TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#969/16-Mar-09

Apple から新しい第3世代の iPod shuffle(あまりにも小型なのでボタンはすべてヘッドフォンのコードの途中に移動した)と iTunes 8.1 がリリースされたお陰で、今週は iPod、iTunes、それに iPhone の話題で一杯だ。でもそれだけではない。Apple は App Store にも拡張を加えてレビュ−がアプリケーションのバージョンに関連付けられるようにしたので、iPhone や iPod touch のオーナーが良いアプリを選ぶのが以前より楽になった。また、Matt Neuburg は近所の図書館からオーディオブックをダウンロードしようとしてこの上なく馬鹿げた目にあった体験を物語り、Dennis Wurster は PayPal のショッピングカートから郵送用ラベルを印刷しようとしてできない人のために回避方法を伝授する。今週注目すべきその他のソフトウェアリリースとしては CopyPaste Pro 2.0、Front Row 2.1.7、それに NTFS for Mac OS X 7.0 がある。

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第三世代 iPod shuffle は縮小し、おしゃべりになる

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

数年前に、人気テレビ番組 Saturday Night Live の Weekend Update のコントに、あの Steve Jobs (の偽物)が出演した。その中で、彼はいくつかの iPod のモデルを大きい順に披露していく。彼が最後に紹介する極小 iPod invisa はあまりにも小さく肉眼では見えない。しかし、今まで撮られたどんな写真も保存できるなどの機能も搭載する高性能。

今回の Apple による第三世代 iPod shuffle の公開は、あのおかしなコントを思い起こさせる。最新の iPod は第二世代の半分のサイズ。Apple によると最新版は単三電池より小さいという。サイズの縮小と同時に、容量は4倍の4GB となる。曲の長さやエンコード率にもよるが、実に 1000 曲まで保存できる強者、と Apple は宣伝する。

ipodshuffle

なくなったボタン -- 縮小されたサイズのため、コントローラが本体からイヤーピースのケーブルに移った。このケーブルは、iPod touch のケーブルとよく似ているのだが、三つボタンがついていて、ユーザーが 再生/停止、音量大/小、曲飛ばし/曲戻し、早送り/巻き戻し、 曲の情報、プレイリストの変更の操作ができる。電源/プレイモードのスライダーのボタン一つだけが本体に残った。

ipodshuffle2

曲飛ばしや、早送りと巻き戻しの操作のクリックパターンは直感的にできるというほど簡単ではない。取り扱い説明書の中に詳細されているが、取り扱い説明書を全部読む人はそういない。知っておかなくてはならない大切な事は、クリックを二回すると次の曲に飛び、クリック三回で前の曲に戻る。クリックを二回して押し続けると、早送りし、クリックを三回し押し続けると巻き戻しする。

iPod を他社のヘッドフォンで使用するユーザーはこのコントローラの位置が変わった事によって、アップル社製以外のヘッドフォンは使えないと嘆いている。けれども、Apple の Greg Joswiak (Vice President of iPod and iPhone Product Marketing) によれば、Apple は新型 iPod に互換する様々なヘッドフォン、特にスポーツタイプのもの、が販売されるようアクセサリ製造メーカーと協力している。さらに、 Joswiac はイギリスの新聞 Telegraph にこう話す。「アダプターケーブルを販売し、既存のヘッドフォンでも新しい iPod shuffle を使用できるようにする。」

上記に加えていうと、ユーザーが自分のヘッドフォンで iPod shuffle を使用しても、ヘッドフォンを接続すれば再生され、ヘッドフォンを抜けば停止するようになる。でもやはり、音量調整、曲飛ばし、再生の一時停止はこれではできない。

はなしかける -- iPod shuffle へのもう一つ大きな追加点は VoiceOver である。これは iPod が選択された曲名、歌手/アーチスト、プレイリストを音声で教えてくれるという機能。イヤーピースのボタンと同様に、VoiceOver は Apple が iPod shuffle の本体をさらに縮小化させる理由となった。

この機能は見事な物だが、iPod は テキスト読み上げ (text-to-speech operation)を履行しているわけではない。実際、iTunes が speech 合成をしているのであって、iPod は曲と音声表示をミキシングしているだけだ。第四世代の iPod nano が視覚障害者のために、音声メニューを提供するのもこれと同じ方法である。

Apple の iPod shuffle のウェブページにあるビデオガイドを見れば、VoiceOver が実際どのように機能するかがよくわかる。イヤーピースにあるコントローラの真ん中のボタンをずっと押し続けると、VoiceOver が、再生している曲を中断する事なく、曲名とアーチストの情報を教えてくれる。同じボタンをさらに押し続けると、VoiceOver がプレイリストを読み上げてくれる。プレイリストを変えたい時は、好きなプレイリストが読み上げられたとき、真ん中のボタンをクリックすればよい。

Apple によると、VoiceOver は自動的にユーザーの言語を認識できるという。(おそらくユーザーの iTunes の情報から推定するのだろう。) けれど、ユーザーが言語を変えたいのなら、iTunes で変更できる。現在この機能は、英語、チェコ語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語、イタリア語、日本語、北京語、ポーランド語、ポルトガル語、スペイン語、スウェーデン語、トルコ語の14カ国語に対応できる。

