TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#749/04-Oct-04

より良いデジタル画像を作るための Charles Maurer の探究は続く。今週は、あなたが、そしてあなたの Mac が、いかにしてカラーを認識してそれを処理して行くのかという問題に焦点を当てる。音楽の最前線では、Apple が Logic Pro 7 と Logic Express 7、それに2つの新しい GarageBand Jam Pack をリリースした。Adam は、Terminal アプリケーション以外の場所で Unix の man ページを読むためのツール、ManOpen に心を留める。ニュースの部では Apple が .Mac アカウントでの保存容量を増やし、San Francisco の Macworld Expo 2005 の予約受付が始まり、AppleScript Pro カンファレンスでの Matt Neuburg のセッションについてもお知らせする。

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MailBITS/04-Oct-04

Apple が .Mac の保存容量を 250 MB に...でもまだ見劣りが -- 保存コストの減少や、無料ウェブメールサービスとの競争に対処するために、Apple は iDisk 容量と電子メール容量とを合わせた .Mac アカウントの許容容量をこれまでの 100 MB から 250 MB に増やした。また、電子メールと iDisk に振り分ける容量の比率を選択できるようにした。デフォルトではそれぞれ 125 MB ずつとなっている。Apple はまた追加容量の購入価格も大幅に値下げし、合計 1 ギガバイト (GB) の容量が年額 $50 で使えるようになった。電子メールの送信メッセージサイズも最大 10 MB となった。

<http://www.mac.com/>(日本語).Mac メンバーへの新特典

これまでは、.Mac の保存容量は時を経るごとにますます Google の Gmail サービスと比べて見劣りがするようになってきていた。こちらはまだベータテストの段階だが、ウェブベースの無料の電子メールサービスで 1 GB、という切り札を切ってきていたのだ。Yahoo や Hotmail といったサービスでは無料アカウントにほんの数メガバイトしか付けていなかったのだから。今や、1 ギガバイトというのが電子メールサービスの合言葉となったようだ。[GF](永田)

Macworld Expo SF 2005 の無料入場登録 -- IDG World Expo は、2005 年 1 月 10 日から 2005 年 1 月 14 日まで San Francisco で開催される Macworld Expo の登録受付を開始した。(ただし展示ホールの開幕は 2005 年 1 月 11 日の火曜日からとなる。)2004 年 11 月 5 日までに優待コード B0201 を使って登録すれば、展示ホールへの無料入場パスが受け取れる。このパスはそれ以後は $20 から $40 程度の価格となる。(ただし、従来から私たちは Peachpit 社の協力を得て、優待期間が過ぎた後でも TidBITS 読者に展示ホール無料入場パスをお渡しできるようにしている例が多い。)また、これと合わせて Macworld カンファレンスにも参加しようと計画している方は、2004 年 12 月 10 日までに上記と同じ優待コードで登録すれば最も有利な割引が受けられる。[ACE](永田)

<http://www.macworldexpo.com/live/20/register///CC961706>

Newport, RI にて AppleScript を真剣に学んでみませんか -- ちょうど AppleScript の本(O'Reilly 刊の“AppleScript: The Definitive Guide”)を書き上げたところだった私は、次は何か AppleScript 関係のクールな仕事をしてみたいものだと意気込んでいた。それに私は過去に長い間大学教授として働いていたので、教室で大勢の前で教えることができるというのは何よりも嬉しいことだった。そういうわけで私はきたる 11 月の 11 日と 12 日を本当に楽しみにしている。この両日、私は Rhode Island 州 Newport にて、Microsoft Word 2004 のスクリプティングに関するマイナーセッションと AppleScript Studio に関するメジャーセッションで教壇に立つことになっているのだ。(私はさる 5 月にもカリフォルニアの Monterey で同様のセッションに参加したことがあり、この時も素晴しい体験をしてきた。)同時に行なわれる他のセッションでも、素晴しい授業と学習のひとときが楽しめると思う。詳しいことについては、下記の AppleScript Pro Sessions サイトをご覧頂きたい。[MAN](永田)

<http://press.oreilly.com/pub/pr/1129>
<http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/0596005571/tidbitselectro00/ref=nosim/>
<http://www.scriptingmatters.com/aspro>


