Microsoft が Office for Mac 2011 のサポートを終了する。加えて、それら 32-bit のアプリはそう遠くないうちに macOS 上で動作しなくなるかもしれない。Josh Centers が、可能な選択肢を概観する。Glenn Fleishman は USB-C ケーブルの深遠なる世界に飛び込み、USB 3.1 ドライブと Thunderbolt 3 ケーブルの組み合わせによっては貧相な USB 2.0 速度しか得られない結果となり得ることを説明する。それから、Joe Kissell が悪いニュースをスクープする。CrashPlan が、コンシューマ向けのバックアップ事業から撤退しようとしているのだ。私たちはそれを聞いて落ち込んだが、Joe はいくつか可能な代替方法を紹介してくれた。今週注目すべきソフトウェアリリースは Parallels Desktop 13.0、Carbon Copy Cloner 5.0、Mellel 4.0、DEVONagent 3.9.8、DEVONthink/DEVONnote 2.9.15、SpamSieve 2.9.29、1Password 6.8.1、Mailplane 3.7 だ。
記事:
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文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>
皆さんがもし未だ Microsoft Office for Mac 2011 を使っているのであれば、幾つかの決断をする時期である。これから起こる二つの出来事の結果によっては、避けた方が良いものになったり、或いは将来使えなくなったりする可能性がある:
Microsoft は Office 2011 に対するサポートを 10 October 2017 に終了する。この日以降 Microsoft はこのアプリケーションに対するアップデートをリリースしなくなる。何を意味するかと言うと、バグ修正や、もっと大事なことは、セキュリティアップデートが出ないと言うことである。
Apple は 32-bit アプリに対するサポートを 2018 年から順次廃止していく。つまり macOS 10.13 High Sierra が 32-bit アプリを "妥協無しで" サポートする最後の macOS となる。これが正確に何を意味するかは余りはっきりしていないが、もし Office 2011 の様な 32-bit アプリに依存しているのであれば、来年のこの時期迄には代替策を見つけ出して置く必要がある。
Office 2011 は macOS 10.13 High Sierra でも働くはずであるが、Microsoft は保証しておらず、"Word, Excel, PowerPoint, Outlook, そして Lync は macOS 10.13 High Sierra では試験されておらず、この構成に対する正式のサポートも提供されないであろう" と言っている。つまり、もし Office 2011 を High Sierra で使いたいなら、自己責任でと言うことである。
要するに、もし未だ Office 2011 に依存しているのであれば、以下の選択肢の一つを考慮すべきである:
Office 2011 を使い続け、High Sierra へのアップデートは控える。この方法である程度の時間は稼げるが、基盤のある長期的な解ではない。macOS と Microsoft Office の両方に対するアップデートを避けることは、不可避のセキュリティ脆弱性に晒されることとなる。
Office 2016 のコピーを買う。Office Home & Student 2016 は $149.99 で、Office Home & Business 2016 for Mac は $229.99 である。どちらも一人のユーザーと一台の Mac に限定される。両者の唯一の違いは、後者には Outlook が入っており、前者には無いことである。
Office 365 を購読する。これが Microsoft が最も好む選択肢である。Office 365 Personal は年額 $69.99 か、月額 $6.99 で、Office 365 Home は月額 $9.99 か、年額 $99.99 である。唯一の違いは、Office 365 Personal は一人のユーザーに限られるが、Office 365 Home は5人までとなる。どちらにも他の特典が付いており、Office iOS アプリ、OneDrive クラウドストレージ、そして Skype minutes などへのアクセスも含まれる。
他の選択肢に切り替える。例えば、Apple の iWork スイート、Google Docs/Sheets/Slides、そして各種の OpenOffice 同等品等がある。しかしながら、多くの人が仕事で Microsoft Office に依存しており、代替品は受け入れられない。だが、仕事用に Office は使わないのであれば、他のものに切り替えることで大枚を節約出来る。
