 MB のダウンロードだ。[JLC](永田)
<http://www.omnigroup.com/applications/omniweb/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07775> (日本語)パワフルなウェブブラウザ: OmniWeb 5.0
AirPort 4.0.1 が AirPort Express をアップデート -- Apple のAirPort Express base station(日本では AirMac Express ベースステーション)が今週アップデートを受け、バージョンが 4.0.1 となった。このアップデートでは AirPort Admin Utility でのプロファイルの扱いが改善され、サードパーティのアクセスポイントで WEP キーが処理される方法も改善している。AirPort Admin のバージョンが 4.0.1 と上がっているが、今回のアップデートは AirPort Express(日本では AirMac Express)のオーナーにしか適用されない。初期型の AirPort や AirPort Extreme Base Station は依然としてバージョンが 3.x のままだ。(バージョン改訂はベースステーションの機種と Mac OS X のバージョンの双方に依存する。)今回の AirPort 4.0.1アップデートは 1 MB のインストーラで、Software Update 経由または独立のダウンロードでも入手できる。Windows 版もあって、こちらは 7.5 MB のダウンロードだ。[JLC](永田)
<http://www.apple.com/airportexpress/>(日本語)アップル - AirMac Express
<http://www.apple.com/support/downloads/airport401formac.html> (日本語)アップル - サポート - ダウンロード - AirMac 4.0.1 for Mac
<http://www.apple.com/support/downloads/airport401forwindows.html>
Adam の“Take Control of Buying a Mac”対談 -- 最近リリースした電子ブック“Take Control of Buying a Mac”に関連して、私は2つのラジオ番組の対談に出演した。Shawn King の Your Mac Life ショウと、Gene Steinberg の Mac Night Owl ショウ(後半のみ)だ。私は出演して楽しかったし、皆さんにも聴いて楽しんでいただけたらと思う。[ACE](永田)
<http://www.tidbits.com/resources/744/AdamEngstonYML.mp3>
<http://www.macradio.com/Friday/>
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 貞広正則 <msadahiro@peccom.com>
FileMaker Pro 7 が出てからすでに数ヶ月が経つが、FileMaker Pro 6 が間もなく購入できなくなることを考えると、多くの人々はアップグレードの必要性に直面している。しかし FileMaker Pro 7 は大きく変更されているので(あまりにも大きな変更のため、William Porter はそれに関する自分の記事を“FileMaker Pro 7:理論的枠組みの変換と言えるだろうか?”と呼んだ)、すでに作成済みの FileMaker データをアップグレードするには、特に他人が作成したもので、その仕組みの資料が不足しているものに関しては、多くの困難が起こり得るだろう。もし FileMaker Pro 3、4、5、あるいは 6で作成されたデータからのアップグレードを考えているなら、FMChecker を使ってみるといいかもしれない。これは、手頃な値段の独立型(FileMaker Pro あるいはFileMaker Developer 内で使用するものではない)のユーティリティソフトで、あなたの FileMaker Pro ファイル内に散らばっている隠された詳細を数多く明らかにしてくれる。現環境に全ての参照ファイルが存在しているか、式にはどの要素が組み込まれているか、これまでにファイルが何回不正に閉じられたかあるいは修復されたか、ファイルが現在使用中であるかどうか、最後にファイルが使われたのは、どの OS か、どのバージョンのFileMakerか、そしてさらに多くのことが、このソフトを使うことで明らかになる。動作環境はMac OS 9、Mac OS X、そして Windows で、無料のお試し版が入手可能。
<http://www.fmchecker.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07587> (日本語)FileMaker Pro 7: パラダイム・シフトってわかる?
今週の DealBITS 抽選では、この $50 相当の FMChecker の電子版が 5本当たる。不運にもはずれとなった人でも FMChecker の割引券が貰えるので、このプログラムに興味があるという人は下記のリンクから応募するのを忘れないように。集められた情報全ては我々の包括的なプライバシー方針で保護されます。もしあなたが当選した場合、私のアドレスからのメールを受け取れるようになっている必要があるので、スパムフィルタの設定には注意。
<http://www.tidbits.com/dealbits/fmchecker.html>This drawing runs from 30-Aug-2004 to 11:59 PM, 05-Sep-2004 Pacific Standard Time.