.Mac 更新での節約

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@earthlink.net>

以前 Apple が .Mac を iTools から変身させた時、.Mac に加入した多くの人のように、私のメンバーシップは $100 プラス税金(税込みで殆ど $110 である)で自動的に更新されます、というメールを私も最近受け取った。その同じ日にたまたま Small Dog が .Mac メンバーシップの箱入り版をたったの $80で売っているのに気づいた。これは $7 の送料を加えても Apple 経由で更新するよりもほぼ $20 の節約となる。Small Dog の人もこの箱は更新にも有効であることを確認してくれたので、別に .Mac ソフトウェアの載っている CD-ROM も箱も要らないのだが、Apple 経由で更新する利点は何もないように思えた。

<http://www.mac.com/>(日本語)Apple .Mac Welcome
<http://www.smalldog.com/product/12653455/>

Small Dog から箱が届いたので早速箱を開けて CD-ROM のアクティベーションスティッカーにある URL を打ち込んだ。そうすると、新しく加入するのか更新するのかを聞く見栄えのする画面が出てきた。Renewing のラジオボタンをクリックしアクティベーションコードを入力した所、私のアカウントに対して更に多くのメールアカウント、より多くのメール保存スペース、或いはもっと多くの iDisk 容量が欲しいかをたずねる次のフォームが出てきた。これら全てに対してノーと答えて、クレジットカード情報スクリーンを押した。これは多少気になった。なぜならばアクティベーションコードをすでに持っていて更新するわけだからクレジットカードの情報を新たに求める理由は見当たらないからである。これはきっと iPhoto とかその類のサービスのために必要としているのであろうと勝手に想像して送信したら、Review Order スクリーンが出てきて私の合計金額は $0.00 であると返ってきた。ここまでは問題なし、そこでそのオーダーを送り出した。ところが私の Account Settings のスクリーンは 13-Oct-04 に更新期限が来ますとの表示のままであった。

Review Order スクリーンで合計金額がゼロであること以外には、このシステムが本当に私のアクティベーションコードを受け入れてくれたのかどうか示すものは何もなかった。そこで仕方ないのでクレジットカードのスクリーンでAuto-Renew オプションをオフにして、数週間で来る10月13日になった時にどうなるのか様子を見ることとした。この話の教訓?.Mac のメンバーシップを更新するならこれは $20 節約できる全く良い方法だと思えるが、Apple はこのアクティベーションコードに基づく更新が実際に有効となったのかどうかに関する混乱をなくす為にアカウントインターフェースの所を修正する必要がある。

もう一つ、TidBITS Talk で論議されているように、この .Mac 割引は他のインターネット小売店でも扱われていることとこの方法はカナダからのオーダーには効かないかもしれないことは知っていおいた方がいいであろう。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2331>


Logic Pro 7、Logic Express 7、および Jam Pack がリリースされる

文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

音楽に関しての Apple の焦点はここのところ iTunes Music Store に集中していたが、先週になって同社からちょっと違った音色の曲が聞こえてきた。Logic Pro 7 と Logic Express 7、それに、これら2つのアプリケーションでも GarageBand でも使える2つの追加の Jam Pack、という一連の製品が登場したのだ。

<http://www.apple.com/software/logic/>(日本語)アップル - Logic
<http://www.apple.com/software/logicexpress/>(日本語)アップル - Logic Express
<http://www.apple.com/ilife/garageband/jampacks/>(日本語)アップル - iLife - GarageBand - Jam Packs

Logic Pro 7 には3つの楽器シミュレータ(ソフトウェアインストゥルメント)が加わる。“コンポーネントモデリングベースのシンセサイザー”である Sculpture と、ドラムマシンの UltraBeat、それにギターアンプシミュレータの Guitar Amp Pro の3つだ。(Apple はこれらのコンポーネントを 1 月の NAMM において既にプレビューしている。詳しくは TidBITS-713 の記事、“Apple が NAMM で 新 Logic 製品を発表”を参照。)Logic Pro 7 では Apple Loops のサポートも追加され、また分散オーディオ処理機能も加わったことでネットワーク上の他の Mac と共同でオーディオファイルを処理することもできるようになった。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07510>(日本語)Apple が NAMM で 新 Logic 製品を発表