ワードプロセッサについては "あなたの好みの Mac 用ワード・プロセッサ" (17 July 2017) を見て参考にして欲しい。表計算については、私個人の経験から言っても、Excel に真の意味で比較出来るものはない - Numbers には幾つか固有の長所もあり家庭での使用には十分だが、データ処理に関しては Excel に勝るものはない。プレゼンテーションに関しては、多くの人が Keynote の方が PowerPointより良いと認めているが、完全な PowerPoint との互換性が最優先でない場合のみの話である。
自分の選択肢を良く研究し、できるだけ早く結論を出すべきである。移行を遅らせれば遅らせるほど、より手間がかかることになる可能性が大である。
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文: Glenn Fleishman: [email protected], @glennf
訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>
みなさんは、USB-C 接続規格は整理が難しいというのを既にご存知だ。"Thunderbolt 3, USB-C, そして両者の間にある全てを説明する" (2016 年11 月 3 日) で書いたように、USB-C は、さまざまな種類のインターフェース・データを通す周辺機器コントローラ (すなわち、ファームウェア、チップ、コネクタの一群) を許容するハードウェア規格である。これには、USB 2.0, USB 3.0 ならびに 3.1, Thunderbolt 2ならびに Thunderbolt 3, Ethernet, FireWire, DisplayPort, その他が含まれる。
ポートが同じでも、コンピュータや周辺機器が異なれば、性能は全く異なるということがありうる。Apple の世界においては、2015 年に導入された12 インチの MacBook と、2016 年以降の MacBook Pro のモデルならびに2017 年のiMac の両者とを見ていただきたい。MacBook は、USB とDisplayPort をネイティブでサポートしている。新しい Mac はThunderbolt 3 を搭載していて、MacBook はこれを扱うことができない。Thunderbolt 3 を搭載した MacBook Pro と iMac のモデルは、より高性能の異なるコントローラを有している。
今や、この上に重なる新しい問題がある。すなわち、AppleInsider が、Thunderbolt 3 接続用に設計されたある種のケーブルについて、ある問題を明らかにしたのだ。AppleInsider は、込み入った技術的な説明を提供したが、私は、テストを通じてそれを確認した。周辺機器の信号のやり取りに関する規格のオタクではない読者の方々にも、私は、この問題をもっと分かりやすい形にかみ砕いてみたい。
みなさんは、両端に USB-C コネクタを持つ 4 種類のケーブルを購入することができる。
USB-C 電力ケーブル、これには、USB 2.0 のデータ転送も含まれている。これらのケーブルは、低いワット数 (典型的には 15 ワットまで) から高いワット数 (100 ワット程度) までさまざまだが、データ転送速度は、たかだか480 Mbps であるにすぎない。Apple は、AC アダプタに接続するため、USB-C電力ケーブルを同社の全てのラップトップに使用している。データ転送速度はあまり重要ではない。私は、USB 2.0 しかサポートしていない低ワット数のケーブルは、避けることをおすすめしている。これは、ほとんど役に立たない。
USB-C 3.1 Gen 1 ならびに Gen 2。バージョンが上がっているにもかかわらず、USB 3.1 Gen 1 は、元の USB 3.0、すなわち、5 Gbps のSuperSpeed 規格と同じであるが、馴染みのある USB-A の平らなプラグ(青いセパレータが中にある) の代わりに、USB-C プラグか、あるいは、ポータブル・ドライブに共通の奇妙な形の 3.0 Micro B が付いている。これは、MacBook に搭載されていることが分かる。USB 3.1 Gen 2(SuperSpeed+)、これは、10 Gbps だが、Thunderbolt 3 を搭載した全ての Mac に組み込まれている。
Thunderbolt 3 パッシブ・ケーブル。これらのケーブルは、18 インチ(0.5 m) 以内でのみ、Thunderbolt 3 デバイス間で、最大 40 Gbps のデータ転送が可能だ。約 6.6 フィート (2 m) までになると、パッシブ・ケーブルは、20 Gbps しかサポートしない。
Thunderbolt 3 アクティブ・ケーブル。より高価なこれらのケーブルは、ケーブルの両端に電気回路を組み込むことによって、Thunderbolt 3 デバイス間に、6.6 フィート (2 m) まで、40 Gbps の通信速度を与える。これらのケーブルの中には、規格で許容されている最大 100 ワットの電力の伝送も可能なものがある。この類のケーブルは、ビデオやアニメーションに用いられる SSD RAID のような高スループットの Thunderbolt 3 周辺機器に必要だ。