<http://www.tidbits.com/about/privacy.html>(日本語)TidBITS プライバシー規約
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@earthlink.net>
今とても奇妙な販売促進キャンペーンが行われている - あまりに奇妙で、その内に秘めた自嘲的皮肉を私自身が見落としているのかと考え込んでしまう程である。Microsoft は Microsoft Office 2004 for Mac の販売促進のため "もう一人の自分(suit)と近づきになろう" というキャッチフレーズで懸賞をやっている。これは良い意味で言っているのであろうか?"Suit" という言葉は元々前向きの意味合いではない - それは技術系の会社で上手く行かない事全てに責任を持つ (少なくともそのせいにさせられる) ボタンダウンで身繕いした経営陣を指す。漫画 Dilbert に出てくる頭のてっぺんに毛をとがらしたボスは suit の一人と言える。Enron のお偉いさん達はその株主から何千万ドルも巻き上げた。これはとても良い事とは言えない。
<http://sweepstakesonline.com/macoffice/>
それだけではない!賞品の数は 9つである。どうして 9 なのであろうか?わからない!奇(odd)数だからだろうか?でもそれならば 11 の方がもっと意味をなすというものである。なぜならば Office 2004 は Office 11 と本当にみなされているからである (もし信じないならば、設定ファイルの名前を見て欲しい)。
では賞品は何なのか?もし当たれば、Office 2004 が一本は勿論だが、Microsoft が本当に押しているのは "ビジネスプロフェッショナルアクション人形" なのである。この懸賞の Web ページに載っているヒップな若きファッションデザイナーの写真を見ればこれが何を意味しているかはお分かり頂けるであろう:月曜の会議に行く一番のおめかしをしたちょっとあなたに似た手作り人形である。この写真を見て欲しい!このヒップな若きファッションデザイナーか或いは彼女の人形の様に着飾った化身になってみたいと (いや Manolo Blahnik の靴を履いた彼女にははなれないというなら、デートしてみたいと)お思いになりますか?彼女のアクション人形は昔の映画で主演男性に "どうして、十分綺麗なのに!" と言わせるために眼鏡をはずす類の女性の一人に見える。そしてまた、このアクション人形は何が出来るのだろうと思ってしまう。会議の予定を入れる、勝手な売上予測を作る、そしてあの永遠の怠け者Barbie の様な他のアクション人形を首にするぐらいのことは多分出来るであろう。この人形には発声装置がついていると思います?それもプログラマブルなやつ?そう考えただけでも虫気がよだつ。
あなたがビジネスプロフェッショナルアクション人形を机の上に置いておきたいと本当に思っていると仮定しよう、お母さんがあなたにロースクールにいって欲しいと思っていることを思い出させるために。ではどれぐらいの値打ちのあるものなのか?懸賞のルールを見てみると、この賞品のおおよその小売価格は $787.88 だという。どう見てもおおよそとは見えないが、Office 2004 の値段 $399 を差し引くとこのアクション人形の値段は $388.88 という事になる。何ともお高い人形ではある!まあそうは言っても少なくともそれはあなた似である。そして、ビジネスプロフェッショナルアクション人形を持っているとどうしてカクテルパーティで堅苦しい雰囲気を破る手助けになるか考えて見ると良い。
(Microsoft への進言:この Web ページを Macintosh Web ブラウザでプレビューしてみると良い。このルールのページは私が試した全てのブラウザではとても見栄えが悪かったからだ。 ところでついてだから言っておくと、この懸賞のメーンページの白地に薄いグレーの文字は殆ど読めませんよ。)
<http://sweepstakesonline.com/macoffice/rules/>
勿論、懸賞というのは宣伝行為なので、もし当選したらあなたは Microsoftがあなたの名前、顔写真、出身地、それに経歴 (そしておそらくは Mini You-あなたの人形- の名前、顔写真、出身地、そして経歴も) を使用する事に同意しなければならない。これはよこしまな考えかもしれないが、あなたは会社のお偉いさんに近づくことが出来るかもしれないが、反 Microsoft の狂信者もあなたに近づくことが出来ることをお忘れなく。
私が言えることは、私も実際に手作りの私のアクション人形を持っているので- これは Macworld New York で Power On Software の良き友人達にプレゼントされたものである - もしアクション人形を一つ手に入れたいとお思いなら、あなたの友人を感心させる様なものを手に入れるべきで、月末に予算の数字や収支報告書を心配する様なものは避けるべきである。私は私のものを大変誇りに思っている。私は偏見に凝り固まっているに違いないが、それはびっくりする程似ている、筋肉は除いてのことだが。
<http://www.tidbits.com/resources/744/AdamsActionFigure.jpg>
<http://homepage.mac.com/adamengst/iMovieTheater15.html>
<http://www.poweronsoftware.com/>
文: Jeff Carlson <[email protected]>
訳: 古川敬章 <tac@mac.com>
それは至って簡単に思えた-- iBook(私の妻のコンピュータ)をPalm Vxと同期できるように設定するのが目的で、することは最新のPalm Desktopインストーラをダウンロードし、インストーラを動かし、同期するだけだった。ところが現実には、インストール地獄に陥るはめになった。PalmのMac用ソフトウェアのインストールや使用で問題に出くわしたことのある人は、下記の私の経験が役に立てば幸いだ。
タダより高いものはない -- まず、フリーのPalm Desktopの入手に関する苦情から始める。PalmOneのサイトでいくつかリンクをたどってMac用のPalm Desktopを見つけた後、Mac OS Xのリンクをクリックすると、ハンドヘルドの種類と、(また)OSのバージョンを聞かれた(私の知る限りでは、Palmハンドヘルドの種類に関わらずPalm Desktopインストーラは同じものなのに)。
<http://www.palmone.com/us/software/desktop/mac.html>
次のページでは、私の名前、メールアドレス、国名、ハンドヘルドの種類(また)、そして(そう、三回目)OSのバージョンを入力しなければならなかった。そうそう、PalmOneがメールで広告を送るのを許可するチェックボックスを外すのを忘れずに。
<http://www.palmone.com/us/support/macintosh/mac_desktop.html>
その次のページ...ダウンロード先を示した電子メールを探すようにと言われた。(皆さんの手間を省くために、2つ目のリンクにMac OS X用のダウンロードページへ飛ぶものを用意した。)
<http://www.palmone.com/us/support/macintosh/macdesk421.html>
<http://www.palmone.com/us/support/macintosh/macdesk421_legal.html>
無料のソフトウェアの代わりに氏名とメールアドレスが欲しいのはわかるが、このやり方は全くばかげている。メーカー達は、顧客が接続して無料のアップデートをダウンロードするのをできるだけやりやすくした方が自分たちのためにもなるということに気づかないのだろうか?