Logic Express 7 は Logic Pro 7 の普及版であり、Apple の Final Cut Express が Final Cut Pro の中間バージョンであるのと同じ立場に位置する。これら2つの Logic アプリケーションの具体的な違いについては、下記 URL で Apple の機能比較表をご覧頂きたい。

<http://www.apple.com/software/logicexpress/comparison.html> (日本語)アップル - Logic Express - 機能比較

プログラムに付属の楽器やループはとっくにすべてプレイしてしまったという GarageBand ユーザーの方々には、Apple から2つの新しい Jam Pack がリリースされた。「Jam Pack 2: Remix Tools(リミックスツールズ)」の方はビートやベースライン、シンセへのフックなどが加わって、あなたの今度のダンスパーティが楽しくなる。「Jam Pack 3: Rhythm Section(リズムセクション)」の方は GarageBand のドラムキット、パーカッション、その他の楽器のラインアップを一段と拡張してくれる。

Logic Pro 7 のフルバージョンの価格は $1,000、Logic Gold/Platinum 5 または 6、あるいは Logic Pro 6 からのアップグレード価格は $300 となっている。Logic Express 7 の方は価格が $300 で、Logic Express 6 からのアップグレード価格は $100 となる。新しい Jam Pack はそれぞれ $100 する。どちらの Logic アプリケーションも、Mac OS X 10.3 かそれ以降を必要とする。


ManOpen が Man ページを開く

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Unix のコマンドラインを使って行くことについては、私は全く不自由ない程度に使いこなせていると思っているが、それでも私がこの環境に堪能だとか、気持ち良く使いこなせているなどとまで言い切るほどの自信はない。たいていの場合、私はちょっとの時間を費やして何かのコマンドのシンタックスや、あのわかりにくい多種多様なスイッチなどを調べてから、それを NoteBook に書き込んでおくことで、後日その同じコマンドが必要になった時に全部を思い出せなかった場合にも再び同じ作業を繰り返さずに済むようにしている。

こんな風に何らかの Unix コマンドをどう書けばよいのか学ぶ際には、私も他の人たちと同様、Unix の man ページに頼ることになる。コマンドラインにただ“man commandName”とタイプすれば、問題のコマンドについて助けになる情報か、少なくともそれに近いものは記した説明書が表示される。

残念なことに、この man というコマンドは、その情報を表示するために less と呼ばれるもう一つ別の Unix ツールを使うので、Terminal ウィンドウの中で初めの方に戻って見たいと思っても簡単にスクロールして戻るわけにはいかない。もちろん less 自身の中で d や u のキーを使ってスクロールして回ることは可能(詳しいことは less コマンドの man ページを見ればわかる)なのだが、私としてはやはりできる限り Macintosh プログラムで Macintosh インターフェイスの流儀を使って読みたいものだと思う。それに、私は何か一つのコマンドを調べながら何度も同じ man ページに入ったり出たりを繰り返しつつ我に還って、自分は何をしているんだ、もう一つ別の Terminal ウィンドウを開けばいいんじゃないか、と自分に語り聞かせるようなこともしばしばあるのだ。

Man を正す -- というわけで、もしもあなたも私と同じような感想をお持ちで、時折は man ページを開くけれども Terminal ウィンドウの中で man ページを使うことにどうしても違和感を感じるようならば、ぜひ Carl Lindberg のプログラム、ManOpen 2.4 を試してみられることをお勧めする。これは Mac OS X 用の無料のアプリケーションで、普通の Macintosh ウィンドウを使って man ページを表示してくれる。とてもシンプルなプログラムだが、その中には数々の便利な機能がある。例を挙げてみよう:

<http://www.clindberg.org/projects/ManOpen.html>

Man の改善に向けて -- ManOpen のおかげで man ページがより快適に扱えるようになったことにはとても感謝しているが、改善の余地がまだまだたくさん残されていることもまた事実だ。Carl Lindberg が提供してくれたソースコードをどなたかが引き継いで手を加えて下さることを期待しつつ、私の希望をいくつか述べさせて頂きたい:

