TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1053/15-Nov-2010

今週号では二つのメジャーなアップデートをお知らせする。Mac OS X 10.6.5 と、Microsoft Office 2011 for Mac 14.0.1 だ。前者は多数の非常に個別的なバグを修正するが、たいていの人はそれらのバグに気付いたこともなかったろう。後者は Office 2011 の最初のリリースでどちらかと言えば一般的に起こったいろいろの問題点に対処している。それから、Mac OS X 10.6.5 は PGP Whole Disk Encryption との間に深刻なコンフリクトを起こすが、Rich Mogull がこの問題の詳細とそこから回復する方法を説明する。今週号ではまた Adam が iPad をラケット代わりにピンポンをする人たちを観察しつつ、ゾンビとなった Input Manager の来襲を目にして震え上がる。Apple Battery Charger の購入を検討している人たちのためには、Michael Cohen がこの充電器がどの程度うまく働くか、バッテリ残量のパーセント表示が電池により違って紛らわしいのはなぜかを検討する。最後に、Glenn Fleishman の電子ブック "Take Control of iPhone and iPod touch Networking & Security, iOS 4 Edition" のリリースと "Take Control of Wi-Fi Security" のアップデートのお知らせと、先週の DealBITS 抽選の当選者(それから当選しなかった人たちのための割引販売)の発表もある。今週注目すべきソフトウェアリリースは、iTunes 10.1、BBEdit 9.6.1、Security Update 2010-007 (Leopard 用と Leopard Server 用)、1Password 3.5.0、Coda 1.7、HP Printer Drivers v.2.5.2、それに Carbon Copy Cloner 3.3.6 だ。

記事:

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2010 年 11 月 22 日は TidBITS 休刊

  文: Jeff Carlson <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

来週、米国では Thanksgiving (感謝祭) の祝日にあたるので、2010 年 11 月 22 日には電子メール号を発行せず、家族で食事を囲んで祝うためのお休みをいただくことにした。(私個人としては、Joe Kissell の電子ブック "Take Control of Thanksgiving Dinner" を見ながら料理にいそしみたいと思う。ちなみにこの電子ブックは iBookstore からも、iPhone アプリとしても、入手できる。残念ながら iBookstore 内への直接リンクはまだできない。)

週刊の TidBITS 電子メール号は来週お休みとさせていただくが、もちろん TidBITS ウェブサイトへの記事の投稿は続けるつもりだ。時々サイトをチェックするか、私たちの RSS フィード または Twitter ストリームを購読するかして、ぜひ私たちの書くものすべてを追跡していただければと思う。次回の電子メール号は 2010 年 11 月 29 日の発行となる!

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最初の Office 2011 for Mac アップデートでクラッシュが修正された

  文: Michael E. Cohen <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Microsoft から Office for Mac 2011 が正式にリリースされてから二週間が経つか経たないうちに 最初のアップデートが出され、一連の "セキュリティ、安定性、コンパチ性、そして性能の改善" がもたらされた。

セキュリティの修正では、Microsoft で Important と格付けされた脆弱性が対象となっている。これはユーザーが Outlook 2011 の中で特別に作成された RTF メールメッセージをプレビューするか或いは開くと、遠隔コード実行を可能にするものである。Microsoft のセキュリティ情報によると、この脆弱性を成功裏に突く事が出来ると、攻撃者はその Mac の現在のユーザーと同じ権限を持つことになる:つまり管理者のアカウントから Mac を走らせている人達が最も危険性が高いことになる。

この脆弱性にパッチを当てることに加えて、Microsoft Office for Mac 2011 14.0.1 Update では、Excel, Word, PowerPoint, そして Outlook に対しても修正と改良を提供している。更に、ユーザーが SharePoint サーバーに接続する時全ての Office アプリケーションからフォームに基づいた認証を提供しており、そしてどの Office アプリケーションからでも誤ってロックされた画像が ChemDraw にコピーされるという問題も修正している。

Excel ユーザーでマクロを生かした時クラッシュを経験していた人に対しては Microsoft はこの問題を修正したと言っている;Excel で、計算されたスプレッドシートセルが関連するデータが変更された時アップデートに失敗するという経験をしている人に対しても問題は解決されている。Word ユーザーで Equation Tools を使ってクラッシュを経験している人に対しても問題は修正されている。PowerPoint のバグ修正には、スライドショーの途中でクラッシュする問題、そして PowerPoint 2007 及び PowerPoint 2010 で作成されたプレゼンテーションで番号付けされたリストが間違って表示される問題の修正が含まれている。

一番新しい Office for Mac アプリケーションである Outlook 2011 でも応分の修正がなされている。前述したセキュリティ脆弱性の他にも、このアップデートでは数多くの Outlook 関連の問題に対応している。IMAP アカウントの中で複数のメッセージを削除のため選択しているのに一つのメッセージしか削除されない問題が修正された;Sync Services Agent は新しいアップデートをインストールする時にユーザーにマニュアルで閉じることをもはや要求する事は無い;Outlook が新しいメールアカウントをインポートする時キーチェインからパスワードが消去される事も無くなった;データベースを再構築してもメーリングリストのルールが削除されることも無い;そしてユーザーが身元をインポートする時に、"Untitled" と呼ばれるカテゴリを持った身元に遭遇した場合インポートを未完成のまま止めてしまう事も無くなった。

この無料の 110.5 MB アップデートは Mac が Mac OS X 10.5.8 かそれ以降を走らせていることを必要とする。これは Microsoft から直接、或いは Microsoft AutoUpdate を走らせることで入手出来る:どの Office 2011 アプリケーションでも、Help > Check for Updates を選択すれば良い。

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二冊の電子本がネットワーキングとセキュリティを探る

  文: Michael E. Cohen <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

それは考えるまでも無いとまでは言えなくとも、それにかなり近い:殆ど誰でもが iPhone 又は iPod touch を Wi-Fi や 3G データネットワークに接続出来、数百万の満足した iOS 機器のユーザーがこれを証言出来る。しかし、あるものが容易である故に簡単であるとは必ずしも言えない。iOS ネットワーキングの表面の下には、多くの機微と機能が隠れ潜んでいて、もしそれらをきちんと理解していれば、より良いそして安全な使用が可能となる。それがまさしく我々の Take Control 電子本シリーズの中の Glenn Fleishman の最新の取り組みである "Take Control of iPhone and iPod touch Networking & Security, iOS 4 Edition" が登場する場面でもある。

この 165 頁の電子本の中で、Glenn が iOS ネットワーキングについてどう考えているのかを学び、引いては、彼の説明から、そしてその進言、鍵となるネットワーキングの話題から役立つものを引き出す事が出来る。ネットワークセキュリティはどう働くのか良く分からない?どの 3G プランを選べばよいのか良く分からない?自分の機器をテザーするって一体何のこと?Bluetooth 機器を iPod touch に接続するにはどうするの?ある晩 Gizmodo 本社近くのバーで自分の iPhone を失くしたらどうすべきか?この電子本はこれら全てのみならずもっと沢山をカバーしている (まあ、Gizmodo の件を除いては)。

June 2010 に iOS 4 が発表された瞬間から、Glenn は調査を始めこの本書いてきた、そして iOS ネットワーキングの景観に関する総合的で詳細に亘る彼の考察は今や準備完了である。これは自分の機器を既に手元に持っている人達にも、そしてこのホリデー贈物シーズンにピカピカの新しい iPhone や iPod touch を受取ろうとしている人達にもぴったりである。値段は $15 で、PDF と印刷の形で入手出来、更に PDF を購入した人には数週間の内に EPUB と Mobipocket でも提供される。

(もし "Take Control of iPhone and iPod touch Networking & Security, iOS 4 Edition" が前に聞いた事があるタイトルだなと思われたら、それは多分 Glenn が前に書いた "Take Control of iPad Networking & Security" のことだと思われるが、こちらは iOS 4.2 が iPad 用に出荷されたらマイナーなアップデートの予定である。この二冊の本は結構似ているので、iOS 5 が出たら一つのタイトルに統合するかもしれないが、それは違いの多くがそれまでにならされていればの話である。)

しかし Glenn が取組んできたのはそれだけではない:共同執筆者の Adam Engst と共に 109 頁の "Take Control of Your Wi-Fi Security" のアップデートの作業をして来た。対象は家庭や小さな企業のネットワークのためのワイヤレスセキュリティを理解し導入したいと思っている人達である。この年来のタイトルに対する前のアップデートと同様、このバージョン 1.7 はこの本をもう既に買った人達には無料のアップデートである。このアップデートでは、Apple 及び Microsoft からの最新のオペレーティングシステム、現在のセキュリティ問題、そしてお勧めの保護の仕組みに対応している。値段は $10 で、PDF と印刷の形で入手可で、EPUB と Mobipocket バージョンももうすぐ出せる。

安全にネットワークするシーズンである!

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DealBITS 割引き: Simon 3.0 が最大 50% 安くなる

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

先週の DealBITS 抽選で当選し、Simon 3.0 ($499 相当) を受け取ることになったのは、uic.edu の Nelson Ayuyao と me.com の Alan Duchan の2名だ。おめでとう! 残念ながら当選しなかった皆さんも、がっかりすることはない。Dejal ではすべての TidBITS 読者を対象に、2010 年 12 月 31 日までの期間、いろいろのレベルの Simon とその他の Dejal 製品を大幅な割引価格 (20 から 50 パーセント引き) で提供しているからだ。割引価格で購入するには、Dejal のストアから注文すればよい。今回 DealBITS 抽選に応募して下さった 290 名の皆さんに感謝したい。また今後の DealBITS 抽選もお楽しみに!

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Mac OS X 10.6.5、引き続きバグをつぶす

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Snow Leopard の最新バージョン、リリースされたばかりの Mac OS X 10.6.5 で、Apple は引き続き多くのバグの修正をしたが、それらは最近まで知られていなかったものか、あるいはあまりにもマイナーでこれまで対処するほど重要でないと考えられてきたか、いずれかに違いないと思えるものばかりだ。さらに、数多くのセキュリティの脆弱性も、今回のバージョンで対処された。

機能の拡張とバグの修正 -- 10.6.5 で機能的な面の強化と言えるのは二点だけで、一つは iDisk のファイル転送のために SSL のサポートが追加されたこと、これはセキュアな接続の必要から歓迎すべきことだ。もう一つは raw イメージの互換性がサポートされるデジタルカメラが増えたことだ。完全なリストが記事“Mac OS X v10.6:サポート可能なデジタルカメラの RAW 形式”に載っている。(また、デジタルカメラ RAW 互換性アップデート 3.4 も先週リリースされた。これはいくつかの新機種のカメラに raw イメージフォーマットの Aperture 3 や iPhoto '09 との互換性を拡張している。)

実際のところ、その他の修正点の詳細はあまりにも個別的で、どうすればグループ分けしたり要約したりできるのかさえ思い付けないほどだ。いずれにしても以下に並べる 22 項目のリストをざっと読んで、あなたが遭遇したことのある問題で 10.6.5 の対処したものがないかどうか見てみることをお勧めする。

Mac OS X Server 10.6.5 は上記の変更点をすべて含むとともに、チャットサービス、クライアント管理、ディレクトリサービス、メールサービス、Podcast サービス、サーバ管理、ソフトウェア・アップデート・サービス、システムイメージユーティリティ、PHP、Web カレンダー、Wiki サービス、Xsan などに対して数多くの修正や細かな機能拡張を施している。さらに、Apple はさまざまの Apple 製サーバ管理ツールの最新版を含む サーバ管理ツール 10.6.4 もリリースした。

セキュリティの修正 -- たいていの Mac ユーザーの目には留まらないけれど、より重要なのが、10.6.5 に組み込まれた数多くのセキュリティの修正だ。聞くところでは修正点が 50 件以上あるという。オペレーティングシステムのさまざまの分野で脆弱性が取り除かれ、関係しているのは AFP Server、AppKit、Apple Type Services、CFNetwork、Core Graphics、Core Text、Directory Services、ディスクイメージ処理、fsck_hfs アプリケーション、Image Capture、ImageIO、Image RAW、カーネル、Quick Look、QuickTime、Safari RSS、Time Machine、それに Mac OS X のプリンティングおよびネットワーキングサブシステムなどだ。

そうした Apple のコードの各部分で脆弱性が閉じられたのに加えて、バンドルされたオープンソースのソフトウェアに対するアップデートも Mac OS X 10.6.5 に盛り込まれた。主なものとしては Apache、CUPS、gzip、neon、OpenLDAP、OpenSSL、PHP、python、X11、xar がある。

特に Flash Player は注目に値する。Apple はバージョン 10.1.102.64 (現行のバージョン) を含めることで、従来出荷されていたバージョン以後 56 個の異なった脆弱性に対処したからだ。ただし、ここにはちょっとごまかしがある。Mac OS X 10.6.4 は、多くのセキュリティホールを修正した 10.1.53.64 が当時の現行バージョンであったにもかかわらず、古いバージョンの Flash Player 10.0.45.2 を搭載して出荷されたからだ。要するに、最新バージョンの Flash Player の入手に際しては Apple を頼りにしてはいけない。Flash Player はセキュリティ攻撃の非常に大きな標的となっており、Adobe からは重大な問題に対処するための新バージョンが頻繁にリリースされている。

Mac OS X Server のみに関係したセキュリティ上の変更も三つある。Password Server と Wiki Server への修正と、新バージョンの MySQL だ。

いつもと同じく、それらの脆弱性のうちどれだけが実際に悪漢たちによって攻撃に使われたのかは知る由もない。けれども一般的に言って、最新のセキュリティ修正をいつも施しておくのが良い。なぜなら、脆弱性の多くは悪意を持って作られたファイルを開くことにより引き起こされるかもしれないが、開こうとしているものが悪意あるファイルであるかどうかを前もって知る方法はないからだ。

ダウンロード -- Mac OS X のアップデートについては、通常はソフトウェア・アップデートにまかせてあなたの Mac とあなたの Mac OS X のバージョンに適用されるコードのみをダウンロードさせるのが最も手軽な方法だ。けれども Apple は独立のダウンロード用に、10.6.4 を 10.6.5 にアップデートする差分インストーラ (Snow Leopard 用Snow Leopard Server 用とも) と、10.6 から 10.6.5 までどのバージョンでもアップデートできるはるかにサイズの大きな統合インストーラ (こちらもMac OS X v10.6.5 統合アップデート、Snow Mac OS X Server v10.6.5 統合アップデートとも) を提供している。Apple は Snow Leopard Server 用のアップデートを一時的に取り下げたが、間もなく何が変わったのかを一切示さないまま新たに差し替えた。その際、Dovecot メールサーバでの問題を修正したと記したセキュリティノートも公開した。

いつもと同じく、アップデートの前には必ず最新のバックアップがあることを確認すること、いったんアップグレードが走り始めたら決してアップグレード処理を中断しないことを忘れないようにしよう。

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Whole Disk Encryption、なぜ Mac OS X 10.6.5 は PGP WDE を壊したか

  文: Rich Mogull <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

2010 年 11 月 10 日、Apple は Mac OS X 10.6.5 をリリースした。これは重要なアップデートで、多数のバグ修正やセキュリティパッチが施されている。けれども、Symantec の PGP WDE (Whole Disk Encryption) 製品のユーザーにとっては、Mac を Mac OS X 10.6.5 にアップデートするとシステムが完全にブート不能となってしまうという悲惨な結果 を招いてしまった。PGP WDE のサポートフォーラムには次々と報告が届き始め、その後すぐにわが TidBITS の編集主任である Joe Kissell もこれを確認した。彼は、勇猛果敢に実験して調べてみたのではない。ただ、自分のラップトップ機をアップグレードしようとして、彼もまたロックアウトされてしまったのだ。

PGP WDE のユーザーたちが Mac OS X のアップグレードで厄介事に直面させられたのは今回が初めてではない。この種のことが起こる理由を理解するために、まずはディスク暗号化がどんな仕組みになっているのかを少し調べてみよう。

ちなみに、もしあなたも PGP WDE で暗号化されたドライブからロックアウトされてしまっているのなら、良いニュースがある。あなたのデータは安全だ。PGP は 2010 年 11 月 12 日に復旧用のソフトウェアと説明を公表している。それから、まだ Mac OS X 10.6.5 にアップグレードしていない PGP WDE ユーザーのためには、同じページに Symantec が説明を載せて、最新バージョンの PGP WDE (10.0.2) を使って安全にアップグレードする方法を述べている。

ディスク全体の暗号化を実現する方法 -- ラップトップ機に機密データを入れている人にとっては、ディスク暗号化こそが唯一最も重要なセキュリティ管理方法だ。それがなければ、もしもそのラップトップ機をなくしたり盗まれたりした場合、ほんの少し知識のある人なら誰でも簡単にあなたのデータにアクセスできてしまう。どんなオペレーティングシステムでもパスワードの回避はそれほど難しいことではなく、その点 Mac OS X も例外ではない。

Mac ユーザーにとって選択肢の一つは Apple が内蔵している FileVault テクノロジーを使う方法だ。FileVault は、あなたのホームフォルダを暗号化する。これは非常にセキュアだが、バックアップの管理が難しくなることがある。例えば、FileVault を使っている場合、Time Machine はあなたがアカウントからログアウトした際にしかホームフォルダをバックアップできない。(ただし、Mac OS X Server の走る Mac にバックアップを保存しているという稀な場合は別だが。)また、FileVault はホームフォルダしか保護しないので、すべての人にとって十分な働きをするわけではない。

それからもう一つ、記事“わが FileVault に潜む幽霊”(2007 年 9 月 13 日) で私が指摘したように、時として FileVault は厄介な状態になることがあり、データの全部あるいは一部にアクセスできなくなる可能性さえある。(暗号化によってファイルシステムがローレベルで変更されてしまうので、たった1ビットのエラーがずっと広範囲のデータ破壊につながる恐れもある。)

もう一つの選択肢が、Whole Disk Encryption (WDE) あるいは Full Disk Encryption (FDE) と呼ばれるものだ。暗号化されたディスクイメージの中にあなたのデータを保存する FileVault とは違って、WDE 製品はあなたのドライブの内容のほとんど全部をディスクセクタのレベルで暗号化する。何もかもすべてを暗号化するので、WDE 製品は非常にパワフルであり、暗号化をそのようなローレベルですることは、あらゆるバックアップが通常通りに機能するということも意味している。

これは非常に効果的なので、大企業のコンサルタントとしてモバイルワーカーたちの仕事を保護するための助言をする際に私はいつも、すべてのポータブルシステムに WDE を配備することこそ最も重要なセキュリティ管理方法だと言うようにしている。(それと同時にスマートフォンや iPad も暗号化するようにと助言しているが、その話題はまたいつか別の記事で扱いたい。)

Symantec の PGP WDE が現在 Mac 顧客に直接販売されている WDE 製品たった二つのうち一つであることを注意しておこう。もう一つの製品は WinMagic の SecureDoc だが、私は他にあと二つほど企業ユーザー向けの製品も知っている。

WDE は Mac のファームウェアと一体となって動作するので、コンピュータをあなたがブートさせた時点では暗号化のない「ブート以前」の環境に入る。これは単なる非常にセキュアなミニ・オペレーティングシステムに過ぎず、その唯一の任務はあなたにパスワードを尋ねてから、暗号を解いてあなたが通常のオペレーティングシステムにアクセスできるようにすることだ。(WDE の動作方法についてもっと詳しい説明が、Joe Kissell が 2008 年 10 月 31 日に書いた記事“PGP Whole Disk Encryption でディスクを保護する”にある。)

だからこそ、PGP WDE を使っている人にとっては、Mac の電源を入れると PGP プロンプトが出るのだ。これはちっとも Mac OS X らしく見えない。そこにパスワードを入力すれば、ブート以前のオペレーティングシステムがそれまで保護されていた暗号鍵を復活させ、それによってシステムの残りの部分のロックが外れて Mac OS X がロードされることになる。

なぜ OS のアップデートが WDE を壊すのか -- マイナーなソフトウェアアップデートがメインのオペレーティングシステムのみに施される場合、WDE 製品にまで問題を引き起こすべきではない。通常、問題が起こるのはメジャーなアップデートの場合で、その場合にはオペレーティングシステムがファームウェアをロードしたりやり取りしたりする方法が変更されて、問題に繋がる可能性がある。ファームウェアの仕事の一つは、コンピュータのハードウェアがストレージ機器を見つけられるようにし、オペレーティングシステムのコードをロードできるようにすることだからだ。

これがまさに、私が今はもう PGP WDE を使っていない理由だ。FileVault で問題に遭遇した後、一時期私は PGP WDE に乗り換えて使っていたのだが。Mac OS X 10.6 がリリースされた時、(当時まだ Symantec に買収されていなかった) PGP はすべてのユーザーに対して、PGP WDE 製品がオペレーティングシステムと Mac のファームウェア (EFI, Extensible Firmware Interface) とに施された変更に互換でないという警告を出した。私は 10.6 についての記事を書かなければならなかったので、アップグレードする必要があった。そこで私はシステムを暗号解除し、PGP WDE を取り除いた。それとほぼ同じころ、私は格好良い新型 Mac Pro を購入したので、私のラップトップ機は予備のシステムに格下げされた。こうしてラップトップ機のバックアップを心配する必要がなくなったので、私は FileVault に切り替えて戻すことにした。(その後、PGP は Snow Leopard 互換性を提供した。2010 年 4 月 14 日の記事“PGP Whole Disk Encryption と PGP Desktop Professional 10.0”参照。)

同社の knowledgebase 記事で、Symantec はすべての開発中バージョンの Mac OS X 10.6.5 で PGP WDE をテストしたし、いずれも問題はなかったが、ただ出荷されたバージョンの Mac OS X アップデートが、PGP WDE がオペレーティングシステムをロードするために利用する boot.efi ファイルに施した変更を上書きしてしまったと述べている。その結果、ブート以前環境がロードされなくなって、パスワードの入力ができないという事態が起こった。

Joe Kissell は、暗号化していない外付けドライブにも PGP WDE をインストールしていたので、ラップトップ機をその外付けドライブで起動してから、そのバージョンの PGP を使って暗号解除して問題を解決することができた。あなたも、もしもブート可能なバックアップを作ってあるのならば同じような解決ができるだろう。専門家の多くは (Joe も) ブート可能なバックアップを作っておくことを推奨している。

Symantec による解決法は、この問題からの回復のため専用にデザインされたバージョンの PGP WDE を搭載したブート可能ディスクだ。ドライブの暗号を解除してセキュリティを取り去ってしまう代わりに、パスワードを入力すると、このディスクはドライブにアクセスして PGP WDE が再び正常に動作できるようにするために必要なファイルを修正する。

もしも Symantec の声明が正しいとすれば、これの意味するところは Apple が開発者たちに変更点を評価してそれぞれの製品をアップデートする機会を与えないままにリリース版のアップデートの時点で変更を施したのだということになる。Apple は過去にもこれをしたことがあるが、これはさまざまの苛立たしいソフトウェアの問題に結び付く可能性がある。何百何千というシステムと、多くの場合カスタムソフトウェアもサポートしなければならない企業ユーザーから寄せられる批判にも、しばしば登場する問題だ。仮にこのアップデートが開発者用プレリリース版に含まれていたとすれば、その場合は Symantec に責任があることになる。いずれにしても、これは回避が可能な問題だ。

あなたもディスクを暗号化すべきか? -- やはり私は、ラップトップ機をなくしてその中の情報があらわになってしまうのが心配な人すべてに、暗号化を強く勧めたい。ディスク全体を暗号化する製品は最高のセキュリティとバックアップの手軽さとを提供してくれるが、このソフトウェアが Apple から提供されているのでない以上、アップグレードの際に問題が起きる可能性が増えるのは事実だ。盗難が心配な場合は、デスクトップ機も暗号化した方が良いかもしれない。

FileVault もまた非常にセキュアであって、もしもその欠点を受け入れるためにバックアップ戦略を変更してもかまわないのならば、こちらには無料であって Apple が完全にサポートしているという利点がある。また、システムを他のユーザーと共有している場合にはあなた自身のファイルのみを暗号化できる利点もある。

いずれにしても、常に新しいバックアップを持っておくことは絶対的に必須だ。そして、重要なデータ(特に、写真のような感情に訴える項目)については別途に良いバックアップを持って、たとえ暗号化が壊れてしまってもいつでもアクセスできるようにしておくことを勧めたい。良い選択肢の一つは、 CrashPlan などのバックアップサービスを使うことだ。これならばデータを遠隔ドライブに、あるいは遠く離れた場所にバックアップしておくことができ、それを全く違った方法で暗号化しておくこともできる。(CrashPlan について詳しくは、2007 年 2 月 26 日の“CrashPlan: バックアップ再考”と、2008 年 12 月 15 日の“CrashPlan にディスクへ直接のバックアップ加わる”を参照。)

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ゾンビとなった Input Manager の来襲

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ハロウィーンはもはや先月のこととなったので、これで一年間はゾンビの顔など見なくて済む、とお思いだろうか? いや、そうとは言えないかもしれない。もしもあなたが私のようなら、あなたの Mac にもひょっとしたらたくさんのゾンビが隠れていて、あなたの 32-bit プログラムの脳髄を食い散らかしているのかもしれない。

私の Mac にゾンビがはびこっている兆候に最初に気付いたのは、BBEdit 9.6 をインストールしてから間もなくのことだった。(2010 年 10 月 26 日の記事“BBEdit 9.6 リリースされるも、まだまだショボくない”参照。)まだ数時間も経っていないというのに、BBEdit が二度もクラッシュしたのだ! 感嘆符まで付けて言ったのには理由がある。BBEdit はこれまでほとんど一度もクラッシュしたことがなかった。そして、Mailplane とウェブブラウザを除けば、BBEdit こそ私の Mac で最も使われているプログラムだ。幸いにも、私は Bare Bones の Rich Siegel をよく知っているので、BBEdit がクラッシュ報告を送ってから数時間も経たないうちに、彼が iChat で私を呼び出してくれた。でも、彼にはそれ以上トラブルシューティングを進める気はなかった。なぜなら、私が input manager ハックを走らせていることがクラッシュログに現われていたからで、Rich は input manager ハックを全身全霊で憎んでいたのだった。その憎しみは、それらのハックが彼の製品にさんざんクラッシュを引き起こしてきたことによるものだった。

(ちなみに、特定のクラッシュに何らかの input manager が関係しているかどうかを確かめるには、クラッシュログ(通常 ~/Library/Logs/CrashReporter に保存されている)を Console に開いて、"InputManagers" を検索してみればよい。もしもヒットすれば、クラッシュ時にそのアプリケーションの中に何らかの input manager がロードされていたことの証拠となる。)

私は、input manager を取り除いてから再起動し、クラッシュが再現するかどうか確かめてみると彼に約束した。そして実際、その後の BBEdit はびくともしないでいる。でも、それで私は考え込んでしまった。この input manager という奴は、Mac OS X 10.6 Snow Leopard で廃止されてしまったのではなかったか? Snow Leopard が登場した際にこのことが大きな話題となったのははっきり覚えていたが、細かいことは私の記憶の中でぼんやりしてしまっていた。

いったいどうなっているのか確かめようと、私は Matt Neuburg に電話をかけた。Snow Leopard がリリースされるよりもずっと以前から、彼が Rich と同じくらい input manager が大嫌いだったことを私は知っていた。Matt は TidBITS に“Input Manager は悪魔の業か?”(2006 年 2 月 20 日) という記事も書いていた。Matt も、最初は私と同じように Snow Leopard で input manager が廃止されたという基本的印象以上の細かいことは思い出せなかったが、ほんの数分で、私たちは実際の話を見つけ出した。

実際のところ、Snow Leopard は input manager を廃止したのではなく、単にそれらが動作できる条件を厳しくしただけだった。 最も関係ある変更点は二つで、Snow Leopard では /Library/InputManagers に置かれた input manager のみが動作できることと、32-bit アプリケーションでしか動作しないことだった。(その他にも、ファイルのアクセス権やプロセスの権利に関する変更点があった。)これらの変更が実際に意味するところは、Snow Leopard 下の input manager が Finder や Safari のような 64-bit アプリケーションでは動作しないということだった。(従来、input manager をベースにしたハックの主要なターゲットは Finder と Safari だった。)また、~/Library/InputManagers にインストールされた input manager は一切ロードされなくなった。

けれども、私がよく使うプログラムの多く、例えば BBEdit、Mailplane、Firefox、Google Chrome、iTunes、Panorama、Fetch、Things、TweetDeck、NoteBook、LaunchBar、iPhoto などはまだ 32-bit アプリケーションだ。これはおそらく、そうしたプログラムをわざわざ 64-bit 対応にコーディングし直してもそれに見合う利益が得られないからだろう。さらに悪いことに、私が自分の /Library/InputManagers を見てみたところ、そこには 4 個の input manager があった。(さらにもう一つ、Smart Crash Reportsというのが Snow Leopard では無効となる ~/Library/InputManagers フォルダの中にあった。Unsanity によれば Smart Crash Reports はいずれにしても Snow Leopard 互換でないという。)

要するに、これら 4 個の input manager が、私の Mac 上ですべての 32-bit アプリケーションの実行コードの中に今でも挿入され続けていたのだった。その昔にはこれらの input manager も役に立つ仕事を実行してくれていたという事実は事実として、これら 4 つとも現在ではもはや時代遅れで、役に立つことは何もしていない。つまりこれらはゾンビであって、私の Mac のメモリの中をうろつき歩いては、私のアプリケーションの脳髄を食らっていたのだ。きっと読者の皆さんの中にも、ご自分の Mac の中にこうしたゾンビの input manager を持っている人たちが多くいるのではないだろうか。

Apple は、いったいどうして Snow Leopard のインストーラがデフォルトで input manager を無効にするようにしなかったのかと不審に思われる方もあるかもしれない。(例えば非互換なカーネル機能拡張についてはそのようになっている。)私もそう思った。私が思い付いた説明は、Apple が input manager のロードに課す制限を厳しくしたことで、十分に問題の発生の可能性を減らせたと判断し、それ以上インストーラによる介入の必要を感じなかったのではないかというものだ。それに、Snow Leopard 下でも 32-bit アプリケーションで引き続き動作する input manager は確かに存在するのだから、Apple としては機能しているソフトウェアを無効化するのは適切でないと判断したのかもしれない。

幸いにも、これらのゾンビの input manager を削除するのは簡単だ。ただ単に、/Library/InputManagers (トップレベルにある Library フォルダの中にある InputManagers フォルダ) を開いて、その中にあるものすべてをゴミ箱に移す。(あるいはすぐに削除するのが気がすすまなければとりあえずデスクトップに移しておくだけでもよい。)もしも要求されれば管理者パスワードを入力する。それから、Mac を再起動する。そのフォルダの中に input manager がなければ、起動時にロードされない。(また、~/Library/InputManagers つまりあなたのホームフォルダの Library フォルダの中にある方の中に input manager があればそれも削除してよいが、これはただ掃除目的だけのためだ。その内容は Snow Leopard ではもともとロードされないから。)

新しい時代のソフトウェアが Snow Leopard の下で input manager をインストールするとは考えにくいが、インストールされるのを予防する方法もそれほど難しくない。その方法を実行したいのなら、Bill Bumgarner による説明を読むとよい。

古くて使われていない input manager を削除することであなたの Mac が以前より安定して動くようになると確約することはできないが、いずれにしても削除して悪いことはない。それに、ちょっと興味があるのだが、こうしたゾンビたちは、Mac の世界にどの程度はびこっているのだろうか? もしもあなたが上記のものたち以外に古い input manager をロードしておられたなら、どうぞこの記事へのコメントとしてお知らせ願いたい。

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Apple Battery Charger とニッケル水素充電池の秘密

  文: Michael E. Cohen <[email protected]>
  訳: 柳下 知昭 <tyagishi@gmail.com>

完璧なタイミングだった:私の電話が鳴ったのは、iMac のスクリーン上に、初めて、Magic Mouse の low power 警告を見た時だった。電話は、兄の Dennis からで、誕生日に欲しい物は何かという質問だった。バッテリーの警告と、(もしそうだとしても!)リサイクル箱に入れる前の使い切った電池を入れておく皿が一杯になっていることを思い出しながら、"Apple Battery Charger はどう?" 私は即答した。そのちょうど 2 日後、私のマウスのアルカリ電池を完全に使い切ってしまう前に玄関前に小さな荷物を見つけた。小さな荷物から取り出した Charger は、もっと小さかった。

箱から出して、薄い段ボール箱から取り出した Apple Battery Charger は、アップルの他の製品と同様に、白く、必要最小限だった。そして、それは、アップルの他の製品と同様に、高価だ。しかし、それは、価値が感じられるような良いデザインでもあった。

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しかし、これに価値は、あるのだろうか? 答えは、あなたの期待によるだろう。

非常に簡単に使うことができる:ただ、6 本の単 3 ニッケル水素充電池のうちの1 本か 2 本をセットして、コンセントにセットすれば良い。充電中は、充電器のプラグの側にある小さい穴のライトが黄色に点灯する。充電終了時は、緑色に点灯し、6 時間後には消える。

便利である:バッテリーを充電していない時には、30mW しか消費しないので、常にコンセントにセットしていても、電気代が増えることはないであろう。2 つのバッテリーを満タンまで再充電するには、5時間かかる。

しかし、私が本当に知りたいこと(そして、私が確信しているあなたの知りたいことは)充電池がどれくらい持つかということだ。

最初に、私の Magic Mouse に新しく充電された私の最初のニッケル水素充電池をセットした時に何が起きたかを見てみよう:iMac は、マウスの電池が容量の 91% であることをレポートした。再確認するために、別のニッケル水素充電池に取り替えてみたところ、86% と検知された。前途有望のサインではなかった。

さて、完全に使い切ってしまった電池をのせている私の皿を覚えているだろうか?私は怠け者で、Magic Mouse を手に入れるまでは、電池をリサイクルしたことはなかったので、私は比較するための基準を持っていることになる。マウスは、2009 年の 11 月中旬に手に入れ、今月初めに、Apple Charger を手に入れるまでに使い切ってしまった 8 個の電池が皿にのっている。この使い切ってしまった電池に、取り外した電池も追加したので、いまでは、皿の上には、 10 個の電池がのっている。このことから、私の使ってきたアルカリ電池は、2 個セットでそれぞれ 2 ヶ月以上使えたことがわかる。

ちなみに、マウスを 2 日間使用したところ(正直なところ非常に酷使した)、アップルのニッケル水素充電池は、満充電の 86% から始まって、62% まで減っていった。このことから、充電されたニッケル水素充電池が、2 ヶ月持つようには思えなかった。ここで見た減少率が続くとすると1 週間か 2 週間といったところと思われた。

しかし、減少率が一定でない事が分かった。ニッケル水素充電池は、使い捨ての電池の減り方と同じ減り方ではない:一旦、アップルの充電池の容量が 60% 程度になると減少率が劇的に減る。私の充電池は、たった 2 日間で 86% から 60% に減少してしまったが、62% から 56% まで減少するには、4 日間もかかったし、56% から 54% まで減少するには、まるまる 1 週間 かかった。

ニッケル水素充電池の最初の減少の理由は、もちろん、非常に簡単である。典型的なアルカリ単 3 電池は満タンであれば、1.5V あり、 2500mAh の容量を持っている。これと比較して、アップルの充電器と同梱される自己放電率の低いニッケル水素充電池は、満充電時に、1.2V であり、1900mAh の容量である。この違いによって、満充電した充電池が iMac 上では、86% と検知されて驚かされたのである。(アップルの充電器は、アップルから提供されるバッテリーとは異なる容量を持つような他の単 3 型ニッケル水素充電池にも使えることに留意して欲しい)

ニッケル水素充電池の減少カーブは、最初の物と同じくらい、電池利用の最後でも急激な変化が起こる。: 最初の急激な低下のあと、ゆっくりとした減少が 3 週間くらい続き、その後に、急激な低下が起こる。iMac が、20% の容量警告を表示したほんの数時間後に、私のマウスがiMac との接続が継続できなくなるくら充電池は減ってしまった。結局、私の Magic Mouse の中のニッケル水素充電池は、おおよそ 3.5 週間くらいもった。

たとえ、アップルの充電池が、充電毎に、使い捨て電池と同じ位もたなかったとしても、私は、まったくがっかりしない。アップルの自己放電率の低いニッケル水素充電池は、使用していないときには、容量を保つように設計されていて、1 年間保存しておいても、20% しか減らない。つまり、充電池を、5 時間かけて充電しておき、引き出しに入れっぱなしにしておけば、Magic Mouse からの警告が表示されたときはいつでも充電された充電池と取り替えることができ、午後にでも空になってしまった充電池を充電できる、その後に、必要になるまでまた引き出しに入れておくことができるということになる。使い捨て電池よりもかなり早く減ってしまうことがわかったとしても、数ヶ月毎に使い捨て電池の6本パックを買って、空になったバッテリーのリサイクル場所をさがすか、(この件の中での、私の特に残念な記録であるが)もっと悪い場合には、真夜中にこっそりとゴミ箱に捨てるよりも、より頻繁に交換して充電という作業を選択したい。

しかし、あなたはがっかりしただろうか? 私にはわからない。もしあなたが、使い捨て電池のもっと高い初期容量やその他性能特徴が必要であるならば、そちらを選んだ方が良いだろう。そうでなければ、アップルの Battery Charger とその充電池は、リーズナブルな投資であろう。

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Hand-e-holder で iPad を手のひらに

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple が iPad で実現した工業デザインに私は感銘を受けているものの、この iPad の背面には初代の iPhone と同じようなポリカーボネイト製のプラスチックを使って欲しかったと思うことが時々ある。アルミニウム製の背面はちょっとツルツルし過ぎていて、持っていて手から滑り落ちるのではないかと心配になることがある。それに、私自身にはまだ起こっていないが、非常に長い時間 iPad を持ち続けているのも手が疲れる気がする。

そういった懸念こそ、Hand-e-holder が発明された際の推進力となった。これは巧妙に出来ていて、基本的に iPad が手のひらで持てるようになる。ちょうど、Michael Jordan がバスケットボールを手のひらで操るような具合だが、落としてしまう心配は事実上無用だ。けれども、この発明の源泉となったのはバスケットボールでなく、陸上競技だった。 を開発したのは、長距離走でのコンピュータ計時の開拓者となった Burns Computer Services (BCS) 社だ。BCS 創設者の Mike Burns に私を紹介してくれた共通の友人たちは、ちょうど BCS のためにiResults と呼ばれる iPad アプリを書き上げていて、私が iPad にもランニングにも興味を持っていることを知っていた。

BCS が iResults に課した目標は、大規模なランニングイベント(何万人もの人たちが参加するような大きなレース)の主催者がボランティアたちに iPad を持たせ(それぞれ結果サーバにワイヤレスでリンクさせて)出場した人たちにゴールしたタイム、順位、スプリットタイムなどをレース終了後直ちに知らせることができるようにするというものだった。友人や家族を待ち構えている人たちにも、iResults はランナーたちがさまざまのチェックポイントを通過するに従って彼らの状況を示すことができた。けれども、と Mike Burns はここで私に強調した。すぐに大きな問題が一つ浮かび上がった。ボランティアの誰かがいずれ何かの拍子で iPad を取り落としてしまうことは避けられなかった。iPad 一台で $499 もするので、手が滑った代償としては大き過ぎた。

そこで生まれたのが Hand-e-holder だ。これはどんな iPad ユーザーの役にも立つが、特に有益だと思われるのが医療関係者、宅配業者、メカニック、料理人、その他 iPad をしっかりと支えて表示させる必要のある人たちだ。そうは言っても、この Hand-e-holder は別に iPad だけに使えるわけではない。これは Kindle DX にも、クリップボードにも、あるいはバスケットボールのコーチが戦術を図に描いて示すのに使うホワイトボードにも使える。

手に向かって話す -- この Hand-e-holder は、二つの部分から成っている。一つは粘着性 3M Dual Lock ファスナーをリング形にしたもので、iPad 背面の Apple ロゴをほぼ完璧に囲むように貼り付ける。もう一つが、二枚の硬質プラスチックのプレートを組み合わせてそれにネオプレン(合成ゴム)製のストラップを取り付けた Hand-e-holder 本体だ。使うには、まず Dual Lock のリングを iPad の背面に貼り付けてから、Hand-e-holder 本体で Dual Lock に覆われている方のプラスチックプレートと、ファスナー同士貼り合わせる。本体の二枚のプラスチックプレートは互いに離れないよう装着されているが、自由に回転させられる。またネオプレンのストラップは輪状になっていて、サイズを調節して手の甲の部分でしっかりと合わせて手に巻き付くようになっている。(将来もしも粘着リングを取り外したいと思えば、iPad を傷付けることなく剥がすことができると Mike Burns は確約してくれた。)

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最近、Oneonta の Mac ユーザーグループで私は Hand-e-holder をデモ実演する機会があったが、私がラップトップバッグにすっと手を突っ込んで、バッグの中で Hand-e-holder のストラップに手を通し、そのままバッグから iPad を取り出して縁を持たずに高く掲げてみせた時、集まった人たちが一斉に息を飲む音が聞こえた。それから私がまるでバスケットボールを手のひらで扱うように片手でくるくる回してみせた時、もう一度息を飲む音が聞こえた。もしも Hand-e-holder が iPad を私の手にしっかりと固定してくれていなかったら、iPad はあっという間に床に落ちて時ならぬ死を迎えていたことだろう。

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では、この Hand-e-holder を iPad にくっつけている Dual Lock のグリップ力がいずれ弱まる心配はどうなのだろうか? 私の知る限り、その心配はないようだ。それに、正直言って、私は全然心配していない。3M 製の Dual Lock ファスナーにはきのこ状のステムが何百も突出して、互いにかみ合っている。Velcro (マジックテープ) よりもはるかに強い接合力だ。聞いた話では、Dual Lock の接合面を上下方向に真っ直ぐ引っ張って引き剥がすには 170 ポンド (77 kg) の圧力が必要だとのことで、それだけの圧力を加えれば Dual Lock が剥がれる前に iPad 本体にダメージが起きるだろう。Mike Burns と彼の仲間たちがどれだけ Hand-e-holder とその Dual Lock ファスナーに信頼を置いているかを示すビデオによるデモ映像がある。Hand-e-holder で手に装着した iPad をラケット代わりに、ピンポンをしている映像だ。