インストール、インストール、インストール -- インストーラを手元に置いてiBookで動かしてみると、共有ライブラリのエラーでトランスポートモニタというアプリケーションが起動できなかったとのエラーが出た。幸運にも、Mac OS 10.3 Pantherにアップグレードしたときも同じ問題を経験していた。その時の解決法は、rootでログインしてそのアカウントでソフトウェアをインストールすることだった。
しかしiBookでは、この技は使えなかった。複数の管理者ユーザでインストールを試み、Brian HillのユーティリティPseudoを試し、rootとしてログインした状態でのインストールもやってみた。まったくうまくいかない。私はアンインストール、再インストールをし、Palm DesktopとHotSync関連と思われるものをLibrary下のフォルダから全て削除し、その他インストールを成功させるためにいろいろなことをして時間を使いすぎた。
<http://personalpages.tds.net/~brian_hill/pseudo.html>
数時間後、私はすでに解決法を持っていることに気がついた--というより、古い電子メールの中に埋もれていた。Eudoraの優れた検索機能のおかげで、数秒のうちに取り出すことができた。私の「PalmSource が Palm OS Cobalt でのMac サポートを停止」という記事を書いた直後、TidBITS読者Pamela Crossleyから親切なメールをいただいた。
<http://www.eudora.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07543>(日本語)PalmSource が Palm OS Cobalt での Mac サポートを停止
「JaguarでインストールされたHotSync Librariesというファイルを手動で/Library/CFMSupport/にドラッグするだけでいいのです。おそらくインストールの問題の発端のパーミッションの問題は、CFMSupportフォルダの情報ウィンドウで対処できます。これは本当に簡単で、これをすませた人たちはその後HotSyncとPantherを問題なく使えています。」
私はJaguarの動くマシンを現在持っていないが、PantherにアップグレードしたときにできたiBookのハードディスクの"Previous System Folder"というフォルダがある。確かに、HotSync Librariesというファイルはそこにあった。古いバージョンを新しいバージョンで上書きし、一度ログアウトしてからログインすると、万事うまく動いた。
顧客を獲得せよ -- 残念ながら、この問題は2月からずっと続いているものだ。5月にリリースされた最新バージョンのPalm Desktop(4.2.1)はこの問題を解決すると思われていたが、私の場合、なぜか解決しなかった。もちろん私に問題が起きたからといって開発元に対処してもらえるとは限らないが、この問題に悩まされているのは私だけではなく、また解決法も見つかったので、PalmOneが修正アップデートを出すことは難しくないはずだと思う。
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07656>(日本語)新型 Zire と Palm Desktop 4.2.1
PalmOneは最近WebサイトのMacに特化したコーナーを復活させ、Palm OSがiCal、Address Book、Entourageなどと連携でき、写真を転送したりもできることをアピールした。残念なことに、PalmOneはマーケティングを超えてMacユーザをあるままに(つまり、献身的な顧客として)考慮する関心や人力に欠けているように感じる。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
ご存じのように、私たちの Take Control 電子ブックでは、購入して下さった方々にそのマイナーアップデート版を無料で提供させて頂いている。そうすることで、著者の側からすればソフトウェアの新バージョンが出ても電子ブックの情報を最新に保てるし、読者からの要望に応えて内容を改善したり、後で見つかった間違いを修正したりもできるというメリットがある。私たちが聞いた限り、読者たちにもこのサービスは好評で、こうして電子出版というやり方が誰にとっても有利なところがあるという素晴しい実例となっているわけだ。
けれども、読者の皆さんにアップデートが出たことをお知らせしたり、アップデートをうまくダウンロードして頂けるように工夫するのは、なかなか難しいことだった。この記事では、この難しい問題に対して私たちが何を試みてきたか、その過程で何を学んだか、そしてこれから何をしようとしているか、についてお話しさせて頂きたいと思う。Take Control 本なんて読んだことがないとおっしゃる方にも、デジタル製品のアップデートを配布するさまざまの方法の長所・短所を比較した試みとして、興味深く読んで頂けると思う。
先週の土曜日、私たちは3冊のアップデートをリリースした。Glenn Fleishman の“Take Control of Your AirPort Network”の version 1.1.1(この 152 ページの電子ブックに紛れ込んでいたタイプミスをいくつか直し、Sustainable Softworks の IPNetRouterX が $10 割引になるクーポンを付けた)と、Joe Kissell の“Take Control of Email with Apple Mail”の version 1.1、同じく Joe の“Take Control of Spam with Apple Mail”の version 1.1.2(この2冊では Mail 1.3.9 での変更に対応し、いくつか説明を加え、スクリーンショットを増やすなどの改良もある)という3冊だ。もちろん、これだけのことをするにはかなりの時間が掛かったが、それでもこれだけの短い間に3冊ものアップデートをこなすことができたというのは、私たちが 10ヵ月前に電子ブックをスタートさせた頃と比べれば大きく進歩したのだという確かな証拠だろう。実際、この 10ヵ月の間に私たちは無料アップデートの提供の方法として4つの異なったアプローチを試みてきたが、それぞれ成功の度合は同じではなかった。こうして私たちが学んだ教訓を、他の方々がアップデートを提供される場合にも有益に役立てて頂けるようになれば嬉しい。
