TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#974/13-Apr-09

Apple は与え、そして Apple は奪う。「与える」側では、Apple は先週、パフォーマンスを改善し魅力的な SSD オプションを加えてアップデートされた新機種の Xserve をリリースした。一方「奪う」側では、Apple は iTunes Store で販売されるすべての楽曲から DRM を取り除き、全楽曲を通して均一だった価格体系を廃止し、さらに .Mac の HomePage ウェブアプリケーションが数カ月以内に消滅することを発表した。また今週号では、Glenn Fleishman が iPhone での push 通知に目を向けて、これが追加されればあのべらぼうに高い SMS メッセージ料金にようやくとどめが刺せると論じ、Doug McLean がストレージサービス DroboPro の新機能を概観し、Adam は iPhoto '09 の奥深くを探訪して、Apple が公表しなかった十個の重要な変更点を掘り起こす。今週の注目すべきソフトウェアリリースとしては、VMware Fusion 2.0.4、WireTap Studio 1.0.11、WireTap Anywhere 1.0.4、Snapz Pro X 2.1.4、TweetDeck v0.25、PDFpen 4.1.2、HoudahGeo 2.2、Dialectic 1.4 がある。

記事:

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iTunes は楽曲からDRMを除き、段階価格を導入

  文: Doug McLean <doug_mclean@tidbits.com>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

2009年の Macworld Expo での Apple の基調講演中、Phil Schiller(senior vice president of worldwide product marketing) は次のように発表した。Apple は iTunes Store で提供される全ての楽曲からデジタル著作権管理 (DRM)を取り除く。そして新たに段階的価格制度を導入する。(2009-01-06 の記事「Apple、著作権保護のない音楽に移行、価格を段階化」参照。)Apple の FairPlay DRM は iTunes を通して販売される音楽が、認定された機器上だけでしかプレイできぬよう制限してきた。この発表のあった2009年1月6日に、Apple はiTunes の中の800万曲の著作権保護を取り除いたが、まだ200万曲がそのまま残っていた。今、その残りの著作権保護も取り除かれ、Apple は約束通りにiTunes の全ての楽曲をDRMフリーにした。
[訳注:この記事の情報は米国の iTunes Store に関するもので、日本版のiTunes Store には適用されません。]

iTunes で販売される音楽のDRM除去に加えて、現在では全曲に 256 Kbps の AACエンコードが使用されている。以前、このエンコード使用の曲は、iTunes Plus と呼ばれる Apple のカタログの一部に存在するだけだった。これをもって、今までの128 Kbps のビットレートではもう入手できなくなった。ユーザは既に購入してあった楽曲を、より高質なDRMフリーのフォーマットにアップグレードすることができるのだが、これには$0.30(楽曲)あるいは $0.60(ミュージックビデオ)かかる。既に所持している楽曲をアップグレードするためには、iTunes Store のフロントページにある Upgrade to iTunes Plus へのリンクをクリックすればよい。

TidBITS Talk への読者からのレポートによると、この切り替えはまだ100パーセント完了されていない。曲の中には iTunes Store から除かれてしまったものもあるし、(おそらく、Appleはこれらの曲のDRMフリー版の転売権を得ることができなかったのだろう。)単に iTunes Plus のフォーマットではまだ入手できない曲もある。アップグレードした後、「種類が著作権保護を含む」と「種類がオーディオを含む」を設定したスマートプレイリストを作成して上記の曲があるか調べることができる。

最後になるが、 Apple は段階的価格体系を導入した。従来、アルバムすべての購入時には時折割引となったが、一曲あたり$0.99 の均一価格であった。現在の一曲あたりの入手価格は $0.69、 $0.99、$1.29 のいずれかである。実際どのように価格が決定されるかについて、Apple はコメントをしていない。しかし一月の基調講演時に、Schiller は $0.69 の曲が $1.29 のものより多いと述べている。


.Mac の HomePage ウェブアプリケーション廃止となる

  文: Doug McLean <doug_mclean@tidbits.com>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

Apple の発表によると、.Mac にホストされたウェブページのコンテンツを追加編集する手段であった .Mac HomePage のウェブアプリケーションが, 2009年の7月7日で廃止される。HomePage は、.Mac サービスの旧世代機能で、ユーザが自分の .Mac のアカウントを使い、簡単なウェブページをパブリッシュできるようにしたものだ。また、iPhoto の旧版でも HomePage を介して編集可能なフォトアルバムを作成できた。

すべての .Mac のウェブページが現在の URL でアクセス可能のままとなるが、(このためには、MobileMe の登録を継続しなければならない)2009年の7月7日以降は HomePage のウェブアプリケーションでは更新できなくなる。しかし、iDisk の Sites フォルダー中の HTML ファイルは更新できる。さらに、2009年の7月7日以降にコンテンツを除去したい場合は、HomePage のウェブアプリがなくなってしまうため、手作業で iDisk からファイルを削除しなければならない。

MobileMe のアカウントへ新ページをパブリッシュするためには、HomePage の代わりに iWeb (iLife '06 とそれ以降のバージョンに含まれている)を使うよう Apple は既存の MobileMe のユーザに勧めている。さらに、MobileMe のユーザ は iPhoto か iMovie を使って、MobileMe ギャラリーへ HomePage の写真やムービーを直接移動することができる。HomePage の写真ムービーの MobileMe ギャラリーへの移動方法は Apple のウェブサイトで参照できる。

最後に、これについては Apple は正式に発表していないが、Apple フォーラムのユーザのコメントによると、HomePage や iWeb 以外のツールを使い .Mac を通してパブリッシュされた HTML ページも、現在の URL で稼働し続けると Apple のサポート技術者が示唆したそうだ。


