TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#824/03-Apr-06

私たち TidBITS では最近、内部システムの再検討を始めている。そこで常任編集者の Joe Kissell が名刺デザイン用ソフトウェアを比較検討し、Adam は協同編集システムの提案を呼びかける。Geoff からは iPod の最大音量制限に関するアップデートの簡単な紹介がある。またニュースの部では、Apple が 30 歳を迎え、Interarchy 8 のリリース、Final Cut Studio の Universal 化、Macworld 社の友人たちと新たに協力しての電子ブック“Macworld Digital Photography Superguide”についてもお知らせする。

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MailBITS/03-Apr-06

Apple、Mac OS X 10.4.6 Update をリリース -- 私たちがこの号を仕上げているまさにその最中、Apple が Mac OS X 10.4.6 Update をリリースした。これはどうやら、大規模で多岐にわたるバグ修正アップデートのようだ。私たちが直面していた様々なバグや不具合が取り除かれたということで、その中には、Mail のクラッシュ、ディスクユーティリティ でアクセス権を修復するときに現れる「特殊なアクセス権が使われています」という不可解なメッセージ、計算機 のパーセントボタンの誤作動、ヘルプビューア の白紙ウインドウ、Microsoft Word 2004 でネットワーク越しに書類を保存するときの問題や、そのほか多数のバグが含まれている。このアップデートには iSync 2.2 も含まれており、さらに多くの携帯電話との同期に対応するが、iSync をすでに使っている場合、Mac OS X 10.4.6 をインストールする _前に_ 全ての機器を完全に同期しておく必要がある。

<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=303411>(日本語)アップル - サポート - TIL" ("Mac OS X 10.4.6 Update (delta) について
<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=303419>(日本語)アップル - サポート - TIL

いつもと同じように、ソフトウェア・アップデート を使うこともできるし、アップデートのインストーラをダウンロードして、手動で走らせることもできる。後者の場合、Delta アップデート(10.4.5 を 10.4.6 にアップデートする)と Combo アップデート(どのバージョンの Tiger でもアップデートできる)のどちらかをダウンロードする。このアップデートは巨大で、ソフトウェア・アップデート経由ではバージョンによりおよそ 46 MB から、単体インストーラと Combo インストーラは 65 MB から 191 MB だ。Apple はまた、(理由は明らかにされていないが、おそらくはログインに関連する修正にからんで)PowerPC ベースの Mac はインストール後自動的に2度再起動すると注意を促している。10.4.6 アップデートは、クライアント版とサーバ版両方の Mac OS X 用に用意されている。[ACE](羽鳥)

<http://www.apple.com/support/downloads/>(日本語)ソフトウェアアップデート

注目、Apple が 30 歳になった -- 1976 年 4 月 1 日、つまり先週の土曜日の 30 年前、Steve Jobs、Steve Wozniak、Ronald Wayne の3人が、Apple Computer を設立した。それ以来、同社の運勢は、上昇し、下降し、また上昇している。しかし、株価や市場占有率がどうであろうと、Apple が退屈であったことは、1度もなかった。さらに重要なことに、同社の規模や実力が Microsoft の域に達したことはないにもかかわらず、Apple がコンピュータ業界や大衆文化に与えた影響は、計り知れない。この記念日を祝うため、ゆったりと腰を下ろし、ポッドキャストにダイヤルを合わせ、Apple の初期の従業員たちと、Apple をその初期から追いかけてきた記者たちとの両方に耳を傾けてはいかがだろうか。SFGate.com の Chronicle ポッドキャストでは、リポータの Matthew Yi と Ben Pimentel が、Steve Wozniak、Andy Hertzfeld、John Sculley、Steve Capps、Guy Kawasaki、Mike Boich にインタビューをしている。そして、Apple の過去、現在、未来に焦点を当てたポッドキャスト MacNotables の2つのエピソードで、ホストの Chuck Joiner と話しているのは、Chris Breen、Bryan Chaffin、Jim Dalrymple、Dan Frakes、Andy Ihnatko、Ted Landau、Bob LeVitus、Dennis Sellers、Jason Snell、そして Tonya と私だ。遠い将来を見通すことは難しいが、私たちはみな、この次の 30 年間も Apple Computer による革新の 30 年となることを願っている! [ACE](羽鳥)

<http://sfgate.com/cgi-bin/blogs/sfgate/category?blogid=5&cat=508s>
<http://www.macnotables.com/archives/2006/632.html>
<http://www.macnotables.com/archives/2006/633.html>

Interarchy 8 で WebDAV, Widgets, そして Bonjour が加わる -- Peter Lewis と Stairways Software は Interarchy 8.0 をリリースした。これはあの強力なファイル転送とネットワーク監視アプリケーションソフトウェアに対するメジャーなアップグレードである。Interarchy 8.0 の目に付く新機能には、WebDAV (Apple の iDisk も含む), Automator (Download, List, Upload), Bonjour 経由のローカル FTP サーバーの検出, Dashboard (Bookmark や Network Status widget の形で), FTP/SSL-TLS, HTTPS, そして HTTP Authentication への対応が含まれている。Interarchy のインターフェースへの変更にも言及しておく価値がある:Connect to Server ウィンドウは Automator に似たインターフェースの中に必要とするステップ全てをカプセル化しており、アクションのついた Action メニューが至るところにあり、タブを作る時新しいタブを選択するオプションがあり、タブには色をつけることが出来、そして Transfers ウィンドウの動きも改善された。ローカルとリモートのフォルダのミラーリングも改善され、Mirror Reports ウィンドウと Mirror Dry Run を一緒にするオプションが付き (Interarchy の Mirror 設定内に) 時間のかかるファイル転送に起動をかける前に何が起こるかが見えるようになった。Interarchy 8.0 は Mac OS X 10.3.9 かそれ以降を必要とするが、これには Tiger も含まれ、かつ Intel ベースの Mac を使用している人にはユニバーサルバイナリとなっている。アップグレードは Interarchy 7 を 01-Jan-06 以降に購入した人には無料である;そうでなければアップグレードは $20 で、新たに購入すれば $40 である。8.4 MB のダウンロードとなっている。[ACE](カメ)

