TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1077/16-May-2011

先週の大ニュースは Microsoft が 85 億ドルで Skype を買収したことだった。私たちの切なる願いは、その結果としてこのインターネット電話プログラムの Mac 版により良いインターフェイスがもたらされて欲しいということだけだ。その他のニュースとしては、オンラインのパスワードサービス LastPass がセキュリティ保護違反となる可能性のある状況が起こっていたことを認め、数多くの小規模な iOS 開発者たちが Lodsys という会社から特許侵害を主張する警告状を受け取った。Adam が以上すべてを詳しく解説する。それから、新しい TidBITS スポンサーとして Dolly Drive 社を歓迎するとともに、最新刊の電子ブック "Take Control of Scrivener 2" の出版をお知らせする。これは受賞に輝いた Literature & Latte のライター向けツールの解説本だ。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Sandvox 2.0、iPhoto 9.1.3、Corel Painter 12、Mactracker 6.0.1、Snapz Pro X 2.3.0、Acorn 3.0.1 だ。

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Microsoft、Skype を $8.5 Billion で買収

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Microsoft のデザイナーが CEO Steve Ballmer に対して Mac 上での Skype 5 のための新しいインタ^フェースが素晴らしいと話をした後で固まった話の中で (冗談!)、 Microsoft はインターネット電話の会社 Skype を $8.5 billion の現金で買収することで合意した。この買収は Microsoft にとっても最大となるもので、これまで同社は 2007年に aQuantive に対して約 $6 billion を支払ったことがあるが、おおよそ $50 billion と言われる SAP (2004年) と Yahoo (2008年) の話は両方とも失敗に終わっている。

Skype はこれまでに結構波乱に富んだ過去を持っている。2003年に創業、2005年には eBay によって $2.6 billion で買収されたが、この時の思惑は eBay の買い手も売り手もオークションに関して Skype を使って話をしてくれるのではなかろうかというものであった。これは狂気であった - そもそも eBay の意義は相手方と話をしないで済むというものである - そして eBay は株式の 70% を 2009年に投資家集団に売却した。Skype は 2010年には上場を考えていたが、新しい CEO を雇った後この上場計画を棚上げにした。上場すれば約 $1 billion を調達出来ると期待されていたが、Facebook, Google, そして Cisco, 等々からの買収話が出てきたことから Skype の経営陣は代わりに買収に応じれば $5 から $6 billion を手にすることが出来ると考えるようになった。

と言うことで Microsoft からの $8.5 billion というのは棚ぼたであり、Skype が純利益という観点から見るとこれまで殆ど稼いでこないで、昨年は $7 million の損失を計上したことを考えればとりわけそうだと言える。Skype の売上の殆どは電話番号への長距離通話のために料金を支払う人からのものである、何故ならば Skype から Skype への通話は無料だからである。それにもかかわらず、Skype は毎月 170 百万人のユーザーを誇り、そして Skype のユーザーは 2010年には音声とビデオを合わせて 20 億分(ふん)の通話を行った。

Microsoft は Skype を、Xbox や Kinect の様な機器に、広範囲の機器上で走る Windows Phone に、そして色々なその他の Microsoft 製品や構想に統合する計画である。Mac や iOS の (多くのその他も含めて) Skype クライアントの将来を心配するのは理解できるが、Microsoft は、非 Microsoft プラットフォームに対する Skype クライアントにも引き続き投入を続けるしサポートも行うと言っている。もし Microsoft が本当に我々を愛してくれているなら、友好の印として最初に Skype 5 インターフェースを捨ててくれるであろう。

この買収は多くの視点から見ても意味を成す、何故ならば Skype はこれまで持続できるビジネスモデルを考え出せていないし、そして Skype の主要資産 - その音声とビデオ通話のための業界一の技術 - はそれを数多くの製品やサービスに生かすことのできる大企業の技術ポートフォリオに良く適合する。ただこの合意は Microsoft が携帯キャリアとの交渉事に問題を引き起こす可能性も持っている、何故ならば voice-over-IP は彼らのコアビジネスに対する脅威と捉えているからである。

この傾向は結構長い間続いてきているが、この買収劇は大企業がいかに実時間の音声とビデオの通信を総合的な技術プラットフォームの重要要素として見ているかを示すものでもある。Apple は iChat (いずれ消えてゆく運命にあると思われる、何故ならば AIM に依存しているからである) を持っており今は FaceTime があり、Google は Google チャット を持ち、そして今や Microsoft は Skype を手にした。

Skype の歴史とこの買収の影響についての良くできた図解のまとめが Muhammad Saleem の解説画像にある、ご覧になることをお勧めする:"Skype: From Conception to Acquisition"

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新刊 Take Control ブックが Scrivener 2 を解説

  文: Michael E. Cohen <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

長年、さまざまのワードプロセッサが存在してきた。(何たること、私は無為に過ごした青春時代、ワードプロセッサのデザインを手伝ったことさえある。)それらの大多数は、あの影のような正体のはっきりしない人物「一般ユーザー」(どうやらその種のユーザーはパーティーの招待状を作ったり迷子になったペットを探す貼り紙を作ったりするのが大好きらしい) か、あるいは同じくらい正体の知れないその従兄弟「ビジネスユーザー」(どうやらその種のユーザーは歴史的に社内連絡票を司る女神を心の支えとしているらしい) を対象としている。けれども Literature & Latte の製品、受賞に輝く Scrivener は、決してそんな類いのワードプロセッサではない。「コンテンツ生成ツール」や「ライターのスタジオ」などとさまざまに形容される Scrivener は、ライターがデザインした、ライターのためのツールだ。

さて、私たちのように毎日ピクセルまみれになって言葉を書き綴ることに苦闘している人たちのためのパワフルなツールであるこのソフトウェアに、今回とてもフレンドリーで役に立つガイドブックが出来た。Kirk McElhearn による $10 の "Take Control of Scrivener 2" だ。105 ページから成るこの電子ブックで Kirk が扱うのは小説、論文、脚本、ノンフィクションなど、長文の著作プロジェクトに取り組むライターがその構想を練り構成を進める作業であって、その作業を支え手助けするために Scrivener が提供する、さまざまのことが語られる。

この "Take Control of Scrivener 2" の中で、Kirk は Scrivener のプロジェクト・テンプレートの一つを取り上げて、それを用いて著作プロジェクトをどのようにセットアップするかを具体的に解説する。このプログラムの Research フォルダの中に、ほとんどあらゆる本を書く際に助けとなるさまざまのメモ、テキストクリッピング、写真、ウェブページ、PDF その他の題材を集める方法の説明がある。ライターが作業を進めるにつれて、それらの題材を検索し、フィルタ分けし、読み、利用する方法が語られる。Scrivener に内蔵されたプランニングツール、例えば柔軟性に富んだ Corkboard や Outliner などについて探究したり、ライターが自分で作成して整理し、作業しながら参照できる文字あるいは設定のフォルダやファイルについて調べたりする。そうした、ライターが集めたり作ったりしたさまざまの題材を、あちこち移動させたり見直したりあるいは修正したりもできる Scrivener の Binder についても説明する。ここに、その著作プロジェクトの全体が一つにまとめられる仕組みなのだ。

それからもちろん、Kirk は Scrivener が著述作業をより効率的かつ効果的にできるように助けるさまざまの機能についても実地に説明する。フルスクリーン表示、タイプライターモード、分割エディタ表示、それから長くて複雑な作品の中の離れた部分同士を一続きのテキストとして表示し編集もできる非常に便利な Scrivenings 表示について解説がある。毎日の作業目標を文字数、単語数、あるいはページ数でライター自身が設定する方法の説明もあるし、大胆な書き換えを試してからその後であらかじめ保存しておいたスナップショットに戻るやり方も示される。二つあるいはそれ以上の原稿のバージョン同士の間で比較することもできる。著述のたくさんのピースを全部一つに寄せ集めて最終的な書類を作成し、それを数々の一般的なフォーマット、例えば Word 書類や、PDF、HTML、さらには EPUB や Mobipocket の電子ブックフォーマットの形でさえも保存できることが語られる。

この本のあちこちに、自分の作品のために実際に Scrivener を採用した著者たちによる証言がちりばめられている。David HewsonJames FallowsJason SnellJeff AbbottMichael Marshall Smith といった面々だ。

小説を書くことを志したり、あるいはその他の書籍レベルの長さの作品を書くプロジェクトを実行した経験のある人なら、実際に作品を一つにまとめ上げることの難しさを誰もが身に染みて感じているだろう。ことに、回顧録 (memoir) でなく覚え書 (memo) を書くためだけにデザインされたソフトウェアと格闘した人には苦い思い出があるに違いない。けれども Scrivener は、ライターの旅路の邪魔をするためでなく援助するためにデザインされている。Scrivener があって、その横に "Take Control of Scrivener 2" があれば、どんな著者も、野心的な若い人も既に定評ある作家も、誰でも準備万端で次の創造的旅路へと船出ができるだろう。

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Dolly Drive が TidBITS スポンサーに

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私たちの最新の TidBITS スポンサーとなった Cirrus Thinking を心から歓迎したい。同社は、Apple の Time Machine にオンラインバックアップを組み合わせる Dolly Drive ソフトウェアおよびサービスのメーカーだ。初めて登場したのは Macworld 2011 においてであったが、その会場で Dolly Drive は Best Software 賞と Best of Show 賞を MacLife からダブル受賞した。Dolly Drive の目的は、Time Machine の働きを拡張して、Time Machine の持ついくつかの限界を解消したいということだ。(そう、お察しの通り、Dolly Drive という名前は哺乳動物としては世界初のクローンとなった羊の Dolly に由来している。)

最も注目すべきこととして、Time Machine はデフォルトではローカルなバックアップしか提供しない。けれども、最近起こった地震と津波で日本の東部が大きな打撃を受けたことを考えればまざまざと明らかなことだが、どのようなバックアップ戦術においてもオフサイトのバックアップというものが根本的に重要な部分となる。そこで、Dolly Drive があれば、あなたの Time Machine バックアップが、Dolly Drive が米国とヨーロッパに設置した複数のデータセンターに送られるようになる。その上、Dolly Drive の Inclusions Assistant を使えばあなたがバックアップしたいものだけを選択することもできる。これは、Time Machine が単にフォルダやディスクを対象から除外する指定ができるのみであるのに比べて、より的確な設定機能だ。また、Time Machine ではブート可能なクローンを作成する方法はないが、Dolly Drive ではローカルなハードディスクにブート可能なクローンを作成することができるので、たとえあなたの Mac のハードドライブが故障したとしても直ちに仕事が再開できる。

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Dolly Drive のバックアッププラン は 50 GB のストレージで月額 $5 から、2 TB のストレージで月額 $55 まである。いずれのプランでも、購読者に対して毎月 5 GB ずつの追加ストレージ容量が Dolly Drive から贈られるので、あなたのハードディスクの内容が増えるにつれてバックアップのストレージ容量も自動的に増える。最大の 2 TB プランは始まったばかりだ。そんな大量のデータをアップロードするなど想像もできないという人たちのために、Dolly Drive では Dolly Seed プログラムもスタートさせようとしている。これは、最初にハードディスクがあなたのところに送られてきてあなたがそれを使って初めの Time Machine バックアップを作成し、そのハードディスクを送り返せばその後はインターネット接続経由でバックアップが継続できるというものだ。

どのようなクラウドベースのサービスでも同じだが、セキュリティは重要な点だ。そのために、Dolly Drive はすべてのローカルセッションで認証を用い、すべてのデータを暗号化し、暗号化されたデータすべてをセキュアなトンネルを通して転送し、あなたの直接認証がアクセスに必須となる仮想ストレージテクノロジーの内部にデータをカプセル化している。

私はここしばらくの間 Dolly Drive を使ってみているが、大体においてこれは Time Machine と同様の感じで働く。ただし、データの送受信がローカルなハードディスクでなく私のインターネット接続を通してなされるので動作速度は遅くなる。動作のしかたについてのステップ・バイ・ステップのツアーが Dolly Drive の Getting Started ページ にある。

Dolly Drive が Time Machine を拡張しているのは素敵なことだ。さらに、Dolly Drive のプログラマーたちは他にもいろいろな拡張のアイデアをたくさん持っている。例えばローカルの保存先とオンラインの保存先を両方同時にサポートするとか、あるいはクローンのアップデート作業をスケジュール化するといったアイデアだ。

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LastPass、セキュリティ保護違反の可能性を認める

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ウェブベースのパスワード保存サービス LastPass について、去年私は記事を書いた。(2010 年 12 月 13 日の記事“LastPass が Xmarks を買収”参照。)その LastPass が、最近同社の内部ネットワーク上で疑わしいネットワーク活動が発見され、調査の結果、一定限度の量のデータが外部からアクセスされた可能性のあることが判明した、と発表した。同社は未知の場所からのアクセスを防止するためすべてのアカウントをロックダウンするとともに、発見された事実を同社のブログで発表 し、メディアとの会見をおこなった。

さらなる解析の結果、顧客のデータがアクセスを受けたという直接の証拠は見つからなかったが、最悪のシナリオの下においても、LastPass の発表によれば流出した可能性があるのは LastPass ログインアカウント認証情報、つまり電子メールアドレスと、マスターパスワード、それにマスターパスワード用のヒントのみであり、またたとえ流出していたとしても、それは暗号化された形のもののみに限られるという。ユーザーアカウントに付随した他のデータ、例えばサイトのユーザ名やパスワード、フォーム入力データ、請求書情報、その他は流出していない。今回の事件に関する詳しい Q&A が、 LastPass Status ページにある。

LastPass ユーザーにとって実質的な要点となるのは、もしもあなたのマスターパスワードが強力なものなら、つまり辞書に載っているような単語は避け、数字や句読点を含ませ、しらみつぶし攻撃に耐えられるだけの長さを持ったものなら、あなたは何も心配する必要がないということだ。けれども、とにかくこれを機にパスワードを変更しておくのも悪くない。また、他のサイトで同じパスワードを使っていないことも確認しておこう。いずれにしても、あなたがどこか別の場所から(あるいは誰かがあなたのふりをして)ログインしようとすると、あなたがマスターパスワードを変更するかまたはあなたが現行のマスターパスワードでよいと確認するかするまでの間、LastPass はあなたの電子メールアドレスを認証するよう要求してくる。この予防措置により、たとえあなたのパスワードが漏洩していたとしても、あなたのアカウントが不正アクセスを受ける事態は防げるだろう。

このような問題が起こったという事実自体、パスワードやその他の機密情報をオンラインに保存することに対する懸念の根拠となる。ただ、LastPass のセキュリティはおそらく大半の会社や個人に比べてはるかにより良いものであろうが。なぜなら、明らかに LastPass のようなところは直接攻撃のターゲットとなりやすいからだ。犯罪者たちが特定の個人をターゲットにして攻撃をすることは考えにくい。それよりも、マルウェアやソーシャルエンジニアリングによる攻撃の方が一般的だ。(2011 年 5 月 2 日の記事“偽の MACDefender アンチウイルスソフトウェアに注意”参照。)だから、あなたの Mac 上でパスワードを 1Password の中に保存しておく方がより安全だと思われる。また、それを Dropbox 経由で複数の機器の間で共有してもそれほど悪くはない。なぜなら、たとえ Dropbox のセキュリティが破られたとしても、1Password のパスワードファイルは依然として暗号化されているからだ。

それでもなお、LastPass は今回の事態を可能な限りうまく処理できたように見える。最近起こったいくつかのセキュリティ保護違反事件、ことに Sony PlayStation Network に打撃を与えた事件に比べれば雲泥の差だ。そのこと自体は良い兆候であり、LastPass がセキュリティを真剣にとらえていることの表われと言える。

結びに、LastPass の自動ログイン機能とマシンによらず使えることの便利さとが、あなたのパスワードをオンラインで第三者に任せて保存しておくことのリスクを考えても使う価値があるかどうかを判断できるのは、あなた自身以外にいない。例えば、LastPass は価値あるものだけれど、それを使うのは純粋にあなたが自身の身元を特定する手段としてログインの際に必要とするようなサイトのみに限ることにして、機密の情報が保存されているようなサイトでは使わない、というのも一つの判断だろう。

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Mac 起動問題を RAM を装着しなおすことで解決する

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: 柳下 知昭 <tyagishi@gmail.com>

普段のやり方だと私の Mac Pro は、夜には自動的にスリープし、朝、仕事をする際にスリープを解除する。スリープ、スリープ解除、スリープ、スリープ解除 - この繰り返し。だから、先日、私がスリープ解除しようとしてキーボードに触れても、ただ無視されたときの驚きを想像できるでしょう。だって、私が Tristan を起こしにいったとき、彼はぐっすり寝ているふりをするか単に意識がもうろうとしているプレティーンだけれども、いつも最終的には、ベッドから出てくるのである。

この時、Mac Pro は、ファンが回っている音は聞こえたが、スリープから復帰しなかった。私は、何かがクラッシュしたと考えたので、電源ボタンを数秒間押し、電源を落した。電源ボタンを再度押したところ、ファンが回転しはじめたが、それ以上何も起らなかった。起動音もなく、モニタも映らなかった。実際にはそれだけではなかった。安定した点灯の代りに、電源 LED が過去に見たことも無いような点滅をしていた。

私の MacBook で "Mac Pro power LED flashing" で検索したところ、様々な討議用フォーラムでのたくさんのスレッドを見つけ、そのどれもが、RAM を再装着することを提案していた。議論のひとつでは、アップルのサポート文章が起動時のセルフテスト (POST) での音と点滅での通知方法についてもう少し詳細に説明していることを説明していた。どちらも、まずは RAM を装着しなおすことを試みるべきで、もしうまくいかなかった場合には、RAM を交換すべきということで一致していた。

私の Mac Pro (Early 2008) では、RAM は少し複雑なパターンで 2 枚のメモリーカード上にDIMM が組合わされて装着されている。10 GB の RAM を装着しているので、2 枚の 1 GB DIMM と 4 枚の 2 GB DIMM という6 枚の DIMM が装着され動作している。最初、単純にメモリーカードを抜き出して、差し戻すことをしてみた。良くならなかった。次に、両方のメモリーカードを取り出し、それぞれの DIMM を外して、よく見てみた、その後、元に戻した。再度、Mac に組付けてみたが、起動しなかった。(Mac Pro の電源コードを 15 秒以上抜くことで、SMC (システム管理コントローラ) をリセットもしてみた、それもしたほうが良いことであった。しかし、なにも変らなかったし、Mac がまったくブートしなくなったので、PRAM を変更することはできなかった。)

私は、心配になってきたが、約束があったので、出掛けなければならなかった、そこで、熱をさますように Mac の電源をオフにして出掛けた。戻ったとき、Mac は、いまだブートできなかったので、簡単なテストで、熱は関係ないことがわかった。私は、DIMM が故障していることを、心配しはじめた。いざとなれば OWC が新品との交換に応じてくれるだろうし、その点 OWC は信頼できるけれど、それでも面倒に思えた。メモリーは、2 年以上もこの Mac Pro にとくに触りもせずに装着していた(悪いメモリは、通常すぐにわかる)ので、全体の状況は奇妙に思えた。Mac Pro 自体は振動にさらされず、2010 年の終りに SSD を装着して以来、何カ月も開けさえしていなかったので、装着しなおしは、あまり関係がなさそうだった。

次に、どの DIMM が悪いのかを見付けようとして、Mac がブートできるようになるまでDIMM のペアを外してみた - 聞き慣れたトーンを聞いたときに、ほっとしてため息がでた! -そして、問題のある DIMM を区別するために、個々の DIMM を交換しはじめた。けれどもその後、私はトラブルシューティングで常にすべきことをした。つまり、異なる設定 (今回の場合は、異なるメモリーボードへのセット) でインストールし直すことで、実際にどの DIMM に問題があるのかを切り分けようとした。そこでどうなったと思います? 動いたんです!もう十分な時間をかけたので、私は、Mac Pro の問題を終らせ、仕事に戻った。

とはいえ、エラーが一時的に止っただけではないかと心配だったので、次の週末に可能な限り動作するものを減らした状態でリブートし、フリーの Rember ユーティリティ (これは、 Memtest という OSX のコマンドラインユーティリティのフロントエンドである) を使用して、48 時間かけてフリーなメモリーのすべてについてメモリーテストを実行した。メモリーテストは、大成功で、まったく心配ないということだった。Mac Pro のメモリーカードのうちの特定のスロットが故障していることも考えられ、Twitter 上で何人かの人が、POST が再度失敗するようならば、DIMM に接点クリーナを使うことを勧めてくれた。しかし、1 週間以上問題がなかったので、装着しなおしたことで問題は解決したと考えた。

お祝いするには、すこし早いことがわかった、この記事を最初に書いたときから数日がたった時、私の Mac Pro の電源 LED は、起動時に再び点滅したのだ。このときは、すぐに問題の DIMM を分離することができたが、動作するようにするためには、DeoxIT D100P pen で接点をきれいにして、Mac Pro のメモリーカード上に再度装着する必要があった。私は、同じ事を他の DIMM でも行なったが、それ以来数日間、この Mac は問題なく動いている。

このお話しからの教訓は、2 つある。1 つ目は、もしあなたの Mac の電源 LED が点滅した時には、たぶん RAM を装着しなおせば直るだろうということ。2 つ目は、メモリーを正しく装着しなおす際には、単に外して再装着するよりも少し手間を掛けることが必要かもしれないということ。

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小規模 iOS 開発者がアプリ内購入で特許警告の標的に

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

[最新情報: 2011 年 5 月 15 日に、Lodsys は同社のブログにかなりの量の情報を公表し、今回の状況でこれまで明らかになっていなかった数多くの事柄に対処した。その内容をこの記事の中に織り込むことは止めて、最後のところに私の考えをもう少し書き加えておいた。-Adam]

TLA Systems の James Thomson は、ちょうど PCalc 2.4が App Store に承認されるのを今か今かと待っているところだった。彼の許に FedEx で配達された箱を開けてみると、そこに入っていたのは 100 ページにもわたる特許侵害警告状で、彼の無料の PCalc Lite がアプリ内購入を使っていることが特許の侵害にあたると主張するものだった。荷物が一つ届いただけで一日が台無しになるとは、まさにこのことだ! ひどい目に遭ったのは Thomson だけではなかった。他の iOS 開発者たち、例えば mobileAge の Patrick McCarron や、他のもう少し大手の会社でも、同じような特許侵害警告状を受け取っていた。

Thomson も McCarron も、特許侵害訴訟をするぞと書面で脅してきたこの会社の名前に当初全く心当たりがなく、二人とも受け取った法的文書を Apple に転送した。けれども、これは Macworld が確認したことだが、問題の会社は Lodsys という名前であって「製品ないしサービスの提供者のために、それらの製品ないしサービスのユーザーと相互作用してそれらのユーザーから情報を集め、その情報を提供者に送信するためのシステムおよび方法に関する」4件の特許を所有している。いかにも特許専門の弁護士が好きそうな文章だ。

詳細な情報はまだ判明していないが、以下に述べる理由により、この問題はすべて Apple の問題であるべきだと思われる。

アプリ内購入の利用は、iOS Developer Program License Agreement に従って行なわれる。そこには In App Purchase API が Apple の知的財産であって、それが iOS 開発者にライセンスされたものであることが、はっきりと明記されている。

法的な関連を辿るとなかなか興味深い。まず第一に、Apple は iOS Developer Program License Agreement の目的を述べており、そこには Apple が Apple Software の所有権を有することが宣言されている。

あなたは(以下に定義された意味の)Apple Software を使い、iOS の走る Apple ブランド製品用に一つまたはそれ以上の(以下に定義された意味の)Applications を開発する。Apple はあなたに対し Apple Software を使ってあなたの Applications を開発しテストするための限定付きライセンスをこの Agreement に明記された諸条件の下で許諾する用意がある。

次に、Apple は Apple Software が何を意味するかを定義するが、そこには開発者たちが iOS アプリを書くために使う Software Development Kit も含まれている。

"Apple Software" は以下のものを総称する: (a) SDK、(b) iOS、および (c) Provisioning Profiles。また、前述のものに対する Updates であってあなたに Apple が提供したものも含む。

では、その SDK には何が含まれているのか? それもまた定義されている。ここで鍵となる言葉は API、つまり application programming interfaces であって、開発者たちはこれに依存することにより自分のアプリで特定の事柄が起こるようにできる。

"SDK" (Software Development Kit) とは、Documentation、ソフトウェア (ソースコードおよびオブジェクトコード)、アプリケーション、サンプルコード、シミュレータ、ツール、ライブラリ、API、データ、ファイル、およびあなたが Application を開発することに関連してあなたが使うために Apple により提供された題材である。また、この Agreement に準拠して Apple によりあなたに提供されるかもしれぬ Updates も含まれる。

ここで Apple はさらに具体的な点に踏み込み、Documented API と、その他の API で Apple が文書化していない(従って開発者が使うべきでない)ものとを区別している。

"Documented API(s)" とは Apple により文書化され Apple Documentation に出版された Application Programming Interface(s) を意味し、これは Apple Software に含まれる。

その次こそが問題の核心、つまり In App Purchase API の定義だ。

"In App Purchase API" とは、追加のコンテンツ、機能性あるいはサービスを購入し供給されあるいは Application 内部で使用するために利用できるようにすることを可能にする Documented API である。

最後に、Apple は Apple Software(そこには In App Purchase API も含まれる)の所有権を主張するとともに、Apple の知的財産に対するいかなる請求についても開発者たちが Apple に通知するよう要求している。

Apple は、Apple Software、およびこの Agreement に従ってあなたに提供されたかもしれぬすべての Updates に関するあらゆる権利、権原、ならびに利益を留保する。あなたは、Apple による Apple Software の所有権を擁護するため Apple と協力することに同意し、Apple Software に関係したいかなる請求についてもあなたがそれを知った場合には相応の努力をして迅速にその請求について Apple に通知することにも同意する。

Thomson と McCarron がしたのはまさにその行為であった。そして実際、彼らが実行を許されていた行為はそこまでですべてであった。Apple は次のことに関しては開発者たちに責任があると定めている:

(iii) Licensed Applications、ないしエンドユーザーがそれらの Licensed Applications を所持し使用することが、第三者の持つ著作権あるいはその他の権利を侵害するという請求

また、補償条項もあって開発者たちがさまざまの理由で契約に違反した場合に Apple を保護するようになっていた:

(ii) あなたの Application ないしその配布、販売、販売のための申し出、あなたの Application の使用または輸入 (単独にも、あるいはある組み合わせの中の基幹的部分としても)、Licensed Application Information、またはメタデータが、第三者の知的財産あるいは所有権に対し侵害あるいは違反しているという請求

けれどもそれらの要件は次の陳述によって直ちに限定付けられる:

あなたは、いかなる場合においても、Apple によりあらかじめ書面による同意を得ない限り、Apple の権利に影響を及ぼしたりまたは Apple に何らかの方法で義務を負わせたりするような合意あるいはその他の契約を第三者と交わしてはならない。

だから、結局帰着する結論は何かと言えば、Thomson も、McCarron も、あるいは他の iOS 開発者たちも、Apple の知的財産を Apple によるライセンスの下で使用していることについて Lodsys により警告を受けているのであるけれども、彼らにとって iOS Developer Program License Agreement に違反することなしにはどんな種類の和解をすることさえも不可能なのだ。Apple の In App Purchase API が Lodsys の特許を侵害していると彼らが合法的に合意をすることも不可能であるし、たとえ何が起ころうとも Apple がそのようなことに許可を与えることはあり得ない。そんなことをすれば iOS 開発そのものに萎縮効果を及ぼすだろうからだ。

Lodsys がなぜこのようなやり方を選んだのかははっきりしない。彼らの弁護士たちが iOS Developer Program License Agreement を読んでいて、iOS 開発者たちが和解に応じるのが不可能であるのを知っていたことに疑いの余地はない。その上、彼らが選んだのはあまりにも小規模のターゲットに過ぎず、彼らが搾り取れるだけの金額を全部寄せ集めても到底法廷費用を支払う足しにさえならないだろう。意味のある戦略として考えられることは一つ、小規模の開発者たちをターゲットとすることによって、彼らは Apple により大きな圧力をかけて早期の解決を図ろうとしているのだ。

今回の状況についてもっとずっと詳しいことを知るまでは、はたして Apple が実際にこのアプリ内購入に関して確固とした法律的足掛かりを持っているのか、それとも Lodysys の特許が侵害されたという方が正当であって Apple が前もって許可を依頼するよりも後になってから許しを請うための支払いをする方が安くつくと考えているのか、私たちが見極めることは不可能だ。

Apple にコメントを求めたが、まだ回答は得られていない。ただ...

最新情報 -- 2011 年 5 月 15 日に、Lodsys は一連のブログ記事を公表して、同社が Apple のアプリ内購入テクノロジーに及ぶと主張している特許権を執行しようとする同社の取り組みに際して持ち上がった疑問点の多くに答えようとした。そこに述べられた情報の中には、最初に Lodsys のターゲットとされた開発者たちにとってさえ初耳のものもあった。

Lodsys の主張によれば、同社はアプリのアップグレードの目的でアプリ内購入を使っている個々の開発者たちに対して同社の特許をライセンスすることを目指しているのだという。そこではおそらく、アプリ内購入を他の目的、例えば購読や、ゲームの追加レベルなどといった目的で使っている人たちとは区別されているようだ。最も興味深いのは、Lodsys が Apple を追いかけようとしない理由が「Apple はその銘板の製品やサービスのためにライセンスされているから」だと主張している点だ。それが何を意味するのかはさっぱり分からないが。

その上、ホテル建設業の会社と比較するという苦痛にひん曲がったような例えを持ち出して、Lodsys は最終的に顧客とやり取りをするビジネスにとっても Lodsys の特許権に料金を支払うのは意味のあることだと主張している。まるで、ホテルが開業してから何年も経ってから、ホテルのオーナーはそのホテルの建設の際に用いられた金づちについての特許に使用料を支払い続けるべきだと言わんばかりに。

これほどまでに入り組んだ理由を解きほぐすのも困難なことだし、そこで主張された Apple による既存のライセンスをどのように解釈すべきかを見極めるのもまた困難なことだ。Apple は iOS Developer Program License Agreement が対象とする知的財産に対する所有権を "Apple Software" として主張しており、ライセンス契約の条項を大幅に変更する可能性のあるような法的債務について明確に述べておくことは慣習的、あるいは少なくとも望ましいことであろう。仮に Apple が Lodsys の特許に気付いていたとして、私に考え得るまともな可能性は、Apple が同社が Lodsys との間で結んだ既存のライセンスが iOS 開発者たちのためにアプリ内購入もカバーしていると考えたか、あるいは Lodsys の特許が実際関係していないと考えたか、どちらかしかない。開発者たちがどこかの第三者に余分の手数料を支払わなければならないだろうと知った上で Apple がアプリ内購入を作ったというのはどう考えても筋が通らない。

興味深い事実が一つある。Lodsys は、アップグレード用にアプリ内購入を利用する iOS 開発者たちから徴収したいと同社が希望するライセンス料金を公表していて、それは米国内での収入の 0.575 パーセントだという。これは取り立てて高額な料金ではない。米国内で 100 万ドルの収入を得た開発者は、5750 ドルを支払わされるというわけだ。ひょっとしたら、これこそ非常に小規模の開発者がターゲットとされた本当の理由かもしれない。つまり、小規模の開発者が支払わされる金額はあまりにも少額で、弁護士に相談することさえ見合わない程度だからだ。そして、もしも小規模の開発者たちが支払いに同意すれば、Lodsys はその事実を利用してターゲットをもっと大規模の開発者たちに向け、より実入りの良い会社を取り込もうと考えているのではないか。それにもちろん、より多くの iOS 開発者たちを追いかけるようになるにつれて、Lodsys が特許料の率をもっと引き上げない理由は何もないだろう。

ブログ記事の中で、Lodsys は極めて防御的な印象を与えようと努めている。批判的な報道や嫌がらせの手紙が殺到している被害者を装おうとしているのだ。けれども、この会社は既に確立している市場の中へいきなりやって来て「おい、聞けよ、君たちみんな俺に金を払う義務があるぞ」と言い出したのだから、そんな相手に同情の気持ちを持つ人は少ないだろう。第一、その対象そのものがまともな人ならば iOS Developer Program License Agreement でカバーされているとすぐに判断できるようなツールを使うことに関したことなのだから。最後にもう一言。Lodsys が購入したこの特許が正当なものである可能性はもちろんあるけれど、それが何らかの革新に寄与したと論ずるのはなかなか難しい。今回のことは過去に遡った適用が議論されているのであって、その特許によって何かの製品あるいはサービスが生み出されたわけではないのだから。

私が iOS Developer Program License Agreement の意味を正しく理解できているのかどうかはわからないけれど、また Lodsys から新たな情報が明かされたことはあるのだけれど、いずれにしても次の一手は Apple の法務部門から来るべきものだ。そこでは現在、活発に状況を調査中に違いない。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2011 年 5 月 16 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Sandvox 2.0 -- Karelia Software が、同社のウェブサイト作成ソフトウェア Sandvoxのメジャーな新バージョンを出した。Sandvox 2.0 では 60 個以上の新機能が追加されている。主なものとしては、サイトの基本的デザインを手早く選択できる新しいインターフェイス、より直観的な WYSIWYG インターフェイス、Facebook と Twitter 用のプラグインサポート、それにパワーユーザー向けの機能として生の HTML、JavaScript、PHP,その他のウェブコードを挿入できる機能がある。(Sandvox は挿入されたコードに対する妥当性チェックや、標準準拠のテストさえもできる。)また、Disqus、IntenseDebate、Facebook Comments を経由してコメントのサポートも実現した。Sandvox 2.0 によるサイトは HTML 5 など現代のウェブテクノロジーに対応するようビルドされ、jQuery など JavaScript ライブラリを通じて豊かな相互作用も提供できる。Karelia では 2011 年 5 月 20 日まで、新規購入とアップグレードを $10 値引提供している。(新規購入 $77,アップグレード $47、2011 年 1 月 5 日以降の購入ならば無料アップグレード、28.7 MB)

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iPhoto 9.1.3 -- Apple が iPhoto 9.1.3 をリリースした。リリースノートによれば、今回のアップデートはただ一つの問題に対処しているのみで、その問題はこの写真管理ソフトウェアの中で結合されたイベントが、iOS デバイスへ同期させた後でそのデバイス上で複数のイベントに分割されてしまうことがあるというものであった。(新規購入 $14.99,無料アップデート、106.3 MB)

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Corel Painter 12 -- Corel が、Mac 用としては最も長期間にわたり活躍しているグラフィックスアプリケーションの一つである Corel Painter のバージョン 12 をリリースした。今回の新リリースには多数の拡張機能が含まれており、大きく改善されたパフォーマンスと、それぞれのユーザーの必要に応じてフルにカスタマイズできるユーザーインターフェイスが実現された。けれども一番の新機能は、Painter がいくつかの現実的な新ブラシに対応したことだ。同社の発表によれば、これらのブラシをグラフィックスタブレットと共に使えば「伝統的なキャンバス上のアートにおける動きと感触」を再現できるという。無料で 30 日間使える試用版もある。(新規購入 $429、アップグレード $229、297 MB)

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Mactracker 6.0.1 -- カナダの開発者 Ian Page が、人気の Apple ハードウェア百科事典アプリ Mactracker のメンテナンスアップデートをリリースした。バージョン 6.0.1 では、ホワイト iPhone 4(2011 年 4 月 27 日の記事“ホワイト iPhone 4 ついに登場”参照)と、新機種の iMac(2011 年 5 月 3 日の記事“新 iMac に Thunderbolt、FaceTime HD、クアッドコア CPU を装備”参照)についての詳細情報が加わった。さらに、今回のリリースではあなたが持っているモデルについてこのアプリのデータベースから該当する項目を直接抽出してあなたの個人用記録を作成する機能や、Apple Remote Desktop の作成したリストを読み込む機能、その他いくつかのマイナーな機能追加や修正も盛り込まれた。(Ian Page のウェブサイトから、また Mac App Store からも無料、27.7 MB)

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Snapz Pro X 2.3.0 -- Ambrosia Software が Snapz Pro X のバージョン 2.3.0 をリリースした。人気のこのスクリーンキャプチャソフトウェアでは、Mac OS X の中で静止画像のスクリーンショットとビデオ映像の両方を撮影できる。同社の発表用リストに送られた電子メールの文面によれば、今回のアップデートではいくつかの機能拡張が盛り込まれており、主なものとしては新たなオーディオフォーマットに対応したこと、複数モニタの処理が向上したこと、ビデオキャプチャの堅牢性の改善、Sparkle ベースの自動アップデート、長時間の録画でオーディオがずれる問題の解消、その他多数の修正もあるという。(新規購入 $69 (画像 + ムービー) / $29 (画像のみ)、アップデートは無料、8.5 MB)

Snapz Pro X 2.3.0 へのコメントリンク:

Acorn 3.0.1 -- Flying Meat Software が Acorn のバージョン 3.0 をリリースした。ますますパワフルになる同社の Mac OS X 用画像編集アプリだ。今回の新リリースでは種々雑多な新機能が盛り込まれたが、主なものとしてはレイヤースタイル、ライブのグラディエント、instant alpha、さまざまの新フィルタ、それから Photoshop の PSD ファイルフォーマットとの互換性がある。この 3.0 リリースの後すぐマイナー改訂版の Acorn 3.0.1 が出たが、ここでは合計で 30 個以上のバグ修正や訂正が施された。(新規購入は Flying Meat のオンラインストアからMac App Store から も $49.99、アップグレード $19.99、14.8 MB)

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ExtraBITS、2011 年 5 月 16 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ウェブの素晴らしさは、知ることができて嬉しいちょっとした事柄があまりにもたくさんあって、そういう事柄を誰かが既にウェブで共有してくれているという点にある。今週はそうしたリンクをいくつか集めてみた。まず 1Password のメーカーが会社名を変更し、米国議会図書館の National Jukebox が登場し、新型 iMac のメインのハードドライブが交換不可能という厄介な事実が明らかになった。

1Password メーカーが AgileBits と改名 -- 人気の 1Password ユーティリティのメーカーである会社が、これまでの名前 Agile Web Solutions (彼らは実際ウェブソリューションを提供していたわけではなかった) から、より簡潔かつ的を射た AgileBits という名前に改名した。とりたてて大ニュースというわけではないが、フィッシングやその他さまざまな迷惑メールの類いが溢れているこの時代、使っているツールのメーカーの正しい名前を知っているのは重要なことだ。

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米国議会図書館が National Jukebox を公開 -- 米国議会図書館 (U.S. Library of Congress) が National Jukebox を開始した。このウェブサイトでは、1900 年から 1925 年までに Victor Talking Machine 社から出された 10,000 点以上の 78 rpm レコードに対する Flash ベースのストリーミング・アクセスが提供される。(これらのディスクは、著作権者 Sony Music による包括的許可のお陰で利用可能となったものだ。)今後も何千という新たなレコードが追加される予定だという。これもまた、インターネットの大きな将来性の一つと言える。ただし、録音をダウンロードできないことに注意したい。なぜなら、1972 年以前に出版された録音物は連邦著作権法ではなく州法や普遍法の保護下にあるため、2067 年に至るまではフルにパブリックドメインに入ることができないからだ。

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新型 2011 iMac のハードドライブは取り外しも交換も不可 -- Other World Computing が新しいブログ記事で、新型の 2011 iMac が 7-wire SATA 電源コネクタと Apple 独自仕様のファームウェアとをメインのハードドライブに使用して、ドライブの温度をモニターするようになったと説明している。これを取り外したり交換したりすれば、iMac のファンはその後常にフルスピードで動作するようになってしまう。つまり、iMac のオーナーがドライブをサードパーティーのベンダーの製品と交換することができなくなったわけで、この件については Apple に非難の声を挙げたい! Other World Computing のフォローアップ記事も併せてご一読あれ。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2011 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

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