AppleInsider が発見した不具合は、以下に示す、ある特定の環境の組み合わせにおいてのみ発生する。
USB 3.1 しかサポートしていない USB-C ポートを有するハード・ドライブを持っている。
そのドライブを Thunderbolt 3 が使えるコンピュータに接続するために、Thunderbolt 3 ケーブルを使っている。
その Thunderbolt 3 ケーブルは、パッシブではなく、アクティブである。
このようなアクティブな Thunderbolt ケーブルは、最大 5 Gbps のUSB 3.1 Gen 1 のデータ転送を行う代わりに、USB 2.0 の速度まで、速度を絞ってしまう。すなわち、本来のおよそ 10 分の 1 のスループットが提供されることになる。パッシブな Thunderbolt ケーブルでは、期待通り、USB 3.1 Gen 1 でデータが送られる。
私は、G-Technology の 1 TB USB-C ハードディスク・ドライブ (USB 3.1専用) で、これをテストした。そして、AppleInsider の結果を確認することができた。すなわち、アクティブなケーブルでは、約 35 Mbyte/s(280 Mbps) のスループットで、パッシブなケーブルでは、130 Mbyte/s(1 Gbps) のスループットであった。後者は、このドライブで考えられる上限に近づいている。SSD であれば、違いは、さらに一層著しいであろう。
Thunderbolt 3 パッシブ・ケーブルは、アクティブ・ケーブルよりもずっと安価である。私は、Cable Matters 製の 2 m の Thunderbolt 3 アクティブ・ケーブルに 51 ドル払ったが、Pluggable Technologies の 1 m のThunderbolt 3 パッシブ・ケーブルは、たったの 25 ドルであった。USB 3.1 専用ケーブルの値段は、Thunderbolt 3 パッシブ・ケーブルの約半分である。
USB 3.1 専用のドライブを使うために、高価な Thunderbolt 3 アクティブ・ケーブルを、わざわざ買おうという気にはなりそうもないと思われる。私の経験では、こうしたドライブは、USB 3.1 専用ケーブルと共に出荷されるのである! そして、USB-C コネクタを有する USB 3.1 ドライブは、それほどありふれたものではない。なぜなら、USB-C を両端で使うことには、ほとんど利点がないからだ。例えば、片側が USB-C のジャックで、もう一方が、昔ながらの USB-A ジャックか、あるいは、新しい Micro B であるUSB-3.0/3.1 Gen 1 ケーブルは、同じ最大 5 Gbps のスループットを提供する。
だが、AppleInsider の発見 (そして、私の確認) が、あるデバイスやケーブルで、みなさんが経験したかもしれない不可解な性能問題を説明するのに役立つことを、私は願っている。USB 3.1 専用ケーブルは、両端に、SS または SS+ のラベルがあるはずだ。Thunderbolt 3 ケーブルは、先細になっている先端に、矢印と共に稲妻の印がある。これらは、スループットにおいて、何が、10 倍にもおよぶ差異を生む可能性があるのか、ということに関する微妙な表示なのだ。
Thunderbolt 3 ケーブルを買う時に、確実にパッシブ・ケーブルが欲しいと思ったとしても、そうしたケーブルは、そのように表示されていないかもしれない。だが、それは、ほぼ確実に、同じ長さのアクティブ・ケーブルよりも安価であろう。そして、1.5 フィート (0.5 m) よりも長ければ、20 Gbps と表示されている。購入したものではない Thunderbolt 3ケーブルの一群から選り分ける際に、アクティブなケーブルとパッシブなケーブルの区別を助けるものは何もない。だから、私は、みなさんがケーブルを受け取ったら何であれ、すぐに、購入するケーブルにラベルを貼ることをおすすめする。
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文: Joe Kissell: [email protected], @joekissell
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
以前、あるテクノロジーの大会社に対する怒りのあまり私が緑色のモンスターと化してから、もうかれこれ数年が経っているが、同じような事態がまたもや起こった。Code42 Software が、同社のコンシューマ向けバックアップ用製品、CrashPlan for Home を廃止すると発表したのだ。
私は 2007 年以来ずっと CrashPlan を使ってきた。その最初のリリースが出てまだ間もない頃からだ。使い始めたその日から私はこれに魅せられ、その後一貫してこれを人々に薦め続けてきた。この製品の解説書“Take Control of CrashPlan Backups”も執筆した。数え切れないほどある私の他の著書の中でもこれを推薦した。“Backing Up Your Mac: A Joe On Tech Guide”もまさにその一つだ。私が Wirecutter に書いているオンラインバックアップサービスのまとめ記事でも(今まではずっと)これを第1位に挙げてきた。要するに、個人的にも職業的にも私は非常に大きく CrashPlan に投資してきた。それは、膨大な時間を費やして調査やテストを重ねてきた経験に基づくものだった。私は 100 個以上のバックアップ用アプリを調べてきたのだ! そして今、怒りと落胆とが入り混じる気持ちの中で、私は皆さんに何か他のものを探すべき時が来たと告げなければならない。
