TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1330/25-Jul-2016

皆さんのご希望によって生まれた本が、出来上がった! "Take Control of Preview" は、シリーズ記事「Preview のパワー」の内容を大幅に拡張した新刊書だ。その中で、Josh Centers と Adam Engst は皆さんを手引きして、この Mac 内蔵の画像および PDF ビューワーに隠されたパワーのすべてを紹介する。Adam はまた、iCloud の Find My Mac 機能が Mac の NVRAM をリセットするだけで無効化されるという事実を警告する。これは素晴らしいことだと思う人も、それは困ったという人もいるだろう。Glenn Fleishman は Firefox が Adobe Flash の扱いを低めつつあることについて議論し、Jeff Carlson が TidBITS への復帰記事で iOS 用 Lightroom 2.4 が写真家にとって大ニュースである理由を語る。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Alfred 3.0.3、Tinderbox 6.6.2、Evernote 6.8、DEVONthink/DEVONnote 2.9、BusyCal 3.0.4、PopChar X 7.6、Safari 9.1.2、それに Security Update 2016-004 (Mavericks および Yosemite) だ。

記事:

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"Take Control of Preview" がさらなる機能を明かす

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今年になって Josh Centers と私は Preview について解説するシリーズ記事 "The Power of Preview" を TidBITS に書いたが、これが大きな反響を呼び、多くの読者たちからこれを本にしてくれというリクエストが届いた。私たちも「それは良い考えだ」と思った。けれども、記事の中で少し触れただけの機能について調べてみたり、Tonya や元 Macworld 編集者の Scholle McFarland からの質問を検討してみたりするうちに、この Preview というアプリが思ったよりもずっと多くの機能を持ったものであることが見えてきた。

(日本語)Preview のパワー: Preview にファイルを取り込む | Preview のパワー: 画像や PDF を表示する | Preview のパワー: 画像のクロップとリサイズ | Preview のパワー: 書類や画像に注釈を付ける | Preview のパワー: 高度な編集テクニック | Preview のパワー: 画像の変換と PDF への書き出し

最終的には、あのほんの少数の記事が、最新刊の 166 ページから成る "Take Control of Preview" へと形を変えた。文章は大幅に書き換えられ、手順の説明も拡張され、挿入された図もずっと良いものになった。シリーズ記事は合計で 14,000 語だったが、これが 36,000 語になった。スクリーンショットの数も 62 から 107 に増え、100 個以上のインラインボタングラフィックスも追加された。外から一見しただけでは分かりにくいかもしれないが、プロフェッショナルの手によって執筆され、編集され、レイアウトされた本というものは、単なる記事とは比較にならないほどの努力を要するものだ。

私が思うに、元のシリーズ記事が人気を得た理由の一つは、Preview が従来型の Mac 用アプリであって、明確な内容のメニューと、首尾一貫しつつ豊富なキーボードショートカット、それに言葉にし難いある種のエレガントさを備えているからだろう。他の多くの組み込みアプリとは違って、タッチに基づくやり取りのためにインターフェイスを歪めた iOS 版はない。Preview の開発者たちは、Apple の中にいながら何とかしてレーダーの目をかいくぐったに違いない。なぜなら、Preview の見栄えも感触も、これが十年以上もかけて注意深くゆっくりと進化してきたもののような感じがするからだ。あまりにも地味に作られ過ぎているような気もする。非常に巧みにそのパワーを隠しているので、大多数の人たちはこれが単なる画像と PDF のビューワーを超えたものであることに気付きもしないくらいだ。いつの日か、Preview の開発チームの人たちと会えたなら素敵だろうにと思う。

元のシリーズ記事をお読みになった方ならば、Preview にどれほど多くのことができるかについてある程度の感覚はお持ちだろう。そうでない方は、写真を直接にカメラから Preview へ読み込めることを、また Preview がスキャナから読み込んで PDF を作成できることを、ご存じだろうか? "Take Control of Preview" には、そういったことのステップ・バイ・ステップの説明があり、スキャンの際の選択肢や、最高の結果を得るためのヒントなどについても、詳しい解説がある。また、Josh と私は Preview の持つ驚くほど有能な画像編集ツールの数々についてもすべて説明する。これであなたも、読み込んだ写真に対して露出、彩度、鮮明度、その他の調整を施すことができる。さらにはあなたの画像や PDF の上に、丸、矢印、説明文、その他数多くの種類の図形でも書き込みを入れることができる。Photos アプリで同じことができるかどうか、試してみるとよい! あなたが作るグリーティングカード、Facebook フィード、ウェブサイトなども、これまでと一味違ったものになるだろう。ちょっと馬鹿げてはいるが、Preview にできることの実例として、私はこんな写真を手早く作って本の著者二人を紹介してみた。

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Preview で PDF を読めることはもちろんご存じだろう。Take Control ブックのフォーマットとしても、PDF が依然として最も人気ある選択肢だ。でも、あなたは最良の表示方法を使っているだろうか? 例えば、2ページを表示したフルスクリーンモードでサイドバーに目次を表示する、というやり方を試してみたことがあるだろうか? そういう表示をする手順の説明もあるし、可能な限り流麗に PDF を読めるようにするための、他のいろいろな方法についても述べている。

今やあまりにも多くの書面が PDF に置き換えられているので、"Take Control of Preview" では PDF ベースの書面に書き込む方法についても解説し、特にあなたの署名を手早く挿入する方法も説明する。デジタル教科書を読んでいる人や、書類で共同作業をしている人は、PDF の上にハイライト、メモ、ブックマークで注釈を書き込む方法や、それらの注釈を使って PDF の中をナビゲートする方法を覚えれば役に立つだろう。さらにまた、スキャナの出力、クリップボード、あるいは Print ダイアログから PDF を作成する方法にも出会える。(特に Print ダイアログからの PDF 作成は、PDF ベースの画像カタログを作る方法として理想的だ!)最後にもう一つ、あなたの PDF を好奇の目から保護したり、他の人たちがあなたの文章をコピーできないようにしたりするため、PDF にパスワードを付ける二つの方法を紹介した上で、どちらがどんな目的に適しているかも説明する。

Josh と私はこの "Take Control of Preview" の中に、私たち自身の生活の中で役に立った現実世界の実例をたっぷり詰め込んで、その上に新たな使い方のヒントをふんだんに付けた。例えば、Preview の中で画像を編集しつつ、それと同時にその画像の過去のバージョンをどれでも並べて表示させることができるのを、皆さんはご存じだったろうか?

他のすべての Take Control ブックと同様、この本も今後必要に応じて最新情報でアップデートして行くつもりだ。著者を紹介する写真で作業をしながら、私はその場でいくつか新たなことを学んだ。追加した図形のレイヤーの順序を制御することはできないけれども、オブジェクトを複製して(その後元のオブジェクトを削除すれば)それを他のすべてのオブジェクトよりも手前に持って来ることができるのだ。このヒントも、また他に気付いたいろいろなヒントも、この本の将来のバージョンに盛り込みたいと思っている。

最後に、このことだけは言わせて頂きたいのだが、もしも皆さんが今後も Mac やその組み込みアプリについて徹底した解説書をもっと読みたいとお思いならば、どうかこの本を一冊、購入して頂きたい。元の記事に皆さんから頂いた多くの親切なコメントは嬉しく思うけれども、Apple のオンラインヘルプをはるかに超えたレベルの包括的な解説書を制作するための何ヵ月にもわたる努力を続けるためには、これがビジネスとして意味を成さなければならない。どうぞ、皆さんの支援を、よろしくお願いします!

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NVRAM のリセットで Find My Mac を無効化

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

Find My Mac は、iCloud ベースのサービスで、失くした Mac の在り処を見つけたり、遠隔操作でロックしたり、消去したりすることができる。だが、Find My Mac は簡単に無効化できることがわかった。これは、Mac が盗まれたのなら悪いニュースだろうし、適切にリセットできなかった古いMac を扱っているのなら良いニュースだと言えるだろう。

Find My Mac を有効にしてそれを使う主な理由には二つあり、一つは、失くした、あるいは盗まれた Mac を取り戻すのを助けることだ。そして、もう一つは、家のどこかに置き忘れるという心配の種を取り除くことだ。多くの人にとって、Find My Mac を有効化するのは造作もないことだ。SystemPreference から > iCloud を開いて、Find My Mac のボタンを選択するだけだ。不都合な点があるとすれば、それは主として、もしあなたがプライバシーについて気にかけているなら、Find My Mac は、ことによると、あなたの追跡が可能になる道を開いてしまうということだ。

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失くした Mac を見つけること -- 万一 Mac が行方不明になったら、iCloud の Web サイトにログインして対処することができる。そこで、FindiPhone をクリックし、画面の一番上にあるメニューから失くした Mac を選ぶと、地図上で、その Mac の在り処を見ることができる。画面の端にあるボックスでは、Mac のバッテリー・レベルが示される。また、カウチのクッションの隙間に滑り落ちてしまった場合に音を鳴らしたり、(消去されないように) パスコードでロックしたり、あつらえたメッセージを表示させたり、遠隔操作で自分でディスクを消去したりすることができる。iOS にある Find My iPhone アプリも使うことができ、同じことが可能だ。

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残念ながら、Find My Mac は、Mac の電源が入っていて、Wi-Fi ネットワークに接続されている必要がある。これは、失くした Mac に何かしようとしても、手遅れだったり、何も起きなかったりするかもしれないということを意味する。加えて、Mac には GPS チップがないので、たとえ Mac の在り処が分かったとしても、報告された場所は、それほど正確ではないかもしれない。少なくとも、SSD が付いていて、Power Nap がオンになっている Macは、スリープ状態でも在り処を伝えることができるが、ハードドライブが付いた Mac では、そうではない。

私の友人である Will Mayall が、最近私に注意してくれた、もう一つ別の問題 がある。それは、NVRAM をリセットすると、Find My Mac が無効化されるということだ。Will は、これを自分で見つけたが、ただちに Google検索で裏付けられたように、過去数年にわたって、他の複数の人も、同じ事実に遭遇していたことが分かった。要するに、Apple は、Find My Macのデータを NVRAM に保存しているのだ。これは、たとえハードドライブが外されても、Find My Mac の機能を維持するのには良いが、Command-Option-P-R を長押しして再起動するだけで、NVRAM が簡単にリセットされてしまうという意味においては良くないことだ。さっそく試してみたところ、OS X 10.11 El Capitan で、この問題が確認された。そして、macOS 10.12Sierra のパブリックベータ版でも、何一つ変わっていなかった。

Find My Mac が無効化されるのを防ぐ唯一の方法は、ファームウェア・パスワードを設定することだ。これを設定すると、通常の起動ディスク以外のディスクから起動する時は、常にこのパスワードを入力しなければならなくなる。さらに、NVRAM をリセットしようとすると、ファームウェア・パスワードの入力が促され、入力すると、Mac は、代わりに、Recovery モードに入る。実際、Find My Mac で Mac をロックする際、Mac が行うのは、ファームウェア・パスワードを設定することだ。

とは言え、ファームウェア・パスワードをかけるとどうなるかを理解せずに、設定してはいけない。もし、ファームウェア・パスワードを忘れたら、Mac が再び使えるようにするには、Apple Store か、または、Apple 公認のサービス業者に、サービスの予約が必要になり、そして、確かに自分で買ったということを証明するため、元のレシートや請求書を持って行かなければならなくなるだろう。私は、容易に思い出すことができるファームウェア・パスワードを設定することをお勧めする。そして、どこか安全な場所にそれを書き留めておくことだ。

意図的に Find My Mac を無効化すること -- さて、あなたが eBayで中古の Mac をちょうど買ったところで、前の持ち主が Find My Mac を無効化していなかったとしてみてください。これは非常にありがちな不注意なのだが、そうした状態であれば、その Mac は、以前の所有者が、やろうと思えば、いつでもロックしたり、消去したりすることができるのだ。なので、あなたは、Find My Mac を自分で切りたくなるだろう。NVRAM をリセットすれば、この Mac を売った人に助けを求める必要もなく、それができるのだ。

たぶん、卒業生や退職者 (Find My Mac をオンにしたかもしれない) のようなユーザーから、数多くの Mac を回収している Mac のシステム管理者にとって、一台一台の Mac のために、キーボードから NVRAM をリセットするのは厄介なことかもしれない。幸い、Mac のシステム管理者であるClayton Burlison が公表したコマンド・ラインによる回避法がある。それは、以下の二つのコマンドを単に入力するか、あるいはイメージング・スクリプトに含めるだけだ。

nvram -d fmm-computer-name nvram -d fmm-mobileme-token-FMM

Find My Mac がこんなに容易に回避されるというのはちょっと悩ましいが、懸念を持っている人にとっては、少なくともファームウェア・パスワードを設定することで、この問題への対処が可能だ。理想的には、Find My Macのデータが NVRAM とディスク (おそらく Recovery ボリュームの中) の両方に保存されるように、Apple が Sierra で微調整を行い、NVRAM のリセットと、他のディスクからの起動のどちらも Find My Mac を無効化するには十分でないようにするのが望ましい。

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Firefox は Flash のこれ以上の使用にフィルターをかける

  文: Glenn Fleishman: [email protected], @glennf
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

Firefox ブラウザーのメーカーである Mozilla Foundation は、同社が投稿したブログにおいて、ユーザーがクラッシュの回数を減らしたり、ラップトップのバッテリー寿命を延ばしたりするのに有用でない Flash の使用に対して、多くのカテゴリーでフィルターをかけることを、2016 年 8 月に開始すると述べた。本年の経過とともに、Firefox は、もっと多くの種類の Flash コンテンツを取り締まるようになるだろう。そして、来年には、あらゆる Flash コンテンツの再生を、ユーザーがクリックで許可することを求めることになるだろう。こうした動きは、Flash に反対する全てのブラウザー・メーカーによるトレンドの一部だ。そして、Flash はバグだらけで、依然としてセキュリティ・ホール満載だ。

他のブラウザー・メーカーと同様に、Mozilla は、Flash コンテンツをロードする回数が少なくなれば、セキュリティが増すし、バッテリー寿命は伸び、ページをロードしてレンダリングする時間は短くなり、そして、一般的に、Web ページはもっとキビキビと動くようになると主張している。その他の欠点以外に、Flash は、これまで長いこと、CPU を占有してきた。

Mozilla は、これに対して、「ユーザーの体験にとって必須ではないある種の Flash コンテンツ」をブロックするという代償請求を行っている。ここで、ある種の Flash コンテンツとは、広告主や広告ネットワークによって使用されているいくつかのタイプのトラッキング・メカニズムを意味している。YouTube、Facebook、その他のサイトは、最新のブラウザー向けに、HTML5 ベースのビデオ配信に切り換えていて、ビデオ用の Flash の使用を大幅に減らしてきている。広告主は、広告に埋め込むトラッキング、ならびに、表示用ビデオに Flash を使うが、先の理由で、これは、多くのユーザーが定期的に出会う唯一の Flash かもしれない。

Mozilla は、リンク付きのコード・レポジトリにおいて、5 × 5 ピクセル以下のサイズのオブジェクトに対して使用する 2 種類の Flash、すなわち、フィンガープリンティングとスーパークッキーをブロックすると言及している。Mozilla は、この二つの改変によって、Flash に関連するクラッシュが 10% 減少すると見積もっている。これは、全ての Firefox ユーザーにとって、かなりのものだ。

フィンガープリンティングは、インストールされた全てのフォントのリストを取得するのに Flash のコマンドを用いる。これは、たとえ誰かがトラッキングされないように対策を講じていたとしても、ブラウザーの特定に広告主が使う一つの方法である。

スーパークッキーは、もっと性質が悪い。スーパークッキーは、特定するための詳細なデータを Flash オブジェクトに格納する。そして、このオブジェクトは、ブラウザーのクッキーや他のトラッキング情報が消されても、取り除かれることはない。こうした Flash オブジェクトは、プライベート・ブラウジング・セッションにおいてすら、存続しているかもしれない。スーパークッキーは、ブラウザーのクッキーが取り除かれたかどうか確認するため、頻繁にチェックを行っている。そして、もしそうであれば、スーパークッキーは、内部キャッシュからブラウザーのクッキーを「生き返らせる。」

ユーザーが、ブラウザーに、Flash ベースのフィンガープリンティングやスーパークッキーを容認して欲しいと望む合理的な理由はない。たとえ、こうした目的を持つフラッシュをブロックすることが、単にトラッキングを減らすだけだとしても。フィンガープリンティングは、JavaScript を使って、あるいは、CSS を使ってさえも、なお実行が可能だ。そして、スーパークッキーは、JavaScript やさまざまな HTML5 ストレージ、そして、Web サーバーのページ・タグ付け技術を使うことができる。

今年の後半には、Firefox は、Web ページ上で与えられたあるコンテンツが可視化されているかどうか (これは、広告トラッキングのもう一つの要素だ) を、Flash が決めるのを禁止することになるだろう。(もし、誰かが広告を見ることができないのであれば、それは本当に役立っているのだろうか?) Firefox がそうした Flash バージョンを無効にしたら、HTML ベースの代替手段が Firefox 内で利用可能になるだろう。

最終的に、2017 年には、Mozilla は、デフォルトで Flash を再生することから、再生許可のためにクリックを要求することに切り換えるだろう。

Mozilla の措置は、他のデスクトップの Web ブラウザー・メーカーがとった措置と同様のものだ。Apple の WebKit チームは、デフォルトで HTML5で配信するようウェブサイトに強制するため、macOS 10.12 Sierra は、どんなマルチメディア・プラグインを持っているか、Web サーバーに対して明らかにすることはないだろうと、 2016 年 6 月に述べた。仮にあるサイトが HTML5 を送信できなければ、Safari は、サイトを訪れた人に対して、Flash 再生のためにクリックするというオプションを提示することになるだろう。(これは、Safari で利用可能な ClickToFlash や ClickToPluginのような優れた拡張機能とは別ものである。)

Google は、2016 年 5 月に、Chrome について同様のアナウンスを行っている。Chrome ブラウザーは、何らかの Flash コンテンツを提供するサーバーのうち、訪問者数で世界のトップ 10 に入るドメインのサーバーに対してのみ Flash が利用可能だと告げることになるだろう。こうしたサーバーには、現在のところ、YouTube、Facebook、Yahoo、Microsoft の Live.com、Amazon、そして Twitch が含まれている。ユーザーは、Flash をホワイトリストに登録することもできる。

Microsoft は、他の三つの主要ブラウザー・メーカーほどには、Flash を削減したり、究極的には排除したりするといったことについて表明を行っていない。そして、Microsoft の計画は、iOS および Mac ユーザーには何の影響も与えない。だが、Microsoft は、Internet Explorer に対する将来のアップデートにおいて、「不要なコンテンツを一時停止させること」によって、Flash を隔離しようと考えている。これは、Flash が、トラッキング、自動再生ビデオ、および、他の広告関連の目的に使用されていると言っているのかもしれない。

残念ながら、見当違いで時代遅れの Web サイトの中には、Flash に依存し続けるものがあり、こうしたサイトの中には、仕事、バンキング、あるいは、ヘルスケア問題の管理のために使わなければならないオンラインサービスが含まれているかもしれない。ブラウザー・メーカーが Flash の使用を減らすために講じる全ての対策は、遅れたサイトに対して、時代遅れにならずに Flash に見切りをつけるようさらに促すので、願わくは、そうしたサイトの Flash への依存は短命であってほしいものだ。

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iOS 用 Lightroom 2.4、モバイル写真ワークフローを変革

  文: Jeff Carlson: [email protected], @jeffcarlson
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

アプリのアップデートについて話をしよう。あらゆる新機能は、これこそ大変革をもたらすものだ、これこそ革命だ、これこそがそのアプリを新たな高みへと押し上げるものだ、と約束されるけれども、多くの場合、結局は期待外れに終わってしまうものだ。

けれども時には、宣伝文句が正しかったと分かることもある。Adobe が iPad と iPhone 用に出しているモバイル写真編集アプリ、Lightroom for iOS 2.4が、まさにその好例だ。二つの新機能、raw 画像フォーマット対応と、局所的な調整機能とが、写真家のモバイルワークフローをより良い方向へと変えて、とりわけ撮影した写真を Mac に読み込ませる前に編集したい場合には、非常に好都合な環境が提供されるからだ。

ここで一つ重要な注意がある。以下で説明する raw 対応と局所的な調整機能とは、Adobe Creative Cloud 購読者にのみ提供される機能だ。Lightroom for iOS は無料のアプリであって、誰でもそれを使ってデバイス上で写真の編集ができるけれども、その機能のいくつかは購読を必要とする。

生もの (Raw) と調理済みのもの -- まず初めに、raw と JPEG という二つの画像フォーマットについて手早くまとめておこう。あなたの写真ライブラリを編集したり管理したりする際には、たとえ Lightroom を使わないにしてもこの知識は必要だ。

あらゆるデジタルカメラは、写真を JPEG フォーマットで保存することができる。このフォーマットには、かなり画質を保てる上にファイルを圧縮してストレージ容量 (現代のカメラでは 4 MB ほど) を多く取り過ぎないようにできるという利点がある。けれども JPEG の問題は、それが 非可逆の フォーマットである点だ。ファイルサイズを小さくするために、個々のファイルに含まれるデータの一部が捨てられるので、必然的に劣化を伴う。

ほとんどの場合、それは見ても気付かない程度のことだ。JPEG は、人間の目に良く見える画像を作り出す技術に優れているからだ。実際、JPEG で撮影して素晴らしい作品を世に出しているプロフェッショナルの写真家たちも多い。しかしながら、その JPEG ファイルに編集を加えようとする際には、作業の対象となるべきオリジナルのデータが十分でない。例えば JPEG の中で暗い影の部分を明るくしようとしても、その部分のピクセルの中にはもはや詳細情報が残されておらず、あなたの手で回復できることにはおのずと限度が生じる。

この問題を解決するために、中級用ないしプロフェッショナル用のカメラの大多数では、撮影した写真をいわゆる "raw" (生の) フォーマットで保存できるようになっている。このフォーマットはシャッターが開いた際にカメラのセンサーが記録した画像データの すべて を含んでいる。そのため、Raw ファイルのサイズは巨大だ。カメラのモデルによっては、一枚の画像が 20 MB から 80 MB、またはそれ以上になることもある。けれどもそれだけ多くのデータを含んでいるということは、画像を編集する際にずっと多くの編集許容度が残されているということだ。

そもそもの初めには、iOS は raw 画像ファイルに対応していなかった。初期の iPhone や iPad には raw 画像をスムーズに処理できるだけの RAM もプロセッサ能力も備わっていなかったからだ。私は自信を持って断言するが、これもまた Apple のモバイル哲学の一環であって、最大限の人々が歓迎する機能に集中したいという考え方によるものだ。Raw は、優先事項ではなかった。

iPad や iPhone を使う写真家たちにとって、raw 対応の欠落はレンズの上の染みと同程度に気に障るものであった。Apple の Lightning to SD Card アダプタや Lightning to USB アダプタを使って raw ファイルを iPad や iPhone に読み込むことはできるが、その場合には大きな注意点がある。Photos アプリで表示される画像は、実際にはカメラが液晶画面上に表示するために作成した低解像度のプレビュー画像に過ぎない。Photos アプリで画像を編集しても、そのプレースホルダー用の JPEG を編集することしかできない。

その回避策は、Raw+JPEG モードで撮影することであった。このモードでは、カメラが二つのファイルを作成する。ソースである raw ファイルと、高解像度の JPEG ファイルだ。結果として JPEG ファイルを編集することができるけれども、その代わりに三つのファイルが手許に残る。raw ファイルと、それに付随する JPEG、そして編集後の JPEG だ。

あるいは、デスクトップコンピュータがあるところに戻るまで待って、それから写真を Lightroom に読み込むこともできる。Adobe はここに巧妙な回避策を思い付いた。デスクトップコンピュータ上の Lightroom に raw 画像を読み込んで、それを Creative Cloud と同期しているコレクションに追加すれば、それらのファイルが「スマートプレビュー」に変換される。これは実際 Adobe の DNG (Digital Negative) フォーマットであって、raw 画像の情報を含んでいるけれども ロスレスに 圧縮されている。(つまり、圧縮は可逆でデータは失われていない。)モバイル版の Lightroom は、基盤となるオペレーティングシステムからのサポートを必要とせず DNG ファイルを読み込んだり編集したりできる。

Adobe の回避策は生のデータを編集できるという利点があるけれども、それと引き換えにワークフローがデスクトップで始まらなければならないという制限が付く。モバイルデバイス上で直接 raw ファイルを編集したい場合にはどうすればよいのか?

私に選ばせないでくれ -- Lightroom for iOS 2.4 は、この「染み」を拭い去ってくれる。デスクトップ版の Lightroom や Photoshop に内蔵されているものと同じ Adobe Camera Raw (ACR) プロファイルを使用するので、raw 画像を撮影するカメラの事実上すべてに対応することになる。

(今「プロファイル」という単語に複数形を使ったが、その理由は "Raw" と言ってもそれはたった一つのファイルフォーマットではないからだ。JPEG での状況と同じことだ。カメラのメーカー各社はそれぞれ独自仕様の raw フォーマットを持っていて、さらにはカメラの個々のモデルで違うフォーマットを使っていることさえある。だからこそ、Adobe も Apple も camera raw 互換性アップデートを定期的にリリースしているのだ。)

これで、raw のワークフローがストレートなものになる。

画像ファイルは、Apple の Lightning ベースのカメラアダプタを使って iPad や iPhone に読み込まなければならない。カメラからデバイスへワイヤレスで写真を素早く送る方法もあるけれども、それは JPEG ファイルにしか使えないので、raw ファイルを送るには Lightning アダプタが必須なのだ。これで、画像が Photos アプリの Camera Roll に収められた。

しかしながらここでストレージの問題が生じる。iPad のストレージ容量は最大でも 256 GB で、iPhone ならば最大容量でもたった 128 GB しか入らない。扱おうとしている raw ファイルは JPEG ファイルに比べてはるかに大きな容量を占めるので、一つのセッションで撮影した写真を全部読み込むことすら無理かもしれない。(今や、写真家たちは 64 GB、128 GB、さらには 256 GB といった容量の SD カードを使って、それが一杯になるまで撮影するのが普通のことなのだから。)つまり、自分が見直したい、編集したいと思う画像のみを選び出して、それらだけ読み込むという作業がどうしても必要となる。

残念なことに、Photos アプリはたった一つのサイズのサムネイルしか提供せず、プレビューに対してすらも、ズームインする機能もない。また、データ転送の問題もある。12.9 インチ iPad Pro ならば画像をカードから転送する際に USB 3 速度 (理論的には最高で毎秒 640 MB) に対応しているが、それ以外のすべて、例えば新型の 9.7 インチ iPad Pro でさえ、比較的のろのろした USB 2 速度 (理論的最高速度が毎秒 60 MB) で動作する。

写真がいったんデバイス上に収まれば、iOS 用 Lightroom を起動して、写真を読み込む。Raw 写真には中央に (非常に小さく) Raw バッジが表示される。画像を開けば、すぐに編集できる。あるいは、複数個の写真を横断的にスワイプすることでそれらをまとめて選択し、一つのグループとして読み込むこともできる。Raw+JPEG モードで撮影してある場合は、Lightroom は raw ファイルのみを読み込む。ただしアプリの設定にはすべてのファイルを読み込むようにするオプションもある。

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そこから先は、他のどんな種類の写真とも同じように、Lightroom の編集コントロールが raw 画像でも使える。デバイスがどの程度古いものかにもよるが、raw ファイルがメモリに読み込まれるまで少々時間がかかる。私の iPad Air と iPhone 6s では 5 秒から 15 秒程度だ。

これまで私がテストしてみた限りでは、結果はなかなか素晴らしかった。暗過ぎる写真からも、細かいところが十分に再現できている。下の実例をご覧頂きたい。画面の下の方にある木々も、Exposure と Shadows の値を上げることで見えるようにすることができた。

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同じ写真の JPEG 版がこれだ。Exposure を +4.09 に調整すると、写真の上の方が完全に色落ちして真っ白になってしまい、木々の緑色も色合いが限られ、最も暗い部分には染みが出てしまった。

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それに比べて、下の raw 版は素晴らしい。実際、私は Exposure を +1.93 まで減らした。すべてが明るくなり過ぎたからだ。何より、この raw ファイルには作業に使える情報がたっぷり含まれているということだ。

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さて、写真の編集が終われば、元の raw ファイルと編集後のファイルがそれぞれ Creative Cloud に同期され、あなたの Lightroom デスクトップライブラリに加えられる。オリジナルのファイルは元と変わっていないので、Mac 上の Lightroom は、もしも他の写真と一緒にメモリカードから読み込み済みならばそのファイルが既にライブラリに存在するものとしてフラグ付けする。

複数のデバイスで iOS 用 Lightroom を使っている場合には、raw ファイルでなくスマートプレビュー (DNG) のみを取り込むようにすることもできる。例えば、私の iPhone へはサイズの小さなスマートプレビューのみを Creative Cloud から受け取るようにしている。

このワークフローの一つの欠点は、iPad に読み込んだ画像が Photos アプリの中にあるまま残り、そちらでストレージ容量を占めてしまうことだ。でも、Lightroom に追加した後で Photos の中にある画像を削除することはできる。

iOS 用 Lightroom の Raw 対応は、現在のところテクノロジー・プレビューの段階にある。つまり、この最初のリリースで何か問題が出現しても、Adobe には切り抜ける余地がいくらか残されているわけだ。また、来たるべき iOS 10 で加えられる Apple の raw 画像へのシステムレベルの対応に依存することもない。Apple は iOS デバイス用のモバイル raw 撮影に Adobe の DNG フォーマットを採用する予定なので、Lightroom の中でそれに対応するのは容易なのだろうと思う。

たとえテクノロジー・プレビューであったとしても、Adobe がこれほど多くの iOS デバイスに raw 対応を実現してくれたことは本当に素晴らしいと思う。私は当初これは iPad Pro でしか動作しないのではないか、あるいはひょっとすると iPad Air 2 でも使えるかも、と想像していた。一般に raw ファイルでの作業はプロセッサとメモリへの負担が大きいからだ。実際、raw 対応が使えるのは iOS 8.1 またはそれ以降の走るデバイスのみだ。ただし、Adobe によれば iOS 8.1 以降に大幅なバグ修正と改善が施されているので、推奨される最低ラインは iOS 8.4 だとのことだ。

この raw 互換性は、Apple が初代の iPad をデビューさせて以来ずっと私が待ち焦がれていたことだ。それがついに実現されて、私はワクワクしている。それはつまり、Lightroom を使っている写真家たちにとっては、撮影して、編集して、共有する、という一連の流れが、今後はすべてモバイルデバイス一台で、ラップトップ機だの周辺機器だのを一切使わずにできるということを意味している。既にいろいろなものでぎっしり膨れ上がったカメラ用バッグを少しでも整理したいと思っている者にとって、これは素晴らしいことだ。

功績は認めるべきところに認めよということで言っておくが、raw フォーマットに対応した iOS アプリは Lightroom が初めてではない。私の記憶が正しければ、(最近二年間はアップデートされていない) Photogene が raw ファイルを開けるようになった最初のアプリで、今は亡き Photosmith も多くの raw ファイルフォーマットのための raw デコーダを組み込んでいた。けれども、これら二つのアプリの場合、raw ファイルから高画質の JPEG 版を作製してそちらを編集するというところに使い道があり、元の raw 画像とは独立に存在する JPEG しか得られないのが難点であった。

捩ったり這いずったり -- iOS 用 Lightroom にはもう一つ改善点がある。Local Adjust 機能だ。より具体的に言えば、直線状および円周状の階調選択に関するものだ。この機能を使って、画像のごく一部分のみに調整を施すことができる。

例えば、写真をより良くしようと思って空を明るくし過ぎたとしよう。画面の上端から直線状の選択域をドラッグして、その領域のみで露出を下げ、雲が雲のように見えるようにできる。選択された領域(一時的に赤く色付けされるので思い通りに選択できる)は階調的なので、施される効果は画像の他の部分に溶け込むように一体化される。トランジションがどの程度シャープかスムーズかも制御でき、階調の向きも指定できる。

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同じように、円周状の選択を使えばもっと小さな領域での作業ができる。下の実例では、二つの別々の円周状選択を使って二つの巣箱を明るく変えている。巣箱のみを明るくすることで、背景が明るくなり過ぎるのを防いでいる。

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私はこの局所調整機能を頻繁に使う。特に風景写真では、iOS 用 Lightroom の中で編集できるのが素晴らしい。そしてもちろん、施した調整をデスクトップに転送して、さらなる編集を施している。

(局所調整機能は実際のところ、しばらく以前から iOS 用 Lightroom にあったけれども、これまでは直接編集することができなかった。デスクトップ上で編集した画像から調整をコピーして、それをモバイルデバイス上の別の画像にペーストすることはできた。でも、回避策に頼ることなく直接コントロールできるようになったのは嬉しい。)

さあ、動こう、仕事しよう -- Raw 対応と、局所調整機能とが、今回のバージョンでの呼び物の機能だが、その他にもいくつか改善点がお目見えしている。

全体的に見て、Lightroom for iOS 2.4 はここしばらくの間に出たものの中で最も刺激的な、最も前途有望なアップデートだ。直接に raw ファイルでの作業ができるようになるというのは、iPad か iPhone だけを手にして荒野に足を踏み入れようとするすべての写真家にとって、喜ばしい変化となるだろう。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2016 年 7 月 25 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Alfred 3.0.3 -- Running with Crayons が Alfred 3.0.3 をリリースして、このキーボード駆動のランチャーに修正や改善を加えた。今回のアップデートでは、スニペットとクリップボードの環境設定でオプションを整理し直し、アップデートのメカニズムを改善して macOS 10.12 Sierra に備え、List Filter ワークフローのオブジェクト構成が 10.9 Mavericks で互換性の問題を起こしていたのを修正し、Clipboard History を検索する際にスニペットを表示するオプション(デフォルトでオン)を追加し、辞書フィルター言語が正しく適用されなかった問題点を修正し、またスニペットデータベースのキャッシングのパフォーマンスを大幅に改善した。(無料、Powerpack は 17 ポンド、2.6 MB、リリースノート、10.9+)

Alfred 3.0.3 へのコメントリンク:

Tinderbox 6.6.2 -- Eastgate Systems が Tinderbox 6.6 をリリースして「洗練を加えるとともに Tinderbox 7 に備えるための基盤構造を追加」した。この個人用コンテンツアシスタントへの今回のアップデートでは、Tinderbox マップを改良し、リンクの終端をドラッグして経路を切り替えラベルを好きなところにリンクできるようにし、正確な配置のためのガイドをさらに追加した。このアップデートではまた、エージェント、ルール、自動並べ替えの間の複雑な関係性におけるパフォーマンスを改善し、日付における時刻の表示方法 (例えば "0930" と "930pm" など) を指定する方法を追加し、最近作成された脚注リンクをフォローする際の問題を修正し、新しいリンク作成ポップオーバーにおけるユーザーインターフェイスの各種の混乱を修正している。(新規購入 $249、無料アップデート、54.4 MB、リリースノート、10.10 +)

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Evernote 6.8 -- Evernote が社名と同じ名前の情報管理アプリにバージョン 6.8 をリリースして、Google Drive 統合を追加し、書類・スライド・シート・ファイルを添付したりリンクとして追加したりできるようにした。今回のアップデートではまた、ノートブックの共有やアクセス権の管理が手軽にできるようにし、Evernote アカウントを LinkedIn アカウントに接続できなかったバグを修正し、Spotlight 統合を改善し、また Evernote Business ユーザーが Salesforce アカウントを接続できるようにしている。この記事の執筆時点で Mac App Store 版がまだバージョン 6.7.1 のままであることに注意したい。

2016 年 6 月の末に、Evernote は有料プランを値上げし無料の Basic レベルをデバイス二台までに制限すると発表した。Basic ユーザーに対しては、どの二台のデバイスを使い続けるかを選ぶ設定をこのアプリが手順を追って示すが、ウェブから Evernote にサインインしてこのページでデバイスの選択をすることもできる。また同社は、ブラウザベースの Evernote ウェブページがデバイスの数に入ることはなく、何台でも好きなだけのコンピュータからウェブブラウザ経由で Evernote にアクセスできるとも明言している。(Evernote からも Mac App Store からも無料、54.2 MB、リリースノート、10.9+)

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DEVONthink/DEVONnote 2.9 -- DEVONtechnologies が DEVONthink の三つの版 (Personal、Pro、Pro Office) と DEVONnote をバージョン 2.9 にアップデートして、完全に書き直された同期エンジンを組み込んだ。iOS 上で走る DEVONthink To Go の来たるべき 2.0 リリースに備えて、この新しい同期エンジンはローカルネットワーク上でも、また Dropbox や WebDAV サーバなどインターネットベースのサービスを経由しても働く。ブログ記事によれば、同期の速度は DEVONthink 2.8 に比べて最大 688 倍速くなり、バンド幅の使用量は最少 80 パーセントに減り、RAM の使用量も、コンピューティングのパワーも少なくて済むという。しかしながら、この新しい同期エンジンは後方互換ではなく、既存の同期保存庫を削除してあなたのデータベースを改めて同期させ直す必要がある。

四つの版のいずれも、デフォルトのプレインテキスト用フォントを 11 ポイント Menlo Regular に変更し、何千個もの項目の選択処理を改良し、プレインテキスト表示でのタブストップの処理を改良し、Info パネルの不具合を修正している。DEVONthink の三つの版のいずれも、非常に長い PDF ページのサムネイルを横幅に揃えて縮小表示するようにし、ScanSnap/ExactScan への対応を改善し、.emlx 電子メールメッセージを HTML およびフォーマット付きノートへ変換する機能を追加している。バージョン 2.9 から、DEVONthink の三つの版も DEVONnote も OS X 10.9 Mavericks かそれ以降を要するようになった。(いずれもアップデートは無料。DEVONthink Pro Office 新規購入 $149.95、リリースノート。DEVONthink Professional 新規購入 $79.95、リリースノート。DEVONthink Personal 新規購入 $49.95、リリースノート。DEVONnote 新規購入 $24.95、リリースノートTidBITS 会員には DEVONnote もいずれの版の DEVONthink もそれぞれ 25 パーセント割引。10.9+)

DEVONthink/DEVONnote 2.9 へのコメントリンク:

BusyCal 3.0.4 -- BusyMac が BusyCal 3.0.4 をリリースして、Adam Engst がレビュー記事で指摘した問題点の多くに対処した改良を加えた。(2016 年 7 月 1 日の記事“BusyCal、Mac 用カレンダーアプリを更新、iOS にも進出”参照。)今回の新バージョンでは Info Panel での時刻の編集を改善(時と分との区切りの必要をなくし、24 時制での時刻の入力に対応)し、ナビゲーションボタンに少しずつスクロールするための矢印を追加し、フロートする情報ウィンドウの Notes フィールドの文字の色を暗くし、Exchange カレンダーの旅行時間への対応を追加し、位置情報の検索とマッチングを改良し、BusyCal 2 と BusyCal 3 の双方がインストールされていた場合に編集したイベントが消えてしまうことのあったバグを修正している。(新規購入 $49.99、アップグレード $29.99、10.8 MB、リリースノート、10.11+)

BusyCal 3.0.4 へのコメントリンク:

PopChar X 7.6 -- Ergonis Software が PopChar X 7.6 をリリースして、Unicode 9.0 への対応を追加した。これで 7500 個の文字が追加され (合計文字数は 128,172) また 6 つの新たな言語スクリプトと 72 個の新しい絵文字が加わった。この文字発見ユーティリティはまた、過去に複数のバージョンがインストールされていても素早く起動するようになり、"Show x in Unicode Context" の使用後のスクロール位置とハイライト表示を改善し、Microsoft Word の問題点を回避し、Font Info および Sample テキスト表示で欠落した文字のハイライト表示が正しくなっていなかった問題を修正している。(新規購入 29.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、4.6 MB、リリースノート、10.6+)

PopChar X 7.6 へのコメントリンク:

Safari 9.1.2 -- Apple が Safari 9.1.2 を OS X 10.9.5 Mavericks、10.10.5 Yosemite、10.11 から 10.11.5 までの El Capitan 用にリリースした。10.11.6 El Capitan には、既にバンドルされて含まれている。(2016 年 7 月 18 日の記事“Apple、OS X 10.11.6, iOS 9.3.3, tvOS 9.2.2, watchOS 2.2.2 をリリース”参照。) 今回のアップデートは WebKit の脆弱性に対処しており、複数個のメモり破損の問題、SVG 画像の処理におけるタイミングの問題、位置変数の処理におけるアクセス権の問題が解決された。いずれも、悪意を持って作成された Web サイトを訪れるとユーザー情報が漏洩する可能性があった。Safari 9.1.2 は Software Update 経由でのみ入手できる。(無料、リリースノート、10.9+)

Safari 9.1.2 へのコメントリンク:

セキュリティアップデート 2016-004 (Mavericks および Yosemite) -- Apple が OS X 10.9 Mavericks および 10.10 Yosemite 用にセキュリティアップデート 2016-004 をリリースして、10.11.6 El Capitan リリース (2016 年 7 月 18 日の記事“Apple、OS X 10.11.6, iOS 9.3.3, tvOS 9.2.2, watchOS 2.2.2 をリリース”参照) に施されたパッチのいくつかをこれら二つの古いオペレーティングシステムにも施した。今回のアップデートでは CoreGraphics、ImageIO、libxml2 におけるメモリ破壊の問題を解消しており、これらはいずれもリモートの攻撃者によって任意のコードが実行される可能性を含んでいた。(無料、10.9.5 Mavericks 用は 371.2 MB、10.10.5 Yosemite 用は 456 MB)

セキュリティアップデート 2016-004 (Mavericks および Yosemite) へのコメントリンク:


ExtraBITS、2016 年 7 月 25 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

テクノロジーのニュースが下火となった夏の暑い日に当たったようで、今週は二件だけ ExtraBITS をお届けしよう。Verizon が Yahoo を 48 億ドルで買収することになり、Adam Engst が MacBreak Weekly に出演する。

Verizon、48 億ドルで Yahoo を買収 -- 長らくビジネスの立て直しに苦しんできた Yahoo が、その基幹事業を Verizon Communications に 48 億ドルで売却することとなった。2008 年に Microsoft が申し出て Yahoo の取締役会が拒絶した 446 億ドルに比べれば大違いだ。Yahoo の株主が手持ちとし続けるのは中国の e-コマースの巨人 Alibaba へのおよそ 410 億ドルの投資と、約 3000 件の特許(時価約 10 億ドル)から成るポートフォリオだ。Yahoo は 1994 年にウェブサイト録としてスタートし、その後検索へ、それからコンテンツへと進出してきたが、何度かのつまずきと、Google その他との競合もあり、Yahoo は苦境に陥るに至った。Google の初期からの従業員でありその後高位の重役に登り詰めた Marissa Mayer が 2012 年に Yahoo の CEO に就任したが、例えば Tumblr の買収など大胆な戦略も、結局は Yahoo の下方スパイラルを止めることはできなかった。Verizon は一年と少し前に AOL を買収しており、同社は Yahoo を AOL に統合するつもりだと語った。これは一つの時代の終わりであり、Yahoo が持つ種々の資産、とりわけ Flickr、Tumblr、Yahoo Finance などを Verizon がどのように扱うことになるのか、私たちは注目していたい。

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MacBreak Weekly で Adam が App Store、Planet of the Apps を議論 -- TidBITS 出版者 Adam Engst が、これまでも何度か出演したことのある TWiT 番組 MacBreak Weekly に出演し、ホストの Leo Laporte と Andy Ihnatko、それから開発者 Daniel Jalkut と共に語り合った。Apple のオンラインストアについて幅広い議論を進めるうちに、話題は Apple のリアリティー番組 Planet of the Apps や、Hollywood が Apple を恐れる理由は何もないという Eddy Cue の発言、さらには Apple の新しい音楽印税率提案(Spotify に対抗するため定額料金に設定されるらしい)などに発展した。ぜひともお聴き頂きたい! Adam はまた、Josh Centers と共著の彼の新刊書 "Take Control of Preview" の紹介もしている。

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日本語版最終更新: 2016年 7月 29日 金曜日 , S. HOSOKAWA