TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1209/10-Feb-2014

Apple のインターネットサービスはなぜどれも個人的なデータ同期のみに焦点を合わせていて、コミュニティーとか共同作業とかに向いていないのだろうかと、考えたことはないだろうか? Michael Cohen が、それは Steve Jobs が Apple に復帰する以前からずっと信じていたことに起因するのだと論じる。今日彼のビジョンはどこにいても Wi-Fi にアクセスできることに大きく依存しているが、ご存じの通り Wi-Fi は必ずしも常に信頼できるとは限らない。もしもあなたの Mac が Wi-Fi 接続の持続性に問題を抱えているのなら、コンサルタントの Alicia Katz Pollock があなたのために解決法をいくつか提案する。それから iTunes に心を掻き乱されているあなたには。Kirk McElhearn が最小主義の音楽プレイヤー Vox をテストする。米国とカナダ各地で開催される MacTech BootCamp III イベントの日程と会場(TidBITS 読者には割引もある)が発表され、今週はまた新しい DealBITS 抽選で Art Text 2 ベクター作図プログラム ($19.99 相当) が賞品となる。最後にもう一つ、Sochi 2014 冬期オリンピックが始まっているが、それをオンラインで、あるいは iOS アプリを通じて楽しむベストな方法を Josh Centers が FunBITS 記事で紹介する。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Mellel 3.3、Evernote 5.5、Voila 3.7、Downcast 1.0.6 だ。

記事:

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MacTech BootCamp III、場所と期日発表となる

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

もし Los Angeles での本格的な MacTech Conference は手に余ると言うのであれば ("MacTech Conference 2012 が心の扉を開く" 22 October 2012 及び "MacTech Conference 2013、つながりと楽しさが満杯" 11 November 2013 参照)、MacTech BootCamp IIIはコンサルタントや IT 専門家向けの幾つかの主題別一日セミナーを提供している。この BootCamp イベントは北米各地で開催されるので、旅の煩わしさを和らげ、そして会期も一日だけなので職場を離れる時間も短縮出来る (そしてその前にもう半日、もし無料の 2014 Accreditation for Office for Mac プログラムに参加するのであれば)。

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これまでに参加したことのある人たちに対してすら、MacTech BootCamp III は一連の新しいトピックスも用意し、Apple テック達が最新の技術に時代遅れにならないよう、そして地元の仲間との交流や有益な業者との接点を作る手助けとなることを目指している。私は 2012 年に New York City での BootCamp イベントに参加したことがあるが、そこで共有される情報の深さと有益性にとても感銘を受けた。

今年のセッションでは、Apple ID, Wi-Fi 成功事例、ソフトウェア展開、バックアップとストレージ、モバイル機器管理の事例、そして時の話題である盛り沢山のセキュリティが採りあげられる。

MacTech BootCamp イベントの参加費は通常 $499 で、昼食と一年間の MacTech マガジンの購読料が含まれるが、TidBITS の読者は $299 で受講登録出来る。MacTech BootCamp III の期日と場所は次の通り:

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DealBITS 抽選: Art Text 2.4.6 が当たる

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

何かの書類、あるいはプレゼンテーション用に手早くロゴ、ボタン、あるいはアプリのアイコンなどを作りたいとしよう。プロのデザイナーに頼むのはやり過ぎだし、Adobe Photoshop などを使うのも同じくらいやり過ぎだ。少なくとも、たいていの人たちにとってはそうだろう。Microsoft Word とか iWork とかを使ってそういうものがサッと作れると思う人もいるかもしれないが、そういうものに組み込まれているグラフィックスツールは大したものではなく、単体のアート作品を作ることを考えてデザインされていない。そういうものではなくて、BeLight Software の Art Text に目を向けてみてはいかがだろうか。これは安価で楽しく使え、ベクター形式の図や、様式化されたテキストなどを素早く簡単に作れる。

今回賞品となる 10 本の Art Text 2.4.6 の一つ (通常価格 $19.99 相当) が欲しい方は、どうぞ 2014 年 2 月 17 日までに DealBITS ページで応募して頂きたい。[訳者注: 応募期間は 11:59 PM PST, 16 February 2014 まで、つまり日本時間で 2 月 17 日(月曜日)の午後 5 時頃までです。]

Art Text を使い始める最も手早い方法は、Template Gallery にたっぷりあるテンプレートの中から一つを選ぶことだ。ここには、見出し、ボタン、アイコン、ロゴなどのサンプルが数多く並んでいる。これらは何よりあなたにいろいろなアイデアを提供するためのものだが、Art Text のサンプルほどうまく出来ていないアイコンやロゴもたくさん世の中に出回っている。

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あなたの望むものに似たテンプレートを選んだら、背景色、シャドウ、アイコンなどをカスタマイズすればよい。さまざまなオプションがあるのでそれらをいじって遊ぶだけでもとても楽しい。Art Text を強化版の WordArt として使うこともできるし、iOS 用のアイコンをデザインするツールとして使うことさえできる。私は自分でスーパーヒーローアイコンを二つデザインしながら、かなり楽しい時間を過ごした。Art Text を使って他にどんなことができるかは、BeLight の overview ページでご覧頂きたい。

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興味をそそられましたか? Art Text 2.4.6 (通常価格 $19.99 相当) 10 本のうちの一つを欲しい方は、どうぞ 2014 年 2 月 17 日までに DealBITS ページで応募 して頂きたい。[訳者注: 応募期間は 11:59 PM PST, 16 February 2014 まで、日本時間では 2 月 17 日(月曜日)の午後 5 時頃までです。]寄せられた情報はすべて TidBITS の包括的プライバシー規約の下で扱われる。

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Wi-Fi 接続問題の解決法

  文: Alicia Katz Pollock: [email protected]
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple 製品の特徴の一つは、同社が基盤となる技術を可能な限り見えないようにするためどんな苦労も厭わないことである。インターネット接続を例にとってみよう。ISP とのモデムハンドシェークの冗長なピーピー・キーキーという音を覚えていますか? 今日では、ワイヤレスネットワーク (そして広帯域インターネット接続) のお陰で、MacBook Air を開いてすぐに Web のブラウジングを始められる。

少なくとも、Wi-Fi が正常に働いている限りはである。コンサルタントとして、私は時として毎回メニューバーから Wi-Fi ネットワークを選択するよう要求する Mac に出会うことがある。症状は色々で、Mac が Wi-Fi 接続から落ちてしまったり、或いは全く接続できないこともある。これを直す幾つかのトラブルシュートのやり方を示す。(注意して欲しいのは、私がここで取り上げるのはワイヤレス接続に関してだけであり、インターネット接続についてではないことである。と言うのも、そちらはそちらで固有のものだからである。)

Mac を再起動する -- 兎に角やってみる、もし他の誰かを助けているのであれば、その人にもやってもらうこと。再起動するなんて当たり前だろうお思いかもしれないが、私のお客さんで再起動したと言っていたのに、何時間もトラブルシュートに時間を費やしたあげくに、実際はやっていなかった、何故ならばそんなことをするととても時間がかかってしまうと思ったから、という場面を何度か経験してきている。再起動で多くの病が修正され、そこには御しがたい Wi-Fi も含まれるので、試してみる価値は常にある。それでもだめなら...

ワイヤレスルーターを再起動する -- 次にやることは、ワイヤレスルーターを再起動することである。それは AirPort ベースステーションであることが多いかもしれない。Mac を再起動することで数多くの問題が解決されるのと同じことが、Wi-Fi ハードウェアについても当て嵌まる。そのハードウェアはインターネットサービスプロバイダーからの一体型の Wi-Fi 内蔵の cable/DSL モデムであるかもしれない。或いは、単独の cable/DSL モデムと、それにつながる AirPort ベースステーション、Time Capsule、或いは サードパーティのワイヤレスルーターという構成かも知れない。

これらの機器には往々にしてリセットや電源スイッチが付いていないので、最も簡単な再起動の方法は電源を抜くことである。(もしそれが AirPort ベースステーションであれば Mac OS X や iOS の AirPort Utility を使って再起動することも出来るが、勿論、つながっていればの話である。) その機器の電源を抜き (どちらの端でも構わない:通常は機器につながっているケーブルを抜く方が、壁側で間違ったケーブルを抜いてしまう危険を冒すより安全である) そして全ての内部キャパシターが放電されるまで数秒待つ。

cable/DSL モデムとワイヤレスルーターが別個の場合、モデムを再起動しても通常 Wi-Fi には影響しない。しかし、もしモデムの電源も抜くのであれば、再接続はモデム側を最初にやり、一分ほど待って表示ランプがオンラインに戻っていることを示していることを確認し、それからワイヤレスルーターを戻す。

ワイヤレスルーターが復帰したところで (こちらも一、二分かかるであろう)、Mac が Wi-Fi ネットワークに接続できるかどうかを試す。ダメなら Mac を再起動して再接続を促す。それでもダメなら、この先を読み進めて欲しい。

あなたの優先するネットワークを再構築する -- 原因は Mac のワイヤレス接続設定が壊れていることにあるかもしれない。これを直すには、その接続を削除し再度作り直す。やり方は以下:

  1. System Preferences の Network ペーンを開く。

  2. 左側にあるネットワークサービスのリストの中で Wi-Fi 接続を選ぶ。

  3. そのウィンドウの右下にある Advanced ボタンをクリックする。Wi-Fi ビューの Preferred Networks リストに、これまで使ったことのある全てのワイヤレスネットワークが見られる。これが Mac が Wi-Fi の詳細を覚えている所で、そのネットワークが次に使えるようになった時に自動的に接続することを可能にする。

  4. そのリストから望みのワイヤレスネットワークの名前を見つけ、そしてそれを選択する。

  5. そのリストの下にある - ボタンクリックしそのネットワークを削除する。

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  6. + ボタンをクリック、そして現れた会話ボックスで、Choose a Network ボタンをクリックする。

  7. 正しいワイヤレスネットワークが現れるのを待つ。それを選択、そして OK ボタンをクリックする、もし要求されたらそのネットワークのパスワードを入力する。

自分の家や事務所のワイヤレスネットワークは、それが最も頻繁に使われるものなので、Preferred Networks リストの一番上に現れるはずである。もし下の方に現れた場合は、それを一番上までドラッグして優先的に使われるようにする。

そこにいる間に、もう少し時間を費やしてリストをよく見てみよう。そこにはこれまでにつないだことのあるネットワーク全てがリストされている。その中には今後二度と行きそうもない場所もあるであろう。長いリストをそのままにしておいても別に害はないが、ハワイに旅行して泊まったホテルのワイヤレスネットワークはもう要らないであろうから、削除しても構わない。

Mac を再起動して、ネットワークに自動的につながるかどうか見てみよう。つながって、そのまま保持していますか? もしそうであれば、おめでとう! さもなくば... 次へと進みましょう。

New Location を作成する -- Network 設定ペーンのあまり知られていない機能に複数の "location (ネットワーク環境)" を作る能力がある。この機能は異なる場所に対するネットワーク設定を別個のセットとして保持することを可能にする。例えば、Wi-Fi と Bluetooth 以外の全てのネットワークサービスを除外した "Mobile" 環境、或いは Ethernet だけを含んだ "Work" 環境 といった具合である。

新しい環境を作成することでまっさらなネットワーク設定が得られ、残存する問題も解決できるかもしれない。やり方は次の通り:

  1. System Preferences の Network ペーンで、上部にある Locations ポップアップメニューから Edit Locations を選択する。

  2. 下部にある + をクリックし、新しい Location 名をタイプする、Home とか Work の様に。Done をクリックする。

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    そうすると、ネットワークサービスのリストがきれいになるのに気づかれるであろう。

  3. 下部にあるボタンを使って、追加或いは使うことのないであろうネットワークサービスを削除、そしてポップアップギアメニューから Set Service Order を選択することで順番を設定出来る。全てが整ったところで (恐らく Wi-Fi が一番上)、Apply ボタンをクリックする。

全てが最新となるよう Mac を再起動した方が良い;Wi-Fi パスワードをもう一度尋ねられる場合もある。Wi-Fi の接続は安定していますか? そのはずです! 私の経験では、このやり方でうまくいかなかったことはこれまで一度もない。

土壇場での努力 -- 勿論、他にも Wi-Fi 接続がうまくいかない理由は数多くあり、その中には修正は難しいものもある。例えば:

結論 -- 優先するワイヤレスネットワークに接続するのに毎回手動でやらねばならない、或いは全く接続できない事ほどイライラさせられるものは無いので、この助言がそのような不便を回避するお役に立てることを祈っている。もし頼りにならない Wi-Fi 接続を信頼あるものにする他の有用な解を経験したことがあるのであれば、コメント経由で我々にも知らせて欲しい!

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Vox 2.0: 最小主義の音楽プレイヤーだが改良の余地あり

  文: Kirk McElhearn: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iTunes が嫌いだと広言するのが好きな人たちは多く、そういう人たちの多くは「もっとスリムで軽い」代替製品を欲しがっている。iTunes 肥大化の問題については私の記事“iTunes は肥大化しているか?”(2010 年 9 月 27 日) で議論したので、ここでその問題に立ち入ることはしない。その肥大化の感覚の結果の一つとして、音楽の再生のみのためにデザインされ、山のように追加機能を盛り込んだりしない「最小限の音楽プレイヤー」が次々と出てきている。

Coppertino の製品、無料の Vox 2.0 も、そのようなアプリの一つだ。同社は Vox の「素晴らしく直感的な最小主義的インターフェイス」と、FLAC や Ogg Vorbis など iTunes が処理できないオーディオファイルフォーマットも再生できることを宣伝している。今回の新バージョンの Vox はギャップレス再生(オーディオトラック間に無音部がない連続再生)を提供するが、従来のバージョンに欠けていたこの重要な機能のお陰で、ライブ音楽やオペラを聴くのに便利になった。

Vox を使ってあなたの iTunes ライブラリから音楽を再生することもできるし、いくつかのファイルを Vox のウィンドウの上にドラッグしてプレイリストを作成したり、あなたの Mac や外付けハードドライブ上のどこにある音楽でも聴いたりすることもできる。意図としては良いけれど、私の見るところ Vox のデザインは大風呂敷だが機能はそれほどホットでない気がする。

まず第一に、そのデザインだ。私は黒い背景の上に白い字のインターフェイスが好きではない。読みにくいと思うし、他のウィンドウが白い背景であるのと釣り合わないと思う。でも、この種のインターフェイスが格好良いと思う人たちが多いことは認める。下の図は、Vox プレイヤーのウィンドウが最小形のときと、フルサイズに拡張したときを並べたものだ。

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手早くアクセスできるように、Vox のウィンドウを他のすべてのウィンドウの手前にフロートさせ、すべての Space に留まらせることができる。ただし、iTunes をフルスクリーンモードで使った場合、iTunes MiniPlayer を混乱させることになる。Vox はまたメニューバー上にいくつかのコントロールを置く。シンプルな一時停止/再生ボタン、前と次のボタン、それから現在のアルバムまたはプレイリストの内容を表示させるためのボタンだ。また、一時停止/再生や、トラック変更、音量の増減のためのホットキーを設定することもできる。その上、システム環境設定ペインをダウンロードして、それを使ってキーボードのメディアボタン、Apple リモコン、あるいはヘッドフォンやイヤーバッド上のボタンで Vox をコントロールさせるようにもできる。

けれども、Vox の iTunes 統合機能は問題を起こすことがある。私は iTunes ライブラリを二つ選んでこれをテストしてみた。最初のライブラリは 4,400 ほどのトラックを含んでいるが、これはすべてがスムーズに運んだ。けれども私のメインの iTunes ライブラリは、現在 63,000 ほどのトラックを含んでいるが、パフォーマンスが散々だった。この大きな方のライブラリで Vox を起動する度に、このアプリは "Loading iTunes" と表示しつつ小さなオレンジ色の進行バーがたった一つ点を示したままで止まる。何分もの間その状態でいた後で、やっともっと大きな進行バーに切り替わる。結局私の iTunes ライブラリをロードし終えるまでに 10 分ほどかかり、その間私の CPU を (4コアなので 400 パーセントのうち) 100 パーセント占領し続けた。もちろん、私は Vox が起動時に私のライブラリをアップデートするよう設定したが、頻繁にライブラリに音楽を追加している人は忘れずそうしておくべきだろう。

そして、iTunes ライブラリをロードすることで何が得られるのかというと、見えるのはアルバムのみだ。ライブラリの中を掘り下げてアーティスト表示にしたりジャンル表示にしたりする機能は Vox にない。ただし検索フィールドはある。そのアルバム表示の中で並べ替えが (View > Sort iTunes Albums を使って) アーティスト名からアルバム順、アーティスト名からアルバムタイトル順、またはアルバムタイトル順でできる。Vox の検索は高速で、トラックのメタデータのどの部分からでもテキストを見つけることができるけれども、今のところかなり不安定だ。私の iTunes ライブラリを検索させると、テストした期間中何度もクラッシュした。

Vox は iTunes からプレイリストを読み込めるので、大きなライブラリを持っている場合にはおそらくあらかじめたくさんのプレイリストを作っておいて他の基準(例えば作曲家、ジャンルなど)で音楽を見つけようとする方が良いだろう。iTunes プレイリストを再生することもできるけれど、私は初めのうちその機能がどこに隠れているのか見つけることができなかった。それは、インターフェイスのソースセクションにある音符形のボタンを押せばよい。スマートプレイリストさえも再生できる。でも、再生数や最後に再生した日付などを基準にスマートプレイリストを作っていたとしても、Vox を使って再生した後でそれがアップデートされるわけではない。つまり、iTunes ライブラリを読み込むことはできるが、曲の再生をマーク付けすることはできない。

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では、Apple の年額 $24.99 のクラウドサービス、iTunes Match を使っている場合はどうか? Vox はあなたの iTunes Media フォルダの中にあるファイルのみを示すので、クラウドにある曲は全く現われない。iTunes を使ってそれらの曲をダウンロードしたら、まず Vox に iTunes ライブラリをロードし直させる必要がある。(Controls > Reload iTunes Library Completely だ。)

このアプリは、トラックの再生が始まったことを Growl または Notification Center を使って通知することもできる。Notification Center を使った場合、その通知は iTunes によるものより優れている。アルバムアートが表示されるからだ。

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再生そのものについては、Vox はきちんとした一連のオプションを提供する。ギャップレス再生、クロスフェード、左右バランス、音量上限、バッファサイズまで指定できる。また、プリセット付きのイコライザもメインのプレイヤーインターフェイスから利用できる。さらに興味深いけれども、結局はそれほど便利とも思えないのが、"hog mode" だ。これは、この機能をオンにしておくと、外部からのサウンドが聞こえなくなるというものらしい。でも、私がオンにしてもシステムビープ音はいつも通りに聞こえたのだが。同じように、Vox の再生オプションには Convert Stereo to Multiple Channels というチェックボックスもあるが、これは「ヘッドフォンに聞こえる立体音響のオーディオを Bauer DSP (BS2B) テクノロジーを使ってバイノーラル録音方式に変換する」ものだという。私の Beyerdynamic DT 990 ヘッドフォンで試した限り、あまり変わったようには聞こえなかった。

では、Vox はどんな人たちのためのものなのだろうか? 主として、小さい、あるいは中程度の大きさの iTunes ライブラリを持っている人たちや、あるいはオーディオと無関係の iTunes 機能に困惑している人たち、また、音楽ファイルを Finder のフォルダの中に整理して持っている人たち、といったところだろうか。Vox は FLAC ファイルを再生できるので、私がそのフォーマットで持っているたくさんのライブコンサートの録音を聴くのにうまく Vox が使える。これらのファイルを全部含んだトップレベルのフォルダを Vox がスキャンして、アルバムごとに階層的に表示してくれたらどんなに素敵だろうかと思うけれど、それはできない。そのフォルダを Vox に加えると、すべてのファイルを読んでから、フラットなプレイリストとして追加するだけだ。プレイリストをファイルとして保存してからダブルクリックして再生させることはできるけれど、iTunes のようなアプリでプレイリストを整理することに慣れた者にとって、それはすぐに厄介な作業に思えてしまう。

私は非常に大きな iTunes ライブラリを持っているので、Vox がうまく働くのは手動でファイルをそのウィンドウの上へドラッグした場合のみだ。たいていの場合、それはつまり一度に一曲ずつ、またはアルバム一つずつ、ということを意味する。ネストされたフォルダの集まりを Vox に読ませてその階層ごとスキャンさせることができないというのは、私にはどうにも納得できない。そういうことができたなら、iTunes ライブラリ以外に保存してある音楽にアクセスするための理想的な手段となると思うのだが。

無料の Vox 2.0 には良い意図が感じられるし、手軽に試してみられるのは音楽プレイヤーとしての iTunes に不満を感じている人にとって嬉しいことだが、相当大量の音楽コレクションを持っている人がそれを聴くための要求には応えられていない。非常に大きな iTunes ライブラリでの問題や、コンピュータから音楽にアクセスする際のいろいろな制約は、少なくとも私にとって iTunes をこれで置き換えるのが無理だということを意味している。私がこれを一般の人たちに推薦できるようになるためには、そうした分野で何らかの改善が施される必要があるだろう。

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iCloud: これはアンチ・ソーシャル・ネットワーク

  文: Michael E. Cohen: [email protected], @lymond
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

最近の私は、最新版の Pages を題材に本を書くことで忙しかった。(2014 年 2 月 3 日の記事“"Take Control of Pages" Pre-book を Leanpub 上で実験”参照。)新しい Pages で私が早くから気付いていた特徴的な側面の一つが、iCloud 対応であった。新しい Pages では、iCloud を経由して、Pages 書類を Mac から iPhone へ、iPad へ、また仕事場の Windows PC 上の Internet Explorer へと行き来させたり、それをまた Mac へ戻したりしても、あなたの書類は、文字見出しから脚注まで、一切何も失わない。もちろん、これを実現するために Apple は Pages からたくさんの機能を剥ぎ取って書類のファイル構造をデザインし直さなければならなかったのだが、Apple はそれに見合うだけの価値があると考えたのだった。そう、iCloud 互換性とは Apple にとって それほどまでに 重要なものであった。

それは取り立てて驚くほどのことではない。二年前、Apple CEO の Tim Cook は、iCloud が「次の十年間のための戦略」だと述べた。しかしながら実際それは、Apple の内部で 二十年間 近くにわたって浸透し続けてきた戦略だ。その上、iCloud はほとんど骨の髄からと言ってもよいほどに Steve Jobs の個性を反映するものであった。それは、彼が Apple に復帰する以前からずっと持ち続け、大切に温めてきたビジョンを体現するものであった。

Jobs が iCloud について説明した最も初期のものの一つは(もちろんその名前で呼ばれ始めたのはその後何年も経ってからのことだが)Apple の 1997 年の Worldwide Developers Conference で開発者たちを集めた 90 分間の Q&A セッションにおいてであった。 そのセッションが始まって 14 分ほど経った頃、一人の開発者の質問に答えて、Jobs は次のように述べた:

私が [NeXT 社で] 住んでいる世界をご説明しましょう。8 年ほど前、私たちは高速のネットワーキングを、今は時代遅れとなった NeXT ハードウェアに当時の NeXTSTEP を走らせたものに接続していました。私たちは NFS を使っていましたので、私たちの個人的データのすべてを、私たちはそれをホームディレクトリと呼んでいましたが、それぞれのローカルなマシンの上に置かず、一台のサーバの上に置いていました。そしてソフトウェアがそれらを完全に透明なものとしていました。サーバには大量の RAM が搭載されていましたので、実際場合によってはその方がローカルなハードディスクからデータを得るより高速なこともあったのです。なぜなら、場合によってよく使われるデータはサーバの RAM にキャッシュされたからです。けれども、本当の意味で注目に値するのは、会社がプロフェッショナルの人材を雇って毎晩サーバをバックアップさせることができたという点です。また、さらにもう少し資金を注ぎ込めばさらなる機能をサーバに加えて、例えば冗長ディスクドライブや、冗長電源を追加したりもできるわけです。そしてその結果、お分かりでしょうか、これまでの 7 年間にわたり、私が個人的データを失った回数はというと、ゼロです。私が自分のコンピュータをバックアップした回数も、ゼロです。

私は Apple に、NeXT に、Pixar に、そして自宅に、それぞれコンピュータを持っています。私がそのどれにでも歩み寄って自分でログインすると、そのコンピュータはネットワークを探索し、サーバ上に私のホームディレクトリを見つけ、私はどこにいても自分のデータが手に入ります。なのに、データのどれ一つとしてローカルなハードディスク上にはないのです。

[中略]

けれども、このようなネットワークを管理するのは大変な仕事です。ネットワークをセットアップして、すべてがきちんと働くようにするのは本当に複雑です。私が願うことの一つは、Apple がこの新種のネットワークのために何かをできるのではないかという、望みです。いや、本当は新種というわけではないのですが、世間一般の人たちにとっては新しいものです。今やギガビット Ethernet のテクノロジーがあり、新しいサーバのテクノロジーも出現しつつあり、ハードウェアクライアントはますます薄くなったので(ハードウェアクライアントは薄くてもソフトウェアが薄くなったわけではありません)十年以上前に Apple がユーザー体験を生み出したのと同じように、Apple は普通の人々のために、ネットワークをプラグ・アンド・プレイのものにできるのではないかという望みです。

この話の中で「ギガビット Ethernet のテクノロジー」というところをワイヤレス接続で置き換え、「薄いクライアント (シン・クライアント)」というところを例えば MacBook や iPad Air で置き換えてみれば、彼がまさに iCloud の説明をしていることが分かるだろう。つまり、あなた がどこにいようとも あなた のデータに あなた がアクセスできる、そのようなサービスだ。(皮肉なことにこれは Google の Chrome OS の完璧な説明ともなっている。)そして重要なのは、ここで言う「あなた」が、単数形の代名詞だということだ。Jobs のビジョンは個人中心のものであり、チーム中心のものではない。(同じセッションの中で Jobs は同僚たちと「連絡をとる」ためにネットワークを使う話にも触れているが、1997 年のその日に彼を本当に興奮させていたのは、 (単数形) がどこにいようと (単数形) のデータを手にすることができるというビジョンだった。)

その後長年にわたり Jobs のビジョンを実現するために Apple が設立してきたさまざまのサービスの名前を見れば、一目瞭然だろう。iTools、iDisk、Mobile MeiCloud だ。決して usTools、usDisk、MobileWe、usCloud ではない。

それらに関係する Apple の各種サービスやそれぞれの制約も、やはり iCloud の me-ness (単数志向) を反映している。iTunes アカウントはたった一つの Apple ID に対応し、本当の意味で家族のための規定もなければ、所有権の委譲に関する規定すらない。もしも夫婦が別れたら、あるいは子供が遠くの学校に進学したら、それまで一つの iTunes アカウントで得ていたメディアを、普通の本とかビデオテープとか DVD とか Blu-ray とか CD とか LP とかのようにして分け合うことすらできない。すべてが、今も、将来も、一人のオーナーのみを対象としている。

インターネットを共同作業とコミュニティーのためのものと見なし、そのための可能性を詩にして歌うことの好きな人たちもいる。(そう、ここ TidBITS の私たちの多くもそれに近いことをしている!)けれども Jobs が NeXT から Apple へと持ち込んだネットワークのビジョンはすべて個人に力を与えるためのものであった。コミュニティーはせいぜい付けたり程度のものであり、そのことは今も変わらない。

付けたりというのはたいてい余分の費用がかかるものだ。例えば、あなた個人の iCloud Photo Stream では 1,000 枚までの写真にあなたのどのデバイスからでも無料でアクセスできる。どんなに大きな写真が含まれていても構わない。でもあなたの共有 Photo Stream はどうか? それは iCloud ストレージ容量割り当ての計算に加えられ、無料なのは最初の 5 GB のみだ。(その 5 GB を iPad のバックアップに使うか、それとも他の人々と写真を共有するために使うかはあなた次第だが、良識あるユーザーにとってそれは Hobson の選択以外の何物でもない。)

コミュニティーと共同作業に余分の費用がかからない場合も、iCloud が提供するのは香りの抜けた紅茶にスコーンさえ付かないものである傾向が強い。例えば最新版の Pages を見てみよう。確かにリアルタイムのユーザー間共同作業を(Apple 外のユーザーさえ含めて)無料で提供しているけれども、それはウェブ版の Pages を経由したもののみであり、このウェブ版の Pages アプリには Mac 版の Pages アプリどころか iOS 版の Pages アプリの持つ機能のうち最小限の一部分しか含まれていない。

iCloud においては、自分のデータにアクセスできてどこにいてもそれを使うことができることが最優先となる。自分のデータを他の人と共有したり、他の人にそれを使わせたりすることは、たとえ可能であったとしてもただの追加機能に過ぎない。そして、過去に Apple がその種の機能を iTools や MobileMe で作り出した際にも、それらの機能は競合相手たちに比べて一般的に見劣りし、大きな転換ごとに情け容赦なくお払い箱にされてきたのだった。

確かに、リアルタイムのデータ共有とリアルタイムの共同作業のための堅牢かつ信頼できる基盤構造を (Google がしてきたように) 築くのは、一人の個人のデータを複数のデバイスの間で保存し同期するためにそのような基盤構造を築くのに比べれば、エンジニアリングの問題としてはるかに困難だ。Apple は個人に向けてパーソナルコンピューティングのデバイスを販売している。共同作業の問題を解決するためにリソースを振り向けても投資に対する大きな利得を生み出すものとはならないだろう。それに対してストレージと同期の問題を解決することは、直接個々の顧客に対する売り文句となれる。「あなた は、あなた の音楽と、あなた の書類と、あなた の本と、あなた のアプリと、あなた のメールと、あなた の連絡先情報と、あなた のブックマークを、あなた のどのデバイスの上でも使える」と言えればそれだけで立派な売り文句だろう!

だから、iCloud がいずれ進化して共同作業用ソフトウェアの最善の組み合わせとなるとか、メディア共有のための柔軟性を備えるようになるとか、コミュニティーを育成し促進するサービスになるとかいったことを、期待してはいけない。Apple は常に パーソナル コンピュータの会社であり、皆で抱き合うという概念はその DNA の中にない。

Steve Jobs が自己中心的であったのは有名な話だ。今にして思えば、ネットワーク化されたコンピューティングへの彼のビジョンが、野に放たれし時代から彼が Apple へと持ち帰ったまま、同じく自己中心的であるのは当然のことではなかろうか。Steve は去ったかもしれない。でも、彼の単数形の(独特の)ビジョンは生き続ける。これこそ、Apple の次の十年間のための戦略なのだ。

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FunBITS: Sochi 2014 オリンピックを楽しむ

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

冬季オリンピックの時期がまたやって来た。選手たちが花崗岩の塊の前で氷を必死に掃いたり (どうやらアマチュアレベルならビールが切っても切り離せないようだ)、熱帯に住むジャマイカ人たちがボブスレーのトラックをロケットのように滑り降りたり、北欧人たちがライフルを背負ってスキーで走ったりする (つまり James Bond の映画以外で、ということだ) 光景を目にすることができる、四年に一度の機会だ。今年はオリンピックに初めて登場する注目すべきイベントも、チームでのアイススケート競技から、バイアスロンの男女混合リレーまで、いくつかある。 同性愛に関するロシアの弾圧的な法律のため今回は見ないことにしたという人たち以外の皆さんに、たとえケーブルテレビの契約を切っていても競技を最大限に楽しめる方法を、いくつかここに紹介したいと思う。

競技を見る -- 嬉しいニュースは、NBC Olympics ウェブサイトからでも、また無料の NBC Sports Live Extra iOS アプリ を使っても、1,000 時間分すべてのオリンピック放送が見られることだ。悲しいニュースは、そのアプリからのライブビデオは協賛プロバイダでケーブルテレビか衛星テレビの購読をしていなければ見られないことだ。ケーブルテレビ購読をしていない人たちのために、ウェブサイトの方では一部のライブコンテンツを提供しているが、すべてを見ようと思えばやはり有料テレビ購読が必要となる。(驚くには当たらない。NBC はKabletown の、じゃなかった Comcast の所有する会社なのだ。)

たとえコンピュータやモバイルデバイスで競技を見るつもりがなくても、競技の結果や、今後の競技予定を知るためだけでも上記のアプリとウェブサイトは便利に使える。

残念なことに、なぜかは分からないが、この NBC Sports Live Extra アプリは AirPlay に対応していない。また Apple TV 用の NBC アプリもない。だから、Apple TV でオリンピックを見たければ、NBC Olympics ウェブサイトで見て、AirPlay Mirroring または AirParrot を使ってテレビの画面に映し出すしかないだろう。また、Safari 機能拡張の Media Center も試してみるとよい。これはスクリーン全体をミラーリングせず Safari の中で再生されているビデオのみを AirPlay に送ることができる。この方が結果が良いかもしれない。(TidBITS 会員ならば、2013 年 12 月 9 日の記事 "Take Control of Apple TV, Chapter 6: Apple TV at the Movies" を読めば Media Center の設定のしかたが分かる。)

何をやっても駄目なら、古き良き時代のテレビアンテナというものがある。幸いにも、お父さんが屋根の上に登ってアンテナを調整しなければならなかった時代に比べれば、今のテレビ放送はずっと進歩している。ケーブル放送や衛星放送に比べて地上波テレビ放送の圧縮率は低いので、地上波 HD の方がたいてい画質が良い。それに、都市部や都市郊外に住んでいるならば、うさぎの耳の形をした昔のアンテナでなく Mohu Leaf のようなずっとスタイリッシュかつパワフルなアンテナが使える。

残念ながら、私のように辺鄙な地方に住んでいる者にとっては、Mohu Leaf では大して役に立たない。地上波放送の電波を捉えるためには、エッフェル塔に匹敵するくらいのアンテナを建設する必要があるだろう。あなたの住んでいる所でどんな種類のアンテナがベストか、またどの方向にアンテナを向けるべきかを知りたければ、AntennaWeb で調べることができる。

もう一つ別の方法は Aereo だ。この革新的なサービスは、テレビ業界を狂乱状態に陥らせている.。Aereo では、放送されたテレビ番組をオンラインで視聴したり録画したりでき、AirPlay コンテンツを Apple TV に送ることもできる。残念ながら Aereo のサービスが受けられるのは米国内の一部の地域のみだが、もしあなたがサービス対象地域に住んでいるなら月額 $8 からで利用できる。

競技をフォローする -- 2014 年冬期大会をライブで見られなくても、ついて行くための他の方法はまだたくさんある。NBC はいつも通りソーシャルメディアのアカウントを作っている。Twitter では @NBCOlympics アカウント、写真は Instagram の nbcolympics アカウント、ハイライトのみのとても短いビデオを集めた Vine アカウントは NBCOlympics だ。

公式アプリとして iPhone および iPad 用の Sochi 2014 Guide アプリ (無料) があるが、残念ながらこれは Sochi の宿泊施設と同様に未完成のようだ。理論的には、イベントが始まると通知したり、イベントをカレンダーに加えたりできるはずだが、私が何度やってもセットアップが終わる前にクラッシュしてしまう。

幸いにも、公式の Sochi 2014 Results アプリ (無料) の方はずっと安定しているようだ。特定の国、アスリート、スポーツに関する結果を通知するように設定できる。また、イベントのスケジュールも内蔵されていて、かなり便利だ。

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アスリートたちを応援する -- お気に入りのアスリートたちが競技する姿を見るだけでも楽しいが、驚異のテクノロジーのお陰で、Sochi でホテルの部屋を確保することに挑戦したり、あるいは寒さに挑戦したりする必要もなしに、あなたも参加できる。

iOS 用の 2014 Team USA Road to Sochi アプリ (無料) は、毎日の最新情報、アスリートの詳しい履歴、アスリートたちのソーシャルメディアプロフィールなどを見せてくれる。さらに、ボタンを一つクリックするだけで、ソーシャルメディア経由で Team USA のアスリートたちを応援できるようになっている。洗練されたアプリで、うまく機能している。

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お気に入りのアスリートをフォローしたりやり取りしたりするためもっと国際的な選択肢が欲しいという人は、IOC の iOS 用 Olympic Athletes' Hub アプリを使ってアスリートの Facebook、Twitter、および Instagram フィードを見たり、トレンドを見たり、カスタムフィードを作ったりできる。

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最後にもう一つ、これは少々悪趣味な気がするが、AT&T が出している無料のアプリ #ItsOurTime presented (そう、ハッシュタグ記号も含めて、これが実際のアプリの名前だ) では Team USA へのあなたの応援の声を録音でき、それが AT&T の #ItsOurTime ウェブサイト.で披露される。そう、かなり悪趣味だ。

どうぞ競技を楽しんで頂きたい。オリンピックのためのオンラインまたは iOS 用のリソースで他にも興味深いものがあれば、コメントでお知らせ願いたい!

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2014 年 2 月 10 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Mellel 3.3 -- RedleX が Mellel 3.3 をリリースし、たくさんの新機能と多くのバグ修正を盛り込んだ。このワードプロセッサアプリには新たにコメント機能が装備され、コメントはリッチテキストフォーマットにも Microsoft Word の.docフォーマットにも書き出せ、逆に (RTF ファイルとして) 読み込むこともできる。今回のアップデートでアプリの検索・置換機能が大幅に拡張され、最近検索した項目のリストや、Find Expressions と Find Actions を手軽に保存できる方法も追加された。Mellel 3.3 ではまた Find Set ダイアログ (検索および置換の Find Actions マクロを集めたもの) が一から書き直されて以前より便利になった。(これらの新機能について詳しくはブログ記事.をぜひお読み頂きたい。)その他の変更点としては、フォントのマッチングに RTF 読み込みを加えて改善、より賢くなった自動タイトル、目次のレンダリングの改善、クラッシュの自動報告などがある。(RedleX からも Mac App Store からも新規購入 $39、無料アップデート、100 MB、リリースノート)

Mellel 3.3 へのコメントリンク:

Evernote 5.5 -- 新たに記述的検索機能を装備した Evernote 5.5 ではノートを場所、ファイル内容、日付の範囲、その他を基準としてより手軽に仕分けできるようになった。あなたがタイプするに従って、Evernote は題材、タグ、日付範囲、元々どのデバイスでそのノートを作ったか、その他によって適切な提案を出す。(記述的検索機能について詳しい情報、および利用法の例などが Evernote ブログ記事にある。)この記述的検索機能は現在のところ英語にしか対応していないが、今後他の言語にも対応して行く予定だ。

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今回のアップデートではまた、名刺スキャン機能(ScanSnap Evernote Edition と共に使う)を改善し、Evernote ウィンドウでの問題点を修正し、クラッシュを起こしていた可能性のある同期のバグを一件解消している。(Evernote からも Mac App Store からも無料、49.5 MB)

Evernote 5.5 へのコメントリンク:

Voila 3.7 -- Global Delight が Voila 3.7 をリリースし、HD 画面のキャプチャを毎秒 60 フレームで録画できる機能を追加した。今回のアップデートではまた Retina ディスプレイでのスクリーンキャプチャをダウンスケールするオプションを提供し、OS X 10.9 Mavericks ネイティブなタグ付け機能を追加し、Facebook、Twitter、Flickr、Vimeo、Messages および AirDrop を経由してビデオを共有する機能に対応し、録画の継続時間を設定するタイマーを追加し、キャプチャしたもののファイル名の後に日付と時刻を付けるオプションを提供した。(Global Delight または Mac App Store, から新規購入 $29.99、Global Delight からの場合は TidBITS 会員 に 25 パーセント割引、無料アップデート、26.4 MB、リリースノート)

Voila 3.7 へのコメントリンク:

Downcast 1.0.6 -- Jamawkinaw Enterprises が Downcast 1.0.6 をリリースし、このポッドキャッチャーアプリに大幅な安定性の改善を加えた。行き詰まったりハングしたりする問題(2013 年 8 月 3 日の記事“Downcast Mac にやってくるが、Instacast の洗練さに欠ける”参照)に対して大きな修正が施された。今回のメンテナンスリリースではまた、ダウンロードキューの中でダウンロードが止まってしまったバグ、ローカルでないエピソードのストリーミングができなかった問題、リストの中で選んだものを頻繁にリセットする必要が生じてイライラさせられたこと、プレイリストの残り時間がずれてしまう不具合、エピソードリストが消滅してしまう厄介な問題などが修正された。このアップデートではまた、読み込んだエピソードを削除した際に単にリセットするだけでなく完全に削除するようにしている。( Mac App Store から新規購入 $9.99、無料アップデート、6.4 MB、リリースノート)

Downcast 1.0.6 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2014 年 2 月 10 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、Microsoft が同社の Cloud and Enterprise 担当取締役副社長 Satya Nadella を新しい CEO に指名した。一方 Microsoft にとっての悪いニュースは北朝鮮さえもはや同社の製品をコピーしたがらず、同国政権の最新版の公式 Linux ディストリビューションが従来の Windows 風の見栄えを捨ててより Mac 風のものに変わったという知らせだ。Steve Jobs ならどう思っただろうか? それは知る由もないが、どうやら彼は Sony の VAIO シリーズのコンピュータに Mac OS X をインストールしてもらいたがっていたらしい。NBC は Sochi オリンピックでハッキングされたと報道して私たちを驚かせたが、その報道そのものが完全な捏造だと分かった。それから、Apple が自社株を大幅な安値で買い戻し、CEO の Tim Cook が今年中に新製品を出すことを約束した。

NBC、Sochi オリンピックでのハッキングをでっち上げる -- NBC は Sochi オリンピックにおけるインターネットセキュリティについてショッキングな報道をした。レポーターの Richard Engel が、一台の Android フォンと一台の MacBook (彼はまるで怒ったゴリラのように箱を引き裂いてそれを取り出した) とがネットワークに接続させた途端にハッキングされる様子を実演して見せたのだ。Errata Security の記事によれば、この話は完全な捏造だという。そもそもこの映像は Sochi でなく Moscow で撮影されたものであって、Engel は意図的にそのマルウェアを自分でインストールしたのであり、示されたハックは世界中のどの場所でも起こり得るものだという。この話の教訓は? NBC にセキュリティのアドバイスを(あるいは箱から取り出す方法の説明を)期待してはいけない。

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Apple、二週間のうちに 140 億ドルの自社株を買い戻す -- Apple の株価は最新の四半期業績が発表された後 8 パーセント下落したが、同社はこの機会を利用して 140 億ドル分の自社株を買い戻した。CEO の Tim Cook は「私たちは Apple に賭けているということです、私たちは自分たちのしていることと、自分たちが計画していることに本当に自信を持っているということです」と Wall Street Journal に語った。彼はまた 2014 年に新製品を出すことを改めて表明し「新しいカテゴリーが生まれるでしょう。まだそれが何かをお話することはできませんが、本当に素晴らしいものを開発中です」と述べた。

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Steve Jobs はどれほど Sony に近かったか -- Steve Jobs が Sony に心酔していたことはよく知られている。黒いタートルネック風の服と Levi's 501 の組み合わせという彼の有名な服装も、Sony の制服に触発されたものであった。東京在住の IT ジャーナリスト Nobuyuki Hayashi が、この Apple 共同創設者とこの日本の会社がどれほど近かったかについて新しい情報を明かした。Jobs は Sony の共同創設者 Akio Morita を何度も訪問したことがあり、この二人の男は互いに相手に尊敬の念を抱いていたという。Jobs は Sony の VAIO ラップトップ機を非常に気に入り、2001 年にはこれに Mac OS X を採用するよう Sony を説得しようとした。Jobs はさらに、同社の Cyber-shot カメラに GPS を組み込むアイデアを Sony に与えたという。

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北朝鮮でさえ Apple をコピーする -- Microsoft にとって悪いニュースだ。北朝鮮でさえ、もはや Windows をコピーしたがらない。同国の公式 Linux ディストリビューション Red Star OS の最新バージョンが、驚くほど Mac OS X によく似た見栄えを備えている。従来のバージョンは Windows のインターフェイスを真似ていたのだが。もちろん、北朝鮮のオペレーティングシステムであるからにはプロパガンダなしではいられない。例えば、今年は 103 年と設定されている。北朝鮮の創立者 Kim Il-sung が生まれた年から数えたものだ。

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Satya Nadella が Microsoft の新しい CEO に -- Microsoft が、Satya Nadella が Steve Ballmer に代わって同社の CEO に就任したと発表した。Nadella は 46 歳、1992 年以来同社に勤務しているが、最近は Microsoft の Cloud and Enterprise 担当取締役副社長として働いていた。創設者の Bill Gates も Microsoft の取締役会会長を辞任して、より実務的な相談役として「テクノロジーと製品の方向性を形成するため Nadella を支える」という。

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