たぶん iPod のプロッセサ力が上がる将来先のこととなるだろうが、この音声ベースのインターフェイスをもう一歩進めて、ユーザーが iPhone のイヤーピースと似たワイアー上のマイクを通し、自分の音声で iPod を操作できるようにしてもらいたい。このためには、再生、停止、次の曲、前の曲など、ごく少数のコマンド(指令)を認識するだけで良い。このような機能は、運動や手作業中に iPod を聞く人たちにとって便利なオプションとなるだろう。でも、混んでる空港でこんな風に iPod に話しかけていたら、まったく無作法な奴だと睨まれかねないかもしれない。

あれこれうるさいユーザーは自分の好きなイヤーフォンが使えないので文句を言うかもしれないが、多くの人が、新 iPod の縮小サイズ、イヤーピースのコントローラ、拡張された容量、プレイリストのサポート、VoiceOver を気に入るはずだ。全体的に、これは 一番手ごろな価格の iPod モデルへの歓迎すべき、前向きなアップデートといえる。

iPod shuffle は酸化皮膜処理されたアルミニウム製で、ブラックとシルバーの二色があり、ステンレススチール製のクリップが付いている。Apple によるとバッテリーは10時間再生が可能。iTune 8.1と一緒に使用しなくてはならないが、こちらも iPod shuffle の公開と同時にリリースされた。

第三世代 iPod shuffle の小売価格は79ドル(8800円)で今すぐ入手可能。第二世代 iPod shuffle は五色あり、容量は1GB。こちらも49ドル(5800円)でまだ入手可能だが、Apple が第二世代をいつまで提供するかは不明。


iTunes 8.1 で DJ 機能が強化される

  文: Adam C. Engst <[email protected]>, Doug McLean <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

第三世代の iPod shuffle は iTunes 8.1 を必要とするとそのソフトウェアが実際に出る何時間も前に発表してしまう中で、Apple は柄にもなくこの単なる軽微なアップデート以上のものについての秘密を漏らしてしまった。この最新版の iTunes は、新しい iPod shuffle に対するサポートを含んでいるのは勿論だが、その他にも Party Shuffle (今は iTunes DJ となった) に対する目に付くアップデートやその他を含んでいる。

iTunes DJ -- iTunes 8.1 は長年続いてきた Party Shuffle 機能を iTunes DJ へと名前を変え、そしてこれによって iPhone か iPod touch そして Apple の Remote アプリを持っていてあなたの Wi-Fi ネットワーク上にいる人なら誰でも曲をリクエストしたり或いはリクエスト曲に賛成票を投じたり出来る様にした。iPhone と iPod touch のユーザーは、共有された iTunes DJ にアクセス出来るようになるためには Remote 1.2 にアップデートしていなければならないが、一旦それが済んでしまえば、ホスト Mac 上にある全 iTunes DJ ソースリストを見て好みの曲に投票することが可能になる。一票だけでもその曲をそのプレイリストの一番上に持っていくには十分であるが、複数の人が投票している場合は、より多くの投票を獲得した曲が一番上に行く。ある曲に対して反対の投票は出来ない。

iTunes-DJ-Remote-app

iTunes の中で、iTunes DJ 機能は独自の設定を持ち、これにより歓迎のメッセージを送ったり、投票をオンかオフにしたり、或いはユーザーのアクセスにパスワードを必要としたりすることが出来る。

iTunes-DJ-settings

iTunes DJ は、クラブや大きなパーティでは間違いなく人気者となる極めて格好良い機能ではあるとは思われるが、勿論その場で音楽を担当している人が誰であっても客の参加を受け入れるとの前提付だが、大きな集会以外の所ではとりわけ有用であるとも思えない。そうではあっても、iTunes DJ と Remote アプリで個人のジュークボックスを作れると進言している人もいる;私自身は、私の音楽とその様な形でやり取りしている時間はないとは思う。

その他の改良 -- iTunes 8.1 は大きなライブラリを取り込む、iTunes Store 内をナビしていく、そして機器を同期するという様な仕事をするのは速くなると Apple は言っている。ただし Apple は、ではそれらの仕事はどれぐらい速くなるのかには言及しておらず、ただ単に目に見える程改善されているとしている。我々はまだ大幅な改善の感触は得ていないし、iTunes Store 内の色々な違った場所へのアクセスも Safari で Web ページをを取り込むよりは未だずっと遅いと感じている。

iTunes は今や CD からの音楽を自動的に "iTunes Plus" ファイルに - つまり 256 Kbps の AAC フォーマットに - 変換するので、128 Kbps でエンコードされていた以前の標準ファイルよりも高品質となる。

ペアレンタルコントロールも iTunes U と iTunes Store は個別にコントロールされる様になったので、以前の iTunes ユーザーであるティーンエイジャーも、iTunes Store にこっそり抜け出して彼らが今日では音楽と考えている騒音に聞き入ると言うことなど無しに、iTunes U で講義に専念することが出来る。

