TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1130/18-Jun-2012

今週号の大部分は二つの出来事のいずれかに関係がある。Apple の WWDC 発表と、間近に迫った MobileMe の終了だ。前者については、Glenn Fleishman が AirPort Utility の IPv6 アップデートと、改訂された AirPort Express ベースステーションについて詳しく解説する。それから、Adam Engst が(今は取り下げられている)Thunderbolt Software Update 1.2 が多くのユーザーのマシンを起動不能にしたことについて警告を述べる。一方 MobileMe に関しては、Joe Kissell と Adam Engst が先週、ライブ番組 TidBITS Presents: Adieu MobileMe プレゼンテーションを実現させたが、そのビデオが無料で視聴できる。Adam はまた Sandvox 2.6 の紹介もする。これは iWeb の生成したウェブサイトからコンテンツを抽出できるので、もはや時代遅れとなった iWeb に別れを告げるのが簡単にできる。それから今週号は寄稿記事が二つある、Andrew Laurence が Mac OS X 10.7.4 において WebDAV のパフォーマンスが劇的に改善されたことについて述べ、Steve McCabe がいくつかの現行のウェブブラウザにおける PDF 対応を論じる。今週注目すべきソフトウェアリリースは、iMovie '11 9.0.6、MacBook Pro (Mid 2012) Software Update 1.0、MacBook Air (Mid 2012) Software Update 1.0、MacBook Pro (Retina) Trackpad Update 1.0、Java for OS X Lion 2012-004 と Java for Mac OS X 10.6 Update 9、Aperture 3.3、iPhoto '11 9.3、それに iTunes 10.6.3 だ。

記事:

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Thunderbolt Software Update 1.2 が起動障害を起こす

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Apple は先週 Thunderbolt Software Update 1.2 をリリースして「Apple の Thunderbolt to Gigabit Ethernet Adapter のサポートを追加する」とだけ説明を付けた。ところが、Thunderbolt 対応 Mac のすべてが影響を受けたかどうかははっきりしないけれども、数多くの人たちが、このアップデートをインストールした後で起動の際にさまざまの奇妙な問題カーネルパニックに陥る、グレイのブート画面で止まってしまう、「予期せぬエラー」メッセージが出る、その他)に遭遇したことを報告している。細かい点はさまざまだが、いずれの場合もその Mac が使えなくなること、まるで雷に打たれたかのように突然起こることは、共通しているようだ。アップデートで何の問題も起こらなかったという人たちの声も聞こえてきてはいるが、起動に障害が起こった人たちと起こらなかった人たちとに間で何が違っていたのかは今もってはっきりしない。この記事の執筆時点で、Apple は既にこのアップデートを取り下げており、それに代わるものはまだ出されていない。

私が目にした報告のすべてで、Lion を再インストールすることで問題は解消している。Command-R を押しながら再起動して Recovery Mode で起動する。そうして Lion の隠された Recovery HD ボリュームでブートしたら、そこで Reinstall Mac OS X を選択することができる。(Recovery HD ボリュームが存在していなかったり、壊れていたりしても、2010 年以後に導入された Mac 機種の大半は Lion Internet Recovery に対応している。これを使えば新しい Recovery HD イメージをダウンロードしてそこからブートできる。)もちろん、Mac App Store から Lion をダウンロードし直さなければならないので、あなたのインターネット接続の速度にもよるが、かなり時間がかかるかもしれない。Lion の再インストールが済んだ後は、Software Update を走らせてすべてを最新にしておく。ただしもちろん、Thunderbolt Software Update 1.2 だけは避けておかなかればならない。

もしあなたが二台目の Mac を持っているなら、単に Mac OS X 10.7.4 Combo Update のみをインストールすれば問題が解決するらしい。これをするには、雷に打たれた Mac を FireWire または Thunderbolt 経由でまともに動いている方の Mac に接続し、雷に打たれた Mac を T キーを押しながら再起動して Target Drive Mode にする。それから、10.7.4 統合アップデートを起動し、インストーラが求めてきた際にその雷に打たれた Mac の起動ドライブを選べばよい。さらなるトラブルシューティングのテクニックや復旧方法の詳細については、"Take Control of Troubleshooting Your Mac, Second Edition" をご覧頂きたい。

いずれ新たなアップデートが出ることになるだろう。いずれにしても、あなたがその Thunderbolt to Gigabit Ethernet Adapter (もともと Thunderbolt の付いた MacBook Air と、リリースされたばかりの MacBook Pro with Retina Display でしか働かない) を絶対的に必要としているのでない限り、修正が出る前にこのアップデートを(あなたがまだ入手できたとしても)インストールしなければならない理由は何もない。

この問題について知らせてくれた読者の Tom Barry に感謝!

[訳者注: その後、Apple から問題点を修正したアップデート、Thunderbolt Software Update 1.2.1 がリリースされました。]

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TidBITS Presents: Adieu MobileMe に Joe Kissell と Adam Engst が登場

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

私たちの初めての TidBITS Presents イベントは、2012 年 6 月 16 日に成功裏に終了した。Google+ Hangouts On Air を使って、200 人以上の人たちが Joe Kissell と私の番組にライブで参加した。私の予想通り Joe のプレゼンテーションは素晴らしい出来で、参加した皆さんも素晴らしい質問やコメントを Google+ や Twitter (#tbpresents というハッシュタグで集めるようにしてある) 経由で寄せて下さった。

Google+ Hangouts On Air の素敵な点の一つは、そのビデオが YouTube に自動的に記録されることだ。(私たちの仲間の一人、TUAW の Mike T. Rose によれば、イベントの 最中 既に YouTube でもライブで視聴できたという。)だから、ライブのプレゼンテーションを見逃した人も、2012 年 6 月 30 日に MobileMe が日暮れを迎える前に移行について知りたいなら、どうぞお好きな時に YouTube で TidBITS Presents: Adieu MobileMe をご覧頂ければと思う。ビデオが YouTube にあるということは、これをゆったりと安楽椅子に座って iPad で観ることも、Apple TV に接続して大スクリーンで観ることも、あるいは iPhone や iPod touch で暇つぶしに観ることもできるわけだから。

プレゼンテーションの内容についても、(ライブで観られた方は)技術的な体験報告も、どうぞコメントを(この記事の最後でも、 Google+ 投稿でも、あるいは YouTube でも)お寄せ頂きたい。イベントの最中にビデオが存在していなかったとか、途切れ途切れで非常に不安定だったとかいう報告も何人かの人たちから届いているからだ。私たちは引き続き、視聴者にとって Hangouts On Air がいろいろの環境でどの程度うまく働くものか、評価したいと思っている。

ご覧頂きありがとうございます! この内容がお役に立てばと願っています。

そうそう、それからもう一つ。プレゼンテーションの中で、Joe はたくさんのサービスや製品について触れた。皆さんがそれそれを探したり、プレゼンテーションを観ながらメモを取ったりしなくて済むよう、ここにリストしておこう。

iDisk の代替 (ストレージ、同期、共有)

Disk の代替 (ウェブホスティング)

Gallery の代替

その他の製品やサービス、記事など

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Sandvox 2.6 が iWeb サイトのコンテンツを抽出