<http://www.tidbits.com/TakeControl/airport.html>
<http://www.tidbits.com/TakeControl/email-apple-mail.html>
<http://www.tidbits.com/TakeControl/spam-apple-mail.html> (日本語)Take Control Ebooks: あなたの知りたいことがすぐわかる
パスワード保護されたアーカイブを FTP で -- 私たちが試みた最初のアプローチは、表面上は賢明な方法のように見えた。その方法とは、私たちから電子メールでアップデートをお知らせし、その電子メールに FTP の URL を記載しておき、読者たちはその URL を使ってアップデートをダウンロードするというものだ。読者たちだけがその URL を使えるようにするために、そのアップデートを容れた StuffIt アーカイブはパスワードで保護しておき、お知らせの電子メールにそのパスワードを書いておいた。この方法は私たちがテストした範囲では問題なく動作し、多くの人たちに好都合なものであったのも間違いないが、実はその一方で欠点もたくさんあった。
人々が FTP によるダウンロードに使うプログラムは実にさまざまで、例えば Fetch や Interarchy のようなしっかりしたプログラムから、いろいろなウェブブラウザや、果ては Finder(たいていこれが一番悪い)まで、多種多様なものが使われる。FTP URL でのダウンロードに関わる問題は、私たちの予想を遥かに超えた頻度で起こった。
また、StuffIt アーカイブの処理でトラブルを起こすプログラムもあった。StuffIt Expander を正しく呼び出せなかったり、ファイルを別のプログラムで開かせようとしたり、あるいは全くファイルを開かないものまであった。たいていの人はこの問題を乗り越えることができたが、私たちが提供する解決策が実態と合わないこともしばしばあった。
どれだけ多くの人々が大昔のバージョンの StuffIt Expander を使い続けているか、皆さんには想像もつかないだろう! 別にそれは構わないのだが、ただ非常に古いバージョンではパスワード保護されたアーカイブが正しく展開できないことがあるのだ。この種の混乱を避けるためにも、StuffIt Expander は常に最新バージョンを持っているようにしたい。
ダウンロードや印刷には仕事場の PC を使う、という人は多い。その場合には StuffIt Expander for Windows をダウンロードしてもらう必要が生ずる。(Panther では Zip ファイルのサポートが内蔵されているので、こちらのフォーマットにした方が Mac と PC 双方のユーザーにとって都合が良いかもしれない。)
eSellerate のクーポンで -- うまく行くことを少しでも多く、うまく行かないことを少しでも少なく、というのが Take Control の核心をなす考え方だったので、私たちは早速方針を変更することにした。無料アップデートを提供するために私たちが第二に試みたアプローチは、電子ブックを購入したすべての人たちに電子メールで特別のクーポンコードを送って、それを使って eSellerate の注文をすれば該当する電子ブックが無料で受け取れるというものだった。この方法には次のような利点があったのでかなりうまく行った:
eSellerate の注文プロセスは分かりやすいもので、依然として時々トラブルに巻き込まれる人もいた(たいていの場合はべつのブラウザでやり直せば解決したり、Speed Download のようなダウンロード加速ユーティリティをオフにすれば解決したりした)が、圧倒的大多数の注文、つまりほとんどの無料アップデートはスムーズに処理された。eSellerate のシステムはうまく出来ていて、このような注文にはクレジットカード情報を入力する必要がなかった。
また、このアップデートのプロセスは実際の注文プロセスを経るものだったので、そのついでにまだ買っていない他の電子ブックを合わせて注文して下さる方も多く、ビジネスには好都合の方法と言えた。
しかしながら、アップデートを提供するための方法としては問題点もあり、依然として私たちには不満が残った。
まず、無料アップデートを受け取るためだけに注文プロセスを人々に辿らせることは、たとえクレジットカード情報を入力せずに済むとはいっても、必要以上に人々に負担を掛けるものに思えた。
クーポンコードを設定して、ダウンロード用のファイルもセットする、という eSellerate で私たちに必須の準備作業が、非常に小さなアップデートでさえも必要なものとしてはあまりにも時間の掛かりすぎるものだった。それに加えて送付用の電子メールアドレスをデータベースから抽出しなければならない作業もあり、私たちの負担はかなり大きいものになってしまった。
個々のアップデートがすべて実際の注文として扱われたので、私たちの注文データベースに余分な情報が大量に紛れ込む結果となった。アップデート分の情報は、基本的に重複した、混乱を招きかねないデータを追加するものだったからだ。その結果、例えば著者に印税額の通知をする際などにもまずその大量の 0 ドル注文のデータを消去しなければならない、という余分の手間が加わることになった。