多分最も重要なのは、これまでは iPod shuffle にのみにあった Autofill 機能が、今や全ての iPod で使える様になった事であろう。あなたは Autofill が同期の度に、全てのアイテムを置き換えるかどうか、或いはアイテムを無作為に選択するのか、そしてより高い点がついた曲を好むのかを制御できる。スライダーを使ってディスクの使用領域を割当てることも出来る - さもなくば、Autofill は相手側の iPod に収まる音楽の量を自動的に選択するので、推測ゲームをする必要は無くなる。ちょっと使ってみたことから我々が言える事は、Autofill はポッドキャストの設定は尊重する様に見えるようし、これ自体は良いことである、そして Autofill 全般としては、自分の iPod に収まる以上の音楽を持っている人達には極めて歓迎すべきものの様に思われる。しかしながら、Autofill を使えるようにするのは自明では無い;"IiTunes 8.1 の Autofill 機能を求めて" 2009-03-13 参照。

iTunes-Autofill-Settings

奇妙なのは Genius サイドバーで、これは iTunes が新しい曲を推薦する一つの方法として iTunes 8.0 で導入されたものなのだが、テレビや映画の推薦にまで拡張されるはずであった - これはリリースノートにも書かれていたし、Apple は iTunes Web ページをこれを取り上げるためにアップデートまでしている。ところが、この機能は最終段階で取下げられてしまったらしい、と言うのも iTunes 8.1 での Genius では "Genius は音楽専用です。あなたのライブラリで曲を選択すればそれに関連した音楽が見られます。" と言っているからである。iTunes 8.1.1 が間もなくお目見えするのかもしれない。

Genius-promo

iTunes 8.1 は Mac OS X 10.4.10 かそれ以降を必要とし、PowerPC G3 プロセッサを持つ Mac にまで遡って働く。63.4 MB のダウンロードで、Software Update 経由か Apple の Web サイトから入手できる。


iTunes 8.1 の Autofill 機能を求めて

  文: Michael E. Cohen <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

最近リリースされた iTunes 8.1 により、以前のように iPod shuffle のみでなくすべての iPod で Autofill (オートフィル) 機能が使えるようになった。Autofill を使えば、あなたの iPod を手軽に音楽で一杯にできる。ちょうどの量になるよう自動的に音楽を選んでくれるので、あなたがいろいろ当て推量する必要もない。Autofill はこの作業を見事にこなしてくれるのだが、その一方で、あなたの iPod (あるいは iPhone) からこの機能にどうすればアクセスできるのかは、決して分かりやすいとは言えない。

iTunes 8.1 で Autofill 機能を利用するには、以下の手順に従えばよい:

  1. iPod をあなたのコンピュータに接続する。
  2. iTunes のソースリスト(つまり左側のサイドバー)で、あなたの iPod のアイコンをクリックする。
  3. iTunes のメインパネルの上の部分で、Summary タブをクリックする。
  4. Summary 情報パネルの一番下近くにある“Manually manage music and videos”(音楽とビデオを手動で管理する) チェックボックスをチェックする。
    iTunes-Manually-Manage-Music
  5. ソースリストに戻って、あなたの iPod の左にある三角形をクリックしてその内容を表示させ、その下にある Music アイコンをクリックする。

これでやっと欲しかったものが見えた。iTunes ウィンドウの一番下に新しいパネルが現われて、そこには Autofill ボタン、Settings ボタン、それと Autofill 作業のソースを選べるメニューがある。

iTunes-Autofill-pane

パイを食べるみたいに朝飯前だ。きっと、この手順をわけなく見つけたあなたなら、パイの値さえもそろばんでちょいちょいと計算できるのだろう。(何しろ先週の土曜日はパイの日 ( National Pi Day)、3 月 14 日にちなんだ 3.14 の日だったのだから。)冗談はさておき、この Autofill 機能は非常に歓迎すべきものなのだが、そこへアクセスする手段は蛇のごとく曲がりくねっていて分かりにくい。ユーザー体験を改善しようと思うなら、Apple は以下に述べるようなことを考慮すべきだと思う:

なぜか、私にはこのパイがまだ生焼けのような気がしてならない。願わくは、Apple が私の助言のどれかを聞き入れて、これをもう少しアクセスしやすいものにしてくれるように。それ以外の点では、とても便利な機能なのだから。

[“Take Control of Syncing Data in Leopard”の著者でもある Michael E. Cohen は、同期に関係したことならばどんな話題にも非常に深い関心を持っている。]


App Store でのレビューがバージョン別になる

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

iTunes Store で、バットマンシリーズ最新作で、傑作といわれるバットマン:ダークナイトと、愚作バットマン&ロビンのカスタマーレビューが、混同されていると想像してみてほしい。きっと紛らわしくて、苛立ってくるだろう。もちろんどちらにも、バットモービル、秘密基地バットケイブ、そしてバットマン自身が出てくるけれど、これらの二作品は全く違った映画である。これはあまりうまい例えではないだろうけど、僕の言いたい事はわかってもらえるんじゃないだろうか?

今まで、iPhone の App Store でのカスタマーレビューの際には、バージョン別にレビューする手がなかった。だから、アプリの開発者達は、バグやプログラム上のミスが一度あると次のバージョンでは修正してあるにもかかわらず、痛烈批評され続けるはめとなった。新しいレビュー方針で、カスタマーレビューの際には、「最新版レビュー」か、「その他すべてのバージョンのレビュー」かの二つのどちらかを選択できる。

App-Store-reviews

おそらく、いったんアプリケーションが更新されると、古くなったバージョンのレビューと格付けは、「その他すべてのバージョン」のレビューと格付けのなかに統合されてしまうのだろう。そのため、最新版とそのすぐ前のバージョンを比較をする事はたぶん無理になるだろう。まあ、それができれば便利にこしたことはないが、結局、最新版だけしか買えないので、そのような比較はあまり関係ないのかもしれない。