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iWeb ユーザーにとって MobileMe が終了することの最も重要な側面は自分のサイトをどこか他でホストしてもらわねばならないことだ。けれど iWeb 自体も、細い糸一本でぶら下がっている状態にあることは明らかだろう。だから、あなたの iWeb ベースのウェブサイトをどこか他所に移す必要に迫られたこの時こそ、iWeb にもおさらばする良い機会ではないだろうか。そして、そんなあなたのお手伝いをするために、Karelia Software が同社のウェブサイトオーサリングツール、 Sandvox をつい最近アップデートしてくれた。

ここで Sandvox のさまざまの機能に深入りすることはしないが、これが iWeb より以前から存在していたものだけれども、iWeb にできることはすべてでき、さらにそれ以上のことができるようデザインされている、と言えば十分だろう。(Karelia は、一度ならず二度までも Apple に踏みつけにされたという不名誉な特質を持っている。最初は Sherlock 3 が同社のインターネット検索ツール Watson と競合したように見えた際、二度目は iWeb が Sandvox と競合したように見えた際だ。)Sandvox はウェブサイト全体を作成できるドラッグ&ドロップのインターフェイスを提供する。ブログ、写真ギャラリー、ソーシャルメディア統合、その他のサイトが一切 HTML コーディングをせずに作れる。あなたがサイトのデザインを決めれば、Sandvox が HTML5 を使ってサイトを生成し、そのコードが Mac および PC 上、さらにはモバイルデバイス上のすべてのメジャーなブラウザと互換であるようにしてくれる。

今回の Sandvox 2.6 で新しいのは、既存の iWeb サイトのコンテンツを抽出できる機能だ。Karelia が注意深く「読み込み」という言葉を使わなかったことに注意しよう。なぜなら Sandvox は(技術的にも法律的にも)iWeb サイトを読み込むことはできないからだ。(技術的に難しいのは iWeb が HTML コードに対していくつか型破りなことをしているからであり、法律的に不可能なのは iWeb テンプレートが Apple の著作権により保護されているからだ。)

その代わりに、iWeb 生成のサイトを Sandvox に指定すると、Sandvox はそのサイトのすべてにアクセスし、相当量のテキストや大きなグラフィックスを抽出して、それらを新規の Sandvox 書類の中へ追加する。(Sandvox が作業をしているのを目で見守ることさえでき、これは結構クールだ。)あなたの既存の iWeb サイトと同じに見えるサイトを作成しようとはしないが、基本的構造やコンテンツは同じ形でそこにあるはずなので、あなたはそれらを処理したり、調整したり、さらには改善したり、といったことが Sandvox の中でできる。Karelia は iWeb サイトを移行するための詳細な FAQ ベースのガイド を公開しており、これを読めば何が期待できるかがはっきりと分かるだろう。(知られたくない秘密を漏らしてしまうと、Sandvox はどんなサイトからでもこのようにしてコンテンツの抽出ができるが、特に iWeb 生成のサイトでうまく働くように調整が施されている。)

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このように移行を強制されることが苦痛であることは私も十分に承知しているけれども、これについては少し違う角度から見ておく価値があると思う。ウェブのデザインというものは常に進化し続ける技術であって、あなたが数年前に、まだ Apple がこのプログラムをメンテナンスしていた頃に iWeb で作成したサイトも、今となっては数年経って時代遅れとなっている。その間 Sandvox はずっとアップデートを続けてきたので、あなたのサイトに Sandvox によるリファクタリングを施すことによって、あなたはただ単に現代的な、より有能なツールで作業ができるという利点のみならず、その過程でサイトのデザインをやり直せるという利点も享受できる。(私たちも、自分たちのウェブサイトでこのことを数年に一度は経験している。今は Take Control のサイトを大幅にデザインし直しているところだが、たぶん今後は TidBITS サイトにも目を向けたいと思っている。数年前に私たちが TidBITS サイトに施したデザインには、今となってはもはや当時のような新鮮さが感じられないからだ。)

Sandvox 2.6 は Mac OS X 10.6 Snow Leopard かそれ以降で動作し、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、スペイン語、ブラジルのポルトガル語、簡体字中国語のローカライズが施されている。(日本語ローカライズは今回のバージョン 2.6 での新機能だ。)価格は シングルコピーならば $79.99、家庭用ならば $119.99、サイトライセンスはシートあたり $39.99 となる。無料の試用版もある。Sandvox は Mac App Store からも入手できるけれど、私としては Karelia からの直接購入をお勧めしたい。そうして頂ければ同社がより多くの収益を確保できるし、あなたが助けを必要とした場合にも、より簡単にあなたへのサポートが提供できるようになる。

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Mac OS X 10.7.4、ようやく WebDAV (と iDisk) を修正

  文: Andrew Laurence: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

親愛なる友人たち、Mac ユーザーの皆さん、否定論者の皆さんも、今日私が来ましたのは、iDisk を葬るためではなくて、iDisk を褒め称えるためです。

iDisk を褒め讃える? 本気なのか? この今になって?

もしもあなたが Mac OS X 10.7.4 にアップデートしたのなら、ぜひ iDisk をもう一度試してみて頂きたい。以前よりも、飛躍的に高速になっているから。これでまともに使えるようになった、と言う方が正しいかもしれない。ただし素晴らしく良くなったこの iDisk を使えるのは... MobileMe が閉鎖される、2012 年 6 月 30 日までだ。

何だって? Apple は今になって iDisk を修正したのか? その終焉の前夜だというのに? まさにその通り。10.7.4 のリリースノートには、小さく、けれども重大な意味を持つこんな項目が書かれている:「WebDAV サーバへの接続時のパフォーマンスが改善されました。」このアップデートは、WebDAV ユーザーにとっては大いなる吉報だ。けれども、長年にわたって iDisk に悪態を吐き続けてきた何百万人もの人たちにしてみれば、悲喜こもごもと言わざるを得ない。

iDisk は、2000 年の Macworld Expo で Apple のいわゆる "beyond the box" の iTools の一部として導入されて以来(2000 年 1 月 5 日の記事 "Jobs's Macworld Keynote Unveils Mac-Centric Internet Services" 参照)ほとんど常に冷笑の対象となってきた。iPhoto と iWeb が写真とページのインターネットへの出版を一まとまりの作業に変えてくれた一方で、iDisk だけはフラストレーションが溜まるほど遅いパフォーマンスによってユーザーたちを当惑させた。その後年月を経てバックアップや共有などのサービスがその上に塗り重ねられて追加されたけれども、パフォーマンスに問題がある点は改善されなかった。iDisk をマウントしようとすると Finder が固まってしまうこともあったし、読み込みや書き出しの遅さはスニーカーネットの時代は良かったと思わせるものでさえあった。

Apple のサポート書類“iDisk のパフォーマンスが遅い”は、iDisk が遅くなり得る原因を記録し解明しようと試みた。確かにこの書類が出たことはありがたかったけれども、それでも iDisk は黙って弱点を晒し続け、ユーザーたちをも(見たところ Apple をも)一様に無視し続けた。さらに悪いことには、Dropbox などいくつかのサービスが登場して、クラウドベースのストレージが本当に、本当に見事に働き得ることを実証してしまった。

