TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1115/27-Feb-2012

書かねばならないのが嫌でたまらない種類の記事に属するものだが、Adam の冒頭記事が Flashback マルウェアについて詳しく検討する。これはもともと Flash Player のインストーラになりすましていたものだが、その後 Java の脆弱性を突くことで偽の自己署名証明書プロンプトとしてユーザーを欺くタイプへと変身を遂げた。今週号のその他の記事についてはどうぞ気分を楽にして読み進めて頂きたい。Michael Cohen は Find My Mac が正しく動くようにした体験談を語り、Steve McCabe は寿命を迎えようとしている iMac の代わりとなるマシンとしてどれを選ぶべきか思案する。皆さんにも、ご自分が似たような問題に遭遇した場合はどうするだろうかと想像しつつ、興味深く読んで頂けることと思う。今週注目すべきソフトウェアリリースは、iMac Wi-Fi Update 1.0、iMac, Mac mini, MacBook Air, MacBook Pro ファームウェアアップデート、ScreenFlow 3.0.5、Camino 2.1.1、PDFpen と PDFpenPro 5.7.2 だ。

記事:

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変身する Flashback マルウェアに警戒を

  文: Adam C. Engst <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

TidBITS セキュリティ編集者の Rich Mogull が記事“Gatekeeper が Mac のマルウェア流行にピシャリとドアを閉める”(2012 年 2 月 16 日) で述べたように、Mac で最も大きなセキュリティホールはユーザーが騙されて何か悪意あるものをインストールしてしまうことに起因するものであって、今年のうちに出る OS X 10.8 Mountain Lion になれば、広く流行しているものがいったん見つかりさえすれば、Mac ユーザーは少なくとも悪意あるアプリケーションをダウンロードしてしまうことからは保護されるようになる。

けれども Gatekeeper でさえ、それ以外の方法で Mac の中に這い込んでくるマルウェアからの防御は提供しない。その一例が Flashback だ。このマルウェアは、出始めの頃には Flash Player のインストーラになりすまして登場したかもしれないが、今ではもっと卑劣なやり方で Mac に感染するようになった。(この記事で紹介する詳細情報の多くは TidBITS スポンサー Intego のお陰で知ることができたものだ。それらは Intego が同社の Mac Security Blog で他に先駆けて公表している。)

感染のベクトル -- Flashback の当初の感染方法 (変種 Flashback.A、Flashback.B、Flashback.C) は、悪意あるウェブサイトまたはハッキングを受けたウェブサイトが一見しただけでは Flash のエラーに見えるようなものを表示し、もしもあなたがそれをクリックすれば Flash Player になりすましたインストーラパッケージがダウンロードされる、というものであった。もしも Safari の「一般」環境設定で「ダウンロード後、“安全な”ファイルを開く」が選択されていれば、その偽物のインストーラが自動的に起動され、あなたの Mac が感染してしまうことになる。(ヒント #1: Safari のこのオプションはオフにしておこう!)

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新しい変種 Flashback.G はその方法によらず、偽物の Flash Player インストーラとは全く違う、二面攻撃の方法をとる。ただし、インストールされる悪意あるコードは基本的に同じものだ。(だからこそ Flashback という名前が引き続き使われている。)まず第一に、これは既知の二つの Java 脆弱性のうち一つを通じてコードをあなたの Mac に黙ってインストールしようと試みる。(幸運にも、10.7 Lion の走る Mac はデフォルトでは Java がインストールされておらず、インストールした人でも Lion または 10.6 Snow Leopard で利用できるすべての Java アップデートをインストールしてあればこのような攻撃を受ける心配がない。)その攻撃が失敗すれば、Flashback は次に Apple Inc. が発行したものと自称する偽の自己署名証明書を表示する。もしもあなたがそこで Continue ボタンをクリックすれば、あなたの Mac が感染する。

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Flashback が現在アクティブに開発されていることは明白のようだ。それは単にこの新しい攻撃ベクトルが現われたからというだけでなく、意図的に探知を避けようと試みているからだ。変種によっては、ユーザーが Mac OS X を VMware Fusion の中で走らせているかどうかをチェックして、その場合には実行を中止するものもある。そんなことをするのは、セキュリティ研究者たちの多くがマルウェアのテストを仮想マシン上で行なっているからだ。フルインストールされた Mac OS X に感染が及ぶ危険を冒すよりも、仮想マシンを消去して一からクリーンなコピーでやり直す方が楽だからだ。最も最近に登場した Flashback.G 変種は Intego の VirusBarrier X6 または特定の他のセキュリティプログラムが存在している場合にはインストールを試みすらしない。それはおそらく、既に保護されている Mac で時間を費やしても意味がないからであろう。

感染の影響 -- Flashback の目的はユーザ名やパスワードを取り込むことであり、それを Safari や Firefox などのウェブブラウザ、あるいは Skype などその他のネットワークアプリケーションなどの中に自身のコードを埋め込むことによって遂行する。そのコードはネットワークのトラフィックをモニターして、いろいろなドメインへの接続を探す。例としては Google、Yahoo、CNN、PayPal、数多くの銀行のサイト、その他多くのものが含まれる。おそらく、Flashback の背後にいる悪漢たちは、即座に攻撃することのできるようなユーザ名とパスワード(例えば銀行のウェブサイトで使うものなど)を探しているのであろう。それらが異なったサイトでも再利用されていればなお都合が良い。(ヒント #2: どのウェブサイトでも同じパスワードを使うのは駄目!)