そういう要望はいくつかあるものの、ManOpen は現在の状態のままでもかなり便利に使える。私は、man ページを使う可能性のありそうなところには全て ManOpen をインストールしている。グラフィカルなアプローチを好む者にとっては、これこそまさに、Unix の使用にグラフィカルなインターフェイスを加えることでどれほど使い勝手が良くなるかを示す、絶好の実例となっているだろう。この man ページを見る操作に関する問題については TidBITS Talk でも盛んに議論されているので、興味のある方はそちらでいろいろな意見をご覧頂ければと思う。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2320>


色とコンピュータ

文: Charles Maurer
訳: 貞広正則 <msadahiro@peccom.com>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@earthlink.net>

カラーマッチングに苦労していることを認める者と嘘つきの2つのタイプの写真家がいると皮肉を飛ばしたくなるかもしれない。広告によれば、カラーマッチングは簡単なはずだが、現実はそれとはかけ離れているようだ。

問題は、あなたに有るのではなく、色が驚異的に複雑なものであるからだ。色を調整することはまさに地雷原である。歩いて良い場所とそうではない場所、そしてその経路がどこにあるのかはっきりしないことを知っておく必要がある。この記事で、私は地雷原を作図し、安全な抜け道を提案したいと考えている。

色の基本 -- 全ての色は、赤、緑、そして青の組み合わせで形成されていることは学校で学んだが、残念なことに、この説明は現実をゆがめたもので、間違いと言えるほど簡素化されたものだ。

眼球内の全ての色受容器は広範囲な波長に反応するが、一つ一つは、ある波長に対して他の波長よりも敏速に反応する。これらの受容器は、それぞれの感度域から3つのグループに分けられる。それぞれのグループが最も感度の高い光を見ると、赤色、緑色、そして青色を認識する。これが、赤色光、緑色光、そして青色光が、どのような色の光をも作り出すことが可能な理由である。しかしながら、色光原色は3色だが、現実には原色は4色存在している。赤色、緑色、黄色、そして青色が心理原色である。呼び名で色を区別することを全くしないしない文化であっても、他の色全ては心理原色から派生したものとされている。

つまり、3組の波長は光の3色を発生させ、これらの波長を混ぜ合わせることで、異なる4色が生まれるのである。さらに、ある特定の波長の組み合わせから生まれた色は、状況が違えば、あるいは人が変われば、違ったものになるかもしれない。

これが原因で、全員がカラーマッチングや色調整で問題を抱えることになるのである。色への変換は正攻法の数学関数でも、普遍的なものでもない。色調整は、全員にとって十分に甘いが、誰にとっても甘すぎることが無いお菓子を作るようなものである。

技術者は波長を扱うことはできるが、アメーバのごとく形を変える数学関数を扱うことはできない。この問題を回避するために、科学者や技術者たちはこれらのアメーバの形を定義するための共同作業をしてきた。このグループは CIE(the Commission International de l'Eclairage:国際照明委員会)である。CIE はいくつかの目的に見合った複数のアメーバを定義している。それらは標準観察者と呼ばれている。露出計や分光測光機を含む、光を測定するほとんどの機器と同じように、CIE 標準の全ては、それらが基準になっている。

これらの標準は、機械装置、電子装置、センサー、染料、顔料、そして他の同系統なものに対して、再現性のある正確な計測を容易にし、情報を標準化することを意図している。それ故に、技術者は、CIE 標準が光の波長を特定の色にどのようにマッチングさせているかの観点から、最新の CIE 標準アメーバにできる限り近い反応を示すイメージセンサーを造り出す。彼らは自分たちのセンサーが標準からどのように逸脱するかを測定し、そのズレをプロファイルに記録する。別の技術者たちは、印刷結果が、その標準アメーバにできるだけ一致するようなプリンターを開発する。彼らはまた、自分たちのプリンターの出力と標準とのズレをプロファイルに記録する。コンピュータがセンサーで捉えたイメージファイルをプリンターに送るとき、コンピュータは2つのプロファイルを使ってイメージに調整を加える。その結果、標準アメーバで定義された波長と色の関係に多少なりともマッチする色を使って、最終的にプリンターから写真が出力される。