概して、開発者達はこの新しいレビュー方法を喜んで受け止めているようだ。翻訳アプリ Babelingo を開発した Alta Vida の Shane Crawford は言う。「バージョンと日付けにそったアプリのレビューはもっと以前からやるべきだった。やっとそうなってくれて本当によかったよ。」けれども、彼は App Store が旧バージョンすべてをひとまとめにして、それぞれの星格付けを曖昧に平均化してしまった事に対しては、不満が残るようだ。

写真をクリックするだけで電話がかけられるアプリ、SmileDialを開発した Dejal Systems の David Sinclair もこれは最も喜ばしい改善の一つと呼んでいる。「時折カスタマーレビューには、修正された旧バージョンの事が書かれてあるが、バージョンナンバー(あるいは日付け)なしでは、買い手が実際そのレビューを参考にできるのかどうかわからない。」

もう一つの App Store の改善点は 「最も参考になる」「最も好意的」「最も批判的」「最も新しい」というようにレビューを仕分けできる機能がついたことだ。これによって、App Store は アマゾンなどの通販サイトと足並みをそろえて、利用者がレビューをもっと読み操れるようにした。アマゾンでは、「最も参考になる好意的レビュー」と「最も参考になる批判的レビュー」が 横列して比較できるようになっているので、こちらの方が、まだ一枚上といえる。Apple もこれと同じ機能を App Store に加えたらよいのではないか。

Shane Crawford がさらに提案するところによると、アップルはユーザーがアプリを削除する時に表れる、レビューを促すプロンプトの除去を検討するべきだ。なぜなら、アプリケーションを削除する時点では、ユーザーがそのアプリに対して否定的であるからだ。Napkin Genius を開発した Atmomic Powered の Adam Talcott もこれに賛成し言う。「アップルには、ユーザーが削除するアプリケーションだけでなく、愛好しているアプリケーションも格付けし易くなるようにしてほしい。」

削除の際のレビュープロンプトはユーザーの否定的な意見だけ集めるので、アップルはもっと偏りのないバランスのとれたデータを集めるよう努めてもらいたい。解決策の一つとしてこのプロンプトを単に除去すればよいが、もっと建設的な方法として、ユーザーが長く使っているアプリケーションに、使用時間または起動回数に応じて表れるレビュープロンプトを設置すれば良い。どちらにしろ、これは開発者の頭を離れない問題であり、アップルにはきちんと取り組んでいってもらいたいものである。

アップルは以前にも、App Store のレビュー過程と方針について改善を図った。2008年の9月には、でたらめなレビューを防ぐため、 App Store のレビュー者は、対象となるアプリケーションを必ずダウンロードしてから書くようにとした ( "Apple、App Store の顧客レビュー規定を変更" 2008-10-07 参照)。アップルはさらに、レビュー欄を一掃するために、数週間ほど前、ユーザー以外の人によって書かれたレビューはすべて取り除く というステップを踏んだ。これにより、ほとんどのアプリケーションのレビュー数は減ったのだが、平均の格付けは上がるという結果を生んだ。

最近の記事でも書いたように、(2009-03-06 の記事“アプリへの高額出費は、iPhone の顧客固定化に繋がる”参照) App Store をよりよく改善する事は 本当に Apple の益となる事だ。レビュー過程が消費者の意見をできるだけ明確に反映できるよう努める事はまさにそうだ。だから、レビューをバージョン別にする事は堅実な動きといえる。


PayPal のショッピングカートから発送ラベルを印刷する

  文: Dennis Wurster <[email protected]>
  訳: 細川秀治 <hosoka@ca2.so-net.ne.jp>

私のクライアントは、最近 PayPal を利用する簡単なショッピングカートを設置した。彼は、自分の発明した小さな器具を販売しており、梱包と発送を自分でやっている。

おおむね、PayPal は配達確認用のバーコードや電子切手などを含む 発送ラベル を容易に印刷できるようにしている。これは、私のクライアントのような多数の郵便物を発送する人々が郵便局での時間を節約する便利な方法だ。

PayPal の Java ベースのラベル印刷ソフトウェアでは、アプレットがウェブページに埋め込まれ、印刷の計画を立てるラベルが三つのボタンと共に表示されるウィンドウで構成されている。ひとつのボタンではプリンタを選択し、もうひとつのボタンではイメージをウォーターマーク付きでプレビューし、三つめボタンでは正式なラベルを印刷して郵便料金があなたの PayPal 残高から差し引かれる。

私は当初、この目的に Dymo LabelWriter Twin Turbo を使用できると楽観視していた。しかし、試してみたところ、どうしても希望する用紙方向のラベルを印刷することができなかった。横位置の用紙にしたかったのだが、それらは縦位置でしか印刷できなかった。昔から、Mac ユーザーは、この問題を“ページ設定”ダイアログで用紙の方向を調整して解決してきた。しかしこの場合では、そのように変更することでブラウザがウェブページ全体を印刷する場合には働いたが、埋め込み Java アプレットにはなんら効果がなかった。

残念なことに、PayPal のサポートページによれば次のように書かれている、「Macintosh コンピュータでのラベル専用プリンタの使用は、現在サポートされていません。」つまり、あなたが Mac でラベル専用プリンタを使用して発送ラベルを印刷したいとすれば、それはうまく行かないということだ。

