Apple プロフェッショナルの多くは Mac および iOS 用の Microsoft Office Accredited Support Professional (認定プロフェッショナル) プログラムに依存しているが、どうやらこのプログラムが中ぶらりんの状態になっているようだ。プログラムの将来について Microsoft から何の発表もなく、イベントの予定も発表されていないからだ。最近 Apple ユーザーは二つの問題に悩まされている。OS X で人気あるアップデート用フレームワーク Sparkle に関係したセキュリティ脆弱性と、iPhone ユーザーをロックアウトしてしまう摩訶不思議な Error 53 だ。Josh Centers と Adam Engst がこれら二つの問題への対処法を説明する。また、Josh と Adam は OS X のもう一つの隠れた宝物、Quick Look に目を向け、これが思っていたよりずっと深いものであることを見つけ出す。今週注目すべきソフトウェアリリースは、PopChar X 7.4、Piezo 1.5、Hazel 3.3.7、それに 1Password 6.0.2 だ。
記事:
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文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Apple コンサルタントや IT プロフェッショナルの方々にとって注目すべきことがある。ここ数年、Microsoft は Mac および iOS 用の Microsoft Office Accredited Support Professional (認定プロフェッショナル) プログラムを提供してきた。これは半日にわたるトレーニングと評価テストから成り、試験にパスした人たちにとっては適性資格を示すものとなっていた。
このプログラムは技術系の人たちに人気があった。受講することにより Office の機能のさまざまを復習することも、重要なトラブルシューティングの戦略を学ぶこともでき、Microsoft の担当者と直接話をする機会もできたからだ。また、資格を持っていれば自己宣伝のためにも役立った。コンサルタントたちは Office に熟達していることをクライアントに実証することができ、企業の IT サポート技術者たちには昇給や昇進を申請する際の助けの力となった。
過去の例を見れば、このプログラムは国内を巡業して回る MacTech イベントの直前にいつも提供されてきた。けれども今回、MacTech Pro 2016 の日程が発表された(2016 年 1 月 29 日の記事“MacTech Pro 2016、日付と開催地を発表”参照)にもかかわらず、Microsoft はこの認定プログラムについてまだ何も発表していない。
私が Microsoft に問い合わせてみたところ、一週間も経ってからやっと次のような返事が届いた:
Microsoft は引き続き Mac プラットフォーム上の IT プロの皆さんのために力を尽くしており、この Accreditation Program がこれまで重要な働きをしてきたことを認識しております。現在私たちは 2016 年におけるあらゆる可能性を検討している段階にありますが、現時点で公表できることは何もありません。何かが分かり次第、ご連絡させて頂きます。
私が MacTech Pro について書いた 1 月 29 日の記事とほぼ同時に、不安にかられたユーザーたちが Microsoft のコミュニティーフォーラムにスレッドを開いて、このプログラムを称賛しつつ将来はどうなるのかと問いかけた。もちろん、Apple のコミュニティーフォーラムと同様、Microsoft 内部の誰かがこれを読んでいる保証は何もないし、Microsoft 側の誰かが議論に加わっていることもない。
私はもう一度 Microsoft の広報担当者に強く問いただして、詳しいことが分かるのはいつごろになるのかと聞いてみたが、これ以上詳しいことは何も発表できない、分かり次第連絡する、という返事しか得られなかった。正直言って、私は Microsoft がこの状況について何らかの内部的混乱を起こしているのではないかという印象さえ受けた。
今や Office が iPad 用 (2014 年 4 月 3 日の記事“iPad 用 Office: 詳しく見てみよう”)、iPhone 用 (2014 年 11 月 7 日の記事“Microsoft Office が iPhone に登場、しかも無料”)、そして Mac 用 (2015 年 3 月 6 日の記事“Microsoft、Office 2016 for Mac の公開プレビューをリリース”) とリリースされている以上、Microsoft が今年になってこのプログラムから手を引くというのはまるで意味を成さない。このプログラムを中止してしまえば、それは Microsoft が Mac 用と iOS 用のソフトウェアは作るけれども Apple コミュニティー全体には関心がないというメッセージを伝えることになるだろう。
何か状況が変われば、必ず皆さんにお伝えしたいと思っている。
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文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
重要な Mac ソフトウェアの注目すべきアップデートを追跡している私たちの TidBITS 監視リスト記事はどうやら多くの読者に気に入ってもらえているようだが、最新バージョンがリリースされる度に自分の手で探し出す必要がもうなくなっているアプリも多い。そのようなアプリは、Sparkle という名前のオープンソースのフレームワークを利用して、アップデートを自動的にチェックし、ダウンロードし、インストールするように作られている。