カラーマッチングでのこのやり方は、もし標準観察者なるものを夕食に招待し、あなたの写真に感嘆させたいのであれば十分であろう。しかし、もし彼が来るとなると、壁をある特定の灰色に塗り直すことをしなければ、彼は快く、壁にかけられている写真を見ることはしないだろう。さらに、彼は太陽を遮るためにカーテンを引き、特別なランプを用意するように求めるだろう。でも、これは通常の社会生活ではありえないことだ。彼は、夕食前でお腹が空いているとき、夕食時で気持ちが集中していないとき、あるいは夕食後のリラックスしているときは、写真を見ようとしないだろう。

ずばり言えば、単一的にそして厳密に CIE スペックと標準観察者に頼ったカラーマッチングは現実的なものではないということだ。現実的なカリブレーションは、いくらよくても不正確なもので、科学というよりは技術である。International Color Consortium (ICC) のプロファイル作成 - Apple のColorSync に使われているプロファイル - のための規格 (ICC.1:2003-09) はこの事を明白にしている。

“明らかに、様々なメディアの色調再生や色再生の特徴を形成するには、相当な技術が関連している。この技術の多くは主観的、美学的判断によるものである。結果として、メディアに使われている素地や着色剤は、再生時に、そのメディアに特徴的な特定の個性を与えるのに生かされる。様々なタイプのメディアでイメージを再生する際に、これらメディアの異なる特徴を調整するために比色法を調整することが望ましいかもしれない。とにかく、全範囲に渡っての違いを吸収することが必要である。このような考慮は、カラー刺激、あるいはカラーアピアランスを単純にマッチングさせることを超えている。これらの調整は、デバイスプロファイルのカラー変換に組み込まれる必要が有る。”

<http://www.color.org/ICC1-V41.pdf>

現実は、カラーマッチングは妄想ということである。あなたが認識する人の顔の色は、背景や身につけている帽子で変化するかもしれない。様々な顔料や染料が関連してくると、カラーマッチングは二つの野球場にまたがるゲームのようだ。偶然を除けば、2つのイメージを直接比較した場合、モニター上の肌色階調は、印刷物の肌色階調と同じに見えることは決して無い。

他方、モニターと印刷物の色が合わなくても大したことではない。これら2つのバージョンの写真は通常の状況下では決して比較されることがない。大事なことは、モニターの肌色階調(その他何でも)が常に内容的に、適切に見えることである。モニター上の肌色階調が、写真として自然に見える必要がある。印刷物での肌色階調は印刷物として、そして壁に掲げられた他のポートレイトの隣で、自然に見える必要がある。

あなたの使命は、モニターとプリンターで色がマッチするようにではなく、写真がモニター上でも印刷された場合でも見栄えが良くなるようにキャリブレートすることである。それら両者を並べて見比べて、どのように違っているかは大したことでは無い。

カラープロファイル -- 非常識なまでに精密なキャリブレーションをしようとすると、たくさんの時間とお金を浪費することになりかねない。プロファイルとカラーマッチングの主成分はごまかしだから、ICC プロファイルの供給元が異なれば得られる結果も異なり、あなたがどのプロファイルを気に入るかは、実際に買って試してみなければわからない。ありがたいことに、ほとんどの人はプリンタのプロファイルをまったく必要とせず、デフォルトの設定で十分やっていける。だいぶ前の話だが、Microsoft と HP が、完全な ICC 標準よりは単純で、なおかつグラフィックアート業界の外にいるほとんどの人にとっては十分なカラーマッチング技術を提案し、コンピュータ業界がそれを正式な標準として採用した。すべての機器は、sRGB とよばれる範囲、または「色空間」の中に収まる色を生成することができることになっている。一組の標準化された数字の集合が、この空間の中のすべての色を定義していて、すべての機器は、それらの数字を賢く取り扱うことになっている。これがウェブ上の写真の標準だし、ほとんどの商業的な出力サービスもこれを使っている。だから私は、自分の Mac を、デフォルトで sRGB を使うように設定している(ColorSync ユーティリティ> 環境設定 ペイン > デフォルトのプロファイル タブ > RGB デフォルト ポップアップメニュー)。

