今週の TidBITS では、シリーズ記事「Preview のパワー」の最新の回をお届けする。今回は Preview を使って PDF や画像に注釈を付ける方法の解説だ。MacBook に USB-C ポートが 1 基しかないのは窮屈だが、Acer が発売した新しいモニタは USB-C 経由で接続し、追加の USB-A ポートも備え、それに加えて MacBook を充電することもできるので、Julio Ojeda-Zapata がこのモニタの印象を語る。また、スタンディングデスク(立ち机)に興味はあるが値段が高過ぎると思う人のために、Julio が家庭内の仕事部屋で使える手頃な価格のものをいくつか紹介する。それから、Glenn Fleishman が連載中の本 "Take Control of Slack Basics" の新しい章が出て、この中で Glenn はチャンネルについて知っているべきことをすべて説明する。今週注目すべきソフトウェアリリースは、GarageBand 10.1.1、Pixelmator 3.4.4、1Password 6.2.1 だ。
記事:
---- 皆さんのスポンサーへのサポートが TidBITS への力となります ----
文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Glenn Fleishman が連載中の本 "Take Control of Slack Basics" の最近二つの章はメッセージに焦点を当てた内容であった。そこで今回は、メッセージが向かう主要な場所、すなわちチャンネルを調べる番だ。(次の週にはもう一つの場所、すなわちダイレクトメッセージによる会話を扱うことになる。)
Chapter 6 の "Work with Channels" では、public と private の二つの種類のチャンネルそれぞれに、見つける方法と参加する方法を解説し、それらがサイドバー上に現われるやり方の違いを説明する。あなたにできることは他の人たちが作ったチャンネルに参加するだけに限られない。「人々にパワーを」という Slack の哲学に従い、チームのすべてのメンバーが public や private のチャンネルを作成できるというのがデフォルトの設定だ。(チームの管理者は、もしもその組織にとって適切でないと思えば違う設定に変えることもできる。)あなたがチャンネルを作成すれば、それに名前・目的・話題を指定したり、人々を招待して参加してもらったりができるようになる。Glenn は最後に、重要なメッセージをピン留めしたり、チャンネル全体に向けた発表をしたり、チャンネルを脱退したり、不要になったチャンネルをアーカイブ保存したりする方法を説明する。
そういう機能を試してみたい方は、どうぞ私たちの public SlackBITS グループに参加して頂きたい。現在の参加者は 150 名以上いて、Slack について、また Mac、iOS、Apple TV について、ここで議論を交わしている。(Josh Centers は著書 "Take Control of Apple TV, Second Edition" の出版を機にここで第四世代 Apple TV に関する質問を受け付けている。)現在チャンネル作成機能は誰でも使えるようにしてあるので、どうぞご自由に思う存分実験して頂きたい。何も壊したりする心配はないのだから。参加の方法は Chapter 1 の "Introducing Slack" に説明がある。Chapter 2 "Get Started with Slack" も、誰でも読めるようになっている。
この "Take Control of Slack Basics" が初めての方のために言っておくと、Chapter 3 とそれ以降は TidBITS 会員限定なので、まだ会員になっておられない方にはどうぞこれを機会に参加して頂きたい! TidBITS 会員になって頂いた方には、他にも多くの特典がある(例えば私たちの RSS フィードがフルテキストで読めるようになる!)けれども、何より大切なのは TidBITS 会員のお陰で今日の TidBITS があるということだ。皆さんのサポートがなければ、私たちはここまで出版を続けて来られなかっただろう。既に TidBITS 会員になって下さっている方は、どうぞ会員登録の際の電子メールアドレスを使って TidBITS サイトにログインし、連載チャプティクルを読んで、コメントを書き込んで頂きたい。
Chapter 1, "Introducing Slack"
Chapter 2, "Get Started with Slack"
Chapter 3, "Master the Interface"
Chapter 4, "Post Basic Messages"
Chapter 5, "Go Beyond Basic Messages"
Chapter 6, "Work with Channels"
完成版の電子ブック "Take Control of Slack Basics" は、完成し次第 PDF、EPUB、Mobipocket (Kindle) の各フォーマットでどなたでも購入して頂ける。管理者向けの "Take Control of Slack Admin" も合わせて出版する予定だ。また、Slack チーム全体を対象に、完成版の電子ブックの値引きまとめ買いができるようにする予定なので、ご希望の方はご連絡頂きたい。
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文: Julio Ojeda-Zapata: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Apple の 12 インチ Retina ディスプレイモデル MacBook は、目的が合っているユーザーにとっては素晴らしいモバイルコンピュータだが、制約もある。
コンパクトであることは外出時に持って行く際には利点だが、自宅や仕事場でもっとスクリーンを広くして生産性を高めたいユーザーにとってはコンパクトさが不利に働く。(2015 年 4 月 29 日の記事“12 インチ MacBook: 特定のユーザーに向いた、別物の Mac”参照。)
とりわけ MacBook に USB-C ポートが 1 基しかない点は、ラップトップ機を充電しながら周辺機器も接続したい人たちにとっては頭痛の種だ。(2016 年 3 月 10 日の記事“MacBook アクセサリ、単一 USB-C ポートの不便さを和らげる”参照。)
これらの問題点に一挙に対処できる方法がある。完璧にとは言えないかもしれないが、MacBook 用にあつらえたかのように作られた新製品を紹介しよう。
Acer の H277HU ディスプレイは 2560 × 1440 ピクセル (つまり WQHD) の美しい製品で、27 インチの IPS 方式液晶パネル、16:9 の縦横比、細幅のゴールドベゼル、それに格好良いリング状のつや消しメタル製スタンドが付く。
MacBook オーナーにとって非常に重要なのが、H277HU の USB-C ポートだ。つまり、ラップトップ機をこのモニタに直接繋ぐことができるので最小主義的に快適だ。格好悪いアダプタなど要らない。
いったん接続されれば、MacBook はこのディスプレイの AC アダプタから電源を得る。また、このディスプレイは USB ハブとしても働き、背面側に 2 基の USB 3.0 ポートと USB-A コネクタを提供する。
最も重要なのは、MacBook ユーザーがラップトップ機のスクリーンの拡張として素晴らしく広々とした作業領域を使えるようになることだ。MacBook のスクリーンをこのディスプレイにミラーさせて使うことも可能だが、両者のサイズがあまりにも違うのでそれほど役に立つ使い方とは言えないだろう。
でも、私は第三の方法が気に入った。MacBook を閉じて、このディスプレイだけを使うのだ。十分以上の広さがあるので、作業中のウィンドウを左右に二つ並べても、あるいは Final Cut Pro のように大量のインターフェイスを使うアプリを走らせてもまだ余裕がある。マルチカラムの Twitter クライアント TweetDeck は広いスクリーンで使うのに適しているが、このディスプレイなら理想的だ。最大九つのカラムを並べられる余地がある。
Apple の Magic Keyboard と Magic Mouse 2 を加えれば、私のセットアップは完成だ。(2015 年 11 月 25 日の記事“Apple の新しい Magic 周辺機器の変更点は控え目”参照。)
誤解のないように言っておくと、この Acer H277HU は Retina ディスプレイではない。比較のために言えば、Apple の 27 インチ Retina iMac は驚くべき 5120 × 2880 の解像度を誇り、これは H277HU の解像度 2560 × 1440 のちょうど四倍だ。21.5 インチ Retina iMac でさえ 4096 × 2304 の解像度を提供している。けれども Acer のディスプレイは非 Retina の 21.5 インチ iMac の 1920 × 1080 ピクセルという解像度に比べれば圧勝で、MacBook 自体の 2304 × 1440 の解像度よりも少し勝っている。
この H277HU が非 Retina なのでは話にならないという人もいるだろう。実際、Retina グレードの Mac や iOS デバイスを多用してきた私の目はこのモニタに少々違和感を覚えたが、私は間もなく慣れてしまった。
$499.99 という価格も素敵だ。つまり、既に高価格の MacBook に投資した人は、外付けディスプレイは手頃な費用に抑えたいと思うのではないか。
この H277HU の画像品質は、とうてい賞を獲得できるようなものではない。スクリーンは特に明るいこともなく、活気に欠ける。白が微妙に褐色がかっていることを除けば、カラーは正確なようだ。グラフィックスの仕事をしている訳ではないので、私はそういうことが気にならず、このディスプレイをメインの仕事用スクリーンとして何週間も使っても目の疲れを感じたりその他の問題が起こったりしなかったのが気に入った。
感受性の強い人たちのために、このディスプレイは一連のかなり高度なカラーコントロールを提供する。けれども、設定項目のうちいくつか、例えば "blue light"、"warmth"、"super sharpness" などは、単に事態を悪化させるだけのように思えた。
全体として、Acer のディスプレイは宣伝されている通りに機能する。背面に 1 基しかない USB-C ポートを使って MacBook と接続するのは、たいていの場合、差し込むだけでちゃんと働く。ただし、少々いじくらないと MacBook のデスクトップが大スクリーンに表示されなかったことが二度ほどあった。ディスプレイに同梱の USB-C コードを使うのが最良のようだったが、少なくとも理論的にはどんな USB-C ケーブルでも使えるはずだ。
音楽を聴く人のために、この H277HU にはスピーカーが内蔵されている。ただ、あまりパワフルなスピーカーではないし、Mac のスクリーン上のオーディオコントロールからも、Magic Keyboard のオーディオボタンを使ってもコントロールできない。非常に薄いベゼルを実現するためスピーカーは背面にあるが、その結果として前面スピーカーよりも曇ったサウンドに聞こえる。外付けスピーカーに接続可能なオーディオジャックはない。そこで、私は通常 MacBook の内蔵スピーカーを選んでおいた。Bluetooth スピーカーを使うのも一つのやり方だし、またラップトップ機自体のオーディオポートにスピーカーを繋ぐこともできる。
人間工学的なオプションについては、このモニタは最大 15 度まで前後に傾けることができるが、旋回させたり、高さを上げ下げしたりはできない。台の上でしっかり安定しており、強く押したりした場合にのみ少しだけ揺れる。
このディスプレイを USB-C のユーザー専用と思ってはならない。背面にフルサイズの DisplayPort と HDMI ポートも提供しており、HDMI 経由で何のトラブルもなく 13 インチ MacBook Pro に接続できた。
この H277HU は、USB-C モニタという新たな波の先頭を切って登場したものの一つに過ぎない。この点は、記事“MacBook アクセサリ、単一 USB-C ポートの不便さを和らげる”にも書いた通りだ。
けれども、しばらく使ってみて、さらにもっと良いものを求めて遠くを見渡すような気持ちには全然ならなかった。もちろんこのディスプレイも完璧ではないが、十分に能力がありながら手頃な価格なので、外付けスクリーンを探している MacBook オーナーにはきっと素晴らしい助けの手となってくれるだろう。
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文: Julio Ojeda-Zapata: [email protected]
訳訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
私の雇用者が St. Paul, Minnesota のダウンタウンにある古い、老朽化したオフィスから出て、Mississippi River の向かい側の現代的なオフィスコンプレックスに引っ越した時、私はとても嬉しかった。
新しいオフィスには、生活を便利にする素晴らしい設備が揃っている。例えば、私には電動式の立ち机が与えられ、これは私が立ったままで、或いは座って仕事ができるようボタンひとつで上がったり、下がったりする。
この様な高さを調整できる家具は、健康に良いという理由から、近年一般的になり始めている。尤も、専門家の中にはその様な話は、事実に基づいたものであるというよりはむしろ推測に近いものだと警鐘を鳴らす人もいる。私は、立ち机のファンである。何故ならば、仕事中時々立ち上がると、何時間も座り続けているよりも、ずっと頭の働きは良いし、体の疲れも感じ難い。
この様な格好良い電動式の立ち机を誰もが手にできる訳ではないし、自分で仕事をしている人達の多くもダメであろう。と言うのも、これらの机は数百ドルの高い方から、数千ドルもするからである。
幸いにして、より安価な選択肢は存在する。多くのものは DIY の立ち机だが、この種の応急装備のものは通常座って使う高さ迄下げることは出来ない (それに、私にとっては立ちっ放しというのは、一日中座りっ放しよりも問題が多い)。
もっと良い選択肢は、通常の机やテーブルの上に置く立ち机の機能を再現するための作業台である。これで昔からある固定平面が、実効的に高さ可変となる。
このような製品は色々な業者から沢山出されていて、その内の幾つかについては既に "Ergotron で Mac ユーザーも立ったまま仕事できる" (5 December 2014) で紹介した。
それ以来、私は必ずしも Apple に焦点を当ててはいないが、デスクトップ Mac の所有者、モバイル Apple コンピュータ (Mac 或いは iOS) のユーザー、或いは両者の使用に適した製品にも対象範囲を広げてきた。ここ1年程の間に、私はデザインの異なる製品を幾つか試してみた。但し、どれもが私のオフィスにあるような電動式ではないが、何らかの方法で高さが変えられるものである。
Ergotron Home -- まず Ergotron を再訪してみたい。ここの本社は私の家とオフィスから道を下ったところにある。
同社は最近 Ergotron Home という製品群を発表した。これは高さ可変の作業台を大衆にもっと身近で、手が出るものにしようと意図したものである。私はこのうちの二つをテストしてきた。
この中で注目したいのは Lift24 ラップトップ台で、値段は $249.95 とお買い得感があり、持ち運びもある程度出来るように設計されている。この台は机、テーブル、或いはカウンターの上に置いて使え、更に畳んでハンドルを持って別の場所へと移動出来る。
私は、これを天気がいい時には屋外で、玄関先のポーチにある木製テーブルの上に置いて使い、屋内では、家中の色々な場所で使っている。
この Lift24 の部品には、頑丈な強化ガラス製の土台と上部のステンレス製のラップトップ棚とが含まれ、どちらもフレームの様な形の直立ボディに取り付けられている。更に頂上部には高さ調整用の引き金機構が組み込まれている。
Lift24 のデザインは独創的ではあるが、小さな問題がないわけではない。ぐらつきがその一つである。しっかり固定されたラップトップ台を必要とする人には向かないかもしれない。何故ならば、これには多少のあそびと揺れがあるからである。しかしながら、これをしばらく使った後では、私には大して気にはならなかった。
奥行き 12 インチ、幅 23 インチ (30 x 58 cm) のサイズの棚板はまた、ラップトップをマウスと一緒に使うと少々窮屈である。私は、大抵の場合 iPad Pro を追加のキーボードと共に使っていたが、こちらの場合は何ら問題はなかった。
棚板にはもう一つ変わったところがあるが、Ergotron によると、それはデザインの一部だと言う。棚板は水平ではなく、傾いていて使い手側が少々高くなっている。Ergotron はこれを "マイナスチルト" と呼んでいて、"人間工学的に手首に優しく、手首を真っ直ぐに保ちそして手根管症候群になるのを予防する" と言っている。私は最初これが気になったが、使っているうちに慣れてきた。
この記事で取り上げる他の製品とは違って、この Lift24 は座って使う時に机の高さと同じ高さまで下げることは出来ない。勿論、その様な機能は意味をなさない話で、座って作業をする時はコンピュータを直に机の上に置けば良いだけである。
しまったり、持ち運んだりするために Lift24 を畳むのは多少手間がかかるが、しっかりと収まり、小さなスーツケースの様に持ち上げたり、持ち運んだり出来る。これを長距離持ち運ぼうとは思わないであろうが、オフィスに持って行く分には問題ない。
このラップトップ棚はそれ自身で、長椅子でラップトップを使う時の台としても使える。膝の上に大きな金属製の台を置くというのは最初変な感じがするものだが、私は、それが提供する柔軟性を嬉しく思うようになった。
Lift24 は十分使えるものではあるが、本格的な立ち机としては小さすぎ、デスクトップコンピュータの台としては使えない。しかし、ノートブックユーザーで、可動性が必要だが、使い心地や多少のガタは厭わない人にとっては、使える一品である。
私が試した他の Ergotron 製品は Lift35 という名前のもので、もっと一般的な立ち机である。これは Ergotron の可変作業製品の企業向けラインの一つである WorkFit-T の消費者向けバージョンである。
この $449.95 の Lift35 は Lift24 よりずっと簡素である。一台またはそれ以上のモニターや一体型コンピュータ (iMac の様な) のための台と、キーボードとマウスのための手前側に埋め込まれたより小さな台とから成っている。これは 35 インチ x 25 インチ (89 x 63 cm) という十分の大きさを持ち、荷重は 35 ポンド (16 kg) まで耐えられる。
Lift35 の左右には機械的なレバーがあり、上に動かせば台を上下出来る。これは、カウンターバランス機構のお陰で大抵の場合力入らずに操作出来、上下の動作は極めて円滑である。
Lift35 はごついが、それはその長所の一つでもある。お陰で、頑丈でしっかりした感じがし、ガタはまず全くない。キーボード台の方もしっかり出来ているが、数字キーパッド付きのフルサイズキーボードをマウスと共に使うには窮屈で狭い感じがする。しかしながら、Apple の Magic Keyboard なら Magic Mouse 2 と共に上手く収まる。
Lift35 にはその WorkFit-T モデルにはある幾つかの機能が欠けている。例えば、特製の拡張キットと共に使うための穴とかであるが、Ergotron は、これらのものは一般的な消費者は殆ど興味を示さないものであろうと語っている。他方で Lift35 には WorkFit-T には無い機能も幾つかある。例えば、作業台の表面は三つの異なる木仕上げから選べ (どれもコストを $699 に押し上げる) そして本物の竹のオプションすらある (これだと値段は $899 へと跳ね上がる)。
Ergotron 代替品 -- Lift35 には競合品があるが、この種の立ち机はとても人気があるので当然であろう。
私は二つの Ergotron 競争相手からの Lift35 代替品を試した:VariDesk と InMovement である。これらの立ち机は同じように働くが、デザインはかなり違う。
InMovement の $399 の Elevate DeskTop DT2 はその名前の通りで、上面は角の丸められた机の様に見え、塗装の選択肢は幾つかある (一つは、白である)。この製品の残りの部分は、光沢のある、曲線を帯びたメタルでおしゃれである。机全体としても、実際のところ、格好いい。
Lift35 と同様、カウンターバランス機構が付いていて、左右にあるレバーで滑らかに上げられる。
この DT2 のキーボードトレイは、固定式の Lift35 のものと違って、薄手の引き出し式のもので、私の好みから言えば少しきゃしゃな感じがする。しかしながら、この DT2 テスト見本2台を長期にわたって使った仲間は、全く気にならないと言っていた。
可動型キーボードトレイには一つ大きな長所がある:ラップトップユーザーのように、上部の平らな作業面だけあれば良いという人達のためには、これは中に押し込んで邪魔にならないように出来る。
VariDesk は有名な立ち机のメーカーで、目の眩むような品揃えのデスクトップ製品群を持ち、スタイルとサイズも豊富で誰もが自分に合うものを見つけられる。 ディスプレイとキーボードに対する別々の台を持つものから、一つの万能の平面を持つものまである。
私が試したモデルは $375 の PProPlus 30 で、Lift35 の様にキーボードとマウスのための小さな台と、ディスプレイや一体型コンピュータ用のより大きな台とを有している。上下するためのレバーが左右両側にあり、カンターバランス機構により、円滑で力入らずの操作が出来る。
ProPlus は Lift35 よりも曲線的で、タイプエリアはより開放的で、拘束感が少ない。しかしながら、その大きさは 30 x 30 インチ (76 x 76 cm) の設置面積で制限を受け、一台のディスプレイか iMac のための空間しかない。しかし、ProPlus シリーズには他のモデルモあり、36 と 48 は、全く同じように働くが数字の分だけ幅が広い。
ProPlus 30 にはもう一つ大きな欠陥がある。上昇機構を働かせた時、それは Lift35 の様に真っ直ぐ上には上がらず、少しユーザーの方に向かって弧を描いて上がる。これは狭い場所でタイピングせざるをえない人には問題である。何故ならば、この台はユーザーのための空間に食い込んでくるからである。
VariDesk は、この問題をその Pro, Compact, そして Cubicle ラインの立ち机ではある程度改善している。これらのものでも上昇する時少しの弧を描く動きはあるが、その程度ははるかに少ない。
もっと簡素な選択肢 - ここまでに取り上げたものは少々複雑で且つ嵩張る。もっともっと単純なものが欲しい人には、別の選択肢もある。
ラップトップユーザーに対しては、VariDesk が創意に満ちた (ものすごく魅力的ではないかもしれないが) Soho と呼ばれるミニの立ち机を出している。これは、タイピング台とメタルの足とから成り、左右のレバー操作で伸縮する。
この机は丸めた角をもち、奥行き 14 インチ、幅 31 インチ (36 x 79 cm) の寸法である - これはラップトップとマウスの組み合わせにぴったりである。色は白と黒がある。
Soho はある程度の移動性を想定しているが、持ち運びのハンドルがないので持ち運びはぎこちない。そうではあるが、$175 の値段では、文句なしにお買い得である。
私が試したもう一つの製品 Readydesk 2 は、可動部分は全くなく、木の厚板 で出来ているという点で変わっている。二枚の厚板は溝が切られた直立サポートになっており、二枚の棚板の様な部品がこの溝に嵌る構造となっている。高さの調整は、棚板を望みの高さの溝に嵌めることで達成される。
Readydesk 2 には、どの様なハードウェアを載せるかによって、幾つかの構成を取ることが出来る。
ノートブックを使う人のためには、一枚の棚板の構成で十分である。ノートブックに外付けキーボードとマウスを組み合わせて使う人は、二枚の棚板両方が必要で、上の棚にノートブックをディスプレイとして置き、下の棚に周辺機器を載せる。この構成は、マウスとキーボードと共に、独立モニターや一体型コンピュータを使う人にも当てはまる (下の写真の様に)。
Readydesk 2 は見かけよりも頑丈で、安定している。これは、一つには背面に設置された直立部分を支える交差する筋交いのお陰である。これはまた、ディスプレイがほぼ腕の長さに離れて設置されるよう、これは最適の距離とみなされている (私には丁度良い)、注意深く設計されている。ディスプレイをもっと顔から離して置きたいという人もいるが、Readydesk はこれを許さない。
Readydesk 2 はまた、立ったり座ったりして使いたい人には向かないであろう。ディスプレイの高さを変えるのは一仕事である。何故ならば、棚板の位置を変えるには、iMac やモニターを一旦取り除かなければならないからであり、そして座った位置では、タイピングのために適切な机レベルの選択肢も見当たらない。ラップトップユーザーは Readydesk を不要の時は机上から取り除くことも可能ではあるが、その大きさと重さを考えるとあまり良い選択肢とは言えない。
私がメーカーに進言したいことは、棚板の鋭い、そして余り心地良く感じない角を丸めることである。そうすれば、より丸みを帯び、そしてユーザーの手首の繊細な内側にも優しくなるであろう。
Readydesk 2 は $169.99 である (又は Readyriser と呼ばれるノートブックを見やすくするために傾ける持ち上げ台キット付きだと $179.99 となる;下記の写真参照)。
まとめ -- 理想の世界では、誰もが私のオフィスにある様な格好良い電動式の立ち机を持てるであろう。
世の中には、電動式でない本格的な立ち机も色々ある。私が試してみて好きになったのは Ergotron の WorkFit-D で、これはモーターを良くできたレバー一つの手動高さ調整システムで置き換えたものであり、その動作は手早く簡単である。
同様に、VariDesk は Pro Desk シリーズを出しており、作業台の高さを手早く調整できる馴染みのレバーを左右に備えている。
しかし、これらの製品は全て、電動式か否かに関わらず、少なくとも数百ドルの高い方に属している - 高すぎて手が出ないという人もいるであろう。その上、立ち机を置くために今ある伝統的な机を手放すのを好まない人もいるであろう。
そこが、今ある机、テーブル、或いはカウンターの上に置くタイプの立ち机製品が登場する場である。もし立ったままでの作業を時折織り込むことに興味があるのであれば、あなたの場所と予算に合った解を見つけるのはそう難しいことではないはずである。
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文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst, Josh Centers: [email protected], @jcenters
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
OS X 内蔵の書類および画像ビューワー、Preview を調べた前回の記事では、これを使って画像をクロップしたりリサイズしたりする方法や、それらの操作を Undo する方法について議論した。(2016 年 3 月 18 日の記事“Preview のパワー: 画像のクロップとリサイズ”参照。)Preview にはそれ以外にもたくさんの画像処理ツールがあるが、今週は Preview の注釈機能に焦点を当ててみたい。画像または PDF に、注釈機能を使って書き込みを入れることができる。(Microsoft Office 書類や iWork 書類には注釈を付けられない。)
Preview の注釈ツールの大多数は Tools > Annotate メニューからも使えるが、Markup Toolbar を使う方が便利なことが多い。メインのツールバーにあるツールボックスアイコンをクリックするか、あるいは View > Show Markup Toolbar (Command-Shift-A) を選ぶかすれば Markup Toolbar が表示される。
カラーと図形 -- 私たちが最もよく使う Preview の注釈ツールは Shapes だ。これで、例えばスクリーンショットの中で特定のインターフェイス要素に印を付けるのが簡単にできる。Tools > Annotate > Rectangle, Oval, Line, Arrow, Polygon, Star と並んでいるのが利用可能な図形の種類だが、たいていの場合 Markup Toolbar 上の Shapes のところから選ぶ方が簡単だ。
メニューを使うにせよツールバーを使うにせよ、図形を一つ選べばそれを書類や画像の中へ挿入することができる。図形は書類の中央部に出現する。特定の位置に新たな図形を挿入したい場合は、Markup Toolbar で Shapes をクリックしてから、欲しい図形をその位置までドラッグすればよい。
選択されている図形は青いドラッグハンドルで囲まれるので、これでその図形の寸法を調節できる。多くの画像処理アプリと同様、ハンドルをドラッグする際に Option を押していると中央からリサイズでき、Shift を押していると図形の縦横比が保たれる。線や矢印については、Shift を押していると 45 度傾いた線に固定される。
もちろん、図形を動かすことができる。そのためには、図形のドラッグハンドル以外の部分にカーソルを置いてカーソルが手の形になるのを待ち、それからドラッグすればよい。また、これはよくあることだが、同じタイプの図形が何個か必要な場合は、コピーしてペーストすることもできるし、あるいは単純に Option を押しながら図形をドラッグしてもよい。こうすると、まるでその図形を移動させたかのように全く同じ形の複製が作られる。
線や、多角形や、星形には、それぞれ追加機能がある。最初に挿入された際の線は真っ直ぐだが、線の途中にある緑色のドラッグハンドルを使えば滑らかにカーブした線にすることができる。デフォルトでは、多角形の挿入で六角形が書類に追加される。けれどもそれを選択してからよく見ると、緑色のドラッグハンドルがもう一つあるのが分かる。そのハンドルを反時計回りに動かせば辺の数が減り、三角形にまで減らすことができる。時計回りに動かせば辺の数が増え、最大は 12 角形までだ。星形の図形でも同様のことができるが、こちらには緑色のハンドルが二つあって、一つは多角形と同様に頂点の数を減らしたり増やしたりし、もう一つは頂点同士の間の長さを変える。多角形と星形では Shift キーの役割がさきほどとは逆だ。つまり、緑色のリサイズハンドルはデフォルトでは縦横比を保ち、Shift キーを押していると横方向と縦方向の寸法を別々に変えることができる。
図形を回転させることもできるが、そのためにはトラックパッドが必要となる。図形を選択してから、トラックパッド上に親指と人指し指を置いて、ひねる。その際には必ずあらかじめ図形を選択しておくこと。そうしないと Preview は画像全体を (90 度きざみで) 回転させてしまう。
図形とそのサイズや位置を調整し終えたら、Markup Toolbar にあるオプションを使って図形の見栄えをさらにカスタマイズすることができる:
Shape Style: このメニューを使って、図形の輪郭の線の太さ(言わば「筆跡」)を変えたり、その線を破線にしたり手書き風にしたり、さらにはドロップシャドウを付けたり取り除いたりできる。線と矢印については、矢をどこに付けるかも選べる。
Border Color: このボタンをクリックすればカラーピッカーが表示され、図形の輪郭線のカラーを指定できる。
Fill Color: 同様に、こちらのボタンで表示されるカラーピッカーでは図形の内部(輪郭線で囲まれた部分)を埋める ("fill") カラーを指定できる。デフォルトは "no fill" つまり内部に色を塗らないようになっており、この設定は白い正方形に赤い対角線を一本引いたもので示される。
単に美しい図形を挿入するという以外にも、これらのツールを使って積極的な意味を持つ応用をする方法がいくつかある。TidBITS や Take Control で私たちがよく使うテクニックは、注目してもらいたいインターフェイス要素のまわりに赤い楕円または長方形を no fill で置くことだ。たとえあなたがテクノロジー系のライターでなくとも、手早くスクリーンショットを撮り(Preview の中からもできる、記事“Preview のパワー: Preview にファイルを取り込む”(2016 年 2 月 25 日) 参照)スクリーン上に見えるものに今の方法で印を付けて、その注釈付きのスクリーンショットを友人に送れば、技術的問題の解決に手を貸す際に時間の節約にもフラストレーションの予防にもなるだろう。また、特定の細かな部分に注目してもらいたい部分には矢印を使えば便利だ。
図形は、印刷する予定の PDF の中のテキストを編集するためにも役立つ。輪郭線が黒、fill も黒の長方形を作って、書類の中の隠したい部分の上にその長方形をドラッグすれば、その書類を印刷した際に極秘の情報が黒塗りされる。(以前 Josh は何千通という書類にこの作業をする仕事をしていたことがあるが、Preview を使ってしていたのではなかったという。)もちろん、デジタルに配布する PDF にこのテクニックを使っても意味がない。図形は配布された後も編集可能なオブジェクトのままなので、Preview でも Adobe Reader でも簡単に取り除くことができるからだ。黒塗りの下にあるテキストを本当の意味で編集して削除するためには、Smile の PDFpen か Adobe の Acrobat Pro を使うことになる。
Preview は設定を覚えているので、例えば赤い 3-point の輪郭線で no fill の図形をよく使うなら、いつもそのように設定されている。残念ながら複数通りの異なる設定を記憶させる方法はないので、黒い長方形に切り替えた後は、いちいち手で以前の設定に戻さなければならない。
PDF では、注釈はそのまま編集可能なオブジェクトとして残り、書類を保存して、閉じて、それから再び開き直しても、注釈は元通りのままだ。しかしながら、画像においてはそうならない。編集した画像をいったん閉じれば、注釈はすべて画像の基盤となるビットマップの中へ折り畳まれ、もはや個別に選択して操作を施すことができなくなる。言い替えれば、注釈の図形の調整は必ずそのファイルを閉じる前に済ませておかなければならない。
最後にもう一言。Edit > Select All (Command-A) を使ってあなたが作った注釈をすべて選択し、それらを削除できると思っている人がいるかもしれないが、それは違う。このコマンドは、その時点で存在しているすべての画像コンテンツを選択してしまう。けれども、複数個のオブジェクトを Shift-クリックによって一つずつ順に選択しておいてからそれらすべてを動かしたり削除したりすることはできる。
マスクとルーペって何のこと? -- 注目を集めるための別方法として Mask と Loupe がある。いずれも View > Annotate から、また Markup Toolbar の Shapes ボタンからもアクセスできる。
Mask は使うのがちょっと難しい。これはある意味、図形の裏返しだ。実際に施される図形は輪郭線の外側の広いグレイに塗られた部分で、その部分が目立たなくされる。輪郭線の内側は "no fill" の長方形で、画像の中の目立たせたい部分をその内側に置く。青いドラッグハンドルは予想通りの働きをするが、その長方形を選択するには、長方形の 外側 をクリックしなければならない。他の図形のように内側ではない。まずは使い捨て用の画像で Mask 図形を操作する練習をして、感覚を掴んでおこう。
Loupe は、スクリーン上に拡大鏡を挿入する。小さな部分を目立たせるために役立つけれども、画像を歪ませてしまうことにもなるので、見る人を混乱させてしまうかもしれない。青いドラッグハンドルでルーペのサイズを変更し、緑色のドラッグハンドルでズームレベルを調節する。
ペンならばもっと強力 -- 図形を自分で手書きしたい場合にも、Preview でできる。Markup Toolbar の左から三つ目のボタンで Sketch ツールが使えるようになる。メニューからそれをする方法はないようだ。このボタンを選んでおいて、クリックしてドラッグすれば自由に図形が描ける。
Preview がその次に何をするかは、あなたが何を描いたかに依存する。例えば、あなたが正方形を描こうとしたと Preview が判断すれば、あなたが描いたものは正確な正方形に変換される。三角形、楕円、線、矢印、その他の図形でも同様で、ここでは緩やかな解釈が適用される。たいていの場合、判別できない殴り書きをすれば Preview はその殴り書きのままにするが、この挙動は必ずしも常に予測可能とは限らない。
ありがたいことに、もしも Preview の解釈をあなたが気に入らなければ、あるいはあなたが会話の吹き出しを描こうとしたことに Preview が気付かなければ、それを修正することができる。図形を手書きした後で、ウィンドウの左上をよく見れば、そこに小さなポップオーバーが現われて、あなたが描いたオリジナルと、それを置き換えるものの候補が選択できるようになっていることに気付くだろう。そこであなたの欲しいものを選べばよいのだが、ただしこれが一回限りのチャンスであることは知っておこう。つまり、ポップオーバーの中でどれかを選ぶか、または図形の選択を解除するかすれば、ポップオーバーは永遠に消え去ってしまうからだ。
Force Touch を装備したトラックパッドがある場合には、この Sketch ツールが感圧対応であることに注意しよう。つまり、手書きで描いている最中に強く押し込めば線が太くなる。
Sketch ツールを意外な方法で便利に使えることもある。例えば、山道で誰かに道案内をしようという際には、まず Google Maps でその地域の衛星写真を開いて、スクリーンショットを撮り、それから Sketch ツールを使ってその上に手書きで道順を書き込めばよいだろう。
注釈にテキストを書き込む -- Shapes が素晴らしいことは分かった。では、注釈に説明の文章を追加したい場合、あるいはインタラクティブなフォーム・フィールドのない PDF フォームに書き込みたい場合は、どうすればよいのだろうか? じつは、そういう目的のために注釈にテキストを挿入することができる。そして期待通り、Preview はそのための方法をいろいろと提供している。
テキストを挿入するための最も普通の方法は、Tools > Annotate > Text (Command-Control-T) を選ぶか、または Markup Toolbar の Text ボタンをクリックすることだ。すると Preview はテキストボックスを挿入して、そこにプレースホルダーとして "Text" と入力する。このテキストボックスは図形でするのと全く同様に移動させたりリサイズしたりできるが、テキストボックスの内部でクリックするとボックスを掴む代わりにテキストの編集に入ってしまうので、少々扱いづらいと感じるかもしれない。移動をする際には、次の二つのテクニックを覚えておこう。一つ目の方法は、まずボックスの外側のどこでもクリックしてテキストボックスが選択されていないようにし、次に(選択されていない)テキストボックスの上にカーソルを持って来てカーソルが手の形に変わるまで待ち、それからクリックして指を離さずそのままドラッグする。二つ目の方法は、もしもテキストボックスが既に選択されている場合、アウトラインの付いた境界線の上にカーソルを持って来てカーソルが手の形に変わるまで待ち、それからドラッグする。
テキストボックスの中のテキストのフォント、ポイントサイズ、カラー、書体、文字揃えを変更するには、テキストボックスを選択してから Markup Toolbar の Text Style ドロップダウンメニューをクリックする。テキストボックスの中の単語や文字の書体を個別に変えることはできない。
また、Shape Style、Border Color、Fill Color の各メニューを使ってさらにテキストボックスの見栄えをカスタマイズすることもできる。その点は図形についてのものと同じだ。Border Color はテキストボックスに輪郭線を付けてそれにカラーを指定することができ、Shape Style は輪郭線の太さとスタイルを選択でき、Fill Color はテキストに背景色を追加する。
もっと楽しいことを求めるなら、会話の吹き出しを試してみるとよい。これを挿入するには Tools > Annotate > Speech Bubble を選ぶか、または Markup Toolbar の Shapes ボタンを使う。通常の図形と同じように挙動するが、それに加えて矢印部分の先端と根元をコントロールするための二つの緑色のドラッグハンドルも付く。スナップ写真に会話の吹き出しを付ければ楽しいこともあるだろうが、プロフェッショナル向けの書類に使うことはお勧めしない。
実際、もともと明らかなことではないものの、どんな図形にも(線や矢印も含めて)テキストを追加できる。線や矢印では片方の端の脇のあたりにテキストが現われる。その他の図形では、テキストは図形の内部に表示される。
ノートを取ろう -- 記事“Preview のパワー: 画像や PDF を表示する”(2016 年 3 月 13 日) の中で、PDF の中のテキストをハイライトしたり、そのハイライト部分にメモを添付したりする方法を議論した。それは素敵なことに違いないが、テキストの特定の部分に付随しないようなコメントを残したければどうすべきか? その目的のために、Preview では自由に浮遊するノートを挿入することができる。ノートがあることは小さな黄色い正方形によって示される。Post-it(R) のスティッキーノート(付箋)と似た見栄えなのは単なる偶然だ。(画像にノートを挿入することはできない。)
PDF にノートを挿入するには Tools > Annotate > Note (Command-Control-N) を選ぶか、または Markup Toolbar の Note ボタンをクリックする。Preview は現在のページの中央部に小さな黄色い正方形を追加し、そこからもっと大きな黄色い長方形が開いてそこにテキストをタイプ入力できるようになる。思うままにどんどんテキストを入力すれば、それに応じて黄色い長方形はテキストを収容できるように拡張する。黄色い長方形の外側のどこでもクリックすれば閉じ、小さな黄色い正方形のみが残る。
この小さな黄色い正方形をクリックして選択すれば、次の五つのことができる:
もう一度クリックすれば開いて編集できるようになる。
ページの中でコメント内容に関連ある部分の場所の横まで移動させる。たいていの場合、そうしておくのがよいだろう。
Option-ドラッグすればコピーが作られる。そのページの中の複数の個所に同一のコメントを付けたい場合に便利だ。
Copy と Paste を使って別のページにそのコメントを置く。付けるページを間違えた場合には Cut も使える。
Delete キーを押せばそのノートが書類から削除される。
サイドバーからこれらのノートにナビゲートできることを思い出して頂きたい。そのためには View > Highlights and Notes を使う。その上、サイドバー上にあるノートにテキストを追加したり、その場でテキストを編集したりもでき、たいていの場合そちらの方がいちいち編集用長方形を開いたり閉じたりするよりも手軽だ。
点線の上に署名を -- これは古典的な問題だが、誰かが電子メールであなたにフォームを送ってきて、そこに署名をして欲しいと求めてきたとしよう。するとあなたはそのフォームをまず印刷して、署名をし、それからスキャンしてコンピュータに取り込んでから電子メールで送り返さなければならない。(そうでなければ、ああ何たることか、署名したものをファクス送信しなければならない。)この問題をスマートに解決するために、Preview には署名機能が備わっている。Tools > Annotate > Signature を選ぶか、またはこちらの方がずっと楽だが Markup Toolbar からもアクセスできる。この機能を使って一つかそれ以上の署名を作成しておいて、それを手軽に画像や PDF に追加できる。
デジタル署名を作成するには二つの方法がある。手書きした署名を Mac のカメラでスキャンする方法と、トラックパッドの上に指で署名を書く方法だ。もちろん、マウスしか持っていなければカメラを使うしかない。
トラックパッドで署名を作成するには、まず Markup Toolbar の Sign ボタンをクリックして Create Signature を選ぶ。それから Click Here to Begin ボタンをクリックして、トラックパッドの上に指で署名をしっかりと書く。もしも iPad 用の容量式スタイラスペン (Apple Pencil は使えないが) を持っているなら、そちらの方がたぶんうまく行くだろう。消しゴム機能はないので、仕上がったものに満足できなければ Clear をクリックしてやり直すしかない。満足できたら、Done をクリックしてその署名を Preview のリストに加える。
けれども、異論はあるかもしれないが多くの Mac に内蔵されている FaceTime カメラなどを使う方がたぶん署名の作成には適しているだろう。まず、白い紙の上に署名を書く。黒のサインペンを使うのがよいだろう。Create Signature を選んでから Camera ボタンをクリックする。ポップオーバーの中にウィンドウが開いて、カメラに写っているものが表示される。紙の上の署名をカメラの正面に置き、十分近づけて、青い線に沿うようにする。Preview が署名を探知すると、カメラウィンドウの中に署名のデジタル版が表示される。ここでも、結果に満足できなければ Clear をクリックしてからやり直す。満足できれば Done をクリックして署名を保存する。
いったん作成が済めば、あなたの署名を画像や PDF に挿入するのは簡単だ。Tools > Annotate > Signature を選ぶか、またはもう一度 Sign ボタンをクリックする。今回は、あなたの新しい署名がそこに見えているので、それを選べば書類の中に挿入され、その後で他の図形と同様に移動したりリサイズしたりできる。また、Border Color 設定を変えれば色の調整もできる。ただし、署名に Fill Color オプションを使うことはできない。
もちろん非合法の文書偽造を奨励する訳でも何でもないが、もしもあなたの上司の署名が度々必要だったり、あるいは手が不自由な親戚のために署名をしなければならなかったりした場合、その人の署名を Preview の中に取り込んでおけば電子的フォームに署名を入れる作業がずっと楽になることだろう。
PDF をいったん保存すれば、その署名は PDF のビジュアル・レイヤーの中に埋め込まれる。つまり、出来上がった PDF から署名を簡単にコピーして再利用することはできない。もちろん、その PDF のスクリーンショットを撮ってそこから署名部分を抽出することは可能だが、それは紙の書類に書かれた署名をスキャンして取り出す行為と同じことであって、いずれにしてもこの機能のせいでセキュリティに現実的な違いが出る訳ではない。
もしも System Preferences > iCloud > Keychain で iCloud Keychain を有効にしていれば、これらの署名も他の Mac に同期される。また、Apple Mail で画像にマークアップするためにこの署名を使うこともできる。
ここまでで、Preview を使ってファイルを開いたり読み込んだりする方法、画像や書類を能率的に見る方法、書類や画像をクロップしたりリサイズしたりする方法、そして、書類や画像に注釈を付ける方法を説明してきた。でも、まだまだあと数回の記事を使って説明すべきことが残っている。今後の「Preview のパワー」記事もお楽しみに!
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文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
GarageBand 10.1.1 -- Apple が GarageBand 10.1.1 をリリースして、iOS 用 GarageBand や Live Loops プロジェクトとの互換性をアップデートした。(これにより Multi-Touch ジェスチャーを使ってリアルタイムで楽器ループや DJ スタイル効果を呼び出して音楽の作成ができる。)今回のリリースではまた、Music Memos プロジェクトを開く機能と iPhone や iPad Pro 用 Logic Remote の使用にも対応し、2600 個以上の Apple Loop やサウンドを追加し、追加コンテンツをダウンロードする際の信頼性を高め、Accessibility 機能に複数の拡張を加えた。(Mac App Store から新規購入 $4.99、無料アップデート、938 MB、10.9+)
Pixelmator 3.4.4 -- The Pixelmator Team が Pixelmator 3.4.4 をリリースして、OS X 10.11 El Capitan での Intel HD 3000 グラフィックスカード対応を改善した。この画像編集アプリはまた、Transform モードでのレイヤー移動のペースを早め、ノイズを追加する効果 (Noise、Vintage、Snow、Rain など) を適用する際に起こったクラッシュを修正し、画像を Photos アプリに共有した際にメタデータが欠落した問題を直し、PDF 書き出しの際に起こったメモリリークを修正し、PDF が El Capitan で透明性を備えて書き出されるようにし、多数のレイヤーを持つ画像を編集した際にキャンバスが消えてしまうことのあった問題を正した。(Mac App Stor から新規購入 $29.99、無料アップデート、46.7 MB、リリースノート、10.9.5+)
1Password 6.2.1 -- AgileBits が Mac 用の 1Password 6.2 (別名 The New Tricks Edition) をリリースして、ログインフォームに記入する際の正確度を上げるとともに、読み込みワークフローを単純化して競合製品 LastPass からの移行が楽になるようにした。今回のアップデートでは AgileBits Store 版の 1Password を初めて走らせる際に iCloud から復元する機能への対応を追加し、Credit Card と Identity 項目への記入の正確度を改善し、1Password mini での検索を高速化し、一部のサイトで記入の際に Logins リストを制限する機能が正しく働かなかったバグを修正し、複数の Chrome プロフィールがアクティブであった場合に 1Password が処理する方法を改善し、Documents を復号化する際に 1Password に許可を与えなければならないようにしている。1Password 6.2 のリリース後、AgileBits は素早く 6.2.1 アップデートを出して、Mac App Store 版のバグをいくつか修正するとともに Apple の Safari Tech Preview への対応を追加した。(AgileBits からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、TidBITS 会員が AgileBits から購入すれば 25 パーセント割引、無料アップデート、44.4 MB、リリースノート、10.10+)
文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
今週の ExtraBITS では、FBI が iPhone に対する既存のクラック方法は新しいモデルには使えないと認めた後も、司法省は依然として Apple に対し暗号化された iPhone のロックを外すよう強制する裁判所命令を追い求めている。まだまだ続くその問題以外の話題としては、ケーブルモデムをオフラインにしてしまう攻撃が登場し、Netflix の請求金額が来月から値上がりする可能性があり、Bill Atkinson が Mac の起源について洞察を披露し、Macminicolo が MacStadium との合併を予定している。
FBI の iPhone ハックは旧モデルの iPhone のみ -- FBI は iPhone 5c をクラックすることに成功したが、Touch ID 付きの iOS デバイスを持っている人は安心してよい。オハイオ州の Kenyon College での講演の中で、FBI 長官 James Comey は「私たちが持っているツールはごく一部の iPhone にしか働かない。世界は既に iPhone 6s に移行しているが、このツールは iPhone 6s や iPhone 5S には使えない」と述べた。The Guardian の推測によれば、これは Secure Enclave が Touch ID デバイスの中に組み込まれているからであり、それが機密情報用の金庫の働きをしているからであろうという。
司法省、別の iPhone ロック解除問題で Apple に圧力 -- 司法省は San Bernardino テロ事件に関係した iPhone 5c については解除の方法を見つけた後に申し立てを取り下げたが、政府は Brooklyn の麻薬事件と Boston のギャング共謀事件に関係する iPhone については依然として Apple に対しロック解除を求める申し立てを継続中だ。Brooklyn の事件では既に治安判事 James Orenstein が 1789 年の All Writs Act (全令状法) を根拠とするのは司法省の越権行為であると述べている。けれども Boston の事件では連邦判事が FBI を援助せよという命令を Apple に言い渡している。要するに、最高裁の判断が出るまでは、どうなるか分からないということだ。
SURFboard ケーブルモデムが遠隔 DoS 攻撃に脆弱性を持つ -- Arris グループ (旧 Motorola) の人気ある SURFboard ケーブルモデム製品シリーズに脆弱性が発見され、うち 1 億 3 千 5 百万台が危険に晒されているという。この攻撃により遠隔の攻撃者がモデムをリセットすることが可能で、被害に遭うと最大 30 分間オフラインの状態になってしまうという。ただしこれはサービス妨害 (DoS) 攻撃であり、個人情報が漏洩する訳ではない。ファームウェアアップデートにより問題が修正可能と思われるが、残念ながらユーザーが自分のケーブルモデムをアップデートできる仕組みは存在していないので、アップデートはインターネットサービスプロバイダの手によるものでなければならないが、各社がアップデートを実行しているのは多くの場合リース品のモデムのみで、顧客所有のモデムをアップデートするのは難しいことがある。そのようなモデムを持っている人は、アップデートについて ISP に問い合わせてみるとよい。
来月に Netflix が値上げか? -- Netflix で月額 $7.99 の Standard ストリーミングプランを既得権で継続使用している場合、あなたへの来月の請求額が $9.99 に変わる。Netflix は新規購読者の月額料金を 2014 年に $8.99 へ、その後 2015 年に $9.99 へと値上げしたが、既存の顧客には値上げ後も最大二年間は旧料金のままに据え置いていた。料金が上がるのは残念だが、それでも Netflix はその二倍を支払ってもよいほど価値があるのではないか。
Bill Atkinson、Mac の誕生を語る -- Bill Atkinson は初代の Macintosh チームのメンバーであり、メニューバーやダブルクリックなどの概念を開発するとともに、MacPaint や HyperCard など古典的な Mac アプリケーションを生み出した人物だ。Atkinson は最近、TWiT の Leo Laporte と対談して初代 Macintosh の開発について議論した。インタビューの中では数多くの興味深い逸話が語られ、なぜ Steve Jobs が Jef Raskin を抑えてこのプロジェクトを掌握したかという話も出た。
Macminicolo が MacStadium と合併 -- Mac mini サーバホスティング会社 Macminicolo の創設者 Brian Stucki が、彼の会社が別の Mac 中心ホスティング会社 MacStadium と合併すると発表した。Macminicolo 社長としての彼の立場は変わらず、彼は MacStadium の副社長も兼任することになる。
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