TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#857/04-Dec-06

今週は色とりどりのコンテンツが揃った。まず Joe Kissell が、垂涎の的となる可能性を秘めた新登場のベータ版 Parallels Desktop のベールを剥がし、Glenn Fleishman は Apple の最新の Security Update について説明する。また、Adam は Magellan RoadMate 3000T/6000T カーナビ GPS 機器について詳しく検討する。さらに、Adam は PopChar X 3.1 がリリースされたニュースと、彼と Andy Ihnatko が Microsoft の Zune 音楽プレイヤーについて語った楽しい MacNotables ポッドキャストについてもお伝えする。それから、今週は Take Control 関係のニュースも多数あって、その目玉は“Macworld iPod and iTunes Superguide”の第二版、“Take Control of Podcasting on the Mac”のアップデート、それにホリデーセールのお知らせもある。

記事:


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Holiday 2006 ギフトアイディア募集締切り間近

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

私たちは年末ギフトアイデアの取りまとめにかかっているところだ。なので、投稿を遠慮しておられたあなた、どうぞ 2006 年 12 月 6 日までにもう少し提案を寄せて下さい! 例年と同様、アイディアはすべて TidBITS Talk で受け付けているので、あなたの提案をtidbits-talk@tidbits.com あてに送るか、または TidBITS Talk ウェブフォーラム で投稿して頂きたい。その際、どうか HTML ではなくプレインテキストのフォーマットを使って頂くようお願いしたい。カテゴリ別のスレッドもすでに設定してあるが、一般的なソフトウェアとゲームについてのアイデアがちょっと手薄なので、特にお願いしたい。一つのメッセージには一つの商品かアイディアだけに限ること、推薦する理由、URL かその他のコンタクト情報をつけて、そして自分の製品を推薦するのは控えて欲しい。よろしくお願いします!


Andy Ihnatko と Zune を唄う

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Microsoft の Zune 音楽プレイヤーはまだほとんど店頭に出てもいないが、既にあちこちから猛烈な非難攻撃に晒されていて、私ですらもちょっと可哀想という気がし始めているくらいだ。でもそれは単に「し始めている」というだけのことで、私はつい最近の MacNotables ポッドキャストで Andy Ihnatko と Chuck Joiner と共に、私たちなりの疑念を表明しておいた。Microsoft はいったいなぜ、妥協と混乱と衝突との集合体を、こんな風に平凡な茶色のパッケージの中に束ねてリリースすることができたのだろうか、と。このポッドキャストを聴いて皆さんが何か役立つことを学べると言い張る気はないが(あなたが自分で Zune に向けて攻撃演習する時のための弾薬を補給したいのならば別だが)私たち自身これを録音しながら楽しい時を過ごしたし、その結果は皆さんにも楽しんで頂けると思う。


PopChar X 3.1 が Pages のサポートを追加

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>

Ergonis Software は、Apple の Pages 2.0 以降のための自動フォント検出を付け加えた PopChar X 3.1 をリリースした(2006-07-03 の " PopChar X 3.0 が便利さを改良 " 参照)。特殊文字や HTML シンボルを見つけたり挿入したりするための Ergonis のユーティリティに加わった他の新機能は、より洗練されたテクニックによって表示フォントの最良のサイズを選ぶものや不正なフォントの探索、キーボードでのレイアウトを変更したときの反応の高速化などだ。PopChar X 3.1 は 他にも多数のバグを修正しており、明らかにアップデートする価値がある。無償アップデートは 1.5 MB のダウンロードで新規購入の場合は $30 だ。


Apple、AirPort カードドライバの脆弱性にパッチを当てる

  文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
  訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>

先週、Apple は、同社の初期型 AirPort(日本では AirMac)カードのドライバにあったセキュリティ脆弱性にパッチを当てた。Mac OS X 10.3.9 および10.4.8 用の Security Update 2006-007 に含まれる修正の1つは、近くにいる攻撃者がある特定の状況下でカーネルパニックを引き起こし Mac をクラッシュさせることができるという欠陥を正すものだ。Apple の警告によれば、この攻撃によって、ある種のソフトウェア・ペイロードをコンピュータに送り付け、それを何の妨げもなしに実行させる、いわゆる任意コード実行の危険性があった。先月、私たちがこの脆弱性を取り上げたが(2006-11-06 の " もう一つのマイナーな AirPort 脆弱性が暴かれる " 参照)、その時点では、この脆弱性の発見者はペイロードがありうることを示唆するにとどまっていた。ほかにも多くの脆弱性にパッチが当てられている。

6つの互いに異なるアップデートが用意されている。10.3.9 の クライアント サーバ 、10.4.8 PowerPC の クライアント サーバ 、10.4.8 Intel の クライアント サーバ にそれぞれ1つずつだ。ソフトウェア・アップデートを使えば、その Mac に合ったものを判別してくれる。

この AirPort 脆弱性が悪用されるのは、AirPort カードが、付近に利用可能なネットワークがあるかどうか知りたいという信号を送出しているところに、アクセスポイントが自らの名前などの情報を知らせるさいの応答を模して巧妙に作られた応答を受信したときだ。このパッチによって、そのような応答が認識されるようになり、エラーを引き起こすことがなくなる。この脆弱性は初期型 AirPort カードにのみ存在することに注意しよう。このカードは、1999 年から 2002 年のあいだに発売開始された Mac に内蔵されており、それらのMac 用に 2004 年ごろまで販売されていた。2003 年 1 月以降に登場したモデルに対応する AirPort Extreme カードのドライバには、この脆弱性がない。(数少ない Mac OS X 10.2 以前のユーザは、もう2年以上も、AirPort カードアップデートから見放されている。)

Security Update 2006-007 がパッチをあてる脆弱性の多くは、コンピュータに物理的にアクセスできるローカルユーザに付け入れられるものだ。ただし、リモートユーザが攻撃できる脆弱性も若干ある。たとえば、Mac OS X 内蔵FTP サーバの脆弱性により、リモートユーザが、攻撃対象のコンピュータにどのユーザが有効なアカウントを持っているか知ることができた。また、Samba(Windows ファイル共有)が受信した要求を処理するさいのエラーによって、攻撃者がこのサービスに侵入する可能性があった。

今回パッチがあてられた中で、重大な脆弱性の1つに、悪意を持って作られたウェブページを含むウェブサイトを Safari で訪れると、Mac OS X がクラッシュするか攻撃を受けるというものがある。この脆弱性は、WebKit と呼ばれる、システム全体で HTML のレンダリングと処理に使われている基本的なソフトウェアに存在する。このソフトウェアは、Safari や多くのサードパーティー製アプリケーションで使われている。今回の修正により、文書が正しく解析されるようになった。奇妙なことに、この問題についての記述は、2006年 8 月 1 日にリリースされた Security Update 2006-004 のものと同一だ。


Parallels Desktop 先行版を公開

  文: Joe Kissell <joe@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>

先週、Parallels は同社の Parallels Desktop 仮想化ソフトウェアの 新しいベータ版を発表した。このソフトウェアは Intel Mac の所有者が Mac OS X 内で殆どどのバージョンの Windows でも走らせられるようにする。この発表があった時、私は私の本 "Take Control of Running Windows on a Mac" の改訂版の作業をやっている最中であった。従って、かなりのページを追加しなければいけない状況となった:このアップデートは素晴らしい。

Build 3036 の多くの新機能の中で最も目に付くものは、あなたが Boot Camp を使ってインストールした Windows XP を直接走らせられる事である。これまでは、別個の Windows をインストールした仮想マシンを別に用意しなければならなかった。このベータで追加されたのは、スクリーン解像度を自動調整する機能のついた大きさが可変の主ウィンドウ;既にインストールされている Windows (Virtual PC を使ってのものも含んで) を Parallels に移行させる;Windows と Mac OS X 間での drag-and-drop;Coherence と呼ばれる機能で、Windows アプリケーションを Parallels のウィンドウから "逃れ" させて Mac OS X ウィンドウと並んで共存させる;その他の数多くの改良がある。

これまでは、Mac 上で Windows を走らせたいと思う人は潜在的に難しい決断をしなければならなかった。Boot Camp 下で Windows をインストールすれば、オペレーティングシステムを切り替える度に再起動しなければならない。或いは Parallels Desktop の様な仮想化ソフトウェア下で Windows をインストールする手もあるが、これだと Mac OS X 内で走ることになるのだが Boot Camp 下での様に速くは走らない;それに 3D グラフィックスや一部の周辺機器のサポートが欠けている。Boot Camp と Parallels Desktop の両方の下で一つの Windows インスタレーションを使うというのは不可能なことで、どうしても両方の環境が必要という人は Windows を二回インストールする必要があった。こうすることはディスク容量をかなり必要とするということだけではなく、ライセンスとその有効化(アクティベーション)という潜在的に厄介な問題を提起することとなる。Windows XP の小売り用バージョンに対する標準の Microsoft End User License Agreement (EULA) は、同一のコンピュータに一つのコピーを使って両方のやり方でインストールすることは公式には許していない。例え誰かがそんなことは無視してしまえと思っても、Windows の有効化メカニズムが問題を提起するであろう。一つの環境で、与えられた Product Key を使って一つの Windows を有効化した後、もう一つの環境でそれを再度有効化することは出来ないであろう、この二つは物理的に同一のコンピュータ上に存在しているにもかかわらずである。この問題は Microsoft に電話一本かけることで解決できたという人もいるが、法律の文字通りで行こうと言うのであれば、Microsoft の期待するところは、このような使い方をするのであれば二つの別個のコピーを購入して欲しいということである。

この新しいベータはこの方程式を変えると約束するものである。通常のように Boot Camp で Windows XP をインストールした後、Parallels Tools for Boot Camp (このベータに関する最初のフォーラム投稿にリンクがある) と呼ばれるパッケージをインストール出来る。次に Mac OS X を再起動して Parallels を走らせる時、ディスクイメージを使わずに自分の Boot Camp パーティションをその保存場所として使う新たな仮想マシンを設定する事が出来る。そして少なくとも理屈の上では、それだけのことなのである:あなたは一つの Windows コピーを持ち、それを二つのやり方のうちのどちらかで使える。もしこのやり方がうまく行くのであれば、事実上自分のケーキを持ちかつそれを食べられるということを意味する。(しかしながら、こうすることで Parallels Desktop のディスクイメージファイルの持つ動的にリサイズ出来る機能をあきらめて、静的な Boot Camp パーティションサイズで我慢せざるを得ないこととなる。)

残念なことには、このベータ版ではまだこの有効化問題を解決できていない;事実、今のところ事態は却って悪くなっているように見える。問題なのは、Windows を有効化する時、それが現在走っているハードウェアに対してのみ有効化するという事実である。一つの Windows コピーを同じ Product Key を使って異なったハードウェア上で使おうとすれば、Windows はあなたがそれを異なったコンピュータにインストールしようとしていると想定する (これは EULA に違反する);その結果、再有効化を促すメッセージが現れる。Parallels Desktop は仮想コンピュータのハードウェアの一部をエミュレートするので、Windows の側から見ると、それが走っているコンピュータは Boot Camp を使っている場合と、Parallels Desktop 下で走っている場合ではかなり違うのである。

結果的には、Parallels ディスカッションフォーラムは以下の様な展開になる苦情で溢れている:Parallels Tools for Boot Camp をインストールして新たな仮想マシンを設定した後、ユーザーは Windows を再有効化するよう要求される可能性がある - 通常はこれは単にリンクをクリックすれば済むだけの事なのだが、どうも時としては Microsoft へ電話を一本かけることも必要となるらしい。(少なくともこの程度の事はベータのリリースノートに書いてあるので、驚きではないであろう。) しかしながら、同じユーザーが今度は Boot Camp を使って直接 Windows へと再起動すると、Windows は再有効化するよう要求してくる。少なくともユーザーの中には、Boot Camp と Parallels Desktop との間で切替をする度にこの過程を繰り返さねばならないとしている人もいる。この再有効化の過程も一回だけで済むのであればそれはそれで仕方ないと思う人は結構多いと思うが、毎回繰り返さなければいけないとなるとこれは大変な問題であるし、それに電話をかけることも加わるようではなおさらである。

同様に、Parallels は仮想マシンとしてインストールされた Windows の既存のコピーを Boot Camp パーティションへと移動させる方法を、再有効化の必要のありなしにかかわらず、今の所提供していない。従って、既に Parallels Desktop 内に Windows をインストールしてある状態でこの新しいシステムに移行したいと言う場合は、かなりの努力を投入する覚悟が必要のようである。

勿論、これは未だベータ版であり多少問題があるのは予想されている。Parallels の関係者の一人によれば、同社はこの再有効化問題について取り組んでいる最中であると言う。彼らが何時どのような形でこの問題を解決できるのかは不明だが、Parallels ディスカッションフォーラムではこの問題は "致命的" と称されているので、私は最優先事項として取り上げられていると期待する。このベータ版では、この他に Windows パーティションが NTFS ではなく FAT32 ボリュームとしてフォーマットされていると色々な問題があるらしい;Parallels はこれはバグの一つであり検討中であるとしている。

Parallels はこの新しいバージョンが何時ベータ段階から離れる事が出来るかについては明らかにしていないが、いずれにしてもこれは既存のユーザーに対しては無償のアップデートとなるであろうと言っている。更に、もっと大きなアップグレード - バージョン 3.0 - も 2007年の初期には出される予定となっている。


Magellan RoadMate 3000T/6000T 下り坂に向かう

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

カーナビゲーション GPS 機器をレビューした私のこれまでの記事の数々を読んで下さった方ならばご存じだろうが、私はこのテクノロジーの根っからのファンだ。知らない地方に行って運転することが多いという人なら誰にでも、私は喜んでこういう機器をお薦めしたい。また、自分はどうも方向音痴で、比較的よく知っているはずの町でも交差点で曲がる方向を間違えたりすることが多いという人にも、これはかなり役に立つものと言えるだろう。(もちろん、何でも行き過ぎてしまう人はいるもので、ある「盲目的に信じ過ぎる」ドライバーが GPS の指示に従って運転していたら仮設トイレに突っ込んでしまった、という話が、ドイツ人ドライバーの体験としてオーストラリアの新聞に載ったとイギリスのウェブサイトに書いてあったのには、私も大笑いしてしまった。)

(日本語) 迷いの予感? GPS 概論 GPSy で木立の中のドライブを GPSy 3.0 新機能を披露 インターネットで体を動かそう: みんなで宝探しを! 宇宙からの指示:GPS カーナビ NYC のカオスに秩序を: Garmin StreetPilot c330 Garmin Forerunner GPS と走る Magellan RoadMate 700 でドライブに出る Magellan RoadMate 760 GPS、おもむろに口を開く Garmin StreetPilot 2720、カーナビの好感度を上げる

GPS ナビゲーションの便利さがしみじみと実感できる一方で、このテクノロジーが時間経過と共にますます進化しつつあるという感覚も、私の中につのってきた。このテクノロジーの進化は本当に目覚ましい。道路名の音声読み上げや、渋滞時の自動迂回機能なども登場してきたし、これらの機器が成熟期を迎えるに従ってさらに新しい機能も加わってきている。

そうした事実こそ、これは痛いほど残念なことなのだが、私が過去にテストした GPS 機器たち、例えば(今は以前よりさらに安くなっている)Magellan の旧機種 RoadMate 700 や 760(2005-08-08 の記事“ Magellan RoadMate 700 でドライブに出る”と 2005-11-21 の記事“ Magellan RoadMate 760 GPS、おもむろに口を開く”参照)と比べて、$600 の Magellan RoadMate 3000T や、その上級機種で $700 の RoadMate 6000T に、私が以前ほどの好意を感じられなかった原因なのだ。そこまでのお金を出すならば、私としては新しい 3000T や 6000T を買うよりも安売りの 700 か 760 を探す方がずっとお買い得だとお薦めしたい。

正当なる進化 -- 私は決して、これらの新機種ユニットに何も良いところがないなどと言っているのではない。そんなことを言ったら、特に 6000T の方については大いに事実と反することになる。これら両機種が最もはっきりと自己主張したい点は、その機種名にある T という文字に集約されている。これは“TrafficKit”の頭文字で、これらの機器がルートの計算の際に道路の渋滞状況を考慮に入れるようにできるというものだ。この 6000T の場合は車のダッシュボードの上にくねくねと伸びるアンテナを追加すればよいだけだ。3000T の方は $150 で追加のドングルを購入してそこにアンテナを接続しなければならない。どちらの機種の場合も、TrafficKit サービスを購読することが必要になる。これは 6000T では 3 ヵ月間無料で、3000T では(ドングルを購入した場合)15 ヵ月間無料となり、無料期間が過ぎれば年額 $60 かかる。この TrafficKit はアメリカ合衆国内のいくつかのメジャーな大都市圏においてしか動作しないが、最も渋滞がひどいのはこれらの地域なのだとも言えるだろう。

(今回の記事で 3000T と 6000T の両方をレビューしようとしているのには理由がある。私のところに送られてきた 3000T のレビュー用ユニットには現行の新しいソフトウェアが付いていなかったため、TrafficKit が使えなかった。そこで、Magellan はインストールのために Windows PC が必要となる新しいソフトウェアを私に送る代わりに、新しい 6000T のユニットを送ってきてくれたのだ。そう、Magellan や Garmin の他の機器と同様、これらのユニットもまた、Mac との間で通信することが一切できない。ただし、私のテストに関して Mac 互換性があったら便利だったろうにと思えたのはこの時が初めてだったのだが。)

どちらのユニットも、充電可能バッテリを内蔵している。これはとても有難いことだと私は心から思う。これのお陰で、家の中で(住所を入力したりするために)使ったり、あるいは自動車のエンジンを切っている時に使ったりもできる。実際私の経験ではこれら二つの使用パターンはよくあることだったから。残念ながら AC アダプタは別売のアクセサリだが、たいていの状況では付属の車内充電器で十分だろう。

私の 3000T には曲げ伸ばしできるアームの付いた安っぽい吸盤のマウントが付いていたが、6000T に付いていた関節付きウインドシールド型の吸盤マウントの方がずっと良い感じだった。また電源プラグと TrafficKit のアンテナもマウント部分に差し込むようになっているので、車を駐車場に置いておく時などに GPS 機本体を取り外して仕舞い込んだりするのが楽になる。

これは Garmin に追い付いた機能で嬉しい改良点だが、どちらのユニットもあなたのまわりの地域を 3D 俯瞰表示できるようになった。従来の Magellan の平面図表示に比べて、ずっと直観的で見やすくなっていると思う。(従来通りの平面図表示も引き続き利用できる。)

GPS 関係以外の機能としては、どちらのユニットも Secure Digital カードを差し込んでその内容の MP3 や写真を楽しむことができる。(残念ながら、私がカメラ用に持っているのは Compact Flash カードのみだ。)ただ、私はこの機能を試してみることができなかったのを別に気にしていない。そんな機能は GPS の本来の機能とはほとんど無関係だと思うからだ。もしも私が MP3 を聴いたり小さなスクリーンで写真を見たりしたいと思ったら、私ならば自分の iPod を使う。

これらの機能はどれも確かに魅力的に響くが、私が一番気に入った新機能は、少なくとも 6000T では、Magellan の新しい SmartDetour インターフェイスだ。渋滞に出会ってしまった場合、この 6000T はスクリーン上にアイコンを点滅させ、それを押すと、新しいスクリーンが開いて迂回路の距離が選べるようになる。そこまでは別に目新しくもないが、別ルートを見つけるように指示された途端、この 6000T は言われた通りにしたばかりでなく、スクリーンを表示して、そこに新しいルートがどれだけ遠回りになるのかを(距離と時間で)表示するとともに確認も求めてきた。これはほぼ理想に近いインターフェイスだ。なぜなら、これがなければ新しいルートでどのくらい余分な運転が増えることになるのか、あなたは自分で想像するしかないからだ。このような情報は、これまでに私がテストした他のどの GPS でも提供されたことがなかった。

限界の数々 -- いくつかの点では、Magellan も正しい仕事をしてくれた。ことに 6000T ではその度合が 3000T よりも強い。けれども、細かい点で抜けているところがあまりにも多過ぎて、私としてはどうしてもこれらの機器をお薦めする気になれない。Magellan も明らかにそれらの点を認識していたのだろうか、この 3000T と 6000T の間のわずかな時間差、機種差の中にもはっきりとした違いがある。例えば、3000T には SayWhere テクノロジー機能が抜けていて、いつどちらの方向に曲がると言うだけでなく方向に添えてその道路名も読み上げてくれるということができない。どんな GPS 機器にしろ、こんな風に時代に逆行するような機能削減は私には理解できない。(たぶん、CPU の負担が高くなり過ぎて合成音声の処理まで手が回らなくなったのではないかと想像するが、これは単なる推測に過ぎない。)

充電可能バッテリが内蔵されて使い方の自由度が増したのは有難いと思うけれど、その一方でこれらのユニットのスイッチを最初に入れた時には 10 秒ほど、電源ボタンを押してスリープから目覚めさせた時には少なくとも 3 秒ほど、それぞれ時間がかかるようになってしまったのは困る。さあ車を走り出させようという時にボタンを押したままじっと待つにはちょっと長過ぎる時間だ。オフにする時はさらに酷い。電源ボタンを押したままでスリープ画面が出るまでじっと待ち続け、決して他のボタンに触らないように注意しながらの 5 秒間を我慢しなければならない。簡単なことのように聞こえるかもしれないが、他のボタンを過って押してしまうのを避けるのはほとんど不可能に近いことなのだ。これらのユニットの周辺部分には、それこそ数え切れないほどのボタンが並んでいるのだから。私が誇張していると思われるだろうか? 正面上の方にある電源ボタンに加えて、上部の縁の側にはズーム用に二つのボタンがあり、左側正面にはミュートボタンと(6000T のみ)Bluetooth 携帯電話接続ボタンだ。それから下側正面にはナビゲーションコントロールの Enter と Cancel ボタンがあって、右側正面には三つ、場所・検索・設定のボタンが並んでいる。(どちらのユニットも 10 分間で自動的にスリープするように設定できるが、バッテリがたった四時間しかもたないことを考えると、私はその 10 分間のバッテリ寿命があとで必要になるかもしれないと思って、どうしてもそれを空費することができないでいる。)

これらのボタンも、3000T が 6000T に比べてなおさら劣ってしまう点のまた一つの例だ。3000T のボタンはアイコンでしかなく、これがとても見分けにくい。ことに Enter と Cancel のボタンの場合はごく小さな緑と赤の LED でしかない。想像して頂けると思うが、ほとんど何の意味も連想できないようなアイコンが並んでいて、それを使ってしかコントロールが使えないような、そんなインターフェイスを習い覚えるのは至難の技だ。一方 6000T については、Magellan は有難いことに正面にあるボタンそれぞれのアイコンの下にテキストを追加してくれた。これで少しは分かりやすくなったというものだ。それでも、ずらりと並んだボタンに Enter、Cancel、Locate、View、それに Menu と表示されているのを見て、あなたはどれを使えば新しい住所を選択したり、ルートを変更したり、あるいは近くにある観光地を探したりできるのか、分かるだろうか? 私は今これを書きつつ 6000T を目前にしている訳ではないので、それぞれの答を今すぐにお教えすることもできないし、私が実際にそれを使っていた際にも、これではほんの少しだけ手がかりの一端を与えられたという程度のものに過ぎなかった。結局ここでの真実とは、物理的なボタンはインターフェイスを混乱させるだけに過ぎず、ことさら電源ボタンの使い方を難しくするだけだということだ。従来の Magellan RoadMate 機器でも基本的操作の補助となる物理的ボタンがたくさんあったが、少なくともそれらは右側側面のコントロール領域に集められていて、使い分けたり触れずにいたりするのがもっと簡単にできた。

このように物理的インターフェイスがお粗末なのに加え、私の見たところこの 6000T にはパフォーマンスおよび正確さの両面で問題がある。私はボストン市内で 3000T をテストしたが、そのパフォーマンスと正確さの面で感激したということはなかったものの、何度も間違った場所で曲がってしまったとか、がっかりした気分になったとかいう経験はなかった。ところが 6000T をニューヨーク市街と Long Island でテストしてみたところ、私は心底がっかりした。Mac OS X での回転ビーチボールに相当する砂時計のパタパタを、私はあまりにも見過ぎてもう慣れっこになってしまったし、こちらは数値的に確率を評価するのは難しいものの、私は与えられる指示のタイミングがずれているという感じにいつも付きまとわれている気がした。パフォーマンスの問題に起因することかどうかは断言できないが、とにかく私は 3000T とも以前に使った他のどの GPS 機器とも比べ物にならないほど、この 6000T の指示の下で運転中に数多くの間違いをしてしまった。

正確さもまた問題だった。私はこれまで他の機器でも、与えられた指示の意味が分からなくて当惑したことがあったが、この 6000T こそは、意味不明度のナンバーワンだ。Delaware Water Gap で休憩所に止まった後でまた 80 号線に入ろうとした時、完全に間違った指示を出してきた。Brooklyn-Queens Expressway(神経を壊滅させる道路があるとすれば、それはこいつのことだろう)のとある大きなY字路では、全く何の指示も出してこなかった。どちらに行けば指示されたルートなのか迷うような地点で、具体的な指示を出して欲しいと私が思っているような時に、意味もない“Proceed to route”(そのまま進め)という指示しか出なかったことが何度もあった。それから、これは一番驚かされたことだが、ニューヨーク市からわが家のある Ithaca まで再短時間で帰れるルートを探せと指示したところ、私たちがいつも通る道よりも 11 マイルも遠回りで 13 分も長くかかるルートを選んできた。(さらに私たちが出発した途端、すぐに再計算が始まり、その結果所要時間も距離もかなり減った数字が表示された。)

また、TrafficKit も、二つの理由でトラブルの種だった。まず第一に、私はニューヨーク市街の道路にあまり馴染みがないので、表示される情報は大部分私にとっては意味のないものばかりだった。私たちの向かっている道路が渋滞していたとしても、代替ルートが現実的なものかどうか、私には分からなかったからだ。その付近の道路をよく知っている人にとって TrafficKit が便利なものになるというのはたぶん事実だろうが、その一方で道路が馴染みのものであればあるほど、GPS による道案内にはイライラさせられることが多くなるものだ。ひょっとしたら私はもう少し違う方法でこの機器と付き合うことを覚えなければならないのかもしれない。機械からの指示を聞くのは、例えば渋滞に出会って回り道を余儀なくされた時など、自分がその指示を必要とする時だけに留める(そのために便利な Mute ボタンも付いている)べきなのだろう。

第二に、ニューヨーク市街というのは交通問題の鼠の巣みたいなものだ。必然的にこの 6000T はほとんど常時 TrafficKit から警告を受け続けることになり、従ってひっきりなしにルートの再計算を実行して、より良い選択肢がないかと探し続けるわけだが、これが問題だった。私にしてみれば、特に私が次々に交差点で曲がり続けているような時など、自分が間違いをしたせいで再計算しているのではないかと気にしていなければならない羽目になった。それに、再計算の際には 6000T が別スクリーンに切り替わることも厄介な問題だった。そのため、私は次に何をすべきか確かめたくなって、6000T に向かって地図画面に戻ってくれと悲鳴をあげることもしばしばだった。Magellan には、交通渋滞によるルート変更の再計算はバックグラウンドで実行し、ルートの変更が必要な時にだけユーザーに警告を表示し、そのルート変更がユーザーが道順を間違えたからでなくて交通渋滞のせいであることを明示する、といった方法でこれらの問題をできるだけ解決するようにして欲しいものだ。

さて次に来るものは? -- 正直言って、私は RoadMate 6000T を使ってみてこんなにストレスが溜まったことでちょっと傷心の状態だ。どうやら Magellan も、これらの問題のうちいくつかについては、新しい RoadMate 2000 と 2200T において既に対処しているらしい。(ただ、2000 でもやはり SayWhere テクノロジー機能が抜けていることに、私は呆れる思いがしている。)これら二機種ではいずれも、3000T や 6000T のデザインで邪魔になったあのたくさんのボタンが一掃されて、すべてタッチスクリーンによるやり方に変えたようだ。これは方向として Garmin のやり方に近づいたということだ。また、これらはバッテリ駆動で、より小型化し、2200T の方はハイキングや geocaching でも使えるようにデザインされている。ただしそれには何らかのアップグレードが必要なようだ。実際どうなるのか、これからが楽しみだ。

一方、Garmin の方も、より洗練された StreetPilot c550、それに Nuvi 360 と、より大型の StreetPilot 2820 をリリースしている。さっと眺めたところでは、これらのユニットは基本的に同等の機能で競合しているようだ。つまり、Bluetooth 電話との互換性、MP3 のサポート、交通情報の FM 受信、といった具合だ。それからまた、あの TomTom GO 910 もある。こちらは独自の MP3 サポートに加えて、さらに iPod へのインターフェイスも提供している。その他にも、まだまだ他にたくさんのメーカーが参入していて、それぞれ一見の価値ある製品を出している。もしも皆さんが何か革新的な機能を備えた GPS 機器に出会われたら、どうか私にお知らせ願いたい。私のレビューリストに載せることができないか、検討してみたい。


Take Control ニュース/04-Dec-06

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 倉石毅雄 <takeo.kuraishi@attglobal.net>

カメラ、Mac、テレビ購入ガイドの歳末割引 -- クリスマスの買い物リストにデジタルカメラ、新しい Macintosh、もしくはデジタルテレビが入っている人たちは、どのモデルを買うべきか困惑しているか、家電製品の大型店でのストレスだらけの買い物に向かう準備をしているかもしれない。最適な贈り物を選ぶのを手伝うために特別なオファーを用意した。年末までに以下の“購入ガイド”の電子ブックをどれでも購入したら、注文の全額から三割引きにしよう。

"Macworld iPod and iTunes Superguide" の第二版 -- iPod や iTunesユーザが Apple の音楽サービスを最大限活用できるよう、アドバイスを提供する80ページの電子ブック "Macworld iPod and iTunes Superguide" の第二版のリリースを発表したい。主な内容としては(テープやレコードを含む)様々な形で入手した音楽を iTunes に取り入れる方法や、ビデオを操作したり変換する方法、複数の iPod やコンピュータを扱う方法、iTunes と iPod の問題解決方法、そして iPod のアクセサリを手に入れる方法などがある。

この第二版では iTunes 7 の最新機能をカバーするために隅から隅まで更新されている。例えば複数の音楽ライブラリのサポートや新しいライブラリ表示、アルバム表紙、ギャップなし再生、ダウンロードのインタフェース、ディスクへバックアップ、そして特に iPod 設定ウィンドウに重点を置いている。この電子ブックでは無料の Audacity を使用してのカセットテープから音楽を録音と編集、iPod の傷の修正、iPod の iTunes 7 からのリストア、音楽ビデオを見つける方法、第三者のストリーミング機器を使用してのプロテクトされている AAC 曲の再生、そして第二世代の iPod Shuffle で電池の残量を推測する方法などについて説明している。

12-Sep-06 以降にこの電子ブックを購入した人たちには無料で、それ以前に購入した人たちには $9 の割引で提供している。該当する人たちには電子メールを送ったが、もしあなたの手許に届いていなかったら連絡して欲しい。

ほら、そこのあなた Podcast のやり方を学びたいかい? ポッドキャスティングを始めてみたいか、既にポッドキャスティングをしているがもっと要領よく作業したいか、それとも放送のレベルアップをしたいというのであれば、 "Take Control of Podcasting on the Mac" のバージョン 1.2 が手伝いに参上だ。リリースされたばかりのこのバージョンではどうやってポッドキャストの企画、録音、編集、発行、そして広報を行うかについて最新情報を網羅している。特にAudio Hijack Pro 2.7 を使用して Skype や iChat などの Voice-Over-IP ソフトから録音する方法を新しく加え (インタービューに非常に便利!)、 Rogue Amoeba の好評な新しい Fission を使用して音質を落とさずにすぐに編集する方法を説明している。この電子ブックの前のバージョンをお持ちの人にはアップグレードは無料だ。表紙の Check for Updates ボタンを押して新しいバージョンをダウンロードしよう。オンデマンドの印刷は現在設定中で、近く使用可能になるはずだ。

TidBITS Talk/04-Dec-06 のホットな話題

  文: TidBITS Staff <editors@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Xbox 360 対 PS3 対 Wii -- ゲーム用コンソールの新世代製品がついに各社から出揃い、読者たちも声を挙げる。ただし、ゲームプレイそのものはここでの主な議論の対象ではなくて、それぞれのシステムのパフォーマンスの比較や、それぞれの親会社たちがどの程度の現金損失を出しているのか、コンピュータや音楽プレイヤーの市場と比べればどうか、といったことが話題になる。 (7 メッセージ)

Retrospect と スパースディスクイメージファイル -- Retrospect のバグに関する Jeff Carlson の記事を読んで、Apple の Backup の方はディスクイメージファイルをどのように扱っているのかという質問が出る。(2 メッセージ)

MindManager が Mac にも登場 -- Matt Neuburg が MindManager をレビューした記事に関し、Windows 版と比べれば欠けているところがあることをある読者が指摘する。 (1 メッセージ)

Mac でテレビ録画 -- ある読者の会社では、同時に放送される複数の違ったテレビ番組を彼の Mac を使って録画・保存しなければならないという。どんな方法があるだろうか?(10 メッセージ)

TaxCut「Mac の復活」 -- H&R Block の TaxCut ソフトウェアがまた Mac でも使えるようになる。けれども、Mac にフレンドリーとは言えないこの会社のウェブサイトを見れば、このプログラムがどんなものになるのか、想像がつくというものではないのか? (2メッセージ)

Mac で携帯電話と同期 -- Mac との間で同期ができる電話機を読者たちがいくつか推薦し、iSync 以外にどんなソフトウェアで同期が可能なのかについても議論する。 (11 メッセージ)

サイトマップ -- あなたのウェブサイトにサイトマップを作っておけば検索エンジンでランキングが上がるのだろうか? そのためのベストなアプローチ方法は? (3 メッセージ)

Fon -- Wi-Fi ベースで P2P タイプの電話システムを築こうという Fon の興味深い考え方は、果たしてうまく行くのか? それともこれは、ブロードバンドサービスのプロバイダ各社によって食い止められてしまう運命にあるのだろうか? (3メッセージ)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2006年 12月 8日 金曜日, S. HOSOKAWA