Apple は先週、iPhone のソフトウェアに最初の大きなアップデートをリリースした。追加された機能としては iTunes Wi-Fi Music Store 対応や嬉しいショートカットなどがある。でも、この iPhone 1.1.1 アップデートが大きく注目されるのはこれがサードパーティの iPhone アプリケーションを動かなくしていることと、AT&T 以外のセルラーキャリアによる SIM カードで動くようにハックされた電話機が「煉瓦と化す」(つまり使用不能となってしまう)ことだ。私たちは変更点をざっと一覧するとともに、この Apple のやり方についてスタッフ円卓会議で議論を交わす。Apple はまた iLife '08 と iWork '08 への重要なアップデート、Intel Core 2 Duo プロセッサを持つ Mac への新しいファームウェア、それから最近のポータブル機のハードディスクに再びジャーナリングを可能にするアップデートをリリースした。また、来るべき Microsoft Office 2008 for Mac の価格と構成についてのお知らせもある。それだけでは物足りないという方のために、Adam は新しい Amazon MP3 ミュージックストアを Apple の iTunes Store と比較し、Glenn は英国における安価な iPod touch Wi-Fi のニュースをお伝えし、Joe はフランスのパリで開催された Apple Expo の会場を歩き回る。最後にもう一つ、私たちのベストセラーの電子ブック“Take Control of Mac OS X Backups”と、“Take Control of Thanksgiving Dinner”のアップデートについてもお知らせする。(これで、感謝祭の料理の計画を練る時間がたっぷりあるだろう!)
記事:
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文: Jeff Carlson <[email protected]>
訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>
もし、あなたが持っている Apple のラップトップが最新のものなら、そこに搭載されている Mac OS X はジャーナリングが有効になっていない状態で出荷されたものかもしれない(ディスクユーティリティを起動し、ブートボリューム名を選び、ウィンドウの下のほうにあるディスク情報領域の Format 行で確認することができる)。ジャーナリングはシステムレベルの機能で、クラッシュや電源断に起因するデータの消失に備えてディスクに加えられる全ての変更を記録するものだ。(Panther や Tiger の下で Mac のボリュームを消去するときは、"Mac OS 拡張(ジャーナリング)"オプションでフォーマットすることをお勧めする。)この状況から脱するために、Apple は MacBook, MacBook Pro ソフトウェア・アップデート 1.0をリリースした。これは 200KB のダウンロードでMacBook (13-inch Mid 2007) と MacBook Pro (2.2/2.4 GHz Mid 2007) に適用される。Apple は、このアップデートをインストールした後に、他の起動ディスク(Mac OS X Install や Restore disc など)で起動してからディスクユーティリティを走らせ、ディスクの検証を実行することを推奨している。
文: Jeff Carlson <[email protected]>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>
Apple は先週 iLife '08 に対するアップデートをリリースした。大部分のアプリケーションに対するバグ修正に加えて iMovie のいくつかの足りない所に対してもかなりの力を注いでいる ("A Few Important iMovie '08 Notes," 2007-09-07 参照)。このアップデートは Software Update 経由でも個別のダウンロードとしても入手可能である;これら全ては共有コンポーネントをアップデートする iLife サポート 8.1 (7 MB ダウンロード) を必要とする。
iMovie 7.1 (44.6 MB ダウンロード) の変更の一部は、iMovie HD 6 から新しい iMovie 7 (これは新たに白紙の状態から作成された) に受け継がれなかった機能のいくつかを再生している。今や、ビデオからの静止画を作成、複数のクリップの選択、オーディオフェード時間のカスタム設定、そしてフレームレベルでのトリミングが出来る。その他の改良も納得がいくもので、例えば、静止画やトランジションの時間設定を変えるのに Preferences ダイアログに行くことなしに出来る、ダッキングのレベルをコントロールする (他のオーバーラップするオーディオに場所を譲るため音量を絞り込む)、そして Playhead Info を生かせば現在のプレイヘッドの時間を表示する。Apple は更に iMovie Events 間で切り替えをする時の性能向上もなされたとしている。
iMovie 7.1 では更にアプリケーションに対するタイムコードも復元した。これまでは、映像のコマは十分の一秒単位でしか参照されなかった、そしてこの方法は編集の初心者にはよりわかり易いのだろうと思うしそしてメモリカードやハードディスクに録画するテープレスのカムコーダには好まれるやり方のように見える。しかしその他のビデオの世界ではタイムコードを使っており、そこでは映像コマは minutes:seconds:frames として表現される。ここで一秒は NTSC ビデオでは 30 フレーム、PAL ビデオでは 25 フレームで構成される。Preferences の新しい Display Timecodes 設定を生かすことでこの機能が働くようになる。
その他の iLife '08 アプリケーションに関して言えば、iPhoto 7.1 (59.3 MB アップデート) は写真をイベント間で移動させる時の安定性に関する問題を修正し、そして来るべきホリデーシーズンに備えてグリーティングカードの新しい雛形が追加されている。iDVD 7.0.1 (18.6 MB ダウンロード) はどうもバグ修正だけの様に見える。GarageBand 4.1 (46.1 MB ダウンロード) は、サ−ドパーティオーディオソフトウェアに関する問題、ディスプレイの問題、そして Magic GarageBand 機能について扱っている。iWeb 2.0.2(17 MB ダウンロード) は iWeb 1.x サイトのアップグレードを扱い、そして "ある種の一般的な出版問題" を修正している。
文: Jeff Carlson <[email protected]>
訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>
一連のアップデートに続き、Apple は Keynote、Pages、Numbers のそれぞれ新バージョン(全体としては iWork '08 となる)をリリースし、また Intel ベースの Mac のためのファームウェアリビジョンをリリースした。アップデートはソフトウェアアップデートと独立したダウンロードとして利用可能になっている。同社がパフォーマンスの改善以外の変更点について詳細を提供しないのはいつもどおりだ。同社のいう改良点とは、Keynote 4.0.1(31.1 MB のダウンロード)では、主にビルドおよびパフォーマンスに関する問題を解決、Pages 3.0.1(27.8 MB のダウンロード)では、主に変更のトラッキングおよびパフォーマンスに関する問題を解決、Numbers 1.0.1(26.1 MB のダウンロード)では、主に表およびパフォーマンスに関する問題を解決している。
EFI firmware は Intel Core 2 Duo プロセッサの動作と信頼性を向上させ、また、コンピュータでの Boot Camp の問題を修正するもので、iMac(3.9 MB)、 Mac Pro(2.8 MB)、MacBook(1.7 MB)、MacBook Pro(2.8 MB)、Xserve(1.5 MB)用のものが利用可能だ。これらは全てユーティリティフォルダ(アプリケーションフォルダの中のある)にアプリケーションをインストールし、ファームウェアをアップデートする。ただし、これを実行することは、何かうまくいかなかった場合にあなたのコンピュータを死に導きかねないことは覚えておかなければならない。だから、あなたのデータを必ずバックアップすることだ。Apple's Firmware Restoration CD 1.4 utility をダウンロードしファームウェアの回復用ディスクを作っておくというのも良いアイデアだ(私の場合は MacBook Pro を無事アップデートできたが、何が起こるかわからないのだから)。
文: Glenn Fleishman <[email protected]>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>
Microsoft の Macintosh Business Unit (MacBU) は Office for Mac の次の大幅改定版の出荷日、価格、そしてアップグレードパスを発表した。今や Office 2008 というまっとうな名前も付いて 15-Jan-08 に出荷、価格もバージョンに応じて $149.95 から $499.95 となっている。Word, Excel, PowerPoint, そして Entourage - Exchange Server サポートを含む - の標準パッケージは定価 $399.95、そしてアップグレード価格 $239.95 となる。
Home and Student Edition はこの 4つのコアアプリケーションだけを含んでおり、価格は $149.95 である;アップグレード価格はない。これは Microsoft が家庭用に対しても Office の飾りなしバージョンを宣伝する初めてのケースである。これまで学生版は、教育者、教育機関関係者、学生、そして学生の親だけが購入できていた。
この Home and Student Edition は Office を Apple の $79 の iWork スイートと真っ向勝負させようとの意図があるのかもしれない。iWork は今や、ワードプロセシング (Pages 対 Word)、プレゼンテーション (Keynote 対 PowerPoint)、そしてスプレッドシート機能 (Numbers 対 Excel) で Office に対して一対一の対決が出来るようになっている。Office には、Entourage としてメール、コンタクト、そしてカレンダーが付いてくるが、これらの機能は Mac OS X の中に、Mail, Address Book, そして iCal として既に組み込まれている。
Special Media Edition (フルバージョン $499.95、アップグレード $299.95) にはデジタルアセット管理ツール Expression Media が追加されている。これは Microsoft が昨年買収した iView MediaPro を ("Microsoft が iView Multimedia を買収" 2006-07-03 参照) 再ブランドしたものである。
Office 2004 for Mac のどのバージョンでも 25-Sep-07 以降に購入した人は、Office 2008 の同等のバージョンに $10(プラス・タックス)でアップグレードが受けられる。これは MacBU による、次期リリースの出荷日を公表することで起こる買い控えを防ごうとする試みである。
この発表に伴ったプレスリリースではアップグレード価格は "従前のバージョンの合法的ライセンスを受けたユーザー" なら誰にでも適用されるとしているが、我々にも確認できたのだが、これには Office 2004 以前の Office のバージョンも含まれる。
Office 2008 は、その見かけも動作も Office 2004 とは多少違った感じになるであろう。これは Office 2007 for Windows がそれまでの殻を破ったのと似たようなものである。Office for Windows のレビューを見ると、この新しいアプローチは決して前より悪くなってはいないが、良くもなっていないというし、それに Office for Windows でやった全てのことを再学習する必要があるという。Office for Mac に対する変更はそれ程ではない様に見えるが、リリースバージョンで再学習めまいが生じるかどうかは見てみる必要がある。
文: Glenn
Fleishman <[email protected]>
訳: 笠原正純<panhead@draconia.jp>
iPod touch には、イギリスとドイツで iPhone に提供されているような自称「無制限」の Wi-Fi は付いてこない(2007-09-24 の "iPhone、英国とドイツでの立ち上げ準備完了、但しデータプランは曖昧模糊" 参照)。アメリカでは Wi-Fi がまったく含まれていない。しかし、O2 のイギリスのパートナーであり、イギリスで 8,000 近いホットスポットを展開している The Cloud が一月 £3.99($8.07)のプランを iPod touch ユーザのために作った。
サービスは 2007 年 10 月 1 日にスタートし最小契約期間はない。 特別なサインアップページがある。The cloud のサービスはアメリカ国内の Starbucks コーヒーショップにおける iPod touch ユーザに対する無料アクセスとは異なる方法をとっている。Starbucks では iTunes Wi-Fi Music Store を使うときだけ無料だが、The Cloud は有償で全てのインターネットの利用をカバーしている。
iPod touch が音楽購入以外に通常使うであろうインターネットバンド幅がどれだけわずかであるかを考えれば、Apple が音楽販売から得られる収入の分け前をホットスポットチェーンに与えることで iPhone とiPod touch ユーザへの無償無制限の Wi-Fi アクセスを行うようにさせないことに、私は少なからず驚いている。
文: Glenn Fleishman <[email protected]>, Jeff Carlson <[email protected]>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>
あれだけのお金をつぎ込んだ(私たちは Apple が 200 ドルの値下げをする前に iPhone を購入した初期購入者のうちの2人だ)iPhone の最高の機能の1つは、アップグレードができるということだ。iPhone は Mac OS X を動かしているのだから、機能を追加したりバグを修正したりする余地があるわけで、最新バージョンはその両方を行った。
現在、iPhoto 1.1.1 が iTunes 経由で入手できる(152.3 MB のアップデートだ)。次に iPhone をつないだとき、自動的にアップデートのプロンプトが出なければ、Check for Updates ボタンをクリックしよう。ただし注意。もしiPhone のロックをはずして AT&T 以外のプロバイダで使っているなら、アップデートすることで電話機が使えなくなってしまうかもしれない(この点についての詳細は後述)。
このバージョンでは、iPod touch で導入されたいくつかの気の利いた機能が追加される。たとえば、Home ボタンをダブルタップすれば、お気に入りコンタクトのリストか iPod 再生コントロールを表示することができる(どちらもHome 画面からナビゲートする必要がなくなる)。また、新しい iTunes Wi-Fi Music Store で、Wi-Fi ネットワークを経由して電話機から直接音楽を購入できる(2007-09-07 の "Apple、iPod touch と Wi-Fi Music Store および新しい iPod を発表" 参照)。(Apple はこれら新機能の デモビデオを掲載している。)
そのほかの機能変更としては、スペースバーをダブルタップするとピリオドとスペースを入力することができ、国際ローミング時に EDGE/GPRS を使用停止にすることができ(まちがいなく、何人かの人が膨大な請求を受けたことへの対応だ。2007-09-07 の "iPhone 請求書と海外での問題" 参照)、Mail の添付書類を縦向きモードまたは横向きモードで表示することができ、TV Outモードで iPhone ビデオをテレビで見ることができ 、警告音の音量を調節できるようになった。スピーカフォンと受信機の音量も大きくなったと伝えられているし、Stocks や Weather アプリケーションでは銘柄や都市を並べ替えられるようになった。そして Apple Bluetooth Headset のバッテリの状況がStatus Bar に表示されるようになった。
文書化されていない機能 もいくつか見つかっている。ボイスメールのパスワードを iPhone から変更したり新着テキストメッセージ用の着信音を変更したりする機能、Safari 用のデバッグコンソール、字幕付きムービーへの対応を含むビデオ再生の新しいオプションなどだ。
さらに私たちは、VPN サポートに2点改良が加えられているのも見つけた。これは、iPhone を公衆ネットワークで使うときに Wi-Fi データが盗み見られていないことを確実にしたい人に役立つ。
Apple は、VPN の初期設定をした後で強力なパスワードを適切に入力できないというバグを修正した。iPhone ファームウェアの 1.0.0 から 1.0.2 まででは、Settings > General > Network > VPN > Settings で、パスワードを空白にしたまま VPN 接続の詳細を適切に設定することができた。その場合、"Ask Every Time"(接続のたびに入力)とグレーで表示される。ところが、メインの Setting 画面に追加された VPN スイッチを使って、パスワードを入力して接続しようとすると、iPhone は、フルキーボードではなく、電話風のキーパッドだけを表示していた。そのため、英数字を使ったパスワードが利用できなかったのだが、それが修正された。
Apple はまた、RSA SecureID カードのサポートも追加した。これは、小さなキーホルダーサイズのフォッブを持ち歩き、それを使って、接続をセキュアにするための常に変化する固有の追加情報を生成するものだ。これには通常2つの要素を使用する。パスワードと、それとは別にフォッブが生成するトークンだ。しかし、今回の実装では、VPN サーバとつながってからトークンを要求するように設定されているようだ。
このリリースではまた、数多くのセキュリティ関連のアップデートが導入され、Mail、Safari、Bluetooth の脆弱性が修正された。
非互換性 -- Glenn は、Nullriver の AppTapp インストーラを使ってサードパーティーのプログラムをインストールし、iPhone に手を入れていた。その結果、彼の iPhone は、このアップデートに対して当初はご機嫌斜めだった。(AppTapp は iPhone 1.1.1 と互換性がない。)結局彼は、電源ボタンとHome ボタンの両方を 10 秒ほど押して iPhone を強制再起動し、完全リストアを選択する必要があった。彼は、自宅のマシンと同期していたのだが、幸い、設定を仕事用のコンピュータにバックアップしていた。そのため彼のiPhone は自分の電話番号を再学習し、家に帰って新たに同期するまでのあいだ(多少時代遅れになったとしても)それなりの役に立った。このことから明らかなように、アップデートをする前には、必ず同期をしバックアップをとっておくこと!
しかし、iPhone のロックをはずして AT&T 以外のプロバイダで使えるようにしていた人たちは、iPhone 1.1.1 アップデートによって電話機が使えなくなるということを見出すこととなった(その週の初めに、Apple が、アップデートによって機器が「煉瓦」と化すかもしれないと警告していた通りだ)。週末のあいだに、iPhone のファームウェアを 1.0.2 に戻す方法が見つかったので、死んでいる iPhone は(Miracle Max を引用すれば)「ほとんど死んでいる」だけなのかもしれない。
Apple の煉瓦工事についての詳しい議論は、2007-09-28 の "スタッフ円卓会議: Apple は iPhone をダメにするのか" をご覧いただきたい。
文: Joe Kissell <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
私がプロの Mac ギークであったこの年月、私は数え切れないほどの回数 Macworld に出席してきた。San Francisco、Boston それに New York にも行った。実際、私が San Francisco に住んでいた時は、私のアパートから歩いて行ける距離に Moscone Center があったので、何か大きな Apple 関係イベントが町にやって来る度に、ちょっと散歩がてら道を歩いて行ったものだ。Cupertino でのイベントさえ、行くのは難しくなかった。今の私は Paris に住んでいるので、エッフェル塔の眺めと引き換えに Apple への近接性を手放してしまった。(塔は眺め _上げる_ ものなので、より良いものと引き換えたと信じたい。)でも、私が毎年 Mac トレードショウに行っていた習慣が、ここに来てもまた続けられることを知って私は喜んだ。今年は 9 月 25 日から 9 月 29 日まで、ここ Paris で Apple Expo が開催されたのだ。私は会期の三日間は毎日、それぞれ数時間かけて会場を訪れた。会場の雰囲気をはっきりと掴むには十分な時間だっただろう。大規模な Apple コンベンションをフランスで開催すればどんな感じになるのか知りたいと思われるなら、どうぞ私にちょっぴり雰囲気をお伝えさせて頂きたい。
Mac(world) mini -- このショウが Macworld よりもいくらか小さい規模のものらしいということを私が最初に感じたのは、数週間前にオンラインでサインアップした時のことだった。入場料は無料だったが、予約登録証を提示せずに入るには 12 ユーロ($17 ほど)を払わなければならなかった。これで、カンファレンス全部に有効だ。(これとは対照的に、Macworld Expo ですべてを見られる Platinum Pass の値段は最高で $1,895 にもなることがあった。)もちろん、そのことに何も文句はない。
カンファレンスが開催されている郊外の町まで、私は地下鉄に乗って行った。私のアパートから、およそ半時間の行程だ。行って見れば一目瞭然、コンベンションセンターの正面には巨大な Apple Expo の看板が出ていた。駐車場には Apple ロゴの付いた車やスクーター、オートバイなどが並んでいて、それやこれやの Mac 製品についてのチラシを配る人もいた。
私は予約登録証と引き換えにバッジを受け取ると、展示ホールの中へ歩いて行った。(入り口でバーコードスキャンをした。)最初に見たのは Macally のブースで、これは Macworld で数え切れないほど何度も見たことがあるものと同じような感じだった。私の妻の Morgen が初日は私と一緒にいて、私たちはこの大きな部屋をきちんと順序良く制覇して行くことに決めた。一つ一つの通路をゆっくりと歩いて、おもしろそうなブースに出会う度に立ち止まれば、それで興味深いものがすべて見られるわけだ。昼食休憩を挟んで、たった2時間でこれが達成できた。
最初は部屋がとても大きく見えたが、歩いて行くうちに私たちは Moscone の大きな展示ホールに比べればかなり小さい部屋だということに気付いた。それに、この部屋1つだけで、この expo の _すべて_ だった。キーノートのスピーチもなければ、教室も、セミナーも、シンポジウムも、他の部屋で何かの催しがあるということも一切なかった。ベンダー各社の展示があるだけだ。ただ、Apple による一連のワークショップが、iLife から Logic Pro までいろいろな話題で毎日開催されていたのと、いくつかの展示会社(Quark や Adobe など)がそれぞれのブースで定期的に教室スタイルでの体験トレーニングセッションを開催していた。その点は Macworld と同じだった。でも私が言いたいのは、これはあくまでも expo であって、決してカンファレンスではなかったということだ。
出されている製品のほとんどをこれまでに何度も見たことのある私としては、展示は大体においてあまり胸を踊らせるようなものとは言えなかった。でも、出席者の大多数は非常に熱中しているように見えた。通路はどこも一杯で、入場者数の公式発表は聞けなかったけれども、私が話をしたベンダーたちは皆口を揃えてこのショウが素晴らしい成功だと言っていたし、ほとんどすべてのブースは常時大勢の人々に取り囲まれて、それぞれ何かしら展示している製品を見ようと人々が押し合いへし合いしていた。
当然ながら、Apple は大きなブースを持っていて、そこで展示されていたのは新型 iPod、iLife '08、iWork '08、それに新型アルミニウム製 iMac といった製品だった。それとは別に Apple Store 専門の大きなブースもあった。現在フランスでは、Apple はオンラインストアのみしか持っておらず、リテールストアの店舗はまだない。開店予定の一店舗があるという噂はあるのだが。また、コンピュータやアクセサリ、ソフトウェアなどを展示販売している他の小売会社のブースもいくつかあった。それら以外のショウフロアは、世界中から集まったさまざまのベンダーたちで埋め尽くされていた。たくさんのアメリカの会社と、たくさんのフランスの会社(これまで聞いたこともなかったものもいくつかあった)があり、アジアからや他のヨーロッパ各国からのものも少しあった。
iPhone 用のアクセサリを展示しているブースは数え切れないほど多かった。(販売しているところさえあった。)フランスではまだ iPhones は販売されていないにもかかわらずだ。(実際、Apple はまだ出荷開始予定日も価格体系についても何も発表していない。)あるベンダーから聞いた話では、大勢の熱心なヨーロッパ人たちが eBay やその他のアメリカ合衆国の経路を通じて既に iPhone を購入しているという。おそらく数多く出回っているハックのどれかを使ってロックをはずし、こちらの国のキャリアで既存の SIM カードを使って動かしているのだろう。
ほとんどの看板、ソフトウェア、デモなどは、フランス語のものだった。これはそうあるべきことだろう。ただし、いくつかのブースでは、これには Apple も含まれていたが、すべての看板が英語で書かれていて、私の目にはかなり奇妙な印象を与えた。それでもショウの会場には、展示者の側にも観衆の側にもアメリカ人やイギリス人が相当大勢いたし、そうした人々の大多数は英語とフランス語を両方ともある程度こなせるようだった。フランス人の従業員を持たないアメリカの会社のいくつかは、現地の人を雇ってブースでの仕事やフランス語での製品デモなどをさせていた。(ここで少し付け加えると、ベンダーの従業員と、いわゆる「キャンペーンガール」を除いて、私たちはショウの会場に女性の姿がほとんど見受けられないことに気付いた。実際、妻の Morgen が会場に入った時、ドアのところにいた係員は彼女のバッジをスキャンしながら目を上げないままで“Bonjour, monsieur”(いらっしゃいませ、ムッシュー)と言った。彼はすぐに自分の間違いに気付いて恥ずかしそうにしていたが、きっと女性の入場者が現実にいるなんて予想もしていなかったのだろう。)
よその国にいると感じるのはこんな時 -- 部屋全体が“computer”という単語でなく“ordinateur”という単語[訳者注: 英語の氾濫を嫌うフランスでコンピュータを意味して使われている用語]で埋め尽くされていたことを別にすれば、今回の Apple Expo は、表面的にはこれまで私が参加してきた他のトレードショウのどれとも似たようなものに見えた。けれども時として、会場のどこかで私たちは何かを見つけて思わず微笑んだり、あるいはしかめっ面になったり、つまりここは明らかに私たちとは違う常識が支配している場所なのだと感じさせられることもあった。
例えば、昼食のために軽食の売店に立ち寄った時など、私たちは思わず微笑んだ。サンドイッチは本当に焼きたてのバゲットでできているのに、値段はそこいらの歩道のカフェで払う値段と変わらない安さだった。コーヒーは本物のコーヒーだ。そう、たとえコンベンションセンターの中であっても、フランス人は昼食を真剣にとらえているのだ。
私たちがしかめっ面になったのは(いや、ハッと息を飲んだと言うべきか) Crumpler Bagsブースにかかった巨大な背景幕を見た時だった。言うまでもなく、アメリカでのトレードショウの会場にこのような画像が見られることなど、決して、金輪際、あり得ない。書かれた文言(英語だった)は“Crumpler Makes You Sexy”(Crumpler であなたもセクシーに)となっていた。この写真では(ありがたいことに)二人の人の頭でその一部が隠されているが、それはヘルメット以外は全裸の男の姿で、手にラップトップケースを持ってそれが異常に好きな風をしているというものだ。
あ、そう言えば新製品もあった -- 以前には、Steve Jobs が Apple Expo に登場してキーノートのスピーチをし、新製品の発表をしたりすることもよくあったが、今年はそういうことはなかった。この expo において新製品をお披露目することを選んだ会社はいくつかあったが、例年 1 月の Macworld Expo で膨大な数の発表がひしめき合うのに比べれば、今回はごくごく少数のものしかなかった。今回の新製品の中で最も興味深かったものを挙げると次のようになる:
全体的な印象 -- 全体として、私は今回の Apple Expo にちょっと期待外れの印象を受けた。いやつまり、出来は完璧に素晴らしかった。すべてがピカピカと輝いて新しく、観衆も大人数で、興味度も高く、少なくともベンダーに関しては、誰に聞いても今回は素晴らしい大成功だった。でも、よく見てみると実質的な内容はあまりなく、私の注意を長く引き止めておけるような大きな新事実と言えるものは見られなかった。公平に言えば、私という人間はそれこそ数え切れないくらい Macworld Expo に参加してきたため食傷気味の大ベテランなのだから、私の印象をもって典型的な感覚とみることはできないだろう。もしもあなたがフランスの Mac ユーザーなら、何年かに一度はこのショウに出席すれば興味深く実益もあるだろうことは疑いない。けれども、このショウだけのためのわざわざフランスまで旅行をする価値があると言える人はまずいないだろう。わざわざフランスへ旅行するのならば、食事と、美術館、それに歴史を楽しむために行くのがよい。そして、もしも午後の時間が空いたならば、ちょっとこのショウに立ち寄ってみるのも悪くないというところだ。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: 亀岡孝仁 <takkameoka@bellsouth.net>
Amazon.com は公開ベータ版の Amazon MP3 を立ち上げた。これは DRM フリーのダウンロードを提供するデジタル音楽ストアで、180,000 のアーティストと 20,000 のレーベルからなる 2 百万を超える曲を用意している。これに対して、Apple は iTunes Store では今や 6 百万曲を超えていると言っている。
Amazon のプレスリリースによれば、Amazon MP3 での殆どの曲は $0.89 から $0.99 の間の値段で、現在のカタログには $0.89 の値段のものが 1 百万以上含まれていて、これは Apple の iTunes Plus の曲よりまさしく $0.40 も安い。Amazon MP3 でのアルバムは大抵 $5.99 から $9.99 の間の値段で、通常 $9.99 の iTunes Store よりも安くなっている。
Amazon MP3 での全ての曲は 256 Kbps のエンコードであり、iTunes Plus の曲と同等である。理屈の上では、iTunes Plus AAC フォーマットの方が、Amazon が使っている MP3 フォーマットよりは質の良い音楽を提供できるとは言える。Amazon は MP3 を採用し、DRM を完全に排除したので、Amazon MP3 から購入した曲は、iPhone や iPod、Mac や PC、或いはその他のメーカーから出されている音楽プレーヤーを含んだどんな機器でも再生できる。
個別のトラックは Web から直接購入も出来るが、アルバムを買うには Amazon MP3 Downloader をまずダウンロードしなければならない。これには Mac OS X と Windows の両方のバージョンがある (Mac バージョンは 615K のダウンロードである)。報じられる所によると、Linux バージョンも準備中であるという。
私のテストでは、この Amazon MP3 Downloader はきちんと動作したが、iTunes からの購入に比べれば明らかに荒い感じがする。Amazon Web サイトにある Buy ボタンをクリックしたら私の Desktop にドキュメントを一つダウンロードした。察する所、Amazon MP3 Downloader はそれを開いてそして実際の曲をダウンロードするような仕掛けになっているのだと思うが、私はマニュアルでそのファイルをダブルクリックする必要があった。これは多分 Amazon が、私は Safari 以外のブラウザを使う (私は通常 OmniWeb に頼っている) であろうことなど想定していなかったためと思う。曲は、Amazon MP3 Downloader の中で一旦開かれると、Music フォルダの中の Amazon MP3 フォルダにダウンロードされ、そして iTunes へと送られる。これは私の設定下で言うと複製されたことを意味する、なぜならば私は私の iTunes Music フォルダを共有するためにサーバーの上に置いているので、曲を iTunes Library に追加する時はその曲をそのフォルダにコピーするからである。
私の買った曲は可変ビットレート (VBR) エンコーディングを用いて 208 Kbps から 256 Kbps の間でエンコードされていて、無料のサンプル曲は 280 Kbps VBR でエンコードされていた。音質は、私は自分がオーディオ通であるなどと言うつもりは毛頭ないが、私の耳には問題なく良く聞こえた。メタデータは完全でそしてアルバムのアートワークも含まれているか、そうでなければ後でiTunes によって自動的に取り込まれる。
決して悪くない -- Amazon MP3 は iTunes Store 以外で私に悪い印象を与えなかった最初のオンライン音楽ストアだ。その特長も現実のものである:
勿論、次なる質問は、Amazon は Amazon MP3 の特長 (DRM なし、Mac 対応、iTunes との統合) をその Amazon Unbox ビデオダウンロードサービスに生かすことが出来るかである。もしそれが実現するようであれば、iTunes Store はずっと強力な競争に直面することになる。
文: TidBITS Staff <[email protected]>
訳: 羽鳥公士郎 <hatori@ousaan.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
最近の iPhone アップデート(2007-09-07 の "iPhone 1.1.1 が機能を追加しセキュリティをアップデート" 参照)は、新機能とバグの修正をもたらしたが、同時に、iPhone のロックをはずしていた人たちのあいだに非常な驚きを広げることとなった。このアップデートによって、ロックのはずれた iPhoneが「煉瓦」と化してしまったのだ。この新しい流行言葉は、アップデートによって iPhone が役立たずのガラスとプラスチックのかたまりになってしまうということを意味する。Steve Jobs は、そのようなことになる公算が高いと警告すらした。Apple は iPhone のロックをはずす方法を見つけた人たちとの戦いを続けるということだ。このアップデートはまた、サポートされていないハックを使って開発者が制作しインストールした iPhone アプリケーションの少なくとも一部を動かなくしたが、少なくともその時点では、障害が起きたのはそれらの新しいアプリケーションだけだった。
つまり、ハッキングには2つのレベルがある。iPhone ネイティブのアプリケーションを作成しインストールすることと、iPhone のロックをはずしてほかの SIM カードで動くようにし、それによってほかの携帯電話会社で使えるようにすることとの2つだ。Apple はどうやら、アプリケーションハッキングは無視する一方で、ロック解除に対しては積極的に戦っているようだ。この戦略は Apple にとって意味を成すのだろうか。米国において、ロック解除を禁止することはそもそも合法なのだろうか。TidBITS の編集者たちがこれらについてあれこれ考える。
Glenn Fleishman -- 私は 20 年にわたって、コンピュータにソフトウェアをインストールするのにしり込みしている人をみるたびに、こう言ってきた。「これはただのソフトウェアじゃないか。コンピュータを壊すことはあり得ない。ハードウェアにはなんの影響もない。もし心配なら、バックアップをとっておけばよい。そいつをインストールしたって、コンピュータは壊れないよ。」
Apple は、iPhone のファームウェアおよびオペレーティングシステムの最新アップデートで、この方程式を変えてしまった。iPhone は小さいながらも強力なコンピュータで、強力な利害関係によって制御されている。iPhone は、今日販売されているほとんどすべての電子機器と同様、さまざまな種類のファームウェア、つまりハードウェアを制御するソフトウェアを搭載している。ファームウェアはまた、さまざまな場所に存在している。無線カードや各種モジュールの中にそれぞれ固有のファームウェアがある。ファームウェアの一部は、起動プロセスを処理し、それによってデバイスがオペレーティングシステムをロードする。ほかの一部は新しいファームウェアのアップグレードやインストールを処理する。iPhone は不揮発性の、電子的に消去可能なメモリを使っているので、どんな方法で変更を施したとしても、起動ルーチンが影響を受けていない限り、復元するのになんの問題もないはずだ。
iPhone のロックをはずしてほかの携帯会社で使えるようにするハックは、セルラーネットワークとの連携を制御するファームウェアに特別な命令を書き込んで、SIM、すなわち世界中の GSM セルラーネットワークで使用されている認証モジュールについて、AT&T のものだけでなく任意のものを使えるようにする。これは、ブートストラッピングやファームウェアにはいっさい影響を与えず、オペレーティングシステムの復元にも影響がないはずだ。
Gizmodo は、ロック解除ソフトウェアに結実した共同作業チーム iPhone Dev Team とのインタビューを掲載している。その中で Dev Team が明言しているのだが、Apple は、ロックに関係するコードが変更されているかどうかを判定する方法をアップデートに組み込んで、単にそのコードを書き直すということもできたはずである。同チームが言うには、デフォルトの状態に復元して、その上で電話機のロックをさらに厳重にするということも、Apple にとってはそれほど難しくなかったはずだ。(同チームはまた、彼らの手にかかれば、煉瓦となった iPhone を出荷時のデフォルト状態に復元できるだろうと言っている。)
私はいつも思うのだが、私がハードウェアを買ったとすると、それは私のものであり、私が適切だと思う方法で使ったり変更したりするものだ。特に禁止されている行為を行った場合は、製造元に泣きついたりはしない。コンピュータを分解し、新しい部品を取りつけ、その部品のせいでマザーボードが焼けてしまったとしたら、私は PC メーカーを非難しない。しかし同時に、私は、ほとんどの機器はそれなりに頑丈であり、復元することも、ときには多大な労力が必要で、その労力を私が費やさなければならないとしても、可能であると期待している。
iPhone について言えば、私はハードウェアではなく、ソフトウェアをハックしただけだ。内部だけにしか影響を与えないような変更をすることについては、私はやましさをほとんど感じない。平均的なユーザがサポートされていないソフトウェアをインストールできるという事実が、ハードウェアの頑丈さと関連するべきではないし、オペレーティングシステムの完全な障害やその他の変更に対処するという意味での回復力とも関連するべきではない。iPhone のロックをはずすのは、サポートされていないソフトウェアをインストールすることからほんの1歩踏み出したに過ぎないし、それにこれはもっと大きな問題の一部でもある。あなたが電話を購入したとすれば、それを所有しているのは誰だろうか。携帯電話会社か、メーカーか、それともあなたか。
電話機のロックをはずすのは、米国では(そしてほとんどの国で)違法ではない。米国議会図書館は、Digital Millennium Copyright Act(あの恐るべきDMCA(デジタルミレニアム著作権法)だ。いつの日か最高裁がこれをつぶしてくれることを願っている)から 免除項目をひねり出して、個人が電話機の暗号化をリバースエンジニアし、とりわけロック解除ができるように、既存の権利を拡張した。しかし、ロック解除が許されているとしても、携帯電話会社がそれを簡単にできるようにする義務はない。彼らは持てる手段を何でも使って、電話機をロックすることができる。
FCC(連邦通信委員会)は、多くの場合において電話機のロックをはずすのが非常に難しいことについて、懸念を表明している。FCC は、表面上は規制緩和を支持している政権によって監督されているにもかかわらず、ロックに好意を抱いていない。将来のセルラーネットワークで使用する 700 MHz 帯に対する入札に関する規約に不満を表明している Verizon Wireless は、もし FCC が新しい周波数帯で機器のロックを禁止するなら、それは憲法修正第1条で定められた同社の権利を侵害することに等しいと主張している。
企業が憲法上の権利を持つなどという考えは聞いたこともない。これは、20世紀初頭から始まった、いわゆる企業の権利の名の下による個人の自由の侵害の1つだ。(この件については、Peachpit Press の創業者 Ted Nace が書いた本 "Gangs of America" を読むとよい。無料でダウンロードできる。)それにしても、「言論」の自由によって、消費者の選択権を制限する憲法上の権利が保障されると考える携帯電話会社の厚かましさは、賞賛せざるを得ない。
FCC は、この規約作りに関して、こう答えている。「機器やアプリケーションの選択がいやしくも憲法修正第1条の価値を含意する以上、私たちの要求は、消費者に対して通信に使用する機器やアプリケーションの選択の幅を拡大するものであるから、表現の自由を制限するよりもむしろ増進するものと考える。」まったくその通りだし、筋金入りの保守主義にしては革新的だ。
そうは言っても、私は iPhone が登場する前から AT&T の顧客であって、会社を乗り換えようという特別な欲求はない。それが不可能かもしれないとは思っていたが、同時に、電話機がロックされている状況については十分な不満の声があって、規制と法律とハッキングの組み合わせによって将来的に選択肢が与えられるだろうとも思っていた。(国会議員がどれだけ規制を嫌おうとも、彼らが電話会社や携帯電話、航空会社などで個人的に問題を経験したあとでのインタビューを読んでみればよい。いまいましい規制め、法律も多すぎる!)
私は iPhone にサードパーティのアプリケーションをインストールしたし、それによって隠された機能を発現させるというのはすばらしいことだった。iPhone 版の OS X に組み込まれているが有効になっていないか内蔵のソフトウェアからはアクセスできない機能だ。SSH(ターミナルプログラムにおけるセキュアセッション)を使うのは、ありとあらゆるタイピングが要求され、笑ってしまうほど難しかったが、最高解像度の写真を電子メールで送信するプログラムを使うのにはずっと満足した。
iPhone 1.1.1 アップデートは私のアプリケーションを動かなくし、iPhone を一時的に煉瓦にした。私はリストアを強いられ、アプリケーションを失った。そして今は、次のアップデートの波が打ち寄せてサードパーティのアプリケーションがインストールできるようになるのを待つほかない。
しかし、私は今でも固く信じている。私には、私の iPhone を、私が選んだ方法で使う権利があり、そしてそれは、今ではほとんど責任と言ってもよいということを。
Matt Neuburg -- 私は iPhone を持っていないが、私は 2007 年の 6 月に WWDC(毎年開催される Apple の開発者向けカンファレンス)に参加して、その会場で「iPhone 用アプリケーション開発の方法」という映画が上映されたのを見た。その時、巨大な部屋にぎっしり満員の聴衆の反応は、落胆から激怒まで、さまざまだった。その時分かったのは、「iPhone 用アプリケーション」という言葉が人を惑わす巧妙なごまかしに過ぎないということだった。あなたが開発を許されているのは、単なるウェブページであって、その機能はすべてサーバ側で実装しなければならず、iPhone 自体はウェブブラウザ以外の何物でもない。でも、そこに集まっていた人たちはウェブ開発者ではなかった。彼らは、ソフトウェア開発者だった。彼らは、プログラムを書くのだ。そこに、インターフェイスを与えるのだ。それは、コンピュータで動かすために作られるのだ。その会場にいた人たちは一人残らず、iPhone のことをコンピュータだと思っていた。クールなインターフェイスを備えたコンピュータだ。だから、そのためのプログラムを作りたいと思っていたのだ。私自身もそう思っていた。そういうわけで、私も Apple の立場に同情しないわけではない(彼らに言わせればきっと「誰にでも iPhone をプログラムすることを許してしまったら、電話のネットワークをハッキングしたりダメージを与えたりされかねないから、壊れやすい卵は自分の手の中に置いておこう」ということなのだろう)とは思うが、やはり私は本物の iPhone アプリケーションを書きたいと願っている人たちの方により強く味方したいと思う。だから、そういう人たちがそれをする方法を見つけ出した時に「ハッカー」と呼ばれてしまうことに、私は悲しみを感じざるを得ない。
アプリケーションが非合法化されたら、アプリケーションを書くのはハッカーだけだ。
Jeff Carlson -- 私は iPhone を持っているが、ハッキングは一切していない。一番大きな理由はその暇がなかったということだが、ごく最近になるまでその手順がそれほど簡単なものでなかった(残念ながら、私は Unix 語があまり理解できないので、買ったばかりの $600 の電話機の上でコマンドラインをいじくるのはあまり嬉しくなかった)ということも大きい。それに、私は AT&T に買収されるより以前から Cingular と契約していたので、実際私の iPhone のロックをはずしたいと思う理由は何もない。(外国への旅行をよくすることもないのでなおさら理由がない。)
でも、私はこの問題全般にわたって Apple は間の抜けた行動をしていると思う。それは、彼らが自分の顧客が嫌がる道をわざわざ選んでいる(正直言って、Apple ってほとんど自社の顧客のことを考えていないんじゃないかと思う時は何度かあった)からではなくて、Apple 自身が今回の争い事には相当のお金と時間がかかり、しかも結局は敗北に終わるものだと知っているに _違いない_ と思うからだ。iPhone のロックをはずそうとしている人たちは、ただそれが可能だからしているだけのことで、いくらソフトウェアアップデートが iPhone を煉瓦と化す(素敵な用語じゃないか)としても、それだけではプログラマーたちを押しとどめることはできないだろう。確かに、これはゲームの手段としては賢い一手で、しばらくの間は Apple のエンジニアたちがハッカーたちの先手を打つことができるかもしれない。(ここで私が「ハッカー」という言葉を使っているのは、その言葉本来の、良い意味で言っているのだ。)けれども、それに費やされる時間は iPhone の改良という目的とは異なった方向を向いている。さらには、Mac OS X の改良という目的にも背いている。報道によれば、Apple はプロジェクト間でコードを書く人員を移動させることで iPhone の完成を急いだらしいからだ。実際に iPhone のハッキングをしている人たちの数が、契約に忠実に従いながら幸せに iPhone を使っている顧客たちの数に比べて極端に少ないということは事実なのだから、それを考えるだけでも今回の問題で Apple が大量の人員をそんなことのために費やしているのを見るのはなおさらつらいことだ。
けれども不幸なことに、結局 Apple としては他に選択肢がないのだろうとも思う。Apple は AT&T との間で協定を結んだ以上、きっとそこには法律的な取り決めがあって、Apple が最大限の努力を投じて、人々が iPhone をクラックした結果 AT&T が独占権を失うという可能性が開かれるのを防ぐ、ということを義務付けているのだろう。音楽やビデオの販売の方法についてレコード業界や映画業界が常に Apple の両手を縛っているのと全く同様に、携帯電話各社という外部の利益団体によってこの会社はがんじがらめにされているのだ。私たちに素晴らしい新機能とテクノロジーの恩恵を与えてくれるこの会社は、私たちにそれを与えたいと願ってはいるのだが、そこに介入してくる妥協の一つ一つが、少しずつ Apple という会社の魂から何かを削り落としつつあるのだ。
Joe Kissell -- まだフランスでは iPhone が公式に使えるようになっていないので、私はそれを待っているところだ。すごく欲しいとは思うが、その価格と契約条項がどういうものになるのか、それをきちんと見てからでなければ決められない。間違いなく、私はインターネット機能を頻繁に使うことになるだろう。でも、私が携帯電話で電話をかけるのは、実際回数を数えても一月あたり片手の指で数えられる程度でしかないので、私にとってあまり価値のないそういうものにたくさんのお金を払わされるのは我慢できない。もう長年にわたって、私はほんの少しの通話時間を使えるというだけのことのために妥当な金額を遥かに超える料金を携帯電話キャリア各社に払い続けてきた。フランスに住むようになってからは、二か月ごとに 25 ユーロで再チャージするプリペイドの SIM カードでうまくやってきているのだが、それでさえも私が実際に使う通話時間は払ったお金のほんの一部分でしかない。
私が言いたいのは、もしも私が iPhone をハックして別の SIM カードで使えるようにすること(使いもしないサービスのために毎月何十ユーロも払わされることを防ぐためだ)が、合法的であり、かつ私の手で技術的に可能なものであるのならば、私は喜んでそうするだろうということだ。でも、そうした場合であっても、もしも必要が生じたならばいつでも「煉瓦を元に戻す」ことができる、という確信が持てるのでなければしたくない。これは私がけちけちしているからということではない。ただ、私は信条として、過剰なサービス料金を支払うことにも、また、もはや機能しない機器にお金を出すことにも、無駄な資金を振り当てるべきではないと考えているからだ。
それとは対照的に、サードパーティのアプリケーションが使えるようにするためにハッキングをすることについては、私は何ら躊躇を覚えない。iPhone を手に入れたら、きっと私は半時間もしないうちに何かしらサードパーティのアプリケーションを入れているだろう。それは、その種のアプリケーションで手に入るもののいくつかが(特に SSH クライアントを私は念頭に置いている)この製品に非常に大きな付加価値を加えてくれるからだ。実際、_もしも_ サードパーティのソフトウェアを走らせることができないのならば、iPhone の価格はとても正当化できるようなものではない、とまで私は言い切れると思う。そう考える人は決して私だけではないはずだ。もしも、Apple が付属させたソフトウェアだけしか走らせられないのだとしたら、それでもあなたは Mac を買いますか?
Adam Engst -- Guy Kawasaki が Twitter に書いたコメントがまさしく的を得ていると思う。いわく、「Apple は、きっとこの戦いに負けることになる。」少なくとも短期的には、iPhone のロックをはずすことがハッカーたちの興味をかき立てる難問であり続けるだろう。Apple が穴を一つ塞げば、ハッカーたちはまた別の穴を見つけるだろう。iPhone の契約に関してどれだけ追加の法律条項があるのかどうか、私はよく知らないが、携帯電話のロックをはずすことに関する DMCA の免責規定が存在している以上、どんな法律的償還要求が出されたとしても、それはその免責規定が当該ソフトウェアまたは配付者に適用されないことを証明できるかどうかという技術的問題にのみ焦点を当てたものとなるだろう。
長期的に見れば、私は二つのことのうちどちらかが起こるのだろうと思う。一つは、Apple が他の携帯電話各社と契約の交渉をすることで、iPhone のロックをはずしたいという欲求そのものを除去してしまうという道だ。もう一つは、ハッカーたちがこのいたちごっこに飽き飽きして去って行くという可能性だ。最近私は電子ブック“Take Control of Your Wi-Fi Security”のセキュリティ監査に関する章をアップデートしようと編集作業をしていたところだが、調べてみるとクラッキングのツールのうち多くのものがここ一年か二年の間一度もアップデートされていないことに気付いて驚いた。どうやら、そういう種類のツールを最新に保っておこうという興味を失ってしまった開発者たちが多いようなのだ。
いずれにしても、私も Apple が間違いを犯しているというみんなの意見に同感だ。特に、ネイティブな iPhone アプリケーションを門前払いにしている点に関して強くそう思う。Apple がそうしている理由は理解できる。Steve Jobs は、プラットフォーム上のすべてをコントロールしたいと望むことにかけては悪評高いからだ。現在のところ、iPod プラットフォームの鎧に付けられた傷は最小限にとどまっている。でも、iPod は、少なくとも iPod touch が登場するより以前は、その内部にそれほど十分には汎用のコンピュータとしてのパワーを備えていなかった。けれども iPhone と iPod touch(それに Apple TV)は、本当の意味でほとんどあらゆることができる。Mac OS X のお陰で、Apple は簡単にいろいろな機能をこれらの機器に追加できる。だから、既存の Mac ソフトウェア開発者たちも、必ずや本物のアプリケーションを書いてみたいと思うに違いないということを、Apple は予想できたはずではないか。
Apple が現状のマーケットの中で競合相手の携帯電話各社と契約の交渉をするということは、すぐには期待できないと思う。現在結ばれている AT&T との契約の中にそういうことを禁じる条項があるかもしれないのだから。(AT&T は、Apple との間で約五年間の独占契約をしたと豪語したことがある。)けれども一方で、Apple はその顧客との間で顧客の iPhone に何ら害を与えてはならないという義務をも負っている。iPhone アップデートによって工場出荷状態へのリセットさえもできなくなるということは、あってはならない。iPhone に附随した長々しい契約条項の文章を、法律的に深く深く掘り下げて出てくるものが何であったにせよ、携帯電話業界の内実に不案内な一般のユーザーたちにまで、iPhone のロックをはずすことを巡るさまざまの成り行きについてすべて理解することを求めるというのは、私としてはどう見ても理不尽なことだと思う。とりわけ、ロックをはずすというその行為自体は完全に合法的なことなのだから。
同じように、独立のアプリケーションが使えるようにすることについても、どうやら Apple はこれを全く重要視していないようだが、ユーザーからすれば(Glenn や Joe、その他大勢の人たちも言っているように)それは同意し難いことだ。Apple が好むと好まざるとにかかわらず、Apple は iPhone が一つのプラットフォームであるということを理解する必要がある。そして、そのプロセスをきちんと管理することこそ、それを無視するよりも(あるいはそれに敵対して悪評をもたらすだけの結果に陥るよりも)ずっと効果的かつ利益をもたらす結果を引き起こすはずだ。ひょっとしたら、Apple は Microsoft を見習うべきなのかもしれない。あの会社は、Windows Vista への移行が失速気味となったため、顧客たちの声に耳を傾けて、あらかじめ発表されたより 六か月間も長く Windows XP を販売することにしたのだから。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
私たちは Leopard のカウントダウンが今すぐにでも始まるんじゃないかと期待して待っているが、その一方で私たちは Take Control電子ブックの忠実な読者の皆さんのためにもう一冊、無料アップデートを用意した。この電子ブックシリーズ全体の中のベストセラー、Joe Kissell の“Take Control of Mac OS X Backups”の第2版をお持ちの方のためのアップデート (Version 2.1) だ。この本の第1版をお持ちならば、この最新版が半額で入手できる。いずれの場合も、現在お持ちの PDF の表紙にある Check for Updates ボタンをクリックすれば、お持ちのバージョンに応じて無料ダウンロードページまたはアップグレード割引ページにアクセスできる。
今回のアップデートでの大きな変更点としては、CrashPlan に関する追加情報、インターネットバックアップの各種サービスに関する記事の大幅な拡張、バックアップ用に Blu-ray ディスクドライブや NDAS 機器を使うことについての詳しい説明、それに本全体にわたって Joe のお薦めの情報を各所で変更している。
Joe の熟達のバックアップ技に触れたことがないというあなたには、バックアップを始めるのに決して遅過ぎることはないとお勧めしたいところだが、それは実は大嘘だ。もしもあなたがかけがえのないファイル、写真や、ムービーなどを失ってしまったら、その後から何をしてももう遅過ぎる。だから、どうかよく考えて頂きたい。バックアップは難しいとか、お金がかかるとかいう気がしたせいで、あなたがそんな羽目に陥ることのないようにしませんか。この本で、Joe はバックアプリケーション戦術がうまく働くためにはどんなところが重要かをあなたがきちんと理解できるようにお手伝いし、実際に使えるさまざまなハードウェアおよびソフトウェアの選択肢を説明するとともに、あなたが自分専用のカスタム戦術を組み立てるために、あるいは Joe のお薦めの戦術をそのまま使うために、それぞれ必要なツールが何かを示してくれる。お薦めの戦術は四つある。Saving Money (価格の安さ優先)、Data Safety (データの安全性優先)、Ease of Use (使い易さ優先)、それに Compromise (妥協案) だ。
特に Joe が力を入れて議論した話題としては、間もなく到来する Leopard に含まれる Time Machine があなたのバックアップ計画にどのような役割を果たす(あるいは果たさない)ことになるか、インターネット経由でリモートサーバにバックアップする方法の魅力が増していることについて、それからバックアップ戦術におけるコンポーネントとして彼が Data Backup と SuperDuper を特に気に入っているのはなぜか、といったものがある。また、もはや Joe 自身は年老いつつある Retrospect に対して熱を入れて推薦する気になれないでいるものの、それでもやはり 20 ページ以上を割いて Retrospect を使ったバックアップの手順について解説した専用の付録を付けている。
この電子ブックにはいくつかのクーポンも付いている。Data Backup 3 の 50% 引きクーポン($30 引き)や、CrashPlan または CrashPlan Pro の 10% 引きクーポン($2 または $6 引き)もある。
文: Adam C. Engst <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
私たちの Take Control 電子ブックを結構何冊も読んだことがあるとおっしゃるあなたなら、きっと Joe Kissell のベストセラータイトルのどれかを読んだことがおありだろう。いずれも、細心の注意の行き届いた研究調査と、フレンドリーなアドバイスに満ちた本だ。でも、そんなあなたも、Joe が Mac 伝道師という以外の顔も持っていることはご存じでないかもしれない。そこには、食べ物に関することならお任せ、という彼がいる。彼の書いた“Take Control of Thanksgiving Dinner”(ちょうどバージョン 1.1 にアップデートされたばかりで、2007 年の祝宴シーズンに向けてサツマイモの砂糖煮ソースの互換性問題に対応したバージョンとなった)の中で、Joe は皆さんが伝統的な感謝祭 (Thanksgiving) のディナーを最小限の作業量でストレスなく計画し、手際良く準備できるためのお手伝いを申し出ている。この電子ブックはキッチンに置いたラップトップ機で読むことを念頭に作られており、お薦めレシピその他内部ナビゲーションリンクも盛り沢山で、その上、外部のウェブリソースへのリンクも充実(まずビデオを観てからならば安心して七面鳥を切り分けられる)していて、San Francisco、Seattle、Ithaca にいる多くの友人や家族たちが心から喜んでベータテストをしてくれている。Jeff Tolbert(Take Control of GarageBand 電子ブックの著者)によるイラストのお陰で、七面鳥をオーブンに入れる前に必要な準備段階でのいくつかの微妙な要点も目で見て分かりやすい。また、特別に印刷用に作られた Print Me ファイルも付いていて、これを印刷すれば買い物リストや予定表、レシピなど、好きなようにメモを書き込んだり、キッチンにテープで貼付けたり、お手伝いの人に手渡したりするのにすぐ使える。
この電子ブックが Mac とは何の関係もないことはよく分かっている。ただ、確かにこれを Mac で読むことはできる(し、それが理想的なことに間違いはない)のだが、いずれにしても私たちは(できる限り)コンピュータについての本を書くことに焦点を絞っていたいという考えを変えてはいない。それでも、時にはちょっと枠をはみ出てみるのも気分を変えるという意味で(電子ブックで料理本っていうのはどうだろう?)悪くないと思っている。それに、もしもあなたがこの電子ブックを使って料理をしたならば、それはある意味、あなたが広い意味での私たちの家族の一員になって下さったということになるのではないだろうか。この電子ブックの制作に係わった人たちはすべて、広範囲なベータテストをしたり、さまざまな料理や技法についてそれぞれの長所と短所を長々と議論し合ったり、Thanksgiving の祝宴を楽しみながら準備したいのについついガミガミ言い合ってしまうことにどう対処するかを互いに助け合って考えたり、といった作業で協同してきたからだ。どうぞ、私たちの一員に加わって下さい!
(既にこの電子ブックをお持ちの方は、PDF の最初のページにある Check for Updates をクリックすれば無料アップデートにアクセスできる。)
文: Jeff Carlson <[email protected]>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
iPhone ハックの倫理学 -- iPhone をハックして AT&T のアクセスプランなしで使うことが倫理的に許されるかどうか、読者たちが活発な議論を続ける。その iPhone のオーナーならば、好きなように使ったって自由じゃないのか?(119 メッセージ)
Mac モデル名前付けの慣習 -- Apple が依然としていくつものモデルにわたって同じ一つの名前を使い続けるので、ジャーナリストたちは憤激している。ただ、消費者の立場からはこれは良い方法のようにも見える。 (10 メッセージ)
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Apple PowerBook G4 下側メモリスロットリペアプログラム -- Apple はマザーボード直結のメモリスロットが壊れている PowerBook を対象にリペアプログラムを開始したようだ。ただ、公表されているシリアル番号の範囲に該当しない他の機種でも問題が発生しているかもしれない。 (1=メッセージ)
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