eSellerate の再ダウンロードで -- ごく些細なアップデートもあるのだから、掛かる手間をできるだけ減らし、データベースにも不要なデータを入れないようにしよう、ということで、私たちは第三のアプローチを試みた。eSellerate では、注文したすべての人に、購入したファイルを3回までに限って繰り返しダウンロードできるようにしている。(料金のレシートとして送られる電子メールには、さまざまの注文後サービスの付いたウェブページへ導くリンクが記されている。そのサービスの一つとして“Download Now”ボタンに導くリンクも付いている。)3回までのダウンロードを許容することで、eSellerate は人々がダウンロードの途中で問題が起こっても対処できるようにしていたのだ。ただ、このダウンロード用 URL を公開することはできなかった。ある時私たちは、非常に小さなアップデートができ上がったので、eSellerate にあるファイルをアップデート後のファイルに置き換えてから、その電子ブックを購入した人たちすべてに電子メールを送って、再ダウンロードするようにと指示してみた。でも、このやり方は大きな間違いだった。その理由はたくさんある:
電子メールの信頼性というものは、スパムと、スパムに対抗するための努力の結果、日々ますます低下し続けている。その結果、いくらかの割合の人々が電子メールによるレシートをそもそも受け取れないという事態になってしまった。また、レシートを受け取った人も、その多くがレシートを捨ててしまったり無くしてしまったりする。つまり、結局は多数の読者たちが再ダウンロードのために必要な URL が分からないということになり、Tonya から手を貸してもらわなければアップデートできないという事態になる。
2冊以上の電子ブックを購入する人も多いし、また以前の無料アップデートの際にも電子メールによるレシートが届いていた。そのため、どのレシートがどの注文のものかが見分けられなくなった人も多く、そういう人たちはやはり Tonya の助けを必要とした。
もしも誰かが、何らかの理由(例えば電話回線の接続不良や、ブラウザのクラッシュなど)で既に3回ファイルをダウンロードしていた場合、eSellerate はもうそれ以上はその人にダウンロードを許してくれない。この場合、Tonya が eSellerate の注文トラッキングシステムの中でダウンロードカウンターをリセットしなければならなくなる。
幸いにも、このようなトラブルに遭った人たちを助けるのは簡単にできた。Tonya は、まずデータベースをさっとチェックしてその人が顧客リストにあることを確かめた上で、たいていの場合直接その人に電子ブックを送っていた。こうして問題が素早く解決されたので読者たちは嬉しく思って下さったようだが、それにしてももちろんそういう問題が起こらないようにするに越したことはない。この方法で必要となった私たちの作業量は、他のどのアプローチに比べても極端に多かったので、この時点で私たちは、無料クーポンの方法をやめるのならば、プロセス全体を根本から考え直す必要がある、という事実を痛感させられた。
Check for Updates ボタンで -- そこで私たちはあらゆる種類の突拍子もないアイデアなどを話し合った。2つの PDF ファイルの差分を記録して、その情報を使って元の PDF をアップデートできるようなアプリケーションを作ったら、という話まで出たものだ。そのうち、私は考え方の方向が根本的に間違っていると気が付いた。いろいろな点で電子ブックというものはソフトウェアと共通するところがある。もしも誰かソフトウェア開発者が、アップデートをどう扱うべきか私に意見を求めてきたとしたら、そのアプリケーションの内部にアップデートチェック機能を組み込んで、そのアプリケーションがユーザーの同意を得てから自動的にアップデートをダウンロードしてインストールもするようにするのがよい、と私は助言していただろう。もちろん、私たちが配布しているのは PDF ファイルであって、完全装備のアプリケーションではないのだから、その出来ることには限界があるのだが、それでも電子ブックそれ自体の中からユーザーがアップデートをチェックできるようにする、というのは可能性の範囲内にあることだった。
それが実行できた秘訣は、私たちが現在 Web Crossing を走らせていることだった。Web Crossing にはたくさんの利点があるが、中でも役に立ったのが、それが完璧にプログラミング可能なことだった。Web Crossing 社の Sue Boettcher から助けをもらいつつ、私は基本的に CGI(Web Crossing の用語では“macro”と呼ばれる)であるようなものを作って、URL に埋め込まれたデータを受け取ればそれに応じてアップデートが利用可能かどうかをユーザーに知らせるウェブページを返す、というものにした。そして、もしも利用可能ならば、アップデートがダウンロードできるリンクを、プロテクト付きで迷彩の掛かった形で提供するようにしたのだ。この方法には、数え切れないほどの利点があった:
Check for Updates ボタンを一回クリックしただけでウェブページがロードされ、もしもアップデートが利用可能ならばもう一度クリックすればそのアップデートがダウンロードされる。eSellerate の注文プロセスを辿らなければならないのに比べれば、これは読者にとって遥かに易しい手間で済む。
そのウェブページの別の部分を使って、読者がサインアップしてアップデートのお知らせを電子メールで受け取れるようにしたり、また他の Take Control 本の新刊が出た時にお知らせを受け取れるようにしたりもできる。これで、アップデートのお知らせをどうやって送るかという私たちの悩みがずっと軽くなる。(以前は、データベースからアドレスを抽出して、そのデータを Eudora で Bcc 行に流し込むという手間が必要だった。)