幸いにして、私はこの悲観的な状況を和らげてくれる効果的な回避策を発見した。ちょっと実験した後、今では Dymo LabelWriter Twin Turbo を使用して発送ラベルをきれいに印刷している。もうひとつの“1-Part Internet Postage Label 用紙”(商品番号 99019) をサポートする Dymo ユニットも、同じようにうまく動作するはずだ。

この問題の最もやりにくい部分は、PayPal の組み込み Java アプレットが標準の印刷ダイアログを提示しないことだ。アプレットで“ラベルを印刷”ボタンを一旦クリックすると、ラベルプリンタが不適切な印刷のまま即座にラベルを吐き出す。

印刷プロセスのコントロールに取り組むため、ラベル専用プリンタとの通信を開始する前に、私は PayPal の Java アプレットを一時中断しておく必要があった。まず手始めとして考えたのは、中間の PDF ファイルに印刷しておくことだ。

しかし、これは通常の Macintosh のアプリケーションと違っていて、簡単ではなかった。繰り返しになるが、私は、利用できる標準の印刷ダイアログを持っていなかった。私が必要なものは、印刷ジョブ引き受けて PDF ファイルにする仮想プリンタだった。PayPal のアプレットが、この仮想プリンタに印刷してくれさえすれば、私が望んでいるものはその結果としてできる。

Adobe の Acrobat Professional は PDF ファイルを作成できる仮想プリンタをインストールするが、これは 449ドルも掛かって、この特定のニーズには大袈裟すぎる。ちょっと Google 検索してみたら、無料の CUPS-PDF を見つけたので、その手順に従って PDF ファイルを直接印刷する仮想プリンタを作成した。それから、PayPal に指示して、ラベルをこの仮想プリンタを使用して印刷するようにした。最初のテストは完璧にうまくゆき、PDF ファイルがデスクトップ上のフォルダに出力された。

その後、私は Preview で PDF ファイルを開き、そこでやっと、ページ設定ダイアログの向きを横位置に調整し、用紙サイズのポップアップメニューから適切なラベルを選択できた。最後に、私は、Preview の印刷ダイアログで印刷ボタンをクリックした。Dymo LabelWriter Twin Turbo は、私が望んでいたとおり、きちんとラベルを印刷した。成功だ!

Page-Setup
Print-dialog

PayPal が、彼らのラベル印刷アプレットを更新して、Mac に接続したラベル専用プリンタが正常に動作するようになるまで、私はこのメソッドを使用することを提案する。これには余計な手順が必要だが、どんなラベルであっても、PayPal が出来ないと主張しているのを信じるよりましだ。

[Dennis Wurster は Mac 関連専門のサービスを Rochester, NY 市内外の事業者に提供している。Ziff-Davis の "Mac Administrator's Journal"の寄稿者で、User Group Leadership Conference の発表者でもある。Dennis は Apple Product Professional に認定され、現在は、開発したソリューションを Mac Smarts でブログに展開している。]


図書館からオーディオブックをダウンロード: とっても馬鹿げた物語

  文: Matt Neuburg <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

オーディオブックはジョギング中や、車の中、就寝前の時間を過ごすのに最適なものだ。だから二年ほど前に、図書館がインターネット上でオーディオブックを配布しているという話を聞いて、私は有頂天になった。でもすぐに、そのシステム全体が Windows 専用と知ってがっかりした。(これは、米国のほとんどの地域で言えることらしい。あなたの近所の図書館でオンラインカタログを調べてみれば、おそらくあなたは、仮にダウンロード可能なオーディオブックが提供されていたとしても、私の場合と同様それが NetLibrary 経由で運用されていて、同じ制限が課されていると知ることになるだろう。)見たところその理由はデジタル著作権管理が必要と認識されていることに関係しているようだ。どうやら、ユーザーが図書館からダウンロードしたオーディオブックを「盗む」のを防止するテクノロジーが内蔵されているのは Windows だけだということらしい。実際、私は自分の Intel ベースの MacBook の上で Windows を走らせることも考えてみたが、そういうオーディオブックを入手するだけのためにそこまでの手間をかける価値はない、と思うに至った。

その後、2008 年の末ごろになって、図書館からオンラインでオーディオブックを入手する道が Mac ユーザーにも広げられたという発表があって私の心は踊った。これは、OverDrive Media Console という名の無料のアプリケーションを使ってするのだという。私はさっそくそのアプリケーションをダウンロードし、大急ぎで(文字通り私のブラウザの中で急いで操作して) 近所の図書館のウェブサイト を開いて、私の好みのオーディオブックがあるかどうか見てみようとした。しばらくの間混乱させられつついろいろやったあげく、そのアクセスがサードパーティのサイト、Black Gold Cooperative Library System というところを経由してなされているのだと気が付いた。(先ほどと同様、もしもあなたの近所の図書館が Mac 互換なダウンロード可能オーディオブックを提供していて、それが OverDrive を通じて運用されているのならば、同じような状況にあると気付かれることだろう。ただし、本の入手方法の具体的な点は異なるかもしれない。)

では、実際にやってみての体験はどうだったか? それは、実に馬鹿馬鹿しいものだった。

苦悩と愚かしさと -- まず第一に、あまり私の興味を惹く本がなかった。選べる本の種類が、200 タイトル以下だったのだ。(これで図書館かよ!)

それから、やっと私が聴いてみたいと思う本を探し当てた時、その本をすぐにダウンロードすることは、まだできなかった。まずその本を「予約」しなければならないという。しばらくあちこち探し回ったあげく、その理由が分かった。Black Gold はこれらのオーディオブックを、あたかもそれが実際の図書館から借りてきた物理的な物体であるかのように扱っており、それを借り出すのは一度に一人しかできないということだった。この段階で、私にできたのは次のようなところまでだった。「あなたの選択されたタイトルは、あなたに予約されました。このタイトルが貸し出しできるようになり次第、あなたに電子メールでお知らせします。電子メールを受け取ったら、4 日以内にそのタイトルを借り出して下さい。」

そして数週間が過ぎ、ようやく私は約束通り電子メールを受け取った。そこで Black Gold サイトに戻ってみると、そのオーディオブックはまだダウンロードできないことが分かった。ただ“Add to Cart”(カートに追加) ボタンをクリックさせられただけだった。まるで、ソックスを買い物しているみたいだ。カートのページには次のような警告が出た。「注意して下さい: あなたがカートに加えたタイトルは、30 分間が過ぎると図書館のコレクションに戻されてしまいます。必ずこの時間制限内にチェックアウトを済ませて下さい。そうしなければあなたはお望みのタイトルへのアクセスを失うことになります。」

次のステップは“Proceed to Checkout”(チェックアウトに進む) をクリックすることだった。(ますますソックスの買い物みたいになってきたぞ?)でも、まだ本のダウンロードはできなかった。まず最初に“Terms of Service”(利用規約) ページを通り抜けなければならなかった。(当然ながら私は読みもしなかったが、誰もそんなことはしないだろう。)そして“Confirm Checkout”(チェックアウトの確認) ページに進んだが、ここでも _まだ_ 本のダウンロードはできなかった。ここでは、私がその本をダウンロードしたいという意思を確認させられただけだった。でもそんなことはもう何度も言ったじゃないか。それでも、このページで私はオーディオブックを「借り出す」という用語の意味をより深く知ることができた。一度に借り出すことができるのは最大 4 冊までということ(このサイトに私の読みたい本が 4 冊もあるかどうかは別として)と、借り出せる期間が最大 14 日間だということが分かった。(ここで私は考え込んでしまった。その 14 日間が過ぎたらどうなるのか? ファイルが再生できなくなるのか? それとも私の iPod が自動消滅するんだろうか?)

こうしてついに私はダウンロードページに到達し、そこにあったリンクをクリックした。でも、本のダウンロードは _まだ_ だった! 私がダウンロードできたのは、ごく小さな“.odm”ファイルだと分かった。このファイルをどうすればよいのか、しばらく迷ったが、いろいろやってみるうちにどうやってこれを使うのかが判明した。このファイルを OverDrive Media Console で開かせれば、_それ_ が実際のダウンロードをあなたのために実行してくれ、その MP3 ファイルを ~/Documents/My Media/MP3 Audiobooks の中に置いてくれるのだ。

DRM の D は誰が書いた? -- 愚かさの上に愚かさが重なる。まず初めに数週間も待たされる。それから、本をダウンロードできるのかと思えばそうではなくて、仮想上のカートに入れるよう強制される。そのあげくに、即座にダウンロードしなければ自動的に私のカートから取り除かれるって? そんなことを言うのなら、なぜ初めからダウンロードさせてくれなかったんだ?

このこと全体が何を意味しているのか、私には至極明らかに思える。DRM (digital rights management, デジタル著作権管理) や、時代遅れで企業側にのみ向いたわが国の著作権法などに関する果てしない議論の泥沼に、沈み込む必要もない。私が今書いているこの物語には何も原本がないので、保護すべきものも何もない。その MP3 ファイルをダウンロードした時、あなたは物理的な物体を借りているのではない。物理的な物体ならばあなたが持っている間は他の人が持つことはできないのだが、そうではない。これはデジタルなものであって、あなたがダウンロードしたのは、その本質からして、あなたがそれを受け取るよりも前の時点から、これは既にコピーだ。従って、このサイトが称するところの、他のすべてのユーザーが「終えた」後でなければその MP3 ファイルを「手にする」ことができないとか、それを「カート」に入れた後で一定時間内に取ってこなければならないとか、一定限度内の期間しかそれを「手元に置く」ことができないとかいう、いわば「見せかけ」は、すべて単に物事を不便にさせるためのたわ言に過ぎないのだ。

でも、これらすべての愚かしさの上に、もう一つ輪をかけて愚かしさが重なることとなった。それは私に許された 14 日間が過ぎた後で何が起こったかだが、実は何も起こらなかったのだ! 確かに、OverDrive Media Console を起動させた時、ダイアログが現われて私の「メディアライブラリ」の中にある項目が「期限切れ」になったと言ってきた。いわく、「ライセンス規約と利用規約に基づき、あなたには期限切れとなったタイトルを削除/破棄することが義務づけられています。その対象にはポータブル機器その他のメディアに転送されたものも含みます。」そして、先に進むためには Delete (削除) ボタンをクリックしなければならなかったので、当然ながらそれらのファイルは私の MP3 Audiobooks フォルダから削除された。

でも、もちろん、私はそれらのファイルのコピーをとっておいてあった。私のコンピュータの中で別の場所にあったコピーも、別のコンピュータに置いてあったコピーも、私の iPod 上のコピーも、すべてそのまま削除されず残っており、それらはもちろん完璧に再生できた。結局、この物語のどこにも DRM は実際関係していなかったのだ! ならば、この大騒ぎはいったい何のことなのか?

常軌を逸した歌舞伎ごと -- ここからは私の推論だ。図書館は、デジタルなオーディオブックをどこかの出版社から購入した。そのためには、そのオーディオブックが無制限にコピーされる事態が決して起こらないことを、出版社に納得させなければならなかった。そのことが出版社の側にとって妥当な懸念であるかどうかという問題は、ここではさておくことにしよう。(ちなみに私はそうではないと考えている。なぜならデジタルとは自由になるべきものだからだ。いわば「鳥のように自由に」だ。[訳者注:“Free As A Bird”はビートルズの名曲です。])図書館と出版社の間のビジネスのやり方とはそういうものだ、と一応納得しておくことにしよう。

この推論を裏付けるものとして、次のような話がある。二年ほど前、私は図書館からカセットテープ(皆さんは覚えているかな?)に入ったオーディオブックを借りた。私が最初にしたことは、家に帰ってすぐに、そのテープを再生してコンピュータに入力し、出来上がったデジタルファイルを MP3 に変換するという作業だった。これは決してその本を盗むためではない。そうではなくて、聴くためだ。私は(長時間運転する旅行中に iPod で)それを聴いて、その後ファイルを削除した。でも、そのテープには一部ダメージの跡があったので、私はこういうことが起こらないようにする手助けができると思い付いた。この図書館は非常に規模が小さく、大体はボランティアのスタッフで運営されていたので、私は図書館の管理者の部屋を訪れてこう言った。「こちらのカセットライブラリをデジタル化するお手伝いをしたいと思いますが、いかがでしょう。デジタル化しておけば、将来劣化することも防げますし、借り出した人たちもその方が手軽に聴けると思いますが」と。すると管理者たちは突然恐怖に震え上がり、あわてて私を建物の外に追い出した。明らかに、図書館はそういう考え方をすることが許されていないらしい。彼らは物理的な物体を扱うのが仕事で、新たな物理的コピーを作り出すことは違法なのだ。

さて、オーディオブックをダウンロードする私の話に戻ろう。私の経験した先ほどの手順を、Windows ユーザーにとっての手順と比較してみよう。Windows ユーザーは WMA 形式のオーディオブックを図書館のウェブサイトから即座にダウンロードできる。サードパーティのアプリケーションを経由する必要もない。でも、そうやって得られる WMA ファイルには _実は_ 本物の DRM が埋め込まれている。つまり、一定の最近のバージョンのf Windows Media Player で、しかも一定の許可されたハンドヘルド機器の上のみでしか、それを再生することができないのだ。だから、そのファイルの再生可能性については(さらに、その再生可能期間についてもそうだろうと思われるが)十分なコントロールが施されているので、関係者すべてを満足させることができるのだろう。

一方、Mac には Mac の DRM メカニズムが存在している。(つまり、iTunes とそこで認可された AAC ファイルだ。)さらには、iTunes による映画のレンタルについては無期限で再生できるメカニズムさえある。けれどもそれは iTunes Store を通じて動作するものであって、おそらく今回のオーディオブックを配布する会社には手の出せないものだろう。その結果、彼らには _一切_ DRM メカニズムが使えないことになる。従って、彼らは妥協策として別の方法を選ばざるを得ないこととなった。つまり、彼らはユーザーを強制的に滑稽な歌舞伎風のドラマに参加させ、そのドラマの目的はただ一つ、ダウンロードされようとしているものが _あたかも_ 現実の物理的物体であって一度に一人だけが限られた期間内しか借りられないものであるかのような観念を植え付けるためのものだ。これは、言わば催眠術による DRM ではないか! どうやら、関係諸法律が遵守されているとすべての関係者を満足させるためには、こうした催眠術だけで十分だったらしい。けれども、ここに含まれている催眠術は実際は単なる自己催眠に過ぎない。誰かが、どこかで、他ならぬその人自身を騙しているだけだ。もしかすると、入手可能な MP3 ダウンロードの選択肢がこれほど狭いのはこれが理由なのかもしれない。ひょっとして、もともと売れ行きの悪かった本だけにアクセスを許しているのだろうか。そういう本にならば、所詮何が起ころうとも彼らにはどうでもよいのかもしれない。


TidBITS 監視リスト: 注目のソフトウェアアップデート、16-Mar-09

  文: Doug McLean <[email protected]>, Joe Kissell <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Script Software の CopyPaste Pro 2.0 は、古参の複数クリップボードユーティリティの最新版だ。今回の変更点の主なものを挙げれば、Clip History および Clip Archives のためのいつでも即座に開けるパレットの新設、Bean と呼ばれるクリップボードエディタ、新しいドラッグ&ドロップ機能、マニュアルの大幅なアップデート、インターフェイスの刷新、パフォーマンスの改善、それにデンマーク語、日本語、ドイツ語への翻訳版の新規追加などがある。($30、アップデート無料、3.7 MB)

Apple の Front Row 2.1.7 は、すべての Mac と Apple TV で使えるメディアセンターソフトウェアへのアップデートだ。今回のアップデートでは、最近リリースされた iTunes 8.1 との互換性を提供している。入手はソフトウェア・アップデートから、あるいは Apple Support Downloads ページからもできる。(無料アップデート、 12.6 MB)

Paragon Software の NTFS for Mac OS X 7.0 は、NTFS フォーマットボリューム上に保存されたファイルへの読み/書きアクセスを Mac ユーザーにも提供するこのソフトウェアの、最新アップデートだ。NTFS フォーマットボリュームは、例えば Boot Camp で使われている。(Windows XP では選択肢の一つ、Windows Vista では必須。)この最新バージョンでは、Boot Camp ユーザーに HFS/HFS+ でフォーマットされた Mac ボリュームへもトランスペアレントなアクセスを与え、Windows で再起動するための別途の方法を提供し、また Mac OS X の下で NTFS のパフォーマンスと信頼性を高めている。($39.95、2.9 MB)


ExtraBITS、16-Mar-09 版

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

'Take Control of iWeb '08' が MobileMe と Twitter 情報を更新 -- 今もまだ iWeb '08 を使っている人たちのために、電子ブック“Take Control of iWeb: iLife '08 Edition”の無料アップデートがリリースされた。(旧バージョンをお持ちの方は、Check for Updates をクリックすればアップデートできる。)今回のバージョンで、著者の Steve Sande は .Mac を MobileMe の新情報で置き換えるとともに、どうすれば iWeb ページに Twitter フィードを追加できるかの説明も加えている。この本の iWeb '09 版は現在制作中で、2009 年内に '08 版を購入された方には無料アップデートとなる。(リンク投稿 2009-03-16)

Mini DisplayPort から Dual-Link DVI へのアダプタが問題を起こす? -- SpamSieve や DropDMG などのユーティリティで有名な Macintosh ソフトウェア開発者 Michael Tsai が彼の 15 インチ MacBook Pro で Mini DisplayPort から Dual-Link DVI へのアダプタを使おうとして正しく動作しなかった問題について自身のブログで議論している。Tsai の言葉によれば、この $99 のアダプタは 2008 年の 12 月にリリースされたものだが、さまざまにスクリーン表示の歪みを引き起こすといい、Apple は問題の所在を認めているもののまだ解決法は提供していないという。(リンク投稿 2009-03-09)

Google Docs でセキュリティの問題 -- 多くのユーザーが、最近 Google から「あなたの Google Document のうちいくつかが誤って従来アクセス権のなかった人たちにも共有できるようになっていた」という知らせを受け取った。このセキュリティの問題は Google Docs の全ユーザーのうちおよそ 0.05 パーセントに影響を及ぼしたらしいが、クラウドベースのコンピューティングに懸念を持っていた人たちにさらに不安を与えたようだ。ただ、盗難に会ったラップトップ機の中に保存されている書類もやはりセキュリティとプライバシー上の大きな問題の原因となると指摘する人たちもいる。(リンク投稿 2009-03-09)

Doug が Tech Night Owl Live で iMac と Safari 4 を語る -- インターネットラジオの世界への初デビューを果たした Doug McLean が、Tech Night Owl Live で Gene Steinberg と対談する。(05-Mar-09 の番組の中ほど3分の1くらいだ。)話題は一新された iMac シリーズ、最近アップデートされた Safari ブラウザ、それに彼にとって夢の Apple マシンとはどんなものか、という話だ。(リンク投稿 2009-03-09)


TidBITS Talk/16-Mar-09 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

アップデートされた Apple Base Stations について質問 -- 最も良いワイヤレスネットワークを判定できる機能は、Apple の最新型の AirPort Extreme のみの機能なのか? それとも、他のデュアルバンドルータでも同じことができるのか? (メッセージ数 2)

デュアルネットワーク AirPort Extreme Base Station を実地に使う -- Apple のワイヤレス機器は入ってくるデータのタイプを優先順位分けできる能力を持ってはいるが、この機能はまだ実装されていない。(メッセージ数 4)

iPhone アプリ -- iTunes の中で App Store の検索結果を見ることができないという読者がいる。(メッセージ数 3)

メモリスティックの問題 -- 大きなサイズのファイルをメモリスティックにコピーしようとするとクラッシュするのは、ドライバのバグのせいらしい。(メッセージ数 2)

フロッピーのリサイク -- 古くてもう使わなくなったフロッピーディスクを処分するにはどうするのがベストな方法か? それらを保管していたケースはどうか? (メッセージ数 3)

第三世代 iPod shuffle は縮小し、おしゃべりになる_ -- iPod shuffle に付属するようになった新しいコントローラ付きヘッドフォンについて読者たちが議論する。他のヘッドフォンを代わりに使う(つまり、ランニング中に耳から滑り落ちたりしないものを使う)ことは可能だろうか? (メッセージ数 8)

MailForge 対 Eudora -- MailForge はどうやらリリース間近のようだが、これは由緒正しき Eudora と比べるとどうなのか? (メッセージ数 5)

近所の年配の人に薦めるべき Mac -- もう長年コンピュータなど使ったことがないという年配の隣人たちに Mac を薦めるとしたら、どの機種が良いか? (メッセージ数 6)

Mac Pro の価格 -- 新型の Mac Pro のいろいろな構成オプションについて、読者たちが価格を検討する。(メッセージ数 2)

スパム -- あるスパマーが TidBITS の防衛戦を破るという事件が起こった。(何てこった!)そこで、未承諾の電子メールにどう対処すべきかという問題がまたもや取り沙汰される。(メッセージ数 15)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2009年 3月 19日 木曜日, S. HOSOKAWA