<http://www.interarchy.com/>

Final Cut Studio ユニバーサル版出荷中 -- Apple が1月に Intel ベースの Mac を紹介した時、私は Final Cut Studio スイートが早ければ 3月にもユニバーサルバイナリの形で出されれるであろうと聞いて正直驚いた。と言うのも、Final Cut Pro, DVD Studio Pro, Soundtrack Pro, それに Motion はいずれもがプロセッサの性能がもろに影響する重量級のプロ用アプリケーションであり(例えば、何回も Oscar を受賞している Walter Murch は Cold Mountain と Jarhead を Final Cut Pro を使って編集した)、昨年遅く Apple は Intel プロセッサを取り込むのは一般消費者向けのハードウェアが先であろうとの考えを前面に押し出していたからである。彼らの言葉通り、Apple は今やユニバーサルバイナリ版の Final Cut Studio を出荷中で、$50 のクロスグレードの値段がついている。これは、Final Cut のユーザーで MacBook Pro の所有者には良い知らせであろう。と言うのも、現存のスタジオアプリケーションは Intel マシン上では全く動かないからである。

<http://www.apple.com/finalcutstudio/>(日本語)アップル - Final Cut Studio
<http://www.imdb.com/name/nm0004555/>
<http://www.apple.com/universal/crossgrade/>(日本語)アップル - ProアプリケーションのUniversalクロスグレード

Final Cut Studio 5.1 には、重要なバグ修正と変更が含まれているが(例えば、Final Cut Pro の Media Manager との問題の一部は解決されたが、バージョン 5.1 プロジェクトは以前の版のプログラムでは開けない)、どうもユニバーサル版にだけアップグレードがついているらしい;PowerPC ベースの Mac の所有者向けにはダウンロードできるアップグレードオプションが用意されていない。多分 Apple は今月に予定されている大きな National Association of Broadcasters (NAB) カンファレンスでもっと詳細の説明をするかもしれないが、今のところは、バグ修正は $50 のクロスグレード料金を払った人達にのみ用意されている。[JLC](カメ)

<http://manuals.info.apple.com/en/Final_Cut_Pro_5.0_lbn_z.pdf>
<http://www.nabshow.com/>

DealBITS 抽選: Disc Cover の当選者 -- 先週の DealBITS 抽選で当選し、BeLight Software の Disc Cover を受け取ることになったのは、gmail.com の Damian Burke、jore.com.au の Ronald Jore、frostbaumgarten.com の Jonathan Baumgarten の3名だ。おめでとう! 残念ながら当選しなかった皆さんも、2006 年 4 月 12 日までの期間、Disc Cover の購入価格が 15% 割引になり、ダウンロード版(完全版には 23,000 ものクリップアート画像が含まれているが、ダウンロード版にはこれが 900 ほどしか含まれていない)の価格が $29.95、CD 版ならば $33.95 プラス送料・手数料(およそ $43)となる。下記の3つ目と4つ目のリンクで注文すれば割り引きが受けられる。応募して下さった 653 人の皆さん、どうもありがとう。また今後の DealBITS 抽選もお楽しみに! [ACE](永田)

<http://www.belightsoft.com/disccover/>
<http://www.tidbits.com/dealbits/disc-cover/>
<http://usd.swreg.org/cgi-bin/s.cgi?s=31176&p=31176311762802&v=2&d=0&q=1&t=&a=tidbits>
<http://usd.swreg.org/cgi-bin/s.cgi?s=31176&p=31176311762802&v=2&d=1&q=1&t=&a=tidbits>
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=08468>(日本語)DealBITS 抽選: BeLight Software の Disc Cover


iPod アップデートで最大音量設定が可能に

文: Geoff Duncan <geoff@tidbits.com>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

Apple は iPod の最大音量をユーザーが設定できるようにしたアップデートをリリースした。これには少数のバグ修正も含まれている。この 28 MB アップデートは Mac OS X と Windows XP/2000 の両方をサポートしているが、Apple のビデオ機能を備えた第五世代 iPod と iPod nano にしか対応していない。

<http://www.apple.com/support/downloads/ipodupdater20060323.html>(日本語)アップル - サポート - ダウンロード - iPod Updater 2006-03-23
<http://docs.info.apple.com/article.html?artnum=303414>(日本語)アップル - サポート - TIL (iPod で最大音量制限を設定する)

このアップデートをインストールした後、ユーザーは自分の iPod の最大音量を設定できるようになる:設定が完了すると、音量が設定した最大音量に到達すると iPod には南京錠のアイコンが現れる。ユーザーはこの設定にパスワードに似た組合せを割当てることが出来、これを使って親や他の人が設定した最大音量をこの iPod の他のユーザーは超えることが出来ないようにすることが出来る。Apple はまた音量と iPod の使用に関する参考情報提供も行っている。

<http://www.apple.com/sound/>(日本語)アップル - 音と聴覚

このアップデートは、iPod や他のポータブル音楽機器を高い音量で聴くことは、とりわけ長時間にわたってこれらの機器を使っている人には、難聴の原因となりうるという懸念が高まっている最中に出されたのである。iPod (そして他の大抵の音楽プレイヤー) は必ずしも他のヘッドフォンのついた家庭用電子機器よりも音が大きいというわけではないが、ユーザーは iPod を騒がしい環境で聞くことになりがちで、この周りの雑音をかき消すためにボリュームを上げてしまう傾向がある。周りがうるさければうるさい程、音楽の音量を大きくしたくなり、そして難聴になる可能性が高まると言う事である。

Apple は現在 iPod の使用で難聴になったという訴訟に面しており、フランスではこの難聴になる恐れへの懸念からフランスで販売される iPod は最大音量を下げるための設計変更を余儀なくされている。


名刺デザインソフトウェアを比較する

文: Joe Kissell <joe@tidbits.com>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

私は最近、TidBITS 常任編集者としての務めを始めたが、それにあたり最初の公的な仕事の1つが、自分自身のために名刺を発注することだった。ただ単に、既存の TidBITS 名刺テンプレートに私の連絡先を流し込んでもよかったのだが、Adam と Tonya が、TidBITS と Take Control の両方の情報を組み入れた新しいデザインを考えたいと思っていたので、私に画像を送り、2つの名刺デザインアプリケーション、BeLight Software の Business Card Composer と Chronos の SOHO Business Cards とのそれぞれで、どんなデザインができるか試してみてはどうかと提案した。

<http://www.belightsoft.com/products/composer/>
<http://www.chronosnet.com/Products/sohobc_product.html>

名刺のデザインというのは、必ずしも最先端技術というわけではない。私は以前にも、特別なソフトウェアの手を借りずに、デザインをしたことがある。だから、どちらのアプリケーションでも、名刺のデザインが造作もなくあっという間にできるに違いないと予想していた。ところが、どちらのパッケージにも気に入ったところが数多くあったものの、両者は互いに驚くほど異なっていた。私はまた、第一印象に惑わされることがあるということを知ることとなった。SOHO Business Cards は、見た目はより磨きがかかっているプログラムだが、実際には、優れた成果を簡単に生み出す能力という点では劣っていた。

名刺の基本 -- Business Card Composer と SOHO Business Cards のどちらも、大まかに言って同じ基本原理から出発する。多数の既成テンプレートからデザインを1つ選び、色や画像、フォント、マスクなどの要素を好きなように調整する。(既存のデザインのどれもが条件に合わなければ、白紙のカードから始めることもできる。)線や図形を描いたり、要素を整列させたり、要素を互いの前面または背面に動かしたりするためのツールも備わっている。氏名や住所、電話番号や電子メールアドレスといった入力欄に、アドレスブック で選択した連絡先を自動的に読み込ませることもできる。でき上がったデザインに満足したら、市販の名刺用紙に自分のプリンタで印刷したり(どちらのプログラムも様々なブランドの様々な様式に対応している)、PDF を作成して専門の印刷業者に送ることもできる。

Business Card Composer にはおよそ 420 のデザインが用意されており、SOHO Business Cards のデザインは、様々な大きさの名刺にそれぞれ 800 以上もある。どちらのアプリケーションにもクリップアートのライブラリが付属しており、背景やロゴ、飾りに利用することができる。既成のデザインやアートワークは、どちらのパッケージについても、多少の不満はあるが、全体的に魅力的で有用だと思う。ただ、Business Card Composer のデザインの方が、数は少ないとはいえ、私にとっては創造的で視覚的訴求力があるように感じられた。しかし、私の場合、始めからロゴがあったし、どのようなデザインにするのか、かなり明確なイメージを持っていたので、両方のプログラムで白紙から始めることにした。その後で、私自身の会社 alt concepts, inc. 用の名刺デザインに、テンプレートを使ってみることにした。

<http://alt.cc/>

Business Card Composer -- Business Card Composer でデザインをするのは分かりやすいが、ときにつまずくことがあった。例えば、私は最初に、画像をドラッグして読み込んでからサイズを変更しようとしたのだが、これがうまく行かなかった。ほかのほとんどすべてのアプリケーションでは、サイズを変更するときに Shift を押していると画像の縦横比が維持されるので、Business Card Composer も同じだと思ったのだが、違った。試行錯誤の末に分かったことは、なんとデフォルトで比率が保たれ、Shift を押すとその制約がはずれるのだ。

同様に、当然あるだろうと思った機能がなくて困惑することもあった。各要素を横に整列させることはできるのだが、縦に整列させることができない。オブジェクトをキャンバス上で動かすと、整列用のガイドが現れるが、整列できるのは要素を囲むボックスの端だけだ。テキストブロックの場合、ベースラインを整列できた方がはるかに役に立つ。また、テキストをスモールキャピタルにする方法も分からなかった。(SOHO Business Cards にはこれらの制限はない。)

このようにちょっとした不満はあるが、Business Card Composer は全体的にかなりよくできている。キャンバスを、複数の名刺に共通の要素を置くための背景レイヤーと、それぞれの個人に特有の情報を置くための前景レイヤーとに分けられるというのは役に立つ。さらに、1つのファイルの中に、名刺の裏表両面のデザインを含めることができ(私たちは TidBITS と Take Control のために両面を使うことにした)、クリック1つで裏表を切り替えることができる。

アドレスブック のデータを追加するには、個人を選択し、その人物のカードから読み込まれた実際のデータ(全て編集可能だ)を使って名刺をデザインする。同じデザインを別の人の名刺にも使いたいと思ったら、クリック2回で、アドレスブック の別のカードを選択することができる。ただし、ある人のデータ(例えば電話番号)を編集し、別の人に切り替え、また以前の人に戻ると、編集内容は失われるので、気をつけなければならない。Business Card Composer の アドレスブック 入力欄は、アドレスブック に、名刺に載せたい情報ときっかり同じ情報が登録されているときに、うまく機能する。そうでなければ、手動でカスタムテキストを追加する方がよい。

TidBITS/Take Control 両面名刺のサンプルを白紙から何種類か作ってみた後で、私は自分の会社で使えるようなデザインを探してみることにした。1つ気に入ったものが見つかったので、私の連絡先情報を流し込み、色を少し変え、およそ5分で印刷の準備が整った。つまり、既存のデザインに満足できれば、必要な操作はそれだけ少なくて済み、プログラムの扱いもそれだけ簡単に感じられる。

SOHO Business Cards -- SOHO Business Cards は洒落たインタフェースを備え、グラフィックやフォント、テンプレートのライブラリもずっと充実しているので、私はこちらの方が気に入るだろうと思った。しかし、実際に使ってみると、恩恵を受けるよりも落胆することの方が多かった。

例えば、私がすぐに腹立たしいと感じたのは、Design パネルで要素の大きさや位置を変えるときに、アドレスブック から読み込んだテキストがそのまま見えるのではなく、テキストが流し込まれる場所を表すブロックしか見えないということだ。デザインの中で実際のテキストがどのように見えるのかを知るには、(編集できない)Preview パネルに切り替えなければならない。Design 画面では、ブロックに連絡先情報を入れたときに、最終的にどのように見えるのかがほとんど分からないから、デザインをしているあいだ、絶え間なくパネルを切り替えることになり、本当に煩わしい。

SOHO Business Cards には、特別な Fields パレットがある。これは、レイアウトや文字構成を詳細に調整するためのものだ。例えば住所欄のテキストが長すぎたときの処理を、ボックスが左または右に広がるのか、あるいはテキストを縮小してブロックに収めるのか、設定できる。私の場合、住所のうちの1行だけがほかの行よりもずっと長いので、後者の選択肢がよいように思えた。しかし、Preview パネルに切り替えてみると、住所のうち長い1行だけが縮小され、ほかの行は元の大きさのままだった。これにはがっかりした。

SOHO Business Cards は、アドレスブック のデータを読み込んでフォーマットするのに、基本的にいわゆるスマートフィールドを採用しているのだが、これが実際のところ、的をはずしている。基本的な考え方としては、アドレスブック の必要なデータの組み合わせと正確に一致するスマートフィールドを選び、その属性を設定して、あとはそれぞれの個人毎にデータが勝手にフォーマットされて自動的に表示されるのを見守ればよいというものだ。ところが、残念なことに、SOHO Business Cards には複数の人物の名刺を1度に印刷するための簡単な方法が用意されていない。どんな名刺のデザインでも、データを流し込むには、アドレスブック の個人を手動で選択しなければならない。さらに、アドレスブック から読み込んだデータを編集することもできない。うまくあてはまらないものがあれば、アドレスブック のデータ自体を変更するか、カスタムのテキスト欄を手動で挿入しなければならない。別の言い方をすれば、SOHO Business Cards のデザインは、ある面では繰り返し変化するデータに最適化されており、別の面では、ある特定のデータで作業することを前提としている。この2つのデザイン要件は、全く矛盾している。

SOHO Business Cards の明るい面を見るなら、優れたグラフィックアプリケーションに期待される水平・垂直の整列機能が完全に備わっており、グラフィック要素のレイアウトが容易にできる。また、文字構成の調節も細かくでき(Business Card Composer とは大違いだ)、任意の要素に対し、ドロップシャドウや透明度、回転といった属性を簡単に設定できる。Business Card Composer では、キャンバスの拡大表示はいくつかの決められた倍率から選ぶことしかできないが、SOHO Business Cards にはスライダーがあって、任意の倍率に瞬時にズームすることができる。

しかし、結局のところ、私が望む成果を得るには、より多くの労力が必要だった。さらに、SOHO Business Cards は、両面名刺に直接対応していないから、表と裏それぞれを別々のファイルにする必要があった。また、付属テンプレートの多くはかなりよくできているが、私の会社に合うものは、1つもなかった。

印刷 -- 私のプリンタは、古びて寿命が尽きかけているインクジェットだから、どうにもこうにもくっきりとした文字を印刷することができず、したがって私が考慮すべき選択肢は、専門の印刷業者しかないということになる。これについては、SOHO Business Cards と Business Card Composer のどちらも、同じ方式を採用している。File > Print Online(SOHO Business Cards の場合)または File > Order Cards Online(Business Card Composer の場合)を選択すると、ファイルを PDF で保存して、推奨された印刷業者のいずれかに送信する方法を説明したウェブページが表示される。この方式はうまく行くとは言え、それぞれの印刷業者のサイトを訪れ、オプションや価格を勘案し、手動でファイルを送信する必要がある。iPhoto でフォトアルバムを作成してオンラインで印刷するような、もっとシームレスな印刷方式を望んでいたのだが、そういうわけには行かなかった。

最後に -- もしもどちらかのアプリケーションに付属するデザインで満足するつもりがあるなら、そしてもしも名刺に載せたい情報が アドレスブック のカードに書かれているものと同一であれば、どちらのアプリケーションでも、仕事をこなすことができるだろう。しかし、自らの手で独創的なものを作りたいと思うなら、Business Card Composer を使った方が、より簡単にできるだろう。Business Card Composer は、パッケージ版で 40 ドル、ダウンロード版で 35 ドルだ。私がテストしたのはダウンロード版で、パッケージ版よりもグラフィックやテンプレートが少なく、17.7 MB のダウンロードだ。SOHO Business Cards は 30 ドルで、17.7 MB のダウンロードだ。


求む: より良い書類協同編集システム

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

TidBITS のスタッフたちはこれまでに膨大な時間とエネルギーを費やして、私たちが協力して編集作業にあたるシステムをいかにしてもっと良いものに作り替えられるかと考え続けてきた。けれども、まだ私たちの必要や希望をすべて満たすような解決法を見いだすには至っていない。これまでにも、読者の方々からは検索ツールの設定(TidBITS-368 の“TidBITS 杯争奪 Macintosh 検索ツール決定戦”を参照)やコンテンツ管理システムの選定(TidBITS-675 の“コンテンツ管理システム選定にご協力を”を参照)などでいろいろな提案を頂いた。そこで今回は、私たちが今何を考えているかをご説明し、皆さんから何かよい提案を頂けないだろうかとお願いすることとしたい。

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=00721>(日本語)TidBITS 杯争奪 Macintosh 検索ツール決定戦
<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tbart=07143>(日本語)コンテンツ管理システム選定にご協力を

Near-Time という会社が、これら三つの問題にすべて対処できる Flow というプログラムを作っていた。そこでは“space”というインターフェイスが提供され、これが他の Flow ユーザーたちとインターネット上で共有された。それぞれの“space”はいくつかの書類を含み、これらの書類は標準の Cocoa テキスト編集ツールを使って作成できるとともに、追加のテキストコメントによっても支えられた。Flow はデフォルトでバージョン履歴追跡が扱えるようになっており、数分ごとに自動的にアップデートしながら一つの共有バージョンと別のものとの間の変更点も表示できた。いったんその記事が完成すれば、それを私たちの Web Crossing サーバ上のウェブログ上に MetaWeblog API を使ってポストできた。また、Flow では他の人がポストした記事を取り下げることもできた。

けれども Flow も完璧とは言えなかった。そのインターフェイスを使いこなすにはかなりの訓練が必要だったし、追加の機能(私たちから見れば不要とも思えるもの)もたくさんあってインターフェイスが混乱していた。それに肝心のところで大きなバグがいくつかあった。自分自身のサービスをコントロールできるようにしたいと思う私たちのような場合、さらに大きな心配事となったのは Flow が Near-Time 社のサーバに依存していて、SMTP と POP を利用してバージョン間の同期をとっていたことだ。さて、以上の説明にすべて過去形を使った理由は、Near-Time 社が必ずしも公式にサービスを終了した訳ではないものの、そのサイトには今はもうどこにも Flow の説明が見当たらず、現在この会社はその努力のすべてをウェブログ、wiki、カレンダー共有といったウェブベースのサービスに集中させているように見えるからだ。

<http://www.near-time.com/>

いずれにしても、私たちが現在していること、そして私たちがこれまでに思い付いた代替方法は、以下のようなものだ。

インターネットファイル保管サイト -- どんなに小規模でも、とにかくグループ内でファイルを共有しようとするなら、何らかの種類の中心的なファイル保管方法が必要となる。現在私たちが採用している方法は、静的 IP アドレスを持つ私の Mac の上で走っている AppleShare over IP に依存するものだ。このファイルサーバは、私たちチームの編集者たちの誰もがそれぞれのマシンに Finder でマウントすることができ、サーバ上には IN と OUT という二つのフォルダがある。編集を待っている状態のファイルは IN フォルダにある。誰かが現在作業中のファイルは OUT フォルダに移される。これら記事ごとのファイルにはそれぞれのファイル名にメタデータが含めてあって情報を見やすくしている。つまり、ファイル名の一部はバージョン番号で、これは一人の編集者が編集を加えるごとに一つずつ増やされる。また、それぞれの編集者は自分の編集作業が終わる度にファイル名の末尾に自分のイニシャルを書き加えることになっている。例えば、ファイル誕生時は DocumentCollaboration-1.ace という名前で IN フォルダにあったとすると、Jeff はそれに編集を加える際にまずそのファイルを OUT フォルダに移して、DocumentCollaboration-2.jlc という名前に直すというわけだ。このようにして、誰が最後にそのファイルで作業をしたかが全員の目に明らかとなり、またその人がファイルを IN フォルダに戻すまでは他の人が触ってはならないということもはっきりする。

この方法はかなりうまくいっているが、いくつかの問題もある。一番問題なのは AppleShare over IP をインターネット越しに使うと往々にしてトラブルに見舞われることだ。よくあるのは Finder でのトラブルで、ボリュームをマウントするとマシンがボリューム検索関係の作業をしようとする度に動作速度が極端に低下したりする。その上、動作の遅さのためにたいていの編集者がまずファイルを自分のマシンにコピーしてから作業をするようになり、それが余分の労力となるばかりでなくそのことに起因する間違いが起こる可能性さえある。

この問題を解決しようと、私たちは二つの方法を試してみた。一つはバージョンコントロールシステムの Subversion だ。彼自身プログラマーとして Subversion に馴染みの深い Matt Neuburg は、私たちのために共有保管場所を設定してくれ、Mac OS X で Subversion のクライアントとして主に使われる svnX と BBEdit を使うにはどうすればよいかについて私たち全員に指導もしてくれた。全体的に見て、Subversion の設定は技術的にはうまくいったが、Subversion の説明書が何度も力説してこれがどんな種類のファイルにも使えると書いているにもかかわらず、このシステムそのものがプログラマーたちによってプログラマーたちのために書かれているという事実がそこここに見え隠れして、使い勝手の面からはどうにもならないことがしょっちゅうだった。無料の svnX ではグラフィカルなインターフェイスが提供されているが、これはどうにも不細工なものだ。一方 BBEdit のインターフェイスはどうかといえば、こちらは基本的に似たような名前のメニューコマンドがずらりと並んだ長いリストに過ぎない。一番イライラさせられるのは、svnX にも BBEdit にも「いつでも自分のマシンにあるファイルを最新版に保ちたい」ということをさせる方法が備わっていないことで、そのため私たちは皆何度も何度も繰り返し手動でアップデート作業をしなければならない羽目になる。

<http://subversion.tigris.org/>
<http://svnbook.red-bean.com/>
<http://www.lachoseinteractive.net/en/community/subversion/svnx/features/>
<http://www.barebones.com/products/bbedit/>

私は、もう一つ可能な解決法を思い付いた。これはちょっと Flow に似た感じのもので、ウェブログエディタの Ecto だ。MetaWeblog API を使ってこれが適切に私たちの Web Crossing サーバを認識するよう設定すれば、Ecto が自動的に私たちのホストするウェブログをすべて表示し、新しい記事を作成したり既存の記事を編集したりするのも簡単にできるようになる。誰が最初にその記事を作成しても構わない。Ecto を使えば、私が個人的なウェブログの中で新しい記事を作って、それを Jeff が編集し、その後また私が文章を書き加えるということもできる。記事が完成したら、記事を一つのウェブログから別のウェブログへと転送できる手軽な方法も用意されている。Ecto はスケジュールに従って自動的にポストのリストを更新表示することはできないが、表示を更新させること自体は簡単だし、AppleScript を使えば自動化もできるだろう。インターフェイスも全体によく出来ている。(Ecto とほぼ同様の機能を提供する別のプログラムで MarsEdit というのもある。これは NetNewsWire で有名な Brent Simmons の作品だ。ただ、少なくとも表面的に見る限り、Ecto の方が少しだけ機能が充実しているようだ。)

<http://ecto.kung-foo.tv/>
<http://ranchero.com/marsedit/>

変更履歴の追跡 -- では、Subversion や Ecto ではどこがいけないのか? 実は、これらは両者とも変更履歴やコメントの追跡の点が問題なのだ。私たちは何人もの人が同じ記事を何回にもわたって編集しているので、変更履歴を手軽に見られる方法が必要だからだ。

現在のところ、私たちは Nisus Writer Classic を使っている。重要な変更点を緑色でマークし、(3個の星で始まる)コメント行は赤くすることに、私たちは皆慣れている。もちろん、この種の変更追跡方法は Microsoft Word が自動的にしてくれるようなものに比べれば手間はかかるが、多数のマイナーな変更のために段落がゴチャゴチャになったりしないし、どの変更を誰がしたかということで悩む必要もない。Word 書類ならば、何度か編集を加えるとたいていの場合色付き文字のオンパレードとなって、とても読めたものではないし、どの変更がいつ加えられたのかを判別するのも難しい。誰か一人が同じ記事に何回か編集の手を加えた場合、どの変更がどの時点での編集で加わったのかを他の人が見て取るのは不可能だ。それに、長年の私たちの経験では、Word の変更追跡のせいで実際は何の問題もないのに私たちが互いに敵対的な気持ちになる(「いったい何であいつはこの単語を変えちまいやがったんだ!」)こともしばしばあった。その上、Word の承諾・拒否のやり方は普段私たちがするやり方とうまくマッチしてくれない。私たちは普段、良い変更はすべてそのまま受け入れる(だからいちいち手動で承諾する必要はない)し、悪い変更はより良いもので置き換えようとする(変更をただ拒否することはあまりない)ものだからだ。

その点、Flow は正しい挙動をしてくれた。同じ書類のそれぞれのバージョンをすべて共有した形で保存し、どの二つの書類にも適用できる書類比較機能を提供していた。もちろん完璧なものとは言えなかった。時にはほんの一つか二つの単語しか違っていないのにその段落全体が入れ替わったと主張するようなこともあった。でも、結構うまく動作していたように思う。中でも気に入っていたのはいつでも好きな時にバージョン同士の比較ができたことだ。ただ、それらの変更点は Word で通常されているように常時目の前に見えて表示されるという訳ではなかった。(もちろん Word の変更追跡表示方法を変えられることは知っているが、あれはどうにも気のきかない機能だ。)

Subversion はと言えば、これはプログラマーたちがコードを共有するために作られたものなので、書類の複数のバージョンを管理する機能が素晴らしい。けれどもいくらすべてのバージョンが存在しているといっても、それらの間の違いを見ることのできる良い方法がなければ何にもならない。BBEdit はもちろんファイルの比較ができる。けれどもこれは行単位の比較にすぎず、しかも比較の結果は最新バージョンの書類とは別のウィンドウの中に表示される。散文体のテキストにおいては行というのは段落のことなので、たとえコンマを一つ追加しただけであってもその段落全体が変更されたものとして表示されてしまう。また、Apple の developer tools に付属のユーティリティの一つに FileMerge というのもあるが、こちらはテキスト編集環境としてはあまりにもお粗末なので使い物にならない。それより何より、BBEdit も svnX も、一つの書類のいろいろなバージョンすべてを集めてそれらを比較したいと思っても、そういう関係のインターフェイスでまともなものは全然提供してくれない。

BBEdit では個々の文字の書体などを独立にコントロールすることができないという事実を嘆きつつ調べているうちに、私たちは BBEdit にいくらかのテキストカラー付け機能があることに気付いた。ただしこのカラー付けは問題の書類が特定のプログラミング言語あるいは HTML のようなタグ付け言語で書かれている場合にのみ働く。BBEdit 8 においては、このカラー付け機能が「コードレス言語モジュール」を使ってカスタマイズできるようになった。それらのモジュールはシンプルな XML ファイルであって、BBEdit が認識できるようなタグを定義するものだ。そこで私は .tb で終わる名前のファイルでは3個の星で始まる行はコメント行であり、バックスラッシュ(この微妙な文字は基本的に TidBITS の中ではまず使われることがない)に挟まれた部分のテキストをカラー付けする、という規則を定めるコードレス言語モジュールを作ってみた。基本的にこれで Nisus Writer Classic でしていたものと同等のことが再現できるようになったのだが、重要な変更の前後にはいちいち手でバックスラッシュを入力しなければならなかったし、最後に忘れずにそれらを削除する手間も必要だった。結局、これは確かに実行可能な解決法ではあったが、手間のかかる点が理想とはほど遠かったし、全体的にエレガントでない感じが否めなかった。

Ecto の方にはバージョン管理機能が全く無い。だから、一つの書類の中で変更を追跡しようと思えば Nisus Writer で使ったテキストカラー付けを使うのが唯一の道だ。もちろんこれも実行可能だが、いちいち Colors パレットを使ってテキストに色付けするのはどう見てもうまいやり方とは言えない。カラーを適用するためのキーボードショートカットを指定する方法があるのかどうか私はよく知らないが、とにかく私はすぐには思い付けなかった。私たちが次世代のコンテンツ管理システムに組み込むべきものとして計画していることの一つは、記事の複数のバージョンを管理できる能力だ。(Web Crossing は wiki プラグインによって既にこの能力を備えている。)この能力があれば、編集段階においてもいろいろと役立つことがあると思う。

最終フォーマット -- 問題の第三点は、私たちが書く文章のフォーマットを選ぶことと、そのフォーマットがどのように私たちのコンテンツ管理システムとの間で相互作用して働くのかということだ。現在、私たちは Nisus Writer Classic でさまざまのスタイルを使っており、それぞれの号で Geoff Duncan が最終編集作業を終えた時に、私がずいぶん昔に書いた Nisus マクロを使って彼がその号のスタイル付きのファイルを setext (structure enhanced text) フォーマット(電子メールで配付すべきもの)と HTML 版とに変換し、さらに彼が HTML 版を彼のデータベースに読み込む、という手順になる。(電子メールで配付される HTML 版や、テキストや HTML のアナウンスメント版は、すべてこの彼のデータベースから生成されている。)私のマクロが正しく働くためには私たちが文章を書く際に非常に厳密な正確さでスタイルを使わなければならないということが条件なのだが、スタイルを適用する作業はとても簡単で、スタイルが適用された書類を編集するのも何の問題もない。ただ、不幸なことにこの私たちのシステムは全面的に Nisus Writer Classic に依存しているのだが、Intel ベースの Mac が Classic をサポートしていないことを考えれば、もうそろそろ Classic アプリケーションに依存し続ける訳にも行かないのだろう。

この部分の問題を考え直すうちに、記事そのものを最初から HTML で書くのも良い方法ではないかという考えも浮かんだ。HTML というのは既に一般的なフォーマットと言えるものだし、次世代のコンテンツ管理システムにも現在のものにも、いずれも容易に読み込めるだろう。けれどもやはり私たちはすべてをフルの HTML コードで書くというのは気が進まない。なぜなら編集作業が難しくなるし、エラーの可能性も増えるからだ。それだけでなく、電子メール用の setext のようなシンプルなフォーマットに HTML を変換するのも、難しい作業になる可能性が高い。

Ecto は、スタイル付きのテキスト編集が可能で、記事のポストの際に HTML を送り出すことができるという点でこの問題に対処している。けれども例えば setext のようなものに変換する部分はサーバ側の機能として持っておく必要がある。次世代のコンテンツ管理システムではそのような機能もたぶん実現されるだろうが、現時点ではスタイル付きテキストから HTML への変換のみで、それだけではあまり役に立たない。

また、私たちは Nisus Writer のスタイルの代わりに、setext によく似たものを使って書くことも考えた。John Gruber が setext をもとに作った Markdown 言語だ。John は書く人が使いやすいようにということを重視してこれをデザインし、また彼は BBEdit にインストールできる Perl スクリプトで Markdown フォーマットを HTML に変換するものも提供している。その上、Ecto は記事のプレビューの際に Markdown も自動的に理解してくれるらしい。だから、もしも私たちが Ecto のスクリプトを書いて Markdown を setext に変換するようにし、加えて私たちの次世代コンテンツ管理システムに Markdown のサポートを追加すれば、私たちの手に現在も未来も両方とも働く解決法がもたらされることになるかもしれない。これはなかなか良い方法に思えるが、ただ私たちのシステム全体を変更するにはかなりの労力がかかるので、本当にこれがベストな解決法だと確信が持てるまでは実行に踏み切る勇気が出ないでいる。

<http://daringfireball.net/projects/markdown/>

すべてを統合する -- もしも決断を今日下さなければならないのだとしたら、私は個人的なウェブログをインターネットファイル保管サイトとして選び、記事の編集は Ecto で、Markdown フォーマットに変更追跡用のカラー付けを使う、という道を選ぶだろう。リリース用の setext 版および HTML 版の号は、当面 BBEdit の中で Text Factories を使って生成し、いずれ私たちのコンテンツ管理システムが半自動的にそれらの号を生み出してくれるようになる日を待つことになるだろう。

けれども、これらいろいろのプログラムを検討すればする程、私はますます細かい問題に神経質になってしまう自分に気付く。そして、もっとうまく働いてくれる他の道はないのだろうか、とますます思い悩むことになる。例えば、私は Ecto が記事を編集のために BBEdit へ送ることができるのを気付いているが、そこで実行されるデータ転送の方法では、HTML で問題を起こす可能性のある文字が常に変換を受けてしまうのだ。例えば私たちがブラケット文字“<”や“>”を使いたいと思っても、TidBITS の setext 版ではそのままの文字として使うことができなくなってしまう。

最近の MacNotables ポッドキャストで私が Chuck Joiner と対談した時、リスナーの人たちからいくつか提案を頂いた。まだ時間がなくてそれらを充分に検討できていないが、なかなか有望に思えるものもある。中でも、37signals の Writeboard と AdventNet の Zoho Writer に私は注目している。ただ、後者は Mozilla ベースのブラウザ、つまり Firefox や Netscape のようなものの中でしか働かない。これら二つの候補のどちらも、基本的にはオンラインのワードプロセッサなのだが、そのことがまた私にいろいろな疑念を呼び起こす。本物の Macintosh テキストエディタでなくウェブブラウザの中でものを書くというのは大丈夫なのか? そのサービスは日中の繁忙時にも充分に安心して使えるか、また長い目で見て信頼できるか? それから例えば飛行機の機上など、高度にオフラインの環境で作業をしなければならない時、もしもトラブルが起こったらどうなるのか? と。

<http://www.macnotables.com/archives/2006/631.html>
<http://www.writeboard.com/>
<http://www.zohowriter.com/>

だから、皆さんからのご意見や、私たちが見逃しているかもしれない別の解決法の提案など、ぜひとも皆さんの声を聞かせて頂きたいと思っている。どうか遠慮なく、直接私への電子メールでお送り頂きたい。必要に応じてそのいくつかを、さらに皆さんの議論の題材とするために TidBITS Talk に転送させて頂くかもしれない。皆さん、どうぞよろしくお願いします!


Take Control ニュース/03-Apr-06

文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

"Macworld Digital Photography Superguide" リリース -- 私たちの最新刊の電子ブックは、これまでに出してきたものとちょっと違っている。それに実際のところ、これは Take Control でさえないのだ! その代わりに、これは Macworld Magazine で働く私たちの友人たち(その中には Take Control 電子ブックを書いてくれた人も混じっている)の著作物だ。その名も Macworld Digital Photography Superguide(デジタル写真スーパーガイドブック)と言い、広大なるデジタル写真の世界について Macworld 誌がこれまでに取り上げた選りすぐりの記事を集めた 102 ページのコレクションだ。全部で 21 もの詳しいセクションに分かれており、それらを読めば、素晴らしいショットを撮る方法、iPhoto から Adobe Photoshop までいろいろな画像編集ツールを使ってさらに素晴らしい写真に仕上げる方法、あなたの手のひらに収まるものの中に写真を保存して、それらを万一の災難からも保護する方法などが学べる。

さて、ここで皆さんはどうして私たちが自分で本を書く代わりに Macworld の出した本を販売したりするのかと不審にお思いのことだろう。答は簡単だ。彼らの作った本があまりにも素晴らしいので、彼らの努力を私たち自身で再び繰り返すよりも、互いに協力して事にあたる方が得策だと考えたのだ。

この Macworld Digital Photography Superguide は格好の良いフルカラーのレイアウトを誇り、多数の写真も含まれていて、良い電子ブックにあるべき機能、例えば内部リンクやブックマーク、参照すべきウェブサイトへのリンクなども充実している。でも、本当に価値があるのはその内容で、そこにこそ本物の輝きがひそんでいる。これを読めば皆さんもたくさんのことを学べること請け合いだ!(ぜひ、無料の 15 ページサンプルをダウンロードして、読んだり印刷したりしてみて頂きたい。私たちの Take Control 電子ブックのデザインとはかなり違った見かけになっているからだ。)

私たちはこの電子ブックを単独でも、また私たちの 107 ページの電子ブック Take Control of Buying a Digital Camera との特別バンドル販売(25% 割引)でも販売している。こちらの電子ブックの方は従来からの Take Control 定番スタイルでデジタルカメラの購入プロセスに関する詳しい議論を展開している。

<http://www.takecontrolbooks.com/mw-photo.html?14!pt=TRK-0033-TB24-TCNEWS>
<http://www.takecontrolbooks.com/buying-digicam.html?14!pt=TRK-0015-TB824-TCNEWS>(日本語)Take Control Ebooks: あなたの知りたいことがすぐわかる


TidBITS Talk/03-Apr-06 のホットな話題

文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

各話題の下の1つ目のリンクは従来型の TidBITS Talk インターフェイスを開く。2つ目のリンクは私たちの Web Crossing サーバ上で同じ討論に繋がる。画面上の見栄えが異なるほか、こちらの方が高速のはずだ。

Creative Commons ライセンスがオランダの裁判所で支持される -- 先週 Adam の紹介した裁判について、ある読者が詳しい情報を伝える。(メッセージ数 1)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2945>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/777/>

Apple 対 Apple についてコメント -- Apple Corps が Apple Computer に対して起こした訴訟について書いた Geoff Duncan の記事からこの裁判についての議論が盛り上がる。Apple が iPod に音楽をプリロードしない理由も話題になる。(メッセージ数 9)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2946>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/778/>

10.4.5 でプリンタをリセットするには? -- Tiger 下で正しく応答しなくなったインクジェットプリンタがある。この問題を修正するため、読者たちからいくつか提案が寄せられた。(メッセージ数 3)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2947>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/779/>

Apple と iTunes とフランス、その真実 -- Apple が FairPlay DRM を公開するか、またはフランス市場から iTunes Music Store を撤退させるかせざるを得ないとも思われる法律案がフランスで提起されていることを検討した Kirk McElhearn の記事について、読者たちが議論する。(メッセージ数 6)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2948>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/780/>

ハードドライブのバックアップと Retrospect -- バックアップについてこれまでのんきにかまえていたという読者が、Retrospect、Mac OS X、それに最近のハードドライブという組み合わせについて体験談を募っている。(メッセージ数 4)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2950>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/782/>

ポッドキャスト用の独立録音機の中でベストは -- 外出先で PowerBook や iBook を持たずにオーディオを録音しようと思うなら、録音ユニットについてのこれらの提案をぜひご検討あれ。(メッセージ数 5)

<http://db.tidbits.com/getbits.acgi?tlkthrd=2951>
<http://emperor.tidbits.com/TidBITS/Talk/783/>


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Tiger でのファイル共有、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther でのユーザとアカウント、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther のカスタマイズ、TidBITS 翻訳チーム訳
Panther へのアップグレード、TidBITS 翻訳チーム訳

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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2006年 4月 8日 土曜日, S. HOSOKAWA