利用可能なアップデートに関する内容をポスト(ダウンロードすべきかどうか読者自身が決められる)したり、近日中に出る予定のアップデートについてポスト(すぐにアップデートされるのなら印刷を延期できる)したり、といった情報のお知らせができる。
私たちの注文データベースに余分のデータが紛れ込むことはない。
もちろん、このシステムはまだ完璧とは言えない。ダウンロードユーティリティによっては、CGI を通じてダウンロードの URL を伝えるという私のやり方にトラブルを起こすものもある。また、Acrobat Professional 6.0 を使う場合には Web Capture 環境設定でウェブリンクを開く時に Acrobat 内でなく別のウェブブラウザで開くように設定しておかなければならないこともわかった。(そうしないとウェブページがその電子ブックに追加されてしまい、ダウンロードリンクも働かなくなる。)それ以外にも、きっとこれからいろいろな問題が起こってくることだろう。けれども、そういう問題を解決するために掛かる負担が、これまで私たちが試みては捨ててきた他のシステムで必要だったものを上回らない限り、まだまだこちらのシステムの方が、誰のためにもより良いものだと言えるだろう。
当然ながら、私が開発してきたこのシステムをそのまま Web Crossing 以外に応用することはできない。ただ私は、ユーザーたちにアップデートを提供しなければならない立場の人たちに、それを可能な限りクリーンかつ効率良い方法で実行したいと願った私たちの経験をお話しすることで、何かのお役に立てればと思ったのである。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
訳: 佐藤浩一 <koichis@anet.ne.jp>
BBEdit は、これまで長い間プログラミングや HTML コードを書く人に向いたパワフルなテキストエディタとして定評ある地位を保ってきた。だから、Bare Bones Software の CEO である Rich Siegel が、今日発売となる BBEdit 8.0 の最新機能を私に紹介してくれようとした時、私は彼らがこのプログラムをどんな方向に向けて進めようとしているのか、興味を引かれた。これはひょっとして、ほんの少数のマイナーな改良を提供するだけで、多くの人たちがアップグレードの価値なしと判断するような、そういうよくあるアップグレードの一つなのだろうか? けれども実際は、そんな想像は事実と全くかけ離れたものだった。BBEdit 8.0 は本当に凄いアップグレードで、BBEdit を使ってテキストを本気で編集しようとする人ならば誰でも、今回のアップグレードには数々の重要な改善が含まれていて、アップグレード料金を払う価値が充分にあると感じるだろうと思う。100 件以上もある改善点のうち、最も重要だと思われるもののいくつかを紹介してみよう。
<http://www.barebones.com/products/bbedit/>
Document Drawer -- タブを使ったブラウズが今日のウェブブラウザの世界を席巻している。だから、Bare Bones 社にも、タブを使ったテキスト編集がしたいという要望がユーザーから集まるのも道理というものだろう。つまり、一つのウィンドウ内で、タブを使って複数個の開いた書類に素早くアクセスできるというインターフェイスだ。ただ、実際に人々が欲しがっていたのはウェブブラウザのタブ付きインターフェイスをそのままコピーすることではなかった。そのままでは、ちょっとタブの数が増えただけですぐに左右方向の余地がなくなってしまうからだ。必要なのは、同じウィンドウの中で素早く複数の書類を切り替えて使えるという点だった。そこで登場したのが Document Drawer だ。これは Mac OS X 標準のドローワであって、現在のウィンドウで開いている書類の名前をリストする。OmniWeb のタブでテキスト表示した時とちょっと似ているが、とにかくこれは多数の書類を同時に開いておくためには素晴しいインターフェイスだ。(例えば、一つのウェブサイトのページをすべて一つにまとめたり、あるいは一つの開発プロジェクトのファイルをまとめたりすることができる。)
この Document Drawer のために左右方向の余白を浪費されるのも望まない? そういう人のために、BBEdit 8.0 はウィンドウ上部にあって前進・後退のボタンを持ち、そのウィンドウで開いている書類をリストしたポップアップメニューもある、Navigation Bar というオプションも用意している。私自身、自分の経験から言って1個の HTML ファイルだけで作業することはほとんどない。でも、複数個の書類を開いておくために同時にたくさんの別々のウィンドウを見せられるのも、不必要と感じるのが普通だ。(もちろん、以前と同じようにそちらの方法で使うこともできる。)
複数ファイル検索 -- Document Drawer という機能は、元来複数個のファイルを開いておくことを前提にしているものだから、もう一つのメジャーな新機能、つまり複数ファイル検索の改善が施されたのも、自然な必要性からのことだったろう。BBEdit はずっと以前から複数個のファイルにわたって検索することができ、その結果を独立のブラウザウィンドウに表示することもできた。けれどもその際、検索対象の指定は一回に一つずつのフォルダを指定できるだけだった。ところが今回からは、Find & Replace ウィンドウ上のドローワを使って、ファイルやフォルダの任意の集まりを検索対象として指定できるようになった。また現在のウィンドウで開いているすべての書類を対象にしたり、現在開いている書類のすべてを対象にしたりも可能になった。さらに素晴しいことには、これらの検索がプリエンプティブなマルチスレッドによって行なわれる。つまり、検索が走っている間も普通通りに BBEdit で作業を続けることができ、また、BBEdit で作業を続けながら複数種類の検索を同時進行で走らせることさえできるようになったのだ。そして、個々の検索が独立のスレッドで走るので、マルチプロセッサの利点も存分に利用できるようになった。
Text Factory -- 皮肉なことに、BBEdit のパワーは充分に分かっているにもかかわらず、私は依然として特定のテキスト処理作業のためには Classic 版の Nisus Writer に立ち戻るのが習慣だ。これは別に Nisus Writer の方が BBEdit よりも有能だからというわけではない。そうではなくて、Nisus Writer のマクロ機能を使えば複数個の検索・置換操作を組み合わせて施す作業が楽になるからだ。けれども今回、BBEdit は Nisus Writer Classic の棺桶にもう一本釘を打ち込むことになった。これは、今回新装備された Text Factory 機能のためだ。Text Factory では、BBEdit のテキスト処理ツールを複数個繋げて使うためのインターフェイスを提供しているのだ。いくつかの Text Factory 設定を集めて、独立の書類として保存しておくこともできるし、それをバッチ操作で複数個の書類に施したり、いつでも好きなときに一つの書類に施したりすることもできる。
つまり本質的には、Text Factory とは BBEdit にテキスト処理のバッチ操作をもたらしてくれるものだ。例えば、過去九ヵ月にわたって私は Take Control の告知用リストに、新しい電子ブックをリリースするたびに多数の電子メールアドレスを追加する作業を繰り返してきた。これは手間の掛かる作業ながら一定の決まったプロセスで、BBEdit の中でおよそ6段階のステップを必要とし、2つのファイルをそれぞれにフォーマットし直してから、それらを1つに組み合わせ、それからデータの重複を除去するために Process Duplicate Lines コマンドを数回繰り返して走らせる、というものだ。実際、この操作に手間が掛かりすぎるのを回避するために、私はわざわざ注文プロセスそのものをデザインし直したほどだった。でも、もしも当時から Text Factory でそのプロセスを自動化できていさえしたら、きっと私はそこまでのことはしなかっただろうにと思う。
BBEdit の内蔵コマンド以外にも、AppleScript や Unix のフィルターを Text Factory コマンドに追加することもできるので、さらに高度なファイル処理を実現することも可能だろう。
ローカルサーバーを使ってプレビュー -- BBEdit 7.x の時代に追加された機能の中でとても便利なものに、Apple の WebKit を使って HTML 文書がウェブ上でどのように見えるかを表示できる BBEdit 内でのプレビューがある。私も好きで良く使っているが、BBEdit のプレビューで唯一の問題は、動的処理に依存するサイト (例えば私たちの使っている Web Crossing サーバーなど) にある HTML ファイルがしばしばうまく表示できないことである。これは、動的な部分を作成するサーバーがないので当たり前だ。
しかし、今はこれが可能になったのだ。BBEdit 8.0 にはローカルウェブサーバー (例えばパーソナル Web 共有をオンにすることにより起動される Apache)をプレビュー用サーバーに指定するオプションが追加された。これにより、ページを直接処理するのではなく、BBEdit は HTML コードをサーバー経由で送信しその結果を表示する。
もちろん、問題点はある。ローカルサーバーがあなたの使おうとしているサーバーと同じ機能を持つ必要があること、そして表示しようとするページが使用しているすべての画像やその他のものにアクセスできないといけないということだ。しかし、このようにテスト用サーバーを準備しようという考えは悪いものではないので、BBEdit で HTML を多数利用している人たちは、彼らのワークフローへどのようにこれを取り込めば良いのか考え始めるに違いない。
行儀の良い Mac OS X アプリケーションへ -- BBEdit では多くの改善が目に見えない部分で行われているが、これらはより良い Mac OS X アプリケーションを作るためである。特に、Bare Bones 社は、これは本格的な Unicode プログラムとなったため、同じ文書内において別のスクリプトシステムで作業することも可能であると主張している (以前のバージョンでは、同時には一つのスクリプトシステムしか使えなかった)。BBEdit 8.0 は Mac OS X のシステムレベルにおけるスペルチェッカーを使用するようになったが、残念ながら入力中に自動スペルチェックをする機能はまだサポートされていない。Rich Siegel氏は、この機能は追加予定の項目の中で最優先となっていると話している。8.1が早めにリリースされ、その時この機能が付いていることを期待したい。インラインスペルチェックができないことにより、他のプログラムを使わなければいけない場合があるためだ。
さらに、BBEdit でフォントは大きな問題となっていないが (スクリプトシステム毎に一つだけ表示可能である)、この度 Mac OS X Font パレットを使うようになった。注目されるのは、Unicode を基本としているため BBEdit をスタイル付きエディタとして使うこともできるかもしれないのに、Bare Bones 社はそのような機能には興味が無いと宣言している点である。私には Bare Bones 社がスタイルを避ける理由が分かる。それは、BBEdit が単にテキストの見栄えを良くするものではないからだ。しかし、テキストにスタイルを付加するということは文書内のテキストに属性情報を追加するための方法でもあり、そうすればさまざまな文書処理が可能になるという側面があるのに、残念なことだ。この点では未だに Nisus Writer が BBEdit より優れている。Nisus Writer のマクロはフォント、色、スタイルなどに基づき文章を検索したり処理することができるからだ。ひょっとしたら、将来的には文章に属性情報を適用するための一手段として BBEdit にユーザ定義が可能なスタイルが追加されるかもしれない。
そのほかの機能 -- 機能も豊富に追加されている。BBEdit 8.0 には、HTML Tidy と呼ばれる HTML コードを整理して読みやすくするためのオープンソースのツールが含まれている。さらには CSS マークアップコマンドも追加されている。Web スクリプト環境下や現在認識できない言語で作業する場合でも、コードを簡単に読めるよう構文に基づくカラーリングを独自に作成することが可能になった。この構文カラーリングは、最初はプログラミング言語をターゲットとしていたが、Rich 氏は将来 SGML と XML のカラーリングへさらに集中していくと話している。
BBEdit 7.x では CVS バージョン管理システムに対するサポートが追加されたのに対し、BBEdit 8.0 ではプログラマーがしたいと思うことをほとんど網羅している Perforce バージョン管理システムへのサポートも開始した。BBEdit 8.0はまた、ソースファイル中の関数の見出しを作成し検索を素早く行うためのExuberant Ctags もサポートするようになった。複雑な文書での作業を簡単にするための、カーソルがある行を黄色くハイライトする機能もオプションで用意されている。Philip Bar は、文章をそこでソフトラップすることが可能な薄灰色の背景エリアをページ右側に設定する Page Guide に置き替わった。タブ位置はウインドウ全体を縦に走る薄い灰色の線で表示されるようになり、カラム形式のデータを扱う人なら誰でも重宝することだろう。新規あるいは変更された機能の全リストを見たいのであれば、Bare Bones 社の Web サイトで確認していただきたい。
<http://www.barebones.com/products/bbedit/features.shtml>
詳細 -- BBEdit 8.0 は Mac OS X 10.3.5 またはそれ以降が必要である。Mac OS 9 ユーザーは BBEdit 7.1 を使い続けるしかない。価格は、新規に購入するとき、2004 年 10 月 31 までは 180 ドルで、それ以降は 200 ドルとなる。BBEdit Lite、Adobe GoLive、あるいは Macromedia Dreamweaver からのクロスアップグレードは 130 ドルだ。BBEdit 7.x からのアップグレード価格は50 ドルで (もし 2004 年 6 月 1 日以降に購入したのなら無料である) 6.5 からのアップグレードは 60 ドルとなっている。Bare Bones 社ではさらに、ユーザーグループ用、学生向け、あるいはボリュームディスカウントの割引が用意されている。もし、何はともあれ試してみたいのであれば、11 MB の 30 日間有効なデモ版が用意されている。
<http://www.barebones.com/products/bbedit/demo.shtml>
文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>
各話題の下の2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバでの討論に繋がる。こちらの方がずっと高速のはずた。
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/>
<http://www.tidbits.com/search/talk.html>
Palm HotSync インストール地獄の回避 -- 今週の記事は、もともとExtraBITS にポストされたもので、TidBITS Talk での議論も呼んでいる。読者たちは Palmデスクトップアプリケーションの堅牢性について討論し、TidBITS-743 でレビューした The Missing Sync 4.0 についてのコメントを寄せている。(メッセージ数 7)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2300>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/164>
骨董品の Mac をどうしよう? -- 私たちは Mac が好きだ。だから捨てたくはない。なにしろ、長いあいだ働いてくれたのだから。でも、正直な話、1989 年に活躍していた古いモデルは、今ではそれほど役に立たない。古いMac を寄付したり処分したりするには、こんな方法がある。(メッセージ数 9)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2301>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/165>
パワフルなウェブブラウザ: OmniWeb 5.0 -- OmniWeb についての奇妙なコメントに対して、ExtraBITS に短い記事をポストしたところ、多くの人が話に加わって、 OmniWeb 5.0 の好きなところと嫌いなところを寄せている。(メッセージ数 17)
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2291>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/155>
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, , 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA