TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#805/14-Nov-05

Glenn Fleishman が、Tiger での AirPort の問題、Apple USB モデム、それに Mac 互換な EVDO PC カードについて述べた彼の過去の記事にフォローアップした、二つの記事をお届けする。Adam は、五つのオーディオブックファイルを一つに繋げようという素直な気持ちから出た行動で、Apple の FairPlay デジタル著作権管理にぶち当たる。その他の記事では、“Take Control of Digital TV” のリリースをお知らせし、Mellel 2.0 について手短かに触れ、読者の皆さんから Take Control に寄せられたたくさんの提案について投票をお願いする。

記事:

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MailBITS/14-Nov-05

Mellel 2.0 出荷 -- イスラエルの企業 RedleX が、Mellel 2.0 をリリースした。これは、同社ワードプロセッサの大幅なアップグレードで、主に長く複雑な文書を扱うための新機能が多数加えられている。Mellel 2.0 に追加されたのは、セクションとコラムのサポート、詳細な内蔵ハイフネーション辞書、Mellel 独自のファイルフォーマットと RTF とのあいだの読み込みと書き出しの改善、孤立行(ウィドーとオーファン)の制御、そして Keep with Next オプションだ。さらに、表の自動サイズ変更、背景色、見開きページ、より柔軟な段落制御などが加わっているが、変更履歴やコメント機能については言及されていない。Mellel 2.0 は 50 ドルで、登録ユーザは無料でアップグレードできる。無料の体験版もあって、13.4 MB のダウンロードだ。[ACE](羽鳥)

<http://www.redlers.com/mellel20.html>
<http://www.redlers.com/releasenotes.html>


DealBITS 抽選: Sunatori.com Pen

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>

さて、今度はいつもと全然違うものを取り上げてみよう! 長年の TidBITS 愛読者でもある Simon Sunatori から最近便りがあって、彼が発明して特許も取った新型のペンを DealBITS 抽選で使ってもらえないか、という申し出があった。これは Mac とは何の関係もない(ただしカラーの取り揃えが初代の iPod mini を思い起こさせるということはある)けれども、私はとても興味を引かれて実際に使ってみた。確かに、これは素敵だ。それも、オタク好みという感じだ。このペンは、首に掛けたペンダントに差し込んでおく。これが普通と違うのは、このペンとペンダントにかなり強力な磁石が埋め込まれていることだ。差し込まれている間はペン先が折り畳まれて、磁石がしっかりと保持する。そして引き抜くと、その瞬間にペン先が伸びて、すぐに書き始めることができる。シルバー色のペンダントにはシンプルなデジタル時計が付き、反対側の面は綺麗な磨き仕上げになっているので鏡としても使える。万一誰かに誘拐・監禁されても、この鏡で太陽光を集めて火を起こせばきっと脱出できるだろう。Tristan と私は近所の GreenStar Cooperative Market に毎週のわが家の買物に出かけるが、その時にはいろいろな製品番号とかコードとかを書き留めてレジに持って行かなければならない。そういう時、Simon のペンが何よりもありがたい。キャップをなくす心配もないし、ボタンをクリックする必要もなければ、紐をほどいたりする必要もない。いつも片手で一発だ。

<http://sunatori.com/>

今週の DealBITS 抽選では、Sunatori.com Pen を 2 本、賞品にする。それぞれ定価 $20 相当の製品で、当選者にはお好きな色を選んで頂く。幸運が足りずに当選から漏れた応募者にも大幅な割引価格の資格が贈られるので、いつもペンをなくしてしまう人や、ポケットの中でインク漏れして困っている人は、ぜひ奮って下記リンクの DealBITS ページで応募して頂きたい。寄せられた情報のすべては TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。どうかご自分のスパムフィルターに注意されたい。当選したかどうかをお知らせする私のアドレスからのメールを、あなたに受け取って頂くのだから。また、もしもあなたがこの抽選を紹介して下さった方が当選すれば、紹介に対するお礼としてあなたの手にも同じ賞品が届くことになるのもお忘れなく。

<http://www.tidbits.com/dealbits/hyperinfo/>
<http://www.tidbits.com/about/privacy.html>(日本語)TidBITS プライバシー規約

訳注: 応募期間は 11:59 PM, 20-Nov-2005 PST まで、つまり日本時間で 11 月 21 日(月曜日)の午後 5 時頃までとなっています。


Apple、Panther から Tiger への AirPort アップグレード問題を解決

文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

私はここ何ヶ月か、最近書いた問題(TidBITS-794 の "Tiger に AirPort の優先するネットワークリストを追加" と TidBITS-795 の "それでも Tigerは優先するネットワークを表示しない" 参照)について、技術者か製品担当者と話したいと、Apple に頼み続けていた。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08223>(日本語)Tiger に AirPort の優先するネットワークリストを追加
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08233>(日本語)それでも Tiger は優先するネットワークを表示しない

簡単に言うと、Panther から Tiger へアップグレードしたユーザの中に、「ネットワーク」環境設定パネルの「AirMac」タブに「優先するネットワーク」のリストが現れない人がいるのだ。アップグレードした人すべてにこの問題が起きたわけではなく、私が TibBITS の記事に書いた解決法もすべての人でうまくいったわけではなかった。

Apple は回答を控えていたが、今週にも Tiger 用の最新 AirPort(日本ではAirMac)Update がリリースされると知らせてくれたので、その理由が分かった。どうやら Apple の技術者は、2005 年 11 月 5 日に「AirMac アップデート 2005-001」としてリリースされたアップデートで、ついにこの問題を解決したようだ。このダウンロードは「AirMacサポート」ページには掲載されておらず、全般的なサポートサイトのダウンロードページにしかリストされていない。(Apple はまた、Mac OS X バージョン 10.3.3 から 10.3.9 までのPanther 用に、AirMac の別の問題を修正する「AirMac Extreme ドライバアップデート 2005-001」を、2005 年 11 月 8 日にリリースしている。)

<http://www.apple.com/support/downloads/airportupdate2005001.html>(日本語)アップル - サポート - ダウンロード - AirMac Update 2005-001
<http://www.apple.com/support/airport/>(日本語)アップル - サポート - AirMac
<http://www.apple.com/support/downloads/airportextremedriverupdate2005001.html>(日本語)アップル - サポート - ダウンロード - AirMac Extreme Driver Update 2005-001

最初の TidBITS の記事が公開されたときにお便りをくれた読者のうち、3人に連絡を取ってみた。そのうち2人は、AirPort パッチをインストールし、それ以降 Tiger が AirPort ネットワークに関して正しく動いていることを確認した。3人目の方の場合、Tiger にアップグレードした後、様々な問題に直面したため、Tiger を再インストールし、それ以来 AirPort の問題は起きていない。

私は、この問題がどれほど広がっているのか知りたいと思う。もしあなたが、TidBITS の2つの記事に書かれていた問題を経験して、今回のアップデートでそれが解決したなら、私 <glenn@tidbits.com> まで電子メールで知らせてくださるようお願いする。


セルラーおよびダイヤルアップ・モデム続報

文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

TidBITS 読者の皆さんが {男前|美人} であって私たちの書いたものを隅から隅まで読んで下さっていることに何か疑問があるとしたら、先週号以来の私のメールボックスをご覧になればたちまち疑問は氷解することだろう! 何人かの方々が、先週号に私が書いたモデム関係の二つの記事に対して、そこに含まれていたいくつかの誤りを正すお便りを寄せて下さった。記事の一つは Apple のダイヤルアップ用 USB モデムについて、もう一つはさまざまの PC カード EVDO(高速セルラーデータ)用モデムについてだった。(TidBITS-804 の記事“モデムなし:Mac でダイヤルアップするには?”と“Sprint Nextel データサービス、旅する Mac ユーザーに救いの手”を参照。)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08316>(日本語)モデムなし:Mac でダイヤルアップするには?
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08320>(日本語)Sprint Nextel データサービス、旅する Mac ユーザーに救いの手

Apple USB モデム -- Apple USB モデムについて当初私が記事を書いていた時には、これは新型 iMac G5 (iSight) の工場出荷 (BTO) オプションとしてしか入手できないことになっていた。けれどもその後どこかの時点で、Apple はこのモデムを通常の Apple Store で単独に販売するようになった。(この商品に直接リンクすることはできず、Apple の iMac G5 ページにあるリンクもただ Apple Store のホームページに繋がるだけだ。)今のところ Apple はこの Apple USB モデムを Mac mini と Power Mac G5(どちらも内蔵モデムは BTO 用となっている)および iMac G5 用のオプションと表示している。

Doug Noble が、モデムの使い方について二つの知恵を授けてくれた。まず、彼のケーブル・ブロードバンドサービスは、ハリケーン・カトリーナの後2週間にわたって不通となっていたが、ハリケーン・ウィルマがやって来てまたもや不通になってしまった。彼はダイヤルアップのモデムを持っていなかったので、結局彼は内蔵モデム付きの古い AirPort ベースステーションを引っぱり出してくる羽目になった。

彼はもう一つ、ファクスにはダイヤルアップのモデムが必要だという指摘をしてくれた。電子ファクスサービスは確かにいろいろ存在しているが、ほんのたまにしか使わないのならば、月額、あるいはページあたりの料金を支払うよりも、$50 のモデムを使った方が安くつくことが多いからだ。

セルラー EVDO -- セルラー EVDO の側では、事態はもう少し複雑だった。まず、私は先週の記事で、さまざまのセルラーおよび Wi-Fi 機器に対応して働く唯一のサードパーティのアプリケーションについて触れるのを忘れてしまった。それは Smith Micro の QuickLink Mobile for Mac OS X だ。

<http://www.smithmicro.com/default.tpl?sku=QLMMAKEE&group=product_full>

この分野で働いた経験のある読者から、Verizon Wireless が Kyocera KPC650 PC カードの直接サポートを提供しているというお便りが届いた。これには私もすっかり混乱してしまった。なぜなら、私が Verizon Wireless のサイトを見た時にこのカードはベストプランのオプションとしてリストされていなかったし、明らかに見て取れる範囲ではソフトウェアもサポートも示されていなかったからだ。この読者と、それにもう一人、リンクを提供してくれた Brian Dipert との助けを得て、私はようやくこの情報がなぜこれほどまでに隠されているのかを理解した。(ちなみに、Brian は彼の EDN サイトで、セルラーデータの速度とサポートについて詳しい説明を書いている。)

<http://www.edn.com/blog/400000040/post/1410001541.html>

Verizon Wireless は、今ではもうサイトの BroadbandAccess 領域のメインページでこの Mac 対応カードを宣伝していないが、実はこれは今でも利用可能だ。Verizon Wireless のウェブサイトで BroadbandAccess サービスのページに行き、契約プランにサインアップするところまで行けば、2年契約にサインアップする際には同社ブランドの PC 5740 カードが $100 で提供される。同じ条件下で、例の KPC650 も $180 でリストの3番目に載っている。Mac ユーザーが公式のサポートを欲しいと思うならば、この余分のお金を払わなければならない。その他のオプションについては、Smith Micro のサポートリストにも情報がある。

<http://www.verizonwireless.com/b2c/store/controller?item=phoneFirst&action=preZip&featureGroup=BroadbandAccess>

では、ソフトウェアはどこにあるのだろうか? これは、“Macintosh”とか“Mac OS X”を検索して見つかるような明らかな場所には無い。Google の検索でさえ見つからなかった。でも、Verizon Wireless ページにあるソフトウェアダウンロード用のリンクを辿れば、これは Brian が教えてくれたのだが、PC カードが2列に並んだリストが見つかる。片方の列には Windows のロゴ、もう片方の列には昔の Mac OS のロゴが付いている。

<http://vzw.smithmicro.com/download/default2.tpl>

驚いたことに、このソフトウェアは Verizon のサイトにある訳ですらない。このことがプロセス全体をますます混乱させている。私は、思わず Hitchhiker's Guide to the Galaxy の一場面を連想してしまった。主人公の Arthur Dent が、計画書類は鍵のかかったファイルキャビネットの中、それは真っ暗な地下の、使われていない手洗所の中にあって、その手洗所のドアには「虎出没注意!(Beware of the Tiger)」という貼り紙がある、と不満をこぼす場面だ。(Tiger に注意、まったくだね!)

最後にもう一言、業界通のある読者から、Verizon Wireless が携帯電話での Bluetooth ダイヤルアップ・ネットワーキング (DUN) のサポートを使えないようにしているという事実を強調したお便りも頂いた。先週の記事で私もこのことに触れたが、PC カードのドライバが無いことの回避策として Verizon Wireless の携帯電話を代替モードで EVDO モデムとして使うことができない、という事実はここでもう一度強調しておく方がよいだろう。(ただ、私は Verizon Wireless の携帯電話上級機を使って Bluetooth 経由の 1xRTT 通話、つまりダイヤルアップモデムと同等速度の通話をさせることはできた。)

用役権利用規約 -- そして、最後の最後に、Verizon Wireless の EVDO サービスである BroadbandAccess の使用に関する利用規約の中に、かなり面白い読み物が隠れていることを指摘しておこう。

<http://www.verizonwireless.com/b2c/promotion/controller?promotionType=miniPac&action=miniStart>

これを読むと、まずこのサービスが「インターネット」ブラウズ(「ウェブ」ブラウズとは書いてない)や電子メール、あるいはイントラネットのアプリケーションのために使えると述べた後で、この利用規約は次のように続けている:

「無制限 NationalAccess/BroadbandAccess サービスは、以下の目的に使うことはできない: (1) ムービー、音楽、またはゲームのアップロード、ダウンロード、またはストリーム、(2) サーバ機器またはホストコンピュータのアプリケーションと組み合わせての使用、例えばウェブカメラのポストやブロードキャスト、自動データフィード、 Voice over IP (VoIP)、マシン対マシンの自動接続、ピア・ツー・ピア (P2P) のファイル共有など (これらの例に限られる訳ではない)、および (3) 専用回線やデータ専用接続などの代替あるいはバックアップとしての使用。」

この文章のどこが面白いのだろうか? それは、去年に遡って考えれば、あれだけ多くの人たちが口を揃えて EVDO が Wi-Fi を置き換えることになると語っていたからだ。EVDO は Wi-Fi に比べてちょっと遅いけれど、個々のユーザーが与えられた速度の中で、専用のデータストリームを得られるのだから、と。ここに二重の誤りが隠れている。

まず第一に、Wi-Fi には選択肢がある。いったん Wi-Fi を手にすれば、何百何千もの違ったネットワークが使える。一つのネットワークのポリシーが気に入らなければ、あるいはそこの速度が充分でないならば、別のネットワークに切り替えられる。つまり、一つのコーヒーショップから別の店に移動するだけのことだ。全国規模のアクセスならば T-Mobile HotSpot から SBC FreedomLink へと移ることもできる。Wi-Fi ホットスポットの利用規約には厳しいものもあるが、ビデオやストリーミング、VoIP、その他の一般的なアプリケーションを禁止した利用規約など、私は一度も見たことがない。

第二に、セルラーモデムというものは、必ず中継点からデータのバックホール(基地局から交換機へのデータ送出)を通さなければならない。中継点とは EVDO または HSDPA の機器を備えた基地局のことだ。私はここ二ヵ月ほどの間に、いくら都市部に多数の基地局があるとは言ってもこれだけ 3G セルラーのユーザー数が増えればそのバックホールにはもう余裕がない、ということをこの業界の何人もの人たちから聞かされてきた。3G に注ぎ込まれてきた何十億ドルという資金の一部は、それらのインフラ基盤をアップグレードするために使われているのであって、ただ顧客数の増加に対応して基地局を増やすためだけに使われているのではない。これも、Verizon Wireless やその他の会社が使えるサービスの種類を制限せざるを得ない理由の一つなのだろう。


オーディオファイルの結合: DRM でイライラ

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

TidBITS-768 の "iPod で不眠に打ち勝つ" に書いたように、Tonya と私は、iPod でオーディオブックを聞きながら眠りにつくのが好きだ。あれからおよそ7か月が経過して、私たちは Bill Bryson の "A Short History of Nearly Everything" を聞き終え、同じ著者の "In a Sunburned Country"(私たちが大好きな国、オーストラリアについての様々なことが書かれている)を、iTunes Music Store 経由で Audible.com から購入した。最初のオーディオブックは、6時間のかたまり3つとしてダウンロードできたが、今度の本は、2.5 時間のファイルが5つで、ファイル名を短くして番号がはじめの方に表示されるようにしたとしても、今どのファイルを読んでいるのか分からなくなることがある。もしこれがカセットテープだったり、あるいは CD だったとしても、仕方がないとあきらめただろうが、これらのファイルはビットの集まりに過ぎない。これをつなげて1つの大きなファイルにできないわけがないだろう? しかし実際にやってみると、それほど簡単ではなかった。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08004>(日本語)iPod で不眠に打ち勝つ

すべてを1つに -- iTunes には「CD トラックを統合」というコマンドがあるが、iTunes で5つのトラックを選んで「詳細設定」メニューをのぞいてみると、「CD トラックを統合」はグレイアウトされていた。どうやら、このコマンドは正確にその名の通り、本物の CD トラックにしか働かないようだ。すでに iTunes のライブラリにあるものや、ディスク上にある AIFF ファイルにすら働かない。この本のファイルをオーディオ CD に焼くことをちょっと考えてみたが、1つのファイルがおよそ 150 分あるのだから、それを 70 分の CDに焼く方法を考えるのは労力の無駄に思えたし、たとえそれを実行したとしても、複数の CD のトラックを1つに統合する方法は分からない。残念!

次に、Doug's AppleScripts for iTunes という素晴らしいサイトをのぞいてみた。見たところ、ここには iTunes に関するあらゆる問題を解決するスクリプトがあるようだ。そして期待は裏切られなかった。Join Together というスクリプトが見つかって、これを使えば AAC ファイルを結合できるということだった。それには QuickTime Pro 7.0.1 が必要なのだが、必要とあらば入手するのは吝かでない。ところが、残念なことに、すぐにまた失望することになってしまった。リリースノートを読んでみると、このスクリプトは保護された AAC ファイルを扱えないという注意書きがあったのだ。なんてこった!

<http://www.dougscripts.com/itunes/scripts/scripts07.php?page=1#jointogether>

この問題にはほとほと困り果てたので、何人かの友人に尋ねてみた。そのうち1人が、ちょうど iTunesJoin のベータ版を見つけたところで、これこそまさに私が必要としていたもののように思えた。しかし、そのプログラムの説明書を読んでいるうちに、私の喜びは儚く消えてしまった。iTunesJoin(これは実際は AppleScript スクリプトの集まりだ)は、iPod 再生用に AAC ファイルを結合することができ、保護された AAC ファイルでも(QuickTime ムービーにマージすることで)結合できるのだが、この2つの機能は相互排他的で、保護された AAC ファイルを結合したファイルは iPod で再生できない。三振、アウト!

<http://www.3am.pair.com/iTunesJoin.html>

私はイライラしてきた。これもすべて、Apple の FairPlay デジタル著作権管理(DRM)コードが悪いのだ。これでは全くフェアではないと思うし、少なくとも良いプレイではない。そこで私は決心した。Apple が私をまるで犯罪者のように扱いたいのならば、お望み通り JHymn を使ってみようではないか。JHymn は、音質を下げることなく FairPlay DRM の制限を取り除くので、明らかにデジタル・ミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act:DMCA)に違反している。私の目標は、ただ単に、私自身の私的使用のために5つのファイルを1つにすることなのだから、JHymn の適法性については、特別気にしなかった。しかし、実際に試してみると、iTunes 6.0 の FairPlay には、JHymn が動かなくなるような変更が施されていたので、いずれにせよ私にとっての選択肢とはならなかった。また駄目か!

<http://www.hymn-project.org/>
<http://hymn-project.org/jhymndoc/>

事態は私だけの問題になりつつあった。私はいろいろなファイルを結合したいと思っているわけではないが、毎晩疲れた体とぼんやりした目で iPod のインターフェースを操作しているうちに、トラックを結合できればこれも簡単になると思いつき、すぐさまそれは可能であるに違いないと確信したのだ。すると突然、私は Rogue Amoeba の素晴らしいプログラム Audio Hijack Pro を思い出した。これを使えば、聞くことができるすべてのものを新しいファイルに録音できる。音質は落ちるかもしれないが、私の場合オリジナルのファイルにはBill Bryson の声しか入っていないのだから、ダイナミックレンジなどはどうでもよい。

<http://www.rogueamoeba.com/audiohijackpro/>

まず、5つのオーディオブックトラックからなる臨時のプレイリストを作り、名前で並べ替えて順番通りにした。次に、iTunes がトラックをシャッフルしたり、最後まで通して再生したあとで全曲をリピートしたりしないことを確認し、それぞれのトラックが最初から再生されることを確かめた。Audio Hijack Pro の方では、iTunes を選択し、フォーマットを 32 Kbps モノラルの AACにして、Record ボタンをクリックしてから iTunes に戻り、再生を開始した。それは夜の 7 時だったので、キーボードの「消音」ボタンを押して、仕事場から一晩中 Bill Bryson の声が聞こえるなんてことがないようにした。あとは放っておけば、Audio Hijack Pro が 11 時間 54 分のオーディオを聞いて、それを新規ファイルに録音してくれる。次の朝、私が Mac の前に座ったときには、思った通り1つのファイルができていた。

この方法は、決してエレガントとは言えないが、目的は果たせたし、これを何度も繰り返すということはないだろうから、1冊のオーディオブックを一晩かけて最初から最後まで実際に再生するというのも、特別厄介だということはない。こんなことができるのも、Rogue Amoeba の皆さんのおかげだ。感謝!

いまいましい DRM! -- このような事例を見れば、DRM ソリューションに本質的な問題があることが分かる。何らかのデジタル操作の結果として、見たり聞いたりできるものが得られたら、それは、願望と知識とを十分に活用することで、必ずコピーされてしまうものだ。しかし、ここで私がイライラしているのは、私がしようと思ったことが、普通の人は違法だとは思わず、非倫理的だとすら思わないことだったためだ。私的使用のためにコピーを作成しても、著作権法に抵触することはないはずだし、1992 年のオーディオ家庭録音法(Audio Home Recording Act)では、名目上「デジタル音楽録音又はアナログ音楽録音を作成するための当該機器又は媒体の消費者による非営利的使用」を認めている。しかし、それもこれも、DMCA によって反故になってしまった。DRM の制限を回避することが、たとえその目的が著作権法で定められた公正使用に当たると考えられる場合であっても、違法となってしまったのだ。(詳しくは、TibBITS-769_ の "どうして DRM は気に障るのか" およびTidBITS-656 の "邪悪な法律、DMCA" を参照。)

<http://www.copyright.gov/title17/92chap10.html#1008>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08013>(日本語)どうして DRM は気に障るのか
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=06997>(日本語)邪悪な法律、DMCA

もう1度言うが、完全に合理的かつ合法な行為で、たいした手間なくできるべきことが、DRM のおかげで、不器用で時間のかかることになってしまったのだ。Apple に感謝だ! iTunes Music Store から購入したコンテンツを、iPodでより簡単に使えるようにすることはできたが、FairPlay のおかげで、私は多大な時間を浪費し、あまりにイライラしたので、ファイルを結合した成果をP2P ファイル共有ネットワークで共有しようかと思ったほどだ。もちろんそんなことはしない。そのようなことは著作権法の精神に反するし、私を含めほとんどの人は、著作権の精神に不満を持っているわけではないのだから。しかし、道理が通らず、DRM が副次的に既存の権利や常識を大きく損ねている限り、私はなるべく DRM を使用していない商品を買うことにしたい。ということは、こんなことを言うのは残念だが、私は iTunes Music Store での購入を控えることにしたい。


Take Control ニュース/14-Nov-05

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

"Take Control of Digital TV" リリース -- 私たちの多くは Macintosh ハードウェアについては結構いろいろなことを知っているが、これがデジタルテレビの世界のこととなると、とたんにしおらしい態度にならざるを得ないというのが普通ではないだろうか。そこでは目眩がするほど膨大な俗語や略語などが横行し、やっとそれを消化したと思えば今度は直視テレビかプロジェクターテレビかの選択で悩んだり、液晶かプラズマか、はたまた DLP が良いのか CRT ベースのテレビが良いのか、と違いを比較検討したりしなくてはならない。もしもあなたが、私と同じくこの年末シーズンには新しいデジタルテレビを買いたいと考えているのなら、あるいは、既にデジタルテレビは持っているけれども、もう少し置き方を変えたり設定を微調整したりすればもっとよく見えるのではないかと悩んでいるのなら、今回リリースとなった私たちの最新の電子ブック、“Take Control of Digital TV”がきっと親切なガイドとなってお役に立つだろう。

この電子ブックでは、シアトル在住のジャーナリストでありテレビのことなら何でもおまかせという Clark Humphrey が、いろいろな用語を解説し、さまざまの異なったディスプレイ技術を比較し、あなたに最もふさわしいデジタルテレビを、あなたの予算や置き場所、メディア観覧の習慣などに合わせて賢く選択するためのお手伝いをする。また、大画面のテレビがよく見えるようにするにはどのように設置すべきか、外部スピーカーをどう配置しどう接続するか、最良の画質を得るためにはディスプレイの設定をどう調整すべきか、デジタルビデオ録画機やビデオゲームコンソールなどの追加機器をどうやって追加するか、といったことも学べる。Clark は彼のアドバイスの締めくくりとして、デジタル・プログラミングの探し方、自ら手で選んだウェブ参照のリスト、それに、これ無しには読みづらいスペックシートのようになってしまうこの本を読みこなすのに役立つ、充実した用語索引も添えている。

Tonya と私はもうじき新しいテレビを購入する予定だ。私たちは、1991 年に結婚した時に買った 20 インチのテレビを今でも見続けている。この電子ブックを読んで身に付けた知識を武器に、きっと私たちは最適のテレビを、ずっと早くずっと安く、手に入れることができるに違いないと思う。ただしここでお断りしておきたいのは、この電子ブックは北アメリカでのデジタルテレビのみを扱っているということだ。それ以外の世界各国ではそれぞれに異なった規格やフォーマットが使われている。

この Clark の電子ブックについてもっと知りたいとお思いの方は、次のリンクで無料の 23 ページ抜粋版をダウンロードしてみて頂きたい。また、このリンクで注文をすることもできる。

<http://www.takecontrolbooks.com/digital-tv.html?14!pt=TRK-0027-TB805-TCNEWS>

多数揃った提案に投票を -- 正直言って、私は圧倒された。Take Control 電子ブックで今後取り上げて欲しいトピックについて、読者の皆さんからこんなにもたくさんの興味深い提案が寄せられるとは、私は予想していなかった。今も、まだまだ新しい提案が届いている。実際、あまりにも数多くの提案が届いたので、私はメインの suggestions ページを分割して、投票して下さる方が巨大なリストと格闘せずに済むようにしなければならないほどだった。このカテゴリー分けは、あえて不明確な分類にしてある。これはただ、元のリストをおよそ四等分しただけのものなのだ。

という訳で当初の混乱は過ぎたので、どうぞ皆さん、このページを訪れて下さって、もしもこういう本があったらすぐにも購入したいと思われるものに投票して頂き、私たちが一番多くの方々に興味を持って頂けるトピックで本を作れるためにご協力頂きたい。以前リストがずっと小さかった時に何に投票したか忘れてしまわれても、どうぞご心配なく。このシステムは、重複投票を自動的に無視するように作ってある。それから、もしもあなたがどうしてもこういう本が欲しいと思われたら、どうぞ討論グループやメーリングリストで多くの人たちに投票を呼びかけて頂きたい。真面目な気持ちから投票して下さるのである限り、投票を応援する活動には何の問題もない。

<http://www.takecontrolbooks.com/suggest.html>

さまざまなレビュー -- Take Control 電子ブックについてのレビューは、最近あちこちでホットに扱われている。ここに主だったいくつかだけを紹介してみよう。ちょっと自己宣伝が過ぎると思われる方もおられるかもしれないが、そこはあらかじめお詫びさせて頂きたい。でも、私たちが Take Control で何を成し遂げようとしているのかを理解して下さる人たちがいらっしゃるのは、私たちにとって本当に嬉しいことなのだ。皆さん、親切な言葉を、どうもありがとうございます。そして、もしもこれから Take Control 電子ブックをレビューしてみようとお思いの方がいらっしゃれば、どの本についてレビューして下さるのか、それからどこのサイトで、あるいはどんな出版物でのレビューなのかを、どうかご連絡頂ければと思う。

最近私の気持ちをつかんだレビューは、Barry Campbell が Blogcritics.org と enrevanche にポストしたものだ。私と Glenn のことを「通の間で凄い信用度を勝ち得ている二人の男」とまで持ち上げて、私たちの書いたものを「この本は一般読者向けの技術的内容を素晴らしく書き表わした傑作だ。テクニカルライターとして 20 年もの経験のある私がそう言うのだから間違いない。」とまで誉めてくれた。これには、やはり文句無しに暖かい気持ちにならざるを得ない。

<http://enrevanche.blogspot.com/2005/10/review-take-control-of-your-wi-fi.html>
<http://blogcritics.org/archives/2005/10/15/212036.php>

でも、好意的なことを言ってくれるのは何も Barry だけではない。MacMove の Seth も、Take Control における私たちの目標をきちんと説いた素晴らしい記事を書いて、私たちの気持ちを最高に高潮させてくれた。

<http://www.macmove.com/mm/archives/macmove-recommends/mm-recs-take-control>

“Take Control of Your iPod: Beyond the Music”の著者、Steve Sande にはおめでとうを言わなければならない。MacNN の Ilene Hoffman が彼の本をレビューして、「これは凄い、是非とも買うべきだ」とまで言ってくれたのだから。彼女がコメントの中で、彼女自身は普段スクリーン上で本を読むのはあまり好きでないのだけれど、「でもこの本を読むのには何の苦しみもなく、私の目も全然疲れなかった」と言っていたのが私たちには特に嬉しく感じられた。目が疲れなかったのは 14 ポイント Georgia のフォントのお陰だろうが、これは PDF なので、必要に応じて自由にフォントサイズをさらに大きく変更することもできる。

<http://reviews.macnn.com/review.php?id=139>

もう一つ、これも良いレビューだったが、今度は“Take Control of Your Wi-Fi Security”について MyMac.com の David Weeks が書いたものだ。彼の言葉によれば、もしも Wi-Fi 装備のラップトップ機を使っているか、あるいは自宅で Wi-Fi ネットワークを動かしているのならば「絶対にこの本を読むべきだ」そうだし、また、もしも業務用の Wi-Fi ネットワークを動かしているのならば、「絶対に _断然_ この本を読むべきだ」そうだ。(「断然」だけ強調文字を使ったのは彼であって私ではない。)彼のこんなコメントも私たちの心を打った:「この TidBITS の人たちが出版に採用しているフォーマットはほとんど完璧だ。ユーザーインターフェイスは常に Take Control ガイドラインに即しているし、レイアウトはいつでも論理的だし、セクションからセクションへの移動も簡単にできる。」

<http://www.mymac.com/showarticle.php?id=2124>

9 月に遡れば、David は Kirk McElhearn の“Take Control of Customizing Microsoft Office”についてもさらにもっと熱狂的なレビューを書いてくれており、総合評価は 5 点満点中の 5 点だった。この本を的確に形容して「Microsoft Office の最もパワフルな、しかし最もわかりにくい機能、つまり自分の作業環境をどうやってカスタマイズするか、という点に厳しく話題を絞っている」と述べた後で、David はさらに言葉を続けて、Kirk のこの本が「この限られた話題を取り扱った本としては私の知る限りこれが最高だと断言できる」とまで言い切っている。彼はまた、私たちが当初の出版から 10 日も経たないうちにバージョン 1.0.1 を出したことも評価してくれた。無料アップデートというのは誰にとっても嬉しい、電子ブックが最も正確な情報を含んでいれば誰もが利益を受けるからだ、と。

<http://www.mymac.com/showarticle.php?id=2086>

最後に、これもとても嬉しいレビューだったが、Mark Sealey が Think Secret で出した“Tiger By the Book: A Mac OS X Book Review”の中で、私たちの“Take Control of Tiger”コレクションと“Take Control of Mac OS X Backups”とをレビューに含めてくれた。Joe Kissell の“Take Control of Mac OS X Backups”(ちなみにこれは近日中に大幅なアップデートが出る予定だが)について、Mark はこう書いている:「この本は安価なのに魅力的な、そして徹底した情報源だ。電子フォーマットのお陰でいつも最新の情報を含んでおり、誰にでもアクセスできるようになる。だから皆がこれを買って、この本の助言に則って行動すべきだ。コンピュータのデータなんて消えても全然構わない、という人以外は。強く推奨する。」私たち自身でさえ、これほどの言葉は思い付かなかっただろう。

<http://www.thinksecret.com/reviews/tigerbooks.html>


TidBITS Talk/14-Nov-05 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

各話題の下の1つ目のリンクは従来型の TidBITS Talk インターフェイスを開く。2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバ上で同じ討論に繋がる。画面上の見栄えが異なるほか、こちらの方が高速のはずだ。

履修計画ソフトウェア -- そういう良いソフトウェアはないか、という読者からの問い合わせに、たくさんの解決法が寄せられた。(メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2772>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/619/>

iBook G4 バッテリの実際の容量 -- バッテリ出力に関するさまざまな俗説に混乱してしまった読者から、自分の新しい iBook のバッテリがちゃんと標準の能力があるのかどうかを、どうすれば確認できるのか、という質問が届いた。(メッセージ数 1)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2773>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/620/>

Mac にはモデムが付くべきか? -- 最新型の iMac G5 には内蔵モデムが付かなくなった。これは、単なるコスト削減なのか、それとも悪だくみの様相を呈しているのか? そもそも、別売される Apple の USB モデムは従来の内蔵モデムの機能をきちんと引き継げるものなのだろうか? (メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2774>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/621/>

EVDO 互換携帯電話 -- Sprint 対応の EVDO 携帯電話について読者から質問があり、いろいろな携帯電話の Bluetooth 互換性について助言があった。(メッセージ数 2)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2775>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/622/>

代替製品としての OpenOffice -- オープンソースの製品で Microsoft Office の代替となるという掛け声は魅力的だが、実際のところはどうなのだろうか? (メッセージ数 4)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2776>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/623/>


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Tiger でのファイル共有、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther でのユーザとアカウント、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther のカスタマイズ、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther へのアップグレード、TidBITS 翻訳チーム訳

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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2005年 12月 26日 月曜日, S. HOSOKAWA