以上のことを念頭に置けば、皆さんの脳裏には大きな疑問が浮かんでいることだろう。公平なる読者の皆さん、いったいなぜ私はここで iDisk を褒め称えようとしているのかと。実はここが難しいところだ。欠陥は、決して iDisk のクラウドストレージサービスにあったのではなかった。そう、欠陥があったのは、Apple のクライアントソフトウェアの方であった。

Apple はあまりそれに触れたがらなかったが、iDisk は WebDAV プロトコルを実装したものだ。WebDAV は、それを生み出した人たちの言葉によれば「HTTP プロトコルの拡張を集めたものであって、ユーザーたちが遠隔のウェブサーバにある書類を共同作業で編集し管理できるようにするもの」だ。簡単に言えば、どんな WebDAV クライアントもどんな WebDAV サーバにでも接続できて、それを普通通りのファイルサーバとして扱うことができる。多くのウェブサーバは DAV 拡張を走らせており、多くのオーサリングツール (例えば Dreamweaver や Coda) はそれらのサーバ上にあるファイルにアクセスしそれをアップデートできる。

Finder の Go (移動) メニューで iDisk を選ぶと、Finder は mount_webdav と webdavfs を呼び出して iDisk リソースをディスクボリュームとしてマウントする。Mac OS X 10.0 以来、Finder はこのやり方で WebDAV クライアントとして機能してきた。また、iDisk 以外の WebDAV リソースもマウントすることができた。私が働く大学の環境では、長年この機能に依存して、標準ベースの、中央で管理されたファイルサービスを提供するためのメカニズムとして使ってきた。いろいろな大学がいろいろのソフトウェアシステムを用いてこの種のサービスを提供しているが、私の大学の Mac ユーザーたちは長年、これに苦しみ続けるか、それとも Cyberduck、Transmit、Interarchy といったサードパーティのクライアントに慰めを求めるか、どちらかだった。(Windows や Linux のユーザーたちはそれぞれのシステムに内蔵のツールを使っていた。)

2011 年の初めに、カリフォルニア大学 Berkeley 校で働く私の同僚 Ian Crew が、この状況を正そうと思い立った。彼は Finder による WebDAV 使用について、信じられないほど詳細にわたる分析を書いた。パケット数、プロトコルのメトリクス、速度などを計測して、ハイレベルのサポートチケットを Apple に提出した。彼以外にも(私を含め)過去に Finder の WebDAV クライアントについてバグ報告を提出した人たちは多くいたが、Apple 以外には分からない何らかの理由により、Ian のチケットが Apple の注目を得た。アイデアと分析結果が双方向に行き来し、ベンチマーク計測が実施され、最終的に Apple が WebDAV クライアントへの変更をコード化した。 Ian の書いた記事によれば、これらの変更により WebDAV のパフォーマンスがおよそ 2.5 倍に速くなり、WebDAV クライアントがより信頼性をもち、安定して働くようになったという。最終的には、これらの変更が Mac OS X 10.7.4 アップデートに組み込まれた。

そういうことなので、喜べ! iDisk ユーザーたちよ! 2012 年 6 月 30 日までの間、あなたたちは iDisk を、皆がずっと夢見てきた速度と反応性を享受しつつ、使うことができる。iDisk は、パフォーマンスの面で不当な非難を浴び続けてきた。その原因が Mac のクライアント実装方法にあったというのは、実に気の毒なことだ。少なくとも、iDisk 以外も含めて WebDAV を使っている人たちすべてが、今は Ian Crew の努力の恩恵を受けることができる。

[Andrew Laurence はカリフォルニア大学 Irvine 校のサーバ管理者だ。]

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Apple、AirPort Utility に IPv6 サポートを復活

  文: Glenn Fleishman: [email protected], @glennf
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

IPv6 が多くの人からの要求によって AirPort Utility に戻ってきた。これは最近リリースされたバージョンでなされた削除を覆すものである。このインターネットに対する次世代アドレスシステムは、馴染みの IPv4 番号 (192.168.0.1 というパターン) の空のプールを置き換えるもので、インターネットが引き続き機能し続けるために必要なものである。ISP、ネットワークハードウェア提供者、コンテンツサイト、検索エンジン、そしてインターネットのインフラ指針グループの根幹をなすグループは皆同意している。

Internet Society (IETF や RFC の背後にいる人達) は 6 June 2012 に世界的に明確化のための線を引いた。これは、これまでの数年間そうであった様に色々なやり方で IPv6 を試験するためだけではなく、この時点から全てを正式化しそして IPv6 を通常のユーザーによる使用にまで拡大するためである。だからと言って、一般のユーザーが細かいことを気にしなければならない必要はないはずである。

IPv6 は、単に IPv4 がインターネットアクセスを必要とする何十億もの機器をカバーするに必要なアドレスを持っていないために必要となっている - これはもうすでに今日だけでそうなのである。将来は、スマートダストの塵一つ一つが IP アドレスを必要とするようになるのかもしれない。何年もの間 NAT (Network Address Translation) 対応の IPv4 で、その他の数多くの舞台裏でのやり繰りと合わせて、何とかかんとか食いつないできたが、IPv6 の遥かに大きなアドレス容量 (3.4 x 10^38) が唯一の現実的な解である。

IPv6 が標準化されてからもう十年以上になるが、2012 年こそが IPv6 の採用がついに現実になった年である:IPv4 アドレスは基本的には使い尽くされ (その取引はまだ行われているが) そして IPv6 インフラの準備は整ったとは言え、IPv4 と同様の運用上の同等性を現実のものとする現実世界での努力が必要である。たとえ多少の綻びは生じても、IPv6 は前進させられなけばならない。(これがこれ程長くかかったのは、スイッチ(業者)の段階で経済的な見返りは無くコストだけがかかったからである。これは不可避ではあったが、どの組織においても必要資金は誰かの予算から出て来なければならなかった。)

AirPort Utility 6.0 となった大掃除の中で、結果的に Apple が IPv6 サポートを落としてしまったのは、こうしたことを考えるとどうしても合点がいかない;IPv6 サポートは AirPort Utility iOS アプリには最初からなかった。AirPort Utility 6.0 から取り除かれた多くの機能はネットワーク管理者にのみ影響を及ぼすものではあったが、そして彼らの中に Apple Wi-Fi 機器を使っている人はもう殆どいない、IPv6 はずっと広範な影響を及ぼしている。Apple はこれを Mac OS X に何年も前に組込み、iOS では最初から完全にサポートされていた。IPv6 サポートを AirPort Utility から取り除いてしまうということは、新たに構成された AirPort ベースステーションに接続されたブロードバンドモデムは、同じネットワーク上にあるベースステーションや他の機器に IPv6 情報を手渡しできないことを意味する。これは問題である。(iOS アプリと 6.0 の変更に関する更なる詳細については "AirPort Utility 6.0 が iCloud 対応を追加し、多くの機能を削除" 1 February 2012 を参照のこと。)

しかし IPv6 は戻ってきた! 多くの WWDC 発表の後で、ここには AirPort Express Base Station の静かなオーバーホールも含まれる ("AirPort Express、同時デュアルバンドで小型になる " 11 June 2012 参照)、Apple はアップデートされた Mac OS X 及び iOS バージョンの AirPort Utility をリリースした。主たる目的は、新しい AirPort Express の同時デュアルバンドネットワーキングへのサポートを追加するためであった。これは 10.6 Snow Leopard 及び 10.5 Leopard 用の AirPort Utility 5.6.1 に搭載されていた。(全ての 5.x バージョンの AirPort Utility には IPv6 構成は含まれており、5.x バージョンは 2003 年モデルから始まる全てのリリースされている AirPort ベースステーションで引き続き動作する。)

[余談だが、AirPort Utility がサポートするバージョンは 5.5 及び 5.6 リリースで混乱してしまった様に見える。June 2011 に Apple は 10.6 Snow Leopard 及び 10.5 Leopard 用に AirPort Utility 5.5.3 をリリースした。このバージョンは 10.7 Lion の下でも引き続き動作した。その後 30 January 2012 に Apple は AirPort Utility 5.6 for Mac OS X 10.7.2 Lion をリリースしたが、同時に Lion 用だけの AirPort Utility 6.0 もリリースした。まあ、話としては分かる。しかし、この新しい AirPort Utility 5.6.1 には Lion に対するサポートはもはや含まれておらず、10.5.7 から 10.6.8 までのみがサポートバージョンとして示されている。これは極めて紛らわしい。もしこれが正しいならば、既存の AirPort ベースステーションに取り除かれてしまったオプションを取り戻すためには、Lion ユーザーは AirPort Utility 5.6.0 をダウンロードしなければならないことになる。それに、Lion を走らせていて新しい AirPort Express を追加したとすると、AirPort Utility 6.1 又は 5.6.1 が必要となるが、AirPort Utility 6.0 で取り除かれてしまったオプションは完全にアクセス出来なくなってしまう。]

アップデートされた AirPort Utility 6.1 for Lion 及び改訂された AirPort Utility for iOS には、新しい AirPort Express に対するサポートも含まれ、更に Internet ビューには Internet Options のボタンが加えられた。この Internet ビューでは今や IPv6 ベースの DNS サーバーを入力させてくれる。これは IPv6 アドレスに対するドメイン名を解決するために必要である。

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Internet Options ダイアログには Configure IPv6 メニューが含まれており、Link-Local Only (ローカルネットワーク上でのみの使用), Automatically (DHCP 経由で IPv4 アドレスの様に、ブロードバンド接続から取り込む), 或いは Manually (特定のアドレスの入力が必要) からの選択をさせてくれる。

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Link-Local Only 以外に対しては、Native 又は Tunnel の選択が可能である - これらはどの様に IPv6 接続がなされるかを指している。ネイティブ接続はそのネットワーク上の全ての機器に IPv6 サービスを提供する;トンネル接続はルーターで IPv6 トラフィックをカプセル化して包み込みネットワーク上の IPv4 部分を通り抜けさせ、完全にネイティブな IPv6 バックボーンへと手渡す。これは少々技術的過ぎると思うが、あなたが IPv6 を生かそうとして ISP やその他のサービスプロバイダと話す時に役立って欲しいと願うからである。

IPv6 は世界中で一番興味を引く技術ではない。もしあなたがインターネットインフラや IT に関係しているのでなければ、下水エンジニアが流出配管に使われるプラスチックの種類について話しているのを聞いている様なものかもしれない。しかし IPv6 はインターネットが引き続き動作するのを確実にするために必要なものである。情報は流れなければならない!

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AirPort Express、同時デュアルバンドで小型になる

  文: Glenn Fleishman: [email protected], @glennf
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

相次いだ WWDC 発表に続いて、Apple は静かに AirPort Express Base Station に対する大幅な改訂を行った。価格を $99 に据え置いたままその有用性が劇的に向上した。この新しいモデルは同時デュアルバンドに対応するとともに、形状は Apple TV と全く同じ大きさに縮小された:3.9 インチ (98mm) 角 x 0.9 インチ (23mm) 高。(Apple TV の方が少々重い。) 明らかに Apple は、電源アダプタの様な AirPort Express の筐体形状を Apple TV と瓜二つのものに切り替えることで何らかの恩恵を得ようとしている。この二つは重ねられるし、組合せとしても似合いであろう。違いは一つある:Apple TV は黒で AirPort Express は (全ての Apple Wi-Fi 機器の様に) 白である。

また、この新しいモデルはついに Ethernet ポートを二つ持つこととなった:一つは WAN (wide area network) 用で、もう一つは LAN (local area network) 用であるが、以前のモデルでは二重目的のジャックが一つであった。Ethernet ポートはどちらも 10/100 Mbps だけである。これについては後程私の疑義を記す。

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(尋ねられる前に言っておくが、AirPort Utility 6.0 と AirPort Utility for iOS を反映させるため改訂したばかりの "Take Control of Your 802.11n AirPort Network, Third Edition" を大幅にアップデートする必要はないと思っている;"改訂版 "Take Control of Your 802.11n AirPort Network"" 24 May 2012 参照。 AirPort Extreme に対する進言全てが、USB 経由で周辺機器を接続することを例外として、この AirPort Express にも当てはまる。)

AirPort の歴史 -- Apple は元々 AirPort Express を 2003 年に AirPort Extreme Base Station に対するより安価な、携帯型の選択肢、そしてその延長製品として導入した。AirPort Extreme は何十人もの同時ユーザーに対応でき、その到達範囲も広かった。AirPort Express の方は 10 人迄であり、旅に持って行ける程小さいが、その到達範囲は AirPort Extreme よりもかなり制限されたものであった。折り畳みのプラグが付いているのでコンセントに直接差し込むこともできるし、或いはまた長い電源コードを接続出来る $39 のオーディオ/延長キットを買うこともできた。

しかしながら、AirPort Express には三つの固有の機能があった。最初に、それにはオーディオ出力ジャックが付いていて (そして今でも付いている)、アナログとデジタル光学 (TOSLINK) の能力を持ち合わせていた。このオーディオジャックは iTunes から音楽をストリームし、当時は AirTunes (オーディオのみ) と呼ばれるものを使っていたが、今では AirPlay (こちらはオーディオとビデオの両方を扱う) の一部となっている。二番目は、AirPort Express には USB ポートが一つあり、そこにプリンタをつないでローカルネットワーク全体で共有することができた。三番目は、あまりよく知られていず、そして使われ方もより少ない機能で、Ethernet やオーディオストリーミングのためにネットワークを延長させるべく AirPort Express を Wi-Fi アダプタの様にして使うオプションである。この機能はどうも AirPort Utility 6.0 から除外されたようだ。

2007 年に AirPort Extreme は 802.11n サポートを手にした。これは一連の Wi-Fi アップデートの中の最も新しいクラスである;そして一年後、Time Capsule が 802.11n を搭載して登場した。どちらも 802.11n で 2.4 GHz 又はより使用頻度の少ない 5 GHz バンドのどちらかを利用出来た。802.11n は両方の周波数域をサポートしているが、バンド間での切り替えにはベースステーションを再起動する必要があった。更に両者とも最初から USB を持っており、ハードドライブ又はプリンタを接続する、或いは USB ハブを取り付けそれに複数の機器やプリンタを接続するオプションがあった。2008 年に Apple は AirPort Express をアップデートし単一バンド 802.11n をサポートするようにしたが、USB は一台のプリンタしか使えないという制限を持ったままであった。

2009 年に AirPort Extreme と Time Capsule は更に大きく前進した:同時デュアルバンドのサポートである。これでバンドを選択したり、或いは 2.4 GHz の 802.11b や 802.11g しか使えないより古い機器、又は全ての iPhone や iPod touch の様に 802.11n でも 2.4 GHz しかサポートしないより新しい機器をサポートするため、複数のベースステーションを購入する必要もなくなった。(2006 年以降にリリースされた全ての iPad モデルと全ての Mac はどちらのバンドでも動作する。)

AirPort Express は勢いを無くした。値段は $99 で、$179 の AirPort Extreme や Time Capsule (こちらはドライブの大きさによって $299 か $499 だが、そしてその大きさは導入当時から二回アップグレードされている) よりも安かった。しかし、その小ぶりな大きさとオーディオ出力能力、そして家庭や事務所のなかなか手の届きにくい場所へも Wi-Fi を延長できるということで、今でもそれなりの使い道がある。私は、TidBITS の読者や私の Take Control 本の所有者から殆ど毎週の様に、ネットワークを延長したりオーディオをストリームするには AirPort Express をどの様に使えばいいのかについての質問を受ける。

現在に戻る -- このアップデートでは、無線の向上に加えて二つの変更がなされている。最初は、二つの Ethernet ポート、一つは WAN 用そしてもう一つは LAN 用、への切り替えで、AirPort Express を Ethernet/Wi-Fi 混合ネットワークの単独ベースステーションとして使うことが可能になる。次は、一体型の代わりに (昨年廃止になったキットを購入していない限り)、平型で小ぶりの外部電源コードを持つことで、家で或いは旅の途中で AirPort Express の置き場所を決めるのがより簡単になった。

この改訂された AirPort Express に関する私の唯一の不満は、折角 WAN と LAN 用に別々のポートを持つようになったのに、引き続き 10/100 Mbps Ethernet を使っている事である。この時代遅れの標準は Apple TV にも見られるが、ビデオをストリームするには 100 Mbps もいらないので、こちらは理解できる。

表向きは、そしてテストすることも可能だが、Apple はワイヤレス間接続で速度制限をしていない。つまり、2.4 と 5 GHz で機器間では、どちらのバンドを使おうとも生で 75 Mbps 及び 300 Mbps の帯域全部を使えるはずである (実際のスループットはそれぞれ 30-40 Mbps と 100-150 Mbps に近い)。同様に、安価なギガビット Ethernet スイッチを AirPort Express の LAN ポートに差して、有線接続機器間ではギガビットのスループットを使える様にもできる。この制限で影響を受けるのは、インターネットへのスループットが 100 Mbps を超えるような極めて稀な人々、そしてワイヤレスから Ethernet へのクロスオーバーを使って、有線接続 Ethernet とワイヤレス Wi-Fi 機器間で沢山のデータ転送をしょっちゅう行う人ぐらいであろう。

このアップデートされたユニットを試験しないでも、私にはこれが大ヒットになる確信がある。対象は、$179 は高すぎると思える人、他のメーカーからもっと安いルーターを買おうと思っていた人、或いは友人や親戚のために安価で手のかからない AirPort ベースステーションを買ってそして設置することを考えている人である。この Ethernet ポートの改良と実効的な値下げで、設置と設定の容易さ、そして Apple のもの全てがサポートされるという安心感のために、Apple の傘の下に留まることが可能となる。

私には将来の Apple TV と AirPort Express の統合が目に見える。これは AirPort Express に HDMI ポートを追加し、ビデオストリーミングとワイヤレスルーティングを同時にこなすのに A5 プロセッサを使うことで可能になる。この二つは同じフォームファクタを使いそして消費者電子機器に接続される;この二つの統合は、Time Capsule のバックアップ機器とベースステーションの組み合わせの様に理屈に合う。

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2012 年のウェブブラウザで PDF を飼い馴らす

  文: Steve McCabe: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Adobe の Portable Document Format (PDF) は、1993 年に Adobe が始め、現在はオープンな ISO 規格となっているが、ウェブ経由で共有される書類のための事実上の標準フォーマットという地位を長らく保ってきた。無料のアプリケーション Adobe Reader と、Apple が Mac OS X に Preview を含めたこととのお陰で、誰もがウェブサイトでたまたま出会った PDF を開くことができる。でも、そういう PDF をわざわざまずダウンロードして、次に Preview あるいは Adobe Reader で開き、あとで Downloads フォルダに残ったファイルを処理する、などという手間をかけずに、普通のウェブページと同様に手早く PDF を読んで次に進むようにしたい場合はどうすればいいのだろうか?

Mac には、ウェブベースの PDF に対するサポートが最初から組み込まれている。Safari はもう何年も前からずっと、PDF をネイティブにレンダリングしてきた。ますます人気を得つつある Google のウェブブラウザ Chrome もネイティブに PDF に対応している。でも、Mac 用ブラウザのビッグスリーの残りの一つ、Firefox は以前から PDF の表示に問題があり、ユーザーたちはやむなく PDF ファイルをダウンロードして Preview か Adobe Reader で読まざるを得なかった。折に触れて、やたらにたくさんのプラグインが Firefox で内部的に PDF を表示できるようにしてはきたけれども、その多くは現われてはやがて消え行くという具合で、Firefox ユーザーたちは多過ぎるオプションに混乱したまま取り残されてしまった。

このような現状が、Adobe Reader 10.1.3 の登場により大きく揺らいだ。アプリケーションとブラウザプラグインがバンドルになった、Adobe による無料の製品だ。しかしながら、Adobe Reader PDF プラグインをインストールすると、さまざまの点でブラウザの挙動に影響が出てしまうことがある。それならば、これを機会に、あなたがお使いのブラウザの中で PDF をどのように扱えるか、何ができないか、何をする方法を知りたいか、といったことについて概観してみるのも悪くないだろう。

Safari -- Apple の Safari は PDF ファイルを普通のウェブページと同じものであるかのようにして表示できる機能を長年サポートしてきた。.pdf で終わるリンクをクリックすれば、リンク先のファイルが既存のブラウザウィンドウの中に現われ、その際特に設定などをしておく必要もない。その PDF をハードディスクに保存したければ、そのための方法がいくつかある:

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あともう一つ、Safari に強制的に PDF をダウンロードさせるための、もっと永続的な方法がある。Safari がデフォルトでダウンロードをするようにしたいのならば、コマンドラインを使う必要がある。まず Safari を終了させてから、次の一行をコピーして Terminal にペーストし、Return を押す:

defaults write com.apple.Safari WebKitOmitPDFSupport -bool YES

このやり方の欠点は、インラインのレンダリングが完全に無効となってしまうことだ。それを取り戻すには、Terminal で次のコマンドを使う:

defaults write com.apple.Safari WebKitOmitPDFSupport -bool NO

いったん PDF を Safari で開いた後は、Safari のウィンドウのどこででも Control-クリックすることでほんの少数だがオプションが使えるようになる。テキストを選択してコピーできるし、ズームイン・ズームアウトもできる。また、1ページ表示と2ページ表示の切り替えも、一度にも、連続的にスクロールしながらでもできる。検索もできるし、内部リンクやウェブリンクもすべてホットだ。ただし Safari はブックマークを表示することができない。そしてもちろん、File > Print を使えば PDF を印刷できる。

Chrome -- Chrome の PDF 処理は、Safari のものとよく似ている。インラインの PDF レンダリングがデフォルトで有効になっており、コンテクストメニューか、リンクの Option-クリックで、PDF リンクをディスクに保存できる。いったん PDF が Chrome ウィンドウにロードされた後は、もう一つのコンテクストメニューを使うか、あるいはウィンドウの右下隅にポインタを動かせば現われるフロッピーディスクアイコンをクリックするかして保存できる。

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けれども Safari と違って、インラインのレンダリングを完全に無効とするオプションへのアクセスは簡単だ。Chrome のアドレスバーに chrome://plugins/ とタイプして Return を押せば、プラグインのリストが表示される。そこで単に "Chrome PDF Viewer" のところにある Disable リンクをクリックするだけで、Chrome は .pdf リンクを(ページを表示するのでなく)ファイルをダウンロードすべきものとして扱うようになる。それからこれも Safari より優れている点だが、この設定を切り替えるために再起動は必要ない。

Safari と同様に、Chrome の中で PDF に対してできることはあまり多くない。ズームイン・ズームアウトをしたり、テキストを選択してコピーしたり、PDF を印刷したり、テキストを検索したり、それから、これは独特だが、表示を回転させることもできる。内部および外部のリンクも働くが、ここでもブックマークは表示されない。

Firefox -- Firefox はいろいろと違ったことをする。Mozilla Foundation で働く善き人たちは、ネイティブな PDF サポートは必要ない、と明確に決断した。そこで、PDF ファイルへのリンクをクリックすると、ダイアログが表示されて「このファイルに対して Firefox は何をすべきですか?」と尋ねてくる。Firefox はそのファイルを Preview に(あるいはあなたがデフォルトの PDF プログラムと設定したものに)開かせることもできるし、ファイルをディスクに保存することもできる。でも、Firefox はそのファイルをブラウザのウィンドウの中に表示することはできない。

過去には Firefox の中で PDF ブラウズを有効にするさまざまなプラグインが存在していたけれども、それらはエレガントでないインターフェイスのためにつまずくか、あるいは Firefox のアップデートとの互換性を保つことができなくなるか、いずれかの運命を辿った。

Schubert|it の PDF Browser Plugin における互換性の問題は一進一退を長年繰り返してきた。現在のところこれは Firefox 12 で動作するようだが、たとえ動作したとしても、その機能は最小限だ。テキストを選択することができないからだ。商用目的の利用に $69 もするプラグインとしては、驚くべき機能欠落と言えるだろう。ただし個人用、教育用の利用は無料だ。(興味深いことに、Schubert|it の PDF Browser Plugin は Safari や Chrome でも PDF レンダリングを引き受けることができる。ただしそんなことを望む人がいるかもしれない理由があるとはあまり思えないが。動作も遅いし、全般的に機能が少ないからだ。)

Nitro PDF Software の PDF Download は、見た目はなかなか良さそうで、どんな .pdf リンクについても保存したり、インラインで開いたり、HTML として開いたりするオプションを提供しているけれども、まともに実行できない。HTML オプションが生成するページは元の書類とほんのうわべだけ似ているに過ぎないし、この「インライン」なるオプションは実際には PDF を画像に変換するというものなので、結果はいずれもいい加減なもので、表示されるのも遅い。どう見ても、もっとしっかりしたものでなければ使えない。

最後にもう一つ、 PDF Viewer というものがある。この Firefox アドオンは、Mozilla のサポートサイトによれば「新しい革新的な拡張で、ウェブ標準のテクノロジーを利用しており、ウェブ上にあるほとんどあらゆる PDF ファイルをプラグインなしで Firefox 内部に表示できるようにする」という。ここで革新的と言えるのは PDF ファイルを表示するブラウザの機能ではなくて、この PDF Viewer がプラグインでなく HTML5 と JavaScript に依存して働くという点だ。(だからと言ってこれは必ずしもユーザーが気付くような点ではないが。)PDF Viewer は、PDF ファイルを表示することに関しては結構うまく働くようで、Safari や Chrome と同じ機能の多くを提供する。例えばテキストの選択、ズーム、検索、それから PDF をディスクに保存するボタンもある。けれども最も注目すべきは、ページのサムネイルまたは PDF ブックマークを表示できるサイドバーを出せるオプションがあることだ。

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欠けているのは、印刷のサポートだ。(その代わりにまずダウンロードしてから Preview で印刷することになる。)けれども一番の欠陥は、動作が遅いことだ。最初に書類をロードするのも遅いし、時にはロードが終わった後にさえページ表示が遅くなることもある。私のウェブサイトにある1ページのチラシのような短い書類は問題なくロードできるけれども、長い書類、例えば Apple の製品マニュアル のようなものはかなり遅い。けれどもどうにも使えないほどではない。公平を期して言えば、 Mozilla のサポートサイト にはこのプラグインがまだベータ版であると明記してある。

Adobe Reader: これ一つですべてがカバーできる? -- 理論上は、Adobe Reader 10.1.3 のブラウザプラグインさえあれば統一的かつ首尾一貫したやり方でこれら三つの人気あるブラウザのすべてで PDF とやり取りができるはずだ。けれども残念ながら、Adobe Reader プラグインは Safari の中では宣伝通りに動作するが、Chrome の中では全く働かず、Firefox の中では場合によって働いたり働かなかったりする。

Adobe Reader プラグインをインストールすると、Safari に内蔵された Apple の PDF レンダリング機能が無効になり、Terminal を使ってインラインの PDF 表示をオフにする機能も利かなくなる。幸いなことに、Safari 内蔵の PDF 機能の方が好きだと思えば、ただプラグインを削除するだけでよく、それには次の二つのファイルを削除すればよい。(管理者パスワードが必要)

/Library/Internet Plug-Ins/AdobePDFViewer.plugin
/Library/Internet Plug-Ins/AdobePDFViewerNPAPI.plugin

Adobe Reader のプラグインはかなり奇妙なやり方で Chrome とやり取りする。Chrome が示すプラグインのリストには Adobe Reader プラグインが使えると表示されるが、もしもあなたが Chrome 自身の PDF レンダリングを無効にして Adobe のプラグインを有効にしてから、PDF を表示させようとしても、ただ真っ黒なスクリーンが出てそこに「プラグインをロードできません」という小さなメッセージに迎えられるのみだ。要するに、Adobe Reader プラグインは実際 Chrome ユーザーのために何もしてくれない。

そこで私たちは Firefox に立ち戻る。いつも通りの気まぐれで予想し難い流儀でだが、Firefox は Adobe Reader プラグインとうまく動作する。ただしそれは、動作しない場合を除いての話だ。バージョン 3 を含む旧バージョンの Firefox では、Adobe Reader はうまく動作した。けれども Firefox 12 と Adobe Reader 10.1.3 との組み合わせには重大な欠陥が存在していて、.pdf リンクをクリックすると Firefox が空白の画面のみを表示するようになる。このバグは、Mozilla のウェブサイトにあるブログ記事によれば、大多数のユーザーに影響を与えるという。それだけでは十分でないとでも言いたげに、これは 32-bit モードで走る Mac でクラッシュを起こす。私が Mac OS X 10.7.3 Lion の走る最近の機種の MacBook Pro でテストしたところでは、空白のページで長い時間を過ごし、PDF が正しく表示されることは一度もなかったが、クラッシュは一度も経験しなかった。しかしながら Adam Engst はどうやら私の持ち合わせていない力を秘めているらしく、彼のところでは Firefox は何の問題もなく PDF を Mac OS X 10.6.8 Snow Leopard の走る彼の 2008 Mac Pro で見事に表示できたということだった。

互換性がこれほど変な具合になっているのは残念なことだ。Adobe Reader プラグインは Safari や Chrome に内蔵のオプションに比べて(特にロード時に)動作が遅いように感じられるけれども、より多くの機能を提供してくれるからだ。Adobe Reader のフローティングツールバーにある筆記体の A のロゴをクリックすれば、フルの Adobe Reader アプリケーションにあるものとほぼ同じコントロールが現われる。サイドバーにはページのサムネイル、ブックマーク、添付ファイル、検索結果が表示される。特定のページにジャンプするのも簡単で、厳密なズームのオプションも提供され、ページ全体を表示するためのボタンや、ページ幅一杯にズームするためのボタンもある。(Chrome にも同様のショートカットボタンがある。)また、書類を回転したり、書類のプロパティを見たり、ページの表示オプションを調整したりもできる。右側のサイドバーには PDF を作成したり変換したりするツールへのアクセスが提供されるが、それらを使うためには Adobe の有料アカウントが必要となる。また、このサイドバーには署名やコメントを付けるためのツールもあるが、私が試したところこれらも動作しなかった。

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まとめると、Adobe Reader プラグインは何となく奇妙な野獣という感じがする。つまり、内蔵の PDF レンダラーや Firefox の PDF Viewer よりも機能が充実しているけれども、Adobe Reader のすべてをウェブブラウザのウィンドウの中へ押し込もうとしたせいか、動作も少し遅く、ぎこちない気がする。すべての機能が欲しいのならば、単に PDF をダウンロードしてから、フル機能の Adobe Reader を使って開くのが最良の方法かもしれない。

お勧めは -- PDF は統一化のためのテクノロジーとなることを目的としているのであって、さまざまのプラットフォームを通じて首尾一貫したレイアウト挙動を提供しようとしているのだから、オンラインの PDF ファイルに対してブラウザによってこれほど一貫性なく、扱いもばらばらなのは皮肉なことだ。幸いにも、それはユーザーにとって選択肢やオプションがいろいろあるということでもある。では、そこでどのような選択をすべきなのだろうか?

ますます増えつつある Chrome ユーザーにとっては、選択の余地はない。内蔵のレンダラーが唯一使えるものだが、これは決して悪くはない。Firefox ユーザーは、運の良い日には、もう少し選択の余地がある。PDF Viewer は、時折パフォーマンスの問題はあるけれども、きちんと動作し、便利な PDF 表示ツールだ。PDF Viewer に欠けている部分は、現在開発中ということになっているが、やはり依然としてその点が Adobe と Mozilla の提携関係におけるアキレスのかかとのようだ。だから、現在のところは PDF Viewer が Firefox ユーザーにとって最善の PDF レンダラーと言わざるを得ない。もしも Adobe がこの問題を改善してくれれば、考え直すこともできるだろうが、この記事を書いている時点では、私としては Firefox で Adobe Reader を使うのをお勧めすることはできない。

そこでやっぱり私たちは Safari に戻ってくることになる。三つの中で、最も PDF にフレンドリーなのは間違いなく Safari だ。内蔵のサポートは強力だが、それに加えて Apple のレンダラーと Adobe のレンダラーを(あまりエレガントとは言えない方法ながら)選択できるのはさらなるボーナスだ。ウェブの中で時折 PDF を見ては次に進むという人たちには、Safari の内蔵 PDF レンダラーで十分だろう。けれどももっと頻繁に PDF を使うという人たちに対しては、Adobe Reader が機能面で一歩先んじている。Adobe 自身が作り出したこの PDF というフォーマットに対して、Adobe Reader (と Acrobat Pro) が常に Mac OS X の Preview よりもはるかに広範囲にわたるサポートを提供してきたことを考えれば、それは全然驚くにはあたらないことと言える。

あとは、Adobe がこのプラグインを Chrome や Firefox でもきちんと動くようにしてくれさえすれば、統一的なお勧めをすることができるだろうに。

(この記事のために追加情報を提供してくれた Roger Cohen に感謝したい。)

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2012 年 6 月 18 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iMovie '11 9.0.6 -- Apple が iMovie "11 9.0.6 をリリースした。今回のアップデートは主として、リリースされたばかりの Retina ディスプレイ搭載 MacBook Pro の解像度 (正確に言えば 2880 × 1800 ピクセル) を処理できるようこのビデオ編集アプリをアップグレードするためのものだ。Jeff Carlson は Twitter で、アプリのサイズが 438 MB から一気に 1.2 GB 以上にまで膨れ上がったことを指摘した。(ただし Apple のサポートページにはダウンロードサイズが 1.01 GB だと記されている。)ディスプレイに関する拡張の他に、このアップデートではカタロニア語、クロアチア語、チェコ語、ギリシャ語、ハンガリー語、ルーマニア語、スロバキア語、タイ語、トルコ語、ウクライナ語のサポートが追加された。注意すべきは iMovie 9.0.6 が Mac OS X 10.7.4 Lion を要するようになったことで、10.6 Snow Leopard を走らせているユーザーはこれらの変更を享受できない。( Mac App Store から新規購入 $14.99、ソフトウェア・アップデートまたは Mac App Store から無料アップデート、ソフトウェア・アップデートから 1.08 GB、Mac App Store から 1.26 GB)

iMovie '11 9.0.6 へのコメントリンク:

MacBook Pro (Mid 2012) Software Update 1.0 -- 新しい石板を装備した MacBook Pro をお披露目してからたった一日後、Apple はすべての新機種を対象に MacBook Pro (Mid 2012) Software Update 1.0 をリリースした。つまり、新しい MacBook Pro ならば 15.4 インチの Retina Display 機種も、Retina なしの 13 インチおよび 15 インチ機種も、すべてが対象となる。(2012 年 6 月 11 日の記事“新型 MacBook Pro、Retina ディスプレイ、フラッシュメモリを搭載”参照。)Apple によれば、このアップデートはグラフィックスの安定性の改善、外部ディスプレイのサポート、および USB 3 デバイスのサポートに関する修正を含んでいるという。(無料、1.06 GB)

MacBook Pro (Mid 2012) Software Update 1.0 へのコメントリンク:

MacBook Air (Mid 2012) Software Update 1.0 -- Apple が MacBook Air (Mid 2012) Software Update 1.0 を、リリースしたばかりの新しい MacBook Air シリーズ(2012 年 6 月 11 日の記事“MacBook Air、USB 3.0, より高速のプロセッサを加える”参照)のためにリリースした。このアップデートはグラフィックスの安定性の改善、フラッシュメモリのパフォーマンス、および外部ディスプレイのサポートに関する修正を含んでいるという。(無料、1.06 GB)

>MacBook Air (Mid 2012) Software Update 1.0 へのコメントリンク:

MacBook Pro (Retina) Trackpad Update 1.0 -- Apple が MacBook Pro (Retina) Trackpad Update 1.0 を、リリースされたばかりの Retina ディスプレイ搭載 MacBook Pro のためにリリースして、トラックパッドの反応性に影響を与えていた問題点に対処した。(2012 年 6 月 11 日の記事“新型 MacBook Pro、Retina ディスプレイ、フラッシュメモリを搭載”参照。)アップデータはあなたの Applications フォルダの中にある Utilities フォルダにインストールされ、自動的に起動される。(無料、1.26 MB)

MacBook Pro (Retina) Trackpad Update 1.0 へのコメントリンク:

Java for OS X Lion 2012-004 と Java for Mac OS X 10.6 Update 9 -- セキュリティの改善を約束しつつ、Apple は二つの Java アップデートをリリースした。Java for OS X Lion 2012-004Java for Mac OS X 10.6 Update 9 だ。いずれのアップデートも、長期間にわたってアプレットが一度も動作していなければ Java プラグインを無効にする。ただしウェブページで "Inactive plug-in" と記された領域をクリックすることで、再度 Java を有効に戻すこともできる。Lion ユーザーには、前回のアップデート (Java for OS X Lion 2012-003) がインストールされていない場合、このアップデートがプラグインを自動的に無効にする。Mac OS X 10.7 Lion 用と 10.6 Snow Leopard 用の双方のリリースとも Java SE をバージョン 1.6.0_33 にアップデートするが、これにより (Apple のセキュリティ要約文によれば) 信頼されていない Java アプレットが現在のユーザの権限を使って任意のコードを実行してしまうことから Mac が保護されるはずだという。いずれのアップデートも、ソフトウェア・アップデートからも直接ダウンロードでも入手できる。Apple はいずれのアップデートについてもインストールの際にすべてのウェブブラウザと Java アプリケーションをあらかじめ終了しておくよう注意喚起をしている。(無料、64.07 MB と 76.34 MB)

Java for OS X Lion 2012-004 と Java for Mac OS X 10.6 Update 9 へのコメントリンク:

Aperture 3.3 -- Aperture 3.3 のリリースをもって、Apple は同社のプロフェッショナル向け写真オーガナイザおよびエディタを、新しい統合ライブラリを通じて iPhoto '11 とより緊密に結び付けた。いちいち手で読み込んだり書き出したりせずとも同じ画像に Aperture と iPhoto 双方からアクセスできるようになり、人々、撮影地、スライドショー、アルバムが両方のアプリで共有されるようになる。Aperture 3.3 はまた新しい Retina ディスプレイ搭載 MacBook Pro に最適化された。(2012 年 6 月 11 日の記事“新型 MacBook Pro、Retina ディスプレイ、フラッシュメモリを搭載”参照。)またこのアップデートでは数多くの新機能も追加され、AVCHD ビデオのサポート、White Balance ツールに追加された Skin Tone および Natural Gray モード、改善された Highlights & Shadows ツール、Adjustments パネル上に追加された Auto Enhance ボタンなどが主なものだ。ユーザーインターフェイスも調整を受け、新しい手動オプションを使ってドラッグ&ドロップで Projects ビューでのソート順をカスタマイズできるようになり、ソースリストでアカウントを選択すると Facebook、Flickr、および MobileMe のアルバムがサムネールで表示されるようになり、また用語がいくつか変更を受けた。("Master" が "Original" に、"Metadata" が "Info" に変わる。)注意すべきは Aperture 3.3 が Mac OS X 10.7.4 を要するようになったことで、10.6 Snow Leopard を走らせているユーザーはこれらの変更を享受できない。(Mac App Store から新規購入 $79.99、無料アップデート、528 MB)

perture 3.3 へのコメントリンク:

iPhoto '11 9.3 -- Apple が iPhoto '11 9.3 をリリースした。コンシューマ向けのこの写真管理アプリと、よりプロフェッショナル向けに作られた Aperture との間に、新しい統合ライブラリを通じたより緊密な統合をもたらすためだ。(2012 年 6 月 12 日の記事“Aperture 3.3”参照。)ライブラリを iPhoto と Aperture で共有できるので、人々、撮影地、スライドショー、アルバムも共有されるようになる。またこのアップデートでは AVCHD ビデオフォーマットのサポート、GPS 位置情報データが埋め込まれたファイルを書き出す際のキーワードとタイトルの書き出し、写真の Magnify (1 枚表示) モード時におけるフラグ付け機能、説明フィールドにテキストを入力する際フィールドを自動的に拡大する機能などが追加された。また、新しい書き出しオプションで、書き出す写真をイベントごとに自動的にサブフォルダに整理できるようになった。注意すべきは iPhoto 9.3 が Mac OS X 10.7.4 を要するようになったことで、10.6 Snow Leopard を走らせているユーザーはこれらの変更を享受できない。iPhoto 5 やそれ以前からアップグレードしたいという人たちがまだいる場合に備えて、Apple はiPhoto Library Upgraderツールもリリースした。これは Lion のみで動作する。(Mac App Store から新規購入 $14.99、ソフトウェア・アップデートまたは Mac App Store から無料アップデート、ソフトウェア・アップデートから 630.4 MB、Apple のサポートページから 599.65 MB)

iPhoto '11 9.3 へのコメントリンク:

iTunes 10.6.3 -- Apple が iTunes 10.6.3 をリリースした。公式リリースが間近に迫った Apple の次期メジャーオペレーティングシステムとの互換性を追加するための、メンテナンス・アップデートだ。(2012 年 6 月 11 日の記事“OS X 10.8 Mountain Lion、2012 年 7 月に出荷”参照。)また、それ以外にもいくつかの問題点を修正している。デバイス上のアプリや、デバイス上で作られたプレイリストが突然削除される問題、デバイスに同期された写真が予期しない順番で表示される問題、それから iBooks 教科書を含んだ第1世代 iPad と同期した際に iTunes が応答しなくなる問題が修正された。(無料、ソフトウェア・アップデート経由で 176.9 MB)

iTunes 10.6.3 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2012 年 6 月 18 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

先週も間違いなくたくさんのことが起こっていたはずだが、WWDC で疲労困憊した上に、TidBITS Presents: Adieu MobileMe イベントもあって、私たちの目に飛び込んできたのは Tim Cook がプロフェッショナル向けの新しい Mac を約束したという Macworld 記事だけだった。

Cook が 2013 年に新しいプロフェッショナル向け Mac を出すと約束 -- 先週のリリースで迫力に欠ける Mac Pro アップデートしかリリースされなかったこと(2012 年 6 月 11 日の記事“Mac Pro、ちょっぴりの速度向上のみ、Thunderbolt も USB 3.0 もなし”参照)に関する顧客からの質問に答えて、Apple CEO の Tim Cook は返信の電子メールで Apple が実際このプロフェッショナル向けタワー Mac に対するもっと大幅なアップデートを開発中だと述べた。Cook によれば「今日のイベントでは新しい Mac Pro について述べる機会がありませんでしたが、私たちは来年には何か本当に素晴らしいものをお届けできるよう開発中ですのでご心配には及びません」とのことだ。このメッセージが実際に Cook 本人によるものであったことを、Macworld は Apple に問い合わせて確認済みだ。

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