TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1335/29-Aug-2016

AApple が iOS 9.3.5 をリリースした。これは、直ちにインストールすべきだ。このアップデートの背後にある陰謀の物語をお読み頂きたい。Adam Engst は Apple が Mac のオーディオ出力と入力にラベル付けするやり方に苦情を述べ、それを修正する方法を提案する。Julio Ojeda-Zapata は Google の新しいビデオチャットアプリ Duo をレビューする。これは iOS と Android の間で働くが、少しシンプル過ぎるかもしれない。最後に、Michael Cohen が Mac 上の Safari で以前開いたページを再訪問するためのさまざまの方法を詳しく調べる。今週注目すべきソフトウェアリリースは Microsoft Office 2016 15.25 と Office 2011 14.6.7、Fantastical 2.2.5、Pixelmator 3.5.1、BBEdit 11.6.1、それに Typinator 6.10 だ。

記事:

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iOS 9.3.5、遠隔 Jailbreak を阻止

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

iOS 9.3.4 をリリースしてからまだ一ヵ月も経っていないのに(2016 年 8 月 4 日の記事“Apple、一つのセキュリティ修正だけの iOS 9.3.4 をリリース”参照)Apple はまたもやセキュリティに集中した iOS アップデートをリリースした。iOS 9.3.5 だ。

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The New York Times の記事によれば、今回の短期間でのリリースはどうやらアラブ首長国連邦 (UAE) を本拠とする著名な人権擁護活動家 Ahmed Mansoor の iPhone に侵入しようとする政府機関の試みに応じてのものだという。今から二週間前、Mansoor はいくつかの不審な SMS テキストメッセージをデジタル権利監視団体 nsoor の iPhone にインストールすることがあり得た。Citizen Lab の研究者たちに報告した。Lookout の研究チームの協力を得て調査した結果、Citizen Lab はそれらのテキストメッセージが電話傍受ソフトウェアを作成するイスラエルの "cyber-war" 会社 NSO Group の作った攻撃基盤から発信されたものであることを特定した。一連の攻撃により、攻撃者(おそらくは UAE の政府と思われる)が遠隔 jailbreak を実行して、非常に危険なスパイウェアを Mansoor の iPhone にインストールすることがあり得た。Citizen Lab はこれらの脆弱性を Apple に報告し、Apple は素早く iOS 9.3.5 で修正を加えた。Citizen Lab による報告書は素晴らしい読み物で、現実世界のスリラーとも言える。

今回修正された三件の脆弱性は、Apple のセキュリティノートに要点が書かれているが、アプリケーションがカーネルメモリーを漏洩したりカーネル権限で任意のコードを実行したりすることを許すバグ二件と、悪意あるウェブサイトが任意のコードを実行することを許す脆弱性から成る。

大多数の人たちにとっては、NSO Group による一連の攻撃の標的となる可能性は低いだろう。疑いなく、このような攻撃は大金で売買されるからだ。しかしながら、今回の攻撃が依存している脆弱性が iOS 9.3.5 によって阻止されてしまった以上、価格が大幅に下落したことは想像に難くない。そうなれば、そこらのありふれた悪漢どもがこれを購入して、アップデートしていない人々を狙って使うということも考えられる。

もしも攻撃を受ければ、その結果はあなたの iPhone が乗っ取られて、あなたの移動が追跡されたり、あなたの周囲でオーディオやビデオを記録されたり、メッセージや通話を盗聴されたりといったことにもなりかねないので、できる限り早く iOS 9.3.5 をインストールすることをお勧めしたい。ダウンロードサイズは状況によってさまざまだが、私たちの iPhone 5s の場合は 38 MB ほどで、アップデートは Settings > General > Software Update から、または iTunes を通じてもできる。

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Apple はどんな風に Audio 入出力インターフェースを簡単にできるか

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

多くの人にとって、電話による通話 (「カードホルダー・サービスの Rachelです」とは対照的に、少なくとも本当の人との通話) は、過去の物となってきている。代わりに、Mac や iPhone のアプリを通じて行われるリアルタイムのオーディオ (そしてビデオ) コミュニケーションが、増加の一途をたどっている。

次号の TidBITS の内容について Josh と話をする必要がある場合、私たちはSlack のチャットを使う。Tonya と私が、Joe、Glenn、そして他の TakeControl の著者と話をするといった多人数による通話は、Skype またはGoogle Hangouts を使う。私の父ですら、電話の代わりに FaceTime Audioを使うよう、私に頼んできたくらいだ。なぜなら、そちらの方が、私の声がずっとよく聴こえるからだ。MacBreak Weekly、MacVoices、そして、TechNight Owl Live のような Podcasts は、皆、Skype を頼りにしている。Webinar は、GoToMeeting を通じて配信される。私が、Messages で画面を共有しながら友人や親戚を手助けする場合、Messages は、音声も同様に届けている。

こうしたあらゆる多様性の中心には、一つの共通点がある。私は、ほとんど毎回、オーディオの設定と関わり合わなければならない! ということだ。これは私だけではない。インターネット・ベースの通話におけるスタンダードな挨拶は、「ハロー」ではなく、「聞こえる?」だ。そして、私たちは皆、たとえどんなアプリを使っていたとしても、全員が、他の全員の声が聞こえるようになるまで、大慌てでオーディオの入出力の設定をいじくることになる。これは馬鹿げている! 確かに電話による通話は、携帯による接続以上にイライラすることがある。そして、電話では、ビデオ、お互いにテキストを送信し合うチャット、そして、ファイルや画面の共有ができないが、呼び出し音が鳴れば、電話に出て、相手の声が聞けることは、ほぼ保証されている。

あらゆる通話に対してオーディオの設定を調整するのは簡単なことではない。そして、これは、ややこしいことでもある。私は、複雑なオーディオ設定を意図して行いたいと思う輩ではないにも関わらず、結局辿り着くのは、5 通りの音声出力と、3 通りの入力だ。そして、これらの多くは、名前が不自然だ。ここには、Apple ができることがある。なぜなら、インターフェースがうまくデザインされていれば、インターフェースのことなど考えずに作業することができるからだ。

Volume メニューバーのアイコンを、Option を押しながらクリックすると、全ての入出力を一覧することができ、それらを切り替えることができる。私のは、こんな風だ。さあ、見てみよう。

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出力デバイス -- 出力の選択の中には、紛らわしいものがある。例えば、Headphones は適切ではない。私は、自分の 27 インチの Retina iMac に、Altec Lansing スピーカーを接続している。そして、Headphones を選択した時に音が出るのはこれなのだ。だが、私はメニューの Headphones を見る度に、この事実について考えなければならない。というのは、私は、Sennheiser のUSB ヘッドセットも持っていて、"headphone" という単語を見て思い浮かべるのはこちらだからだ。オーディオ出力ジャックに何が接続されているかについて、プログラム的に Apple が知る術は無いが、External Speakers/Headphonesの方が良いラベルであろう。

もし、私が、スピーカーを抜いたとしたら、メニューの Headphones は、Internal Speakers に変わる。Josh が、「ヘッドフォンポート: Mac におけるアキレスの踵」 (2015 年 9 月 2 日) で解説したように、この 3.5 mm のオーディオ出力ジャックには、プラグを検出すると、Mac の内蔵スピーカーを無効にするセンサーが組み込まれている。私にとって、メニューの InternalSpeakers も、さほど素晴らしい言葉だとは言えない。というのは、私の iMacには、Thunderbolt Display が接続されていて、したがって、"internal" という単語は、複数の意味のある解釈を許すからだ。"iMac Speakers" の方が良いだろう。そして、"iMac" の部分が、問題にしている Mac の機種名によって置き換えられればよい。

Display Audio は、私を最も面喰らわせてくれる選択肢だ。これは、Thunderbolt Display に内蔵されたスピーカーを意味するのだが、"display"という単語は、名詞としても、あるいは動詞としても同様に働き、そして、多くのメニューが動詞で表されているので、私は毎回注意深く構文解析を行わなければならない。私の仕事の多くは、iMac の画面に集中することが多いので、私は、iMac のディスプレイが、私のメイン・ディスプレイだと通常思っている。このため、Display Audio が何を意味するのかについて、混乱することになる。スクリーンショットでお分かりのように、ThunderboltDisplay は、出力デバイスでもあり、入力デバイスでもあるため、これは、Input Device のセクションにも重複して出てくる。このため、私は毎回、メニュー内の正しいエリアで操作しているかどうか、念入りに見て確認しなければならないはめになる。

System Information の Audio セクションで目にすることができることから考えると、Apple は、Display Audio として認識されたデバイスの名前を正確に知ることができないのかもしれない。だが、Sennheiser ヘッドセットが正しく認識されることを考えると、これは、Thunderbolt Display の設計における Apple の落ち度かもしれない。Thunderbolt Display Speakers とか、Thunderbolt Display Microphone と呼ぶだけで、大いに助かることだろう。例えば、Dell 製のようなサードパーティのモニターについては、Apple は、少なくとも製造メーカーくらいは識別できるべきであるし、そうすれば、Display Audio というメニューを、"Dell Speakers" に変えることができるようになる。

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Sennheiser USB Headset、Apple TV、そして、Speaker Express というエントリーはまったく理にかなっている。なぜなら、これらは特定のデバイス、この場合、私のヘッドセット、Apple TV、そして、AirPort Express ベース・ステーションに、直接対応するからだ。私は、特定のベース・ステーションをリネームするのに、AirPort Utility を使ってきた。Printer Express と呼んでいる別のベース・ステーション (これで、自分たちのレーザープリンタを共有している) と区別するためである。もし、私たちが複数の Apple TV をもっていたなら、Settings > Airplay > Apple TV Name で、名前をカスタマイズすることができる。

入力デバイス -- 入力デバイスの名前の問題も同様だ。InternalMicrophone は完全に Apple の側の責任逃れだ。なぜなら、Apple は、Macの名前が分かっているし、Internal Microphone を、"iMac Microphone" や"Built-in iMac Microphone" に変えることができるからだ。

外付けディスプレイにあるマイクロホンを特定するために、Display Audioという名前を使うのではなく、Apple は、"Dell Microphone" のように、製造メーカーを特定して、それからマイクロホンと言うべきだ。

もっと良いのは、Sound のプリファレンスのペインの中で、全ての入出力デバイスをリネームするオプションを、Apple がユーザーに与えることだ。これなら、ユーザー・インターフェースも大して要らない。Apple はただ、クリックしたら、名前を編集できるようにするだけでよい。Finder でファイル名をクリックするようなものだ。そうすれば、Airport Express ベース・ステーションや Apple TV とまさに同じように、個々のデバイスに、自分にとって意味のある名前をつけることができる。

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通話アプリのインターフェース -- インターフェースの問題は、私が日頃、音声コミュニケーションに使っているアプリが、みな少しずつ違った言葉の使い方をするということで、さらに悪化することになる。

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こうしたアプリの一つが、いつでもどのように最終的に設定されるかは、一見ランダムだ。私は、実際にはランダムではないと思うが。だが、数日、あるいは、数週間、特定のアプリ無しで済ませた後では、同種のアプリを起動する度に、オーディオの設定が思った通りになっているか確認しなければならない。あまりにもしばしばそうはならないので、またもや再び、「聞こえる?」と 尋ねながら、全ての選択肢についてじっくり考えるはめになる。腹立たしい ことだ。

簡単な解決方法は、私たちが入出力の名前を好きなように付けるのを Apple が許すことだ。名前がカスタマイズできれば、特定のデバイスを一目で容易 に特定するのに大いに役立つことだろう。

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Google の Duo ビデオチャットアプリ、iOS と Android を結ぶ

  文: Julio Ojeda-Zapata: [email protected]
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

我々の息子は、彼としては初めてとなるスマートフォンを手に大学へと旅立って行った。我が家は Apple 家族だが、彼は Google Nexus 5X を Google の Project-Fi セルサービスで使う。このプラットフォームの違いにより問題が生じる:我々は我が息子とどうビデオチャットすればいいのか?

FaceTime は選択肢になり得ない。この Apple のビデオチャットサービスは Mac と iOS のエコシステム外では働かない。Apple は、これをオープン標準にすると以前には約束していたが、最近ではこれについて何も言っておらず、私もこの先あまり期待はしていない。

我々家族も他の選択肢は持っていて、そこには Skype (こちらは Mac を主として使う妻の好み) そして Facebook Messenger (こちらは私と息子が嵌っている) が含まれる。

ここで Google がタイミングよく興味をそそる第三の選択肢を持って参入してきた: Duo である。

このビデオチャットアプリの発表は以前になされており、iPhone 及び Android フォンのどちらでも働くことから幅広い聴衆に受け入れらることが期待される ("Google I/O 2016、Apple にとっても魅力ある発表がある" 23 May 2016 参照)。その思い切った簡素さは、競合するアプリを複雑怪奇に見せてしまう。

しかしながら Duo は、全ての iPhone ユーザーの理想の選択肢とはならないであろうし、そして FaceTime は Apple の機器を使用する人たちにとっては依然としてデフォルトのままであろう。

極限の簡素さ -- Duo は全く新しく設計された - そして Google のもう一つのビデオチャットアプリである Hangouts とは別に - 狙いは、簡単で使い易いことである。

設定に必要なものは、あなたの携帯電話番号だけで、これを使って他の Duo ユーザーはあなたに到達する。あなたの番号を打ち込めば、アプリは確認番号をテキストしてくるので、それを入力してやるだけで準備完了である。

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目にするのは最小限主義のインターフェースである - 上部にビデオウィンドウ、そして下部には Video Call ボタン。

そのボタンをタップし、連絡先を選択する。もしその人が Duo ユーザーであれば、アプリは電話をかける。そうでなければ、このアプリをインストールようにとの招待をテキストで送出する。

通話先が二つ程になると、これらの連絡先に対するボタンが Video Call ボタンと並んで右側に現れる。私は、子供が巣立ちをした新米の親として、タップすれば何時でも我が子につながる専用ボタンを持つことで心の安らぎを得ている。

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実際の通話インタフェースは相手方を全画面で表示し、自分がきちんと写っていることを確認できる小さなバブルを隅の方に配置する。このボタンをタップすることで位置が入れ替わり、自分が全画面表示に、そして相手方がバブルにとすることも可能である。

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自分の電話を横位置にすると、ビデオウィンドウはその新しい向きに合わせるが、相手方も同じ様に電話の向きを変えない場合は、相手方の絵の両側はグレーのバーで満たされる。

通話中に画面をタップすることで、マイクを消す、別のカメラに切り替える、そして通話を終了するためのボタンが現れる。

一言で言えば Duo はこんなものである - 簡単だと言いましたよね - もっとも、もう一つ Knock Knock と呼ばれる新種の仕掛けもある。

Knock Knock とは、かかってきた電話を承諾する前に相手方を生のビデオで見せてくれるプレビュー機能である。これは受けるかどうかを見極めるには便利だし、相手方はあなたを承諾させるべくおどけた動きをする話になるのかもしれない。Knock Knock は、相手方があなたの連絡先リストに載っている場合にしか働かないので、望まない、そして結果的に不快なものとなる可能性のある Knock Knock からは保護されている。万が一誰かが Knock Knock を乱用するような場合、それをブロックすることも出来る。

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但し iOS ユーザーは気をつけないといけないこともある:このプレビューが現れるためには Duo は開かれており画面上になければいけない。さもなくば、受信のアラートが現れるだけである。また、通話を始める前に iPhone を解錠する必要もある。これは Android では必要ない。

Duo 対 FaceTime -- 表面的には Duo は FaceTime のクローンに見える。連絡先をタップ、電話をかける。

しかし FaceTime はもっと強力で Duo は貧弱に見える。これら二つを比べて見る時、気をつけるべき点を挙げてみる:

Duo はオススメ -- FaceTime に較べれば Duo の欠点は色々あるが、これは iPhone ユーザーで Android 派の友人や家族を持つ人は皆インストールすべきアプリである。これは将来有用だと思えるようになるかもしれないもう一つの通話路を開く痛みを伴わない方法である。失うものは何もない。

私は Duo を息子の Nexus 5X に、それを手渡す前に入れておき、それを定期的に使うつもりであることをはっきり告げておいた;彼が喜んでいたか、或いはうんざりしていたかは私には分からない。同様に、私は少々反機械主義的な両親にも Duo を使うよう勧めている。彼らは Apple 機器を持っているが、その能力を使いこなすのに苦闘しており、Skype や FaceTime の様なアプリは彼らを混乱させがちである。Duo なら彼らにもついていける。

幸いにして、Duo か FaceTime かの質問に対しては、二者択一の答えは必要ない。大抵の iPhone ユーザーは、追加の機能や Apple のハードウェア全体にまたがる互換性のことを考えれば、Apple のアプリを使い続けるであろうし、Android 互換性が欲しい人は Duo を加えるだけで良い。そして、万が一 Duo が Apple ユーザー間でも FaceTime よりもうまく働くという結果になったとしても、それはそれでいい話ではないか。

Duo がヒットした場合、Apple は前にそうすると言っていた FaceTime をクロスプラットフォームにしなかったことを地団駄踏んで悔やむのではないかと私には思える。逃した好機は大きい。

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ブックマーク、Top Sites、その他: Safari で前の場所に戻る

  文: Michael E. Cohen: [email protected], @lymond
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今から 25 年前の 8 月に Tim Berners-Lee が World Wide Web を生み出した頃には、利用可能なウェブサイトを並べてリストにしてもすべてを一枚の紙に書き切れるくらいだった。けれども今日では、インターネット上にあるウェブサイトの総数を正確に知っている人など誰もいない。ただ、いろいろな評価によればその数はおよそ 10 億くらいで、個々のウェブページの数を数え上げれば少なくともその 10 倍を上回るだろう。第一、私たちの多くにとって、自分が一日のうちに訪れるウェブサイトだけでも一枚の紙には書き切れないのではなかろうか。でも、もしあなたが他の多くの人たちと同じなら、同じページに毎日のように舞い戻って、何か新しい情報がないか確かめることが多いだろう。

遡って 2003 年に、Apple が Safari を導入した頃には、再訪問したいと思うウェブページを追跡するための最も人気ある方法は ブックマーク であった。つまり、ブラウザの中にそれらのページのリストを作っておくのだ。Apple は、当時最も人気の高かったウェブブラウザ、Microsoft Internet Explorer と Netscape Navigator からブックマークを読み込む機能を、生まれたばかりの Safari の目玉機能として宣伝しさえしたものだ。それ以来、Safari はリリースごとに、あなたがよく使うウェブページに戻るための手段を次々と加えた。今や、El Capitan の Safari 9 では、ウェブページ追跡機能の数々があまりにも多種多様で、平均的なユーザーには覚え切れないくらいだ。(Sierra の Safari 10 も、ここのところは Safari 9 とあまり大きく変わっていない。)

この記事では、Safari のさまざまのページ追跡機能を手早く概観する。それぞれどんな機能か、どのように働くか、どれがあなたの必要に最も適しているかをより良く理解する手助けとして頂ければと思う。具体的には、ブックマーク、Top Sites、Favorites、Reading List、Pinned Tabs について説明する。さらに、Safari にはあなたが特定のページに自動的に行き着くことのできる方法がいくつか用意されている。あなたが過去に訪れたページを追跡する履歴機能や、あなたが興味を持つかもしれないページを外部の情報源から獲得する Shared Links and Feeds といった機能だ。

ブックマーク -- ブックマークを使ってウェブページの場所を保存しておくという考え方は、ウェブが存在を始めた最初の数年間にまで遡る。考え方としては単純だ。個々のブックマークはそのページの名前(通常、まずそのページの TITLE タグから取られる)と、そのページのウェブアドレスつまり URL から成る。当初、ブラウザの中でブックマークは単純なリストとして示されたが、ウェブが拡張するにつれて、ブラウザはそれぞれにユーザーがブックマークをフォルダに分けて整理できるようにし、リストの中でブックマークの位置を配置し直せるようにした。Safari では、このブックマークとフォルダの階層リストを Bookmarks メニューから呼び出すことができ、Safari のサイドバーにそれを表示することもできる。

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Safari でブックマークを追加する方法はいくつかある。最も伝統的な方法は Bookmarks > Add Bookmark (Command-D) だ。するとダイアログが表示され、ブックマークに名前を付けて保存できる。これとは別に、Bookmarks メニューには現在開いているタブをすべてブックマークに追加するコマンドもある。

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けれども、もう一つ別の方法として、Smart Search フィールドの左の + ボタンの背後に隠されたメニューを使うこともできる。この + ボタンをクリックしてそのまま押さえ続け、メニューが出るまで待てば、Top Sites、Favorites、またはあなたのブックマークの集まりの中のどこへでも、現在のページを追加できる。(この + ボタンを素早く一回クリックすれば、Reading List に現在のページが追加される。この点に関してはあとで説明する。)

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Safari にはブックマークのエディタがあり、Bookmarks > Edit Bookmarks (Command-Option-B) からアクセスできる。ここで、あなたのブックマークのリストを再配列し、改名し、検索できる。根気よく作業しさえすれば、あなただけのために誂えられた、パワフルな、包括的なブックマークの集まりが出来上がり、あなたがウェブを巡回する際のガイドとなってくれるだろう。

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(でも、私の場合は無理だ。私は十年以上かけて膨れ上がったブックマークやフォルダのリストを持っており、私のブックマークは言ってみれば "Raiders of the Lost Ark" の最後の場面の倉庫の風景みたいになっている。いや、あれほどに整理されてもいない。整理が難しいと思う私の気持ちを分かって下さる方々もきっと多いと思うのだが。)

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Top Sites -- Apple は 2009 年に Safari 4 で Top Sites 機能を導入した。お気に入りのサイトへ戻る方法を見つけるという問題に向けて多少の初歩的な知能を加えようということで、あなたが頻繁に訪れるページをそのページのサムネイルをグリッド状に並べて呈示し、新規のブラウザウィンドウあるいはタブを開く度にその画面が見られるようにしたのだ。このオプションの切り替えは Safari > Preferences > General > New Windows/New Tabs Open With > Top Sites でする。(そのメニューに Top Sites という項目がなくて代わりに Favorites がある場合は、その項目を選んで、新規のウィンドウを開き、Favorites 画面の右上隅にある小さなトグルスイッチを使って Top Sites に切り替え、それからもう一度 Safari の環境設定を開くとさきほどのメニューに Top Sites が登場している。この紛らわしいインターフェイスは、Sierra の Safari 10 で消え失せている。)

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Top Sites は個々のサムネイルを、あなたが最後にそのページを訪れた際の見栄えを反映するように更新する。ページサムネイルをドラッグして動かしたり、表示されるサムネイルの個数を(最大 24 個まで)設定したり、サムネイルを「ピン留め」してそれよりもっと頻繁に訪れる他のページのもので置き換えられてしまわないようにしたりもできる。人によっては、よく使うサイトへのナビゲーションを主として Top Sites でしているようだ。Top Sites は大体において放っておいても自動的に管理されるので、ずっと個数の多い(かもしれない)ブックマークのコレクションの方に深く分け入ったりしようとは思わないのだろう。

Favorites -- Favorites リストとは、単にあなたがお気に入りと指定したブックマークを集めたものに過ぎない。けれども、それらがあなたのお気に入りで ある 以上、Safari は幾通りかの方法でアクセスできるようにする:

新規のウィンドウやタブに Top Sites を表示するか Favorites を表示するかと悩む必要はあまりない。新規のウィンドウに Top Sites を表示しても、そのまま Smart Search フィールドをクリックするだけでポップアップリストから Favorites にアクセスできるし、もし Favorites Bar を表示させていればそこからもアクセスできる。また、新規のウィンドウに Favorites の方を選んでいても、Bookmarks > Show Frequently Visited Sites in Favorites を選んでおけば、よく訪れるサイトが Favorites の一部として表示される。

Reading List -- Reading List は 2011 年に Safari 7 に装備されて登場した。ページの名前と場所しか記録しないブックマークや、それに加えて動的なサムネイルを示すだけの Top Sites とは違って、Reading List はページの実際のコンテンツを含むので、保存しておいたページをあとでオフラインで読むこともできる。

Reading List は Safari のサイドバーに登場して、あなたが追加した順番に並ぶ。最新のものが一番上だ。このリストはページの名前と短い要約とを表示する。項目をクリックすれば、対応するページがブラウザウィンドウに開く。

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Safari は、項目を手軽に Reading List へ追加できるようにしている。Smart Search フィールドの左にある + ボタンをクリックすれば、現在のページがすぐに Reading List に放り込まれる。

Reading List の中にある項目に対してあなたができる唯一の編集操作は、それを Control-クリックしてコマンドを選択し、既読か未読とマークすることだ。項目の脇にある X ボタンをクリックすればその項目が削除される。一番上までスクロールすれば、すべての項目を表示するかまたは未読の項目のみの表示かを選べ、またリストを検索するフィールドもある。

多くの人たちは、その時に読む時間がなかったページを保存しておいてあとで読むための手早い方法として Reading List を使っている。例えば、仕事中に「長過ぎて読まなかった」ブログ記事などに最適だろう。Reading List はまた、あなたが持っている複数個のデバイスの間でページを共有するために使っても便利だ。Mac では System Preferences > iCloud、iOS では Settings > iCloud で Safari を有効にしておけば、その iCloud アカウントを使っているすべてのデバイスの間でリスト上のページのコンテンツが共有される。そうしておけば、昼間は読めなかった長い記事も、夕方家に帰ってから iPhone でゆっくり読むことができる。

Pinned Tabs -- タブを使ったブラウズにより、いくつかの異なるページを一つのブラウザウィンドウの中で手早く切り替えて使うことができる。ブラウザウィンドウのコンテンツ領域の上の方に、それらのページを示したタブバーが見える。タブの一つをクリックすれば、ウィンドウがそのページのコンテンツを表示する。2015 年の Safari 9 以降、タブバーの左側にウェブサイトを「ピン留め」して、どの新規のウィンドウでもいつでも使えるようにできる。

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ピン留めしたタブは、例えば Gmail のようなウェブアプリや、あるいは一日を通して何度もチェックする動的なページ、例えば Facebook のようなものに最も適している。

さらにもっと多くの機能が -- 上記の他にも、あなたが辿ってきたうねうねした細道を遡ったり、あるいは興味ある新しいページを見つけたりするための役に立つ手段が、Safari にはいくつか備わっている。

History (履歴) メニューリストはあなたが訪れたすべてのページをリストして、その中のどれにでも手軽に戻れるようにする。Safari があなたのブラウズ履歴をどこまで覚えているかは Safari > Preferences > General > Remove History Items で制御できる。自分がどこにいたかを覚えられていては困るなら、History > Clear History を選べば記録されたブラウズ履歴の一部または全部を消去できる。キーボードを使う方が好きな人は、Smart Search フィールドの中にそのページの名前またはアドレスの中の単語一つか二つをタイプすれば履歴の中のページにアクセスできる。

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その上、あなたがソーシャルメディアのユーザーならば、Safari のサイドバーにある Shared Links and Feeds が、あなたのソーシャルメディアアカウントのどれか、例えば Twitter (どのソーシャルメディアサービスをここで使えるかは Apple が決めている) に登場するリンクを表示する。また、ウェブサイトが提供するニュースフィード購読 (例えば TidBITS のものも!) を Shared Links and Feeds リストに追加することもできる。そうするには、ツールバーの Share ボタンをクリックして、Add Website to Shared Links を選ぶ。

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この四半世紀の間に World Wide Web は真の意味で全世界を網羅して、仮想のページの個数がそれほど仮想でない世界に住む人類の個体数さえをも上回るに至った。そして、ウェブが成長するにつれて、Safari はたくさんのツールを追加して、あなたがこの広大な仮想の空間の中で道に迷わないように手助けしようとしてきた。たとえあなたの望みが、単に以前訪れた重要なページに戻りたいというだけのことだとしても。だから大切なのは、それら一連のツールを使ってどのようにナビゲートすべきかを見つけ出すことだ。幸いにも、どうもそれが見つからないと思われたなら、いつでもこのページをただブックマークして下さればよい。

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TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2016 年 8 月 29 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Microsoft Office 2016 15.25 と Office 2011 14.6.7 -- Microsoft が、Office 2016 アプリケーションスイートのバージョン 15.25 を出して、Excel、Outlook、OneNote、PowerPoint、Word をすべて 64-bit アプリケーションにアップデートしてパフォーマンスを改善した。Excel、PowerPoint、Word は今回から Review タブの Accessibility Checker を使って書類の中のアクセシビリティの問題点を発見し修正することができるようになった。Outlook では、Microsoft が Calendar 表示のバグを修正して正しい曜日とイベントが表示されるようにし、スケジュールアシスタント表示からオーガナイザの重複を削除した。Office 365 購読者には、PowerPoint で画像にアニメーションの付いた背景を入れる機能や、旅程確認や小包配達の電子メールでの新しい要約カードなど(これらはいずれも新規またはアップグレード済みの Outlook.com アカウントを必要とする)追加機能がいくつかある。

セキュリティの面では、Office 2016 も、Microsoft がバージョン 14.6.7 にアップデートした Office 2011 も、またもやメモり破損の脆弱性を(今回は Word で)解消した。悪意を持って作られたファイルを通じて遠隔の攻撃者が任意のコードを実行できる可能性のあった脆弱性だ。(一回限りの購入ならば $149.99、Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、リリースノート、10.10+)

Microsoft Office 2016 15.25 と Office 2011 14.6.7 へのコメントリンク:

Fantastical 2.2.5 -- Flexibits が Fantastical 2.2.5 をリリースして、デフォルトの電子メールクライアントの選択肢に Mailplane を追加し、同じ日に非常に多数のイベントがある場合にもそのリストが複数ページにわたって正しく印刷されるようにした。このカレンダーアプリはまた、フローティング時間帯を指定した繰り返しイベントが削除できなかったバグを修正し、Mac がスリープから目覚めた後に Google push アップデートが動作を停止した問題を解消し、特定の状況下で誕生日の通知が表示されないことがあったバグを修正し、.ics ファイルを開いてもすぐにイベントの場所の詳細が表示されなかった問題を正している。通常価格は $49.99 だが、Fantastical は現在期間限定で Flexibits からも Mac App Store からも $39.99 (20 パーセント引き) でセール中だ。(Flexibits からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、13.4 MB、リリースノート、10.10+)

Fantastical 2.2.5 へのコメントリンク:

Pixelmator 3.5.1 -- The Pixelmator Team が Pixelmator 3.5.1 をリリースした。この画像編集アプリに改善やバグ修正を加えたメンテナンスリリースだ。Magic Wand、Paint Bucket、Magic Eraser のために前回のバージョンで導入したエッジ平滑化アルゴリズム(2016 年 5 月 30 日の記事“Pixelmator 3.5”参照)が正しく動作していなかったので、当面の措置として従来のアルゴリズムに戻された。今回のアップデートではまた、Pixelmator Photos 拡張を使ってかなり大きな画像を編集すると画像が消えてしまったバグを修正し、Pixelmator Photos 拡張を使ったズーム速度と平滑化機能を改良し、いくつかのクラッシュ(Color Overlay レイヤースタイルを含む Photoshop ファイルを開いた際や、隠されたレイヤーで Magic Wand、Paint Bucket、Magic Eraser を使った際)を修正している。(Mac App Store から新規購入 $29.99、無料アップデート、55 MB、リリースノート、10.9.5+)

Pixelmator 3.5.1 へのコメントリンク:

BBEdit 11.6.1 -- Bare Bones Software が BBEdit 11.6.1 をリリースして、この古参のテキストエディタにいくつかの追加機能と多数のバグ修正を施した。今回のアップデートではバージョン制御システム Git に関係する機能が数多く導入されており、Git が無視したファイルを(Multi-File Search ウィンドウの Options パネル経由で)検索するか否かを指定できるようになり、ディスクブラウザやプロジェクトウィンドウのファイルフィルターのポップアップメニューに Git Ignored Files コマンドを新設し、Find Differences でフォルダを比較する際に Git が無視したファイルを含めるか否かのオプションを設け、また非常に大きな Git プロジェクトで Open File by Name ウィンドウを開く際のパフォーマンスを改善している。

今回のリリースではまた、Appearances 環境設定の List Display Font 設定をフォントサイズを変更するスライダーで置き換え、未保存または名称未設定の書類での Check Syntax or Run の挙動を変更してその書類の一時的複製を書き出すようにし、新たなキーボードコマンド Check Syntax (Command-K) と Run (Command-R) を追加し、scratchpad 書類を開いたり閉じたりする際にその状態を保存・復旧できなかったバグを解消し、Markdown のシンタックスカラーリングが正しくなかったのを修正し、数多くのクラッシュも修正している。詳しくは、いつも通りボリュームたっぷりのリリースノートをお読み頂きたい。($49.99、無料アップデート、14.0 MB、リリースノート、10.9.5+)

BBEdit 11.6.1 へのコメントリンク:

Typinator 6.10 -- Ergonis が Typinator 6.10 をリリースして、このテキスト展開ツールに 50 件の改良とバグ修正を加えた。今回のアップデートでは、異なるテキスト断片のうちから入力値に応じて選べる /Case 関数、電卓での論理値への対応、カーソル位置とクリップボードマーカーのキーボードショートカット、計算における複数パラメータへの新しい min および max 関数、それから Enter キーにカスタムキーボードショートカットを定義できる機能を追加している。今回のリリースではまた、キーボードアクションを含んだ展開の速度(および特殊な状況下での非常に高速な一連のキー操作の処理)を改善し、Fade In に関係した各種の展開の問題を回避し、展開の中で波括弧をダブルクリックした際に {...} マーカー全体を選択するようにし、LibreOffice、IntelliJ、および LaunchBar との互換性を改善している。(新規購入 24.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、無料アップデート、7.4 MB、リリースノート、10.6.8+)

Typinator 6.10 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2016 年 8 月 29 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、次の大きなメディアイベントの日程を Apple が発表し、Apple の CEO として五周年を迎えた Tim Cook を振り返り、John Gruber がノート取りアプリ Vesper の終焉について思案する。

Apple のイベントは 2016 年 9 月 7 日に開催 -- Apple が秋のメディアイベントの招待状を発送した。イベントは 2016 年 9 月 7 日の 10 AM PDT に、サンフランシスコの Bill Graham Civic Auditorium にて開催される。私たちは SlackBITS 上で TidBITS 読者の皆さんと共にイベントのライブストリーミングを視聴するつもりなので、どうぞ皆さん参加して頂きたい! このイベントでは新型の iPhone モデルと、おそらく Apple Watch のアップデートも期待できるだろうが、何かしら他にもサプライズがあるのではないかと楽しみだ。

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Tim Cook の CEO 五周年記念日を図表が語る -- 今週、Tim Cook は Apple の CEO となって五年目の記念日を迎える。それを口実として、評論家連中は口々に Cook が Apple 史上最高の CEO だとか、Steve Jobs のお粗末な代役だとか、てんでに勝手な意見を述べ立てている。そこで私たちの意見はといえば、数字がおのずと評価を物語っているのではないか。Jackdaw Research の Jan Dawson が作った図表が、この五年間に Apple がどのように進化してきたかを示している。iPhone ユニットの売上げと収益がどれほど支配的であるか、Services 部門がどのように成長しつつあるか、Apple の富にとって中国がどれほど重要であるか、そういったことが見て取れる。

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John Gruber による Vesper の事後分析 -- 内部関係者による視点から書かれたものを読むのはいつも心躍るものだが、それが業界分析を職業とする人の書いたものならばなおさらだ。だからこそ、Daring Fireball に John Gruber が書いた Vesper の事後分析は、どのアプリが成功して他のアプリは失敗するのかを知りたがっている者にとって一層興味深い。ノート取りアプリ Vesper を開発した Q Branch は、Gruber と、デザイナーの Dave Wiskus、開発者の Brent Simmons から成る会社であった。Simmons は Glassboard、MarsEdit、NetNewsWire といったアプリでよく知られている開発者だ。Vesper が十分な収益を得られなかった原因として Gruber が挙げたのは、iOS 7 に関するタイミングの悪さ、iPhone 用アプリを Mac 用アプリの前に出荷したこと、Apple の Notes アプリとの競合、そして、購読モデルへの切り替えをしなかったことだ。Gruber が下した評価は、生産効率化アプリを Apple エコシステム用に作ろうかと考えている開発者にとっては必読と言えるだろう。

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日本語版最終更新: 2016年 9月 02日 金曜日 , S. HOSOKAWA