TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1257/02-Feb-2015

今週号の TidBITS では、OS X 10.10.2 Yosemite、iOS 8.1.3 と Apple TV 7.0.3 について詳しくお伝えする。Apple の 2015 年第1四半期が終わって、同社は記録的な売上高を報告するとともに、公式に Apple Watch のリリース時期を発表した。Glenn Fleishman は Audio Hijack 3 をレビューする。人気のオーディオワークフローアプリを完全に書き直したメジャーなアップデートだ。Mariva H. Aviram は視覚障害のある人のためのコンピューティングについてのシリーズ記事で、今回はアクセシビリティの問題を解決するためのソフトウェアに焦点をあてる。それからもう一つ大切なこととして、Joe Kissell が準備中の "Take Control of Security for Mac Users" の最初の二つの章をすべての方々が読める形で提供することにした。その後の章も読みたいと思われるなら、TidBITS 会員になって頂ければ今後の章が出来上がり次第読めるようになる。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Remote Desktop 3.8、Alfred 2.6、Downcast 1.1.6、SpamSieve 2.9.19、PDFpen と PDFpenPro 7.0.1、DEVONthink/DEVONnote 2.8.3、Audio Hijack 3.0.1、iTunes 12.1、1Password 5.1、Carbon Copy Cloner 4.0.5、それにセキュリティアップデート 2015-001 (Mountain Lion 用、Mavericks 用) だ。

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Apple、OS X 10.10.2, iOS 8.1.3, そして Apple TV 7.0.3 をリリース

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は OS X Yosemite を 10.10.2 に、iOS を 8.1.3 に、そして第三世代 Apple TV を 7.0.3 にアップデートし、幾つかの厄介な問題、そして数多くのセキュリティ懸念に対処している。

OS X Yosemite -- この OS X Yosemite 10.10.2 Update は現在 Software Update 経由で入手可であるが、Apple の Support Downloads Web サイトにも、差分アップデート (554.4 MB; 10.10.1 対応) とコンボアップデート (840.3 MB; どのバージョンの 10.10 にも対応) の両方が出されている。OS X 10.10.2 は次のことを約束している:

加えて、10.10.2 では多くのセキュリティアップデートも提供しているが、最も目につくのは、Thunderbolt を使って Mac をハイジャックする Thunderstrike 攻撃に対して各種の 2013 Mac を堅牢にすることである ("Thunderstrike 概念実証攻撃は深刻だが、限定的" 9 January 2015 参照)。残念ながら、 Yosemite 以前の Mac は脆弱なままである。10.10.2 ではまた、App Store ログイン、Bluetooth、コマンドラインユーティリティ、フォント処理、グラフィックスドライバー、PDF 処理、Spotlight、等々での脆弱性を修正している。Safari もまた 8.0.3 へとアップデートされ、悪意の Web サイトにコード実行を許す WebKit での複数のメモリ破損問題を修正している。

もしこのアップデートをインストールしようとして、"このボリュームはこのアップデートの要件を満たしていません" という エラーメッセージが出た人は、コンボアップデートを再度ダウンロードしてみて欲しい。何故ならば、Apple はこれを最初のリリースの日の遅い時間に置き換えたからである。それでもダメならば、MacIssues の Topher Kessler が、正しくインストール出来るようにする修正策を提供している。

iOS 8 -- Apple は多くのバグに対処するため iOS 8.1.3 をリリースした。一番目に付くのは、ソフトウェアアップデートを実行するために必要とされるストレージの量を減らすことである。皮肉にも、無線での iOS 8.1.2 アップデートは 28.2 MB であったのに ("Apple、iOS 8.1.2 をリリースし、消えた着信音を復旧" 10 December 2014 参照)、iOS 8.1.3 は iPhone 6 上で 247 MB ある。ダウンロードの大きさは機種によって異なる。このアップデートは、機器上では Settings > General > Software Update 経由で、又はコンピュータ上の iTunes 経由でダウンロード出来る。

iOS 8.1.3 で修正しているとしている他のことには、ユーザーの中に Messages 及び FaceTime に Apple ID パスワードを入力出来ない人がいる、Spotlight がアプリの結果を表示しなくなる原因のバグ、そして iPad がマルチタスクジェスチャーを認識しなくなる問題がある。iOS 8.1.3 にはまた、標準化教育試験のための新しい設定オプションが追加されている。

iOS 8.1.3 で修正されたセキュリティ問題には、PDF 脆弱性、任意コード実行の原因となる数多くの問題、サンドボックスをバイパス出来る Web サイト、そして UI をなりすませる悪意の Web サイトが含まれる。

Apple TV -- 第三世代 Apple TV も 7.0.3 にアップデートされた。新しい機能は提供されていないが、多くのセキュリティ改善が含まれており、殆どが iOS 8.1.3 にあるものと同じである。

アップデートとは関係ないが、Apple TV は今や Sports Illustrated の 120 SPORTS チャネルを提供している。これは MLB, NBA, NHL, 等々のイベントをストリームする。

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巨大な iPhone、Apple に巨大な Q1 2015 を;Apple Watch 発売日明らかに

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters, Michael E. Cohen: [email protected], @lymond
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Apple は止められないようにも見える。同社は 2015 年の最初の会計四半期で、売上げ $74.6 billion、純利益 $18 billion を記録したが、これはこれ迄如何なる会社が一四半期で計上した利益をも上回る。アナリストの総意は、売上げ $67.69 billion そして一株当たり利益 $2.60 であったが、実際の一株当たり利益は $3.06 であった。これに対して、Apple は昨年の同四半期に売上げ $57.6 billion、利益 $13.1 billion (一株当たり $2.07) を稼いだ。

Apple はこの最初の四半期に息を飲む 74.5 百万台の iPhone を売り、前年対比の伸び率は 45.9% となった。数字の遊びの好きな人のために言うと、これは平均するとこの四半期中のどの日のどの時間にも 34,000 台を超える iPhone が売れたこと意味し、CEO Tim Cook をして "理解しがたい" と言わしめた量である。Apple の売上げの約三分の二が iPhone 販売によるものである。"[iPhone] 需要は膨大であった" と四半期業績報告電話会見で Cook は表現した。そして、これは Apple が iPhone 6 の需要に供給を追いつかせるのに 1 月までかかったことも考慮しての結果である。

Mac の人気も引き続き好調で、Apple は 5.5 百万台を売り、年率で 14% 成長した。この販売の増加はラップトップとデスクトップの両方からのもので、業界の傾向とは正反対である:IDC の報告によると、コンピュータ全般の販売は前四半期には 2.4% 縮小したというが、アナリストの質問に答えて、 2015 年第一四半期における PC 全般の縮小は約 3% であったと Cook は言った。

iPad は引き続き Apple ラインナップの中でのちょっとした弱点となっており、出荷はたったの 21.4 百万台にとどまり、これは年率 21.6% の減少で販売不振は続いた。IDC によると、タブレット市場全体でも動いたのは 54 百万台にとどまるという。

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Cook は、それでも iPad については楽観的であり、その成長を四半期で測っても全体像は分からないと言った。Cook は、初めて買った人の割合は、発展途上の市場では 50% で、その他では 70% だと語った。Cook は、商取引での採用も利用も高く、米国でのタブレットを使った電子商取引の 82% は iPad であったと言った。Cook はまた、iPad を企業に持ち込む手助けとなる IBM との提携についても楽観的である ("ITbits: IBM MobileFirst を (Apple のエンタープライズ) の文脈で捉える" 22 July 2014 参照)。彼は、iPad が Fortune 500 企業の全てに入っていることは認めている一方で、現時点では "企業は従業員のほんの一握りの人達だけにしか使わせていない" と言った。そして、そこが IBM が登場する所で、IBM は企業専用のモバイルアプリを提供する。Cook はそれが急ピッチでリリースされていると語った。

Apple ラインナップの中でかっては一番のスターであった iPod は、公式にも単なる残り火となった。その衰退する売上げは - ここには iOS ベースの iPod touch そして専用の iPod nano と iPod shuffle が含まれる - 残り物用の Other Products カテゴリに組み込まれた。ここには今や iPod, Apple TV, Beats Electronics, そしてアクセサリーが含まれる。Apple はこのカテゴリでほんの $2.7 billion を売上げ、年率で 5.2% の減少であった。

iPad 及び iPod の減少にも拘わらず、iOS 機器の人気は引き続き類を見ないものであった:Apple は昨年末に 10 億台目の iOS 機器を売った - この記念となった特別な機器はスペースグレイの 64 GB iPhone 6 Plus で、Apple はこれをその購入者から保存のため入手した。恐らく Cupertino のどこか奥深い所にある秘密のトロフィーケースに収めてあるのであろう。

iOS 機器について言えば、iPod の後継と目される Apple Watch を待つ期間も、そう長くはないことが分かった。電話会見での質疑応答の場で、Cook は発売時期は April 2015 になると言った。そして彼はもう既にこれ無しでの生活は考えられないし、毎日身につけているとも語った。(もっとも、どれだけ頻繁に充電しなければならないのかを敢えて彼に聞く人はいなかった。)

小売りとサービスもこの突出した四半期に貢献した。App Store 売上げは 41% 上昇、そしてサービスの売上げは $4.8 billion であった - これは iPod と他のアクセサリーの販売でもたらしたもののほぼ二倍に近く、iPod がどれだけ深く落ち込んだかを象徴している。

Apple は Apple Pay についても引き続き前向きである。Cook をして、今年は "Apple Pay の年" とまで言わせた。彼は、この金融サービスに新たなサービスや能力を加えることについて "山程のことが計画されている" と言った。Cook はまた、彼が "ホリデーシーズンのまっただ中に Apple Pay を導入してくれた商人の数にただただ圧倒された" とも語った。小売業の Whole Foods は、Apple Pay を導入した後、無接触での支払いは 400% 増加したと報告している。

勿論、Apple の業績電話会見をアナリストの Gene Munster が Apple TV についての質問を発せずに終わることは出来ない。Cook は、何時ものように、その将来については口をつぐんだままで、いつもの "我々は引き続き考慮中である" との表現で答え、そして Apple はこのセットトップボックスを 25 百万台売ったことを明らかにした。

経済アナリスト達が Apple の秘密について Tim Cook に愚かな質問をするというのは、この業績電話会見での苛立たしい伝統となってきた。質問を受けるために、Cook が Seattle Seahawks ランニングバック Marshawn Lynch を招待するというのはどうであろうか? そうすればこの会見も少しは気楽なものになるのではなかろうか、それに質問を無視するのに Lynch ほど長けた人は誰もいない。誰かが "Apple の次のビッグな製品は何か" と質問しても、Lynch は言うであろう、"ありがとう。私は感謝の気持ちで一杯だ。私がここにいるのは罰金を食わないためだけなのだから。"

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"Take Control of Security for Mac Users" を TidBITS でストリーム

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

あなたは、クレジットカード詐欺、ハッキング、なりすまし犯罪、或いはオンラインショッピングやバンキングのリスクについて心配ですか? そうであれば、あなたには良い仲間がいる - これらの現代犯罪は色々な調査でも一番のセキュリティ懸念に挙げられている。あなたが Mac を使う時には、マルウェア、フィッシング、Wi-Fi 傍受、等々の危険に直面するかもしれない。しかし、だからといって、最低限のセキュリティを守るためにあなたのデジタル生活を閉じてしまう必要はない - それではまるで強盗に遭うかもしれないから外出はしないという様なものである。ある程度の常識と適切な予防策をもってすれば、あなたに、あなたの Mac に、そしてあなたのデータに襲いかかるリスクと損害を最小化できる。

と言う訳で、我々もお手伝いをしたいと思う。それも今週から。我々のベストセラー Take Control 著者 Joe Kissell は "Take Control of Security for Mac Users" と呼ばれる新しい本に取りかかっている。これは、この話題を静かに、友好的に見つめ、そしてあなたのセキュリティを増強する、不当な迷惑を引き起こすことなく、理にかなった進言を提供するべく注意深く練られたものである。

この情報をより速やかに、そして扱いやすい量でお届けするため、我々はこの本を TidBITS の中で、章毎に次の数ヶ月をかけてストリームする事とした。我々はこの "チャプティクル" アプローチをこれ迄に三冊で採ってきた:Jeff Carlson の "Take Control of Your Digital Photos on a Mac" Josh Centers の "Take Control of Apple TV" そして Charles Edge の "Take Control of OS X Server" (こちらは Yosemite Server にアップデートしたバージョンを今まさにリリースしようとしている) である。他の本と同様、"Take Control of Security for Mac Users" は、完成し次第、PDF, EPUB, そして Mobipocket フォーマットで売り出される。

誰もが Chapter 1, "Introducing Mac Security" と Chapter 2, "Learn Security Basics" を読むことが出来る (そして読むべきである!) - これらは今入手可である。来週から、我々は Chapter 3, "Perform Quick Security Fixes" を TidBITS 会員向けに載せる予定なので、これと更にその先の章を読み、そしてコメントしたいとお思いなら、TidBITS 会員プログラムに入って貰う必要がある。それは、我々が引き続き第一級のコンテンツを皆さんにお届けするのを手助けし、そしてその課程で Mac のセキュリティについて学べる素晴らしい方法である。その他の TidBITS 会員特典には、全ての Take Control 本に対する 30% の割引き、そして優れた Mac アプリに対する割引き、フルテキストの RSS フィード、そしてバナー広告無しバージョンの TidBITS Web サイトが含まれる。

全目次は下記の通り:

と言う訳で、まずは最初の幾つかのチャプティクルを見て、感想をコメント経由で教えて欲しい!

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Audio Hijack 3 がボリュームを増す

  文: Glenn Fleishman: [email protected], @glennf
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Mac 上で Apple はずっと以前から、比較的簡単にマイクロフォンやヘッドセットなどオーディオ入力を単に差し込むだけですぐ使えるようにしてきた。けれども Mac OS X の中のどこを見ても、複数の異なるオーディオ音源をミックスする機能への対応は内蔵していない。そしてそれこそ、Rogue Amoeba の製品 Audio Hijack が入り込むための絶好の機会となっている。これはオーディオ入力と出力のためのワークフロー用ツールで、音源を組み合わせたり分離したり、タイマー設定により特定の時刻にまたは一定間隔の繰り返しでオーディオを録音したり、また効果やフィルターを追加したりできる。

リリースされたばかりの Audio Hijack 3 はこのソフトウェアに拡張と改善を加える。そのインターフェイスと、異なるオーディオ要素をまとめ上げる手法とに、抜本的な見直しを施している。また、オーディオをキャプチャしている最中にも設定やオーディオ聴取を操作できる新しいオプションも追加された。

Rogue Amoeba は今回、一つだけの版としてリリースすることに決めた。今後これは単純に "Audio Hijack" と呼ばれる。従来あった "Pro" 版の機能は何も減っていないが、ただ名前にその単語が付かなくなっただけだ。完全機能のバージョンをダウンロードして最大 10 分間のオーディオ録音に使うことができるが、それが過ぎると録音に雑音が上書きされるようになる。新規の購入の場合は $49 ( TidBITS 会員には 20 パーセント割引) だが、Rogue Amoeba は従来のバージョンのオーナーに対して $25 のアップグレード価格で提供している。Audio Hijack 3 が OS X 10.9 Mavericks またはそれ以降を要することに注意しよう。

オーディオをキャプチャしたいと思えば、いつでも Audio Hijack が使える。ライブ録音でもポッドキャストの録音でも、インターネットラジオ放送を留守録するにも、DVD やウェブセミナー、その他リアルタイムのイベント、あるいはデジタル著作権管理の付いたメディアの録音にも使える。

従来のバージョンを使ってきた人は、考え方を整理し直して新しい手法に慣れる必要がある。やり方がはっきりと変わってしまったからだ。ベテランのハイジャッカーたちは、利用可能な入力音源のワークフローをコンパクトにリストしていた左側のナビゲーションバーがなくなって残念に思うかもしれない。新しいやり方では空間的でアイコンを用いた表示方法がとられており、慣れるのに苦労するかもしれない。

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Hijack の基本 -- Audio Hijack の名前はその基本的機能「ハイジャック」から来ている。つまり Mac 上のオーディオストリームを横取りするのだ。従来のリリースでは、入力音源が最も主要な要素であった。マイクロフォンから、アプリから、あるいは仮想デバイスから、サウンドを取り込むように Audio Hijack Pro を設定していた。それら個々の入力はそれぞれ別々の項目であって、スケジュール化したり、ファイルに保存したり、効果を施したりできた。

単純な状況下ではそういうやり方が便利であったけれども、ある時私は Skype 通話に四つの異なる入力項目がある状況に直面し、それら複数の音源を一つの仮想入力に送り、そこからファイルへ送らざるを得なかった。使い方はかなり複雑で、四つの別々の「ハイジャック」から始めて、録音はたった一つにする必要があった。

Audio Hijack 3 の新しい概念スキームにおいては、一つのセッションが複数の入力と、複数の録音、それに複数の出力を組み合わせることができ、それらをドラッグ&ドロップのレイアウトの中で設定する。個々の項目でそれぞれ独自のコントロールができる。こうすることでよく使う活動が劇的に易しくなるとともに、何が起こっているかについて多くのことが一目で分かるようになる。

また、今回の改訂ではライブの相互作用も内蔵され、アクティブなセッションの最中に多くのパラメータを変更できるようになった。大きな新機能の一つは、録音を中断することなくライブのオーディオを一時停止したり、巻き戻したり、ステップして聴いたりできることだ。iMore の記事で、Serenity Caldwell がこの機能について入門的説明を 書いている。

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Audio Hijack は従来通り入力を Application、Input Device、System Audio の三つに分類する。USB 接続など他のオーディオ音源は Input Device のオプションとして扱う。Instant On がインストール済みならば (Audio Hijack > Install Extras を選択)、アプリケーションを起動し直す必要なしにそれぞれのオーディオが送り直される。Instant On がなければ起動し直す必要がある。(無料の Soundflower 仮想オーディオデバイスをインストールしても複数の音源を集めて送り直し出力できるようになるが、今回の新リリースでその必要度は減った。)

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出力としては、スピーカー、Soundflower、ヘッドフォン、Recorder などがある。Recorder は、最終的なオーディオをファイルにキャプチャする。Audio Hijack 3 が素晴らしいのは、同じセッションの中に複数の録音機を置いて、それぞれ異なった方法で録音させ、その上でまた複数のセッションを同時に動かすこともできる点だ。

途中に効果を挟むオプションもあって、音量を上げたり、サウンド周波数のバンドをイコライズしたり、オーディオをクリーンアップしたりできる。録音している間、すべてのアクティブなオーディオのパスがアニメーションで明るく示され、どのデバイスからどのデバイスへオーディオが流れているのかがはっきりと分かる。

以上がごく簡潔な説明だが、このプログラムでは実際にいろいろの場合に応じて使ってみるのが一番分かりやすい説明となる。

スケジュール録音 -- Audio Hijack では、メインウィンドウが Sessions、Recordings、Schedule の三つに分かれる。Sessions にはさきほど述べたようなサウンドワークフローのレイアウトが並んでいる。Recordings で録音項目の出力が見つかる。Schedules ではタイマーを使ったイベントの設定をする。

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ウェブブラウザで開いた際にオーディオの再生が始まるような URL なら何でも、スケジュール化することができる。従来これはインターネットラジオを録音するのに適した方法だったが、この記事の準備のためにいろいろ調べてみると、多くの放送局やネットワークが feed URL に切り替えていて、単純なコピーとペーストでは使えなくなってしまっていた。feed URL ではウィンドウを開くことが必要で、場合によっては再生ボタンをクリックして特別の URL を生成させたり JavaScript ベースのクリックを必要としたりするものもある。

その種のフィードは探さなければ見つからないかもしれないが、もし iTunes の Internet Radio セクションにリストされていればそこから抽出することができる。iTunes 12 では左上にある三つの点をクリックして Internet Radio を選び、望みの放送局を選び、Command-I を押す。Location フィールドを Control-クリックして Copy Path を選べばよい。公共ラジオ番組の場合には、PublicRadioFan を使うとよい。ここにはフィードやスケジュールの詳細なリストがある。

ウェブブラウザの中でストリームが自動的に再生されると分かったら、フルのキャプチャシーケンスをセッションの中に作成する。以下に説明するように、まずはテンプレートから始める。 このシーケンスのスクリーンキャストもご覧頂きたい。(ブラウザごとに一つずつのストリームしかキャプチャできないことに注意しよう。ただし複数のブラウザがあれば、同時に複数のオーディオプログラムをキャプチャできるはずだ。)

  1. Home ウィンドウの Sessions タブで、New Session をクリックする。

  2. Application Audio を選び、Choose をクリックする。

  3. 作成されたセッションの中で、Application 音源をクリックしてから、ポップアップメニューで Safari を選び、そこに URL をペーストする。

  4. デフォルト (256 Kbps MP3) と違うオーディオ録音フォーマットに変更したい場合は、Recorder 出力をクリックしてから、Recording Format メニューでフォーマットを選ぶ。ここには多くのプリセットがあり、それぞれカスタマイズもできる。また、録音に名前を付けたり、タグを設定したり、デフォルト以外の出力先を選んだりすることもできる。

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  5. Control > Turn Recording Off を選んでから Record ボタンをクリックすることで再生をテストする。(そうすればワークフローのテストの際にファイルに書き込まずに済む。)ブラウザが開いていなければここで起動され、URL を開いて、録音が始まる。

  6. すべてがうまく行けば、もう一度 Record ボタンをクリックして録音を止め、それから Control > Turn Recording On を選んでおく。(複数の Recorder を使うセッションでは Turn All Recordings Off または On という項目名になっている。)

  7. タイマー録音の際に、たぶんあなたは Output Device が再生することを望まないだろう。ならば、その Output Device をクリックしてから、アクティブスイッチを Off に切り替えるか、あるいは Control-クリックして Delete Block を選ぶ。(いずれにしてもシステムオーディオをミュートにする必要はない。Audio Hijack が、出力がスピーカーに達するより前にそのアプリケーションのサウンド出力を横取りしているからだ。)

  8. ここで、セッションに名前を付けよう。残念ながら、Session ウィンドウの中でセッションに名前を付けることはできない。Sessions タブに切り替え、デフォルト名で作成されたばかりのセッションを見つけ、その名前をクリックし、一呼吸置いて名前がハイライト表示されたら、何か分かりやすい名前を付けよう。

  9. Schedule タブをクリックして、そのセッションを見つける。(Session ウィンドウの中で Schedule をクリックしてもよい。するとその項目が選択された状態で Schedule が開く。)

  10. Add Timer をクリックして、On Date (一回限りの場合) か Repeat Every などパラメータをセットする。遠い地域からのライブ放送の場合には録音のタイムゾーンを確認するのを忘れないようにしよう。

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  11. たぶんあなたは Quit Sources When Done を選んでおきたいだろう。そうすれば終わった後にオーディオのストリーミングがいつまでも流れ続けることがなくなる。

さて、これでタイマーがセットされた。個々のスケジュールごとに複数のタイマーをセットすることができる。単に Add Timer をクリックするだけで追加のタイマーが作られ、一回限りでも繰り返しでも録音をスケジュールできる。

Schedule タブを開く度に、リストの一番上には現在アクティブなタイマー、その下に期限切れとなったタイマー、その下にタイマーが設定されていないすべてのセッション、という順番に並ぶ。

複数音源のポッドキャストを録音 -- 私が最も頻繁に Audio Hijack を使う目的はポッドキャストの録音だが、そこにいる人と遠隔にいる人の両方が参加することが多い。ベルトにサスペンダー、ダクトテープも使って万一録音に失敗しても代替の道があるようにしている。録音は通常 "multi-ender" つまりそれぞれの参加者が自分で自分のオーディオをローカルに録音し、あとで私が全部をミキシングする方法だ。(Jason Snell が Six Colors の記事で彼自身の方法を詳しく解説しているが、そこにも multi-ender が登場する。)

けれどもたとえすべての参加者がローカルに録音しても、私はやはりバックアップを二つ作っておきたい。従来の Audio Hijack Pro では、私は VoIP プログラム (ほとんどいつも Skype) を録音するとともに、QuickTime Player を使って私のマイクから直接録音もしていた。新バージョンの Audio Hijack では、その両方ができる。

普通に VoIP を録音するなら、Audio Hijack が提供するデフォルトのテンプレート (Voice Chat という名前) がかなりうまく働く。このテンプレートが何をするかを詳しく切り分けて説明しよう:

これは必ずしも私が編集しようと計画している訳ではないが、仮にもっと複雑なポッドキャストの録音をすることになったとすれば、三種類のオーディオ音源を取り込むかもしれない。Skype の出力と、マイクと、Soundflower だ。その前にあらかじめサウンド効果のプログラムを設定し、Soundflower をを通してそれ自身を送り込むようにする。個々の音源ごとに高音質のバックアップ録音を作りたければ、まずそれらが非圧縮 AIFF Recorder 項目を通るようにしておく。

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エコーが起こるのを避けるために、Skype と Soundflower からのオーディオが Output Device を通るようにしてから、マイクとその Output Device からメーター表示を通してモノラル 128 Kbps AAC ファイルへと送り込む。もしも録音が完璧にうまく行けば、その出来合いの AAC ファイルが使えるだろう。もしも何か問題があれば、非圧縮のオーディオ音源をもとにそれらをいじくり回すことになる。

私が実際に編集を計画しているポッドキャストでは、最後のミックス後の AAC を省いて、三つの入力すべてを高音質 AAC (256 Kbps) または AIFF ファイルに録音するつもりだ。

言いそびれたこと -- Audio Hijack 3 には他にも多数の変更点があるし、これと同じ程度の長さの記事をもう一つ書かなければ説明し切れないほどたくさんの機能がある。ここでは、言いそびれた主要な点をほんの少しだけ紹介しておこう。

* 従来からのユーザーのために言っておくと、Hijack ボタンと Mute ボタンはなくなり、Recording ボタンと Split ボタンは移動した。録音をせずにオーディオを聴くことはできないが、Control > Turn Recording Off を選べば実質的に同じことになる。一つのファイルを閉じて別のファイルを開く Split 機能はすべての Recorder 項目から利用できる(項目のアイコンのところの Split ボタンをクリックするか、項目をクリックしてから Split Recording をクリックする)し、またグローバルに Control > Split Recording を使うこともできる。

Audio Hijack 3 の奥底まで知り尽くすには何週間も、ひょっとすると何ヵ月もかかるだろう。私も、古いワークフローを見直しつつ、また新しいプロジェクトで従来は別のソフトウェアを必要としたり実行不能だったりしたワークフローを構成しつつ、その奥底を目指そうとしている。今回のこのアプリの改訂は決してうわべだけのものではない。それは内部構造まで深く関係する改訂だ。ベテランのユーザーでさえ慣れが必要となるだろうが、その利点は古くからの人にも新しい人にも等しく明らかだ。パワーが増し、素晴らしい柔軟性が備わり、少ない作業量でより良い結果が出せるようになった。

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視覚障害のある人のためのコンピューティング、その 4

  文: Mariva H. Aviram: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

苦情を訴えるのは簡単なことだ。

それは私も分かっている。苦情に長い時間を費やしてきたからだ。まず第一に、このシリーズ記事の第 1 回で(2015 年 1 月 9 日の記事“視覚障害のある人のためのコンピューティング、その 1”参照)自分の目に起こったトラブルと、その結果生じた一時的な視覚の問題という恐怖の物語をお読み頂いた。それから第 2 回では(2015 年 1 月 19 日の記事“視覚障害のある人のためのコンピューティング、その 2”参照)一般的に目や視力に影響のあるさまざまな障害を扱った。第 3 回では(2015 年 1 月 26 日の記事“視覚障害のある人のためのコンピューティング、その 3”参照)低視力のユーザーにとって基本的なコンピュータ作業さえも不必要に困難なものとしてしまう、数々のデザイン欠陥を挙げた。

解決のための最初のステップが問題を特定することであるなら、次のステップは解決法を探して(まだ存在しない場合には発明して)それを実装することだ。そこで、ビジュアルなアクセシビリティのための機能や、手引き情報、サードパーティのアプリなどで入手可能なものを、この記事で詳しく見て行きたい。まずは、既に Mac に内蔵されていてすぐに使えるものから始めよう。

Accessibility Display 環境設定 -- OS X 10.10 Yosemite のシステム環境設定の Accessibility > Display 枠をまだ試したことがないなら、以下に挙げる項目のそれぞれがビジュアルな必要に応じて調整可能だということに注目して頂きたい:

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(Accessibility ウィンドウの右下隅にある疑問符アイコンをクリックすれば手軽に説明が読める。)

Accessibility Zoom 環境設定 -- ズームとは、要するにスクリーン拡大のことだ。Accessibility > Zoom 枠に提供されているオプションを使ってこのズーム機能をさまざまにコントロールできる:

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VoiceOver -- VoiceOverMac OS XiOS 双方に内蔵されたスクリーン読み上げ機能で、視力障害のあるユーザーが話し言葉のオーディオまたは更新可能なブライユ点字リーダーを通じてインターフェイス要素やテキストを読めるようにするものだ。VoiceOver はキーボードでフルにコントロールできる。VoiceOver をオン・オフしたり、そのキーボードショートカットを設定したりが、Accessibility > VoiceOver 枠の中でできる。この枠の中から、実際の設定作業を担う VoiceOver Utility を開くことも、また VoiceOver Training アプリを開くこともできる。

Accessibility オプションの限界 -- 残念ながら、文字のサイズをシステム全般で設定できるようにする方法はない。フォントサイズは個々のアプリケーションの中で独立に設定しなければならない。難しいことではないが、多くのアプリは設定可能な最大と最小のサイズを制限している。Finder のウィンドウの Icon、List、Cover Flow それぞれの表示でデフォルトのテキストサイズを変更するには、View > Show View Options > Select Text Size を選ぶ。10 から 16 point までの間のフォントサイズを選んで Use as Defaults をクリックすれば、現在と同じ表示モードのウィンドウすべてにそれが適用される。この作業を Column 表示(ここではそのボタンがない)以外のすべてのタイプの Finder 表示で繰り返しておこう。また、無料のユーティリティ TinkerToolでフォントサイズ設定を実験してみることもできる。

もしもあなたが仮想マシンで Windows を走らせているなら、そちらで OS X の Accessibility 環境設定枠に対応するのは Windows Control Panel の中の Ease Of Access Center だ。ただし、仮想マシンの中で Windows を走らせると予期せぬことが起こり得るのは覚悟しておこう。

関係するシステム環境設定は他にも -- また、以下に挙げる環境設定枠にも低視力のユーザーに役立つオプションが提供されている:

技術的手引き -- さて、Mac に内蔵のこれらの機能をさらに拡張するため、考慮に値するサードパーティのアプリやユーティリティも多くある。(その上、Apple は開発者向けに Accessibility API を公表しているので、いつでも新たなものが市場に登場する可能性がある。)ハイエンドのアプリケーションスイートは高価なもの ($400 かそれ以上) になりがちだが、もっとシンプルなユーティリティで安価なものも多くあるし、無料のものさえある。

視覚障害といってもさまざまなので、個々のユーザーごとにアクセシビリティのニーズは異なり得る。実際、G.F. Mueden は TidBITS へのコメントの中で「目で読む人」と「耳で読む人」を区別すべきだという鋭い指摘をしてくれた。彼は言う。「低視力の人たちは二つのグループに分かれる。目で読む人 は、自分の目を使って読むが、視力の問題のためあまりうまく読めない。耳で読む人 は、text-to-speech テクノロジー(スクリーン読み上げ機能)を利用して読む。片方のグループの人に役立つものがもう片方のグループの人にも役立つ可能性は低いし、そもそもアクセシビリティを扱うプロたちは大体において、耳で読む人たちを援助することしか考えていない。スクリーン読み上げのツールにもさまざまのものがあるので事はさらに複雑だ。」

自分にとって最も適したセットアップを組み上げるには、ある程度の試行錯誤が必要かもしれない。ソフトウェアや電子機器に時間と費用を注ぎ込む前に、以下のような情報源であらかじめ調べておくのもよいだろう:

高度なアプリのスイート -- 包括的な解決を望む人たちのために、Mac 用のアクセシビリティ・ユーティリティのフルスイートを出している会社が二つある。(Windows 用のものを出している会社は多数ある。)

スクリーン減光とカラー調整 -- アプリの中でカラー調整のコントロール、例えば黒や濃い色の背景上に白や薄い色のテキストを設定するといったことをする Mac 用アプリはほんの少数で、原始的なことしかしない。けれどもシステム全般にわたるコントロールをするスクリーン減光ユーティリティにはさまざまのものがあり、明度、カラー、コントラストその他を調整できる:

マウスポインタを見やすく、あるいは操作しやすくすることに狙いを絞ったビジュアル・アクセシビリティ・ユーティリティもいくつかある:

ブラウザ拡張 -- Safari で、私は見るからに攻撃的なアニメーション広告やポップアップを無効にする拡張を使い、JavaScript を無効にするキーボードショートカットを設定し、普段はたいていのテキストページを Reader で読むようにしている。私の希望を言えば、Reader が三種類以上のフォントサイズを提供でき、テキストと背景それぞれにカラーをコントロールでき、マージン幅も調整できる(Reader がページ一杯のテキストを表示し切れないことがあるから)ようになって欲しい。けれども、Reader を拡張する Canisbos の Safari 拡張 CustomReader を使えば、私の問題にも回避策が見つかるかもしれない。

Google Chrome 拡張や Mozilla Firefox アドオンにはさまざまのものがあって、ウェブサイトを読みやすくするため、他にもいろいろのオプションを提供している。Evernote Clearly と Reasy とを別にすれば、以下のものは基本的にテキストを再フォーマットする。

アクセシビリティの技術サポート -- 具体的な援助が欲しい人には、メジャーなオペレーティングシステムの開発会社がそれぞれにアクセシビリティ・サポートのスタッフを用意している:

iOS での援助に関して言えば、ライターであり低視力の専門家でもある Shelly Brisbin が最近彼女の $20 の電子ブック "iOS Access for All" の iOS 8 版をリリースしている。

低視力のユーザーにとってアクセシビリティがフルに実現されるのはまだまだ先の話だが、オペレーティングシステムやユーティリティの新リリースがあれば多くの場合そこに何らかの改善がなされる。それらの改善を統合することにより、デジタル世界へのより多くのアクセスが提供され、デジタル世界をよりスムーズに体験できるようになってきている。

このシリーズ記事の最終回となる次の第 5 回では、関連分野における適応テクノロジー、例えば読書用タブレット、オーディオ対応やタッチ対応の補助器具、人間工学、それから新たな革新と未来のテクノロジーの地平などを探訪してみたい。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2015 年 2 月 2 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Remote Desktop 3.8 -- Apple が Apple Remote Desktop 3.8 をリリースし、OS X 10.10 Yosemite フル対応と、Yosemite の美観により良くマッチするユーザーインターフェイスの更新を盛り込んだ。この遠隔管理ソフトウェアはファイルを Copy Items を使って送信するための拡張を追加し、フルスクリーンでクライアントを遠隔から見る機能を改善し、多数のクライアントを見るための複数監視機能への改良も追加している。これまで Apple Remote Desktop 3.x をディスクからインストールしていた人にも、将来のアップデートは Mac App Store から提供されるようになる。(Mac App Store から新規購入 $79.99、無料アップデート、15.0 MB、リリースノート、10.9+)

Remote Desktop 3.8 へのコメントリンク:

Alfred 2.6 -- Running with Crayons が Alfred 2.6 をリリースし、スクリプトがいつ実行されるかについてより多くのコントロールができるようにするとともに、Airmail 2 で添付ファイルを送る機能に対応した。このキーボード駆動のランチャーはまた、OS X 10.10 Yosemite での問題点を回避するため URL をロードする手法を変更し、Yosemite でのワークフロー環境設定の検索フィールドの挙動を改善し、デフォルトのホットキー構成をうまく同期できるよう再編成し、キーを放すシミュレーションの信頼性を改善している。さらに、Alfred 2.6 には新しい Alfred Remote for iOS ($4.99) への対応も追加され、これを使って Mac 上の多くの Alfred アクションを iOS デバイスからコントロールできるようになった。(無料、 Powerpackは 17 ポンド、3.7 MB、リリースノート、10.6+)

Alfred 2.6 へのコメントリンク:

Downcast 1.1.6 -- Jamawkinaw Enterprises が Downcast 1.1.6 をリリースし、0.50x から 3.00x までさまざまの再生速度への対応を追加した。(ただし奇妙なことに、1.75x の速度だけは Apple のフレームワークが 対応していない ため使えない。)このポッドキャッチャーアプリではまた OS X 10.8 Mountain Lion や 10.9 Mavericks でポッドキャストやプレイリストが重複して表示された問題を修正し、連続再生ができなくなっていた問題点を解消し、エピソードをロックする Command-L ショートカットを復活させ、全リストでキーボードショートカットを使う際にバグがあったのを修正し、Downloads 表示内の列の Pause/Resume/Retry ボタンの問題点を修正している。(Mac App Store から新規購入 $9.99、無料アップデート、20.6 MB、リリースノート、10.8+)

Downcast 1.1.6 へのコメントリンク:

SpamSieve 2.9.19 -- C-Command Software の Michael Tsai が SpamSieve 2.9.19 をリリースし、OS X 10.10.2 Yosemite で走る Apple Mail への対応を追加した。このスパムフィルタリングユーティリティはまた、誤検出を予防するためホワイトリストのルールの自動トレーニングをより積極的にするようにし、アプリの起動時間と全般的な反応性を改善し、Train as Good コマンドを改良して junk メールボックス内のメッセージがローカライズされた名前を持っている場合にもより良い判定ができるようにし、トレーニング中のメールボックスの中に多数のメッセージがあっても Remote Training スクリプトがタイムアウトしないようにしている。(新規購入 $30、 TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、14.2 MB、リリースノート、10.6+)

SpamSieve 2.9.19 へのコメントリンク:

PDFpen と PDFpenPro 7.0.1 -- 最近のメジャーなアップグレードのバージョン 7.0(2015 年 1 月 16 日の記事“Smile、PDFpen 7 と PDFpenPro 7 をリリース”参照)に続き、Smile はバージョン 7.0.1 の PDFpenPDFpenPro をリリースして、これらの PDF 編集アプリに数多くの修正や改善を加えた。いずれの版も、いくつかの編集コンポーネントに防弾能力を追加し、テキストボックスがデフォルトで黒くなってしまったバグを修正し、ロックされた書類の OCR 処理を修正し、Combine PDFs スクリプトの問題点を解決し、ユーザーの Documents フォルダを Export To のデフォルト書き出し先にするのを止め、またローカライズに関するさまざまな問題点を正している。この記事の執筆時点で Mac App Store 版のPDFpenPDFpenPro がまだバージョン 7.0.1 になっていないことに注意したい。(新規購入 $74.95/$124.95、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、Smile ウェブサイトでバージョン 6 からのアップグレード $30、バージョン 7.0 からは無料アップデート、51.5/52.2 MB、リリースノート、10.7+)

PDFpen と PDFpenPro 7.0.1 へのコメントリンク:

DEVONthink/DEVONnote 2.8.3 -- DEVONtechnologies が DEVONthink の三つの版 (Personal、Pro、Pro Office) すべてと DEVONnote をバージョン 2.8.3 に更新した。DEVONthink の三つの版では、あらゆる AI ベースの機能 (例えば See also、Classify、Concordance、Automatic grouping、Summarizing) の精度を上げることにより分類アルゴリズムを改良し、Quick Look ベースの表示 (Microsoft Office や OpenOffice の書類用) でテキストを選択してコピーできるようにし、OS X 10.10 Yosemite 用にユーザーインターフェイスを最適化し、索引付けされた Markdown ファイルをリッチテキストに変換した際のローカルな画像へのリンク付けに対応し、 iOS 用 DEVONthink To Go との間の重大な同期の問題を修正している。Pro および Pro Office 版では Scripts メニューからスクリプトをキャッシュすることにより、ランタイム中のプロパティが以前より持続性を持つようになり、サードパーティのソフトウェアへの対応の際にスクリプトの処理が改善された。(いずれもアップデートは無料。DEVONthink Pro Office は新規購入 $149.95、リリースノート。DEVONthink Professional は新規購入 $79.95、リリースノート。DEVONthink Personal は新規購入 $49.95、 リリースノート。DEVONnote は新規購入 $24.95、リリースノートTidBITS 会員には DEVONnote もいずれの版の DEVONthink もそれぞれ 25 パーセント割引。10.7.5+)

DEVONthink/DEVONnote 2.8.3 へのコメントリンク:

Audio Hijack 3.0.1 -- Rogue Amoeba が Audio Hijack 3.0.1 をリリースした。人気のオーディオ録音ユーティリティに最近出されたメジャーなアップデート(2015 年 1 月 30 日の記事“Audio Hijack 3 がボリュームを増す”で Glenn Fleishman がレビューしている)への、マイナーなフォローアップリリースだ。Audio Hijack 3.0.1 では重大なバグが 2 件修正された。一つはオーディオにカサカサいう音が混じり始めてその後再生が止まってしまうことのあった問題、もう一つは録音の終了時にアプリが死んでしまうという稀に起こったバグだ。今回のアップデートではまた、録音のファイル名に日付と時刻のトークンが追加され、待ち時間の増大を予防するための改善が施され (この件に関しては今後もさらなる改善を予定)、VoIP 入力音源として Line2 アプリと Zoom アプリへの対応を追加し、ducking が突然の急激な変更でなく素早いフェードイン・アウトをオーディオに施すようにしている。(新規購入 $49、 TidBITS 会員には 20 パーセント割引、バージョン 3.0 のライセンスがあれば無料アップデート、旧バージョンからのアップグレード $25、14.3 MB、リリースノート、10.9+)

Audio Hijack 3.0.1 へのコメントリンク:

iTunes 12.1 -- Apple が iTunes 12.1 をリリースして、OS X 10.10 Yosemite の Notification Center 用に新しいメディア・コントロール・ウィジェットを追加した。このウィジェットには iTunes MiniPlayer の基本機能(現在再生中の曲名表示、再生/一時停止ボタン、前/後スキップボタン)が再現されている。また、iTunes Radio で再生されたトラックを即座に購入するオプションも提供される。注意しておきたいのは、この Notification Center ウィジェット上に表示された価格ボタンをクリックすると自動的にその曲が購入され、あなたのライブラリにダウンロードされることだ。iTunes Store ページが開いて購入すべきか思案できる暇はない。音楽以外に、この Notification Center ウィジェットでは他の iTunes メディア(映画、テレビ番組、ポッドキャスト、オーディオブック)の再生コントロールもできる。iTunes について詳しくは、2014 年 10 月 20 日の記事“iTunes 12 の新しいインターフェイスを検証”を参照。

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もっとしっかりした再生コントロールを楽しみたければ、iTunes MiniPlayer を使えばこちらにはさきほど述べた再生コントロールに加えて、アルバムの表紙アート、音量コントロール、検索機能、次に再生されるトラックのリストも表示される。(Window > MiniPlayer を選ぶか、Option-Command-M を押すか、あるいは iTunes の一番上にある再生コントロールの中の表紙アートのサムネイルをクリックする。)今回のアップデートではまた、詳細は明かされていないが iOS との同期に改善が施されているという。願わくは、多くの人たちを悩ませてきた Wi-Fi 同期の問題が解消されていることを期待したい。(無料、直接ダウンロードでは 207 MB、Software Update 経由では 97.3 MB、10.7.5+)

iTunes 12.1 へのコメントリンク:

1Password 5.1 -- AgileBits が Mac 用 1Password 5.1 をリリースした。AgileBits ブログの中で、同社はこれを The Synceriffic Edition (「同期素晴らし版」) と名付けている。この人気のパスワードマネージャでは一次および二次ヴォールトの表示と処理の管理方法が改善され、すべてのヴォールトで同期方法を手軽に一覧したり変更したりできるようになった。新設の Wi-Fi Sync Preferences 枠でセットアップも簡単になり、複数個の二次ヴォールトを含めるよう設定できる(サポートページによればそれがデフォルトという)ようになった。今回のアップデートでは代替の Folder Sync 方法のパフォーマンスを改善し、空のカテゴリーでの同期進行状況も表示し、Watchtower の "change password" アラートの文章を明確化し、アドレスの上にマウスをかざしてクリック一つでそれをコピーできる機能を追加し、クレジットカード番号を正しくフォーマットし、またポルトガル語 (ポルトガル) ローカライズ版を追加している。(AgileBits からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、 TidBITS 会員が AgileBits から購入すれば 25 パーセント割引、無料アップデート、33.1 MB、, リリースノート、10.10+)

それに加えて、AgileBits は iOS 用 1Password をバージョン 5.2 にアップデートし(ブログで The Awesomesauce Edition (「凄いソース版」) と名付けている)新しい Login Creator に何百ものサイトやサービスのリストを載せてログインの入力が手軽に始められるようにした。リストからサイトを選択し、ユーザー名を入力してから、あなたのパスワードを入力するか、あるいは 1Password にパスワードを生成させればよい。1Password for iOS 5.2 ではまた、Pro 版(アプリ内購入で $9.99 で入手可能)に一回限りパスワードのツールを追加し、二要素認証を要するサイトに対応させた。Pro 版ではまた、項目エディタで添付ファイルを削除できるようになり、住所、日付、年/月などカスタムフィールドタイプを追加できるようになった。

1Password 5.1 へのコメントリンク:

Carbon Copy Cloner 4.0.5 -- Bombich Software が Carbon Copy Cloner 4.0.4 (CCC) をリリースした。DiskWarrior Preview ボリュームを特別扱いするようにするとともに、CCC がタスク設定ファイルを保存するフォルダを外部ユーティリティ (CleanMyMac など) が削除してしまう状況への対処を加えた、メンテナンス・アップデートだ。このバックアップユーティリティでは、複数のタスクが同時にスタートして CCC のプライベートキーチェーンから項目を取り出そうとした際に起こったバグを修正し、OS X 10.10 Yosemite で Save や Open パネルを開く度に高さが 22 ピクセルずつ増えてしまう問題に回避策を施し、AC 電源の探知と復元を改良してタスクが抜け落ちないようにしている。4.0.4 のリリース後間もなく Bombich Software は Carbon Copy Cloner 4.0.5 をリリースして、Destination セレクタの New Disk Image オプションが 10.8 Mountain Lion で働かなくなった新たなバグを修正した。(新規購入 $39.99、11.2 MB、 リリースノート、10.8+)

Carbon Copy Cloner 4.0.5 へのコメントリンク:

セキュリティアップデート 2015-001 (Mountain Lion および Mavericks) -- OS X 10.8 Mountain Lion と 10.9 Mavericks のユーザー向けに Apple がセキュリティアップデート 2015-001 をリリースし、OS X Yosemite 10.10.2 アップデート(2015 年 1 月 27 日の記事“Apple、OS X 10.10.2, iOS 8.1.3, そして Apple TV 7.0.3 をリリース”参照)に盛り込まれたものに相当する数多くのセキュリティ修正を加えた。App Store ログイン、Bluetooth、コマンドラインユーティリティ、フォント処理、グラフィックスドライバー、PDF 処理、Spotlight、等々での脆弱性を修正している。残念ながら、今回のセキュリティアップデートには Thunderstrike 攻撃に対する修正は含まれて _いない_ ので、古いオペレーティングシステムの走る Mac は脆弱なままだ。(2015 年 1 月 9 日の記事“Thunderstrike 概念実証攻撃は深刻だが、限定的”参照。)しかしながら、このアップデートには Mountain Lion 用の Safari 6.2.3 と Mavericks 用の Safari 7.1.3 が含まれており、いずれも悪意あるウェブサイトにコード実行を許す WebKit での複数のメモリ破損問題を修正している。セキュリティアップデート 2015-001 は Software Update から、または Apple の Support Downloads ウェブサイトからの直接ダウンロードでも入手できる。(無料、10.8 Mountain Lion 用は 177.4 MB、10.9 Mavericks 用は 62.3 MB)

セキュリティアップデート 2015-001 (Mountain Lion および Mavericks) へのコメントリンク:


ExtraBITS、2015 年 2 月 2 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、Apple がアクセシビリティの面で競争力を失いつつあると述べた記事、AOL が The Unofficial Apple Weblog を閉鎖するというニュース、Wired が iPad の売り上げ減少の理由を論じた記事を紹介する。

Apple、アクセシビリティで競争力を失う -- Mozilla のアクセシビリティ QA エンジニア兼エバンジェリストの Marco Zehe が、Apple のアクセシビリティ機能の品質が低下しつつあるという意見を述べる。彼によれば、おそらくこれも同社の全般的なソフトウェア品質問題の一つの例なのだろうという。

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AOL、TUAW を閉鎖 -- Apple 報道界に、さらなる悪いニュースだ。AOL が、The Unofficial Apple Weblog (TUAW) を閉鎖しようとしているという。TUAW は 2004 年に Weblogs, Inc. によって創設され、その翌年に AOL によって買収された。また AOL は同社のゲーミングサイト Joystiq も閉鎖しようとしている。これら二つの出版のスタッフたちに幸運を祈りたい。

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iPad 落ち込みについて Wired 記事 -- iPad の売り上げは依然として下降を続け、多くのアナリストたちがその原因を理論付けようとしている。Wired の Kyle Vanhemert は、iPad は Apple の製品ラインの双方の側から圧迫を受けた結果ますます特殊分野のデバイスと化しつつあるからだという意見だ。とりわけ、iPhone 6 Plus はあからさまに iPad mini の領域に踏み込んでおり、iPad のスクリーンの方が大きいとしても比較すれば魅力が減ってしまう。それと同時に、MacBook のバッテリ寿命が伸び続けているため、iPad の特長であったバッテリ寿命が長いという魅力も減らされている。

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TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2014 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

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