今週号で私たちは TidBITS の 27 周年記念日を迎える! 息子の Tristan があと数ヵ月で大学に進学する Adam Engst は、親としての日々の務めから解放される自分が TidBITS のためにできることとは何かと考える。Adam はまた、BusyCal 2 を Google Calendar と共に使っている人たちへの警告を伝える。BusyCal 2 が間もなく Google Calendar では働かなくなるので、できる限り早くアップグレードすべきだ。それから Michael Cohen が PDFpen 9 の新機能を検討し、Adam が来たるべきビジネス指向の IT コンサルタント向け ACEs Conference のプレビューを提供する。最後にもう一つ、今週は Mike Matthews が寄稿記事で iOS 向けの旅行手配用アプリを五つ比較する。読み比べた上で、どれが最高かを判断して頂きたい。今週注目すべきソフトウェアリリースは、Evernote 6.11、OmniFocus 2.9、Final Cut Pro X 10.3.3, Compressor 4.3.2, Motion 5.3.2、それに iMovie 10.1.5 だ。
記事:
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文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
この記事で、TidBITS の 27 周年を記念したい。1990 年 4 月 16 日から今日まで、私たちは出版を続けてきた。数字を見てもあまり実感は湧かないが、もしも人だったとしたら、TidBITS は十分大人になり、運転したり、投票したり、飲酒したり、レンタカーを借りたりできるようになっているということだろう。反面それは、もはや両親の健康保険の扶養者でいることはできず、早々に地下室から立ち退くべきだということをも意味している。
(日本語)MailBITS/15-Apr-96 | TidBITS 7.0 | あなたにふさわしいバッジをつけて | TidBITS Talk 登場 | TidBITS 創刊 9 周年を達成 | TidBITS 10 年の教訓 | TidBITS、11 年を経て | TidBITS が満12歳に | TidBITS も 13 歳: 目標を持とう | TidBITS 14 周年を記念して Take Control 50% 割引セール | TidBITS の誕生日: Macintosh の 15 年間を振り返って | TidBITS 16 周年記念休暇 | TidBITS が 17 歳に | TidBITS の 18 年間を振り返る | TidBITS の 19 年間を振り返って思ったこと | TidBITS がインターネット出版 20 周年を祝う | TidBITS スタッフがそれぞれのスタート時を回顧 | TidBITS の友人たちから寄せられた 20 年分の思い出 | TidBITS が 22 歳に: あなたは TidBITS 会員ですか? | TidBITS の 23 年間: 私たちの過去・現在・未来を思う | TidBITS は 24 年を経てますます逞しく | TidBITS がインターネット出版四半世紀の節目に到達 | TidBITS 26 歳に:Apple の進化に関する考え
両親と言えば、Tonya と私はあまりにも長く TidBITS を出版し続けてきたので、1999 年に生まれた際に多くの読者の皆さんからお祝いの電子メールを頂いた私たちの息子 Tristan ももう 18 歳、高校の最上級生で、この 8 月には Cornell 大学の College of Engineering で人生の新しい段階に踏み出そうとしている。私たち夫婦も親としての日々の責任から退いて、自分たち自身の新たな船出ができるのを楽しみにしているところだ。私たちはこれを、Life 2.0 と呼ぶ。[訳者注: 人生のバージョン 2.0 というところでしょうか。]
世代の峡谷の反対側を見れば、私たちの両親たちは皆、今まさに引退に関することがらに忙殺されているところだ。私がつい最近した家族的技術サポートは、私の父母が iCloud Photo Library をセットアップして二人の写真コレクションを整理し、スクリーンセーバとしてその写真を映し出すことで古い iMac をデジタル額縁として活用するのを手伝ったことだ。また、父母は二人とも古い家族写真(何百枚もある)をデジタル化するプロジェクトに没頭しているが、その際 Joe Kissell の本 "Take Control of Your Digital Legacy" がとても参考になっている。
年代的に言えば、TidBITS は世界に挑戦しようと走り出そうとしている情熱溢れる若者と、長く生きたことによる制御されたカオスに少しでも秩序をもたらそうとしている思慮深い退職者との中間にいる。でも、健康的で熟練した心臓がきちんと脈を打ち続けている(つまり、一流の記事を毎週出版し続けている)一方で、TidBITS のそれ以外の部分はますます老朽化を感じさせるようになった。現行の技術的基盤構造を私たちが構築したのははるか昔のことで、当時はそれを自前で作る以外の選択肢がなかった。もちろんこの基盤構造はデザインされた通りに働き続けているけれども、現代の出版において期待されるものはそれ以来大きく進化している。
これは決して私たちにとって新しいことではない。何年も前から私たちは問題の存在を意識してきたし、基盤構造全体を(またはその一部でも)今日の世界に適したものへと変える方法を見つけようとずっと努めてきた。けれども何人ものデザイナーや開発者たちと協力して働いたにもかかわらず、すべき作業の膨大さのために今のところ到底手が出ない状態を脱することができないでいる。特に、私は記事を書いたり編集したりしつつ、ビジネスを続けて行かなければならないのだから。基盤構造は一から作り直す方が遥かに簡単だ。最近 Apple SOHO (小規模事業所) コンサルタントたちのために私が会員ベースの TidBITS Content Network を構築した際、要したのはほんの数週間に過ぎなかった。