DroboPro が容量と接続性を改善

  文: Doug McLean <doug_mclean@tidbits.com>
  訳: 細川秀治 <hosoka@ca2.so-net.ne.jp>

Data Robotics は、スマートストレージユニットの製品群に最新モデル DroboPro を発表した。この最新モデルは、ストレージ容量を増加し接続オプションを追加したが、オリジナル Drobo の主要機能である、ホットスワッピング、スマートボリューム、データ消失に対する RAID ベースの保護機能、はそのまま維持されている。

クリエイティブプロフェッショナルや IT 管理者に向けて、この DroboPro では、ベイ収納数が先代モデルの2倍になり、8基までのベアハードドライブを挿入して最大 16 TB の保存容量を確保できる。3.5 インチ SATA I および SATA II ハードディスクドライブがサポートされ、これらのディスクはブランド、容量、速度の違うものを混在して使用できる(一般に RAID ボックスでこのような使い方はできないようだ)。DroboPro はまた、三種類のインターフェースを提供しており、ギガビット Ethernet ポートが追加されて iSCSI 転送が可能になったが、第2世代の Drobo にあった USB 2.0 および FireWire 800 も残されておりそのまま利用できる。Ethernet ポートが追加されても、DroboPro の内容は、ネットワーク経由で直接共有できない。それは同社の DroboShare アドオンによって可能になる。ただし、DroboPro のホストコンピュータを使って、ネットワーク上でそのデータを利用可能にすることもできる。

DroboPro

これらの性能強化とは別に、DroboPro は、主力製品 Drobo の機能をそのまま継承している。Drobo ユニットは、データ転送中でのディスク交換のような各種タスクをインテリジェントに処理し、仮想ディスクスペースのプールを作成して巧みに操っている。同社の BeyondRAID 技術では、単にディスクのホットスワップを超えた色々な機能が可能だ。即時のボリューム順番付け、ドライブ容量の混在、そして保存容量の仮想化により、可能な最大のボリュームサイズをコンピュータに報告し、コンピュータのファイルシステムを更新せずに、Drobo の実際の容量を増減できる。また BeyondRAID では、ハードドライブの障害に自動的に対処して、障害ディスクの存在をユーザーに警告し、可能なら不良セクタの回避を試みる。

保存容量が追加されたことにより、デュアルディスク冗長性が DroboPro で利用可能になった。初代の Drobo は RAID を構成して、単一のディスクの障害に対して複数のディスク間にデータを分散することでユーザーを保護した。デュアルディスク冗長性では、たとえ2基のディスクで同時に障害が発生したときでさえ、DroboPro はデータを保護することができ、あなたは中断することなく作業を続行できる(それでも、障害のあるディスクに代えて新しいディスクを DroboPro に差し込むのは良い考えだろう)。デュアルディスク冗長性を使用すると、実際に保存に利用できる容量は、データ保護のためにさらに減少するが、もしディスクの空き容量が残り少なくなって、デュアルディスク冗長性が必ずしも必要でない場合は、Drobo のソフトウェアユーティリティで、シングルディスク冗長性に切り替えることができる。Data Robotics は、複雑になりがちなディスク管理を簡素化することにより、これらを出来るだけ容易にしようと試みている。

この自己管理型 RAID 機能は全てデータ消失に対する保護を目的としたものだが、同じ数のドライブをオンラインで個別に使用する場合と比較して、保存容量は相当な削減になる。Data Robotics ウェブサイトにある電卓で、あなたが DroboPro に組込もうと計画しているドライブの容量と数により、実際に提供される保存容量を計算できる。

DroboPro は、ディスク未実装または Data Robotics インストール済みのディスクを実装したものを購入できる(当然ながら、独立販売店よりも価格は高い)。ドライブが装備されていない場合、8基ベイ DroboPro の価格は 1299ドルだ。4基ドライブベイの第2世代 Drobo も 499 ドルで購入できる。


Apple、"Nehalem" Xeon プロセッサを使って Xserve をアップデート

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple はラックマウント型の Xserve に対する大幅なアップデートをリリースした。これは、最新の Intel "Nehalem" Xeon プロセッサの大幅に増加したプロセス力とそして最近リフレッシュされた Mac Pro で使われたシステムアーキテクチャの特徴を生かしたものである ("新型 Mac Pro、Intel 'Nehalem' Xeon プロセッサを採用" 2009-03-03 参照)。

Mac Pro で最初に日の目を見た節電と性能向上の技術は Xserve ではとりわけ歓迎されるべきものであり、その連続運転という使い方では節電は極めて重要である。具体的には、TurboBoost は Xserve が使われていないコアを落とし使用中のコアのクロック速度を上げるのを可能にし、そして Hyper-Threading は個々のコア上で二つのスレッドが同時に走るのを可能にし、更なる物理的 (従って電力を消費する) コアを必要とすることなく資源のより有効な活用を図れる。この新しいプロセッサとアーキテクチャのお陰で、Apple は、ワット当たりの性能では前世代の Xserve に較べて 89% の性能向上と非動作時電力の 19% 削減が実現できたとしている。

この新しい Xserve には二つの基本的構成が用意されている。一つは一個の 2.26 GHz quad-core Intel Xeon プロセッサを持つ quad-core モデルで $2,999 であり、もう一つは一対の 2.26 GHz quad-core Intel Xeon プロセッサを持つ 8-core モデルで $3,599 である。この 8-core モデルはアップグレード可能で、一対の 2.66 GHz Xeon プロセッサの場合は $1,400 の追加、一対の 2.93 GHz Xeon プロセッサの場合は $2,600 となっている。それぞれのプロセッサが 8 MB の共有 L3 キャッシュと固有の 3チャネル統合メモリコントローラを持っており、メモリ遅延を減らしそして性能を向上させている。

