TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#976/27-Apr-09

今月で TidBITS は 19 年目の記念日を迎える。そこで Adam はこの間業界がどのように変遷してきたか、また将来はどんな方向に向かうと考えられるか、考えを巡らす。それだけでは意見記事として物足りないと思われる方のために、Adam はさらに Apple にとって最善の選択は次期 Mac OS X の Snow Leopard を無料で(あるいはできる限り無料に近い値段で)提供することだ、なにしろユーザー向けの看板機能がないのだから、という論陣を張る。その他のニュースとしては Apple が 2009 年度第2四半期に 12 億 1,000 万ドルの純利益を報告し、ユーザーからの抗議に応えて Baby Shaker アプリを App Store から取り下げた。また今週号では Microsoft の Windows 7 が Apple の Classic モードに倣うかのような方策を打ち出すことを紹介し、最近 GPS の盗難が目立つことを読者に警告するとともに、GarageBand '09 に関する二冊の Take Control 電子ブックのリリースをお知らせする。今週注目すべきソフトウェアリリースとしては Mactracker 5.0.7、MercuryMover 2.0.5、Firefox 3.0.9、それに PopChar X 4.2 がある。

記事:

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Apple 第2四半期の純利益は 12億1000万ドル

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

経済不況が専門職や教育関係消費者への Mac の売れ行きに悪影響している。しかし、一般消費者への販売と iPhone や iPod touch が Apple をまたも目覚ましい決算期へと押し上げた。2009 年の第2四半期を終え、Apple は81 億 6000 万ドルの売上高に対して、12 億 1000 万ドルの純利益を報告した。一株利益は 1.33 ドルとなる。(これらの数字に対する前年同期の総売上高は75 億 1000 万で純利益は 10 億 5000 万だ。)この好調な決算は、RAM などの部品の低価格、輸送費および保証費用の低下、高利益率製品の販売の上昇による。これら全てが Apple の粗利益率を 36.4% に押し上げる要因となった。(前年同期比 32.9%)

アナリスト達との電話会見の中で、Apple の最高財務責任者である Peter Oppenheimer は、これを Apple の社歴において、感謝祭やクリスマスのある四半期以外では最好調の四半期と呼んでいる。同社は手元現金額 289 億ドルを報告した上で、この現金では資本の保存に焦点を置くと述べた。(おそらく、大型の企業買収は考えていないのであろう。)

Mac と iPod -- 2009 年 3 月 30 日までの四半期では、Apple は 220 万台の Mac を販売した。これは前年より3% 減少した。Apple はこの落ち込みは専門職業や教育関係の消費者によるとしている。設計デザイン企業などの専門職業者は景気が上向きになるまで、コストを抑えようと消費を控えている傾向にあり、教育関係消費者は、州政府や連邦政府の財政支援が底をつくのを目のあたりにしている。米国での教育関係への販売は 11% 減少したが、最近可決された米国政府の経済刺激策が将来の四半期に好影響すると、Apple は楽観的だ。三月初めに一新されたデスクトップ型も売り上げを伸ばした。(これにより、Apple のデスクトップ型全てのモデルがアップデートされた。)

この電話会見での Mac の売上げについての討議中に、ネットブックに関する質問があがった。Tim Cook は現在のネットブック市場についての Apple の意見として、次のように述べた。「私が今日、ネットブック市場で売られているものをみると、どれもが、窮屈なキーボード、ひどいソフト、安っぽいハードウェア、とても小さいスクリーンを搭載しており、あまり消費者が喜ぶ体験を提供するものではないし、正直言って、私たちが Mac ブランドを付けたいと思うようなものではない。」

前四半期での会見中のコメントと同様に、Cook は Apple はこの市場に向けて、「幾つか面白い考えを持っている。」と述べた。さらに、人々が ネットブックを買うにあたって求めている機能は、ウェブ閲覧と電子メールであって、これらは iPhone と iPod touch によって十分提供されている、と述べている。

iPod touch の好調な売れ行きに導かれ、この四半期で Apple は 1101万台もの iPod を売り上げた。これは、前年比で 3% 上昇している。電話会見の中で、Oppenheimer と 最高執行責任者 Tim Cook は、好調な売り上げの要因として、App Store と iPhone OS (後者は iPod touch も操作する)の強さを改めて言及した。さらに、App Store が 10 億番目のダウンロードを木曜日に記録すると指摘した。(実際木曜日に、10 億番目のアプリがコネチカット州に住む 13 歳の少年によってダウンロードされた。) Apple は米国でのミュージックプレーヤー市場の 70% を占めていると主張する。

iPhone 3G -- またしても、Apple の決算上のスターは iPhone であった。81カ国で 380 万台の iPhone が販売されたのだが、これらは前年同期比の 123% にあたる上昇だ。これらの数字は GAAP (一般に公平妥当と認められた会計原則)の結果であり、Apple は iPhone と Apple TV の収入をそれぞれの耐年寿命全体に広げている。GAAP に従わない会計では、Apple の四半期決算は、90 億 6000 万ドルの売上げ高(この四半期に直接入ってきた金額)に対し、16 億 6000 万ドルの利益となる。

Apple はさらに、iPhone OS 3.0 が発表された 2009 年 3 月 17 日以降の全ての iPhone の販売収益の認識を遅らせている。現在の iPhone は今年、iPhone OS 3.0 が発売される時に、無料でこの新しいオペレーティングシステムにアップグレードできる。

前回の決算発表の電話会見とは違って、今回の会見では、扇動的な質問や公言はなかった。Steve Jobs についての言及は一回あったのみで、それも余談の中で Oppenheimer が 「私たちは6月の末に Steve が戻ってくるのを楽しみにしている。」と言っただけだ。アナリストたちは、Palm Pre をめぐる法的な小競り合いの可能性や、Palm Pre が Apple の知的所有権を侵害しているのか(あるいは、Apple が Palm の特許権を侵しているのか)についてのコメントを取ろうとしたのだが、これは Cook が会見を終わらせるきっかけとなった。彼はいかに企業間の競争が業界にとって健全かについて一般的な公言をし、「私たちは企業が自分たちの製品を自分で発明するのがベストだと思っている。」と言うにとどめた。


Apple 悪趣味な「Baby Shaker」アプリを削除する

  文: Mark H. Anbinder <[email protected]>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

Twitter やブログ上で終日噴き上がった抗議の後、Apple は水曜の午後、iPhone や iPod touch のユーザが赤ちゃんの絵を揺さぶって泣き止ませるというアプリを App Store から削除した。Baby Shakerアプリは月曜に 99 セントで発売開始されたのだが、このアプリは、どうしてこんなものを Apple が App Store の中に許したのか首を傾げたくなる例のまた一つある。その一方で、まったく害の無いようなアプリが何ヶ月も棚上げになったり、却下されたりしているのだ。

問題のアプリは App Store にはもう置かれていないが、気になる読者は CNET の報道にあるスクリーンショットYouTube の中にあるビデオ で見ることができる。このアプリは Sikalosoft によって公開された。Sikalosoft は Dice Mosaic と呼ばれるモザイク画像クリエーターも提供している。Baby Shaker アプリは陰影付きの線描画と本物の赤ちゃんのような泣き声が特色となっている。アプリの記載事項は「とにかく赤ちゃんを黙らせる手段を見つけなくてはと痛感するまで、どのくらいこの(かわいらしい)泣き声に耐えられるか試す」ようにユーザを促している。

Apple は後日 Baby Shaker アプリを許可したことを謝罪した。

この話題についての Wall Street Journal の記事で Adam の言葉が引用されている。Yukari Iwatani Kane レポーターは、App Store の門番のように振る舞いながらApple が冒している危険に焦点をあてている。(政治や社会問題のように)論議を起こすような事柄の一方の意見だけに傾いていると思われるアプリが開発され続けるかぎり、似たような状況が起こりうる。Apple がそのような状況にどう対応していくか、また、同社が最終的にはコモンキャリアのアプローチを取り、App Store を誰にでも解放するのかを見ていくのは興味深いだろう。


実践的な GarageBand '09 解説書出来

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 細川秀治 <hosoka@ca2.so-net.ne.jp>

最近は、良い解説書を見つけるのが難しくなっていて、特に Apple の GarageBand の解説書については困っているのだけれど、元々 GarageBand について書かれた本はこの数年、ほとんど出ていなくて、GarageBand の新版について書かれた本はさらに少ないのだ。これは推測だが、殆どの出版社では、初期バージョンの GarageBand について解説した本の売れ行きがあまり芳しくなくて、それで内容を改訂するには値しないと判断したのだろう。それからまた、Mac の使い方について上手に書ける人、本になる程度のまとまった量を書く時間に余裕のある人、実際の GarageBand の使い方に精通している人、この三拍子そろった人を見つけるのはこれも大変なことだ。

電子ブックが、物質世界のしがらみを打ち破ったひとつの例なんだけれど、我々の2つの GarageBand タイトルは着実に売れていて、関心も徐々に高まってきたので、我々も当然のなりゆきでそれらを GarageBand '09 に改訂したいと望んでいた次第だ。著者の Jeff Tolbert は、増え続ける彼の音楽関連プロジェクトに取り組んで忙しいにも拘わらず、必要な時間をこれらの著作に割いてくれたのでほっとしている。(Jeff の曲が成功しているので、我々が生意気にも「君が有名になっても我々のことを忘れないでくれ」などと言ったことで彼を Take Control 軌道から抜けさせてしまって後悔するなんてことのないように願っている。)

そのような次第で、我々は "Take Control of Making Music with GarageBand '09"(全 117 ページ)と "Take Control of Recording with GarageBand '09"(全 134 ページ)の新版をちょうどリリースしたところだ。それらは個別で 10 ドルだが、一緒に購入すると 17.50 ドルだ。両方をバンドル割引で購入するには、このダイレクトリンクをクリックするか、どちらかの本のウェブページで左端にある "Buy Both" を見付けてクリックするとよい。

Take Control GarageBand タイトルのどちらか初期のバージョンを購入した方には、無料(09 年 1 月 1 日以降に購入)または割引購入の案内が電子メールで送られている。そうでない場合は、あなたの PDF ファイルを開いて表紙の Check for Updates をチェックすると改訂の情報が得られる。


GPS 泥棒にご用心

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 細川秀治 <hosoka@ca2.so-net.ne.jp>

私たちは先週末を、ブルックリン(ニューヨーク)の近くにある Park Slope に友人を訪れ、それからマンハッタンのメトロポリタン美術館で Tristan に武具鎧展示室を見せて一日を過ごした。それがなければ楽しかったこの小旅行の唯一つの汚点は、路上に駐車していた我々の Honda Civic の助手席側窓が夜間に割られて、私の両親から借りていた Garmin nuvi 255W GPS に接続していた電源ケーブルが盗まれたことだ。

言うまでもなく、GPS 本体や他の貴重品をなにか車の中に残しておくほど、我々は間抜けではないし、30 ドルのケーブルは大きな損害ではない。その夜のガレージの駐車代に 20 ドル払い、翌日は窓の修理に120 ドル支払ったところで、世も末と嘆いているわけではない。みんな、駐車場から出るとき傍をドライブしていた人々も駐車場係員も、 Joe's Auto Glass(ここはお勧めだ)の Joeも、みんなとても気持ちの良い親切な人々だった。

しかし、私がこのささやかな悲話を書いている理由は、Joe が、同じような不幸に遭った他の人々を引き合いにして、私に話してくれたことによる。近頃のニューヨーク市で、GPS の盗難はとてもよく起こっている。彼はその週に、その手の壊れた窓を 10 件修理した。泥棒は GPS 取付け吸盤がフロントウィンドウに残した目印のリングを捜して街路を歩き、サイドウィンドウを壊して、グローブボックスを開き、そこになにか GPS が有れば盗る。この仕事は数秒で終わる。

そこでこの話の教訓は、あなたが市街地の路上に夜間、車を置いて離れるときは、それが Park Slope のような治安の良い所であっても、GPS 本体は手に持って、GPS の吸盤取付け具と電源ケーブルはどちらも隠して、フロントガラスの内側にある吸盤取付け具の微かな跡もきれいにしておこう。また、GPS 用のダッシュボード取付け具を手に入れてもよい。(Garmin は nuvi シリーズ互換の取付け具を販売していて、Amazon から購入できる。)


Windows 7 にオプションの仮想化 XP が加わる

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: 羽鳥公士郎 <http://www.ousaan.com/mail/>

Microsoft が明らかにしたところによると、Windows 7 ではオプションでダウンロードできる Windows XP 仮想マシンが提供され、完全な後方互換性が実現される。SuperSite for Windows のベテラン Windows ウォッチャー Rafael Rivera と Paul Thurrott が秘密を明かすことを許され、後に Microsoft のWindows Team ブログで この機能の存在が確認された。

Windows XP Mode は Windows 7 に標準で付属しないが、Professional、Enterprise、Ultimate の各システムのユーザーが無料でダウンロードして使用できる。この XP モードには、Virtual PC 7 仮想マシンと、ライセンス付きの Windows XP Service Pack 3 が含まれる。これは数ギガバイトの重さになるかもしれないが、もはや多くの家庭ユーザーにとって、これはやっかいな一度きりのダウンロードとは言えないだろう。(新しいハードディスクに Mac OS X 10.5.0 をインストールすれば、ほぼ 1 ギガバイトの Leopard アップデートをダウンロードする必要がある。)

Windows XP Mode は独立した環境になるが、プログラムを1つのウィンドウに閉じ込めるのではなく、Windows 7 のプログラムと並んで表示されるように動作させる。これはちょうど、Parallels が最初に、Mac OS X 上の Parallels Desktop で Windows アプリケーションを動かすために導入した Coherenceモードに似ている。その後 VMware も VMware Fusion の Unity モードでCoherence に対抗している(2006-12-04 の "Parallels Desktop 先行版を公開" と 2007-08-06 の "VMware、Fusion 1.0 のリリースを発表" を参照)。

戦略は明らかだ。XP を仮想マシンでくるむことによって、XP ユーザーはすぐに Windows 7 に跳びつくことができ、XP をずっと速く動かすことのできる新しいハードウェアを買い、それでいて機能的に同一なオペレーティング環境(おそらくはさらに安定し移植可能になる)を維持できる。Microsoft はWindows 7 で、Windows XP に対する(ひょっとしたら Vista に対しても)互換性を保つ必要がなくなり、古いコードや時代遅れのプログラミングフックといった堆積物を一掃することができる。

昨年、私は "Microsoft Needs to Empty Windows Trash, Reboot"(2008-06-29)の中で、Apple が互換レイヤーや仮想マシンを再パッケージすることで古いオペレーティングシステムやアーキテクチャを次々と投げ捨ててきた回数を数え上げ、Microsoft は Vista のリリースに際して同社のVirtual PC 部門と XP を単純に組み合わせればよかったのではないかと述べた。どうやら、そういう疑問を持ったのは私だけではなかったようだ。

これは、Microsoft としてはすばらしい処置で、前に進む方法として後方互換性を1つの旗印としてきた同社には、いささか似つかわしくないものだ。アプリケーションをアップグレードするのは心配だが Windows 7 の先進的な機能を利用したい企業や個人にとっては、思わず食いつきたくなるニンジンとなることだろう。


なぜ Snow Leopard は(ほとんど)無料となるべきか

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Minori Goto <minorig@gmail.com>

いまから 2ヶ月から 6ヶ月ほど経ったある時点で、Apple は最新の大型猫、Mac OS X Snow Leopard を解き放つ。もっともこれは企業秘密などではない。Apple は長い間 Snow Leopard について語っており、いかに Snow Leopard が、ユーザに焦点をおいた機能より、パフォーマンス、効率性、コアイノベーションに焦点をあてているかを強調してきた。

Snow Leopard に約束されている具体的な改良点には次のようなものが含まれる。最大 16 TB までの RAM へのサポート、アプリケーションへのマルチコアサポートの改善、QuickTime の次世代版、Mail, iCal, Address Book での Microsoft Exchangeへのサポート(これは設定なしですぐ使える)、OpenCL へのサポートなどだ。この OpenCL へのサポートは、現在の GPU (グラフィックス プロセッシング ユニット)のコンピューティングパワーをさらにひきだし、利用可能としている。その他の Snow Leopard の約束の中にあるものは、縮小されたメモリーとディスクフットプリント、短縮されたインストール時間、そしてサブフォルダも使えるようにした Stacks への微調整などだ。

わくわくしてくるだろう? 開発者の観点から言えば、もちろんだ。ユーザの立場から言うと、あまりたいしたことではない。Apple が今まで語った全てのことを基にして言えば、Snow Leopard それ自体は、君の Mac の使い方を変えるような看板機能を搭載していない。Time Machine、画面共有、Spotlight、Dashboard、Expose、Automator、Front Row、Spaces、Stacks などをもたらしたMac OS X の過去のリリースとは違うのである。それならば、君が今使っているオペレーティングシステムと全く同じことをするが、RAM にとる容量をちょっと減らしただけのアップデートにいくら払いたいかね?

誤解しないでほしい。機能を積み上げる競争から一休みして、Mac OS X の基盤に専念した Apple を僕は賞賛する。巧妙な機能をたくさん搭載するのはいいが、それは膨張化を招いた。Mac OS X は肥満化してきたのだ。しかしこの変化は、CPU パフォーマンスの向上やハードドライブや RAM コストの低下によって、うまく隠されてしまった。

縮小されたメモリーやハードディスクフットプリント上で、Apple が約束する変更の幾つかは iPhone 用 OS X のコアでの開発に関係しているのではないかと僕は思う。世界は常に、更なる移動性を持つ機器を求めており、その結果、RAM ベースのストレージに向かって動いている。しかし、RAM ストレージは、ギガバイトあたりの値段では、回転ディスクストレージに、この先しばらくは太刀打ちできない。もし、Apple がハードウェア部門で革新できるのなら、(おそらく、サイズと機能では iPhone と Mac の中間となると噂される機器をもって)さらに機能的な無駄の少ないオペレーティングシステムはその助けとなる。

これら全てが、僕がここで言いたいことに繋がっていく。Snow Leopard が実際,約束されたように内部の改良点しか持たないと想定すると、Apple は大抵のリリース価格である $129 ではなく、無料で Snow Leopard をリリースするべきだ。無料と言っても、僕は Mac OS X Public Beta の代金として払った $29.95 程度(あの時はこれが Mac OS X 10.0 のコストから差し引かれた)を払うのに異議はない。DVD での郵送を希望する人に通常のメディア費、$9.95 を請求するのもまったくかまわない。しかし、ユーザが現在 Leopard を使っていようがTiger を使っていようが、Snow Leopard へのアップグレードは考える必要もないほど明確で簡単なこと、としなくてはならない。

このことについての内部情報は僕は一切持っていないし、「情報はフリーであることを求める」という視点から議論しているわけでもない。しかし、僕たちがSnow Leopard について現在知っているかぎりで言えば、必要なハードウェアを装備する Mac を持っているだれもが、Snow Leopard を無料で入手できるようにすることは、価格をつけて販売するより、Apple そして Macintosh 業界全体への益となるのだ。僕がこう考える理由は大きく言えば二つある。ひとつは、一貫したMacintosh のプラットフォームというメリット。もう一つは、目に見えない内部だけを改良した製品を市場に出す難しさだ。

一つの OS で全てを支配する -- これが最も重要なポイントなのだ。ビジネスの観点から言えば、Mac OS X の旧版は Apple や開発者達にとって、マイナスであるだけなのだ。しかし,インセンティブなしに、ユーザにアップグレードするよう勧めるのは難しい。Snow Leopard を無料あるいは安価にするという大胆な行動をとることによって、Apple は Leopard のユーザだけでなく、新機能に$129 も払う価値はないと Leopard へのアップグレードを渋っていた Tigerのユーザも(互換性のあるハードウェアを持っていれば)引きつけることができる。

もちろん、怠慢なユーザがアップグレードしたからといって、それが Apple の儲けになるわけではない。しかし、Snow Leopard が唯一のターゲットプラットフォームになることにより、Snow Leopard をインストールできない古い Mac 機を持っているユーザが新しい Mac 機を買うようになる。Mac 機の新品販売は、今も Appleのビジネスの中枢であることを忘れてはならない。

そんなことをする価値がなぜあるのか。開発者達はコードを合わせるために、常に Mac OS X のどれくらい前のバージョンまでさかのぼるのかを決めなくてはならない。もし、Snow Leopard がどこででも使われているのなら、開発者達はそれに努力を集中することができ、Tiger や Leopard に時間や費用を費やす必要などなくなる。これによって、開発にかかる時間が少なくなり、より良い,より多くのアプリケ−ションが作り出される。これら全てが Mac ユーザと Appleのためにもなるのだ。さらに多くのアプリケーションが Snow Leopard を必要とし始めれば、いつまでも古い Mac 機を使い続けるユーザには、アップグレードするプレッシャ−がさらにかかってくる。

単一の、一貫したプラットフォームは Apple に他の利点も与えてくれるだろう。ここでは僕の憶測になってしまうが、もし僕が Snow Leopard の責任者なら、Mac OS X のセキュリティアーキテクチャの改善に力を注ぐ。そうすれば、Apple は Mac OS X の比較的マルウェア無しという評判を傷つけるような、脆弱性への目立った攻撃が起らないように、Snow Leopard がなるべく広く使われるようにするのではないか。

Apple が Macintosh を単一の一貫したプラットフォームに移行するべきだという、僕の最後の理由は、既にこれには成功例があるからだ。これまでに合わせて 370 万台販売された iPhone と iPod touch の例を取ってみよう。これらでは、Apple は大型のオペレーティングシステムのアップデートを無料か安価にしてきた。( iPod touch のユーザはアップデートには、少額の代金を払わなくてはならない。)そのため、開発者達には単一のコードターゲットが存在し、ユーザにはもっと使い易いものが提供される。僕の知るかぎり、iPhone のソフトのアップデートをスキップする人ほとんどいない。

これに代わって、Snow Leopard を $129 の定価で販売することは有害効果となりかねない。Apple が Snow Leopard を高価格で販売すれば、かなりの割合のユーザがアップグレードしないようになる。そして、Mac OS X の インストールベースがさらに断片化し、開発者にとって、Apple の最新の技術を利用する新しい Mac 製品の開発を正当化しにくくなる。これは、Machintosh のプラットフォームの評判全体を損なうことにもなりかねない。Windows XP を悩まし続けたセキュリテイ上の問題が、Windows Vista ではかなり改善されているにもかかわらず、今でも Microsoftのセキュリティの評判への打撃となっているのが、この例だ。

実際、現在の Macintosh のユーザベースがどのように断片しているのかを知るのは難しい。Omni Group が Omni Software Update を通して報告される Mac OS X のバージョンを追跡調査しているのだが、そのデータによると 2009 年の 2 月でやっと Leopard の インストールベースが Tiger のそれを追い越した。(もちろん、これらのデータ は Omni Groupの利用者だけに該当するのだが、87.5 対 12.5 という Intel と Power PC プロセッサの比率 のように、他の数値から言っても妥当のようだ。さらに, Omni Group のアプリケーションは、先駆の利用者や上級のユーザに利用されているので、この議論に特に関連しているように思える。)もし、ユーザに焦点をあてた機能のある Leopard が、18ヶ月かけてやっとインストールベースの半分を占めるようになったのなら、$129 の定価がついた Snow Leopard はさらに苦労するのではないか。

エスキモーに氷を売る -- もっと実用的な面で言えば、ユーザに焦点をあてた大きな機能を提供しない Mac OS X のリリースをマーケティングするのはなかなか微妙だ。もちろん、Apple が Snow Leopard の利点を挙げられないわけではない。搭載 RAM 量上限の増加、向上されたマルチプロセッシングサポート、QuickTime X、短縮されたインストール時間などがそうだ。しかしこれらの改善点は、大半のユーザには関係のない問題に対応したものだ。いったい平均的な Mac ユーザが「もっと早く Mac OS X をインストールできたらいいのに」とか「この Mac に、もう1テラバイト分の RAM があったらいいのに」などと思うだろうか。

Snow Leopard の狙いは、将来の革新を可能とする改善に焦点をしぼることなのだが、将来の便益をもとに何かを売るということは、特に今の景気では難しい。

下手をすれば、Snow Leopard の内部機能を押し売りすることは、Apple が次のMac OS X バージョンを宣伝するためにとる便益ベースのマーケティング手法を台無しにしかねない。特に、Apple は卑しくユーザから金を取っていると見られかねないし、そうなれば、逆に Snow Leopard の利用度にも悪影響してしまう。

最後に、Snow Leopard を Leopard ユーザには無料にして、Tiger ユーザにはLeopard の代金と同様に$129 で販売するという論も唱えられる。しかし、Leopardへアップグレードせずに Tiger を使っているユーザは、Apple がよほど安く提供しないかぎり、Snow Leopard へのアップグレードに踏み切ることはないだろう。さらに、多くの Tiger ユーザが Power PC ベースの Mac で操作している。そして、噂によると Snow Leopard は、Intel ベースの Mac だけで操作可能になるのだそうだ。(だから、これらのユーザが Snow Leopard を利用するには、新規の Mac を結局買わなくてはならない。) Snow Leopard へのアップグレードを二類に分けることは、Leopard を購入したユーザの不平を避けることになるのだが、Leopard を買った人は、実際 Snow Leopard が出荷されるまで、その便益を受けてきたのだから,必ずしも金を無駄にしたわけではない。

無料化に反対する意見 -- 僕が上記で論じた意見にかかわらず、Appleが Snow Leopard に価格をつける選択をする理由は多くある。誤解がないよう言わせてもらえば、僕は Apple が箱に包装された製品を小売業に送るための原材料や流通費を賄うために適度な値段 ($10~$30)をつけることに腹を立てたりはしない。

Snow Leopard がダウンロードするには大きすぎる場合は、ある種の代金をかけることが必要となる。また、Apple 以外の小売店で、箱入り包装された製品を店で売るためには、ある程度の定価がついていなければならない。iPhone や Apple TV とは違い、購読料をもとにして計上できない Mac のような製品には、会計上の規則に合うように料金を課すのも必要なのかもしれない。

僕たちはまた、大きなアップデートを金を払って購入することに慣れてしまっている。だからApple は、定価がいくら通常より低くても、この習慣を断ちたくはないだろう。もちろん、人々が価値を見いださないものを売ることもその習慣を断つこととなり、Snow Leopard の利用率を下げることとなる。

最後に、Apple は Mac OS X の小売り販売数を公表したことは、僕が知るかぎり一度もないが、きっと同社はアップグレード料だけでも、数千百万いや数億ドルを稼ぐのだろう。最近の四半期で記録的な利益を決算しているにもかかわらず、Apple は収益になるチャンスを逃したくはないだろう。いくらそのような戦略が、プラットフォームにとって長期的な利益とはならない可能性があるとしてもだ。さらに、Apple の社内会計が、Snow Leopard の開発費用を賄うため、アップグレードからの販売収入を必要としているのかもしれない。

Snow Leopard をフリーにしよう -- 結論として言えば、Snow Leopard をできるだけ低価格で入手可能にすることは(おそらく無料の自動アップデートダウンロードや低価格のメディア郵送あるいは箱入りでの小売り)単一の一貫した Macintosh のプラットフォームを生む手助けをするだろう。そしてこれを基にして、Apple や独立開発者達が旧バージョンへのサポートを心配することなく、新たな製品を開発できるだろう。もちろん、短期的な利益は逃してしまうかもしれないが、多くの長期的利点がこれによって生み出される。そして、これは近日リリースされる Windows 7 と競争するための安定した足がかりを Mac に与えるだろう。Microsoft は近年、コストベースの宣伝法をとったり、つい先日には Windows 7のユーザ向けに仮想化 Windows XP オプション を発表したところだ。( Windows 7 にオプションの仮想化 XP が加わる 2009-04-24 を参照)

より良く機能する Mac (もちろんここではまだ理論的な話だが)がもたらす単なる便益とは別に、Snow Leopard の機能を利用し、Mac OS X の旧版へのサポートを心配することなく、より簡単に早く開発されたソフトウェアから得るものは多いだろう。そして、ユーザや開発者を喜ばせることはさらに多くの Mac 販売に繋がり、最終的には Apple の益となるのだ。


TidBITS の 19 年間を振り返って思ったこと

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今月は、TidBITS の創設以来 19 年目の記念の月だ。インターネットの物指しで見れば、TidBITS は(そして私たちも!)もはや信じられないほど古くからいることになる。Tonya と私が二人で TidBITS を始めたのが 1990 年の 4 月だった。当時の私たちは電子メールや電話で互いに連絡をとり、インターネット上でのファイルの移動には FTP を使い、ソーシャルネットワーキングの道具はメーリングリストと、Usenet ニュース、それに IRC (Internet Relay Chat) だった。

当初、私たちのインターネット接続は、低速のモデム・フックアップによって Cornell 大学の IBM メインフレームの一つに繋ぎ、それをさらに Cornell の Theory Center にある Unix マシンに接続して使うというものだった。当時は、インターネット接続が欲しければ、既に接続を持っている誰かを探してその人のマシンに繋がせてもらえるよう頼むしかなかった。まだ Comcast Internet も Road Runner も EarthLink もない時代だったのだ。私たちは tidbits.com ドメインを長年使ってきたが、それが選択肢の一つになるよりもずっと以前から、私たちの UUCP (Unix to Unix Copy Program) ノードを運営していた。私が自分のものとして使った最初の電子メールアドレスは [email protected] で、電子メールのメッセージは文字通りいろいろなマシンからマシンへと飛び移りながら私のところへやって来たのだった。

ウェブ (World Wide Web) などというものもなかった。それが本格的に動き出したのは 1993 年か 1994 年ごろになってからだ。インターネットの常時接続が一般家庭でも手の出る価格で使えることが一般的になったのは 1990 年代の後半以降だった。初めて私たちが「高速」のインターネット接続(56 Kbps のフレームリレー接続)を自宅にインストールしたのは、1994 年のことだった。(1994-11-14 の記事“ "Mainlining the Internet"”参照。)

Apple と Microsoft は存在していて、記憶を当時までさかのぼれる人ならばはっきり覚えているはずだ。でも当然ながら Google も、Yahoo も、eBay も、Amazon も、Skype も、Flickr も、YouTube も、Facebook も、Twitter も、まだなかった。 CompaqWordPerfectLotusAshton-Tate といった会社たちはそれぞれ荒れ狂う巨大恐竜のごとく業界をのし歩いていたが、後になっていずれも変革の力に屈し、より成功した他の競合相手に飲み込まれていった。

携帯電話も、また既に存在していた。少なくとも富裕な人たちの持つ自動車に搭載されていた。けれども後になればこれがいたる所に普及すると夢見ていたのは、Motorola のような電話機メーカーの人たちだけだったろう。携帯用の音楽プレイヤーはカセットテープを使う(先駆となったのは Sony Walkman)か CD を使う(例えば Sony Discman)ものだった。一般の人たちが受信するワイヤレス信号といえば、AM/FM ラジオか UHF/VHF テレビだけだった。

だから、私たちはずいぶん大きな進歩を見てきたわけだ。今は現代の Mac と、iPod、それに iPhone が私たちの手に入り、これらすべてが Wi-Fi と 3G データを利用して Google でウェブを検索し、YouTube でビデオを楽しみ、Skype で通話し、遠くにいる友人たちとも Facebook や Twitter で交流することができるのだから。

今年の TidBITS 創立記念日を迎えて、私たちはニューヨーク市内で春の休暇を楽しんでいる。これを機会に、私たちがどのような大変革を遂げてきたのか、そしてそれらが将来に向けてどのような意味を持つのか、少し考えてみたいと思う。

コンピューティングをコミュニケーションのために -- 私たちが TidBITS を出版してきたこの 19 年の間に、コンピューティングに関しておそらく最も大きく変わったのは、コンピューティング資源が主に何らかのコミュニケーションのために使われるようになった、その使用目的の変化の面だろう。おそらくこの傾向はコンピューティングの最も初期の段階から明白であるべきだった。現代コンピュータサイエンスの父だと多くの人たちに認められている Alan Turing でさえ、第二次世界大戦中のドイツ軍のコミュニケーションに対する暗号解読の仕事によって最もよく知られていたのだから。

けれども、パーソナルコンピュータの時代が始まると、たいていの人たちはコンピュータのことを単に数値の計算をしたりデータベースを処理したりするための _コンピューティング_ 機器だと考えた。Macintosh の持つ重要な側面の一つは、フォントの処理やレイアウト機能まで備えた MacWrite のようなアプリケーションを使って、_コミュニケーション_ 用の印刷物を作る目的が重視されていたことだった。Aldus PageMaker や Apple LaserWriter の登場によってこの役割は確固たるものとなっていた。ところが多くの人たちはそのことに気付かず、その代わりにそうしたアプリケーションをいわゆる「生産性」アプリケーションと見なすようになってしまった。たぶんそれは、コストが高かったためにそれらのアプリケーションが十分な経費予算を持っていたプロフェッショナルたちにしか手が出なかったからなのかもしれない。

1990 年代を通じて、私たちは皆それぞれにさまざまの形でインターネットと出会うようになった。思い返してみれば、それらの出会いの初期の段階がそれぞれにどれほど実験的なものだったことか、思い出しただけでわくわくするではないか。Apple は初期の FTP サイトを ftp.apple.com に持っていたかもしれないが、インターネットに接続できるために必要なシステムソフトウェアをすべての Mac が備えるまでに、Apple にはその後数年という期間が必要だった。今日では、インターネットに繋がらないコンピュータなど、ほとんど考えられなくなっている。

私たちがいかにしてコミュニケーションの方法を改善しようと努め続けているか、考えてみれば驚くばかりだ。コミュニケーションのためのテクノロジーの手段は、そのすべてが人と人との会話における時間と空間の制約を取り除こうとする努力だ。郵便も、電話も、電子メールも、インスタントメッセージングも、Twitter も、皆それを目指したものだ。時おり、Twitter について誰かに説明しようと悪戦苦闘している自分の姿が、1990 年ごろ電子メールについて全く同じ説明を熱心に語っていた自分の姿と重なって見える。

現代のインターネットによるコミュニケーションのサービスはすべて、実際には電子メールが最初から提供していたものを単により洗練されたものにしているに過ぎない。そう考えると、電子メールが決して消え去ることはないことが納得できるだろう。電子メールは、ユビキタスに、すべての人にとっての最小公倍数として存在し、オープンスタンダードにのみその基盤を置いている。Facebook や Twitter がいくら人気を得ようとも、電子メールを完全に置き換えることはできない。なぜならこれら両者はプロプライエタリな存在だからだ。(もちろん、両者がそれぞれ必ずしも経営の安定していない会社の製品であるという事実も忘れてはならない。)

コンピュータがニュースや娯楽を提供する機器としてトップの座を占めるようになったことも、私たちは目撃してきた。ニュース番組も表示するし、私たちのオーディオやビデオ、ゲームなどもプレイできる。伝統的な型のコンピュータではあまりうまく動かないようなものに対しては、特化された機器が登場してきた。例えばゲーム用コンソールや、携帯用音楽プレイヤー、さらには電子ブックリーダーなどだ。けれども、考えてみればそれらもまた、すべてコミュニケーションではないか。さまざまの形の大衆娯楽さえも、私たちの文化全体の中で考えれば、やはりある種のコミュニケーションに過ぎない。

最後にもう一言。私たちが以前は純粋に生産性のためのアプリケーションと考えていたものたち、ワードプロセッサ、スプレッドシート、データベースなどさえも、今ではコミュニケーションのテクノロジーを取り入れることによって、次第に共同作業に適したものに変わりつつある。それも考えてみれば当然だ。何かを _生産_ しても、その成果を他の人たちに _コミュニケーション_ しなければ何の意味もないのだから。それにもちろん、この世界の中でなされることのほとんどはあまりにも複雑で、到底一人の人間の力で成し遂げられることではなく、共同作業が欠くことのできないものとなるからだ。

現代的な生活の必要を充たす -- 私たちが TidBITS を始めるより前の十年間は、パーソナルコンピュータといえば富裕な人たちの持つ贅沢品と思われていた。親たちは、百科事典一揃えを買う代わりにパーソナルコンピュータを子供たちに買い与えた。コンピュータ能力こそが、子供たちが将来就職する際に必要になると思ってのことだった。それが 1990 年代に入ると状況は変わり、コンピュータは次第に安価になって機能も増した。Tonya と私が Cornell 大学にいた 1980 年代後半には、自分のコンピュータを持っていた私たちのような人は珍しかった。ところが数年前に私が Cornell の学生寮を訪ねてみたところ、どの学生の机の上にもコンピュータがあった。(そもそも、会話の中で「コンピュータ能力」なんていう言葉が使われるのを、最後にあなたが聞いたのはいつだったろうか?)

そうした学生たちは、卒業後も、コンピュータを使うのを止めることはない。なぜなら、電子メールで、インスタントメッセージングで、あるいは一般的にウェブで、コンピュータは既に自分と外の世界を繋ぐ役割を担っているからだ。その上、そのコンピュータはステレオやテレビとしても働き、Skype が人気を得ている今では世界中に散らばった大学時代の友人たちと無料で話ができるようになった。つまり、コンピュータは現代生活の中の必須の道具となっているのだ。コミュニケーションのため、あるいは娯楽業界の製品を消費するために、それを実現してくれるこの道具を手放したいと思う人はもはやほとんどいない、ということだ。

現在の困難な経済状況の下でも Apple の Mac 売り上げがそれほど大きく落ち込まなかった理由を一つだけ挙げよと言われれば私はこう答えるだろう。人々は、もはやコンピュータを買わずに済ますことができないのだ、と。アップグレードを先延ばしにしたり、安めのものを買ったりということはあるかもしれないが、今どき教養のある人たちは何はさておきコンピュータが必要なのだ。これは大人だけのことではない。子供たちがコンピュータを _必要_ とするようになる年齢もますます下がり続けている。(他のコンピュータ会社の成績があまり良くなかった理由は、私の推察するところ、そうした会社の売り上げの大きな部分が企業向けのものであって、より多くの企業が経済が上向きになるまで購入を控える傾向にあるからだと思う。)

iPod も、ある意味同じような状況にある。必ずしもコンピュータと同じ意味で必要とは言えないかもしれないが、もしもあなたが iPod を持っていて、それが使えることを前提にあなたの生活が組み立てられているのならば、その iPod が壊れたりなくなったりすればもはやあなたの生活は成り立たないだろう。この理由で、私には当分の間 Apple の iPod ビジネスが下り坂になるとは思えない。

同じように、携帯電話も、私たちが TidBITS を始めた頃には高価な贅沢品であったものが、現在の米国ではずっと一般に普及するようになり、他の国ではさらにもっと一般的になっているところもある。2008 年の時点で、世界中に 41 億件の携帯電話契約が成立しており、米国内の家庭の 15% 近くが地上回線契約を止めて携帯電話に切り替えている。現代の必需品は何かといえば、携帯電話以外には考えられないだろう。

コンピュータと携帯電話が iPhone のようなフマートフォンに統合されて行くことが、さらに携帯電話の支配的地位を確固たるものとしている。コンピューティングはコミュニケーションであり、持ち運びできることでコミュニケーションの必要度はさらに高まる。私はあまり iPhone で話をしたり文章を書いたりしないが、最近ニューヨーク市に旅した折には、ひっきりなしに iPhone をポケットから引っぱり出していた。普通に電話をかけたりテキストのメッセージを書いたりすることもあったが、そのコンピュータ機能を使ったことも多かった。地下鉄の路線図を見たり、美術館への道順を調べたり、自動車の窓ガラスを修理してくれる店を探したり、といった具合だ。この旅の経験で、都会での生活は iPhone なしには考えられない、と思い知らされた。

ハードルは上がり続ける -- この 19 年間を通じてさまざまのインターネットテクノロジーが登場してきたお陰で、出版することが以前にも増して手軽にできるようになった。ただ、それとは反対の潮流もある。出版する際に、それがプロフェッショナルなものと呼ばれるかどうかのハードルが上がり続けているのだ。

私たちが TidBITS を始めた頃、必要なのは電子メールだけだった。(それに、大体において、可能なものはそれしかなかった。)けれどもウェブが出現して以来、ウェブサイトを築くことも必要になった。当初、私たちはその作業を Dartmouth College にいる友人たちに頼んだ。その後、やはり自分たちでウェブサイトを運営すべきだということになり、そのために高速の接続とサーバの管理が必要になった。それから間もなく、ただ静的な HTML ファイルだけから成るウェブサイトでは十分でなくなり、すべてをデータベースから供給しなければならなくなった。今では、もはやデータベース駆動のウェブサイトでさえも本当は十分でなく、AJAX スタイルの双方向性が必要という段階にまで来ている。

でも、状況はさらに悪くなる。テキストが消え去る日はあり得ないが、自分を出版者と考える人ならば、テキストの上にグラフィックスやサウンド、さらにはビデオも追加することが今日ますます重要になりつつあることは明らかだろう。(だからこそ、私たちは記事のオーディオ版も提供している。個々の記事の上のところにある Listen リンクを使うか、または 私たちのポッドキャストを購読してみて頂きたい。)さらにその上を行く出版物もある。例えば New York Times Visualization Lab では、さまざまなデータセットの中から誰もが自分の好きなものを選んで組み合わせることができる。もちろんこれは今は実験に過ぎないが、この種のことがらは今後十年間でずっと一般的になるかもしれない。

私がこうしたことを説明しているのは、電子メール版を購読している人にとっては外見上 TidBITS がそれほど変わったように思えないかもしれないが、実はここ数年間に私たちのウェブサイトには膨大な努力が注ぎ込まれているのだということを知って頂きたいと思ったからでもある。私たちがそれをしているのは、一つにはそれ自体がおもしろいということもあるが、それと同時にそうすべきだというプレッシャーを感じているからでもある。もしも私たちがテクノロジーの面でジョーンズ家のやつらに負けずにいることができなかったとしたら、きっといずれ私たちは新しい読者を惹き付けることが難しくなってくるのではないかという気がするのだ。常に流動の中にいて再編成と改善を続けているのは容易いことではないが、私たちのまわりの世界がこれほど急激に動き続けている以上、私たちもとにかくついて行こうと走り続けるしかない。

出版へのハードルがどんどん上がるというこの心配の裏に、もう一つ気がかりなことが潜んでいる。TidBITS は、インターネットがすべての人に出版の機会を提供するものだという事実の証しでもある。また、有名どころのブログのどれを見ても、それらはすべて初めは小さなものだった。けれども、完全機能のウェブサイトを作り出すことが難しいのならば、インターネット上に挙がる声の数が減るのではないかという心配を私は感じている。Twitter のようなマイクロブログのサービスに押されて、脱落して行くブログを既に私たちはいくつも見てきた。今や、ブログを作るのは難し過ぎることとなりつつあり、十分にオリジナルなコンテンツを盛り込めばこれで生計を立てられるだろうと試みるブロガーさえも、ほとんど見られなくなった。

そこで話は次の段階に進む。これはつまり、私たちが出版というものの消滅に向かって突き進んでいるということなのだろうか? 出版は、LP アルバムと変わらないものになるのか? つまり、プリントの際のスケールの経済学という観点を主な理由として、手当たり次第に記事をただ寄せ集めたものに過ぎなくなるのか? もちろん、コンテンツを集める際に美的その他の理由があることは分かっているが、それでも、じっくりと腰を据えて一つの出版物を丸ごと読むような人たちが今どきどのくらいいるだろうか? 多くの人は、ただウェブのあちこちをつまみ食いして回っているだけではないか? たぶん、Planet Money ポッドキャストが経済危機の最新の動向を説明しているし、 ESPN では昨夜の試合結果が分かるし、漫画が読みたければ XKCDJoy of Techを見ればよい... そういう具合だ。

結びに、私たちは今大きく動きつつある世界をありのままに紹介できているし、しかもそれをオリジナルなコンテンツによってお伝えしていると自負している。そのことによって、読者の皆さんが TidBITS を、業界における幅広い出来事に対する私たちの考え方を知りたいと思って読んで下さるのだとしたら嬉しい。

あちらにも Bits、こちらにも Bits -- さて、私たちの歴史を振り返りつつ私の頭に浮かんだ最後の話題は、この年月を通じ私たちがどうやって一生懸命生計を立ててきたかということについてだ。今まさに、このコンテンツ業界全体が大騒動のさなかにある。それは、コンテンツのあるべき形が広告によってサポートされるのか、それとも購読によるサポートか、それとも政府による補助金か、補助的製品の売り上げによるか、何らかの形でスポンサーを得るか、あるいはただ無料で手放すか、という論争だ。

1990 年以来の私たちの経験に照らして私に言える答はただ一言、「イエス」だ。これらのモデルはすべてそれぞれにうまく行くよう運営することが可能だし、最も重要なのは各出版者がこれらの方法の中から複数種類のアプローチを同時に使うことに価値があると認識すべきだということだと思う。おそらく、どのようなビジネス環境においても、どれか一つのアプローチは大きな収入源となってくれるだろう。けれども時が変われば(そして情勢は常に変わるものだ)別のアプローチがより重要になるかもしれない。

私の知る限り、1992 年にインターネット上の広告プログラムを世界で初めて作ったのが私たちだった。それはウェブさえもまだ到来していない時代だった。(1992-07-20 の記事“TidBITS Sponsorship Program”参照。)私たちは NSF の Acceptable Use Policy (利用規定) が非常に気になったので、PBS のスポンサーモデルに倣ってそれを手本にした。その後私たちはずっとこれを控え目なものにし続けた。控え目なものだったことから、私たちのスポンサープログラムは Google の検索ベースの革新的広告がしたようなスケールで億万ドルをざくざく稼ぎ出すことはついぞなかったが、それでも私たちのために明かりを灯し続けてくれた。このスポンサープログラムに加えて、私たちは読者からの直接の寄付金や、Amazon のアフィリエイト紹介収入、それにいくばくかの Google AdSense 収入も長年受け続けた。

私たちにとって大きな転機が訪れたのは、Take Control 電子ブックシリーズを創刊した時だった。これが可能となったのは、ひとえに私たちが TidBITS の出版を通じて積み上げた技能と人間関係があったからだった。また、これがうまく軌道に乗れたのは、ひとえに TidBITS 読者たちのお陰だった。Take Control の出版にはたいへんな作業が必要だが、これは同時に私たちの幾人かの友人たちのためにも収入を提供できる道を開くことともなった。収益を生み出すことに加えて、そのビジネスが緊密に結び合ったコミュニティーを築く力にもなってくれるならば、それは素晴らしいことだ。

私たちのインターネット基盤構造を改善するため、私たちは常に作業を続けている(皆さんに見えるところも、私たちの作業を楽にしてくれる舞台裏のツールも、どちらも改善しようとしている)が、同時に金銭的な収益を改善するために何ができるかを考え続けることも忘れないでいる。これがなかなか難しい。というのは、インターネットにおいては「きちんと構築すれば、おのずと入ってくる」という格言がもはや当てはまらないからだ。今の時代には、広告や、アフィリエイト紹介、その他各種の訪問数あたりに支払われる収入を現実的に十分大きな額にするのはほとんど不可能に近い。それでも私たちはまだ新たなアイデアを温めているし、それをお披露目できる準備が整った時には皆さんにお知らせしたいと思う。

コンテンツ業界には先行きが暗いというムードが漂っている(中でも新聞社が特に壁に突き当たっているようだ)が、私はまだまだインターネット上のコンテンツ出版でしっかりと生計を立てる道がたくさん残されていると思う。出版というのは、これまでも容易な仕事ではなかったし、将来も決して容易なものとなることはなく、多額の金を生むことができるのはほんの一握りの幸運な人たちだけだろう。けれども、オリジナルなコンテンツを生み出すことに常に目を注ぎ、適切なスケールのビジネスを作ることさえ忘れなければ、私たちにも今後当分の間は TidBITS を出版し続けることができると私は思う。これからあと 19 年って? ひょっとしたらね。でも、過去 19 年間に私たちがどれだけの変化を経験してきたかを考えれば、2028 年の世界がどうなっているのかなんて、私には全く想像もつかないさ。


TidBITS 監視リスト:注目のソフトウェアアップデート、27-Apr-09

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Ian Page からの Mactracker 5.0.7 は、Apple ハードウェアに関する詳細な技術情報を提供するフリーウェア・ユーティリティの最新版である。このアップデートには、全ての初期 2009 ハードウェア情報、My Models アイテムに対する生産国、ノートブックに対する Liquid Sensor 詳細、Timeline における最近の年数を決定する能力、そして既に廃版となったそしてビンテージの製品に対するサポートの改善が含まれる。最後に、殆ど同じ情報を提供する iPhone と iPod touch 用の新しい Mactracker appも今や App Store から入手できる。(無料、21.6 MB)

Helium Foot Software からの MercuryMover 2.0.5 は、ウィンドウを移動したりリサイズしたりするためのキーボードショートカットユーティリティに対する小規模なメンテナンスアップデートである。修正された問題には、二台目のディスプレイを接続したり外したりする時に時折発生したシステムフリーズ、そして主ディスプレイの下にある二台目ディスプレイ上でウィンドウを中心に置いたり最大化したり出来なくなるバグが含まれる。更に、警告表示の中のボタンにも新しい外観と感触が与えられた。(新規 $20、アップデート無料、1.9 MB)

Mozilla からの Firefox 3.0.9 は、この人気の Web ブラウザに対するセキュリティと安定性アップデートである。このアップデートは数多くのセキュリティ問題に対応しているが、クラッシュを引き起こし結果的にメモリ破壊につながる可能性のある重大な脆弱性もこの中に含まれる。また修正されたものには、破壊された手元のデータベースのせいで Firefox が保存したクッキーを失う問題、ウェブメールサービスでメール内に貼り付けられた画像が現れないバグ、大きなオンラインフォームをアップロードする時遅くなる問題、そして特定されていない安定性問題がある。(無料、17.2 MB)

Ergonis Software からの PopChar X 4.2 は、特別の文字を見つけ出しそして挿入する長いこと愛用されているツールに対するメンテナンスアップデートである。新しい機能である Reverse Font Search では、ユーザーは特定の文字を含む全てのフォントを見つけ出すことが出来る。このアップデートでは少数のバグ修正がなされ、その中には、ある種のサードパーティユーティリティと組み合わせて PopChar X を開くとシステムフリーズする問題、MobileMe と設定を同期する時 PopChar X がライセンス情報を忘れてしまう問題、そしてある種のキーボード配列と一緒に PopChar X を使うとクラッシュする問題が含まれる。(新規 29.99、過去二年間の購入に対しては無料アップデート、1.8 MB)


ExtraBITS、27-Apr-09 版

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

10億本目のアプリ賞品は 13才の少年へ -- Apple は 23-Apr-09 に App Store からの 10億本目のダウンロードに到達したが、それが誰によって達成されそして同社の賞品を獲得したのかは明かさないままであった。でも今やその羨むべき人が誰なのか我々も知っている。Weston, CT に住む 13才の Connor Mulcahey が今やそのダウンロードしたアプリだけではなく、$10,000 の iTunes ギフトカード、iPod touch、Time Capsule、そして MacBook Pro の所有者となった。Connor、おめでとう!(リンク投稿 2009-04-24)

Adam が Apple の Q2 2009 決算について MacNotables で話す -- Apple の輝かしき収支報告書とこの全体的な景気下降傾向の中で一体全体何故 Apple が抵抗し得ているのかに関する更なる見方について、この MacNotables ポッドキャストでの Adam と Chuck Joiner の間での論議を聞いてみよう。(リンク投稿 2009-04-23)

Apple のグリーン度 -- Earth Day を祝して Jeff Bertolucci が Apple の真の、えーと、グリーンの、色を探る。この Macworld での三部作シリーズで Apple の環境に対する立場について、彼は同社のサプライチェーン、リサイクルプログラム、そして環境変化に対する企業意識を見てみる。(リンク投稿 2009-04-22)

環境破壊におけるスパムの役割 -- この報告書 (PDF リンク) の中の特定の数字に対して、或いはこれ自体がスパムフィルタリングソフトウェアを売っている会社である McAfee によって後援されている事実に対してけちをつけることは自由である。しかし、その根底にある結論は - 環境に対してスパムは重大なそして害のある影響を及ぼしていると言う - 全く正当である。スパムが悪魔であると言うもう一つの理由でもある。祝アースデイ。(リンク投稿 2009-04-22)

Rich Mogull があなたの Mac 生活上のセキュリティ話を評価する事について論ずる -- 22-Apr-09 5:30 PM Pacific の Your Mac Life で TidBITS Security Editor の Rich Mogull が、Mac セキュリティの話を評価する方法に関する彼の記事について話すのを聞こう。このライブオーディオストリームは 29-Apr-09 まで聞くことが出来る。(リンク投稿 2009-04-22)

Apple デザインの進化、一枚の画像で -- Apple の工業デザインが年と共にどの様に進化してきたかを見たい?Edible Apple がこれまでリリースされて来た全ての Apple 製品 (コンピュータ、iPod、ディスプレイ、マウス、そしてキーボード) を時系列に並べたグラフィックを載せている。誰かこれをポスターにすべきである。(リンク投稿 2009-04-21)

Bob "Dr. Mac" LeVitus が TidBITS について温かい言葉を -- TidBITS の我々の独自性のある思慮に富んだ内容に対して温かい言葉をくれた賢人 Bob LeVitus に感謝!(リンク投稿 2009-04-21)

iPhoto '09 で場所をコピー&ペースト -- Derrick Story がさらにもう一つ iPhoto '09 8.0.2 に隠れた機能を見つけ出した。ジオタグのついた写真を Control-click する、Copy を選択、それから他の写真 (或いは選択した複数の写真) を Control-click そして新しいコマンド Paste Location を選択することが出来る。裏技だが有用である!(リンク投稿 2009-04-21)

Rich Mogull が Mac マルウェアについて MacVoices で論ずる -- TidBITS Security Editor Rich Mogull は、MacVoices ホストの Chuck Joiner と Macintosh ウィルスと最近の "botnet" 騒ぎにまつわる事実と作り話について語る。マルウェアを避けそしてメディアに登場するセキュリティ話を評価することに関する現実的アドバイスをこの MacVoices ポッドキャストで聞こう。(リンク投稿 2009-04-21)

Microsoft Office の寿命 -- 我々は最近 Microsoft Office 2004 が 13-Oct-09 にその終末日 (それ以降はアップデートされない) を迎える事に気づいた。他の Office 製品に対するこの日にちについても Microsoft の Web サイトで見ることが出来るが、別の言い方をすれば、Microsoft は "本格サポート" を最低 5年間或いは後継製品のリリースから 2年間、どちらか長い方、提供している。(リンク投稿 2009-04-21)


TidBITS Talk/27-Apr-09 のホットな話題

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

AT&T の契約をキャンセル -- iPhone の契約が終了したら、AT&T(あるいはその他のキャリヤ)は機器のロックを解除してくれるか? (メッセージ数 3)

Spotlight の GUI) -- Spotlight は邪魔にならないことを第一に働いているが、これはいざ使おうという際には問題となる。より良い Spotlight 検索を実行するための方法を読者たちが議論する。(メッセージ数 17)

MS Word 2008 -- Windows ユーザーから届いた保護付きの Word ファイルが、Mac の Word 2008 では開けない。その場合他のソフトウェアが役に立つかもしれない。(メッセージ数 9)

スライド用スキャナのお薦めは -- スライドをスキャンするにはどんな方法あるいはサービスが使えるのか? 読者たちからたくさんの素晴らしい提案が届く。(メッセージ数 34)

Mac 用の次世代 Twitter アプリをナビゲート -- Twitter のストリームを一覧するための最新のアプリケーションを読者たちが比較する。(メッセージ数 10)

MacBook Pro の問題が二つ -- かなり古い DiskWarrior ディスクから起動するのは、最新バージョンの Mac ハードウェアではうまく行かないかもしれない。(メッセージ数 3)

なぜ Snow Leopard は(ほとんど)無料となるべきか -- 次期バージョンの Mac OS X が無料アップデートであるべきかどうかを検討した Adam の記事について読者たちが議論を交わす。(メッセージ数 35)


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Valid XHTML 1.0! , Let iCab smile , Another HTML-lint gateway 日本語版最終更新:2009年 5月 1日 金曜日, S. HOSOKAWA