けれども実際、Dual Lock は取り外し可能なファスナーだ。その秘密は、剪断強度(つまり iPad の背面に平行な向きに加えて剥がす力)がたった 8 ポンド (3.6 kg) だという点だ。このため、ケースに入れるなどの目的で iPad の背面の Dual Lock リングから Hand-e-holder 本体を取り外そうと思えばいつでも簡単にできる。下側の円板の縁を指先で掴んで、引き剥がすように持ち上げれば取り外せる。

実のところ、Hand-e-holder を使い始める際に一番難しいのは、二つの Dual Lock ピースを互いに貼り合わせるところだ。必要と思えるよりもうちょっとだけ強く、下向きに押し付ける必要がある。まず一つの縁を合わせて下向きに押し付け、それから反対側の縁も押し下げれば完了だ。Dual Lock のきのこ状のステムが互いにかみ合う際にカチッという音がするので分かる。

あなたに手渡さなけりゃ -- ここのところ私は常時 Hand-e-holder を自分の iPad に付けたままにしている。ほとんど例外なしに、ネオプレンのストラップに手を通す方が iPad の縁を持つより簡単だからだ。(もちろんただ数秒間持つだけならば Hand-e-holder を付けたまま縁を持つこともできる。)付いているのは iPad の背面の中央部分なので、iPad を iPad Keyboard Dock にドックさせても一切邪魔にならない。ぴったりフィットするケース、例えば Apple iPad Case のようなものを持っている人は、ケースに丸い切り込みを入れて Hand-e-holder の Dual Lock リングが外から見えるようにして使うこともできる。説明はビデオを参照

けれども、私が Hand-e-holder を常時付けっぱなしにしている本当の理由は、この会社がさまざまな種類のスタンドを作っていて、それぞれがアクリル製の Adapter Plate を装備し、プレート両側にある切り込みが Hand-e-holder の第二のプラスチックプレートを完璧に支えられるような幅になっているからだ。この Adapter Plate の切り込みに Hand-e-holder を滑り込ませれば、iPad がスタンドでしっかりと支えられる。上部の両側にはそれぞれ穴があいていて、そこに保持用のピンを差し込めば、スタンドが万一倒れたりひっくり返ったりしても iPad が Adapter Plate の上から滑り落ちるのを防げる。

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Adapter Plate だけを単体で購入することもできる。ネジ穴が2個付いているので、壁に固定しておくこともできる。こうすれば iPad を額縁モードのディスプレイにしたり、あるいはキッチンで目の高さにマウントして使ったりすることもできる。

でも、Adapter Plate のより一般的な用途はスタンドに取り付けて使う方法だ。Hand-e-holder は現在基本的なスタンドを三種類の異なったデザインで提供している。ティアドロップ形の台の付いたもの、Apple Wireless Keyboard を置ける溝のある長方形の台の付いたもの、それと一体成形のアクリル製スタンドだ。けれどももっと興味深いのは特殊マウントタイプのデザインだ。滑り止めの脚の付いた三脚タイプ、1.5 インチと 2.5 インチの万力留めタイプ、それからバネ留め具タイプのものがある。さらに、航空機のパイロットで膝の上に地図やフライトプランを広げるのに慣れている人たちのために、航空用アプリを搭載した iPad を太腿に巻いたストラップで固定しておける Leg Strap Kit もある。(下のスクリーンショットには三脚タイプとバネ留めタイプのスタンドが写っているが、右側に宙に浮いているように見える私の iPad は万力留めタイプのスタンドでデスクに固定されている。)

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どのタイプのスタンドやマウントにも調整用のつまみがあって、iPad の角度や向きを幅広く調節できる。さらに、Hand-e-holder を作っている人たちは特別の用途の要望をいつも歓迎している。例えば、カンファレンスの会場で研究結果のディスプレイとして iPad を使いたいという大学教授のために長く真っ直ぐなアームを持つ万力留めタイプのマウントを作ったこともある。セキュリティが気になる人たちのためには、Dual Lock ファスナーの代わりに取り外しのできない標準の接着を使い、ネジ留めのマウントと、Adapter Plate の上部の穴に嵌まる錠前まで備えたバージョンを作ったこともある。

Hand-e-holder のみの価格は $39.99、Adapter Plate のみの価格は $19.99 で、さまざまの種類のスタンドやマウントは $39.99 から $49.99 までだ。追加の Dual Lock リングが $6 で買えるので、一つの Hand-e-holder を複数の iPad で、あるいはその他の機器とも共用して使うこともできる。

値段がちょっと高いように感じられるのは確かだが、Mike Burns の言葉によれば中国に製造委託をするのは断固拒否する、なぜなら故郷であるミシガン州に仕事を必要としている人たちがこんなにも大勢いるのだから、とのことだ。まあ、その点に目をつぶれば、Hand-e-holder に批判すべき点はあまり見当たらないと思う。スタンドの中には、非常に機能的ではあるものの、デザインのエレガントさの面で私が他で見たことのあるスタンドに及ばないと感じられるものもある。それから、保持用のピンは、個々のスタンドやマウントで使う Adapter Plate とは別々の部品になっているので、穴に紐を通してマウントに結び付けておくか何かしない限りすぐにどこかへ行ってしまいかねない。それからもう一つ、Hand-e-holder と互換でないケースも他にいくつかあるだろう。

けれども結局のところ、この Hand-e-holder は多くの iPad ユーザーたちが遭遇するであろう一つの問題に素敵な方法で応えるものとなっていて、iPad や、あるいは似たような形のものを、もっと持ちやすくしたいと願う人ならばぜひ考慮してみる価値のあるものだと思う。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2010 年 11 月 15 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iTunes 10.1 -- 初めての紅葉が秋の訪れを告げるかのように、iTunes 10.1 の登場は iOS 4.2 の到来が目前に迫ったことを知らせる。実際、 リリースノートには今回リリースされた iTunes 10.1 が「iOS 4.2 を搭載の iPhone、iPad、または iPod touch と同期できる」と書かれている。また、AirPlay 機能もこのバージョンで追加された。これで iTunes から新型 Apple TV にワイヤレスでビデオをストリームできる。さらに、このバージョンではユーザーが新しい iTunes サイドバーで Ping を無効にできるようになり、ライセンス条項が変更されて Ping を使用する際に Apple がユーザーから受け取る情報の種類が指定できるようになった。それからもちろん、iTunes 10.1 にはいつも通りに「重要な安定性とパフォーマンスの改善」と、セキュリティの修正も盛り込まれている。このアップデートはソフトウェア・アップデートから、また Apple からの直接ダウンロードでも入手できる。(無料、90.63 MB)

iTunes 10.1 へのコメントリンク:

BBEdit 9.6.1 -- BBEdit 9.6 がリリースされてから(2010 年 10 月 26 日の記事“BBEdit 9.6 リリースされるも、まだまだショボくない”参照)まだ間もないが、Bare Bones Software はこの旗艦テキストエディタにマイナーなアップデートを出した。BBEdit 9.6.1 のリリースノートには追加機能一件と変更点が二件、それに多数のバグ修正がリストされている。追加された機能はコマンドラインで設定できる上級者用環境設定で、Show Invisibles が有効となっている場合にディスクブラウザやプロジェクトの中で SCM 管理用ファイルが表示されるようにするものだ。二つの変更点は、FTP/SFTP キャッシュファイルの置かれる場所が変わったことと、マルチファイル検索の結果をファイルによる階層表示でなく平らなリストで表示するという上級者用環境設定だ。バグ修正は数十件あり、BBEdit が URL を解釈しようとした際にその URL が書類の末尾にあった場合最後の文字が落ちてしまうバグ(これは Adam Engst が最初に報告したバグだ)や、BBEdit が時代遅れの言語モジュールを無視せずにロードしようと試みてしまった際に起こったクラッシュなども修正された。(新規購入 $129、無料アップデート、15.8 MB)

BBEdit 9.6.1 へのコメントリンク:

Security Update 2010-007 (Leopard 用と Leopard Server 用) -- リリースされたばかりの Mac OS X 10.6.5 には数多くのセキュリティの修正が含まれているが、その中には Mac OS X 10.5.8 Leopard や Leopard Server にも関係するものが少なくない。そこで、Leopard ユーザーたちのために、Apple は セキュリティアップデート 2010-007 (Leopard)セキュリティアップデート 2010-007 (Leopard サーバシステム用) をリリースして、このオペレーティングシステムのあちこちに存在していた 32 個の脆弱性に対処した。詳細は Apple のウェブサイトで読める。

特に Flash Player は注目に値する。Apple が今回含めたバージョンである 10.1.102.64 は、従来出荷されていたバージョン以後 56 個の異なった脆弱性に対処している。ただし、ここにはちょっとごまかしがある。Mac OS X 10.6.4 は、数多くのセキュリティホールを修正した 10.1.53.64 が現行バージョンであったにもかかわらず、古いバージョンの Flash Player 10.0.45.2 を搭載して出荷されたからだ。要するに、最新バージョンの Flash Player の入手に際しては Apple を頼りにしてはいけない。Flash Player はセキュリティ攻撃の非常に大きな標的となっており、Adobe からは重大な問題に対処するための新バージョンが頻繁にリリースされている。

Mac OS X Server 10.5.8 のみに関係したセキュリティ上の変更点も四つある。Password Server と Wiki Server への修正と、新バージョンの MySQL および PHP が含まれている。

Security Update 2010-007 はソフトウェア・アップデートでダウンロードするのが最も手軽だが、独立のインストーラを上記のリンクから入手することも可能だ。(無料、Mac OS X 10.5 Leopard 用は 240.74 MB、Leopard Server 用は 448.10 MB)

Security Update 2010-007 (Leopard 用と Leopard Server 用) へのコメントリンク:

1Password 3.5.0 -- Google Chrome ユーザーに嬉しいニュースだ! Agile Web Solutions のウェブ用パスワードマネージャ、1Password がバージョン 3.5.0 にアップデートされた。今回のバージョンでのビッグニュースはウェブブラウザ Google Chrome 用の「素晴らしい新機能拡張」で、これは Mac ユーザーのみが使え、1Password の Safari および Firefox 用機能拡張と同等の機能を Google Chrome にもたらすものだ。また、サイドバーに Dropbox 同期状況表示を入れたことも今回の新機能だ。その他の変更点としては、添付アイコンファイルの保存で使用するディスク容量が減ったこと、項目の編集で使い勝手が改善されたことなどがある。 リリースノートには全部で 34 件の変更がリストされている。1Password は Mac OS X 10.5.8 かそれ以降を要する。(新規購入 $39.95、無料アップデート、19.1 MB)

1Password 3.5.0 へのコメントリンク:

Coda 1.7 -- Panic, Inc. のコード編集および転送用アプリケーション Coda が、バージョン 1.7 にアップデートされた。このバージョンでの新機能としては、最新の HTML5 タグ用のコード補完、Perl および CSS 用のシンタックスチェック改善、キーボードショートカットの追加などがある。 リリースノートにこの最新版での変更点が箇条書きされている。(新規購入 $99、無料アップデート、20 MB)

Coda 1.7 へのコメントリンク:

HP Printer Drivers v.2.5.2 -- Apple が Hewlett-Packard プリンタ用の改訂されたプリンタドライバをリリースした。このドライバパッケージは何百もの機種の HP プリンタをサポートしており、Mac OS X 10.6.1 かそれ以降を要する。このアップデートはソフトウェア・アップデートから、あるいは直接 Apple からも入手できる。アップデートされた knowledgebase 記事で、サポートされるプリンタの完全なリストが読める。(無料、448.7 MB)

HP Printer Drivers v.2.5.2 へのコメントリンク:

Carbon Copy Cloner 3.3.6 -- Bombich Software から出ている人気のバックアップユーティリティ Carbon Copy Cloner がバージョン 3.3.6 にアップデートされた。この最新版では、ダメージを受けたメディアの処理が改善されて、読み込みのエラーの際にも以前より素早くエラーダイアログが出てユーザーが後処理をどうするか選べるようになった。その他の使い勝手の改良としては、タスクのスケジュール設定でスケジュールされたバックアップタスクを自動的に開始する代わりに開始してよいか毎回ユーザーに尋ねるよう設定できるオプションが加わったこと、バックアップ用コピー工程の検証段階でユーザーが作業を止めようとした際に確認メッセージが出るようになったことなどがある。バージョン 3.3.6 では 3.3.5 で導入されてしまったバグを一つ修正した。リリースノートにすべての変更点や追加機能、修正点などがリストされている。(無料、4.3 MB)

Carbon Copy Cloner 3.3.6 へのコメントリンク:

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ExtraBITS、2010 年 11 月 15 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週は価値あるリンクを二つだけ紹介しよう。Apple と Oracle が協力して Java が Mac OS X で今後も利用できるようにしたというニュースと、繰り返し出るよう設定されたアラームに関するバグが iOS 4.1 に存在することを Apple が認めたというニュースだ。

Oracle と Apple、OpenJDK Project for Mac OS X を発表 -- Mac OS X で Java を「重視しない」という Apple の発表を聞いて、Mac OS X の上ではもはや Java の日々は終わったのかと恐れていた人たちは、Oracle と Apple が OpenJDK Project を作ろうとしているというニュースに元気づけられるだろう。Apple のプレスリリースはこう述べている:「Java SE 6 は Mac OS X Snow Leopard 用および次期リリースの Mac OS X Lion 用に今後も Apple が提供することを確認しました。Mac OS X 用の Java SE 7 と将来のバージョンの Java は、Oracle が提供することになります。」

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夏時間からの移行後に iOS Clock アプリのアラームをリセット -- iOS 4.1 にはバグがあって、夏時間と冬時間の移行の前後しばらくの間は Clock アプリの中で繰り返し出るよう設定されたアラームが一時間遅れて出るようになる。Apple によれば次期リリースの iOS 4.2 ではこのバグが修正されるとのことだが、当面の間は次のようにすればアラームが正される: まず繰り返し周期ですべての日を非選択にし、その状態を保存し、それからあなたの希望通りの日数にアラームの周期を設定し直せばよい。

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