Flashback のコードはそのホストとなるプログラムの動作と干渉する可能性があるので、クラッシュを起こしがちだ。もしもネットワークに関係するプログラムが頻繁にクラッシュするようになり始めたら、それはあなたの Mac が感染してしまったことを示す手掛かりかもしれない。

Flashback は、盗み出したそれらのログイン認証情報を母艦へ送信する方法を必要とするとともに、自身のコードをアップデートできる手段をも必要とする。そのために一連のコマンドとコントロール用のサーバとを利用するのであるが、これらは当初 2011 年 9 月に Intego が Flashback を発見した時点では動作できていなかった。2011 年 10 月のある時点からそれらのコマンドとサーバがオンラインとなり、それ以来アップデートを感染した Mac へ送信し続けている。理論的には、Flashback は追加のソフトウェアをダウンロードすることも可能なはずだが、Intego がそのような活動を探知したことはまだない。

Flashback が感染した Mac にどのようなコードをインストールするかは、時の経過とともに変化してきた。最初のうちは、ダイナミックローダーのライブラリと自動起動するコードを ~/Library/Preferences/Preferences.dylib のファイルにインストールしていた。このバックドアのコードが RC4 暗号化を用いて遠隔サーバとコミュニケーションして、感染した Mac に固有のハードウェア ID、Mac OS X のバージョン、ハードウェアのアーキテクチャ、その他の情報を送信していた。

その後の Flashback 変種では、簡単に削除できてしまう Preferences.dylib ファイルを使う方法を捨てて、その代わりに Safari や Firefox などのアプリケーションパッケージの内部にバックドアのコードをインストールするようになった。つまり、そのアプリケーションの Info.plist ファイルを書き換えてバックドアの場所を書き込んでおき、実際のコードはアプリケーション自体の奥深く、/Applications/Safari.app/Contents/Resources/UnHackMeBuild に保存するようになった。(Firefox については、以下にも説明するすべてのコマンドやパス名で "Safari.app" の部分を "Firefox.app" で置き換えて読んで頂きたい。)

感染を除去するためには、ただ単にアプリケーションの中から上記のファイルを取り除くだけでは十分でない。Info.plist から以下に示す行を削除することもしておかなければならない。そのためには、Info.plist ファイルを直接 BBEdit で開いてもよいし、あるいは次の Terminal コマンドを使ってそのファイルをあらかじめ XML に変換してもよい:

plutil -convert xml1 /Applications/Safari.app/Contents/Info.plist

それができたら、次のような数行を探してそれを削除する。

<key>LSEnvironment</key>  
<dict>  
    <key>DYLD_INSERT_LIBRARIES</key>  
    <string>/Applications/Safari.app/Contents/Resources/UnHackMeBuild</string>  
</dict>  

けれども Flashback はそこで止まったりはしない。Intego によれば、さらに新しい変種で、実行可能ファイルを /tmp ディレクトリにインストールして、それに実行可能のアクセス権を与え、その実行可能ファイルを起動するものがあるという。こうしてアクティブとなった Flashback バックドアは、もはや不吉なことが何か起こっている兆候を一切見せずに走ることができる。

Intego は、最も新しい Flashback.G 変種がまたもや別のアプローチに変更していることを見つけ出した。今度は自らを /Users/Shared ディレクトリの中の不可視ファイルとしてインストールしているのだ。このファイルはさまざまの名前を持ち得るが、現在までに見つかっているものはすべてその名前の末尾に拡張子 .so を付けている。残念ながら、Flashback は今後もまたファイルの名前やインストールする場所を次々と変えて行くだろうと思われるので、削除のための手順の決定版を提供することは難しい。

この最新の変種はまた、/Users/Shared/.svcdmp にもファイルを作り、アプリケーションをパッチするための plist ファイル ~/.MACOSX/environment.plist も作り、~/Library/Logs/vmLog にログも保存する。

Flashback の初期の変種のいくつか (ただし Flashback.G は含まれない) は、ただ単にネットワーク対応のアプリケーションをパッチするのみならず、意図的にシステムファイルに損傷を与える。とりわけ、これら初期バージョンの Flashback は Mac OS X に内蔵の XProtect マルウェア探知システムを働けなくするためいくつか重要なファイルを削除する:

これらの意図的なファイル削除は、単に XProtect が動作しなくなることのみならず(ただし Apple は XProtect をアップデートしてこれら初期バージョンの Flashback を探知できるようにしている)アンチウイルスソフトウェアがその損傷を修復できないという意味でも特に懸念される。修復のためには、影響を受けたファイルを感染前の状態に復元するというだけでなくて、完全に新たなコピーをインストールし直さなければならないからだ。

Time Machine あるいはその他のバックアッププログラムからファイルをリストアすることで損傷を手で修復することは可能だけれど、元通りのアクセス権を得るためには修復をバックアッププログラムの中から実行することが根本的に必要となる。単純に Finder でファイルをコピーするだけでは正しいアクセス権が付かないからだ。

私たちからのアドバイス -- Intego が私に語ってくれたところによると、Flashback が Java 脆弱性と偽の自己署名証明書の組み合わせを使うようになって以来、Flashback の感染率が大幅に増加したという。私が知りたくてまだ分からないのは Flashback をホストするウェブサイトに偶然遭遇する可能性がどれくらい高いものかということだが、ユーザーが騙されてそのようなサイトに誘い込まれる方法も、また正当なサイトが知らずにそのようなマルウェアをホストしてしまうようにされる方法も、どちらも存在している。

しかしながら、Flashback の感染を避けることは確かに可能だ。Apple 自身の XProtect は既にアップデートされて Flashback の初期の変種を探知しその攻撃に対する保護ができるようになっているので、XProtect がアクティブである限り、あなたはたぶんそれらのマルウェアがまだ存在していたとしても安全だろう。けれども、将来の変種に対する防御のためには、Lion では Java をインストールしないか、あるいは Lion や Snow Leopard で Java インストールを最新のものに保つか、いずれかにしておかなければならない。そうしない場合には、もしも Apple による自己署名証明書を承認するように求められても、必ず拒否すべきだ。

また、もしもあなたがある程度以上高いレベルの技術的知識を持っている場合には、Flashback 感染を手作業で取り除くことも可能だ。(さきほど述べた情報で知っておくべきことのあらましは見当がつくはずだが、Flashback の将来の変化に備えてウェブを検索して最新情報を得ておくことをお勧めする。)

でも、正直言って、MacDefender のときと全く同様に、自分が Flashback の感染の試みを探知したり感染した Mac を手作業で修理したりできる技術を持ち合わせている自信のない人には、例えば Intego の VirusBarrier X6 などのようなセキュリティソフトウェアの最新版を走らせるべきだと申し上げたい。

(もちろん Mac 用のアンチウイルスツールは他にもあり、例えば ClamXav や、Sophos Anti-Virus for Mac Home Edition など無料のものもある。けれども VirusBarrier はセキュリティに関係した追加の機能もいろいろと提供する。例えばカスタマイズ可能なポートベースのファイヤウォールとか、スパイウェアの活動を探知して「母艦への連絡」を阻止する機能や、ネットワークのトラフィックをモニターするツール、ネットワーク攻撃の探知、フィッシング攻撃に対する保護、クッキーのフィルタリング、等々ができる。)

外では注意するように心掛けているだけでよいとユーザーたちに言いたいのはやまやまだが、自己署名証明書がどんなものかをよく知らない人がそのようなプロンプトを簡単にクリックしてしまうのは十分あり得ることだし、さらには偽の Flash Player インストーラを走らせてしまうことさえ、経験の浅いユーザーたちの多くがよく考えもせずやってしまいがちだからだ。

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Find My Mac を直す

  文: Michael E. Cohen <[email protected]>
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

私は、昔からのガラクタの山の色々な層に埋もれた数えきれない程多くの Mac を持っているが、Mac OS X 10.7 Lion が走っている Mac は一台しか持っていない:昨年の夏購入した 27 インチ mid-2011 iMac である。実際、Lion がこれを買った主な理由であった;これを買う前の私の主たるマシンは昔のアルミの iMac 24 インチ Core 2 Duo モデルで、これでも Lion を走らせる能力は持っていた。しかし、私はこれは 10.6 Snow Leopard を走らせ、そして同時に Lion ではお払い箱にすると約束されていた全ての Rosetta ソフトウェアも走らせるためにそのままにして置きたかった。

私がこの新しいマシンを手にした時には、Lion はまだ出ていなかった:この新しい iMac には Snow Leopard がインストールされてきたので、私の古い iMac からの移行は簡単であった (或いは、はずであった)。しかしながら結果的には、Migration Assistant は FireWire と Ethernet 接続の両方で繰り返し失敗した。その代り、何故かその理由は私には分からないが、Migration Assistant は AirPort 接続では機能出来た。と言うことで、この新しい iMac が軽快に動き出すまでには、二日間と数回の誤スタートを要した。これら全てが起こったのは、丁度 Apple が Lion の GM ("golden master") バージョンの開発者向けダウンロードを開始した頃であった。

事実、これは完璧なタイミングに思えた:私は、テストマシンではなく私の通常の動作環境で構成された Mac 上で Lion がどの様なものなのかを見ることが出来る。幸いにして、GM リリースは問題なくインストールされ、私は私の全てのアップスやワークフローで Lion を試しながら、必要に応じて (例えば、FileMaker 8 や Word 2004 や Photoshop CS 1 を使いたい時)、私の安心して使える Snow Leopard iMac に戻ることが可能であった。数日して Lion の公式版がリリースされた時、私が既にインストールしている GM は全く同一のバージョンであることが判明したので、再インストールする理由は何もなかった:私は .0 バージョンの Mac OS X リリースに伴う全ての見落としや弱点も含んで、本物を走らせる心構えが出来ていた。

私が何故今頃このごちゃごちゃした昔話を始めようとしているのか? それは、数か月たって Mac OS X 10.7.2 が現れ、それと共に iCloud 経由での Find My Mac サポートがなされた時に ("一方、Lion の牧場に戻ると..." 15 October 2011 参照)、私は問題に遭遇したからである。その問題とは、こうであった:iCloud 設定ペインにある Find My Mac オプションは薄暗くなっていて、私は復元システムのアップデートをする必要があるという注意書きが付いていた。更に、この注意書きに付属していた Update ボタンは Software Update を起動したのだが、私のソフトウェアは最新であるというメッセージを返してくるだけであった。

私は、私の前の iMac からの多少失敗気味の移行とそれに続く Lion の GM 開発者リリースのインストールが事態を悪くしているのであろうとは思ったが、直ちに問題を追跡し、場合によってはバックアップを取りそして新しい iMac 上の全てを再インストールしなければならなくなる所まで時間を費やしたくはなかった。結局のところ、Find My Mac (私にとっては殆ど役立たずの機能、何故ならば私のデスクトップ Mac は何処にも行かないから) が使えないということ以外、全ての事は十分に機能していた。

それから、ほぼ同じ時期に Apple は Lion 復旧アップデート 1.0 をリリースしたので、私は "そうか! これで Find My Mac 問題は治るかもしれない" と思った。何といっても、それは復元システムに対するアップデートであり、これはまさしくエラーメッセージが私が必要とするものだと言っていたものであった。しかし、これは働かなかった。私の iCloud 設定ペインには、薄暗くなったメッセージと期待は抱かせるが役立たずの Update ボタンは残ったままであった。これは不快ではあったが、私の iMac の日常使用には何ら支障はなかったので、だんだん記憶からは遠のいて行った。

しかしながら、最近 Apple が OS X 10.7.3 をリリースした時 ("Mac OS X 10.7.3 がバグを修正、Lion Server を改善" 1 February 2012 参照)、これを思い出した。私はこのアップデートを従順にインストールし、その後あの問題はこのバージョンでは修正されているかどうかチェックしてみようと思った。どのみち、これはアップデートであり、Find My Mac はアップデート欲していた;ひょっとすると この アップデートこそが Find My Mac が欲しがっていたものかもしれない。しかし、そうではなかった。あの薄暗くなったメッセージはまだあるし、付随している Update ボタンは私をあざ笑っていた。

ようやく、先週になって Apple は EFI ファームウェアアップデートを幾つかの Mac に対して、私の mid-2011 iMac も入っている、リリースした ("iMac, Mac mini, MacBook Air, MacBook Pro ファームウェアアップデート" 24 February 2012 参照)。"そうか!" と私は思った。きっと私の iMac が真に欲しがっているのは、問題解決のための ファームウェア アップデートに違いない。と言うことで、私はそれをインストールしたが、驚くことなかれ、何も起こらなかった。Find My Mac は依然として行方不明のままであった。

"もうたくさんだ" と自分に言い聞かせた (罵り言葉も二つほど紛れ込んでいたかもしれないが)。この問題の真相に迫ってやるぞ! 私はずっと前にやっておくべきであった一番簡単な問題解決法の一つを実行した:私はあのエラーメッセージをコピーしそして Web 検索を行った。

何ということであろう:この問題は良く知られていたもので、かつとうに解決済みのものであった。この "recovery system update required" という表現に対する私の Google 検索の最初のヒットは、October 2011 からの Apple の討論ボード へと行きつき、私の発見不能の Mac 問題に対する解もそこにあった。

これが私がやらなければならなかったことである:私の iMac を Command と R キーの両方を押しながら再起動する、そうすることで Lion が Mac 上にインストールした Recovery パーティションに入る。起動後、復元システムに含まれた Disk Utility を走らせ、私のシステムドライブをチェックし修復しなければならなかった。私はその通りした:Disk Utility は一つ小さな問題 (一つの 1-ブロックファイル配分不整合) を見つけ出し、そして修正した。

しかし、これで終わりではなかった。私が数か月前にインストールした Lion 復旧アップデート をダウンロードし再インストールしなければならなかった。興味深いことには、ダウンロードのサイズは数百メガバイトあったのに、いざインストールとなった時には、実際にインストールされなければならなかったのは数十キロバイトに過ぎなかった。このインスタレーションが完了し私の iMac も再起動されたところで、Find My Mac はついに私の iCloud 設定ペインで能動化された。この全修正作業に、始めから終わりまで、約一時間を要した。

私が学んだこと? 新しいことは何もなかったが、私が学び直さなければならない重要な教訓であるので、もう一度繰り返す:エラーメッセージに遭遇し、その意味する所が良くわからない場合は、そのメッセージに対する Web 検索をするのに幾らの時間もかからない。多くの場合、同じ問題に苦しめられたそして解を見つけ出した他の人を見つけられるであろう。

前に私にこれをやるのをためらわせたものは、歯痛恐怖の様なものではないかと思う:歯医者に対する恐怖の想像だけで (つまり、バックアップを取り、再初期化し、そして私の iMac 上の全てのソフトウェアを再インストールすることに対する想像力が作り上げた恐怖) 必要以上に歯痛を我慢してしまいがちであるが、実際に歯医者へ行ってみれば、行かないで我慢していた数週間の痛みよりはずっと快適であることが多い。

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Mac の買い替え候補に思い惑って

  文: Steve McCabe <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私は学校にいた。私たち教師がそれぞれ週に二回ずつしなければならない校庭の見回りをしていると、去年私が日本語を教えたことのある高校生の女子たちが数人寄って来て、私の iPhone で Siri を使うところを見せて欲しいと頼んだ。ひとしきりワーとかスゴいとかいう声が挙がった後で、一人の生徒が私に、恐ろしいほど高いのに、どうして iPhone を持っているんですかと尋ねた。

私は既に十分準備してあった答えを口にした。彼女たちに日本語と物理を教える先生ほどの国際的テクノロジー大スターならば(先生としての威厳を保つのは重要なことだ)権威をもって話せるために最新のものに精通していなければならないのだよ、と。彼女はその答に満足したようだった。

けれども私は自分が大嘘をついたことを知っていた。テクノロジーの世界で最新でいるためには、恒常的な投資が必要となる。私にとってそれは問題だった。ニュージーランドで教師として働く私は、かつての私ほど懐が豊かではない。

私がコンピュータとテクノロジーの世界に、特に Apple の世界にのめり込んだのは、その昔の 1990 年代のことだった。当時の私は東京の近くに住んでいて、けっこう気前の良い日本の給料を貰っていた。テクノロジーの虫が疼けば、あの有名な秋葉原の電子機器商店街までちょっと足を伸ばすのが常だった。

けれども今の私はニュージーランドにいて、ご当地キーウィ並みの教師の給料しか得ていない。ここでの生活を捨てたいとは思わないけれども、Apple の最新の製品に精通し続けるのはますます困難なことになりつつある。今は特にそうだ。私は自分がテクノロジー的にある種の危機状態にいることを自覚しており、しかもどうすればそこから抜け出られるのか見つけられないでいる。そこのところを、詳しく説明させて頂きたい。きっと、同じような決断に迫られているあなたにも、私の考察が何かのお役に立つこともあるだろうと思う。

2009 年にニュージーランドに引っ越した際に、私は三台の Mac を持って来た。20 インチの iMac は初代の Intel Core Duo 機種で、これが一番古く、購入したのは 2006 年だった。私が FileMaker 仕事で初めて手にした給料で買ったものなので、ちょっと感傷的な思い入れがある。Mac mini は 2007 年に購入したもので、その資金の一部には新し物好きで iPhone を買った私のような人たちに Apple が発行した返金小切手をあてた。それから、MacBook Pro は私が 2008 年に購入したものだったが、これは去年友人の娘が全寮制の学校に入学した際にお祝いとして贈り物にしてしまった。その代わりとして使っているのが新しい Thunderbolt 装備の 15 インチ MacBook Pro だが、これはニュージーランド文部省の素晴らしい「 教師にラップトップを」プログラムのお陰で三年間の期限付きで借り受けているものだ。

(学校から借りているこの MacBook Pro に、私は月額 NZ$52 (52 ニュージーランドドル) というそれほど高くない金額を三年間毎月支払っている。手頃な値段でハイエンドのラップトップ機を使えるというのは、このプログラムがなければ到底実現できなかったろう。支払う金額の合計は NZ$1,876 だが、この Mac を単純に購入すれば NZ$2,999 もする。三年間が過ぎた後にこの Mac を持ち続けることはできないが、きっとその時点でまた新しいものを借りられると期待している。)

使い始めて二年ほど経ったころに一度ハードディスクが壊れた以外、私の iMac はつい最近に至るまでずっと私のためによく働いてくれた。けれども、最近になって電源回路が勝手に落ちてしまうという困った傾向が出てきて、この iMac は次第に仕事のためのコンピュータとして使い物にならなくなってきた。

そこで私は、ここ数年来初めて、自分のコンピュータシステムの大がかりなオーバーホールを真剣に考慮し始めた。当然ながら予算を主に考慮しなければならないが、本格的な仕事にはデスクトップの Mac、持ち運びにはラップトップの Mac、インターネットに居続けるためには自分独自のサーバ、という使い分けをできれば諦めたくない。さまざまの可能性を、どのようにさばけば最も良い道が見つかるだろうか?

iMac を買い替える -- もしもお金が問題でなかったとしたら、答は簡単だったろう。新品の iMac を一台、できれば 27 インチの機種を、オンラインの Apple Store で注文すれば、明日にでも届くことだろう。でも、Courier Post の宅配便の人たちには申し訳ないが、私は教師に過ぎないので、そういう配達をお願いする日は来ないだろう。

中古品の Mac を探すことも考えた。私が持っていた最初の二台の Mac は、親戚の人がどうしてもうまく動かせなかったと言って私にくれた IIsi (それを私はその日の昼間のうちにきちんと直せた) と、日本で中古品として買った IIvx だった。私の iMac を買い替えるとしたら、中古品というのも十分に良い道だろう。とにかく、ここニュージーランドの中古品市場は非常に健全で、なかなか魅力的な値段のものも提供されている。

iMac を修理する -- 私の iMac がもっと最近のマシンだったとしたら、私はきっとそれを近所の Apple Store に持ち込んで修理を依頼したことだろう。けれどもこれは古いコンピュータであって、しかも「近所の Apple Store」は Apple の店ですらない。ここニュージーランドには Apple のリテール店がないので、最も近い本物の Apple Store はオーストラリアのシドニーに、タスマン海を隔てた 2,100 キロメートルの彼方にある。

その代わり、ここの主たる Apple 認定再販業者チェーンは意味の分からない名前の付いた YooBee だが、そこで修理を依頼すると私に言わせればとんでもない金額の料金を取られる。不調のコンピュータをちょっと見るだけでも料金がかかるのだ。そんなところで旧型の iMac の修理をするなど、考えるだけでも現実的でない。

もう少し現実的な方法は、私が自分で電源回路の問題を診断して、必要な部品を購入してインストールし、この iMac がもう少しだけ長生きできるようにすることだ。( iFixit に説明があるが、あまり簡単な手順には見えない。)そうすれば、次なる段階の戦術を考慮することができるようになる。

iMac をサーバ機として再利用する -- まだ使えるうちに iMac を引退させるのは、無駄遣いであるのはもちろんだが、薄情な行ないと言えるだろう。何か、他の目的に利用できるかもしれない。

私は Mac mini をインターネットサーバとして使っている。ウェブページを提供するとともに、私のさまざまのブログやドメインからの電子メールを管理させているのだ。これは私が持っている中で最も新しいコンピュータであり、ある意味で実際にはその能力を十分に発揮し切れていないとも言える。普段私のブログが毎日何十件ものページビュー数を得ているのを私は誇りにしているが、私の Moving to New Zealand ブログはそれほど大量の処理パワーを必要としない。もしも私が自分の最もパワフルなデスクトップコンピュータにさせている主要な仕事がそれだけであるのなら、そろそろ私はこの Mac mini を生産性マシンとして働かし、iMac の方をサーバ用に目的替えして使うようにすべき時を迎えているのかもしれない。

けれども物事はそう単純ではない。私の Mac mini は Intel Core 2 Duo プロセッサを備え、Lion Server を走らせているが、私の iMac にはマジックナンバー 2 のない Intel Core Duo しか備わっていない。この iMac は私がウェブデザインや FileMaker の仕事をするために必要なだけの処理能力を備えているにもかかわらず、Apple がこのマシンは Lion を走らせるに値しないと決めてしまったので、この iMac をサーバとして使うためには必然的にシステムを Snow Leopard Server に戻さなければならないが、それはそれでいろいろと足りないところがある。特に仮想メールホスティングができないのが大きい。私としては Snow Leopard Server に戻すことは可能だが、できればそうしたくない。

また、ウェブホスティングと電子メールサーバの必要を外部委託するのもしたくない。例えば Google Apps といったものを使えば少ない予算で類似の機能性が得られることは十分に承知しているけれど、自分のウェブと電子メールの供給を誰か他の者に手渡してしまう気にはまだなれない。

つまり、次の可能性に進むことになる。

デスクトップ Mac なしで済ます -- その昔は、ラップトップ機というのは劣ったコンピュータであって、折り畳めるケースの中に入れるために妥協を詰め込んでいた。けれども今は違う。私の Thunderbolt 装備の MacBook Pro は、疑いなく、私がこれまでに使った中で最もパワフルなコンピュータだ。ならば、もはや私はデスクトップのコンピュータを本当に必要としてはいないのか? 私は大きなスクリーンが好きだし、フルサイズのキーボードの横にマウスかトラックパッドを置いている方が便利だし快適に仕事ができると思う。ならば、どうして iMac を売り払ってしまって、MacBook Pro をメインのコンピュータとして使わないのか?

Apple の新しい 27 インチ Thunderbolt ディスプレイが、興味深い可能性を提供する。かなりの金額 (NZ$1,649) を出せば、ただしそれは新品の iMac の価格 (NZ$2,799) よりは安いが、新しいディスプレイを買って MacBook Pro 用のドッキング・ステーションとして使うことができる。すると、仕事部屋の机の上では数テラバイトの外付けストレージにアクセスできる一方、仕事部屋を出るときはそのままラップトップ機を持ち出して学校で仕事を続けることもできるようになる。

現実的に見て、私はラップトップとデスクトップの二台のコンピュータを必要としているだろうか? 何年にもわたって、私はそのうち片方しか持っていなかった。両方を持つ贅沢を享受できるようになったのは 2008 年以後になってからだ。私のラップトップ機の持つパワーは、それをラップトップ機として使っている間は、概して大いに余っている。実際に使うのは主として Microsoft Word、Safari、Mail、それに QuickTime Player 程度で、それ以外は英国にいる家族と話をするためにたまに Skype を使うくらいだ。

だから、たぶん Thunderbolt ディスプレイを購入するのが最も実行可能な選択肢かもしれない。リヒテンシュタインの国土とほぼ同じサイズのスクリーンが得られ、接続はケーブル一本でドッキングできるシンプルさ、その上デュアルモニタのお陰で生産性が格段に向上する。私は 1990 年代中頃に修士論文を書いていた際(私の修士論文は電子メールの言語特性を扱ったもので、主要な情報源の一つに Adam Engst の名前が見える)PowerBook 1400 に 13 インチ AppleColor RGB ディスプレイを繋いで、デュアルモニタのありがたさに初めて魅せられたものだった。

しかしながら、このやり方にも欠陥がないとは言えない。その中で無視できないのが Thunderbolt ディスプレイのために工面しなければならない NZ$1,649 という資金だ。それに、これは慣れの問題だろうとは思うが、MacBook Pro を日常的に Thunderbolt ディスプレイに繋いだり外したりしなければならないのは面倒な気がする。少なくとも、今までは単に iMac の前に座りさえすればよかったのに比べれば。一つ、可能な方法で試してみようかと思っているのが、 ScreenRecyclerAir Display t といったようなソフトウェアを利用して私の iMac を MacBook Pro の外付けモニタとして使うやり方だ。ディスプレイとして使っている間に電源がいきなり落ちるのも厄介だが、少なくともそれで仕事の成果が失われることはない。

次なるステップは -- 新しい Mac を購入することは、熟慮に熟慮を重ねずにできる決断ではない。ほとんど好きなだけいくらでもテクノロジーに資金を注ぎ込めた時代ははるか昔のこととなったので、今の私は数限りない問題をじっくりと品定めしなければならない。結局、私はそれらを二つの可能な道にまで絞り込んだ。

限られた資金という制約を重視するならば、賢明な道は古いディスプレイを私の Mac mini に繋いで、それを私のデスクトップマシンとして使い、iMac を私のサーバに目的替えして使うことだ。(iMac をウェブページのサーバとして働かせつつ、同時に Mac mini の第二モニタとして二重利用することさえできるだろう。)あるいは、もしも iMac が修理不能と分かれば、Mac mini をサーバとして動かしつつ、同時にそれを私のメインのデスクトップ Mac として使うことさえたぶん可能だろう。わが国の文部省が引き続き MacBook Pro をレンタルで使わせてくれる限り、持ち運びの必要も満たされるだろう。

他方、私の iMac はもう六年も使っているので(人間の年齢に換算すれば百歳近くになる)実際その耐用年数の終わりに近づきつつある。ことに不調となった電源回路の修理に私が時間とお金を注ぎ込めなくなればなおさらだ。だから、このマシンを別のものに交換するのも賢明な道に違いない。その時点で、Mac mini を TradeMe (ニュージーランドにおける eBay のようなもの) に売りに出すのも資金の足しにする良い方法かもしれない。もちろん、これまで私が長年慣れ親しんできたデスクトップ、ラップトップ、サーバの三台のマシンを使い分けるやり方は諦めなければならない。そしてそれは、新しい iMac にデスクトップとサーバの二役をさせることで対処できるのかもしれない。はたまた、宝くじに当たるのも解決策かもしれない。

そうは言っても、自分が既に持っているマシンを目的替えして使うというエレガントかつ費用の安く済む方法の魅力を無視することはできない。だから、今のところ私は Mac mini をデスクトップ Mac として使うという方法が最良ではないかという気がしている。けれども、こうしてさまざまな可能性に考えを巡らすことで、私はとても楽しい時間を過ごしたので、この思考パズルを他の人たちにも披露してみたいと思った次第だ。さて、もしあなたが私と同じ立場に立ったなら、私と同じような必要の状況で、予算が限られていたら、あなたならばどうするだろうか?

[ニュージーランドに住む Steve McCabe は、Mac コンサルタントで技術ライター、物理教師でもある。彼は ニュージーランドでの冒険について語り、 テクノロジーを題材にしたブログを綴り、つい最近彼の個人ブログの再構築を終えたばかりだ。]

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 2 月 27 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iMac Wi-Fi Update 1.0 -- Apple が iMac Wi-Fi アップデート v1.0 をリリースした。これは 2009 年後半以降にリリースされかつ Mac OS X 10.7.3 を走らせているすべての iMac に対して推奨される。このアップデートでは、iMac がスリープ解除後に既知の Wi-Fi ネットワークに自動的に接続されないことがある問題が解決される。直接ダウンロードでも入手できるが、ソフトウェア・アップデートを通して入手する方が手軽だ。あなたの iMac に必要である場合にのみこれが現われるからだ。(無料、25.81 MB)

iMac Wi-Fi Update 1.0 へのコメントリンク:

iMac, Mac mini, MacBook Air, MacBook Pro ファームウェアアップデート -- Apple が 2011 年にリリースされた機種に対するファームウェアアップデートを四つリリースした。iMac EFI ファームウェア・アップデート 1.9Mac mini EFI ファームウェア・アップデート 1.6MacBook Air EFI ファームウェア・アップデート 2.4MacBook Pro EFI ファームウェア・アップデート 2.7だ。それぞれのアップデートで、ネットワーク起動の信頼性を改善し、再起動後の HDCP 認証を妨げる問題に対処し、USB 記憶装置がホットプラグされているときの起動装置の選択の問題を修正している。どのファームウェアアップデートでも言えることだが、インストールする前にあらかじめインストールの説明を注意深く読み、アップデートの処理中は動作を中断しないようにするべきだ。必要な場合にのみアップデートを入手できるよう、ソフトウェア・アップデートに入手を任せることをお勧めする。もしもソフトウェア・アップデートに今回のアップデートが現われなければ、それはこれがあなたの Mac のためのものではないということを意味している。(無料、それぞれおよそ 4 MB)

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ScreenFlow 3.0.5 -- Telestream が ScreenFlow 3.0.5 をリリースした。このスクリーンキャスト録画アプリへのメンテナンス・アップデートには多数の修正や改善が盛り込まれている。主なものとしては、今回の新リリースでは Vimeo へのログインや出版の際の問題点を解消し、Mac OS X 10.7 Lion 用の iPhone 書き出しプリセット値を 480×320 に変更し、PowerPoint プレゼンテーションを録画する際に時々エラーを起こしていた問題点を修正している。その他にも非常に多数のマイナーな修正や微妙な調整がこのアップデートに含まれている。(Telestream からも Mac App Store からも新規購入は $99、無料アップデート、2.x や 1.x からのアップグレード は $29、14.1 MB)

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Camino 2.1.1 -- The Camino Project が、社名と同じ名前のオープンソースのウェブブラウザに数多くのアップデートや修正を施したバージョン 2.1.1 をリリースした。今回のリリースにはアップグレードされた Mozilla Gecko レンダリングエンジン (1.9.2.27) が含まれ、セキュリティの問題のため古いバージョンの Adobe Flash Player 10 および 11 (それぞれ現行バージョンの 10.3.183.15 および 11.1.102.62 よりも古いもの) をブロックするようになった。このアップデートではまた AppleScript スクリプト使用に関する調整をいくつか施し、Mac OS X 10.7 Lion における Java プラグインの存在を正しくチェックするようになり、その他にもいくつか修正を提供している。(無料、18.5 MB、リリースノート)

Camino 2.1.1 へのコメントリンク: about Camino 2.1.1.

PDFpen と PDFpenPro 5.7.2 -- OS X 10.8 Mountain Lion のリリースに備えて、Smile が PDFpen 5.7.1PDFpenPro 5.7.1 をリリースした。いずれも、Mountain Lion の Gatekeeper セキュリティ機能で用いられる Smile の開発者 ID を組み込んでアップデートされている。(2012 年 2 月 16 日の記事“Gatekeeper が Mac のマルウェア流行にピシャリとドアを閉める”参照。)これら PDF 操作ツールへの今回のアップデートではまた、コメントを使った場合に次第にカラーが変わってしまう問題を修正するとともに、オブジェクト線の数が「なし」に設定されている場合のテキストツールの問題点も解消している。その後すぐに出された 5.7.2 リリースでは、主に 10.6 Snow Leopard において保存の際に起こるおそれのあった問題点を修正し、ページ数のローカリゼーションの問題も修正している。(新規購入 $59.95/$99.95、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、47 MB)

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ExtraBITS、2012 年 2 月 27 日

  文: TidBITS Staff <[email protected]>
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週は手早く二つだけご紹介しよう。Serenity Caldwell の Macworld 記事は OS X 10.8 Mountain Lion の新機能の注目点を論じ、Ars Technica に載った Chris Foresman の記事は iTunes Store に新しく登場した Mastered for iTunes セクションを扱う。

OS X 10.8 Mountain Lion における注目すべきシステム変更 -- 来たるべき OS X 10.8 Mountain Lion リリースに関する論調の大多数はセキュリティ機能 Gatekeeper についてのものと Mac と iOS の使用体験融合に関するものばかりだが、Macworld の Serenity Caldwell はあまり取り上げられていない十件のシステム変更点について掘り下げる。複数個のディスクへの Time Machine バックアップ、スクリーン共有におけるファイルのドラッグ、一新された Dashboard、などだ。

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オーディオファンのために iTunes 使用体験を極める -- Apple は最近、iTunes Store に Mastered for iTunes セクションをデビューさせた。ここを使ってオーディオファンたちは 256 kbps AAC フォーマットでの再生のために最適化されたリリースを見つけられる。Ars Technica の Chris Foresman が、圧縮されたデジタルオーディオファイルをマスターするにはどうすればよいかについて掘り下げて検討する。Masterdisk の首席研究員 Andy VanDette (彼は最近 Rush のバックカタログのリマスター(再録音)を達成したばかりだ) との対談もある。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2012 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

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