両方の Xserve とも 3 GB の 1066 MHz DDR3 ECC RAM がデフォルトとなっているが、RAM 拡張オプションでは違いがある。quad-core モデルの方は RAM に対して 6 DIMM スロットしか持っていない。Apple の最大の build-to-order 構成では 12 GB が上限となっている。8-core モデルは 12 DIMM スロットを持つが、Apple が販売するのは最大 24 GB の RAM 迄で、理論的にサポートされる上限の 48 GB 迄ではない。これは Mac OS X Server 10.5 は 32 GB の RAM 迄しかサポートしないためかもしれない;私の推測では、この制限は Snow Leopard Server では消え去るのではないかと思う。

Xserve はデフォルトでは、三つあるドライブベイの一つに 160 GB SATA Apple Drive Module が装着されて出荷される。現時点では、Apple Store では Xserve を 160 GB SATA ADM か 1 TB SATA ADM のどちらでしか構成させてくれないが、このオンボード SATA/SAS コントローラは 15,000 RPM SAS ドライブモジュールもサポートしている。奇妙なことには、SAS ADM は Apple Store から別個に購入しなければならないが、これは不必要な手間と思える。これまで同様、この SATA/SAS コントローラは $700 で Xserve RAID Card で置き換えることが出来る。Apple Drive Module に関する更なる情報は "Xserve の Apple Drive Module 内部に深く潜行" (2009-03-27) を参照されたい。

しかし、記憶装置に関して新しい Xserve で革新的なのは、$500 のオプションの 128 GB 固体ドライブであろう。これが Xserve に追加されると、この 128 GB SSD は起動ドライブとして自動的に構成され、かつ Xserve のドライブベイも占領しない。Apple によれば、この SSD は 1 ワット以下しか消費しないというが、通常のドライブだと 12 から 18 ワットを消費する。加えて、この SSD は、ランダムアクセスの性能が SAS ドライブの 20 倍、SATA ドライブの 48 倍もあると報じられている。Apple は信頼性に関しては何も言っていないが、動的部品が無いと言う事で固体ドライブはハードウェア故障にはより耐性があると言える様に思える;SSD に関しては何か言える程十分なデータが未だ無いと言う事なのかも知れない。

Xserve に対するビデオサポートは今や 256 MB の GDDR3 メモリ付の Nvidia GeForce GT 120 で提供されている。Apple のモデル戦略から、この Nvidia カードは Mini DisplayPort 出力しか提供しておらず、VGA や DVI モニタにつなぐにはアダプタ - 別個に販売されている - を必要とする。

Xserve で Mini DisplayPort に頼るというのは間違いの様に感じる、と言うのも、 Mini DisplayPort を備えたモニタを使うデータセンタなど無いであろうからである。Web ホスティングとコロケーションの会社である digital.forest の Chuck Goolsbee も同意見で次の様に言っている、"ビデオに対して Mini DisplayPort への切替は賢いことではない、今日売られている KVM は Mini DisplayPort コンパチではないからである。と言うことは、アダプタが必要であることを意味し、余分なコストもかかり、トラブルシュートも面倒になる。しかもそれは往々にして遠隔で行われる。"

その他の標準構成には、無制限の Mac OS X Server 10.5 クライアントバージョン、8x SuperDrive、二つの PCI Express 2.0 x16 拡張スロット、二つの FireWire 800 ポート、USB 2.0 ポートが背面に二個そして前面に一個、そして DB-9 RS-232 ポートが含まれる。二重冗長電源はオプションのままである。

形状的には、Apple は Xserve の工業デザインに対する批判には答えない選択をした様で、新しい Xserve を以前の Xserve とほぼ同一の形状とした ("新しい Xserve も 8 コアに" 2008-01-08 参照)。Digital.forest の Goolsbee は次の様にコメントしている、"Apple はサーバーの世界で、競合社からの同様な製品群と較べて、Xserve のケースデザインの弱点に未だ対応していない。奥行きがあまりに深すぎるし、ユニットの前面にビデオポートも未だない。"

Xserve の 30 インチ (76.2 cm) ある奥行きは標準ラックではぎこちない配置を余儀なくする上、前面マウントのビデオ (そして FireWire) ポートが無いため、より効率の良い冷却が実現できる "ホット" と "コールド" の通路構成の配置に Xserve を配置するのを難しくしている。(隣接した通路で、一つはサーバーの背面同士が向き合う様に並べ "ホット" 通路を作り、正面同士を並べた "コールド" 通路から隔離するやり方。隔離された "ホット" 通路では、Xserve の背面にユーザーがアクセスする必要が出るのは問題が多い、テックが作業をやる観点からも冷却を保持する観点のどちらからも。)

これは別にロケット科学ではない - 多くの、殆どのとは言わずとも、ラックマウントのサーバーは、IBM, Dell, そして HP からのものの様な、USB、ビデオ、FireWire の様なユーザーに焦点を合わせたポートを前面と背面のパネルの両方に設け、そして Ethernet とか電源の様なシステム焦点のポートは背面に任せている。

全体的には、この新しい Xserve は極めて歓迎すべき性能向上を提供しており、そして Apple がシステムアーキテクチャのレベルで消費電力の削減にこれ程までの考慮をしているのを見るのは素晴らしいことである。加えて、固体ドライブのオプションも素晴らしい。しかし、Apple が Xserve が通常使われる全体的な環境のことを考えて Xserve の物理的な設計を再考慮しなかったことは極めて残念である。


iPhone がプッシュすれば、テキストメッセージの料金は下がる

  文: Glenn Fleishman <glenn@tidbits.com>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

テキストメッセージは電話会社にはそれを配信するコストとして殆ど何もかからないのに、実際のコストの千倍もの割合で課金される。このこと自体は良く知られる様になっており、事実、昨年米国内のキャリアは SMS (Short Message Service) に対する従量制の料金を一回当たり 10 セントから 20 セントに値上げしている。( Randall Stross が New York Times のコラムで 2008年12月にこのあたりの事情を良く説明している。)

こうであらねばならないわけではない。革命が内部から始まっている。電話 - とりわけ iPhone - が入信してくるメッセージを SMS と同様にその所有者に知らせることが出来る時代に、なぜこの様に馬鹿げた料金制が未だ維持されているのであろうか?

拒否出来ないメッセージ -- テキストメッセージは、セルラーネットワークの制御チャネルを利用して 160 文字を超えないメッセージとその配信先情報を送っているので、全米のキャリアネットワークシステム全体では一日当たり数テラバイトを消費していることになる。(携帯電話の業界団体の話では、米国の携帯ユーザーは 2008年に 1兆、或いは毎日 30億もの SMS メッセージを送ったと言う。これを往復で 2倍し、150文字を掛けると一日当たり 3 TB となる。しかしこの数字を都市部にある基地局の数で割ると、局当たりでは一日たったの数メガバイトにしかならない。)

数億台もの携帯電話が数十万の基地局経由で通信し合うのを可能にするための管理上の細々したもの全てを扱うのに、これらの制御チャネルではテキストメッセージが消費するよりもずっと多量のデータがやり取りされている。現在の通信量をさばくのに多少追加のコストがかかるとしたとしても、一つのテキストメッセージの分だけ別に計上してみてもそれは多分 1 セントの何分の一かに過ぎないであろう - .01 セントとか 1 ドルの 1/10,000 と言う様なものであろう。

我々の周りには自由に使える各種のインスタントメッセージングサービスがあると言うのに、どうしてそんなに支払いをする羽目になっているのであろうか?私は iPhone には AIM、Mac には iChat と Skype、Web ブラウザには Google Talk、そして Mac と iPhone には Twitterrific を持っている。それでも私自身 SMS も使っている。私の AT&T プランでは、入出メッセージが一ヶ月 200 (通)に限られているにもかかわらずである。

ではなぜ SMS なのか?それは必ずと言っていいほど、注意を喚起してくれるからだ。受け手は注意を払わばならない。電話はそもそも SMS で我々を邪魔するよう設計されていて、我々は一般的に注意喚起の手段としてこの様なやり方を好む。(もしそれが嫌なら、大抵の電話ではこの知らせの呼出や警告音を不能に設定できる。)

SMS はまた常時動作している保存・転送のシステムでもある。たとえあなたの電話がオフになっていたり或いは圏外にいたりしても、あなたがオンラインに戻り次第メッセージは出てくる。あなたがセルネットワーク上にいる時は何時でも (大抵の人は殆ど常時そうである)、SMS は配信される。

最後に、最も安い端末も含めて、SMS は殆ど全ての携帯電話で使える。そして、全米の大手セルネットワーク間で利用できる。米国のキャリアは数年前に、発信受信のネットワークにかかわらず配信が確実にされ標準の課金がなされる様、格段の努力をした。

超過料金に対処するため、加入者のメッセージの受信停止を許す代わりに、キャリアは毎月 $10 から $20 の食べ放題プランを追加した。キャリアにとっては、月 $10 で 2,000 のテキストを送ってくれる方が月 $5 で 200 のテキストよりもずっと儲けになるので、好都合なのである。

会社がこれ程高く課金してくるのは、我々が払うからである。我々はテキストしなければならないわけではないのである。

(事実、たとえ SMS を受けたくなくとも、それを回避するのは結構大変である。セルキャリアが出しているペアレンタル監視アドオンを使って制限を課することが可能になるものもある。建て前上は、キャリアに電話をして SMS 受信を不能にする様頼むことは出来るが、セルフォーラムへの書込みを見る限り、それはかなりイライラのつのるお願いの様である。)

プッシュすれば良いではないか? 他のサービスから届いたメッセージをあなたの iPhone に知らせてくれるサービスがあったとしたらどうであろうか?あなたの無制限セルデータプランに含まれている、或いはあなたが接続しているどの Wi-Fi ネットワーク経由でのメッセージというのはどうであろうか?セルラーキャリアよ、お前の大事なテキストメッセージングは何処にいったの?(ここで悪魔が笑う。)

実際、iPhone 3.0 リリースでプッシュ通知がついに始まる時、 Apple が まさにこれを提供してくれるのである 。("Apple、iPhone 3.0 ソフトウェアをプレビュー" 2009-03-17 参照。)

必要なのは一つのキラーアプリケーションだけで、プッシュ通知を提供し共通のメッセージングプラットフォームにつないでくれるものである、そして幾つかがもう既にそでで出番を待っている。Skype は既に iPhone 用に供されており ("iPhone に Skype がやってくる" 2009-03-30 参照)、Wi-Fi 上では会話がそして Wi-Fi とセルラーネットワーク上ではチャットが出来る。Twitter や他のプラットフォームも iPhone アプリケーションと一緒に使われてきている API を持っている。

私の主たる SMS の使い方を例に取ってみると、私がテキストを私の妻宛に Twitter 上の直接メッセージ経由で送りそして彼女の iPhone に通知が表示されれば、SMS メッセージとこの Twitter メッセージの間には基本的には違いはないのである。

世の中には 4 億を越える登録済み、現役 Skype ユーザーがおり、数千万の Twitter ユーザー、そして色々なインスタントメッセージングサービスを纏めると数十億のアカウントがある。確かに、その中の誰かに到達するには彼らの電話番号を知っている以上の更なる手間、追加のインターフェース無しで全世界で通用する "アドレス" が必要である。しかし、コストも大事である。

このプッシュ通知に対して Apple が開発者に料金を課すのかどうかは分かっていない。これまで公の場での議論は起こっていないが、私から見て、これらの通知は Apple のサーバーによって仲介されねばならないことを想定すると、開発者が無制限の数のプッシュ通知を配信するのを許されるとは到底思えない。

私が間違っていればそれはそれで大変結構なことだと思うが、Apple が大量のメッセージを配信するための料金を課しそしてその収入をキャリアと分け合うと言うことでない限り、同社はユーザー当たりの通知数、或いは開発者当たりの通知を制限せざるを得ないであろうと思える。勿論、これらのプッシュメッセージは非常に短いのでデータチャネルのトラフィック量への影響は無視できる程度のものであろう。前にもこんなことを書かなかったっけ?

Apple はまたプッシュ通知が届くことを保証してはいないようである。私の理解の範囲で言えば、それは最善努力型のシステムであろう:Apple は全てのメッセージを届けようと試み、そして到達できない機器に対しては後刻の配信のためにメッセージを保持するであろう。しかしプッシュメッセージの中には決して届くことが無いものも現れるかもしれない、その面では、SMS の方が卓越しているようだ。

私はまた米国の外のキャリアが自らの儲けの大きい SMS サービスを蝕む簡単な方法をサポートするのに二の足を踏むのではないかと思ってしまう。Deutsche Telekom は既に Skype for iPhone は、それが 3G 経由であろうが (これは働かない) 或いは Deutsche Telekom の Wi-Fi ホットスポットネットワーク経由であるかにかかわらず、受け入れ難いサービスの乱用であると語っている。Deutsche Telekom の言い分は、問題は高コストの通話の破壊ではなくネットワークの使い方であると言う。とは言っても、キャリアがプッシュメッセージングに対しても同じ主張するのを想像するのは難くない。

私は水晶球を覗き込むのは好きではない、私は基本的に、私の知り得ないことの預言者であるよりは、自分で見たものの報告者であるからである。しかし、元来元手のかからないサービスに対してメッセージ当たり 20セントとか月に $20 もの料金を払わされているのに人々が気づけば、そのイライラは極めて高いものになってしまうであろう。

もし Apple が SMS の利便性を、はるかに少ないコストで同様の使い易さと到達性を持つ他の配信機構へと移行することができれば、少なくとも iPhone と iPod touch のユーザーは SMS のとんでもない料金にさよならするのではなかろうか。


iPhoto '09 8.0.2 の隠れた変更点 10 個

  文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple の横柄とも言えるほどに簡潔過ぎるリリースノートを私たちは何度も繰り返し批判してきたので、まるで壊れたレコードみたいに聞こえそうだということは承知している。でも、決してこれは利己的な理由から文句を言っているのではない。いろいろなプログラムでバージョンからバージョンへ何が変わったかを Apple が説明しないことによって不利益を受けるのは、Apple のソフトウェアのユーザーである皆さんに他ならないのだ。今回取り上げたいのは、iPhoto だ。

もちろん、特定の作業を iPhoto でする際にアップデート後は単純に以前よりうまく働く、といった種類の変更点もある。けれども、そうではないアクションもある。ことわざに言う、あつものに懲りてなますを吹く、というやつだ。例を挙げよう。iPhoto '08 の最初のリリースでは、iPhoto ライブラリパッケージを開こうと思って iPhoto の Dock アイコンの上にドラッグすると、iPhoto はそれを開かずにその内容すべてを現在の iPhoto ライブラリの中に読み込んでしまっていた。これは恐ろしい挙動だった。だから、一度でもその恐怖を味わった人は、二度と試みる勇気が出なかった。ところが、私は試してみた。なぜなら Peachpit から出ている私の本“iPhoto '09 Visual QuickStart Guide”の該当ページの内容をアップデートするために確認する必要があったからだ。(ちなみに私はそのアップデート原稿を Peachpit に提出してきたばかりだ。また、この本の電子ブック版も、近いうちに出る予定だ。)その結果、私は Apple が実際にこの言語道断な誤りを修正していたことを発見して安心した。

というわけで、以下に紹介するのは iPhoto における隠された変更点で、私がトップテンに数えたものたちだ。そのうちいくつかは iPhoto '09 8.0(これが Apple による公式なバージョン名だが、なんて紛らわしい!)時点で登場したもの、残りはその iPhoto '09 初代リリースと、最新リリース iPhoto '09 8.0.2 との間で変わったものだ。もしもあなたがこれら以外の重大な変更点にお気付きになったら、どうか私たちにお知らせ願いたい!

iPhoto ライブラリを直接開く -- iPhoto の従来のバージョンでは、異なった iPhoto ライブラリの間で切り替えるのにさまざまのトリックがあった。最も新しいものとしては iPhoto の起動の際に Option キーを押し続け、標準の「開く」ダイアログが現われたらそこで iPhoto ライブラリを選ぶというものもあった。当然の疑問として、「いったいどうして iPhoto ライブラリパッケージを単純にダブルクリックしたり、そういう普通の方法で他のファイルと同じように開くことができないのか?」と問いただしたくなるだろう。iPhoto には似たようなことが他にもたくさんある(写真に名前を付けるのに、ただ Information (情報) パネルを開いてするだけでなく、直接できるようになるまでに、iPhoto がいったい何年を費やしたか、覚えておられるだろうか?)けれども、この基本的概念を iPhoto チームが思い出すまでにもやはり相当の時間がかかってしまった。

それでも Apple はついに光明を見い出し、iPhoto '09 になって、ようやく iPhoto ライブラリパッケージが普通の書類と同じ挙動をするようになった。ダブルクリックすれば開くし、Dock 上の iPhoto のアイコンにドラッグしたり、その他普通の書類でするのと同じ方法でも開ける。その際 iPhoto が動作中であってもなくてもよい。いずれの場合も意図したものが開くし、また終了時には最後に開いていた書類を覚えていて、iPhoto アプリケーションを次に起動した際にはそれが開く。私のテストでは、時々 iPhoto が混乱をきたして、せっかく私がダブルクリックした iPhoto ライブラリパッケージをもう一度選択するようカスタム化された「開く」ダイアログを出してくることもあったが、全体的に言えば動作はクリーンだった。

共有フォルダで共有 -- iPhoto '09 より前のバージョンで非常に困ったことがもう一つある。それは、iPhoto Library を /Users/Shared フォルダに置いて、同じ Mac の他のアカウントで共有することが出来なかった点だ。その原因は、iPhoto が常にサムネイルのアクセス権をその写真を読み込んだ際のアカウントのみに設定していたからで、そのため他のアカウントからは写真を編集してその結果をサムネイルに反映させることができなかった。

この制限が、iPhoto '09 では取り除かれた。だから、単純に iPhoto ライブラリを /Users/Shared に移動させておき、それぞれのアカウントからダブルクリックして iPhoto に開かせるだけで、そのライブラリの共有ができるようになった。ただし、最初にアクセスした際にアクセス権の修復の許可を求めてくるかもしれない。その場合は、Repair (修復) ボタンをクリックすればよい。同じ方法で、複数のユーザーで共有された外部ハードディスクや、高速ネットワークでアクセスできるネットワークボリュームなどに保存された iPhoto ライブラリでも共有ができる。

共有された iPhoto ライブラリには、一度に一人ずつしかアクセスできない。

ムービーをスライドショウで -- これも不可解に抜け落ちていることの一つだが、iPhoto '09 は依然として内部でムービーの再生ができない。ムービーをダブルクリックすると、それが QuickTime Player で開く。ただ、ムービーに関係した新機能が一つだけある。iPhoto '09 で一新されたスライドショウでは、ちゃんとムービーが再生されるのだ。写真と同じようにムービーをスライドショウに加えておけば、スライドショウの中で順番が来ると、そのムービーが丸ごと再生され、それが終わると次の写真に進む。

スライドショウでサムネイル表示 -- この機能は、あまりにも微妙で見落としてしまいがちなものの一つかもしれない。iPhoto '09 でスライドショウを再生中に、マウスポインタを動かせばスライドショウのコントロールが見えるようになる。それは以前と同じだ。でも、マウスポインタをスクリーンの下の縁に動かすと、サムネイルが一列になって現われ、白の縁取りが左から右へと順々にスライドして現在どの写真が表示されているかを示す。さらに、白い縁取りをドラッグすればスライドショウの中であちこちジャンプして移動することさえできる。(iPhoto は実際、スライドショウのテーマ選択ダイアログを表示する前に一瞬だけこれらのサムネイルを表示するので、ご自分でこの機能にお気付きになった方もおられるかもしれない。)

Faces + Address Book = Facebook -- iPhoto '09 の最初の2つのバージョンでは、まだ識別されていない人の顔にあなたが名前を付けようとする際に、iPhoto は自動的に過去の入力から名前を自動補完してくれたが、補助機能はそこまでだった。ところが iPhoto '09 8.0.2 からは、iPhoto が Address Book の内容を使って名前の候補を出し、電子メールアドレスまで附随させてくれるようになった。

あなたが既に iPhoto 内部で名前を付けていた場合、人の顔に名前を付けようとする度に、候補をリストしたメニューの中にその名前が2回登場するだろう。これを解決するには、Faces (人々) コルクボードの中でその人のスナップ写真を改名し、その際 Address Book から読み込まれた候補をリストから選べばよい。私が iPhoto '09 8.0.2 でテストした限りでは、もともと iPhoto にあった名前が Address Book から読み込んだ名前と違っている場合にしかうまく解決できなかったので、まずスナップ写真の名前を何か他の名前に変えておいてから、その後で Address Book の項目に結び付ける作業をする方がよいかもしれない。いったんスナップ写真の名前と Address Book 項目とが結び付けば、そのスナップ写真の名前を何でも好きなものに変えてよい。名前を変えても、Address Book におけるフルネームや電子メールアドレスとの結びつきは失われない。

この追加機能に気付かない人はいないと思うが、その重要性を見逃してしまう人は多いかもしれない。写真を Facebook にアップロードする際、その写真に写った人たちの Facebook プロファイルにリンクされたタグが正しくその写真に付加されるためには、Information ダイアログの中でそれぞれの人たちの電子メールアドレスが指定されていなければならない。(Faces コルクボードの中でスナップ写真を選び、「i」ボタンをクリックするか Command-I を押すかすれば Information ダイアログが開く。)その電子メールアドレスは必ずその人が Facebook 用に使っているものでなければならないので、その人の電子メールアドレスのうちどれを iPhoto で使うべきかは、その人のプロファイルをチェックして確認しておくべきだろう。

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Facebook にアップロードする際には、フルネームのフィールドも重要だ。家族や親しい友人なら、たぶんあなたは iPhoto の中でファーストネームだけを使っているだろう。でも、Facebook にアップロードする際には、iPhoto がフルネームフィールドの内容を使ってくれるので、Facebook 上では“Tonya”が“Tonya Engst”となっている。

名称未設定の Face をスマートアルバムに -- iPhoto '09 8.0.2 で新たに加わった、非常に歓迎すべき新機能がもう一つある。それは、iPhoto のスマートアルバムが人々の顔に関係して機能拡張されたことだ。iPhoto '09 8.0 では、スマートアルバムの検索基準に Name (名前) があり、そこにテキストを入力することで選り分けることができた。それが今回、基準名 Name が Face (人々) に変わり、合致基準として Is と Is Not のいずれかを選ぶ度にポップアップメニューが現われるようになった。ポップアップメニューの最初の項目は“unnamed”(名称未設定) となっており、その項目を選べば、生成されるスマートアルバムには iPhoto が顔の探知を済ませたけれどもまたあなたが名前を割り当てていない、そういう写真すべてが集められる。

Unnamed-Faces-smart-album

さらにボーナス機能として、あなたがそのスマートアルバムで開いている一枚の写真の中に登場する個々の顔すべてに名前を付けると、iPhoto は自動的にその場でアルバムをアップデートしてくれる。そして名付けの済んだその写真は即座にスマートアルバムから消え、名付けの済んでいない顔の含まれた次の写真が表示される。

あともう一つだけ。iPhoto は時々、気まぐれに何かの物体や模様などを顔と誤認してしまうことがある。そうなった場合は、顔ではないその物体を囲んでいる白い長方形の隅にある X ボタンをクリックすれば削除される。誤った顔の長方形をすべて削除すれば(あるいは、あなたの知らない人の顔のまわりの長方形をすべて削除すれば)やはりその写真はこの Unnamed Faces スマートアルバムから消える。

提示された Face で直接名前の修正 -- iPhoto をトレーニングさせて、あなたの友人 Sally の顔を認識させたかったとしよう。そこであなたは Faces コルクボードで彼女のスナップ写真をダブルクリックし、Confirm Name ボタンをクリックして iPhoto が Sally の顔を含むと認識した写真の候補を、それぞれ確認 (confirm) したり退け (reject) たりすることになる。例えば、iPhoto がおおむね正しく Sally の顔を認識できて、提示された写真の大部分は実際彼女の顔だったけれど、一つか二つだけは Sally の妹の Jane だったとしよう。iPhoto '09 8.0.2 以後は、その Jane の顔写真を Control-クリックして、コンテクストメニューで Name (名前) コマンドを選び、そこで Jane の名前を入力できるようになった。従来は、iPhoto に Sally の顔を覚えさせている間は Jane の写真をただ退けることしかできなかった。

Naming-faces-directly

Detect Missing Faces -- 整理モードで、一つの写真あるいは選択した一連の写真を Control-クリックすると、iPhoto '09 8.0.2 以後ではそのコンテクストメニューに Detect Missing Faces (抜けている顔を探知) という新たなコマンドが加わった。私の理解したところでは、iPhoto は時々写真を最初にスキャンした段階では写真の中にある顔の認識が十分にできないことがあって、このコマンドはそうした際にあなたのコレクションの一部を、少し緩めた基準を使って、強制的に再スキャンさせるためのものなのだろうと思う。試しに私は iPhoto が一回目にはうまく認識できなかった顔を含む写真いくつかにこの Detect Missing Faces コマンドを使ってみたが、前回のスキャンで認識されなかった顔が再スキャンで探知されたのは数回の試みのうち一回程度だった。そうそう、それから、これは Apple のみがその理由を知ることだろうが、まだ名前を付けていない顔の下に現われる小さなひし形の中に書かれているテキストが、“unknown face”(未知の顔) でなく“unnamed”(名称未設定) になってしまった。推して知るべし、だ。

Rescan for Location -- iPhoto '09 8.0.2 で写真を Control-クリックして現われるコンテクストメニューにもう一つ新たに加わったのが、Rescan for Location コマンドだ。私はまだこれを試せていないが、推察するところこのコマンドの要点は、例えば Houdah Software の HoudahGeo や Ovolab の GeoPhoto など、サードパーティのツールにより写真に追加されたジオタグを iPhoto が取り込めるようにする、ということだと思う。また、iPhoto '09 8.0.2 では写真にジオタグを付ける際に緯度と経度の値を直接入力できるようになっているようだ。個人的に言えば、私は GPS 対応の Canon PowerShot カメラが使えるようになる時を待ちわびているので、iPhoto の Places (撮影地) 機能に深入りするのはその後にしようと思っている。

説明であって命令ではない? -- 最後に述べるのは断然ちっぽけなことだが、Apple は写真や顔のスナップショット用に iPhoto '09 で初めて登場した黒い Information (情報) ダイアログに、本当にささやかだがちょっとした変更を加えた。当初、各項目のタグとして、iPhoto は偉そうな命令口調の言葉を使っていた:“Enter photo location”(写真の撮影地を入力せよ)、“Enter description”(説明を入力せよ)、“Enter full name”(フルネームを入力せよ)、“Enter email address”(メールアドレスを入力せよ) といった具合だ。それが今回、iPhoto '09 8.0.2 から、Apple は大文字で始まる“Enter”という命令の含まれない、純粋に説明だけのタグに切り替えて、単純に“photo place”“description”“full name”“email address”という風にした。

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たいていの人は、見ただけでその意味を推測することができ、いったんこれらのフィールドにフルネームやメールアドレスを入力してみた後は、もういつでも迷わずにどれでも入力できるだろう。けれども全体的に見て、私は“Enter”という単語を削除した今回の変更は間違った方向を向いていると思う。とりわけ、これらの新しい黒の Information ダイアログでは、ユーザー変更可能な項目であるかどうかを判断できる手がかりが、明るくて白い文字(読むだけのテキストはグレイの文字)と、マウスがその上に来た際にフィールドが縁取り表示に変わることだけなのだから。見た目は魅力的かもしれないが、ユーザーが見つけやすいとは言えず、今回“Enter”という言葉が消えたことで状況はより悪くなっている。


TidBITS 監視リスト: 注目のソフトウェアアップデート、13-Apr-09

  文: Doug McLean <doug_mclean@tidbits.com>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

VMware のVMware Fusion 2.0.4は、この好評な Windows仮想ソフトへ安定性と安全性のアップデートを施したものだ。ゲストのオペレーティングシステムがホストでコード実行できるようにしてしまった仮想マシンディスプレイの重大な脆弱性が、最新版では対処されている。($79.99、アップデート無料、186MB)

Ambrosia Software の WireTap Studio 1.0.11WireTap Anywhere 1.0.4、そしてSnapz Pro X 2.1.4 は 近日発売される Mac OS X 10.5.7のためにアップデートされた同社の中枢的生産性ツールだ。これら三つのアプリケーションに共通のフレームワークが更新された。これは最新の Mac のハードウエアとの互換性を維持し、Mac OS X の次のメインテナンスリリースをサポートする。($69/ $129/ $69、アップデート無料)

Iain Dodsworth の TweetDeck v0.25 はこの大好評の Twitter クライアントを更新したものだ。今回のアップデートには、メモリリークの修正、短縮URL のプレヴュー、Twitpic サムネイル、12seconds ビデオの録画とシェアリング機能、拡張された FaceBook との統合などが含まれている。さらに新しく加わったのは、tweet box のユーザー名の自動入力完了オプションと、メッセージ返信時に自動的にハッシュタグを含めるオプションだ。自分にダイレクトメッセージする機能は除去された。(無料、2.1 MB)

SmileOnMyMac の PDFpen 4.1.2PDFpenPro 4.1.2 は同社のPDF 編集ユーティリティーの最新版である。両版ともファイルメニューの中に、Mail Document という新しい項目を追加した。これはユーザが作成中のPDF書類をメールできるようにしたものだ。この項目をセレクトすると、新規メッセージが開き、自動的にPDF書類が添付される。($49.95/ $99.95、 12.2 MB/12.4 MB、アップデート無料)

Houdah Software の HoudahGeo 2.2 は同名の写真ジオコーディングソフトを更新したもので、幾つかの新しい特徴が付いてくる。例えば、iPhoto '09 撮影地データベースに直接書き込める機能、最新の地図を基にしたジオコーディング、トラックライブラリー、Lightroom 2 フォルダーへのアクセス、オフラインブックマークジオコーディング、そして自動海抜高度情報などだ。(新規 $30、アップデート無料、4.7 MB)

JNSoftware の Dialectic 1.4はこの電話ダイヤリングユーティリティーのメインテナンスアップデートだ。最新版では Google Voice Dial Methodが GrandCentral Dial Method にとって代わった。Fritz!Box Dial Method のダイアリングも改善され、電話をかけたり受信したりする時の Daylite タスクは統合された。そして Firefox の エクステンションも改善され、ウェブページがロードされると電話番号が自動的にハイライト、ハイパーリンクされるようになった。さらに、幾つかのバグが修正された。この中には、BroadVoice や ViaTalk のような VoIP方法使用時にダイアリングができなくなるバグや、電話をかける時に時折Daylight に誤った着信タスクを作成するバグがあった。最後に、幾つかのマイナーなコード最適化と改善が施され、取り扱い説明書も更新された。($25、アップデート無料、6.2 MB)


TidBITS Talk/13-Apr-09 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <jeffc@tidbits.com>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Garmin Forerunner 305 の Mac 互換性 -- Garmin は Mac 互換だと言っているが、実際に試してみた人はいないか? また、他の選択肢はどうか? (メッセージ数 9)

写真の保存は DVD か、ハードディスクか? -- デジタル写真をアーカイブ保存するためのベストの方法は何か、読者たちが議論する。オンラインバックアップサービスも話題にのぼる。(メッセージ数 29)

BBEdit 驚きの使い方十種 _ -- ある読者から、この Bare Bones Software の強力テキスト編集ツールの、驚きの使い方その第十一番目が紹介される。(メッセージ数 1)

スクリーンセイバ用にスライドを出版 -- 古い .Mac のスライドショウ機能で、あなたの写真を出版して他の人のスクリーンセイバで使ってもらえたことが忘れられない? ある読者が、それがまたできるようになる方法を見つけ出した。(メッセージ数 4)

新しい MacBook Pro 15 はいつ出る? -- Apple が新しい MacBook Pro を近日中にリリースする可能性はどれくらいだろうか? (メッセージ数 13)

Leopard の Mail.app、v 3.5 の「別名で保存」 -- Mail のメッセージからプレインテキストあるいは RTF のファイルを保存する機能に対し、ベータ版の Safari 4.0 が干渉しているのかもしれない。(メッセージ数 11)

iTunes は楽曲からDRMを除き、段階価格を導入_ -- Apple が DRM フリーの楽曲を提供するようになったので、既存の楽曲を高音質バージョンに(有料で) アップグレードすることも可能だ。ただし、すべての楽曲にアップグレードが用意されているいるわけではない。(メッセージ数 8)

.Mac の HomePage ウェブアプリケーション廃止となる_ -- オンラインでウェブページが作れる機能を削除することにした Apple の決断の詳細を、読者たちが説明する。(メッセージ数 2)

iPhoto の隠れた変更点 10 個_ -- 二つの Faces (人々) セットで似たような名前情報を含むものを、一つに統合することは可能だ。(メッセージ数 3)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2009年 4月 17日 金曜日, S. HOSOKAWA