けれども 15,000 個の既存の記事をホストするウェブサイトと、20,000 人の購読者を持つ現代的な電子メール配送システムと、2,600 人の TidBITS 会員を持つ会員管理システムと、スムーズな共同作業を可能にするコンテンツ管理システムと、さらにはいくつかのコミュニティー討論システムと... こういったものすべてを設計し直すとなれば、全く違った話 (ball of wax) になる。とりわけ、私には数十万ドルの資金と専任の従業員たちを割り当ててその仕事にあたらせることなど無理なのだから。現代的方法とはその種のものだ。
だから、この件については具体的なことをお約束することはできない。でも、Life 2.0 のベータテストに入りつつある私たちとしては、これらの仕事に取り組めるだけの時間の余裕と心のバンド幅を確保できるのではないかと願っている。決して簡単な仕事ではないが、私はやってみたくてうずうずしている。なぜって、技術的なシステムのブロックを繋ぎ合わせて非効率な古いやり方に取って代わらせる作業は、私の大好きなことの一つなのだから。
でも、お約束できることはある。その大部分を Josh Centers、Agen Schmitz、Michael Cohen、Julio Ojeda-Zapata、その他のライターたちの勇猛な努力に負っているお陰で、皆さんが TidBITS を読み続け支援し続けてくださる理由そのものは衰えず続くということだ。毎週、私たちが有用性、重要度、興味などの基準で話題を選び、多くの時間を注ぎ込んで練り上げ、執筆し、編集した記事を、今後もお届けするつもりだ。それこそが私たちのすることの核心であり、その点が健全であり続ける限り、それ以外のことの構築はゆっくりやり直せばよいと思っている。
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文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
我々は、Apple の Calendar アプリに対する代替品である BusyMac から出されている BusyCal のファンである。同社は 20 April 2017 に、Google は Google Calendar にアプリが "web-views" を使ってサインインすることを許さなくなると発表した。"web-views" とは、言ってみれば埋め込みのミニブラウザーである。変わるのは、全てのアプリは通常の Web ブラウザーにサインインの要請を送らなければならなくなることである。
この変更は現行の BusyCal 3 には影響しないが、より以前の BusyCal 2 は Google Calendar に全く接続出来なくなる。未だ BusyCal 2 を使っている人には3つの可能性が残されている:
もし Google Calendar と同期しておりそして BusyCal を使い続けたければ、BusyCal 3 にアップグレードしなければならない。
もし Google Calendar と同期しているが、アップグレードの料金など払いたくない、又は OS X 10.10 Yosemite かそれ以前を使っているのであれば、Apple の Calendar アプリに戻るのが最も簡単な方法であろう。
もし Google Calendar との同期は全くしていないのであれば、何もする必要はない - BusyCal 2 は引き続き問題なく働くであろう。
既存の顧客に対しては BusyCal 3 へのアップグレード価格は $29.99 で、もし BusyCal 2 を 1 March 2016 以降に購入したのであれば、アップグレードは無料である。BusyMac は、アップグレード価格の調べ方とアップグレードのやり方に対する詳細な説明を掲載している。BusyCal 3 は 10.11 El Capitan かそれ以降を必要とする。
BusyCal 3 は BusyCal 2 に較べて色々な点で改善されている。例を挙げると:
BusyCal 3 が提供するものの詳細については、"BusyCal、Mac 用カレンダーアプリを更新、iOS にも進出" (1 July 2016) を参照されたい。
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文: Michael E. Cohen: [email protected], @lymond
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
Smile は、バージョン 9.0 の PDF 操作ユーティリティである PDFpen と PDFpenPro をリリースした。同社によると、この新しいアプリでは 100 を超える使い勝手の向上が図られ、その中には、追加の注釈能力、更なるエクスポートオプション、行番号付け、そして拡大機能を持ったハンドツールが含まれる。加えて、PDFpenPro は、Table of Contents 作成と編集ツールを強化し、更に Japanese, Chinese, そして Korean PDF 上での横書きの OCR を実行する能力を付け加えた。(全面開示:Smile は長期に亘る TidBITS スポンサーで、私も自著の "Take Control of PDFpen 8" 本を、この版は現在無料、PDFpen 9 に向けて改定中である。)
人々が PDF でやる最も一般的なことはそこにマークアップ (書き込み) をすることであるが、PDFpen のマークアップ能力も改善されている。PDFpen サイドバーは、PDF 上の注釈を示しそしてそれへと道案内をしてくれるが、今や複数の注釈を選択し、そのテキストコンテンツをコピーするオプションを提供しているので、それらを他の所にペースト出来る。加えて、今や注釈をサイドバーから直接削除することも可能である。
Smile はまた小さいが有用な改善をノート注釈に加えた:ノートの中身を見るために、もはや閉じられたノートアイコンを開く必要はなく、ただ単にポインターをその上へ乗せるだけで良い。
Find ツールも強化され、ハイライトすることが出来る様になった。今や PDF を単語や句で検索し、見つかった中の特定のもの、或いは全てを色付きでハイライトすることが出来る。二つの新しいカスタムハイライト色も追加された。
法的な或いは学術的な PDF を扱う人達は、今や文章の一節を選択しその行に番号を振ることが出来るのを歓迎するであろう。この機能には欠けたところがあって、開始行番号を設定するオプションも、またページが煩雑になるのを避けるため、例えば5行毎に番号を振るようなオプションもない。
目次のついた PDF も PDFpen 9 では、より辿りやすくなった。文脈メニューにより、PDF の目次をどの様に表示するかに対する制御幅が広がり、そして、書類をめくっていくにつれて、サイドバーの中のリストの青の指示標が今何処にいるかを教えてくれる。注釈の場合と同様、目次の中身のリストが欲しければ、内容を選択しテキストとしてコピー出来る。
他にも追加機能は多々あるが、目につくものを挙げると:
PDFpen ツールバーの新しいハンドツールを使えば、今表示されている頁をアプリのウィンドウの中でドラッグして動かせる。Zoom キーを押し続けると、書類をドラッグそしてズームの両方が同時に可能になる。
新しいエクスポートフォーマットを使えば、PDF を一連の JPEG, PNG, 或いは TIFF 画像として色々な解像度でエクスポート出来る。
書類内のページの場所や Web URL へと連れて行ってくれるリンクに加えて、今や Mac 上の他の書類へのリンクも付け加えることが出来る。
PDF から OCR レイヤーを削除することが出来る。
書類の注釈を別に印刷出来る。
PDFpen 8 ユーザーのための新機能紹介が Smile の Transition Guide で見られる。同社はまたバージョン 9 に対する新機能の全リスト及びアップグレード情報も出している。
PDFpen の値段は $74.95 で、PDFpenPro は $124.95 である。どちらのアプリでも、バージョン 8 からのアップグレードは $30 で、PDFpen から PDFpenPro へのアップグレードは $50 である。1 January 2017 かそれ以降に前のバージョンを買った人は最新バージョンに無料でアップグレード出来る:単純に現行バージョンをダウンロードし、起動する、その過程でアップグレードは取り扱われる。家族パックやオフィスパックもあり、教育用の価格体系もある。
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文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
Macworld Expo が無くなった後で見えてきた光は、小さいが、焦点を絞ったカンファレンスが増えてきたことである。Macworld Expo は誰にでも受けるものでなければならなかったので、少数派の聴衆は主流のショーの間に自らのイベントを見つけ出さなければならなかった。
私は特に ACEs Conference に期待している。これは3年目を迎える IT 専門家向けのもので、独立のコンサルタントから IT 役員や CIO 迄含まれる。私個人はこれまでスケージュルが合わず参加出来たことがないが、行ったことのある人から聞いたことからすると、参加者に技術についてではなく、自らの事業をどの様に経営するかについて教えるのにいい仕事しているという。今年のカンファレンスは May 31st と June 1st の2日間 Phoenix で開催される。
私の知っているコンサルタントの多くは物事の技術面には詳しい - 彼らは顧客が投げつけてくる技術的な問題が何であれ解決出来る能力を有している。彼らがどちらかというと手助けを必要とするのは経営面である。医師、弁護士、そして建築家で、その教育課程で経営手法について学んだ人は殆どいないのと同じで、経営、事業、マーケティング、そして顧客開発の様な話題について訓練を受けることなくコンサルタントになってしまうのはよくあることである。
そこが ACEs が焦点を当てる所でもある。経営コーチである Marcy Maslov のセッションは、財務諸表をどの様に解釈するかを教えてくれるので、どの製品は販促すべきか、どれは止めるべきかを知り、外部からの助けを雇用すべき否かを決め、そして誰かが着服しようとしているかもしれないことを察知出来るようになる。他では、個人ブランドをどう作り上げるか、顧客があなたの進言に耳を貸さない時にどうすべきか、そして個人顧客を時間ベースの請求から管理サービスモデルへと転換する方法が学べる。管理サービスに焦点を当てているコンサルタントには、管理サービス契約の重要性についての弁護士 David Postolski のプレゼンテーションが特に役に立つであろう。そして勿論、私がコンテンツマーケティングについて話すのも聞いて欲しい。
小さなカンファレンスの常だが、形式張らないネットワークづくりと意見交換は、疑いもなくセッションに負けないぐらい価値があるであろう。加えて、人気の Command-Control-Power ポッドキャストの特別ライブと共に、ACEs は、キーノートスピーカーの Mike Michalowicz と経営コーチ Jennifer Dawn との限定数の一対一のコンサルティングセッションを準備している。また ACEs では、顧客に対して仮想 CIO の役を演じる人たちに対する Proactive Support Professional Certification も提供する - 更なる詳細について参照。
これらの追加項目は全て追加料金を必要とするが、ACEs 自体は $649 で、そこには2日間の朝食と昼食、そして最初の日の夕食が含まれる。会場は Phoenix ダウンタウンにある Sheraton Grand Phoenix である。もし IT コンサルティングを仕事としているのであれば、あちらでお会いしたいものである!
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文: Mike Matthews: [email protected], @mamatthews
訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
優に 30 年以上前、私はちょうど新しい仕事を始めたところであった。すると、上司がブラブラやってきて、そして、まさに唐突に、私は、その上司のために航空券の予約をするよう頼まれた。これを行うために、私が手にした情報はほとんどなく、唯一、目的地の空港、出張日数、そして、おおよその移動の時間だけであった。彼がどの航空会社が好みかも知らなかったし、ましてや、窓側と通路側のどちらが好きかも知らなかった。
その頃を振り返ると、みんな、旅行代理店に電話して、戸口まで航空券が配達されるようにするという手順を踏んでいたものだ。あるいは、もし、旅行代理店の言っていることが的を得ているのか確認したいのであれば、OfficialAirline Guide (小さな電話帳のような分厚い本) でフライトを調べることによって、調査の一部を、まずは自分で行うこともできた。
私は、最終的に、適切なフライトの組み合わせを見出し、その情報を、上司のアシスタントに伝えた。アシスタントは、旅程をインデックス・カードに忠実にタイプし、カードを上司のポケットに入れた。
時代は何と変わったことか! 今や、航空会社は予約 Web サイト、航空会社独自のアプリ、そして、モバイル搭乗券を提供している。加えて、フライト、ホテル、レンタカー、その他を、そうした目的専用のアプリで、素早く、かつ、容易に調べることができる。だが、変わらないものが二つある。それは、旅行は依然として、とても個人的なものであって、私は、自分の全ての旅行情報を一箇所にまとめて持っておくための最善のやり方を、いまだに探している。インデックス・カードを使用するやり方は、今日では、効果的だとはちょっと言えない。
長年にわたって、私は、仕事および個人の両面で、かなり旅行してきた。以下、旅行マネジメント・アプリにおいて、私が探し求めているものを示す。
App Store には、多くの候補があるが、以下の五つが際立っていた。すなわち、Google Trips, App in the Air, Kayak, TripCase、そして、TripIt である。
どのアプリも、ほぼ同様の基本的な機能を有している。これらのサービスでアカウントを設定すると、アプリは旅行に関する詳細 (フライトの時刻、ホテルの予約など) を得るため、メールの受信箱をスキャンし、旅程を作成してくれる。これらのアプリの多くは、旅程を作成するために、受信した予約メールを通常のアドレスに転送したり、あるいは、マニュアルで詳細を入力したりすることができる。
いったん旅行の準備が整ったら、アプリは、空港の情報や、ローカルの天気といった追加情報を生成し、旅程に加える。そして、その旅行を他人と共有すること、カレンダーに詳細を追加すること、そして、チェックインの時刻や、フライトの遅延のような旅行関連のアクティビティに関する通知を受け取るといったことが可能だ。
移動中であれば、可能な限りもっとも便利な方法で、旅行プランと共に移動するべきだ。そこで、これらのアプリはみな、異なるデバイスでデータへのアクセスが可能なようになっていて、その多くは、機能の一部を Apple Watchにまで拡張している。Google Trips だけが Apple Watch アプリを持っていない。そして、他の四つのうち、TripIt だけが、ゲート情報、チェックイン時刻、手荷物受取所の荷台といった、フライトの詳細を一目で示す複合的機能を持っていない。
また、Google Trips を除く全てのアプリには、Message アプリが含まれていて、通常、会話で旅行の詳細を共有する必要があるのであれば、これは、便利なものになる可能性がある。
こうした基本的な機能を超えて、もし、クラウドソーシングの使用、携行品リスト、フライトの追跡、あるいは、アプリの中から旅行が予約できる機能が搭載されたなら、それぞれのアプリには、アプリ自身を差異化する余地が大いにある。
要するに、このアプリのグループには、あなたのニーズにぴったり合う機能を持つアプリがおそらくあるということだ。この記事では、全ての微妙な差異まではカバーできないが、より興味深い機能のいくつかを見てみることにしよう。
Google Trips -- Google は、ほとんど遍く存在し、そのサービスは、最上位クラスであると一般に見なされている。多くの人が旅行プランを立てて予約する際に Google に頼っている。したがって、旅行情報を無料のGoogle Trips アプリでまとめるのは、Google サービスの合理的な拡張であるように思われる。
セットアップは簡単だ。アプリを使用中、アプリが位置情報にアクセスできるようにして、旅行に関する通知が送信されるようにする。そして、Googleアカウントでサインインして、アプリが Gmail アカウント中で見つけることができる情報から、過去および将来の旅行を検出することを許可する。
そこから、このアプリの本当の強みが姿を現す。と言うのは、アプリが、すべき事を助言し、行った方がよい場所に関してカスタマイズ可能な日々の旅程を生成し、食べ物や飲み物に関するお勧めを提供し、その地域でどうやって動き回ればよいかをカバーし、緊急時の電話番号、買物、そして、チップに関する情報などの「知っておく必要がある事」を提供してくれる。加えて、このアプリでは、オフラインで閲覧するために、こうした情報をすべて、Google からダウンロードすることができる。Google が世界中の知識から広範囲に収集したものを利用することが、このアプリの最強の部分であることが容易に分かる。
だが、Google Trips は、このグループの中の五つのアプリのうち、最も新しいものであって、他のアプリが持っている多くの機能に欠けている。
あなたが、主要なメール・プロバイダとして Gmail を使っていないのであれば、Google Trips はほとんど役に立たないだろう。旅行をマニュアルで入力することもできるが、他のサービスとは異なり、Google は、旅程を作るために、予約メールが転送可能な標準的なメール・アドレスを提供しない。
他の四つのアプリの多くは、少なくともいくつかの通知オプションを提供している。Google Trips 自身は、アプリ内に通知の設定を持っていない。単に、セットアップの際に、通知を可能にする機会があるだけで、通知がどんなものであるかに関して、何の詳細も提供されない。また、このアプリの現行バージョンでは、旅程を共有することはできない。これは、多くの人にとって、厄介な問題かもしれない。このアプリには、iPhone アプリはあるが、iPad アプリや Apple Watch アプリはないし、Messages アプリもない。
そして、今や、白状するが、私は、Google のサービスをあまり使っていない。そういう訳で、Google Trips は、私にとっては限定的な価値しか持たない。なぜなら、Google Trips は、Google アカウントからフライト・データを取り込むことに、大いに依存しているからだ。競合状態にある新しいアプリでありながら、Google Trips は、他のもっと成熟したアプリが持っている基本的な機能も持っていない。だが、もしあなたが、Google の生態系にドップリと浸っているのであれば、このアプリが目的地を容易に探索する手法故に、このアプリは、あなたにとって、理想的な問題解決となるかもしれないし、あるいは、他のアプリのどれか一つにとって、良いお伴となるかもしれない。
App in the Air -- 「空飛ぶアプリ」という名前からすぐ分かる通り、無料の App in the Air アプリは空の旅に焦点を当てているが、最近になって手を広げ始め、旅程の中にホテルやレンタカーの情報を含められるようにしている。
フライトは二つのカードにまとめられる。カードをタップすればさまざまな情報が表示され、たっぷりと最大 16 個もあるカスタマイズ可能なウィジェットから集めた情報がここにすべて集約される。ウィジェットにはスケジュール表、空港や航空会社の情報、オンラインのチェックイン書式、地図、待ち時間、ホテルやレンタカーの情報、その他がある。
五つのアプリの中で App in the Air だけが独特と言えるのが、スケジュール表の中でフライト情報をチェックイン、搭乗、離陸、着陸の四つの段階に分けて呈示することだ。一回のフライトごとにこれら四つの時刻を知っていることで、フライトのための準備を整えたり、家族や同僚のスケジュールをあなたの予定に摺り合わせたりする役に立つ。
また、App in the Air があなたのカレンダーにアクセスして既存のフライトを読み込むようにしたり、あなたの連絡先情報にアクセスして旅程の通知をしたりもできる。
App in the Air はさまざまな push やテキストのアラートを提供し、それらを個別に出すことができる(機内で体操をしなさいというアラートもある)が、それを使うためには購読が必要となる。このプレミアム購読(14 日間の無料試用付きで年額 $29.99、または $49.99 払って無期限アクセス)のそれ以外の特典には家族購読と、無制限の自動チェックインがある。他の多くのフリーミアムアプリと同様に、アプリ内購入でさまざまの追加機能が得られる。例えば $0.99 を払って広告を無効にしたり、$49.99 を払ってフライトアラートを無期限購読したりできる。
それ以外にも特記すべき機能がいくつかある:
家族や友人のフライトアラートを購読することもでき、あなたの旅程が変わった際に全員に最新情報を伝えることができる。
革新的なウィジェットもある。American Airlines のフライトで手荷物を追跡するものがあるし、TSA Rules ウィジェットでは項目を入力すればそれを機内に持ち込めるかそれとも手荷物として預けなければならないかのルールが表示される。また、使える場合にのみ現われるウィジェットもある。例えば、Uber ウィジェットはあなたが行く場所でサービスがある場合にのみ見えるようになる。
あなたのパスポート情報を入力すれば、App in the Air が(少なくとも理論的には)フライトへの自動チェックインをしてくれる。私がこの機能を試した際にはうまく行かなかったが、たぶんそれは私が購読をアクティブにしていなかったからだ。でも、Southwest などあらかじめ席の割り当てをしない航空会社を利用する場合には自動チェックインが便利だろう。
旅行情報をあなたの好きなカレンダーに書き出すことができるので、手動で航空会社のウェブサイトからフライト旅程をダウンロードしてそれをカレンダーアプリに追加する手間が省ける。
TripIt から旅程を読み込める。例えば TripIt から App in the Air に乗り換えたい場合、あるいは会社が TripIt に標準化しているような場合に、あなたが App in the Air のインターフェイスや機能を気に入っていれば、簡単に読み込んで使える。
搭乗券をスキャンして読み込んだり、Apple の Wallet アプリに保存された搭乗券を読み込んだりできる。Wallet アプリでは、搭乗券の裏面で Share Pass をタップしてから App in the Air をタップするだけだ。
自分の旅行を追跡することになれば App in the Air の力技はかなりのものだ。マイル数、飛行時間、使った空港、その他をログ記録できる。達成度に応じてバッジを稼ぐこともできる。Time Travel 賞などという変わったものもあるが、これを得るには自前で Flux Capacitor を用意する必要がある。[訳者注: 映画 Back to the Future に登場した装置です。]
より効率的に空港を通過できるようにするため、App in the Air は空港内の案内図や、チェックイン・パスポート処理・セキュリティチェックのクラウドソーシングによる予想待ち時間を表示する。
荷作りするものを未だに紙に書いている人は、App in the Air の編集可能な荷作りリストを気に入るかもしれない。
App in the Air は航空会社、ホテル、レンタカー、その他のポイント管理の役に立つ。ただしこの機能にも限界はあり、特に米国の航空会社ではあまり使えない。さらに、この機能を使うには Points Loyalty Walletで別のアカウントを作成する必要がある。
App in the Air には好きになれるところがたくさんあり、さらに素敵な機能も今後追加される予定だ。購読で提供される追加機能は決して安価とは言えないが、頻繁に飛行機で旅行する人なら、このアプリが着実に機能アップデートをしていることもあり、たぶん無期限購読にお金を払う価値はあるだろう。私は App in the Air を強くお薦めしたい。
Kayak -- 今は Priceline が所有している無料の Kayak アプリは数多くの旅行関係機能を誇る。最も注目すべきは、飛行機の便や、ホテルの部屋、レンタカーなどを検索して予約するのに使えることと、一流のインターフェイスを提供していることだ。
価格、直行便、自動車のタイプ、ホテルのブランド、アメニティ、その他数多くのカテゴリーで検索を絞り込むことができる。検索結果が示されれば、そこから予約したり、あるいはフライトやホテルの部屋の場合には価格アラートを設定したりできる。Kayak は航空券を今すぐ買うべきかそれとも値下がりを待つべきかについてなかなか見事な助言をしてくれる。
Kayak の Explore 機能で、一歩進んだ旅行計画が立てられる。予算、季節、場所、催しなどのパラメータを設定すれば、Kayak が素晴らしい旅の提案を返してくれる。
一通りの基本的機能はもちろんあるが、いったん旅行計画を作成すれば、関連あるイベントや詳細情報、例えばミーティング、夕食会、土地の交通手段などの情報を追加できる。これはビジネス目的の旅行者にとってありがたい機能だ。
App in the Air よりも一歩先んじている点として、Kayak はすべての旅程についてカレンダーフィードを自動的に作成するので、もし旅行に関係する情報に何か変更があっても、カレンダーが自動的に更新される。カレンダーフィードの URL を入手するにはウェブ上で Kayak にログインして Trips Settings を見ればよい。
Kayak は最近になって、予約確認のメールを Gmail アカウントから自動的に読み込む機能を追加した。確かに素敵な改善ではあるが、Google Trips と同様に Gmail でしか働かない。その点、App in the Air と TripIt はずっと多くの電子メールサービスの受信箱をチェックすることができる。
Kayak にはその他にもたくさんの素敵な点がある:
Kayak のフライトトラッカーは、あなたが搭乗するフライトのみに限られてはいない。世界中のどんなフライトでも運行状況をチェックできる。おばあちゃんを迎えに来て空港の中を走り回る際には大いに役に立つ。
電子メールを通じてすべての旅行情報を他の人たちと共有できる。Kayak は旅行情報を他の人が編集できるオプションまで提供している。例えば補佐官がボスの旅行にミーティングの予定を追加する場合などに便利だ。
ホテルを手動で旅程に加えると、Kayak が自動的にそのホテルの住所、電話番号、URL などを記入する。ホテルの詳細情報には近所のレストランの情報も含まれ (この機能はやはり Priceline 会社の一つである OpenTable による)、Show Driver ボタンを使えばホテルの名前と住所が示されタクシーの運転手に見せられるので現地の言葉が話せなくても安心だ。
電子メール、SMS、通知に加えて、Kayak は Facebook Messenger 経由でもフライト状況を送ることができる。
二回タップするだけで、Contacts アプリからデータを読み込んで連絡先情報を自動記入できる。この自動記入設定は iCloud 経由で同期できるので、あなたの連絡先情報(例えばあなたの自宅の住所)が変わっても、一つのデバイスでそれを変更すればあとは iCloud が処理してあなたの他のすべてのデバイスで情報が同期される。
Kayak は、今回紹介した中で唯一 Apple TV 用アプリを持っている。これを使えば、何人かで一緒に旅行の計画を立てるのが楽にできる。それに、私に言わせれば 60 インチのテレビ画面で眺める French Riviera (コート・ダジュール) の景観はとても魅力的だ。
Kayak は個人旅行用にもぴったりだが、ビジネス目的の旅行にもうまく働く。このアプリを使ってミーティングやその他のイベントを旅程に組み込んだり、同僚の旅行予定をフォローしたり、他の人に旅行情報を編集してもらったりもできるからだ。旅行を一つのアプリの中で計画し、予約し、管理したいのならば、Kayak を使えば間違いない。とりわけ、これは完全に無料なのだから。
TripCase -- 次に取り上げるのが TripCase で、Sabre が所有する製品だ。ここはおそらく、リアルタイムでコンピュータベースの航空券予約ビジネスに初めて参入した会社だろう。TripCase は各種の旅行手配ツールを取り揃えており、その中にはビジネス目的の旅行者を対象としたツールもいくつかある。
他のアプリと違って、アカウントをセットアップしプロファイルの記入(これは TripCase の内部でしなければならない)を終えても、TripCase は電子メールを検索して旅行情報を見つけたり旅程を自動的に構築したりはしない。その代わりに、次のいずれかができる:
旅行情報を含んだ電子メールを [email protected] に転送するか、あるいは情報を手動で入力する。
TripCase アフィリエイトを使って予約をする。この場合、詳細情報が自動的にあなたのアカウントに追加される。アフィリエイトとは、TripCase のテクノロジーを使って予約情報を自動的に旅行者の TripCase アカウントに読み込ませている航空会社、旅行代理店、会社の旅行部門、その他の納入業者などだ。残念ながら、オンラインにもこのアプリにもアフィリエイトのリストが見当たらないので、まぐれ当たりで試してみるしかない。
これらの方法のいずれも、アプリに受信箱を自動的にチェックさせるやり方ほど摩擦なしという訳には行かない。それに、アフィリエイトに関する不可解さも良くない。この二つが欠点だ。
いったん旅行情報の構築が済めば、ミーティング、レストラン、イベントなどの活動を追加できるし、またこのアプリでは Uber、空港の地図、天気予報などの情報へその旅行情報から直接にアクセスできる。また、レストランへのリンクや、目的地で見たりしたりすべきものの情報なども別画面で提供される。
TripCase はお決まりの飾り物を提供する。例えば push/電子メール通知や、旅行情報を他の人たちと共有できる機能もある。ただし、あなたが指定した人々に自動的に送られる情報更新は飛行機の便の変更のみだ。しかしながら、それらの人々が TripCase にサインアップしさえすれば、あなたの旅行情報が便利な Following リストとして現われるようになり、フルにアップデートされる。これは、ビジネス目的の旅行者に便利な機能だろう。
カレンダーの機能については、TripCase はあなたの旅行情報を一度に読み込むことができるし、あるいはカレンダーフィードを作成して自動的に更新させるようにもできる。
もちろん、それ以外の機能もある:
TripCase は詳細画面の中に Tripfeed を表示し、ここには空港地図へのリンクや、旅行保険、機内用のオーディオブック、空港ラウンジチケットなどさまざまの旅行関係の用品の広告を含めて、役に立つ情報が示される。残念ながら、アプリ内購入で広告をなくすことはできない。
TripCase には (一年間有効の $5.99 アプリ内購入、一ヵ月間の試用期間付き) でレシートの画像を PDF ファイルとして保存して経費明細書の記入の手間を省くオプションがある。ビジネス目的の旅行者は大歓迎だろう。
TripCase を使って計画中の将来の旅行のための飛行機の別便を検索できる。
Apple Watch アプリがあって、旅程や近くにあるものなどを表示する。ただし、Watch アプリに含まれるリストにそのコンプリケーションは登場するが、アプリの Faces セクションにはオプションとして現われない。
明らかに、TripCase はビジネス目的の旅行者を念頭に置いて作られている。けれども、そのルック&フィールは信じられないほど古くさい感じがするし、他のものにあるような標準的機能で抜けているものもあまりにも多い。あなたの会社がこれを使えと義務付けているのでない限り、他のものを検討することを私はお勧めしたい。より良い選択肢があるのだから。
TripIt -- 他の二つのものと同様、TripIt も大きな会社が出している旅行用製品シリーズの一部分だ。これは Concur Technologies が所有しており、ここはビジネス向けにいろいろな旅行用および経費管理用のサービスを提供している。Concur は Hipmunk も所有していて、こちらは飛行機の便やホテルを予約するアプリだ。二つのアプリを組み合わせれば、ビジネス目的の旅行者に正面から焦点を絞った旅行ソリューションが得られる。
TripIt には基本的な機能がすべて網羅されており、Kayak や TripCase と同様に、列車やフェリーの旅、ミーティングや劇場へのお出かけなど追加の旅行プランを手動で追加して旅程を膨らませることができる。
TripIt はカレンダーフィードを提供し、更新された旅程をカレンダーアプリに保持しておくことができる。旅行情報を共有できるのは珍しくもないが、TripIt では旅程の一部分のみを共有することもできるので、例えば飛行機の便の情報は共有するけれどもホテルの予約は共有しないようにもできる。
年額 $49 を払って TripIt Pro にアップグレードすれば、フライトの状況を知らせるテキストか電子メールでの警告、さまざまのベンダーからの報奨金の追跡、チェックインのリマインダー、旅行情報の自動共有、航空券払い戻しの監視、その他ができるようになる。他のアプリより高い料金だが、TripIt Pro は 30 日間無料で試用できる。
TripIt は Network 機能を通じてソーシャルな面が充実しており、目がくらむほど多彩なオプションを提供する。主なものを挙げれば:
旅行計画を LinkedIn、Facebook、Yammer、Salesforce Chatter に投稿。
手動で、あるいは Google または Yahoo の電子メールアカウントを通じての、他の人たちとの接続。いったん接続ができれば、お互いに相手の旅行情報の要約を見ることができる。それに加えて、TripIt は旅行計画が重なる相手とお互いに近い場所にいる場合にそれを探知できる。
TripIt Pro のユーザーは "inner circle" を作ることができる。そのメンバーはあなたの細かな旅程を見ることができ、あなたが新規の旅行情報を作成すれば自動的に通知を受けられる。あなたの inner circle にいる人々は必ずしも TripIt Pro ユーザーである必要はなく、旅行情報の共有はあなたから彼らへ送られるだけでその逆はない。オプションで、inner circle のメンバーがあなたの旅行情報を編集できるようにすることもでき、あなたの秘書がその種の情報をいつも処理しているような場合に便利だろう。個別の旅行を private と指定して旅行情報の共有を (inner circle の中でさえも) できないようにすることも可能だ。
それだけではない:
TripIt は広範なプロフィール情報を保存できる。パスポート、TSA Pre、CLEAR、運転免許証など、旅行に関係する書類のためのスペースもある。また、緊急連絡先、留守預かり人、ペットホテル、その他旅行関係の連絡先も保存しておける。
App in the Air と同様、TripIt も旅行に関する基本的な統計情報を追跡できる。ただし達成度のメダルはない。
無料でグループを作成できる。同じドメインの電子メールアドレスを持つ人たち(例えば会社の同僚たち)が共有カレンダーを使って旅行のスケジュールを調整したり、グループのメンバーの旅行情報や地図上の現在位置を見ることができる。ここでも、旅行の private 指定ができる。
最大 10 名のユーザーならば月額 $29 で(最大 100 名ならば月額 $159 で)団体が TripIt for Teams を購読することができる。これは上記のグループ機能を提供するとともに、チーム全体での支出報告書と旅行ダッシュボードを備えていてチーム全体の旅行計画をすべて一つの場所に表示できる。会社の中で社員たちの旅行を手配する部門があるようなところに最適だ。
TripIt はあらゆる面でしっかりしていて、個人旅行でも、ビジネス目的の旅行でも、同じくらいうまく働く。頻繁に旅行する人なら、Pro 機能が必須だろう。旅行での予約に別のアプリを使わなければならないことにそれほど不満がないのならば、TripIt で万全だ。
さあ予約しよう -- まとめると、これらのアプリは五つとも個人旅行用に使えるが、Kayak、App in the Air、TripIt の三つは Google Trips や TripCase に比べてはっきりと先に進んでいる。三つとも機能がより充実しているからだ。
Kayak と TripIt はビジネス目的の旅行者に向いている。旅程に他の活動を追加できる機能があるからだ。TripIt の $49 の Pro パッケージは、ビジネス目的の旅行者にとって機能面で Kayak より一歩先にいると言えるだろう。
グループやチームに有用な機能が揃っているので、複雑な旅行カレンダーやコストの管理を必要とする組織にとっては TripIt が最適の選択肢だ。ビジネス旅行に最適のアプリという地位は揺るがない。
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文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Evernote 6.11 -- Evernote が社名と同じ名前の情報管理アプリにバージョン 6.11 をリリースして、2016 年型 MacBook Pro の Touch Bar に対応し、Touch Bar 上に新規ノート追加とタグ追加のボタンや、注釈でのフィードバックを提供するようにした。(詳しくは Evernote ブログ記事を参照。)今回のアップデートではまた、ある種のノートで検索語がハイライト表示されなかったバグを修正し、iPhone 上で作成されたある種のノートを同期すると改行が消えてしまった問題点を解消し、PDF からコピーしたコンテンツを正しくペーストできるようにし、クリップされたノートに Simplify Formatting を適用してもリターン文字が削除されないようにしている。(Evernote からも Mac App Store からも無料、55.5 MB、リリースノート、10.9+)
OmniFocus 2.9 -- アプリのパフォーマンスとストレージの効率性を上げることを目標に、Omni Group が OmniFocus 2.9 をリリースして添付ファイルの新しいストレージと同期のシステムを組み込み、接続される iOS デバイスのすべてが iOS 用 OmniFocus 2 のバージョン 2.19 を走らせていることを必要とするようになった。いったんすべてのデバイスが OmniFocus の対応バージョンを走らせているようになれば、データベースを移行するように促される。
その他の変更点としては、このタスク管理アプリが Completed Perspective の中で一連の項目に "Not yet completed" と表示することがなくなり、読み込む項目に OmniFocus が理解しない繰り返しルールが含まれていた場合に起こったクラッシュを回避し、OmniFocus をアプリ内部からアップデートしようとした際に起こったエラーを修正し、またローカライズ版を更新している。さらに、Attachment List ウィンドウが同一ファイルを参照する複数個の項目をグループ化して表示するようになった。(Omni Group ウェブサイトでの新規購入は Standard 版が $39.99、Pro 版が $79.99、Mac App Store では Standard 版が $39.99、アプリ内購入で Pro 版にアップグレード可能、29 MB、リリースノート、10.10+)
Final Cut Pro X 10.3.3, Compressor 4.3.2, Motion 5.3.2 -- Apple が同社のプロフェッショナル向けビデオ編集アプリのシリーズをアップデートして Final Cut Pro X 10.3.3、Compressor 4.3.2、Motion 5.3.2 をリリースした。Final Cut Pro X と Compressor はいずれも DVD 関係の問題に対処し、Share to DVD が応答しなくなったバグを解消し、DVD メニューとチャプタのタイトルのフォント品質を向上させ、DVD 作成時の画質を改善し、説明書へのリンクの付いた拡張 DVD User ダイアログを追加している。
また、Final Cut Pro X 10.3.3 では古いライブラリのアップデートに関する問題を解決し、Inspector の幅を広げてエフェクトパラメータを表示・調整できるようにし、Reveal in Browser で元のクリップの位置が正しく表示されるようにし、Role Editor に新たなカラーオプションを追加した。Compressor 4.3.2 ではジョブの状況を監視するためのコマンドラインオプションが加わり、ウォーターマーク画像の品質を改善し、AC-3 にトランスコードされたオーディオの同期の問題を修正し、アニメーション PNG とアニメーション GIF の画像シーケンスをサポートし、インドの法律で義務付けられている健康被害警告のテキストを追加するオプションを利用できるようにした。
Motion 5.3.2 ではいくつかの安定性の問題に対処した。具体的には図形のゼロからの拡大またはゼロへの縮小の際の安定性、複製したリグ済みフィルタやビヘイビアを使用している際の安定性、再生中にマーカー上を横切ってカーソルを動かす際の安定性、およびキーフレームを選択してキーボードショートカットを使用する際の安定性を改善している。また、Fill フィルタを追加してレイヤーとマスクを切り離さずにレイヤー全体を塗り潰せるようにし、プロジェクトを開いた際に見つからないプラグインが正しく特定されるようにした。
これらのアプリは三つとも、最低限 OS X 10.11.4 El Capitan を要するようになった。(いずれのアプリも無料アップデート。単独の購入では Final Cut Pro X 新規購入 $299.99、2.91 GB、リリースノート、10.11.4+; Compressor 新規購入 $49.99、412 MB、リリースノート、10.11.4+; Motion 新規購入 $49.99、2.26 GB、リリースノート、10.11.4+)
Final Cut Pro X 10.3.3, Compressor 4.3.2, Motion 5.3.2 へのコメントリンク:
iMovie 10.1.5 -- Apple が iMovie 10.1.5 をリリースして、一部のビデオカメラから読み込まれたビデオが赤くなる問題を修正した。今回のアップデートではまた、全体的な安定性を改善するとともに、iPhone で撮影された一部のビデオが読み込みウィンドウに表示されない問題を解消している。(新しい Mac には無料で付属、Mac App Store から新規購入 $14.99、無料アップデート、2.15 GB、10.11.2+)
文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
今週の ExtraBITS では、Kindle 電子ブックリーダーがようやく行の右端を揃えないテキスト・アラインメントを可能にし、ニューヨーク大学の大学院生が iPhone 工場に潜入して働いた経験を語る。
Kindle リーダーに Ragged Right テキスト揃えが加わる -- Amazon が同社の Kindle 電子ブックシリーズにソフトウェアアップデートをリリースして、Ragged Right (行の右端を揃えない) テキスト揃えオプションに対応させた。これまで、Kindle リーダーでは両端揃えの表示のみしかなく、文章がページの両端一杯に広がるけれども往々にして単語と単語の間に不自然な空白が生じてしまうことがあった。今回の新しいテキスト揃えオプションは Font パネルの Page タブにある。ソフトウェアアップデートを適用できるのは第六世代から第八世代までの Kindle リーダーで、このアップデートによりハイライト動作が高速化するとともに日本の漫画コミック本への対応が改善しているという。
中国の iPhone 工場に潜入 -- 夏休みの体験にいかがだろうか。ニューヨーク大学の大学院生 Dejian Zeng が去年の夏、Shanghai 近郊にある iPhone 工場で六週間働いてみた。Zeng は Business Insider の Kif Leswing によるインタビューに応じて体験談を語った。中国の iPhone 委託製造工場にはさまざまの恐ろしげな話が言われてきたが、宿舎での生活を除けば、また一時的な作業状況の問題を除けば、Zeng の体験はアメリカの工場での作業とそれほど変わらないものだったという。
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