ほとんどのインクとほとんどの紙では、色の範囲は sRGB に限定されているが、sRGB の範囲を越えるものもある。いくつかのインクでは、「Adobe RGB」とよばれる、Adobe によって定義されたより広い色空間を使って、より鮮やかな色を作ることができる。この違いは、印刷コンペやグラフィックアート業界の一部では重要になるであろうが、他の場所で重要になるかどうかは、私にはわからない。広い色空間を使うのにはコストがかかる。おそらく 16 ビットカラーが必要で、そのためにはより多くの記憶装置と処理時間が必要だ。これらの色空間や他の色空間については、下記によい説明がある。

<http://www.babelcolor.com/download/RGB%20Coordinates%20of%20the%20Macbeth%20ColorChecker.pdf>

sRGB 標準によって、カラーマッチングはシンプルになり、ユーザーの目に見えないようになるべきだが、Microsoft は標準をサポートしないことで知られている。たとえそれが、自分が定めた標準であっても。私は、Photoshop の設定をいろいろいじっていて、奇妙な結果に注意を引かれた。Macbeth ColorChecher での純粋な緑色が、異なるプログラムと異なるバージョンのsRGB プロファイルで、異なる赤の量を示したのだ。

  プロファイル
  sRGB sRGB IEC61966-2.1
Photoshop(ColorSync 使用) 0% 11.0%
Photoshop(Adobe Color Engine 使用) 0% 5.9%
Preview と GraphicConverter 0% 5.5%

第1のプロファイルは、Mac OS X の一部として Apple が提供しているものだ。2番目のものは、Microsoft が提供しているもので、Photoshop の一部としてインストールされ、他のアプリケーションのいくつかにも組み込まれている。どちらのプロファイルが正しいのかはわからないが、Apple が提供する方が正しいように見える。いずれにせよ、正しいかどうかより、一貫しているかどうかの方が重要で、Apple のものの方が一貫している。

機器のキャリブレーション -- モニタを使って写真の色のバランスを整えるには、まずモニタを普通の環境光の下でキャリブレートする必要がある。私は PowerBook を、白熱灯の下で使ったり、蛍光灯の下で使ったりするから、両方に合わせてキャリブレーションをし、それらを切り替えて使っている。Apple のキャリブレータは、ディスプレイ 設定ペインからアクセスでき、通常の目的のためにコンピュータを設定するのには十分だが、写真を編集するためには適さない。その代わりとして、私は SuperCal という 20 ドルのシェアウェアパッケージを推薦したい。ただし、プログラムに組み込まれた写真は使わないこと。その代わり、Macbeth ColorChecher の電子バージョン(下記2番目のリンクから無料で手に入る)を使う。もしあなたが sRGB を使うことにして、ただ1つのプリンタしか使わないのなら、このファイルを印刷して、それを直接モニタと比較するのがよいだろう。もしあなたが異なる色空間を使っていたり、複数のプリンタを使っているのなら、モニタを本物の Macbethカードと比べるようにする。いずれの場合でも、ガンマは 2.2 に設定すること。これが色をあつかうときの事実上の標準だ。Mac 標準の 1.8 というのは、グレイスケールのモニタが印刷したページのように見えるように定められたものだ。

<http://www.bergdesign.com/supercal/>
<http://www.drycreekphoto.com/images/Charts/MacbethCC-sRGB.jpg>

モニタをキャリブレーションするときの目標は、ColorChecker の2つのイメージを全体としてなるべく同じようにして、避けられない違いをごまかし、どの色も他の色と比べて大きくはずれることがないようにすることである。もともと異なる技術で作られているのだから、両者をぴったり合わせるということは不可能で、最良の近似を探すことになる。

目標とする写真とモニタを比較して、印刷の色を評価するためには、手の込んだ道具は必要ない。あなたはあなたの目を喜ばせればよいのであって、標準観察者を喜ばせるのではない。しかし、適した照明はぜひとも必要だ。理想的には、この照明はあなたがいつも写真を見るのと同じ種類のものになるだろうが、ほとんどの写真はいろいろな条件の下で見られるから、実際には平均的な照明が必要になる。平均的な照明などというものは存在しないけれど、色を判定するためのグラフィックアートの標準はある。これは恣意的な標準ではあるが、役に立つことが証明されている。通常の電球はこの標準より赤すぎて、ほとんどの蛍光灯は緑すぎる。穏当な妥協案としては、60 ワットの白熱電球と円形の蛍光灯を組み合わせたデスクランプがある。もし何かを買おうというなら、コンパクトな蛍光灯を使ったデスクランプを探して、その蛍光灯をOtt-Light の TrueColor と取り換えるとよいかもしれない。

<http://www.ottlite.com/productsview.asp?product_type=bulb&product_phosphor=truecolor&category=truecolor>

プロの写真のような、きれいで長持ちする 8 インチ x 10 インチの印刷をしたいと思い、しかもそれを簡単にやりたいと思ったら、sRGB 方式をとって、500 ドルの Olympus P-440 昇華型プリンタを使うとよいだろう。私もそうしている。Macintosh で P-440 を使う場合、スイッチを入れるだけでよい。特別な設定は必要ないし、私の目には、組み込みのカラーマネジメントは、私が知る限りこの機器用のどんな ColorSync プロファイルよりもうまく働くように見える。QImage の人たちが作ったいくつかのプロファイルや、Olympus 自身が提供しているプロファイルもかなわない。プリンタは掃除をする必要がないし、液体のインクを使わないからインクが乾いてしまうということもない。ランニングコストは 8 インチ x 10 インチ1枚あたり2ドルで、これは、高品質なインクジェット用紙と、プリンタヘッドが乾いてしまったときに消費されるインクよりは安い。色の範囲はもっとも広いというわけではなく、sRGBの内側に完全に収まってしまう。これを使って印刷した Macbeth ColorChecker を、私の暗室から持ち出したものと比べてみると、Olympus 製の色調はいくらか限定されているように見える。しかし、普通の人はこういう比較はしないだろうし、P-440 の印刷自体はとても美しい。私がこのプリンタで印刷したものは、ルーペで見ても、デジタルには見えない。(ただし、私は特別の拡大・縮小ソフトウェアを使っている。ただファイルをプリンタに送って、プリンタに紙の大きさに合わせてもらっているのではない。PhotoZoom Pro で大きさを合わせた画像は、PhotoZoom のシャープ化機能をオフにしていたとしても、普通のやり方で合わせた画像よりもずっと鮮明だ。PhotoZoom Pro の詳細については、TidBITS-748の"完璧主義者のための写真編集術"を見てほしい。)

<http://www.olympus.com/cpg_section/cpg_product_lobbypage.asp?l=1&bc=23&p=19&product=935>
<http://www.trulyphotomagic.com/products/photozoom/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07832> (日本語)完璧主義者のための写真編集術

[編集者注: このような印刷の品質は保証できる。Charles は最近、旅行の途中で Ithaca を訪れ、彼が7月にヒマラヤに旅行したときに撮った写真を持ってきてくれた。彼は Sigma SD-10 カメラと Olympus P-440 プリンターを使ったのだが、その印刷はまったくすばらしかった。-Adam]

私が P-440 を使っていて困ったことは2つしかない。1つはささいなことだ。プリンタドライバは、宣伝通りの 3200 ピクセルの画像を受け入れてくれず、画像はそれより3ピクセル小さい必要がある。2つ目の問題はもう少し深刻で、家の電気配線の電圧が大きく変動すると、プリンタがでたらめなしみや線を出力する。電圧の変動は、都市部ではあまり起こらないが、田舎ではありがちだ。私はプリンタを電圧安定器につないでいる。(コンピュータ用の無停電電源装置でもよいのだろうが、たまたま古い電圧安定器が地下室にあった。)

最後に一言。つい最近、Kodak が、8 インチ x 12 インチまでの写真を印刷できる、同等の価格の昇華型プリンタをリリースしたと発表した。Kodak によれば、このプリンタはプロの写真家向けのものである。Kodak にとっては、プロの写真家は重要な市場で、いつもいい製品を送り出してきた。このプリンタはとても興味深い。

<http://www.kodak.com/global/en/professional/products/printers/1400/1400Index.jhtml?id=0.1.18.22.9.14&lc=en>

