TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#772/28-Mar-05

もし、クレジットカード番号が盗まれたら。あなたならどうする?Adam が彼の実体験を公開し、リスクと不愉快な思いを最小限にするための助言をする。他には、Matt Neuburg が Purgatory Design の Intaglio というドローソフトを楽しく描写してくれる。ニュースでは、BBEdit 8.1 と iPod photo のソフトウェアアップデートが公開されたこと、Apple が Tiger の未公開版をリークした若者と和解したこと、TARI の GoodPage HTML エディタの DealBITS ディスカウントのお知らせをカバーする。

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MailBITS/28-Mar-05

Apple が Tiger 漏洩者のうちの一人と和解成立 -- Apple Computer は Doug Steigerwald と法廷外で和解した。彼は最近 North Carolina State University を卒業しており、 Apple Developer Connection のメンバーでもある。そして彼は Mac OS X 10.4 Tiger の未公開版をインターネットに公開した事実を認めた。Steigerwald は Apple に額不詳の賠償金を支払うことになった。News.com によれば Apple は「学生を刑務所に送ることは私たちの願いではない」と声明している。この 12 月に行われた訴訟での他の2名に対する法的手続きの保留は継続中だ。この訴訟は Apple が Macintosh の噂話サイトに対して行った他の訴訟とは別のものだ。Steigerwald はまだ強制捜査の対象にもなっている。 [ACE](笠原)

<http://news.com.com/2100-1047_3-5632119.html>(日本語)アップル、次期Mac OS X「Tiger」を配布した開発者と和解
<http://news.com.com/Apple+sues+over+loose+Tiger/2100-1047_3-5500034.html>(日本語)アップル、Mac OS X「Tiger」のリークで開発者3人を提訴

DealBITS 抽選:GoodPage の当選者 -- 先週の DealBITS 抽選で当選し、TARI の GoodPage というグラフィカルHTML 開発ツール($149 相当) を受け取ることになったのは columbia. edu の Dana Ostrow だ。おめでとう! Dana は今週の DealBITS 抽選をsdf.lonestar.org の Seth Theriault によって紹介されていたので、Seth にも GoodPage が送られる。残念ながら当選しなかった皆さんも、4 月 4 日までに、DEALBITS というクーポンコードを 30 日無償の試供バージョンから購入する際に使えば、GoodPage の購入価格を $75 節約できる。この割引は TidBITS 読者のために提供されている。応募して下さった 945人の皆さん、どうもありがとう。それから、DealBITS 紹介を受けて応募して下さった 87 人の皆さんに、特別の感謝を申し上げたい。また、DealBITS への応募後に購読を開始して下さった皆さん、TidBITS へようこそ! また今後の DealBITS 抽選も、どうぞ楽しみにお待ち頂きたい。そして、新しい抽選をあなたのお友達や家族、同僚の方々に紹介して下さることで、あなたが当選する確率が増えるのだということをお忘れなく。今回は応募総数の 10% 以上が友人から DealBITS を紹介されての人々からの応募だった。そして、私はこのように参加者が増えることを楽しみにしている。[ACE](笠原)

<http://www.goodpage.info/>
<http://www.tidbits.com/dealbits/goodpage/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08025>(日本語)DealBITS 抽選:TARI の GoodPage

BBEdit 8.1 がSource Control Support を追加 -- Bare Bones Software は、彼らの強力なテキストエディターに Subversion というソースコントロール管理アプリケーションを追加した BBEdit 8.1 をリリースした。また、このアップデートでは、新しいメニューとパレットを加え Text Factory 機能を拡張した。他にも、数多くの修正も含まれている(コマンド+オプション+ダブルクリック が Find Selection のショートカットになる、という機能も“大喝采の復活”を遂げた。) BBEdit 8.1 は、BBEdit 8 登録ユーザーには無償アップデートだ。BBEdit 8.1 は Mac OS X 10.3.5 以降が必要。 [JLC](笠原)

<http://subversion.tigris.org/>
<http://www.barebones.com/support/bbedit/current_notes.shtml>
<http://www.barebones.com/support/bbedit/updates.shtml>

iPod Updater 2005-03-23 公開 -- Apple は先週、iPod photo オーナーに向けてアップデートをリリースした。28.9 MB という大きな iPod Updater 2005-03-23 は iPod software を version 1.1 にし、Apple の間もなく現れる $30 の iPod Camera Connector (2 月に発表され、現時点で Apple のオンラインストアでオーダーが可能になっている) のサポートを追加する。それはスライドショー用トランジションも改良する。アップデーターはソフトウエア・アップデート経由でも単独のダウンロードとしても利用が可能だ。このアップデートは他の iPod ラインユーザーに新しいものを提供するものではないが、全てのモデルの最新バージョンのソフトウェアが含まれている(だからこんなに巨大なのだ)。 [JLC](笠原)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08001>(日本語)Apple 、iPod mini と iPod photo ラインをリフレッシュ
<http://www.apple.com/ipod/download/>


Intaglio: Quartz よ、汝と共にあれ

文: Matt Neuburg <matt@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

あなたが初めて Macintosh を使って、初期にバンドルされていたアプリケーション、MacPaint や MacDraw などで遊んでみた時の、魔法に魅入られたような感覚を覚えておられるだろうか。その魔法は、当時皆さんは意識していらっしゃらなかったかもしれないが、そうしたちっぽけなアプリケーションが実は本質的には Mac の基盤となるテクノロジーのショーケースに過ぎなかった、という事実の中に潜んでいる。あなたは正方形や楕円を描いたり、太い線や細い線を引いたり、領域を色やパターンで埋めたりできたが、それらは皆基本的な QuickDraw のプリミティブ機能だった。実際、あなたはそもそも Mac 自体が他とは一線を画していたルックスを提供していたコード、つまりウィンドウやボタンなどを画面に描くのに使われていたコードと、全く同じものにアクセスしていたのだ。

<http://www.folklore.org/StoryView.py?project=Macintosh&story=Round_Rects_Are_Everywhere.txt&topic=QuickDraw>
<http://en.wikipedia.org/wiki/QuickDraw>

こうした初期の無邪気な感激は、今でも AppleWorks の Paint および Draw モジュールでちょっと遊んでみれば再体験できる。もしも AppleWorks を持っているならばの話だが。これらのモジュールはそれぞれ MacPaint と MacDraw をエミュレートする(そしてある意味では直接の後継者となる)ように作られている。もちろんそれぞれにある程度は現代的なタッチをもって作り替えられているのだが。私が TidBITS で最も初期にレビュー記事を書いたプログラム、SuperPaint も、やはり MacPaint と MacDraw の焼き直しだった。これは現在もう入手できないが、昔のものをまだなくさずに持っている人は、このプログラムが今でも Classic 環境の下でちゃんと動作することがわかるだろう。

<http://www.swiss.ai.mit.edu/~bob/clarisworks.php>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=03174>

Mac OS X においては、QuickDraw はもはやシステムにネイティブなウィンドウ描画・画面作図のテクノロジーではない。現在その役割は Quartz の手に担われている。Mac OS X におけるルックスの大部分は、Quartz が Bezier 曲線と(回転・曲げ・スケールなどの)座標変換、それに半透明・シャドウ・グラディエントなどの高度な効果などをネイティブにサポートしているという事実から来ている。

<http://developer.apple.com/documentation/MacOSX/Conceptual/OSX_Technology_Overview/MacOSXTechnology/chapter_4_section_3.html>
<http://developer.apple.com/documentation/GraphicsImaging/Conceptual/drawingwithquartz2d/>

Purgatory Design から出ている Intaglio は、MacDraw が QuickDraw を扱ったと同じように、あなたが Quartz の諸機能を自在に使いこなせることを目的としたプログラムだ。そして、かなりの確信をもって、私はそれが成功すると考えている。

<http://purgatorydesign.com/Intaglio/>

Draw しようよ、相棒よ -- Intaglio はドロー用のプログラムだ。ツールのパレットは一目瞭然だ。いくつかのツールはベクトルオブジェクトを生成する。直線や長方形、角の丸い長方形、多角形、楕円、それに曲線といったものだ。また、フリーハンドの鉛筆や Bezier 曲線のペン、テキスト、太さのある直線もある。どれかをクリックしてから、書類の中でドラッグすれば、それで図が描ける。それ以外のツールは既存のオブジェクトに働くか、または書類全体についての操作に関するもので、選択ツール(それにポイント選択ツール、これは Bezier 曲線について作業するためのものだ)やグラディエント、スポイト、メジャー、それにズームなどだ。

いくつかの「クリックのトリック」は覚えておく必要がある。これは大体のところ標準的なもので、ドロー関係のプログラムを使い慣れている人のほとんどにとっては当たり前のことかもしれない。幾何的図形を作ろうとする時、Shift-ドラッグすれば円や正方形ができ、Option-ドラッグすればそこを中心として図形ができる。曲線の中心点を Option-ドラッグすれば、その半径が変えられる。オブジェクトを Option-ドラッグすれば複製ができる。オブジェクトを Shift-ドラッグすれば、移動を水平方向または垂直方向のみに制限できる。Bezier ポイントを Option-ドラッグすれば新規の Bezier ハンドルがドラッグに付いてくる。Bezier ハンドルを Option-ドラッグすれば、それだけが他のハンドルとは独立に動く。

ツールバーやインスペクターウィンドウが一通り揃っているので、選択されたオブジェクトのさまざまな属性を設定することができる。埋める時のカラーやその透明性、線(アウトライン)自体のカラーや透明性、太さ、矢印、点線パターン、ジョインまたはエンドキャップのタイプなどだ。また、描く時の補助となる一連の標準的デバイス、例えばグリッドに沿う、ガイドライン、複数オブジェクトのアラインメント、オブジェクトのグループ分けやロックなども完備している。

でも、本当に楽しくなり始めるのは、オブジェクトに Quartz 本来の変換やアトリビュートなどを施してみた時だろう。オブジェクトをリサイズできるし、その中心で、または他のどんな点でも、回転したり切り取ったりできる。Bezier パスは組み合わせたり分離させたりできる。オブジェクトのグループにおいては、一番上にあるオブジェクトがグループ内の他のものすべてのマスクとなれる。同じように、ビットマップ画像をベクトルオブジェクトとグループに合わせて、そのグループにマスク属性を付け、それを再びビットマップ画像に変換し戻すことで、画像をそのオブジェクトの形に切り取ることもできる。オブジェクトをパターンで埋めることもできるので、_どんな_ 長方形の図であってもそれをタイル状に反復配置できる。グラディエントでオブジェクトを埋められる。透明性はどんなカラーのアトリビュートにもなれる。(異なったカラーごとに異なった透明性を持つグラディエントは本当に美しい。)さらに、Blur、Sharpen、あるいは Drop Shadow などの操作を個々のオブジェクトに施すこともできる。また、テキストを扱う時には、テキストツールを集めたネイティブな Cocoa パレットが使えるので、マージン、インデント、タブ、行揃え、フォント、カーニング、その他が使いこなせる。テキストに画像変換を施すこともできるし、パスに付属させる(付属させた後も編集可能)ことも、画像に変換してさらに色々な画像処理を施すこともできる。

どっちのエンドだ? -- シンプルなドロープログラムとしては、私は Intaglio は素晴らしく完成度の高いものだと思う。例の「クリックのトリック」を除けば、ほとんど何も学習しなくてもすぐに快適に使いこなせるだろう。ただ単に Intaglio を起動させて、ちょっとだけ実験的に使ってみるだけで、もうすぐにでもゴージャスな見栄えのものが作り出せて、世の中すべて幸せ、ということになる。また、あなたの使っているツールボックスが本当に Quartz そのものだ、という確かな実感も与えてくれる。あなたがクリックしたりドラッグしたりしている背後に、ちゃんと Mac OS X のパワーがいつも控えていて、あなたのドローイングにカラーや透明性、グラディエント、図形の回転や切り取り、格好良いテキスト効果など、凄いことを次々に施してくれている、と感じることができるのだ。MacPaint や MacDraw が昔してくれたのと同じような意味で、Intaglio がグラフィックスの世界の中に楽しさと驚きと遊び心を本当に引き出してくれる、まさにそういう気持ちが沸き上がってくるのを禁じ得ないのだ。

さて、これですべてだったのなら、Intaglio というのはとても良いローエンド向けのドロープログラムであって、おもちゃのように楽しく、ユーティリティとしても使い勝手が良く、たいていの人にとっては充分以上のドローイングのパワーを備えたものだと言うことができる。けれども Intaglio にはもう少しハイエンド向けの機能も備わっている。もちろん Canvas や CorelDRAW、あるいは Adobe Illustrator などと肩を並べるようなものだとは言わない(そんなことは言えない)が、確かに Intaglio は単なるおもちゃ以上のものを念頭に置いて作られている。

<http://www.deneba.com/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05801>(日本語)まだ極楽とは言えない Canvas 7
<http://www.allume.com/mac/creative/>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=05193>(日本語)CorelDRAW 8:Hedy な体験
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07806>(日本語)Allume がグラフィックの聖火を引き継ぐ
<http://www.adobe.com/products/illustrator/main.html>(日本語)Adobe Illustrator

例えば、Intaglio には素晴らしく良いファイルの読み込み・書き出し機能が備わっている。画像をさまざまのフォーマット、例えば EPS、vector PICT、ネイティブ ClarisDraw、 PDF などに、編集可能性を保った状態で書き出せる。また、(QuickTime によって)ビットマップのフォーマットに書き出す時は、あなたの思いのままに解像度が指定できる。Intaglio は ColorSync 対応で、一つの書類の中の個々のカラースペース(RGB、CMYK、Grayscale)ごとに別々のカラープロファイルを付属させられる。書類には複数のページやレイヤーが含められる。書類の属性を設定(例えば「著者」や「キーワード」フィールドに入力)でき、Mac OS X 10.4 Tiger にアップグレードした際にはこれで Intaglio が Spotlight 対応となる。オブジェクトに手で施すことのできるものは何でもダイアログを通じて数式的に施せる。そして最も特記すべきなのは、Intaglio が AppleScript スクリプト化可能かつ記録可能でもあることだ。Mac OS X でこれは稀なことだ。つまり、あなたは普通にドロー作業をして、そのあなたの操作をを自動記録して AppleScript コマンドに変換させることができ、またそのコマンドを参考にあなたが自分で同様のコマンドを書くことも簡単にできる。

おそらくこれが理由だろう、Intaglio の機能に穴があるところ、不足しているところがあってちょっと気になることもある。例えば、検索機能が無い。ウィンドウの下部にあるポップアップメニューで、現在選択されているオブジェクトの属性を一つ、例えばタイプ、インデックス、名前、ID、スタイルのうちどれかをウィンドウのステータスバーに表示させることはできるが、多くのユーザーがこれらの属性を全部一覧して見たいと思うだろうというのは容易に想像できることだ。このプログラムにはつい最近までコンテクストメニューが全く装備されていなかった。マニュアルはお粗末だ。ヘルプビューア書類なのだが、その中でうまく道を辿るのが難しい。

特にがっかりさせられるのが、前回のアートを踏襲することを Intaglio が頑固にも拒否し続ける点だ。そういう挙動は伝統的に役立つもので、皆に馴染みがあり、普通はそうなっているものだというのに。例えば、スポイトツールを例にとってみよう。スポイトツールを持つ他のどんなプログラムでも、このツールはあなたがクリックしたオブジェクトの状態を“ピックアップ”してくれる。例えば、クリックしたオブジェクトのカラーなどがそれぞれ対応するパレットに拾われる。こうして、それに続いてあなたが描くドローイングがすべてその状態を踏襲することになる。あるいはあなたがその状態に修正を加えてから次のドローイングを始めることになる。(例えばクリックしてオブジェクトの黄色をパレットに取り込んでから、それに調和するようなもう少し薄い黄色を決めて、それで次のオブジェクトを埋める、という具合に使える。)Intaglio においては、スポイトツールでクリックしたことは現在選択されたオブジェクトのみにしか適用されない。(もしも現在何もオブジェクトが設定されていなければ、Intaglio はビープするだけだ。)これは全く馬鹿げている。それにこれは不必要なことだ。なぜなら、Intaglio は既にオブジェクト間でカラーをコピー・ペーストならばできるのに、パレットにカラーを取り込んでそれを別々のオブジェクト間で使い回すことができないからだ。また、Intaglio におけるスタイルの実装も同様に良くない。ドロープログラムでスタイルが使えるというのは確かに良いことだ。それは、一度に一つか二つのオブジェクトのみで単純な作業のみをするというのでない限り、たくさんのオブジェクトに共通の性質を適用してまとめて扱いたいというのが自然な要請となるからこそのことだろう。ところが Intaglio におけるスタイルの実装はお粗末で、まともなものとはとても言えない。単に AppleWorks の真似をすればよいだけだと思えるのに。AppleWorks におけるドロースタイルの実装は、シンプルながら見事なものなのだから。

決定的でない結論 -- 結局のところ、これはよくあることだが、私にとって Intaglio はとても愛したいとは思うのだけれどもとことん愛することはできない、というプログラムになってしまっている。もしも Intaglio が単なるおもちゃだったなら、これは本当に素晴らしいおもちゃだ。でも、これは $90 もするので、結構な投資が必要だし、ユーザーの目にはこれが本格的なハイエンドの品質もいくらか備えているという風に映るのだ。しかしながら、検索機能が無いこと、どうにもならないマニュアル、それにあのスタイルの挙動などを見ていると、良い印象がすっかり消えてしまうように思えてしまう。それに加えて、この 1 月の初め以来私がダウンロードした Intaglio のすべての新バージョンで、私はそれぞれ少なくとも一個のドロー関係の不正動作と、テスト開始後一時間以内に少なくとも一回のクラッシュのバグとをいつも経験してきた。バグというのは罪ではない。バグはどうしても避け得ないものだ。それでも私にとっての Intaglio の全般的印象は、やはり私の心に信頼を満たしてくれるようなものではなかった。

幸いなことに、皆さんがご自分でそれぞれ判断を下すのは容易だ。Intaglio のデモ版(保存ができず、印刷あるいは書き出しした書類にはウォーターマークが入る)が 3 MB のダウンロードで入手できる。このプログラムは Mac OS X 10.2 Jaguar を必要とし、いくつかの機能には Mac OS X 10.3 Panther を必要とする。

<http://purgatorydesign.com/Intaglio/download.html>


盗まれたクレジットカード番号と物分かりのよい企業

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

クレジットカード番号の盗難などというのは、自分の身には降りかからないと考えがちだ。それが実際に起こるまでは。まさに私の身にそれが起こった。そしてその余波は、はじめに私が予想していたよりも教育的で、影響力のあるものだった。

気まずいデート -- 事の起こりは、Tonya が受け取った MasterCard の請求書に何かおかしなものがあったことだ。このカードは仕事上の買い物にしか使っていなかった。そこに、何か Yahoo に関連した 19.95 ドルの請求があって、請求書に書かれた限られた情報からでは、それが正確に何のサービスなのか判断できなかった。Tonya は、オンラインでこのような請求が発生するような注文は何一つしていなかったので、私に尋ねたが、私も何も思い出せなかった。私が単純に何かを忘れているわけではないということを確かめるため、私は問題の日付周辺に受け取った電子メールをすべて探し、さらには OmniWebの履歴でそのころの Yahoo の URL を検索することすらしてみた。

事態はますます気になる方向に向かっていたので、Tonya は、請求書に記載されている電話番号に電話をしてみた。電話口で待っているときに、彼女は、自分がかけているのが Yahoo Personals であることに気がついた。これはYahoo のオンラインデートサービスだ。彼女は即座に叫び声を上げ、私に電話に出るようにいった。夫のクレジットカードに出会い系サイトの請求があるのを見た妻が電話をしてきたとなれば、カスタマーサービスの人々に冷笑を呼ぶだけだと考えたのだ。私は、カスタマーサービスの担当者が電話に出るやいなや、私が Yahoo Personals でただの1つのデートもできなかったと冗談を言いたくなるのをこらえていた。

<http://personals.yahoo.com/>

Yahoo のカスタマーサービスとのやり取りは少し手間がかかった。私たちは、自分たちの個人情報をなるべく明かしたくなかったのだが、彼らは、請求が行われたアカウントを調べてみるためにいくつかの情報が必要だと主張したのだ。最終的に、Yahoo Personal アカウントのユーザーネームは確かに私のYahoo アカウントのものと同じだったが(私はついでにそのアカウントのパスワードを即座に変更した)、Yahoo Personals アカウントに登録されている誕生日は、私たちのどちらのものとも一致しないということが分かった。この状況は、彼らがそのアカウントを消去して代金を払い戻すのに十分だった。

解約と後始末 -- Yahoo Personals カスタマーサービスの代表者は、使用されたクレジットカードを解約したほうがいいとすすめてくれた。それは、もともと私たちが次の電話でやろうとしていたことだった。クレジットカード発行会社は手早く処理をしてくれ、私たちが状況を詳しく説明するまでもなく、カードを解約して新しいカードを発行してくれた。Tonya はそのクレジットカードから自動的に引き落とされる支払いの記録を残していたので、次にそれらのアカウントを設定し直した。この日はくたくたに疲れたが、森を抜け出すことはできたと思っていた。ところが、そうではなかったのだ。

何日かして、Tristan と私が車で出かけたとき、私は、もう1台の車を点検していたときにタイヤの空気が少し漏れていたことを思いだし、おそらくパンクしているだろうと考えた。通常なら、それは問題にならないのだが、その日は私たちが戻る前に Tonya が出かけなければならない用事があったので、彼女に、タイヤに空気を入れ、また携帯電話を忘れずに持つよう連絡しようとした。彼女が出かけているあいだに、私を呼んでタイヤを交換する必要が生じるかも知れないと考えたのだ。ニューヨーク州では、運転中にハンズフリーではない携帯電話で通話するのは違法なので、私は自宅の短縮番号を押して、電話を Tristan に渡し、彼女に伝言するように頼んだ。何秒かして、彼は私に電話をつき返し、「何か変だよ」といった。私は車を路肩に止め、電話に耳を傾けてみると、確かに、私はなぜか Verizon Wireless カスタマーサービスにつながっていた。私は電話を切って、またかけ直してみると、また同じところにつながった。今度は担当者が出るまで待ってみると、担当者は、クレジットカードから通話料が引き落とせなかったのでサービスを停止していると伝えてくれた。明らかに、自動引き落としの1つが Tonya の記録から抜け落ちていたのだ。幸運なことに、私は後で別の電話を使うことができ、Tonya に空気の入れ方を教えることができたが、クレジットカードの不正使用というのはますますわずらわしいものになっていった。

その次の週、Tonya はアカウントを復帰させることに成功し、それに対してVerizon Wireless が 15 ドルを請求したことについては、その請求は免除されるべきだと十分に激しく抗議した。彼女は、自動引き落としができなかったときには留守番電話なり電子メールなりで知らせるのが普通だと指摘したが、いうまでもなく、カスタマーサービスのぼんくらにできることといったら、意見を転送するだけだ(それすらもできるかどうか)。

これで騒ぎが収まったわけではなかった。もっとも、次のものは純粋に私の落ち度だったが。私は、Take Control のための Google AdWords アカウントを、あの MasterCard から引き落とすように設定していて、それを自動引き落としサービスリストに加えるよう Tonya に知らせるのを忘れていたのだ。当然のように、Google がそのカードに料金を請求したとき、その請求も拒否された。

しかし、Google は Verizon Wireless とは違った。Verizon Wireless は、私たちのサービスを停止したことを私たちに知らせる手間を省いて、結果として私たちに不必要な手間をかけさせたのだが、Google は、私に気の利いた電子メールを送ってきて、この問題を知らせ、私たちの広告を一時的に非表示にしたと告げた。さらに、私が新しいクレジットカード番号を入力できるよう、私のアカウントへのリンクもつけてくれた。すべての処理を終えるのに2分ほどかかったが、その時間のほとんどは、Google が Verizon Wireless と比べてどれだけ物が分かっているか Tonya に大声で話すのに費やされたのだ。

信用調査書を調査する -- 後日、友人と食事をしているときに、この話をしてみると、彼女も同じような目にあったことがあるという。彼女の場合には、不正使用の犯人がそのカードの住所も変更したので、彼女は警告となる請求書を受け取ることすらできなかった。彼女は、私たちの家計にほかのいたずらがなされていないかどうか確かめるために、信用調査書も確認した方がいいと勧めた。

少し調べてみると、次のことが分かった。アメリカで最近成立した法律によると、3つの主要な信用調査会社 Equifax、Experian、TransUnion は、誰でも求めがあれば、12 か月に1回信用調査書を無料で提供しなければならない(だから、すべての会社から1度に1通ずつ受け取ることもできるし、4か月に1度1つずつの会社に調査書を請求して、問題がないかどうか目を光らせることもできる)。残念ながら、信用調査会社がこのサービスを全国に広げるまでには、長い時間の猶予が与えられていて、西部や中西部の州では今すぐにでも無料の信用調査書を請求できるが、南部に住んでいる人は 2005 年 6 月1 日まで待たなければならず、私たちのように東部の州に住んでいると、2005 年 9 月 1 日まで待つ必要がある。(いくつかの州、すなわちコロラド、ジョージア、メーン、メリーランド、マサチューセッツ、ニュージャージー、バーモントでは、住民は1年に1通ないし2通の信用調査書を無料で請求できる。)

<https://www.annualcreditreport.com/>
<http://www.epic.org/privacy/fcra/>
<http://www.epic.org/privacy/preemption/>

私たちの友人がいうには、彼女が使ったのは FreeCreditReport.com というもう1つのサービスで、これは無料の信用調査書を発行するが、同時に多数の有料信用調査・監視サービスに登録することを要求する。これらのサービスは、特に自分の信用調査書に変更があったときは自動的に知らせてもらいたいと思っている場合には、役に立つだろう。料金を払う前にこれらのサービスを解約することができて(私はそうした)、それゆえこの信用調査書は無料といえるのだが、「会員解約」ゲームを楽しもうと思わない場合は、信用調査書におよそ 10 ドルを払うことももちろんできる。幸運なことに、私の信用調査書には特別問題となることは見当たらなかったが、彼らは私の年齢を1つ若く思い込んでいるようだ。そのうちこれを直さなければならない。ほかの問題が発生している気配はなかったので、私は 9 月になってから定期的に信用調査書を調べることにした。

<http://www.freecreditreport.com/>

教訓 -- 今日この時代には、インターネットで買い物をするというのは、多くの人にとって生活の一部となっている。インターネットでクレジットカードを使って、カード番号の盗難に遭う確率は、電話や店頭で使うのと比べて多いとも少ないとも思わないが、クレジットカードを使う機会が多くなればなるほど、悪党があなたの番号を手に入れて悪用する可能性が高くなる。これは、クレジットカードの場合には、たいていの場合わずらわしいというだけだ(デビットカードの場合は、必ずしもそうではない!)。というのも、アメリカではあなたが責任を負うのは最大でも 50 ドルで、その最大額でさえ請求されたという話を聞いたことがない。しかし、私たちの経験が証明しているように、混乱させる要素が大きくなることがあるし、クレジットカードの不正使用がさらなる身元詐称につながることもある。そこで、私は以下の予防策を勧める。

<http://www.omnigroup.com/applications/omniweb/>
<http://www.stclairsw.com/HistoryHound/>

<http://www.consumer.gov/idtheft/>

クレジットカード番号盗難は、多くの場合、自分の手に及ばないところで起こる可能性がある。The Register には、この一月だけでも、大会社や教育機関などの団体が重要な個人情報を漏洩させたという記事が多数掲載されている。このような状況では、あなたは何もすることができない(情報セキュリティーの慣行をチェックすることはできるかもしれないが)。しかし、あなたの側の常識と努力によって、クレジットカード番号の盗難が起きたときでも、その影響を軽減することができる。私は今回は軽いけがで済み、これでこの話を閉じられることを願っている(クレジットカード番号盗難に関するもっと刺激的な話を望むなら、下記の2番目のリンク先のページを読んでほしい)。

<http://www.theregister.com/2005/03/23/id_theft_cannot_be_escaped/>
<http://www.livejournal.com/users/publius_ovidius/111672.html>


TidBITS Talk/28-Mar-05 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

各話題の下の2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバでの討論に繋がる。こちらの方がずっと高速のはずだ。

アドレスブック・ユーティリティ -- Mac OS 9 で古い Address Book 4.2.6 を使ってきた読者が、Mac OS X で走る同様のプログラムを探している。 (メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2525>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/384>

自動車の車内で MP3 を聴くオプションいろいろ -- iPod の人気のお陰で、自動車の車内で音楽を演奏する新しい解決法がたくさん登場した。その一つに、前面に AUX 入力端子のあるダッシュボード内レシーバがある。(メッセージ数 4)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2526>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/385>

iPod を緑に! キャンペーン -- iPod の内部で使われる材料がより環境に優しい方法で造られるという言質を引き出そうと活動している保護団体がある。(Apple 社は環境保護に関して強い姿勢を示しているのだが。)ただ、これには疑問が残る: どうして iPod だけを取り上げるのか? 懐中電灯で使う電池や、その他廃棄されるものも、同じだけ有害だというのに。(メッセージ数 7)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2527>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/386>

DVD Jon 対 Apple -- Apple の iTunes 用のデジタル著作権管理 (DRM) を回避しようとしている一人の開発者の努力を紹介した記事に触発され、DRM や自由市場についての議論が盛り上がる。(メッセージ数 4)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2528>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/387>

Smart Folder は私たちの作業方法をどう変えるか? -- 来たる Mac OS X 10.4 Tiger における Smart Folder 機能は、人々が自分の Mac や自分のデータといかにして交流するかの方法を、革命的に変えてしまうのだろうか? (メッセージ数 4)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2529>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/388>


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