残念なことに、Sparkle の実装方法にあまり注意深くない開発者たちもいて、その結果としてあなたの Mac が攻撃を受けるリスクに晒されている可能性がある。研究者 Radoslaw Karpowicz が発見したのは、多くの開発者たちが自分のサーバへの接続に暗号化されない HTTP 接続を使っていて、結果として中間者攻撃 (man-in-the-middle attack) が可能となっていることだった。つまり、悪漢があなたのネットワーク接続を盗聴して、悪意あるコードを挿入し、改変されたアプリ経由で Apple の Gatekeeper セキュリティ機能に引っ掛からずあなたの Mac を乗っ取ることができるようになる。
Sparkle 自体は大して何も悪いことはしていない。暗号化されない HTTP 接続の使用は、Sparkle の説明書にある忠告「AppCast には HTTPS URL を使うことを強く推奨します」に反しているからだ。ともあれ、Sparkle チームは既にこの脆弱性に対処するため Sparkle をアップデートした。ただし、問題は、新しい Sparkle コードを組み込んでアップデートされた新しいアプリを入手するためには、お分かりだろうか、そのアプリのアップデートをする必要があるので、そのことがあなたを脆弱性に晒す可能性がある。
でも慌てる必要はない。この脆弱性を突いて攻撃するためには、攻撃者があなたの Mac と同一のネットワーク上にいる必要がある。だから、あなたが自宅や仕事場で Ethernet、あるいはセキュアな Wi-Fi 接続を使って安全な閉じた領域の中にいるならば、何も心配することはない。持っているアプリにそれぞれが望むタイミングで自由にアップデートさせても、あなたがプライベートなネットワークの中にいる限り、大丈夫だ。
けれども、もしもあなたが頻繁に公共の Wi-Fi ネットワークを使っていて、しかも VPN の採用を通じてすべてのネットワークトラフィックをセキュア化しているのでない場合は、十分に有能なハッカーが隣のテーブルに座っていればあなたはリスクに晒されているかもしれない。そのリスクは、問題の影響を受けたアプリで自動アップデートチェックが有効に設定されそれが走っている場合に起こる。ただ、VPN を使えばあなたはいつも安全なので、自宅や仕事場以外でネットワークを使う際には VPN の使用を標準業務手順としておくべきだ。もし VPN を使うことができないならば、Sparkle を使っているすべてのアプリで自動アップデートチェックをオフに設定しておき、そのアプリのアップデートが出たらそれを手動でダウンロードしてインストールすればよい。この脆弱性を利用するためには標的型攻撃が必要となるので、注目を浴びる政府や企業の当局者でない人たちを対象として無差別に攻撃が実行される可能性は極めて低い。
それでもまだ心配だという人は、どのアプリに脆弱性があるのかをどうやって見分ければよいのだろうか? 脆弱性のあるアプリを調べるためのさまざまの種類の Terminal コマンドをいろいろな人たちが提案しているが、私が見つけたうちで最良のものは Mac Kung Fu の記事にコメントを寄せた RussW によるものだ。彼の方法は、アプリが Sparkle とセキュアでない HTTP 接続の両方を使っていることをチェックして、見つかったアプリのリストをかなり読み易いフォーマットで出力する。
残念ながら、RussW のテキストの中にはスマート引用符が含まれていて、コマンドがある意味壊れている(このことを指摘してくれた読者の Joe に感謝)ので、正しくフォーマットされたコマンドへの Pastebin リンクを作っておいた。このリンクを辿り、RAW Paste Data と書いてあるところにあるコマンドをコピーして、Terminal ウィンドウの中へそれをペーストし、Return を押せばよい。すると Terminal はあなたの Applications フォルダの中にある脆弱性を持ったアプリをリストする。
長いリストが出力されるかもしれないが、公共の Wi-Fi ネットワークを使っている人はこのリストを見て、新バージョンを入手できるようになるまでの間は自動アップデートをオフにしておくべきアプリを見分けることができる。新バージョンが出たなら、手動でアップデートするか、または信用できるネットワーク上にいる間のみ自動アップデートをオンに戻すかすればよい。繰り返して言うが、この種の対処が必要になるのは、あなたが極度の心配性である場合か、または信用できないネットワークを使うことに懸念がある場合に限られる。そう、セキュリティ担当編集者 Rich Mogull が時々軽口で言ってくれる通り、中国にいるか、または NSA に追跡されているかしたら、どっちみちデータはたぶん既に攻撃されているのだから。
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文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
ExtraBITS 記事“誰も理由が分からないまま、Error 53 があなたの iPhone を殺す(2015 年 4 月 23 日) の中で私は摩訶不思議な Error 53 についてお伝えした。このエラーにより iPhone が全く使えなくなり、Apple からは何の説明もなかった。そして現在、良い知らせと悪い知らせがある。良い知らせは、Error 53 の原因をコミュニティーが特定でき、今やこのエラーは簡単に避けられるようになったことだ。悪い知らせは、その説明を踏まえれば、自分の手で Apple デバイスを修理することの未来も、安価な独立の修理サービスを利用することの未来も、いずれもますます影の薄いものとなることだ。
Error 53 の原因は、新型 iPhone の Home ボタンにある Touch ID センサーの障害だ。iOS 9 をアップデートまたは復元する際に、iOS 9 は Touch ID センサーがプロセッサの Secure Enclave と呼ばれるセキュリティ・アーキテクチャに正しくペアリングされているかどうかをチェックする。もしペアリングできていないことを iOS が探知すれば、たとえそれが単にスクリーンを交換したからというだけのことであったとしても、Apple Pay のセキュリティを保護するために Touch ID が無効化され、さらなるセキュリティチェックの結果 Error 53 が表示され、それ以上のアクセスが一切できなくなる。
Touch ID ハードウェアを Secure Enclave にペアリングするというのは巧妙なセキュリティ対策であって、誰かが Touch ID に手を加えてもあなたの指紋データや Apple Pay 詳細情報に決してアクセスできないようにするためのものだ。問題は、非正規の修理業者があなたの iPhone の Home ボタンを交換したり、あるいは単にそれに関連する部品、例えばスクリーンを交換したりすると、その後にあなたが iOS 9 をアップデートしたり復元したりすれば、その iPhone が使えなくなってしまうことだ。もしもこの状況に陥ったら、Apple によれば「Apple サポートにお問い合わせの上、保証対象外修理の価格体系をご確認ください」とのことだ。
Daring Fireball の John Gruber が指摘するように、Apple は Error 53 をもっとうまく処理できたはずだ。iPhone を単なる四角い塊と化してしまう代わりに、iOS 9 は Touch ID と Apple Pay のみを無効化した上で、なぜそうしたかをユーザーに説明するようにすべきだ。要するに、風呂水と一緒に赤ん坊まで捨てるべきではないということだ。
私たちはこの問題に詳しい Apple Authorized Service Provider の係員に話を聞くことができた。彼は、Apple にとってセキュリティ機能が必須の条件だということを強調する一方で、Apple が推し進めている意図が他にもいくつかあると語ってくれた。AppleCare+ の販売を促進し、AppleCare+ の保証期間が切れれば新しい iPhone を購入するよう顧客たちの背中を押し、非正規の修理業者や供給業者を締め出し、模倣品のパーツで組み立てた模造製品を締め出す、といったことだ。つまり、スクリーンを修理したいと思う iPhone は、すべて Apple にスクリーン交換を依頼しなければならない。Apple は、Touch ID と Secure Enclave のペアリングを復元できるマシンを持っているからだ。
私たちは町の独立経営の修理店の技術者にも話を聞いた。彼は、Apple が顧客たちにこれをしていることに激怒していた。とりわけ、何の警告もなしにしているのだから。彼の店では、今では顧客に対して、この種の修理を必要とする iPhone は Apple に修理を依頼しないと新バージョンの iOS 9 にアップデートできなくなりますがそれでもいいですか、と必ず確認するようにしているという。実際、この技術者は私と話をしながらまさにそういう修理をしている最中で、それを待っていた顧客は、どっちにしても iPhone をアップデートするつもりなんかないから別に構わないんだと私に語った。
この状況への Apple の対処を受けて、シアトルの法律事務所 PVCA は Apple に対する集団訴訟を起こした。もしもあなたが Error 53 を経験していれば、彼らと連絡を取ることを考えてみるとよい。
もっと大局的な見地から修理を考えれば -- Apple が勝手な修理をさせたがらないのは何も今に始まったことではない。初代の Mac は修理が困難なことで悪名が高く、ケースを開くのにも長尺の Torx ねじ回しが必要だった。そして 1997 年に Steve Jobs が Apple に復帰して以後、同社のハードウェアはますます外部の者にとって修理が難しくなった。
その顕著な実例が、Apple が iPhone 4 の製品寿命の中途の時点で標準的なプラスねじ (#00 Phillips) から独自仕様の五星形 (pentalobe) ねじに切り替えたことだ。実際、Phillips ねじを使った iPhone 4 を購入しても、それを Apple Store へ修理に出せば、Apple がすべてのねじを pentalobe に取り替えていた。
でも、斬新なねじをもってしても、たいていの日曜大工好きをためらわせることはできなかったし、iPhone 4 のバッテリー交換はそれほど難しい作業ではなかった。ところが Apple はその後も iPhone をますます修理が困難なものにし続けた。この辺の事情は Adam Engst と私が記事“死にかけた iPhone 5 の電池を入れ替える”(2014 年 3 月 5 日) と“割れた iPhone 5c スクリーンを Screasy で交換”(2015 年 7 月 24 日) で証言している。
これらの困難があるので、iPhone 5 がリリースされて以後、私たちはたとえやり方を心得ている人であっても修理はプロに任せることをお勧めしている。残念ながら、たとえ直接 Apple に修理を持ち込んでもすべてが順調に進むとは限らない。その点については私の記事“欠陥のある iPhone 5 バッテリーの交換: 仕切り直し”(2014 年 8 月 28 日) に書いた。私の iPhone 5 はバッテリーを Apple に交換してもらった後二週間ほどして、背面カメラが動かなくなった。たぶん、接触が悪かったのだろう。ありがたいことに、いずれにしてもそろそろ買い替える時期が来ていたので、もう修理しようという気は全く起こらなかった。
では、ここで持ち帰るべき教訓は何だろうか? 悲しいことに、Apple デバイスを自分で修理する時代はますます終わりに近づきつつあるようだ。Apple デバイスを自分で修理できるとすれば、それはそのデバイスが古い機種であるか、または設計ミスであるかのいずれかだ。そして、売り上げの不振に直面している Apple が収益の成長を継続しようと苦闘するにつれて、同社は可能ならばどこからでも金を引き出そうとし、今や修理とサービスプランとがその手段となっているのだ。(どんな自動車のディーラーにでも聞いてみるとよい。)
今後あなたが修理の必要に迫られた場合、次のようなことをお勧めしたい:
可能な限り、Apple 製品の修理は Apple Store または Apple Authorized Service Provider に依頼しよう。
もしもあなたがデバイスを乱暴に扱うなら、とりわけそれが携帯用のデバイスなら、AppleCare を購入して、保証期間を延長することを考えよう。
次回の iPhone 購入の際には iPhone Upgrade Program (2016 年 9 月 11 日の記事 "Comparing U.S. iPhone Plan Costs in a Contract-Free World" 参照) を検討しよう。iPhone Upgrade Program [訳者注: 対象は米国のみ] には AppleCare+ が含まれ、しかも毎年 iPhone を新しいものと交換できる。
もしも非正規の修理業者以外に選択肢がなければ、あるいは価格差がもの凄く大きいならば、何か問題が起こった場合に備えて必ず _元の部品を保管_ しておこう。歴史的に見て、Apple は iPhone にサードパーティの部品が取り付けてあればあなたを門前払いするだろう。そして、もしも Error 53 を起こす可能性のある独立の修理をせざるを得ないなら、そう、iOS 9 のアップデートをしなければよいのだ。多少のバグやセキュリティのリスクがあっても、iPhone が死んでしまうよりはまだましだから。
しかしながら、すべてが悪い知らせという訳ではない。非正規の修理に対処するため、Apple は保証対象外修理の価格を大幅に値下げした。AppleCare+ がない場合、同社のスクリーン交換価格は現在 $109 から $149 までの間、これは AppleCare+ がある場合の価格とあまり変わらない。ただし、AppleCare+ がある場合 Apple は修理中の代替品を貸してくれるし、また優先して修理を扱ってくれる可能性が高い。
[訳者注: この問題への対処を施した iOS 9.2.1 が 2016 年 2 月 18 日にリリースされ、少なくとも(Touch ID は働かなくなったとしても)「iPhone を単なる四角い塊と化してしまう」事態は修正されたようです。詳しくは来週号の記事をご覧ください。]
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文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst, Josh Centers: [email protected], @jcenters
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
OS X には、見過ごされたり忘れられたりし易い有用な小さな機能が詰まっていて、その内の一つであるサービスについては "OS X の隠れた宝:Services" (5 February 2016) で取り上げた。もう一つの OS X での見過ごされやすい機能に Quick Look があるが、これは 2009 年に Mac OS X 10.5 Leopard で導入されたものである。
Quick Look はファイルの中に何があるかをさっと見せてくれるもので、とりわけ Finder やサードパーティのファイル転送アプリで目に付く。これは多くの一般的なファイルタイプ、例えばテキストファイル、画像、音声、ビデオ、PDF、Microsoft Office ファイル、そしてフォントでさえも使える (サポートされるファイルタイプの更に大きなリスト)。
それでは、Quick Look の使い方、どのアプリで使えるか、そしてそのコマンドラインからの使い方 (これはトラブルシューティングの時とりわけ有用である) を説明したいと思う。その後、Quick Look の能力を拡大し更に有用にする我々の好きな Quick Look プラグインも幾つか紹介する。
(内部メモ。もしこの記事を我々の Web サイトで読んでいるのであれば、どの画像でもクリックするとズームされる;再度クリックすると縮小して元に戻る。これは Quick Look ではないが、似た様なものであり、読者のコメントを見ていると、我々のサイトはこの様に動作することに気づいていない読者が結構沢山いることがうかがい知れる。)
Quick Look の基本的な使い方 -- Finder で Quick Look を呼び出すには、ファイルを選び、 File > Quick Look "_filename_" (Command-Y) を選択する。もっと簡単なのは、ファイルをクリックし Space バーを押すことである。下記のスクリーンショットは Apple Watch Edition の画像を Quick Look がどの様に表示するかを示している。
Quick Look を開いた状態で、Open with _App_ をクリックしてそのファイルをデフォルトのアプリで開くことも出来る。また右上の Share ボタンをクリックしてそのファイルを他のアプリやサービスにそれを全面的に開くことなく送ることも出来る。もし Quick Look を使ってプレビューしているファイルが複数のページを持っているならば、サムネイルが右側に表示され、マウスやトラックパッド、或いは Page Up/Page Down キー (ラップトップ上では Fn-Up Arrow や Fn-Down Arrow を使う) を使ってスクロール出来る。Quick Look ウィンドウは通常適度な大きさで開くが、どの端でもドラッグすることでサイズ変更出来る。Quick Look を閉じるには、Space バー又は Command-Y を再度押す、Escape を押す、或いは左上にあるウィンドウを閉じるボタンをクリックする。
Quick Look を呼び出す前に複数のファイルを選択している場合、その選択したものの間を Left 及び Right 矢印キーを使って行ったり来たり出来る;また Quick Look ウィンドウの左上には、進むと戻るのボタンがある。これらのボタンの隣にはサムネイルボタンがあり、これは選択したファイルを格子状に並んだサムネイルとして表示する。どのサムネイルでもクリックすれば、それだけに焦点が当てられる。
Quick Look を、フォルダのコンテンツをさっと見ることにも使える。Quick Look が開いている間に、矢印キーを使って同じフォルダ内の他のファイルを表示させる - どの様にナビゲートするかは Finder ウィンドウのビューに依存する。Quick Look と Up 及び Down 矢印キーを使うのは、List ビューでフォルダ内の写真をブラウズするには適したやり方である。Quick Look を使っている間でも、Finder とのやり取りは引き続き可能であり、例えば、不要なファイルをプレビューしながら Command-Delete を押すことで削除することも出来る。
この能力の一つの面白い使い方は、Trash の中のファイルを調べるために Quick Look を使う方法である。何故ならば、これらのファイルは Trash にある限り、他のやり方では開けないからである。従って、屑籠に入れてしまった多くのものの中から特定の画像を回収したいという場合など、Quick Look は取り戻すのはどれかを見定める最も手早い方法である。同様に、Time Machine の中で復元する前にファイルのバージョンをプレビューするのにも Quick Look が使える。
ファイルタイプによっては特別な操作を提供するものもある。Quick Look ウィンドウよりも大きな画像を開く場合、Option キーを押しその画像をオリジナルのサイズに拡大し、その拡大画像の中をマウスを使って動き回れる。また、Quick Look を使ってビデオやオーディオファイルをプレビューしている時には、消音と再生/一時停止ボタン、それに手動で操作可能なタイムラインも表示される。
デスクトップに煩わされること無く一つの画像に集中したい? その場合はファイルを選択、そして Option-Space (或いは Command-Option-Y) を押し Quick Look を全画面ビューで開く。別のやり方としては、通常の Quick Look ビューでファイルを見ている間に左上のズームボタン (閉じるボタンの右にある) をクリックして全画面ビューに入る方法もある。
Finder 以外での Quick Look -- Quick Look は Finder に限定されている訳ではない。これが多く見られる次の場所は、Fetch, Transmit, そして Cyberduck の様なファイル転送アプリである。これらのアプリの中では、Quick Look は通常 Finder の中でと全く同じ様に呼び出せる ー ファイルをクリックして選択、そして Space バーを押す。
しかしながら、他の色々な OS X アプリ、Mail や Messages を例として、も Quick Look を利用している。Mail では、紙クリップボタン (これはメッセージヘッダーの部分にカーソルを持っていくと現れる) をクリックし Quick Look を選択することで添付書類上で Quick Look を使える。Messages では、会話の中での全ての添付書類を File > Quick Look を選択することで見られる - これは Finder の中で Quick Look を使って複数のファイルをプレビューすることに似ているので、矢印キーを使ってナビゲート出来る。或いは、添付書類をダブルクリック、それを選択しそして Space バーを押す、或いはトラックパッド上で三本指タップを使う。
Safari, Mail, そして Messages もまた、トラックパッド上での三本指タップを使って Web リンクのプレビューを呼び出させてくれる (ご免なさい、マウスユーザー!) これは舞台裏での Quick Look ではないかもしれないが、概念的には同じである。もしこの方法が動作しないのであれば、System Preferences > Trackpad > Point & Click で Look Up & Data Detectors を有効にする。
コマンドラインからの Quick Look -- ブラウズするのにコマンドラインを使う方を好むなら、Terminal からコマンド qlmanage -p filename
を使って Quick Look を使うことも出来る。これはテキストだけではなく、less
や tail
. の様なものでは見えないファイルをさっと見るには便利である。これは少々面倒ではあるが - 沢山のデバッグメッセージを表示するし、Quick Look プレビューを自分で閉じるか Control-C を押してプロセスを終了させなければならない - ファイルの中を見るために Finder に切り替えるのはやりたくない場合には便利である。
qlmanage -m
コマンドもまた有用である。何故ならば、それは全ての組み込み済みの Quick Look プラグインを表示し、そして Quick Look をサポートしているとは思っていないようなアプリでの Quick Look サポートの存在を教えてくれるかもしれない (DEVONthink! Evernote!)。Quick Look プラグインはお互いに衝突し合うことがあるので (我々は、組み込みの順番を何が決めているのか未だ解明していない)、qlmanage -m
はどのアプリが優位に立っているのかを見出す手助けとなる。我々も、誰が EPUB サポートをしているかを Quick Look の中で見極めるために (下記参照)、qlmanage -m | grep epub
を使うが、これは全報告の中から EPUB 関連の行だけを拾い出してくれる。
この qlmanage
コマンドを使うもう一つの理由は、偏執的なセキュリティの理由からである。Quick Look を呼び出す度に、OS X は将来の使用に備えてサムネイルデータのキャッシュを作成するのだが、プレビューしたファイルが外付けドライブにあったとしてもそうする。攻撃者が (勿論、物理的なアクセスを持った) このサムネイルキャッシュを探索するのを防止するために、コマンド qlmanage -r cache
を使ってリセット出来る。これは多くの人にとってはどうでも良いことであろうが、秘密諜報員は覚えておくべきであろう。
最後に、もし OS X 10.11 El Capitan より前のバージョンの OS X を使っているのであれば、次の Terminal コマンドを使って Quick Look ウィンドウからテキストをコピーするのを有効化出来る。残念なことに、Apple はこのオプションを不能にする決断を El Capitan でした。ブー!
defaults write com.apple.finder QLEnableTextSelection -bool TRUE; killall Finder
プラグインで Quick Look を拡張 -- Quick Look はそのままでも数多くのファイルタイプに対応しているが、すべてのファイルタイプに対応するまでには程遠い。ありがたいことに、Apple が Quick Look 用のプラグインインターフェイスを用意しているので、Quick Look の機能を開発者たちが独自に拡張することができ、拡張のためには対となるアプリを作る必要もない。
探してみたところ、たくさんの便利な Quick Look プラグインを見つけることができた。でも、それらを紹介する前に、どうやってプラグインをインストールするかを知っておく必要がある。独立動作の Quick Look プラグインはすべて .qlgenerator ファイルであって、(その Mac 上のすべてのユーザーがそのプラグインにアクセスできるようにしたければ) /Library/QuickLook
か、または (一人のユーザーのみが使うならば) ~/Library/QuickLook
かに置いておかなければならない。Quick Look プラグインの中には、パッケージファイルとして配布されてそれをダブルクリックすれば上記のいずれかの場所にインストールされるものもある。けれども大多数の Quick Look プラグインは単なるむき出しのままの .qlgenerator ファイルであって、Library フォルダの中へ手動で移す必要がある。あなたのユーザー Library フォルダにインストールするには、Finder で Option キーを押しながら Go > Library を開いてから QuickLook フォルダを開く。(そのフォルダが存在していなければ作成する。フォルダ名の中で Quick と Look の間に空白文字がないことに注意。)そのフォルダの中に .qlgenerator ファイルを入れればよい。
新しい Quick Look プラグインをインストールすれば OS X がそれと気付いて自動的にロードするはずだが、もしもそのプラグインが動作していないように見えれば、Quick Look エンジンをリフレッシュする必要があるかもしれない。システムを再起動するのが簡単な方法だが、その代わりにいったんログアウトしてからログインし直してもよいし、あるいは Dock 上の Finder アイコンを Control-Option-クリックして Relaunch を選んでもよい。または、Terminal の中にいるならば qlmanage -r
とタイプしてから Return を押してもよい。
さて、それが片付いたとして、ここからは私たちが気に入った Quick Look プラグインをいくつか紹介しよう:
Art View: ここに挙げる市販製品の Quick Look プラグインはたった二つで、その一つ、$49.95 の Art View は、Adobe InDesign および Illustrator のファイルのプレビューと、そこに埋め込まれたフォントやリンクされた画像についての追加情報を提供することにより、グラフィックデザイナーの役に立つ。試してみたい人たちのために 15 日間有効の試用版もある。
BetterZip: BetterZip は、さまざまの種類の圧縮アーカイブの中身を覗き見することができ、さらにはディスクイメージの内容さえも見られる! ダウンロードしたら .zip アーカイブからアプリを抽出し、アプリを Applications フォルダの中へドラッグして、Mac を再起動する。その後は、圧縮アーカイブやディスクイメージで Quick Look を使うと内容のプレビューが見られる。
HetimaClipping: テキストを選択してそれを Finder へドラッグするとテキストクリッピングができ、他のアプリの中で正しい場所にそれをドラッグすればそのテキストがそこに挿入される。けれどもテキストクリッピングがあまり便利に感じられない理由の一つは、この Quick Look プラグインがないと、テキストクリッピングの内容を手軽にプレビューできないからだ。このプラグインはピクチャのクリッピングファイルでも働く。
Murasaki: iBooks も Quick Look プラグインを持っているが、それは単に本の表紙を表示するだけで、あまりプレビューの意味を成さない。EPUB の表紙を開いて中を覗きたい人にとって、私たちの知る限りベストの選択肢は EPUB リーダーの Murasaki だ。これは Quick Look プラグインも持っていて、こちらは本の内容全体をスクロールして見ることができる。(もう一つの EPUB リーダー Scarlett は目次も備えており、目次から本の中をナビゲートできるのでその Quick Look プラグインがあればもっと良いと思うのだが、悲しいことに Scarlett のプラグインは本の中のテキストを全く表示しない。)Murasaki の価格は Mac App Store で $7.99 だが、EPUB をたくさん読む人や、iBooks のようにページをめくりながら読むのでなく本全体をスクロールして読む EPUB リーダーが好みの人には購入する価値があるかもしれない。
qlcolorcode: ソースコードを扱う仕事をしている人なら、個々の要素を色分けしたテキストで示せばどれほどコードが読み易くなるかを分かっているだろう。この qlcolorcode プラグインは、まさにそれをする。Quick Look の中でソースコードファイルの構文回析がずっと楽になる。
qlImageSize: シンプルな qlImageSize プラグインは、Quick Look のタイトルバーの中に画像の寸法とファイルサイズを表示する。また、Quick Look が対応していなかったいくつかの画像フォーマットもプレビューが可能になる。これはパッケージ・インストーラとして配布されるので、Control-クリックしてコンテクストメニューから Open を選んでインストーラを起動すればプラグインを /Library/QuickLook
にインストールできる。
QLMarkdown: このプラグインがあれば、Quick Look が Markdown ファイルをフルにレンダリングして表示する。(2013 年 1 月 17 日の記事“Quick Look を Markdown ファイルにも使えるようにする”参照。)
QLStephen: ついに、あなたのお気に入りの Stephen たちを全員 Quick Look で一覧できるようになった! いや、それは冗談だが、この QLStephen プラグインがあればファイル名に拡張子のないテキストファイルも Quick Look で見られるようになる。例えば、ダウンロードしたパッケージの多くには README ファイルが含まれているが、そのファイル名に拡張子 .txt が付いていないことが多く、このプラグインがなければ Quick Look が内容を表示できない。
QuickLookCSV: デフォルトで、Quick Look は Numbers スプレッドシートをプレビューできるけれども、カンマ区切りフォーマット (CSV) ファイルはプレビューできない。けれどもスプレッドシートの配布には CSV ファイルが使われることが多い。この QuickLookCSV プラグインは CSV ファイルの内容を、行と列に区分けして表示する。
Quicklook Video: この Quicklook Video プラグインは、元々Apple が提供したものよりはるかに多くの種類のビデオフォーマットへの対応を追加する。
Quick Look への素敵な追加物をもっと探したければ、QuickLook Plugins List がある。ここは素晴らしい、集中化された Quick Look プラグイン貯蔵庫だ。
Quick Look は簡単に使いこなすことができ、使う習慣がいったん身に付きさえすれば、あなたの Mac の上で以前よりもっと生産的に仕事ができるようになるだろう。他にも Quick Look の技やプラグインなどがあって便利に使っておられるなら、どうぞコメントに書き込んで頂きたい!
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文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
PopChar X 7.4 -- Ergonis Software が PopChar X 7.4 をリリースして、Apple Color Emoji にあるすべてのカラー国旗の表示に対応した。また国名での検索(クック諸島の "CK" のようないわゆる "regional indicator symbol" の組み合わせに依存しない検索)が可能になった。ただしこの機能には OS X 10.10.3 Yosemite またはそれ以降が必要だ。(拡張国旗セットは 10.11 El Capitan で利用できる。)
この文字発見ユーティリティはまた一部のフォント(例えば手書きフォント)のメトリック調整を改善し、Retina ディスプレイ上でグループポップアップボタンの見栄えの問題点を修正し、このアプリがクリップボードを使って挿入する際のテクニックを改良した。(新規購入 29.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、4.5 MB、リリースノート、10.6+)
Piezo 1.5 -- Rogue Amoeba が Piezo 1.5 をリリースして Instant On コンポーネント ( Audio Hijack や Airfoil など他の Rogue Amoeba タイトルにも含まれている) を追加し、これによりこの最小主義のオーディオ録音アプリが既に動作中のアプリケーションからもオーディオをキャプチャできるようになった。さらに、Rogue Amoeba は Apple のサンドボックス化制約を避けるため Piezo を Mac App Store から取り下げた。制約によって Piezo の有用性が減りつつあったからだ。(Piezo について詳しくは 2011 年 12 月 8 日の記事“Piezo でオーディオ録音が超簡単に”参照。)
過去に Piezo を Mac App Store を購入した人は、Rogue Amoeba から直接ダウンロードすることができる。このアプリは Mac App Store から購入した人を認識し、一回のみの簡潔な移行手続きを通じてライセンスキーを無料で提供する。(必ず先にライセンスキーを入手してから、その後で Piezo での録音を始めること。)ライセンス移行に関する説明と、Rogue Amoeba が Mac App Store を去るに至った背景の説明が Rogue Amoeba ブログ記事で読める。
また、Piezo 1.5 では VU メーターのアニメーションを改良するとともに、Sparkle を利用したソフトウェア・アップデートのメカニズムが HTTPS 上でセキュアに実行されるようにしている。(新規購入 $19、無料アップデート、8.4 MB、リリースノート、10.9+)
Hazel 3.3.7 -- Noodlesoft が Hazel 3.3.7, をリリースした。このファイルクリーンアップユーティリティにいくつか修正を施した、メンテナンス・リリースだ。今回の新バージョンでは、ルールが呼び出されなかった二つの場合 ("date last matched" を使った場合と "did change" を使った場合) を修正し、入れ子になった条件が "sub-file..." をターゲットとしファイルイベントがサブフォルダにある場合に除外されてしまった問題を解消し、また "this week/this month/this year..." を使った条件がマッチすべきでないのにランダムにマッチしてしまった問題を修正している。(新規購入 $29、無料アップデート、9.0 MB、リリースノート、10.8+)
1Password 6.0.2 -- 1Password 6.0 のリリース(と、その後に続いたバージョン 6.0.1、2016 年 1 月 18 日の記事“1Password 6 for Mac、Teams を加え、同期オプションを拡大”参照)に続き、AgileBits が 1Password 6.0.2, を出した。パスワードマネージャのロックを外した際にどの金庫が開くかを制御する項目を環境設定に追加している。今回のアップデートではまた自動保存機能がどのサイトを避けるかをより良く判断するようになり、1Password for Teams で混乱を避けるため金庫 Everyone と Your Vault をそれぞれ Shared と Personal に改名し、1Password mini が一部のサイト変種のログイン表示 (例えば amazon.co.uk でなく amazon.com) を正しく表示できなかったバグを修正し、1Password mini で Option キーがパスワードを表示しなくなっていた問題を解消し、固定された 1Password mini ウィンドウがロック解除後にも内容を表示し続けるようにしている。
1Password 6.0.2 は 1Password 4 と 5 のオーナーには無料アップデートだ。(バージョン 3 以前からのアップグレード価格はバージョンによる。)この記事の執筆時点で Mac App Store 版 1Password はまだバージョン 6.0.1 のままだ。(AgileBits からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、TidBITS 会員が AgileBits から購入すれば 25 パーセント割引、無料アップデート、43.8 MB、リリースノート、10.10+)
文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
今週の ExtraBITS では、Google が写真サービス Picasa を終了し、Adobe Creative Cloud の Mac 用ソフトウェアの深刻なバグ(既に修正済み)が勝手にファイルを削除し、Bob "Dr. Mac" LeVitus が iTunes 批判を音楽に乗せ、Apple Music が Sonos オーディオシステムで動作し、Apple Store が iPhone に Belkin 製スクリーン・プロテクターを装着し始める。
Google、Google Photos を優先して Picasa を閉鎖 -- Google が、同社の写真サービス Picasa を 2016 年 5 月 1 日に終了すると発表した。Picasa ユーザーに対しては、Google Photos にログインしてから自分の Picasa 写真に(既に移転済みのはずなので)アクセスすることを勧めている。Google はまた、Picasa ユーザーが Google Photos を使わずに自分の写真にアクセスできる方法も提供すると言っている。デスクトップ用アプリ Picasa については、Google は 2016 年 3 月 15 日にサポートを終了する。以前から Google が明確に Google Photos への転換の姿勢を見せていたので、私たちも驚きはしなかったが、それでも Mac 用の Picasa アプリがなくなるのは悲しい。Mac の上で Apple の Photos の代替となり得る、ほんの少数のアプリのうちの一つだったから。
Adobe Creative Cloud アプリが隠れたフォルダの内容を削除 -- クラウドバックアップサービス Backblaze の開発者が、Adobe Creative Cloud の厄介な挙動を発見した。Adobe の Mac 用ソフトウェアのあるアップデートを施すと、ユーザーのディスクのルートレベルの中で、アルファベット順で最初に来る、隠れたフォルダの内容をすべて削除してしまうのだ。(隠れたフォルダは Finder の中には表示されないが、重要な設定その他のデータが含まれていることが多い。)Backblaze ユーザーの多くがこのバグに気付いた。Backblaze アプリは .bzvol という名前の隠れたフォルダに依存して動作し、これは多くの場合 Backblaze ユーザーのドライブの中でアルファベット順で最初の隠れたフォルダであることが多いからだ。それ以外の Mac ユーザーにとっては、最初のフォルダは .DocumentRevisions-V100 であることが多く、この中には OS X の自動保存機能やバージョン機能に必要なデータが保存されているので、それが削除されてしまうのは問題だ。Adobe は既にこのバグを認めて素早くアップデートを出したので、忘れずに Creative Cloud に自らをアップデートさせておこう。
iTunes 死すべし: 歌 (と嘆願) -- 長年にわたり、私たちは iTunes が抱える無数の問題点を嘆く言葉を交わし続けてきた。つい最近にこの声を(文字通り声を)上げたのが Bob "Dr. Mac" LeVitus だ。著名な文筆家でありミュージシャンでもある彼は "iTunes Must Die" という歌を録音し、それと連動させて "iTunes Must Die" 嘆願運動を始めた。無料のプレビューが CD Baby でできるが、購入したければ Amazon、CD Baby、Google Play のいずれからでも $0.99 で手に入る。ただ、iTunes Store からはまだ購入できない。うむむ...
Apple Music が Sonos に -- ワイヤレスオーディオシステムの Sonos と Apple Music の両方が好きな人に、嬉しいニュースがある。両者が一緒に働くようになったのだ! 楽曲を Apple Music から Sonos システムへストリームするには、どの Sonos コントローラアプリからでも Add Music Services を選び、Apple Music ボタンをタップして、ログインすればよい。
Apple Store が Belkin 製 iPhone 画面プロテクターを装着 -- iPhone のスクリーンは一般的にかなり耐久性がある。ケースで守られていればなおさらだし、スクリーン・プロテクターを貼るのが好きな人たちもいる。けれども、スクリーン・プロテクターの装着は細心の注意が必要で、間違いを起こしがちな作業だ。端揃え、気泡、入り込む埃などが問題となる。Apple と Belkin は共同で、Apple リテール店の中でこのフラストレーションに対処しようとしている。Apple 従業員が、Belkin の独自仕様 ScreenCare+ Application System という、完璧な装着のために作られた装置を使ってスクリーン・プロテクターを装着してくれる。このシステムは iPhone 6、6 Plus、6s、6s Plus に対応しており、InvisiGlass と Anti-Glare の二種類のスクリーン・プロテクターから選べる。
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