TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1159/04-Feb-2013

先週の Macworld/iWorld トレードショウに登場したクールな新製品をまずはいくつか紹介したい。それから Adam Engst が、Apple の直面する真の問題点について考察する。それは、多くの報道の関心が集中しているようなものとは違った点だ。Adam はまた Apple が新機種の 128 GB iPad においてプロフェッショナルのユーザー層を重視したことの背後に何があるかを検討する。最後に、Joe Kissell が ioSafe Solo G3 ハードドライブについて議論する。これは、防水・防火・盗難予防の機能を備えた上に、万一ダメージを受けた場合に備えて無料のデータ復旧サービスまで付いている。問題はそれだけの価値があるかどうかだ。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Java for Mac OS X 10.6 アップデート 12、MacBook, MacBook Pro および MacBook Air 用 SMC ファームウェア・アップデート、それに Microsoft Office 2011 14.30 だ。

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Apple、新 128 GB iPad で職業的ユーザーを狙う

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
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  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

iPad を仕事に使うという新しく見つけたテーマに沿って、Apple は 128 GB バージョンの第四世代 iPad を発表した。この新しいモデルの値段は $799 が Wi-Fi モデルに対して、そして $929 が Wi-Fi + Cellular モデルに対してである。そして、5 February 2013 に通常の場所で入手可となる。

ハードウェアレベルで言うと、128 GB iPad は説明が簡単で、64 GB モデルのストレージ容量を単に二倍にしただけのものである。しかしながら、Apple のプレスリリースで私の目を引いたのは、同社がメディア蓄積を強調するのではなく、このより大容量のモデルをビジネス用途に使うことを強調していたことであった。このプレスリリースは、Apple の Worldwide Marketing 担当のシニアバイスプレジデント Phil Schiller からの引用で始まっている。

1億2,000万台以上を数える iPad の累計販売台数から、世界中のお客様がiPad を楽しみ、毎日の仕事、学習、遊びに、これまで使ってきた PC よりもむしろ、iPad を活用すべき多くの理由に気づいているのは明らかです。さらに、2倍のストレージ容量と 30万本以上もの iPad 専用アプリケーションから選べるという圧倒的なセレクションにより、企業ユーザや、教育関係者、アーティストの方々がビジネスそしてプライベートのあらゆる場面で iPad を使うべきさらに数多くの理由を見出されることでしょう。

iPad 活用の最初のリストの中での "仕事" の位置に、そして最後の顧客ニーズにおける "ビジネス" の位置にご注目を。これまでの iPad 発表に関するプレスリリースを見返しても、ビジネスとか職業目的の利用についての言及は一言も見つからない。

このプレスリリースは、iPad のビジネス利用を促し、そしてある種の職業的活動には相応のストレージ空間が必要であると訴えている:

iPad は、ほぼすべての Fortune 500 企業と、現在 iPad を導入または試験的に利用している 85% の Global 500 企業のビジネスに大きな影響を与え続けています。3D CAD ファイル、X 線画像、映画編集、音楽トラック、プロジェクト設計図、トレーニングビデオ、サービスマニュアルといった膨大なデータを日常的に扱う企業では、より豊富になった iPad のストレージオプションから得られる利益は計り知れません。1,000万人以上の iWork(R) ユーザのほかにも、スポーツチームの映像を分析してデジタル版プレイブックを作成する Global Apptitude、驚異の 48 トラックのレコーディグシステムを実現した Auria、建築および工学図面の作図に欠かせない AutoCAD など、その他の素晴らしいアプリケーションを活用するユーザもまた、ストレージ容量が増えた iPad を選択することで大いに恩恵が得られます。

この要点を十分納得させるため、プレスリリースは三節を費やして Autodesk (CAD), WaveMachine Labs (マルチトラックレコーディングと編集), そして Global Apptitude (フットボールプレイブックソフトウェア) からの経営者の言葉を引用している。

言うまでもなく、Apple はこれまでも iPad は仕事にも使えることは認めてきたが、これはその事実をこれまでで一番強調したものである - ひょっとすると、 Joe Kissell の "Take Control Live: Working with Your iPad" プレゼンテーションには、Apple がそれを今や売り込んでいることもあって、より多くの人が申し込んでくるのではと思っている。

また興味を引くのは、この発表が概してストレージ空間を強調して表現されている事である。と言うのも、一方で巨大なファイルサイズを必要とする職業的ニーズの例もあるが (CAD, オーディオ録音及び編集、そしてビデオプレイバック、そしてその他多数!)、他方で、職業的分野には iPad が前から優れていた所 (使い易さ、セキュリティ、安定性、バックアップ、アップデートの容易さ) 或いは全くうまく扱えて来なかった所 (テキスト入力と操作、ドキュメントの扱い、アプリ間の通信、等々) が沢山ある。我々も Apple が今後これらの鍵となる職業的特性の幾つかを将来バージョンの iOS に取り込めるのか注意深く見守っていきたい。

しかし、私の真の疑問は、Apple が職業的 iPad ユーザーに、ソフトウェアアップデート、ドキュメンテーション、リリースノート、そしてテックサポートの観点において、彼らが受けるにふさわしい種類の敬意を払おうとしているかどうかである。確かに、人々は色々な所で iPad をビジネス用途に使い始めているが、我々が最近出くわした例の様に ("Pages 4.3 対 BBEdit 10.5: Apple はこんなにユーザーへの配慮が不足" 26 January 2013)、iPad 上で今仕事がやれているからと言って、Charlie Brown よ、Apple が将来お前からフットボールを取り上げてしまわないとは言えないのだぞ。

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Macworld/iWorld 2013 のクールな製品: パート 1

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

ニューヨーク市でコンサルタントをしている私の友人 Ivan Drucker が、サンフランシスコの Macworld/iWorld 2013 初日の朝食の席で興味深い質問を提起した。「もしも既に例年存在しているのでなかったら、はたして Macworld は存在しただろうか?」ユニオン広場のとてつもなく強引な物乞いたちの横を歩きながら私たちが出した結論はノーだった。伝統的なトレードショウはもはや無名を脱するための主たる解決法ではなくなり、製品を市場に売り出したいと思っている会社は今や他にも多くの方法でそれができるようになったのだと。

それから二日後、もう一人の友人 Chris Bastian、彼はニューヨーク市のユーザーグループ MetroMac の代表をしているが(ニューヨーク市民に会うためにサンフランシスコに行く必要があるのか?)こんな風に状況を説明した。以前には、Macworld は基本的に三つの目的に適っていた: Mac ギークたちが最新最高のものを探し回るオモチャ屋と、一年に一度 Steve Jobs のキーノートに接して宗教的感覚を新たにする昔風の伝道集会と、毎年友人たちに会って情報交換できるサマーキャンプだ。それから、彼は悲しそうに続けた。今は Apple のキーノートもなくなり、キャンプに戻って来る人たちの数もめっきり減り、オモチャ屋では買い物をせずただ眺めるだけになってしまった、と。

それでも、Macworld は挫けずに続く。何百もの会社と何千人もの観衆を集め、ショウのフロアの上で三日間ぶっ続けでにぎやかにやっている。数多くの講演と、セッションと、パネルディスカッションがあり、少なくとも私たちのように長年このショウに通い続けている者にとっては、遠く離れたところに暮らす同僚たちや顧客たち、ビジネスパートナーたちと直接会って話せる貴重な場となる。いや、IDG World Expo にせよ他の会社にせよ、そう簡単に新たなテクノロジー関係のトレードショウをスタートさせられるものでもないが(一つの反例として O'Reilly の Maker Faires が挙げられるかもしれない)現状を見れば Macworld/iWorld は今後も採算が取れる限り続くだろうし、Apple 関係の新製品を発見することにかけては今でも最も濃密な体験を提供している以上、採算は今後も取れるに違いない。

Macworld/iWorld に展示された製品をすべてここに紹介することはとてもできないが、私たちの目にとまった製品のいくつかを、まずは以下に集めてみた。もしも他に注目すべき製品があれば、ぜひ記事へのコメントとして書き込んで頂きたい。私たちが記事にしたいと思った製品をすべて挙げたわけでもないが、なかなか眠れない夜が続いたせいで今の私は疲れ切っているので、他の製品はまた今後の記事で紹介してみたいと思う。

あなたの身代わりを iPad で -- Double Robotics の作ったテレプレゼンス用ロボットDouble がいたる所で見かけられるようになるまでにはまだ相当の時間が必要だろうが、今回の Macworld/iWorld で最もクールな製品といえばこれをおいて他にないだろう。Double ロボットは、自らバランスをとる円筒形の車輪部分から伸縮可能な柄が伸び、一番上に iPad が付いている。これをもう一台の iPad を使ってインターネット経由で操縦し、Double がどこへ行くか、その iPad カメラから何が見えるかを手元の iPad で見られるとともに、ロボットの「顔」の iPad にはあなたの顔が表示され、これらすべてがリアルタイムで動作する。他の人たちが座っているか立っているかに応じて柄の高さを調節し、ロボットで顔と顔を向かい合わせての会話をすることさえできる。Double Robotics の提言によれば、Double ロボットを使って遠隔会議をしたり、遠くに住む入学志願者を対象に大学の案内ツアーをしたり、小売店の中で移動売店にしたり、その他さまざまの応用が考えられるという。私が思い付いたのは、年老いた親戚に目を配るためにも使えるのではないかということだ。Double ロボットの重量はたった 15 ポンド (6.8 kg) で、一度の充電で一日中使える。ただし価格は決して安くなく、定価は $2,499 で予約購入価格が $1,999、出荷予定は 2013 年の早いうちとなっている。

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Mauz でマウス -- キーボードの横にある iPhone の上に無意識に手を置いて、それをマウスとして使おうとしたことのある人なら、Mauz が気に入るだろう。これは Spicebox という新興企業の製品だ。Mauz は Wi-Fi ベースのドングルで、iPhone のドックコネクタまたは Lightning ポートに差し込んで使い、Mac で走る専用のソフトウェアと通信することによって iPhone の動きを Mac 上の動きに翻訳する。iPhone にはさまざまのセンサーが搭載されているので、ただ単にデスクの上であちこちスライドさせるのみならず多様なことができる。Spicebox の実演では、Mauz を差し込んだ iPhone を空中で動かすことによって Blender の中で 3D モデルを回転させたり、iPhone を手で左右に揺する動作を iPhone のカメラに探知させることによってウェブブラウザの中で戻ったり進んだりできるのを示していた。Mac と Mauz の間で双方向のコミュニケーションが可能なので、例えば Mac 上の Mauz ソフトウェアがアプリケーションの切り替えを探知すれば、iPhone の画面上にアプリケーションごとに違ったコントロールを表示して単なる基本的なボタンやスクロールを超えた働きをさせることもできる。Mauz はまだ発売されていない。Spicebox によればおよそ 6 ヵ月後には出荷できる予定だという。(Lightning ポートで使うバージョンは、Apple による "Made for iPhone" 認可が必要となるのでさらに遅れるかもしれない。)価格は $69.99 となっているが、Kickstarter 経由で今すぐ予約注文すれば $45 となる。(報道によれば、Kickstarter プロジェクトからの資金なしにも Mauz の製造は可能だという。ここを利用している理由はそれよりも情報を広めてリリース前にフィードバックを得たいというところにある。Spicebox の本心は、ポインティングデバイスに既に進出している会社、例えば Logitech や Microsoft のようなところに Mauz を買収してもらいたいということのようだ。)

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Transporter: あなたがコントロールする Dropbox -- ショウの会場で私たちが話し合った話題の一つが、クラウドベースのサービスを安心して使えるものと思うかどうかが人によってどれほど違うかということだった。14 歳になる私たちの息子 Tristan が一方の極端な例で、Pages や iTunes でローカルなファイルを扱うことを大体において拒否し、Google Docs や Spotify あるいは Pandora の方が良いと言う。ある作家はその反対の極端で、彼はクラウドベースのサービスなど安心して使えないということで最近 Connected Data からリリースされたばかりの 1 TB の Transporter を二台購入し、それらを現在執筆中の彼の本のためにファイルの保管とそのローカルなコピーへの同期のため専用に使っている。このTransporter というのは Ethernet 接続されたハードドライブで、コンピュータとの間で、また他の Transporter との間で、ファイルの同期とバックアップができる。つまりこれは Dropbox に似たサービスであるけれども、あなたの手の届くところにあるデバイスの中にすべてのデータが保存されるのだ。ファイルはあなたが何もせずともバックグラウンドで同期され、あなたの設定通りに好きな台数の Transporter やコンピュータに同期できるが、データはクラウドには一切保存されない。Transporter を使いたいと思うであろう職業としては、法律的書類の保管に関して厳しい機密保持義務のある弁護士や、米国では HIPAA 法によってすべての医療記録をセキュアな形でオフサイトにバックアップすることを義務付けられている医師などが考えられる。Connected Data では Transporter を 1 TB ($299) および 2 TB ($399) の各サイズで販売しているが、空の Transporter ($199) を購入して自前で 2.5 インチハードディスクを追加することもできる。

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仕事 (Work) しながら歩く (Walk) -- 立ち机で仕事をするやり方に切り替えた人たちは多くいる。私も、それから Glenn Fleishman も、やはり立ち机に切り替えている。(ただし私の場合は足裏筋膜炎の嫌な痛みが治まるのを待つ間一時的に椅子に座って仕事をせざるを得ないこともある。)普段私は立ったまま仕事をしているが、Glenn の方はどうやら私たちの仲間 Lex Friedman (Lex は現在は Macworld で執筆の仕事をしている)に影響されたらしく、立ち机の下にルームランナーを設置している。ルームランナーはちょっと無理だけれど、それでもデスクの下で体を動かしながら仕事をしたいという人には、Stamina Products の製品 InMotion E1000 Elliptical Trainer が向いているかもしれない。私たちは Macworld/iWorld の Anthro ブースでこれを見かけた。コンパクトなサイズの楕円型のマシンで、足を乗せるペダルが二つ付いていて(手で持つハンドルなどは付いていないのでデスクの下でも邪魔にならない)ペダルはどちら向きにも回転する。テンション調整つまみで必要な力の強さが調節でき、電子カウンターが毎分の歩数、合計歩数、エクササイズ時間、消費カロリーを追跡する。重量はたった 24 ポンド (10.9 kg)、大きさもたったの 20 インチ× 12 インチ (50.8 cm × 30.5 cm) なので、この InMotion Elliptical Trainer はルームランナーが使えない仕事環境で軽いエクササイズが簡単にできる理想的な方法かもしれない。動きの範囲は広くはないが、静かだし、価格も安い。定価は $199.99 で、 Amazon でなら $100 以下で手に入る。これを使いながら原稿の文章をタイプすることも可能なように見えたが、ショウの会場で実際に試してみることはできなかった。そうそう、聞かれる前に答えておくと、発電をしたりすることはできない。

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君、しゃんと立ちなさい! -- 姿勢が正しくなければ(頭のてっぺんに糸が付いていて真上から引っ張られると思えば良い姿勢になるだろう)背中の痛みから膝のトラブルまで、さまざまの病気の原因となることもある。そこで新発売の LUMOback センサーと付属の iOS 用アプリが、姿勢を正す補助をしてくれる。センサーはベルトに取り付けて使い、腰の周りに固定される。あなたが猫背になっていることを感知すれば、穏やかに振動して知らせてくれる。無料の LUMO アプリ(Bluetooth 4.0 で導入された Bluetooth の省電力機能を利用するため、iPhone 4S および 5、第五世代 iPod touch、第三および第四世代の iPad でしか動作しない)があなたの状況を追跡し、時間をかけて改善できるように助けてくれる。LUMOback の価格は $149 で、現在二種類のサイズのものが入手可能だ。

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Apple は絶望的、News at 11 によれば

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

その女性は若く、背は低い方で、そして過度に不安そうであった。"あなたのメディアバッジが目に付いたもので" と彼女は言った。"5 分でいいですから Apple についてのインタビューを受けて貰えませんか?" 彼女が言うには、その朝はまだメディアバッジをつけた人を一人も見つけることが出来ていないと言うことだったが、私には、彼女のプロデューサーから彼女は Macworld/iWorld から何か必ず掴んで来い、さもなくば帰ってくるなと言われて来た様に見えた。彼女は、私を彼女のカメラマンと音声担当の所に連れて行き、彼らを紹介しそしてどこの会社で働いているのか - 会場の喧騒の中でその名前は忘れてしまった - を話してくれた後、彼女は質問へと進んで Apple 繁栄の衰退についての私の意見を求めてきた。

彼女は質問を上記の言葉通りに表現したわけではないが - 実際の言葉は忘れてしまった - 言わんとする所は明々白々であった:Apple は Steve Jobs の指揮下では、ほぼ存在価値のない状態から世界で最も価値のある会社へと復帰できたかもしれないが、Tim Cook が後継者となりそしてこの失望させられる財務結果をもってすれば、同社の星は再び落ち始めたと。

私の不安げなインタビューアーは例外ではなかった - 私は他にもほとんど同じ質問を会場で受けた。そしてどちらの場合も、私は次の様に口走ってしまうのを抑えねばならなかった、"ヤクでもやっているの? 四半期の売上 $54.5 billion そして利益 $13.1 billion が、差し迫った破滅の印と見えると言うのは、一体全体どのようなヤクを吸っているの?" (Apple の "失望させられる" 財務報告の更なる詳細については "Q1-2013 に対する Apple の $13.1 Billion の利益にアナリスト失望" 23 January 2013 を参照。)

あきれた話である - 私はミーハーではないが、どうすれば Apple の Q1 2013 財務報告が悪いと見える様になるのか私には理解できない。勿論、あなたが鳥の臓物を読んで非現実的な利益を予測するアナリストの一人であれば話は別であるが。かと言って誤解しないでほしい - Apple は完全からは程遠い。それは実務のレベルにおいてすら言えることで、最近でも幾つかの手違いが見られる。

例えば、October 2012 に発表された後、iMac の最新モデルはホリデー買物シーズンの殆どの期間に間に合うよう出荷されなかった。これは紛れもない事業運営の過失である様に見える。今になっても、21.5-inch iMac に対して 2-3 週間待ち、27-inch iMac は 3-4 週間待ちとなっている。勿論、我々には (同じことがアナリストにも当てはまる) 何故この様な事態になっているのか分からない。Apple の経営陣は、消費者が他のものを買うのを阻止するため、最初から期日通り納められないことを知りながら Mac を事前発表する手段を選んだのか? 或いは、ひょっとすると、製造上の問題や部品不足に不意打ちを食ったのかもしれない? どうも今になっても納期遅延が続いていることからすると、後者の場合である可能性が高い様には見える。

同様に、Apple は同四半期中に iPhone と iPad mini の全モデルを需要に合うだけの速度で作れなかったことも認めており、こちらも売上げに悪影響を及ぼした。これは Apple が十分な製造キャパを手配するのに失敗したためなのか? でもこれまでの iPhone 立ち上げ経験を考慮すると、その可能性は低いように思える。或いは、部品不足や先進的な製造能力不足で問題が現実に回避出来なくなってしまったのか? (iPhone はその厳しい精度のために製造が難しいことで知られている。)

しかし、これらの実務関連の問題は驚きであり - Tim Cook は実務の天才との評判を得ている - そして厄介ではあるが、重大な企業の低迷をその様な課題のせいにするのは行き過ぎであると私は思う、少なくとも現時点では。もし同社が引き続き製品を市場に送り出すのによたよたし続けるのであれば、これは昔の Apple には馴染みの問題であった、心配する必要があるであろうが、一つの四半期の結果からこの様な結論を導き出すのは馬鹿げている。

これらのインタビューがどの様なものになって出てくるのか私には見当もつかないが、あまり報道には取り上げられていない心配な問題に Apple が直面していることを指摘できる機会を得られて私はありがたいと思っている。これらの心配は短期的には株価に影響を与えることは無いと思われるが、長い目で見ると悪い影響を及ぼす可能性を有している。私は、過去一、二年の間に見られたソフトウェア品質の低下と、Apple の開発者及び出版者との関係に関する気まぐれなそして苛酷な方針の話をしているのである。

ソフトウェアの品質に関して言えば、我々は過去数年の間、明らかにより多くの問題に気付いている。iOS 6 ではそれ以前の iOS のどのバージョンよりも多くの (そしてより気になる) バグが見られた。過剰なセルラーデータ使用と電池の消耗に関する我々に記事は、iPhone と苦闘している人達からのコメントを集め続けている。そして我々も iOS 6.1 でこれらの問題も対処されたと望んではいるが - iOS 6 が出荷されて 4 か月も経ってから - もっと時間が経たないと結果はわからない (我々のシリーズ "Problems with iOS 6" 参照)。

(日本語)Tim Cook の謝罪を受けて Maps を検証する | iOS 6 のバッテリ消耗問題を解決する | iOS 6 の不可思議なセルラーデータ使用量の背後にあるもの | iOS 6 の不可思議なセルラーデータ使用量: もう一歩深く検討する | iOS 6.0.1 がバグを修正、でもデータの過剰使用問題は直ったのか? | 公共ラジオグループが iOS 6.0 のストリーミングバンド幅のバグを特定 | DataMan Pro で iOS のアプリ別データ使用を追跡 | iOS 6.0.2、iPhone 5 と iPad mini 用に詳細不明の Wi-Fi バグを解消 | VidBITS: Apple は iOS をどう改善すべきか | iOS 6.1、全世界での LTE サポートを拡大"

加えて、長年の業界の友人の一人がある開発者の集まりで言ったことだが、全般的な合意として、Mac OS X 10.6 Snow Leopard の方が安定度が高かったし、そして 10.7 Lion と 10.8 Mountain Lion でのサンドボックスと iCloud の統合が当てにならなさの増加の原因になっている。Apple 内部と接触のある友人の一人は、長年勤めた技術者が他の会社に移っており、その理由の一部は彼らのソフトウェアが準備完了の前に出荷されてしまっていると感じていることであると私に語ってくれた。

これに関しては開発者の誰もが表立って語ろうとはしないが、Apple の App Store の方針と振る舞いが頭痛の種となっている話を私は沢山聞いて来た。一人の開発者は私に App Store が彼の承認済みのアプリから必要なファイルを実際に削除してしまったことに原因する悪夢について話してくれた。これによりそれは基本的に動かなくなってしまい、そして苦情を言ってきた顧客に対して彼が説明出来ないことから生じてしまった困難さと評判については言わずもがなである。

他の開発者は、既存のアプリに関して一人のプログラマーと組む驚きの話をしてくれた - 二人は新しい会社をつくり、オリジナルプログラマーの iTunes Connect アカウントでその EIN (employer identification number の略で、米国内で課税のために会社を同定するためのもの) を更新しようと試みた。インターフェースからはそれをやらせて貰えないので、Apple に問い合わせをしたら、EIN を変えることは不可能であると言われた。事業詳細を新しい会社に合わせるには、オリジナルのアプリを一旦削除し、次に新しい iTunes Connect アカウントからそれを再提出しなければならないと言われた。App Store をご存じの方なら誰でも分かる問題だが、それでは 10,000 を超えるオリジナルアプリの顧客は孤児となってしまい、そして新しいアプリはオリジナルアプリに寄せられたおよそ 1,000 の肯定的レビューを失ってしまう。唯一の迂回策は、オリジナルアプリをアップデートしてある特定の日に新しいアプリ無料でダウンロードするようユーザーに促す警告を表示させることであった。しかしながら、それを間に合うタイミングで見たのは顧客の 10% にも足らない人達で、数百のサポート要請が残り、そして追加の無料ダウンロード日を幾日か作らなければならなかった。

(私が当然の質問をしたら、iTunes Connect アカウント間でのアプリの移動は可能でないと言われた。これでは、再販市場でのアプリの価値は減少し、そして買収されたいと望むアプリ開発者や会社にとっての金勘定にも影響する。)

Apple が有料アップグレードを許さないというのも会話の中で出てきた。無料のアップグレードを永遠に出すことを開発者に望むのは全く理にかなわない話なので (最初のリリース以降、新しいユーザーへの販売は常に尻すぼみになる)、多くの人が、全く新しいアプリをリリースし、前のバージョンのユーザーを孤児にして、それからしばらくしてから全ての人に対して割引きの "アップグレード価格" を提供する道を選んでいる。これは通り抜けなければならない輪としては気持ちのいいものではないし、多くの開発者に一つのアプリを時間とともにメジャーなリリースを重ねて改善していく努力をさせる代わりに、数多くの新しいアプリをリリースするよう仕向けてしまう。

もし敢えて憶測するなら、過去 5、6 年間にわたる Apple の驚異的な成功で、同社はこの種の問題に事実上気が回らなくなってしまっているか、或いは、もっと好意的に見れば、この成功で Apple はソフトウェアの品質よりもハードウェアの品質と所定の出荷日の方を優先するようになり、そしてより弱い立場の会社なら開発者に無理やり飲み込ませることなど出来ない様な一連の App Store 方針に固執させてきたのであろう。

私は何も Apple を "窮地に立たされている" と表現する気もないし、或いは同社はその利益性や業界での地位を維持出来ないであろうなどと言う気もない (勿論その成長曲線はもっとなだらかになるであろうけれども - どんな会社だって最近の Apple の率で永久に成長することなど出来ない)。これらの懸念を指摘することは裸の王様の事例ではないけれども、これらを無視したり、或いはアナリストの期待と株価ばかりに気をとられるのは、王様の衣装の問題を認識しそこなっている事例であるのは間違いない。

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完全防備のバックアップには完全無欠のドライブが必要か?

  文: Joe Kissell: [email protected], @joekissell
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  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

"Take Control of Backing Up Your Mac" の読者から私に、バックアップ用に ioSafe ハードドライブを使うのはどう思うかという質問が届いた。そのブランド名はちょっとだけ聞いたことがあったけれどもほとんど何も知らなかったので、私は同社のウェブサイトに行き、ioSafe 社が防水・防火・盗難予防の機能を持つハードドライブ専門の会社であることを知った。つまり、どのような災厄にも耐え得ることを目指してデザインされている。追加の保護機能と引き換えに、当然ながら価格は高額となる。例えば、1 TB の USB 3.0 ioSafe ドライブの小売価格は $299.99 だが、Amazon で少し調べれば従来型の 1 TB USB 3.0 ドライブで $100 よりずっと安いものが数多く見つかる。そこで私は質問主に「まあ、あまりお薦めしたくはない」という返事を書き送った。これだけのお金を払えば、通常のドライブを二台買って、一台は離れた場所に置いて火事や洪水などの災害に備えることができ、その上に余ったお金でクラウドストレージの一年契約をすればすべてのデータを預けることもできるからだ。どう見ても私には、経済的に意味を成しているとは思えなかった。

その後、私がバックアップを題材に Macworld に書いた記事を受けて、ioSafe 社の広報担当者から連絡があり、同社の製品を聞いたことがあるかと尋ねてきた。私は実際聞いたことがあると答え、素晴らしいドライブには違いないと思うけれども、価格が高過ぎるのであまり食指が動かなかったと言い添えた。それでも彼はドライブを一台試用してみないかと申し出てくれたので、私は喜んでと答えた。そういうわけで、その後しばらくの間そのドライブを使ってみた体験から、もう少し踏み込んだ私の意見をここに述べたいと思う。

私が受け取ったレビュー用ユニットは 1 TB の ioSafe Solo G3 で、USB 3.0 接続のみができた。この会社はさまざまの容量、インターフェイス、機能を組み合わせた数多くの種類の製品を作っているので、以下に述べる私の意見はこの特定の機種についてのものであって、ioSafe ブランドの製品全般に当てはまるものでないことをここにお断りしておきたい。

私の第一印象は、何て大きな図体なんだろうというものだった。このドライブの重量は 15 ポンド (6.8 kg) で、デスクの上でかなりの場所を占める。デスクや床にボルトで固定したり(ただしボルト類は付属しない)Kensington セキュリティケーブルで繋ぎ止めたりもできる。けれども USB ケーブルはあまり長くないので、置き場所の柔軟度は低い。他方、このドライブはとても大きくて重いので、物理的に固定せずとも盗難を抑止する力にはなるかもしれない。

ドライブの上面に貼ってあるステッカーに、10 日以内に ioSafe のウェブサイトで「アクティベート」(つまり登録)しなければならないと書いてある。登録をしなくてもドライブは問題なく機能するけれども、アクティベートするのはデータ復旧サービス保証だ。もしも(例えば火事や洪水などで)ドライブがダメージを受ければ、ドライブを ioSafe 社に送ることができる。すると同社はあなたのデータの復旧を試み(その際あなたに費用はかからない)もしも復旧に失敗すれば(ドライブの機種により金額は違うが)外部のデータ復旧サービスを試すための費用として $5,000 を支払ってくれる。いずれの場合も、復旧したデータを入れた新しいドライブが届く。

保証としてはとても素敵だ。けれども、サイトで登録をする際に、1 年間の標準サービス保証期間を 3 年間に延長 ($50) または 5 年間に延長 ($100) するよう強く勧められる。こうしてより高い価格を押し付けようとするやり方に、私はムッとした。普通のハードドライブより三倍も高いものを買ったのならば、それを四倍高いものにしたいなどと、誰が思うだろうか。

そういった細かいことを別にすれば、このドライブは完璧に何の問題もなく動作している。私は比較的新しい Mac を使っていてこれには USB 3.0 ポートが付いているので、USB 3.0 インターフェイスのきびきびとした転送速度を存分に享受することができる。ベンチマークテストまではしなかったけれども、私の主観的印象ではこれは極めて高速で、FireWire 800 や USB 2.0 に比べてはっきりその違いが体感できた。(同社は現在のところまだ Thunderbolt 接続の付いたドライブを販売していないが、それが出ればまたもう一段と高速になることだろう。)

けれども、私の印象に一番強く残ったのは、このドライブの動作する音が全く聞こえないということだった。これは、不思議なほど静かだ。ドライブにファンが付いていないのがその主な理由だが、ドライブを火災や水害から守るための断熱保護材も音を遮る役に立っているだろう。全力で働いている時でさえ、耳をドライブに直接つけてみない限り、かすかなヒューンという音さえ聞こえなかった。これは嬉しいことだ。とりわけ、自宅の仕事部屋でオーディオやビデオの録音をする際にはありがたい。

このドライブを火の中に放り込んだり風呂水の中に浸けたりしたい誘惑に駆られはしたけれど、実際には私はデスクの上で心地良く動作するところを眺めるのみだった。だから、このドライブがどの程度強靭にデータを保護してくれるのかについての意見をここで述べることはできない。その点は、会社が言っていることを信用するしかない。

でも、私にとって問題はそこにある。これほど高いお金を払ってこれほど物理的に大柄なドライブを買う唯一の理由はそのデータ保護機能にあるのであって、それを必要とするような事態は一度も起こらないにこしたことはないし、実際にどれほど効果的であるかは災厄に見舞われなければ判断しようがないのだ。言い替えれば、これは高価な保険契約に他ならない。もちろん、保険を掛けるのはドライブ自体ではなくて($100 の機器に $200 払って保険を掛けるのは馬鹿げている)データそのものに対してだ。いつの日か、自分の重要なデータがそのドライブ のみ の上にしかなく、かつそのドライブが物理的にダメージを受け、しかもそのデータの価値が保険金の額よりも高くつく、そういった事態が起こるかもしれないことに賭けるというわけだ。

もしも何のバックアップも持っていないのならば、確かに ioSafe ドライブは Mac の内蔵ドライブより信頼できるメインのストレージ場所として、より良い選択肢となるだろう。けれども皆さんもきっとご存じの通り、私はしっかりしたバックアップ戦略が必須だという観点に立っている。私自身は既にローカルなバックアップを複数(自宅の別々の部屋に置いたメディアの中に)備えた上に、クラウドのバックアップも複数使っている。たとえ私の自宅に隕石が落ちたとしても、その際私がラップトップ機を持って外出していなかったとしても、それでも私は自分のデータをすべて取り戻せるだろう。必要なハードウェアを揃えてシステム全体をほぼ元通り復旧させるまでに二・三日かかるかもしれないが、それは根本的な問題とは言えない。他方、もしも私が ioSafe ドライブ のみ を使っていて私の自宅が破壊されれば、データを取り戻すまでにドライブをデータ復旧サービスに何週間も預けなければならないかもしれない。しかもそれは、もしも復旧が成功すればの話だ。だから、私にとっては、高いお金を出して高価なドライブを買ってもあまり得になるとは思えないし、誤った安心感を生んでしまう危険性さえあるかもしれない。

ioSafe 社の広報担当者によれば、同社がターゲットとする顧客とは、オフサイトのバックアップを持つべきだと分かっていはいるけれども定期的にオフサイトを循環してバックアップ管理するのは面倒だしクラウドも(何らかの理由で)使いたくないと思っているようなタイプの人たちだという。そのことに私は文句を言うつもりはない。確かに、この種のドライブが理想的だと思うような人たちを想像することはできる。例えば、ブロードバンド接続がなかったり不当に高価だったりする地域に住んでいて、オフサイトのバックアップを安心して置くことのできる場所もない、というような人たちだ。けれども私の見る限り、大多数の人にとっては安価なハードドライブとクラウドのバックアップを組み合わせる方が良いのではないかと思う。

だから、ちょっと矛盾したような言い方になるけれども、ioSafe ハードドライブは実際ローカルなバックアップのために購入できるものの中で最も信頼できる保存先と言えるかもしれないし、高速で静かなことは何より素晴らしいが、それでもやはり私は自分で購入したい気にはならないし、たいていの人に対してはお薦めしようとも思わない。言うまでもなく、人によって事情は大きく異なるだろうから、反対意見をコメントに寄せて頂けるのを楽しみにしている。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2013 年 2 月 4 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Java for Mac OS X 10.6 アップデート 12 -- Apple が Mac OS X 10.6 Snow Leopard 用に Java for Mac OS X 10.6 アップデート 12 をリリースした。これは Java SE 6 をバージョン 1.6.0_39 にアップデートして、Java 1.6.0_37 について報告されていた脆弱性からシステムをセキュアにするためのものだ。もしもあなたが Java for Mac OS X 10.6 アップデート 9 またはそれ以後をインストールしたことがなければ、今回のアップデートはあなたのウェブブラウザが自動的に Java を走らせることがないよう設定するとともに、長期間 Java が走らなければ Java をを無効に切り替える。このアップデートは Snow Leopard 10.6.8 または Snow Leopard Server 10.6.8 を必要とする。ソフトウェア・アップデートから、あるいは直接ダウンロードでも入手可能で、インストールの前にはすべてのウェブブラウザと Java アプリケーションを終了させるよう Apple は注意喚起している。(無料、72.7 MB)

Java for Mac OS X 10.6 Update 12 へのコメントリンク:

MacBook, MacBook Pro および MacBook Air 用 SMC ファームウェア・アップデート -- Apple が、MacBook シリーズ用に三つの System Management Controller (SMC) ファームウェア・アップデートをリリースした。MacBook SMC Firmware Update 1.5 (494 KB)、MacBook Pro SMC Firmware Update 1.6 (666 KB)、MacBook Air SMC Update 1.8 (982 KB) の三つだ。いずれも、内蔵バッテリが 1,000 回以上の充放電を重ねたラップトップ機が不意にシステム終了しその後起動できなくなる問題に対処している。Apple のサポートページによれば、すべての MacBook Pro および MacBook Air モデルは(2009 年以後の MacBook モデルも)寿命の期待値が充放電回数にして 1,000 回までとなっている。ファームウェア・アップデートではいつものことだが、お持ちの機種に適した正しいファームウェア・アップデートを得るため、ソフトウェア・アップデートまたは App Store アプリに入手を任せ、アップデート作業を途中で中断しないよう注意することをお勧めする。(無料)

SMC Firmware Updates for MacBook, MacBook Pro, および MacBook Air へのコメントリンク:

Microsoft Office 2011 14.30 -- Microsoft が Office 2011 をバージョン 14.30 にアップデートし、このメンテナンスリリースにおける修正点を短いけれども丁寧に説明したリストも付けた。変更点の大多数は PowerPoint に関するもので、Slide Sorter 表示における折り畳まれたセクションの表示の問題、ハッシュタグを含むハイパーリンクが正しく保存されなかった問題、Paste Special コマンドを使用した際のクラッシュ、PowerPoint for Windows から PowerPoint for Mac へテキストをペーストできなかった問題を修正している。このアップデートではまた、Outlook で Exchange 以外のカレンダーサーバから届いた招待状の時刻が年間のうち特定の時期に限り一時間ずれていた問題も修正された。(Office for Mac ウェブサイトから、または Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、106 MB、リリースノート)

Microsoft Office 2011 14.30 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2013 年 2 月 4 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

およそ 25 万人の Twitter ユーザーが同社で起こったデータ漏洩の影響を受け、パスワードのリセットを余儀なくされたり、その他の厄介事に悩まされたりした。もっとリラックスした話としては、Adam と Tonya の Engst 夫妻が Glenn Fleishman の The New Disruptors ポッドキャストに出演し、創造的な人たちが人々の心を動かせる方法について語り合った。それから、アプリに対して仕返ししたいと密かに思っている人へのニュースだが、8文字の文字列を入力するだけでアプリがクラッシュする可能性がある。

単純な文字列が多くの Mac アプリケーションをクラッシュさせる -- The Next Web の Emil Protalinski が、滑稽なほどひどい OS X 10.8 Mountain Lion のバグを説明する。「 file:/// 」という文字列をタイプすると、大多数の Mac アプリがクラッシュするのだ。(ただし "file" という単語のいずれかの文字が大文字でないとクラッシュしないので、この記事が皆さんのアプリケーションをクラッシュさせることはない。)バグが存在するのは Apple の Data Detectors コードの中であって、バグが発生するのは NSTextFields を用いるアプリに限られる。だから、Finder、Safari、Messages、TextEdit はすべてクラッシュし、Mac のエラー報告アプリまでクラッシュするけれども、BBEdit や Firefox はクラッシュしない。

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25 万人の Twitter ユーザーがデータ漏洩の影響を受ける -- Twitter が、先週 25 万人のユーザーのパスワードのリセットをかけた。不正なアクセスの試みが大規模に行なわれていたことに気付いたからだ。Twitter の Director of Information Security (情報セキュリティ担当重役) Bob Lord は約 25 万のアカウントについて「攻撃者たちが一部のユーザー情報に、具体的にはユーザー名、メールアドレス、セッショントークンや、暗号化された(塩漬けバージョンの)パスワードにアクセスした可能性がある」と述べた。自分のアカウントで他人に勝手に投稿されるのも嫌なものだろうが、より大きな危険が潜んでいるのは他のサービスでも同じパスワードを再利用している場合だ。いつも言っていることだが、できれば 1Password や LastPass などのツールを利用して、強力なパスワードを作ることをお勧めしたい。

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Adam と Tonya Engst が The New Disruptors に出演 -- Adam と Tonya の Engst 夫妻が、TidBITS 編集者 Glenn Fleishman が始めた新しいポッドキャスト The New Disruptors にゲストとして出演する。このポッドキャストは、創造的な人たちが人々の心を動かせる方法をテーマとしている。主として「新しい」テクノロジーのツールを扱うけれども、キャリアを通じて自らの仕事やそのやり方を再定義してきた人たちをも Glenn はインタビューするつもりだ。

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