写真の色バランスをとる -- 一旦システムのキャリブレーションが完了したら、次は個々の写真の色バランスをとる作業に取りかからなければならない。私の知っている限りで最も易しいやり方は、写真の中の全てをその写真の中の中間色で無色のグレーの色相を持つ点に関連付けることである。どんな写真にもこの様な点はある。金属表面上のランプの反映でもいいし、数ピクセルの幅しかない点でも構わないし、指輪からのきらめきでもいいのであり、この様な点はどこかに必ずあるはずである。この様な無色の点を見つけたら、その点の赤、青、緑の値が同じになる様に全体色バランスを調整する。その作業をするには DigitalColor Meter か Photoshop の同等の機能か、或いは生データファイル用コンバータを使う。(これを行うには生データファイル用コンバータが最も適している。Photoshop ではスポイトツールを使ってその点をクリックするだけである。)

これで同じ様な明度の色は正しくバランスされたはずである。次に色かぶりに敏感な色 - 多くの場合肌の色調 - を一つ見つけ、光の当たっている部分と影の部分と間での色相の違いを探す。この違いは明度に影響された色かぶりによるものである。Asiva Shift+Gain (詳細は前号 TidBITS-748_ の記事参照) を使えば簡単に色相の外れている部分を選択し色相をちょっと暖かくか柔らかくしてみることで修正できる。その色調が全てのレベルで同じ様に見えるまで修正されたならば、他の色調も同様に直っているはずである。但し撮影時の照明が混在照明であったり蛍光灯であったり或いは高輝度のものであった場合は必ずしもそうはならない。もしある色調だけが異常であった場合は、Asiva Shift+Gain でそこを選択し修正すると良い。

<http://www.asiva.com/products/plugins/ShiftGainTrial.php>

目がものを言う -- ここで述べた色の制御の仕方は私の知っている最も簡単で最も安いものである。もし他の方法でやっていて問題に直面しているという場合には、ここに述べた方法でやってみるのもいいだろうし最後の逃げ場としても悪くないと思う。しかしながら、注意して欲しいのは色を制御するやり方はこれだけしかない訳ではないし最高の品質を得られると言うのでもないことである。十分な時間と十分なお金があればより良い結果を買うことは出来る。もし更に高い所を目指したいと言うことであれば、色とは可変の知覚であることをお忘れなく;これは安定した客観的な現象ではないのである。"このプロファイル (或いはプリンタ) の方が良い色が出るか?" という質問に答えられる理にかなった方法は殆どないのである。

デジタルカメラを買う時も知覚を大事にしなければならない。デジタルカメラの仕様も、眼という観点から考えれば、書いてある通りとは言えないのである。私の次の記事はカメラをこの様な観点から捉えてみたい。いろいろある中で "ピクセルはいくらあれば足りるか?" という質問に対して、その答として有限の、しかも驚くほど低い数値を算出する。

PayBITS: 色合わせに対する Charles の助言が役に立ったのならば、どうぞあなたから「国境なき医師団」に寄付をお願いします、というのが彼の願いです:
Borders: <http://www.doctorswithoutborders-usa.org/donate/>(国境なき医師団日本)
PayBITS の説明 <http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/paybits-jp.html>


TidBITS Talk/04-Oct-04 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@earthlink.net>

各話題の下の2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバにある討論につながる。こちらの方がずっと高速のはずである。

Digital Negative 写真アーカイブフォーマット -- Adobe は丁度新しいデジタルファイルフォーマット Digital Negative (DNG) をリリースした所である。これが他のロスレス画像フォーマット (TIFF の様な) とどう違っているのかそしてなぜ RAW フォーマットは DNG に対する良い基礎となるのか学ぼう。(メッセージ数 5)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2326>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/188>

リモートコントロールを使ってサポート -- Apple Remote Desktop とかVNC の様なリモートコントロールソフトウェアを使って家族の Mac を遠隔でトラブルシュート出来るだろうか?いやもっと正確に言えば、誰もが使える程易しいのであろうか?(メッセージ数 7)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2329>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/190>

MacOS 10.3.5 - DVD を見ようとした時のエラー -- 外部モニターをつけて DVD を見ていたら予期しないエラーに遭遇した - しかしディスプレイを数千色に切り替えることで簡単に解決できた。(メッセージ数 3)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2330>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/192>

.Mac 更新での節約 -- Apple は .Mac サービスの更新に $100 を課したいと思っているが、箱入り版をよりやすい価格で購入でき節約できる。(メッセージ数 5)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2331>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/193>


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA