TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1014/15-Feb-2010

先週、Mac コミュニティーにおける一つの大きな疑問符が解決をみた。それは、Apple が出展者に名前を連ねない Macworld Expo がはたして生き残れるのかどうかという疑問だった。私たちはその場に居合わせたので、自信を持って報告できる。今回のショウは、確かに以前とは違っていたけれども、かつてないほどに活気に満ちていた。今週号ではこのショウに出展することを選んだ出展者たちが持ち寄った珠玉の品々を紹介するとともに、Tonya が Microsoft Office 2011 for Mac についてそっと覗き見る。それから Adam がこのショウについて全般的に展望し、Mac 指導者 Bill Atkinson との特別対談で彼の新しい iPhone アプリについて、また iPad が実際 iPhone より以前から存在していたことについて、語り合う。さらに今週号では Glenn が Google Buzz をめぐる騒ぎを記事にし、Hulu の iPad と iPhone 用バージョンについて推測を述べる。Doug McLean は Aperture 3 のリリースについて報告する。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Microsoft Office 2004 11.5.7、Google Chrome 5.0.307.7、VueScan 8.6.11、Digital Camera Raw Compatibility Update 3.0、2009 Aluminum Keyboard Firmware Update 1.0、それに Mac Pro Audio Update 1.0 だ。

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Apple、 Aperture 3 をリリース

  文: Doug McLean <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple がそのプロ向け写真編集プログラム Aperture に対してメジャーなアップデートをしてからもうおよそ 2 年になる。これがあまりに長くてこのプログラムはお蔵入りになってしまうのであろうかと思い始める人も多くなっていた。しかし先週の Aperture 3 のデビューで、200 余の新機能を盛り込み、Apple はまだその強力な写真管理と編集ソフトウェアのことを忘れていないことが明らかとなった。

Aperture の新機能の多くは iPhoto '09 からの移行だが強化されていて、素人の写真家が自分の写真を次のレベルに持ち上げるのを目指せるようこのプログラムの使い勝手を改善している。これらの機能のうち、Faces と Places へのサポートが一番目に付く移植機能と言えるだろう。iPhoto '09 でと同じように、Aperture の中の Faces は、ユーザーが写真の中の友人或いは家族を顔の特徴を元に認識しタグを付けることを可能にする。Faces はまた Aperture 3 では更なる微調整を受けていて、その中には Aperture が顔合わせの検索を行う対象のイベントを限定する機能が含まれる (全ライブラリをスキャンするのを避けるため)。また、新しい Unnamed Faces ビューでは名前と照合されていない全ての顔を一箇所で見ることが出来る (これは iPhoto '09 でもスマートアルバム経由で可能である)。

Aperture での Places は、iPhoto '09 でと同じように、写真を撮られた場所毎にソートしタグを付けることを可能にする。ジオタグの機能を有するカメラは写真に自動的に場所情報を付与するが、しかしあなたのカメラが、他の殆どのものと同様に、ジオタグをサポートしていなくとも、いくつかの方法でマニュアルに写真や一群の写真にタグを付けることが出来る:iPhoto の場所データベースを検索することにより、双方向の地図にサムネールをドラッグ&ドロップすることで、或いは別に GPS ログ付けツールから GPX ファイルをインポートしそしてあなたの写真をその GPS データに合わせてやることでも出来る。

Aperture の三番目の主要な機能追加は Brushes である、これはより高度な写真編集の鮮麗さを提供しようと目指したものである。Brushes 機能はユーザーが写真の全体の画像ではなく特定の部分にだけフィルタや効果を適用することを可能にする。15 の Quick Brushes がユーザーが使用する必要のありそうな極めて基本的な編集作業をカバーしており、そこには、焼く、覆い焼く、エリアを滑らかにする、詳細をシャープにする、或いは彩度を下げるなどが含まれる。Detect Edges オプションは、筆の運びが望まない所まではみ出してしまうことを防ぐことで細かい所での調整をやり易くする。最後に、筆運びは個別にオンオフ出来るので、変更を非破壊的で心配無用にしている。

これらの主要な機能追加に加えて、Aperture 3 には調整プリセットを保存し (一連の変更や筆運びの順序を一まとめにしたブロックとして覚えさせ他の画像にも当てはめられるようにする)、ライブラリ管理機能を改良し、そして Snow Leopard での 64-bit モードのサポートが含まれる。更に、改善されたのにはスライドショーオプション (HD サポートも含まれる)、全画面編集と表示モード、そして MobileMe, Facebook, そして Twitter にエクスポートするオプションが含まれる。Aperture ライブラリはまた今や静止画像だけでなく動画も保存し作業出来る。

(Aperture 3 を出した後すぐに、Apple は Aperture SlideShow Support Update 1.0 をリリースしたが、これは Snow Leopard で動かしている時 Aperture 3 スライドショーでビデオクリップを再生する時の問題を修正している。62.33 MB のアップデートは無料で Software Update 経由又は Apple Support Downloads ページから入手出来る。)

Aperture 3 は現在入手可で、Intel-based Mac 上で少なくとも Mac OS X 10.5.8 が走っていることを必要とし、価格は新品が $199 で過去のバージョンからのアップグレードは $99 となっている。無料の 30 日試行が Apple の Web サイトに出されている (メインの Aperture ページの右上隅にある Free Trial ボタンを探すこと)。

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Google Buzz って何? いったいどうなってるの?

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

白状しよう。先週 Google が Google Buzz をスタートさせた とき、私は真面目に考える気がしなかった。説明とデモによると、このサービスはどうやら既に私たちの多くが持っているようなたぐいのものを、私たちが欲しがっているだろうと言わんばかりに Google が売りつけようとしているかのようだった。Google の金槌は何か打つものをと探していたが、当の私たちの方は既に十分立派な金槌と、たっぷりの釘も持ち合わせていたというわけだ。

Buzz が最もよく似ているのは、Facebook のコメントスレッドだ。自分の考えたことや、リンクや写真をポストすると、友人たちがそれに返事をしたり、あるいはそのスレッドが「気に入った」とマークしたりする。Buzz には Twitter 風の非対称性もある。つまり、あなたが誰かをフォローすることもできるし、それとは別に人々があなたをフォローすることもできる。この点が、人々が互いの輪に同時に組み入れられる Facebook の対称的な相互関係とは対照的だ。

google_buzz_following

Buzz の背後にある考え方は、Gmail をハブとして用いることによって、ソーシャルネットワーキングをあなたの既存の Google 宇宙の中に作り出そうということだ。Google は徐々に Buzz の展開を広げており、私の Gmail ログインにこれが登場したのはスタートしてから一日後のことであった。

稼動し始めた最初の数日間、Google の金槌はたくさんの釘を曲げてしまった。個人情報を公開の場所に露出させてしまい、多数のユーザーに冷や汗をかかせたのだ。現在、Google はより穏やかに金槌を振るようになり、急上昇のネットワーク効果を作り出そうとして当初打ち出していた考えなしのやり方を撤回することで、曲がった釘をまっすぐに直そうと試みているところだ。

人の個人情報を露出させる -- 私が Buzz を使い始めたとき、私のコンタクト相手に自動的に接続されたり、その人たちへの接続の選択肢を提供されたりということは一切なかった。けれども私のこの体験は一般的なことではなかったようだ。大多数の人たちは、いつも最も頻繁に電子メールやチャットの相手となっている人たちが Buzz ソーシャルネットワークの構成員として最初からリストされているのを目撃した。恐ろしいことに、少なくとも一部のケースではまだ Buzz を有効にしていない Gmail ユーザーにもこれが起こったという。

これは、大きな危険に繋がる。なぜなら、そのようにして自動的に作られたソーシャルなウェブにおいては、あなたが普段コンタクトしている相手の人たちすべてが(適切であろうとなかろうと)見えてしまうばかりでなく、プロフィール機能の中に埋め込まれたプライバシー設定によっては、あなたのコンタクト相手のリストを誰もが見ることができるようになってしまう可能性があるからだ。Buzz を使っていない人や、この設定のことを知らない人(私はこの部類に入っていた)にとっては、プライベートな、あるいは時として生死にかかわる情報(抑圧的な政権の支配下にある人たちのことを考えよう)がユーザーの知らないうちに広範囲に露出されてしまっていたかもしれないのだ。

この日曜日までに、Google は このやり方を完全に撤回した。新規の Buzz ユーザーには日常的なコンタクト相手のリストが個々の項目ごとにチェックマークを付けて提示される。あなたはまず省きたい項目のチェックを外してから、それから Follow Selected People をクリックして Buzz を有効にすればよい。また、Turn Off Buzz をクリックすればこの機能を Gmail で使わないようにすることもできる。

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現時点では、Buzz を無効にするのはまだ手間のかかる作業だ。ただ、Google によればこの点は改善する予定とのことで、Gmail の設定に Buzz 専用のタブも設けられる予定だという。Gmail ページの一番下にあるちっぽけなリンク Turn Off Buzz (バズを無効にする) をクリックしても、ただ Buzz (バズ) リンクが表示されなくなるだけで、他の人たちがあなたをフォローしたりあなたが誰をフォローしているかを見たりすることが防げるようになるわけではない。Electronic Frontier Foundation (電子フロンティア財団) は、Google プロフィールを初めから作らないでおくか、作ってもそれを非公開設定にしておくようにと勧めている。(非公開設定にする方法はたくさんの手順を要するし、Gmail の中から一目で見て分かるようなものではない。)

Google は、互いに結び付けられたユーザーたちのネットワークをできるだけ早く作りたいと願ったのだろうが、その前にプライバシーの専門家や、社外にいる常識ある人たちの助言を仰ぐべきだった。

Buzz In する -- Google がプライバシーで大失態をやらかしたことをあなたがそれほど気にしないというのならば、Google があなたのアカウントでこの機能が使えるように切り替え次第、いつでも Buzz を有効にできる。Google はこの機能を波状的に順次展開させている。機能が使えるようになった後であなたが Gmail にログインすると、どうすればよいのかを説明した情報が提示される。

設定を済ませたあとは、Gmail の中で左側のナビゲーションバーの Inbox (受信トレイ) リンクの下に新しい Buzz (バズ) リンクが現われる。それをクリックすると、私の場合は、大体において空っぽなスクリーンが開き、あなたも始めてみませんかと招待してきたが、この点は変わっているかもしれない。

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さて、何人かの人たちと接続できたので(相手の彼らも、この Buzz が使ってみる価値のあるものかどうか見極めたいと試行錯誤中の人たちが大多数だろう)試しに何回か「バズ」してみた。それぞれの「バズ」は実際にはただの個別のスレッドに過ぎず、普通の電子メールのスレッドと似たようなものだ。

外側世界にある Flickr や Twitter と結び付けることも、Google 宇宙内の Picasa や Google Reader と結ぶこともできる。写真を Flickr や Picasa にポストしたり、Twitter ステータスをアップデートしたり、あるいは Reader の公開セクションにリンクを追加したりすれば、すべて新しい「バズ」として加えられる。(Google Buzz は現在はもはや公開して共有されたあなたの Picasa や Reader 項目を自動的に共有させたりしない。場合により、こうした項目が公開であることに気付かない人たちも多い。これは気付きにくさから来るセキュリティの問題だ。あなたが誰かの Gmail アドレスを知らなければ、その人の「公開」情報があなたの目に触れることはないからだ。)

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もちろん、同僚の一人が Twitter で言ったこと:「つまり、俺が Google で君をバズして、俺が Twitter で君をフォローしていたら、俺は君のポストをいつも2回ずつ見ることになるってことか? 俺は君のポストが好きだが、そこまで好きじゃないぜ。」私も全く同感だ! [このことは、既に Twitter と Facebook でも問題となっている。例えば Twitter ポストのみで Facebook をアップデートしている私のような人をフォローしている人のような場合だ。こういう問題があるからこそ、ソーシャルネットワーキングでは非対称性が重要なのだ。-Adam]

Buzz は Twitter や Facebook とははっきりと異なったアプローチ法をとっている。Buzz は(現在のところ)一つのサイトだけにあって、サードパーティ開発者用の API もなく、増え続けている Gmail オプションの宇宙における添加物(例えば Google Chat もそうだ)の一つとして挙動する。

それとは対称的に、Twitter や Facebook はそれぞれ独自に存在していて独自のサイトを持っているが、デスクトップ用やスマートフォン用のサードパーティソフトウェアによってアクセスを拡張することが可能で、さらに Twitter や Facebook の認証システムによりあなたの人物特定がされて、あなたがそれらのサービスでコメントを投稿できるようにしたり、または他のサイトでもその人物特定ができるようになっている。

Buzz Up か Buzz Down か -- この Buzz が、楽しみを損なうだけのもの (buzz kill) なのか、それとも次に来るべき素晴らしいものなのかは、まだ判断するには時期尚早だ。このスタート時点で見た限りでは、使用目的として私が考えられるのはただ一つ、Facebook の外で個人的あるいは公開の会話ができることだけだ。ただし、すべての参加者が Gmail ユーザーでなければならないという制限がある。

けれども、Buzz を巡って Google がプライバシーの扱いを間違えた以上、私は、まず自分の Google プロフィールを見直して、従来私の情報で公開としていた点の多くを非公開設定に切り替えてから、私をフォローする人たちや私がフォローする人たちをすべてリストから削除して、Buzz を無効にした。

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Hulu が iPhone アプリでも動く?

  文: Glenn Fleishman <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Hulu は、iPhone OS の Mobile Safari で欠けているものの申し子だ。Hulu はメジャーなテレビ局の複数のネットワークが所有するストリーミングビデオサービスで、テレビ番組や映画を、新しいものも古いものも、必須である広告付きで視聴することができる。Adobe Flash が必要だ。

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iPad が発表されて以来(2010 年 1 月 27 日の記事“iPad がやって来た”参照)この機器の将来の市場シェアや有効性をめぐって大きな議論の的となっているのが、Flash がサポートされていない点だ。iPad 発表以前に John Gruber が、 Apple がなぜ Flash をサポートしないかについての背景情報を説明している。

Flash は多くの目的に使うことができ、実際 Flash はさまざまの種類のインタラクティブなゲームや、マルチメディアのコンテンツ、その他いろいろ難解な目的のためにも(とても酷いレストランのサイトなどもある)世界中で使われている。

けれどもウェブページに埋め込まれた Flash の最大の目的と言えばただ一つ、それはビデオを再生することだ。ビデオは大多数が既に H.264 でエンコードされており、これは MPEG4 標準セットの一部分で、Apple はそのオーディオとビデオ関係の目的のほとんどすべてでこれを使っている。

例えば YouTube では、Flash は単に H.264 ビデオのラッパーとして挙動するだけだ。YouTube では、H.264 ビデオを現在進行中の HTML5 レンダリング標準を用いて再生できるようにするという試験計画を進めている。YouTube ユーザーは毎月 120 億回以上もビデオを視聴しており、これは 米国内で観られているオンラインビデオ全体の 40 パーセントにあたる。(HTML5 はまだ特定のビデオフォーマットを指定しておらず、将来も指定することはないと思われる。H.264 には特許、使用料、ライセンスなどの問題があるため、すべてのソースコードをリリースしている Firefox や Chrome などでは使用することができない。)

けれども Hulu は境界的なケースだ。このサイトはビデオを再生する「だけ」ではあるが、それでもラッパーは必要となる。YouTube の場合は JavaScript を使ってどんなブラウザビデオが再生中であっても標準のビデオプレイヤーの上に広告をオーバーレイすることができるが、Hulu の場合は運営のために商業的収益を必要とする。ここではカスタムの Flash プレイヤーを使っていて、コマーシャルがスキップできないようになっている。標準のビデオプレイヤーでは前後に流し再生ができる。ただしテレビ番組やその他のビデオがあらかじめいくつかの部分に切り分けられていてそれらが順番にしかロードされないように設定されていれば別だが、そんなことをすればユーザーに不快感を与えて疑いなく利用度が減るだろう。

だから、Hulu が iPad 特定のアプリの開発を考慮していたとしても、驚くにはあたらないだろう。TechCrunch は「業界の消息通からの噂」としてそのようなことを報告している。信頼のおける情報と言えるものではないが、考え方としては論理にかなっている。Hulu は、やはりすべてのメジャーなプラットフォームで利用できるようにすべきだ。

Hulu は米国内のオンラインビデオのたった 3 パーセント、2009 年 12 月では十億本を超える程度のビデオしか供給していないが、一つのサイトで合法的にライセンスされたストリーミングテレビを観られるところとしては最大のものだ。他のテレビ局ネットワークのサイト、例えば Fox、Viacom、Turner Network といったところでは、それぞれ Hulu のトラフィックの3分の1程度しか扱っていない。

私には、Hulu がテクノロジー戦争でどちらか一方の側のみに付くとは考えられない。Flash は単なる配送メカニズムなのであって、これは宗教的義務ではないのだ。AT&T は最近 3G ネットワークで動作するアプリケーションについてのルールを変更したが、これが Hulu にさらなる弾みを与えることだろう。AT&T によれば、新しいルールに従う限り、アプリが 3G 経由でビデオをストリームしても構わないという。Sling Media が、この新しいガイドラインを使って承認を受けた最初の会社となった。Hulu もいずれこれに続くかもしれない。

平均的な Hulu ユーザーが(comScore の統計によれば)一月あたり 23 本のビデオを視聴することを考えれば、iPhone OS アプリによって Hulu の及ぶ範囲は劇的に広がることだろう。私の想像では、Hulu がそのアプリを iPad に限定する(プロセッサのパワーの限界によりそうなってしまう)かもしれないと思うが、そうなれば米国だけで何千万人といる iPhone や iPod touch ユーザーたちが、加わりたい気持ちのまま置き去りにされることになる。

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Microsoft、Macworld Expo で Office 2011 の詳細をリリース

  文: Tonya Engst <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

今年の Macworld 2010 Conference and Expo では大手の Mac ソフトウェアデベロッパーの不参加が目立つ中、Microsoft は展示会場にブースを持ち、2010年末までには出される Microsoft Office for Mac 2011 に対する彼らの計画について我々に話をしてくれた。

Microsoft は、我々 Mac ユーザーが注目する幾つかの競合社とは違うソフトウェアリリースモデルを持っている。その対極にあるものとして、Google はその Web やデスクトップアプリケーションに対して大きな変更を、全く事前の知らせも、選択肢も、鳴り物もなく、そして最低限のドキュメンテーションだけで実行する。Google Buzz は, Twitter 似の Gmail を補佐するインスタントメッセージング、その様な変更の最近の典型例である ("Google Buzz って何? いったいどうなってるの?" 14 February 2010 参照)。

その中間に位置するのが Apple であろう。同社はアップデートをインストールするかどうかの選択肢をユーザーに与え、そして Mac OS X の新しいメジャーリリースの様な大きなアップグレードは事前に発表するが、詳細は明かさない。他の大きな変更、例えば iLife や Aperture の新しいバージョンは警告無しに突然現れることもある。より小さなアップデートは Software Update 経由で全く事前通知なしで説明も最小限で現れる。

Microsoft はその反対の対極に位置し、その Office の主要な顧客は個人ユーザーではなく、何万台ものコンピュータを持つ巨大企業であると見做している。概してこれらの大企業は Google や Apple が提供しないものを欲する:何が来ようとしていて何時到着するのかの詳細情報である。これは、アップデートをどの様に展開し、そしてその新しいソフトウェアの使い方を従業員に教育すると言う必要性から来ている。

Microsoft はしばしば Apple の Software Update と同じ様なアップデートの仕組みを通して Office をアップデートすることもあるが、これらのアップデートは通常、コンパチ性、信頼性、或いはセキュリティのためで、一般のユーザーが気付くような新しい機能を追加するためではない。Microsoft が Office の新しいバージョンを準備する時、通常多くの事前情報を提供そして変更内容を記述するのに注力する、とりわけ大きな組織が気にする変更については。

メディアとの会見で、August 2009 に発表したように Microsoft が Office 2011 では Entourage を Outlook に置き換える計画は変えていないということを知っても驚くことではなかった ("Outlook for Mac は 2010年の Office のリリースで" 13 August 2009 でもとりあげた)。Microsoft はまたその Office スイートに Visual Basic for Applications (VBA) を復活させるつもりであるのは変わっていない。これは Office 2008 では Intel-based Mac とのコンパチ性を保つのが困難で取り除かれていた ("Microsoft が Office 2008 のバグを修正し、VBAの復帰を発表" 19 May 2008 参照)。この新しいバージョンで Office 2004 の時よりもより優れた VBA の Windows バージョンとのコンパチ性が戻ってくることになり、ショーにいた不機嫌な友人をして、これでまた Windows ユーザーからの VBA マクロウィルスの心配をしなくてはならないと言わせしめた。

Microsoft は Microsoft Word で提供されている多くの機能をユーザーが見つけ出せる様にするのに未だ苦心をしている (ヒント、Tools > Customize を選びそして Customize ダイアログを見てみる)。今回は、Macintosh Business Unit (MacBU) は Word for Windows の最新版で採用された Ribbon アプローチを試すようである。

多くの Windows ユーザーが Ribbon は邪魔くさいと感じている。しかしながら、そのまま残されたとしても、それはドキュメントウィンドウのツールバー領域の下に現れ、Word 2008 での Formatting パレットの様に働き、何をしているかに応じた或いは下にあるドキュメントの中で選択したものに応じたコントロールを提供する。ツールバーと Ribbon は自動的にウィンドウのトップに自分自身が納まるよう調整するので、スクリーン上であなたが個別に並べる必要は無い。申し訳ないが、ツールバー或いは Ribbon をウィンドウの横に動かせるのかどうかをたずねるのを失念してしまった、これはラップトップで作業している場合はとりわけ歓迎出来るものである。

Office 2011 は Google Docs に似たやり方での共同作業の能力も備えている、これで一つのドキュメントを一人以上のユーザーが同時に編集するのが可能になる。編集中は、個々のユーザーが他のどのユーザーがそのドキュメント上で作業中なのかを見ることが出来る。Word では、システムは "段落ロック" を使うので、一人のユーザーのみが与えられた段落の編集を許される。Microsoft によるとドキュメントは 30 秒毎に同期されると言う。

この機能は Word 2008 for Mac で導入された .docx フォーマット、そして共有されるドキュメントをホストするための Sharepoint サーバー又は SkyDrive サービスのどちらかを必要とする。インターネットホストの SkyDrive サービスは、Dropbox や MobileMe の iDisk 機能に相当する、25 MB の保存領域を無料で提供し Sharepoint を持たない組織でも共同作業の編集を行える様にしている。この共同作業のオプションは Excel や PowerPoint でも使えるはずだが Microsoft は具体的なものは何も明かさなかった。

Microsoft は Excel や PowerPoint に関する新しい変更については話をしなかったが、同社の関係者は新しい Outlook メール及び個人情報管理クライアントについては話をした。Entourage からの大きな変更点として、メールメッセージは一つのデータベースファイルとしてではなく個別のファイルとして保存されるので、Time Machine もスペースを浪費することなくメールメッセージをバックアップ出来、そして Spotlight はメッセージを個別にインデックス出来るようになる。新しい Outlook はまた .pst ファイルをインポート出来るので、Outlook の Windows バージョンからメールメッセージを持ってくることも可能となる。

大きな組織にとっては興味があると思われる新しい Office 機能に Information Rights Management (IRM) がある、これは受取り手が Office ドキュメント或いはメッセージについて何を出来るかを指定できる様にする。例えば、受け手は極秘の事業プランを含んだメッセージをコピー又は転送したり、或いは口座番号を含んだスプレッドシートを印刷したりするのを許されないかもしれない。

Microsoft は価格情報を提供しなかったが、Office 2011 は 2010 年のホリデー買い物シーズンには間に合うように出されるであろうとは語った。

Adobe, Quark, そして FileMaker といった会社が Macworld Expo から遠ざかっているのに、Microsoft が出て来て、ブースを設定し (Office の楽しい絵歴史付きで)、そして Office 2011 のリリースの極めて前から何がやってくるのかの前触れを提供して Mac コミュニティをサポートしているのは特記に値する。

そして Microsoft の MacBU は自分をあまり四角四面には取っていないしるしとして、マーケティングの人達に四つの Office アプリケーションアイコンを表す巨大なコスチュームを着せていた。ところがこのマスコットたちは周りがよく見えないので展示場の群衆の中を通り抜けていくには手をとって案内してもらわなければならず、それがかえって特別に人目を引く結果となった。

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Macworld Expo 2010 が再起動

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

もしも先週あなたの耳に、サンフランシスコの方角からかすかなジャーンという Macintosh 起動音が聞こえたような気がしたなら、それは Macworld Expo が、Apple が出展者リストから消えたことによって起こったクラッシュの後で再起動する音だったに違いない。嬉しいニュースがある。今回のショウは、フロアの広さや出展者の数などで言えば前回よりもはっきりと小規模になったけれども、この再起動は成功した。Apple がいなくなっても Macworld は基本的に大きな影響を受けなかった。実際、以前より良くなったところもあちこちにある。(私の目から見た去年のイベントについては、2009 年 1 月 12 日の記事“Macworld Expo の過去と未来への考察”参照。)

あらかじめはっきりさせておきたいが、Apple の新製品を発表する Steve Jobs のキーノートがなかったためにショウの持つ方向性は変わっていたし、ショウのフロアも巨大な Apple ブースがなかったために以前とは違う感じがした。けれども、私たち多くの人たちの頭の中では、それら二つの否定しようのない事実がショウにマイナスの影響を与えることは当然の前提だという意識が確かに存在していたし、私としては、実際、その逆のことも真実だったと言いたい。

問題は、私が以前から何度も指摘してきたことだが、Apple と、同社のまわりに育ってきたエコシステムとの間に、はっきりした分離が見られるということだ。Apple がこのショウから撤退したのは、同社の見地から言えば完璧に道理にかなったことだった。Macworld のブースよりも、Apple リテール店の方が、実際はるかに大きな露出(と売上げ)を提供できるからだ。

そして、Apple が Macworld Expo のキーノートで Aperture 3 と iPad の両方を発表するということももちろんできただろうが、それをやめることによって、あらかじめ定められたショウの日付に間に合うよう製品を完成させなければならないというプレッシャーを軽減することができたのは間違いない。さらにもう一歩踏み込めば、Macworld Expo の二週間前に iPad のお披露目があったのは事実良いことだったとさえ言える。なぜなら、そのお陰でショウのプランを立てる人たちや、ソフトウェア開発者たち、ケースのメーカー各社も、今後自分たちがどのように iPad に対応して行くかの具体的な道筋を考える時間ができたからだ。

ショウの会場に足を運んだ観衆たちは、従来は大部分の人たちが Apple ブースに一度は足を止めていた。Apple 製品はいつでもストアで簡単に見られるというのに、炎にたかる蛾たちのごとく人々はそのブースへと引き寄せられていた。今年は、大きな Apple ブースがフロアになかったので、観衆たちはその代わりにいろいろな他のブースに注意を集めた。そのことが結果としてほとんどすべての出展者たちが自分のブースに集まる人々の数に満足することになった。(私が「ほとんど」と言ったのは私がすべての出展者に話を聞くことができなかったというだけの理由からだが、私が話を聞いた多くの出展者たちは皆一様に今回のショウが大成功だと言っていたし、大多数が既に 2011 年にも出展する予定だと言っていた。)

例えば、オーディオソフトウェアメーカー Rogue Amoeba のブースではデモ用ソフトウェアの CD を配っていたが、二日目の終わりまでに配った CD の枚数が 2,500 枚から 3,000 枚に達していた。全体の観衆数はもっと多いが、一つのブースを訪れることのできる人の数は限られているので、たった二日間にそれだけの枚数の CD を配ることができて彼らは非常に喜んでいた。それに正直言って、ショウのフロアの総面積が狭くなったということは、すべてを見るのが容易くなったことをも意味していた。ただ、Adobe、Canon、FileMaker といった長年お馴染みの会社が出展してくれていたらもっと良かったとは思うが。

全体の観衆数といえば、長年来の出展者の一人が私に予想を述べてくれたところによれば、今回の総観衆数は 20,000 人から 25,000 人までの間だろうとのことだった。これは去年より少し少ないが、出展者たちに十分大勢の観衆を提供できる程度だと言える。IDG World Expo は正式の参加者数発表の前なので、ただ「20,000 人以上」とだけ述べた。

出展者の数も去年の 400 から減って 250 となった。多くの、特に大手の、あるいは中程度の規模のところが今回のショウへの参加を見送ったことを考えればこれは驚くにあたらない。彼らの代わりに、多数の iPhone アプリ開発者たちがぎっしりと集まって会場の中央付近の場所を占め、主にカクテル・テーブルで場所を分け合っていた。残念なことに、私が話をした iPhone アプリ開発者の誰一人として期間中に売り上げが急に伸びて自分のアプリがベストセラーのリストに載るという経験をした人がいなかった。(App Store の売り上げ数レポートには遅れがあるのが普通だからだ。)ベストセラーになることこそ、今後も売れ続けることを知らせる自己達成のお告げとなるというのに。

それでも、普段は何万人もの開発者と 140,000 のアプリの中に埋もれて報道からの注目を得るためだけに必死に争わなければならないのに比べると、Macworld に出展すればライバルの開発者数が 100 人程度に減るのだ、と指摘していた開発者たちが何人もいた。その上、ハワイから来ていたある iPhone アプリ開発者は、顧客たちと直接会話できるのはとてもありがたいことだ、App Store では顧客と開発者とが分離されていて、説明なしの否定的なコメントが生まれやすいから、と言っていた。

報道関係者としてショウを報道する仕事は、以前に比べていろいろな意味で楽になった。ショウのフロア面積が狭くなったことももちろんだが、ショウ開幕の前日に設けられたメディア専用のレセプションも他のメディア関係者たちと一緒になれる素敵な機会となったし、それに IDG World Expo は、従来 Apple がキーノート会場へのアクセスを厳しく制限したい意向を持っていた頃に比べてメディアバッジのチェックの厳しさをぐっと緩めてくれた。その上 IDG は初日の朝早く報道関係者のためにフロアを開いてくれさえした。ただ、残念なことにそのことがあまり周知されていなかったので、出展者の中にはガラガラの会場にぽつりぽつりと人がいる風景を見て仰天する人たちもいたし、通常の観衆はドアの外で待たされている状態だった。

Macworld Expo というものが単にショウのフロアだけではないことを忘れてはならない。カンファレンス・セッションに出席した観衆の具体的な人数を私は知らないが、一般的に言って、セッション会場に座っていた人たちは肯定的な感想を口にしていた。通常通りのプロフェッショナル向けトレーニングとしての意味に加え、これらのセッションは Apple Consultants Network の人々にとって非常に重要な意味を持っている。彼らは、多くの題材に関する検定試験を受けなければならないからだ。ある ACN メンバーは私に、この Macworld Expo で二日間いろいろなセッションに出れば、検定試験の準備として Apple 社のやっているトレーニングよりも安くつくし役にも立つと言っていた。

でも、Macworld が本当に輝きを放つのはビジネス上の人脈作りの舞台としての意味だ。コンサルタントたちも、エンドユーザーたちも、自分たちが使い推薦する製品を作っている会社から来た専門家たちと話をしたがった。(ビデオソフトウェアのメーカー Telestream は自社のブースに技術サポートのスタッフ一人と品質保証担当のエンジニア一人のみを配置していた。また二人だけでやっている会社 BusyMac はその二人ともが並んでほぼノンストップでカレンダー関係の質問に答え続けていた。)TidBITS スタッフとしての立場はここでは少し普通でないかもしれないが、私たちがショウの会場でしたことのほとんどすべては、何らかの意味でビジネス上の人間関係を強固にするためのものであり、私たちの出版活動の全体としての目標をさらに推し進めるためのものでもあった。どんなビジネスでも、顔突き合わせて一対一でする方がより容易くより素早くできるものだ。

それに加えて、思いもかけない人たちに偶然出会えるというセレンディピティの要因もある。Mac 業界の同僚たちでいつもショウの会場で会っている人たちの他に、私たちはモニターメーカー SuperMac から来ていたある人に会った。彼は、17 年間 Mac 業界を離れて警察官として働いていたのだ。それから、私たちは例えば MacSpeech や The Omni Group のような会社の重役たちとも話をしたが、インドの会社 Global Delight のマーケティングマネージャとも彼らの製品 Voila について話をして時を過ごした。これはスクリーンショット用のユーティリティだが、私は以前のバージョンについて建設的な批判を書き送ったことがあったのだ。ショウの会場では、こんな風に双方向のコミュニケーションも実現できる。

私にとってこの週のハイライトと呼べるものに出会えたのは、ショウが実際に開幕するその前日のことだった。私は、講演者用ラウンジのテーブルの上に見事な写真がたくさん広げられているのに目を留めた。私がそれと気付かないうちに、どこからともなく現われたのは Bill Atkinson その人だった。(彼は QuickDraw、MacPaint、それに HyperCard を産み出した人物であり、熟練した自然写真家でもある。)彼は、これらの写真が彼の新作 iPhone アプリ、PhotoCard で作られたことを説明してくれた。このアプリを使えば、ユーザーが自分の撮った写真または Bill の撮った 150 の自然写真のどれかを使って電子メールを(無料で)送ったり紙に印刷した写真ハガキを(少額の印刷料・郵送料で)送ったりできる。今私が「説明してくれた」と言ったのは、まさにその通りの意味だ。私が何も頼んでいないのに、Bill は彼がどうやってバックエンドを構築したか、最高の画質を得るためにどのようにして Indigo での印刷段階を調整したか、また、他の芸術写真家たちのためにも市場を提供できるようにどんなシステムを作ったかを事細かに説明してくれた。

言うまでもなく、Bill は iPad を発表会の会場で見ていた。彼はこれがコンピューティングの未来にとって非常に前向きな動きだと感じたという。ユーザーインターフェイスを考え直すことによって、コンピュータを管理し使いこなす際の複雑さの多くを取り除くことが可能だということを示したからだ。興味深いことだが、彼は Apple が iPhone をリリースするよりもずっと前から iPad の開発を続けてきていたと話してくれた。ただ、当時はまだ必要なテクノロジーを入手することができなかったので、Steve Jobs は Apple が iPad の代わりに iPhone を最初の iPhone OS 機器として選び、まずはそれに集中することを決断したのだという。そして、彼が言うには、Steve は Bill に対して iPad 開発に際して最も困難な技術的障害はその価格を $499 のレベルにまで下げることであり、厳しい価格の制約の中でそれを実現するために魔法以上のレベルの技術が必要だった、と述べたのだという。

PhotoCard と iPad をめぐって疾風のような技術的議論を Bill が語り終えた後、私たちの話題は彼が HyperCard で目指したもの、私たちが 1990 年に初めての TidBITS を HyperCard フォーマットで出した理由などに及び、それから彼がなぜ Apple を去って General Magic に移り、"telecard" と呼ばれる短いメモを手軽にやり取りすることのできる機器を作る仕事を始めたのかという話にも至った。彼の仕事がいかに時代を先取りしているか(当時はまだ携帯電話のインフラ構造も存在していなかった)を考えると、不思議に心を揺すぶられる気持ちになる。彼の "telecard" は、SMS テキストメッセージングや Twitter の予兆となっているし、Apple が iPad をデザインする際にも何らかのアイデアを告げ知らせたかもしれない。

なぜかは分からないが彼の会話はいつの間にか彼が MacPaint で取り下げていた機能について、彼が「学習するプロセッサ」を作り出そうとした努力についての話に移った。それから話題は私たちがどのようにして学ぶのかという教育哲学にも及んだ。会話を始めてからほとんど2時間ほども経っていて、私はメディア用レセプションで Tonya と約束があったためにそこを去らなければならなかったが、Bill と話ができたことは全く予期していなかった幸運だった。もちろん、誰の身にもいつも再現することではないが、この種の思いがけない出会い(セレンディピティ)は、Macworld Expo の会場のあちこちで起こっている。

そして、運の良いことに、どうやら Macworld Expo 2010 が十分成功を収めた結果として、IDG World Expo は Macworld Expo 2011 を来年の 1 月 25 日から 1 月 29 日までの期間に予定しているという。つまり、来年もショウのフロアが土曜日にも開いている。だから、次回はぜひ IDG が地元での広告にも力を入れて、サンフランシスコ市民が大勢参加できるようにして欲しい。今年は土曜日のフロアの人出が少し寂しかったが、土曜日に開いているという事実は、ソーシャルメディア以外の方法ではあまり強く宣伝されていなかったから。

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Macworld Expo 2010 で見たクールな製品

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Macworld Expo 2010 の雰囲気は活気に溢れ、観衆の数も予想より多かった。ただ、新製品の数は多くなかった。通常、観衆はそういうものを求めて口伝えを広め、会社のブースを探し出すものだが、今回は展示されていた製品の多くが既存のバージョンか、あるいは既に私たちが馴染みの製品を順次アップデートしたものだった。

そうした製品の中にはまだリリースされていないものも多かった。例えば DocMoto, もそうだ。これはフル機能の書類管理システムで、デザイン関係のビジネスや、建築設計や法律関係の事務所、その他、書類ベースのプロジェクトを多数作るところでは高度に有用なものとなるかもしれない。私たちも、もしもその場で入手可能でさえあれば購入したいと思うものがいくつかあった。例えばスタイリッシュかつ機能的なiKit AutoCharge Dual USB Car Chargerも魅力的に見えた。

それでも、少数ながら既に出荷されているもの、まだ登場していないものや、既存の製品ながら私たちにはまだ馴染みのないものなどいろいろあった。そうした中から、私たちが特に注目したものをいくつか挙げてみよう。

iMac 用 Kanex HDMI コネクタ -- Jeff が Kanex のこの最新の製品を示したとき、Adam は彼が何を指差しているのか理解するまでに何度か聞き返さなければならなかった。Kanex XD は小さなグレーの箱で、27 インチ iMac 背面の Mini DisplayPort 接続を利用して、Blu-ray プレイヤー、PlayStation 3、Xbox、あるいはその他の HD 機器を繋ぎ、それによって iMac を HDTV として使えるようにするというものだ。(この機能は 27 インチの iMac 機種にしか装備されていない。)さらに Kanex XD は、DVI ビデオ出力を持ったコンピュータを Apple の 24 インチ LED Cinema Display に接続するためにも使える。Kanex XD の価格は $149.99 で、2010 年 4 月に出荷の予定だ。

FastTrac -- プログラマーになるにはある程度の「こだわり」が必要だが、Juicy Development のプログラマーたちは自らの「こだわり」をさらに一段高めてFastTrac を作り上げた。この iPhone アプリは、Disneyland を訪れた際にアトラクションに並んで待つ時間をできるだけ短くするよう最適化を試みる。長年のデータに基づいて乗り物や客足、祝日、メンテナンス作業の予定などを調べることにより(Disney 自体はその種のデータを発表していないのでこれらはすべて Disney のベテランたちやファンたちからの情報をまとめたものだ)FastTrac はあなたが乗りたい乗り物に最適化した予定を組んでくれる。どれかの乗り物が突然運転中止になっても対処できる。それぞれの乗り物ごとに平均的な修理の所要時間を知っているので、それを考慮して全体の予定を組み直すことができるからだ。Juicy Development によれば、春休みの混雑期間中にテストしてみたところ、Disneyland の中で 27 の乗り物に乗れたという。一般的に 12 も乗れれば上出来といわれるが、その倍以上だ。同社は今後このアプリにレストランの情報を追加しようと開発中とのことで、さらに Disney の California Adventure、Walt Disney World、それに SeaWorld の各パークもサポートに含める予定だという。FastTrac は App Store から入手可能で、価格は $4.99 だ。

fasttrac

iPhone 用手袋 -- Macworld Expo に来ていたカリフォルニアの住民たちは皆一様に頭を掻いていたが、もっと寒い地方に住む人たちは iPhone や iPod touch で使うためのいくつかの手袋に夢中になっていた。 Dots GlovesTelefingers は暖かな製品を展示していたが、iTouch Gloves の製品には驚かされた。(私たち以外にも驚いている人たちは多かった。)これは静電容量対応の革製手袋で、指先を露出せずにそのまま iPhone や iPod touch が使える。特許取得の TouchTec プロセスにより手袋のどの部分を使ってもタッチスクリーンのスワイプ動作ができる。iTouch が販売していた製品の価格は $99 から $195 までの間で、見た目にもなかなか良い。どうやって革を静電容量対応にできるのか私たちにはまだ分からないが、ひょっとして静電容量対応の牛を育てるところから始めるのかな?(韓国では、代わりにソーセージを使っているらしい。)

U-Socket -- 私たちは皆、電源アダプタにあきあきしている。いくら小型になってもだ。でも FastMac に任せれば、電源コードのみで多くの機器が充電できるようになる。同社の U-Socket は新しいタイプのデュアルソケット・110 ボルトの電源ソケットで、自宅にある標準型のどんな電源ソケットとも交換して取り付けることができる。あるいは、理想の世界においては、空港やホテルなど、あなたが滞在し電源を必要とするあらゆる場所にこれが取り付けられる。この U-Socket は、二つの AC 電源差し込み口の間に二つの電源供給 USB ポートが垂直・水平双方にオフセットされて加わる。これらの USB ポートは iPhone や iPod のような機器が差し込まれた場合のみにエネルギーを使う。U-Socket の価格は $19.95 で、現在は UL の認可待ちの状態だ。認可が下りれば 2010 年の第1四半期中にも出荷される予定だ。

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Trexta iPhone ケース -- 本当の意味でカスタマイズできる iPhone ケースを探している人は、もうどこかのメーカーがそういうものを作ってくれないかと待ち焦がれる必要はない。どんなペンを使ってもよい。自分で好きなように描くことができる。Trexta が展示していた一連の iPhone ケースは、表面が画用紙なので、いたずら書きでも何でも、好きなことを書き込める。5個セットで販売されるが、私たちの見る限り、まだ購入可能にはなっていないようだ。Trexta 社はまだ写真を公表していないが、GeekSugar に写真がたくさんある

個人用スキャナはあちこちに -- ペーパーレスのオフィスを作りたい人には、何らかのスキャナが必要だ。スキャナを展示していたところは三つあった。Fujitsu がお披露目したのは $295 の ScanSnap S1300、これは持ち運び可能な機器で複数ページ対応、両面のカラースキャンができ、USB バスの電源からでも動作できる。そこから二つ隣りのブースでは、The Neat Company がその Neat スキャナや対応ソフトウェアをデモしていた。

それから IntelliScanner バーコードリーダーのメーカー Apparent が、$129 の Doxie をお披露目していた。これは超小型のモバイルスキャナで、本体の側面には「女性向け」の文字がピンクのハート付きで存在を主張するが、あなたが十代の女の子でない場合のために六つの「スキン」(代用ステッカー)が付属している。また、スキャン用のソフトウェアの中で大きなハート形のボタンをクリックするのに耐えられないなら、"International Business" テーマを使えばインターフェイスが現実世界に戻ってくる。ローカルのアプリケーションももちろんサポートしているが、Doxie のソフトウェアは、スキャンしたものを Google Docs、Scribd、Backpack、Flickr、Evernote、その他インターネットベースのサービスへ送ることもできる。私たちが抱く疑問はたった一つだ: Apparent は、辞書で "doxie" という単語を引いたことがないのだろうか?<

Pulse スマートペン -- あなたが学生かジャーナリストなら、日々たくさんのノートを取るだろう。そんなあなたに、Livescribe の Pulse スマートペン がとても重宝するかもしれない。「合体」という言葉に新たな意味をもたらす Pulse スマートペンは、あなたが特殊な紙にノートを取るのと同時にオーディオを録音し、ノートを特別のアプリケーションに転送するとともにそのノートとオーディオとの時間同期もおこなう。ショウの最中 Adam はインタビューされる側にいたが、その際インタビューをしていたブラジル人のジャーナリストは質問をしつつ普通のインクでノートを取り、同時に Adam の一言一言を将来の参照のために録音して、これがすべてシームレスに動いていた。価格はストレージ容量に応じて $149.95 から $249.95 までの範囲だ。

Canson Papershow -- Livescribe の Pulse スマートペンと同じような流れのものがもう一つある。Canson の Papershow は、カメラ搭載の Bluetooth ペンに、特殊な紙と、ソフトウェア (Mac 用と Windows 用) を組み合わせた $199.99 のキットで、その紙に書かれたものをすべて転送してコンピュータの画面に現われるようにする。例えば、プレゼンテーションのスライドにリアルタイムで書き込みをしたいような場合に最適だ。書き込みをしたスライドは印刷したり PDF として書き出したりすることもできるので、ミーティングに参加した人たちは自分でノートを取るよりもプレゼンテーションそのものに集中できるようになる。

ScreenGuardz でプライバシーを守る -- iPhone を手許に持っていればいつでも重要な情報のすべてにアクセスできて素晴らしいが、公共の場でそういうことをすることも多い。バスの中で隣に座っている人にあなたが今書いている電子メールメッセージを見られたくないなら、 ScreenGuardz の Privacy スクリーンカバー を付けてみるとよい。これは iPhone 3G または 3GS 用の保護フィルムで、四方向からの見え方を制限できる。つまり、iPhone を横置きにしても縦置きにしても安心できるということだ。よくある二方向保護フィルムでは片方の置き方でしか見え方を制限できない。ScreenGuardz Privacy フィルムは保護フィルム1枚入りで価格は $19.95 だ。

Microvision ShowWX Laser Pico Projector -- ほぼ iPhone と同じくらいのサイズの小型機器が、高解像度のビデオを 100 インチテレビほどの大きさに映写できるのを想像してみよう。Microvision の ShowWX プロジェクターは、スキャニングレーザーを使ってカラフルな画像をどんな平面にも映写できる。LCD などのテクノロジーの代わりにレーザー映写を使うことによって、他の超小型 (pico) プロジェクターに比べて常にピントの合った画像が幅広いカラーの幅をもって映写される。このプロジェクターには多数の接続オプションがあり、iPhone/iPod 用ケーブルも含まれる。バッテリ駆動で 90 分から 120 分間動作する。いずれこうしたものがいろいろなモバイル機器に内蔵される日が来ることは容易に想像できるが、広くて白い平面が日常の世界にそう多くないのがちょっと問題となるかもしれない。2010 年 3 月に発売予定だ。

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2010 年 2 月 15 日号のおまけ話

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

最近、私たちのスタッフも寄稿者の面々も、素晴らしい記事をたくさん書いて私たちを圧倒してくれている。その大きな要因は Apple による iPad の発表だ。そこで、TidBITS を電子メールのみで読んでくださっている方々のために、タイムリーな Macworld 2010 のニュースに占められて今週号に載り切らなかったそれらの素晴らしい記事をここに紹介しておきたいと思う。これらの記事は将来の号に載るかもしれないが、今すぐ読みたいと思われる方はどうぞリンクに従って私たちのウェブサイトを訪れて頂きたい。(ウェブサイトではコメントを書き込んで頂くこともできる。)

iPhone OS はマルチタスクを必要とするか? -- iPhone OS によく寄せられる苦情は、マルチタスクが許されないという点だ。けれども状況はそれほど単純ではない。なぜなら、iPhone OS はある形ではマルチタスクをしているからだ。それにこの「マルチタスク」という用語はたくさんの異なった意味を持っている。Adam があらゆる可能性を探究しつつ、将来どれのサポートが実現しそうかを考察する。(Adam C. Engst, 2010 年 2 月 8 日)

ゾンビの作家たちが墓場から抜け出て、想像上の電子本市場を脅かす -- Chris Pepper が、書籍と読書をめぐって何が起こっているのかを検討し、それが現在生きている作家たちに及ぼす影響について考察する。Jane Austen、Mark Twain、Jules Verne といったゾンビたちにより、彼らは生計手段を食い尽くされる危険に晒されているのだ。(脳を食い尽くされる心配はないが。)(Chris Pepper, 2010 年 2 月 3 日)

Bumptop for Mac で Getting Things Done (できない) -- 異なるプロジェクトで使われるファイルやフォルダを整理するためにデスクトップが Spaces とうまく協調しないのに困ったあげく、Jeff Porten はデスクトップの代わりになるというソフトウェア Bumptop を試してみた。残念ながら、物理的世界を表現したと言いながら、これを使うとその価値以上にトラブルに見舞われる結果となった。(Jeff Porten, 2010 年 2 月 3 日)

Greenpeace、自らを Apple のスターにしたがる? -- Greenpeace は最近、コンシューマ向け電化製品メーカーの最新ランキングを発表したが、その中で Apple は一つのリストでトップとなり、もう一つのリストでは一つ順位を上げた。これまで Greenpeace は Apple を非難することによって自らの理念への注目を集めてきたが、今やこの組織は Apple を賞賛することによって注目を誘おうとしているように見える。はたして Greenpeace はどの程度 Apple に依存しているのだろうか。また、このランキングの方法論はそうした依存度によって形成されたものなのか? (Doug McLean, 2010 年 2 月 2 日)

あなたの会社も iPad への準備を -- iPhone でそうだったと同じく、今回の iPad にも疑いなくコンシューマ向けの魅力がある。ということは、会社の IT 部局としても、従業員たちがこれを職場に持ち込み始めることに驚いてはいけない。(Rich Mogull, 2010 年 2 月 2 日)

無料あるいは安価の Wi-Fi を見つける -- なぜ Wi-Fi に料金を払ったりするのか? この記事は、米国の国内で無料の Wi-Fi を見つけるためのガイドを作ろうという私たちの現在進行中の作業の報告だ。また、あなたのブロードバンドプロバイダが既に提供しているかもしれない Wi-Fi サービスをどうやって使うかについての情報もある。さらに、最も安い値段で最大限を得るためのヒントも記してある。(Glenn Fleishman, 2010 年 12 月 23 日)


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2010 年 2 月 15 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Microsoft Office 2004 11.5.7 -- Microsoft が、Office 2004 for Mac の最新のアップデート、Microsoft Office 2004 11.5.7 をリリースした。これはいくつかの重要なセキュリティ脆弱性に対処している。いずれも、特別に作られた Office ファイルを使ってアタッカーが遠隔コード実行をすることによりデータを見たり、変更したり、消去したりする可能性があるというものだった。このアップデートではファイルを開いたり解析したりする際の方法を変更することによってこれらの問題に対処した。Microsoft Office 2004 for Mac に対するアップデートとしては Important のレーティングが付けられており、適用するためには Microsoft Office 2004 for Mac 11.5.6 Update が既にインストールされていることが必要だ。このアップデートは Microsoft のウェブサイトから、あるいは Office 2004 バージョンの Microsoft AutoUpdate 経由でも入手できる。(無料、9.4 MB)

Microsoft Office 2004 11.5.7 へのコメントリンク:

Google Chrome 5.0.307.7 -- Google が、Mac 用 Google Chrome の最新版をリリースした。今回は、このブラウザが Firefox や Safari に匹敵する代替製品と考え得るために必要ないくつかの機能が追加された。この最新版では機能拡張のサポート(ブラウザの機能を拡張する Firefox アドオンに似たもの)と、ブックマークを同期させる機能が盛り込まれ、ブックマーク、クッキー、タスクのマネージャがそれぞれ新設された。また、ジェスチャーのサポートが拡張され、つまんでズームしたり、Command-三本指スワイプで新規タブにページをナビゲートしたりできるようになった。ただし、Chrome が依然としてベータテストの最中であってバグ挙動も考えられることには注意しておかなければならない。(無料、18.8 MB)

Google Chrome 5.0.307.7 へのコメントリンク: .

VueScan 8.6.11 -- TidBITS Talk メンバーにより二年連続で年末恒例の TidBITS ギフトガイドにおける生産性ソフトウェア部門のトップにリストされた(2009 年 12 月 7 日の“TidBITS ギフトガイド 2009”と、2010 年 12 月 8 日の“2008 年末 TidBITS ギフトガイド”参照)Hamrick Software のスキャンソフトウェア VueScan が最近アップデートされた。この最新バージョンではいくつかの Dell 製オール・イン・ワン・プリンタとの互換性の問題と、Photosmart D5400 プリンタとの接続性の問題、歪んだボックスが正しくアップデートされない問題、それにマルチクロップボックスでのインターフェイスの問題に対処が施された。($39.95 new, free update, 9.1 MB)

VueScan 8.6.11 へのコメントリンク:

Digital Camera Raw Compatibility Update 3.0 -- Apple が最新の デジタルカメラ RAW 互換性アップデートをリリースした。今回はいくつかのカメラに対して Aperture 3 と iPhoto '09 のサポートを拡張している。新たにサポートに加えられたカメラには、Canon PowerShot S90、Canon sRAW、Canon mRAW、Leica D-LUX 4、Panasonic Lumix DMC-G1、Panasonic Lumix DMC-GH1 と Panasonic Lumix DMC-LX3 がある。このアップデートはソフトウェア・アップデートから、また Apple のウェブサイトからも入手できる。(無料、6.43 MB)

Digital Camera Raw Compatibility Update 3.0 へのコメントリンク:

2009 Aluminum Keyboard Firmware Update 1.0 -- Apple が 2009 年アルミニウム製の Apple Wireless Keyboard に対するファームウェアアップデートをリリースした。Magic Mouse や一部の Bluetooth ヘッドセットなど、他の Bluetooth 機器と一緒に使用したときの電池の性能を向上させている。Apple は、このアップデートを実行するためにはキーボードが接続またはペアリングされていなければならないとも述べている。インストールに関して詳しい情報は Apple のウェブサイトで読める。このアップデートはソフトウェア・アップデートから、また Apple のウェブサイトから入手できる。(無料、1.14 MB)

2009 Aluminum Keyboard Firmware Update 1.0 へのコメントリンク:

Mac Pro Audio Update 1.0 -- Apple の Mac Pro Audio Update 1.0 は、2009 年初期版の Mac Pro 機種用で、リリースノートには詳しい情報は書かれておらず、ただ「音楽の再生や録音などのオーディオ活動中にプロセッサの使用量を削減する」としか記されていない。 インストールの手順に関する情報は Apple のウェブサイトで読める。このアップデートはソフトウェア・アップデートから、また Apple のウェブサイトからも入手できる。(無料、1.64 MB)

Mac Pro Audio Update 1.0 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2010 年 2 月 15 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週は二つのリンクだけ手早く紹介しておこう。Macworld の Best of Show スライドショーが Macworld 2010 Conference and Expo で彼らの選んだベストの品々を紹介し、Apple が iTunes での販売百億曲目へのカウントダウンを始めた。

Best of Macworld Expo スライドショー -- 先週 Macworld Expo に行きたかったけれど行けなかったというあなた、Macworld の Best of Show スライドショーで遅れを取り戻しておこう。このスライドショーには、Macworld の編集者たちが独自に選んだ 11 の製品が紹介されている。

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iTunes の 100 億曲目コンテスト -- Apple が、iTunes で 100 億曲目の販売となる楽曲を購入した人に $10,000 分の iTunes ギフトカードを贈ると発表した。これだけ高額の賞品が贈られるので驚くことではないが、そのルールは非常に長くて込み入っている。けれども応募は簡単でただ楽曲を購入するだけだ。既におよそ 9,913,000,000 曲がダウンロードされていて、現在の購入数の平均が毎秒 150 曲程度なので(Apple のサイトに洒落たカウンターがある)当選者が出るのももう間もなくだろう!

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