Just the Facts, Mac -- 感情的なことは少し脇に置いて、まずは Code42 の発表で述べられた事実だけをきちんと述べておこう。
Code42 の発表によれば、同社はこれまで小規模のビジネスや教育関係者、そして企業の顧客と、さまざまの顧客からの収益のお陰で驚異的な成長をみてきた。しかしながら、顧客によってその必要の方向は大きく違っている。そこで Code42 は最も収益性の高い顧客層のみに努力を投入することを決断した。
結果として、コンシューマ向けの製品 CrashPlan for Home は 2018 年 10 月 22 日をもって完全に廃止される。
その日付まであと 14 ヵ月あることに注意しよう。今からその日までの間に、次のことが起こる:
既に CrashPlan for Home を購読している人は、廃止日までそのまま使い続けることができる。同社は、廃止日までずっと技術サポートを続けるという。実際、Code42 は私に、移行に関する問題点への対処を援助する目的でその期間中サポート人員を二倍にすると述べた。
現行のあらゆる購読が(現在の有効期日とは無関係に)無料で 60 日間延長される。つまり、今週購読を開始すれば丸々 14 ヵ月間サービスが使えるし、ちょうど一年前に購読した人にとっては別のサービスへ乗り換えるまで少なくとも 2 ヵ月の余裕があるということだ。しかしながら、Code 42 は返金には応じない。たとえ、今回の発表の前日に購読(あるいは更新)した人であっても返金対象にはならない。
2018 年 10 月 22 日に、コンシューマ向け版の CrashPlan アプリは完全に動作を停止する。ローカルなバックアップもピア・ツー・ピアのバックアップも停止対象に 含まれる。つまり、CrashPlan Central (Code42 のコンシューマ向けクラウドストレージスペース) にバックアップをしている人にとっては、バックアップしていたデータがすべてその日に消えることになる。それ以外の場所にバックアップをしていた人も、その日以後は CrashPlan アプリを使い続けることができない。いずれにしても、その日までにリストアしなかったデータはすべて永遠に消滅する。(他方、無料の CrashPlan アプリを使ってローカルまたはピア・ツー・ピアのバックアップをしていた人も、CrashPlan Central 購読者向け特別割引提供を利用できる。これについては次に説明する。)
Home 顧客であって、CrashPlan の小企業向けプラン (1 台から 199 台までのコンピュータのグループにバックアップする) に切り替えたい人向けに、Code42 は無料で即時のデータ移行を提供する。つまり、現在のコンシューマ向けプランの残り期日まではそのまま小企業向けプランが使えて、最初の一年間は小企業向けプランの料金が 75 パーセント割引となる。(通常価格はデバイスあたり月額 $10 で、これは CrashPlan for Home のシングルユーザー料金の二倍、既に廃止されたファミリープランの料金の最大八倍だ。)
小企業向けの CrashPlan for Small Business を使うつもりはないという人のために、Code42 は Carbonite 購読の割引と、Carbonite への移行の援助を提供する。Carbonite の料金は家庭ユーザーならば通常年額 $59.99 から $149.99 までの間 (企業ユーザーならば $269.99 から $1299.99 まで) だが、現行の CrashPlan for Home ユーザーは最初の一年間 50 パーセント割引が受けられ、さらに Carbonite ビジネスアカウント用の Storage Packs が 20 パーセント割引となる。(しかしながら、この Carbonite コンシューマ版の割引を受けられるのは個人アカウントを持つ CrashPlan for Home ユーザーのみのようで、CrashPlan のファミリー購読をしていた人には無制限ストレージを含まない Carbonite ビジネスプランの割引が提供される。) 残念ながら、Carbonite は Windows 上では悪くないけれども、私は Mac ユーザーにはお薦めできない。Mac 版にはバージョン機能がなく、個人用の暗号化鍵を使うオプションもないからだ。その上、私がテストした結果を見れば Carbonite は上りのバンド幅を人為的に制限しているようで、多くの競合製品に比べてかなり速度が遅い。
Code42 が出している Consumer Information Page には、移行に関する詳細な情報の説明がある。
ではこれからどうする? -- もしもあなたが Mac ユーザーで、私のように CrashPlan for Small Business では料金が高過ぎると思い、Carbonite では不十分だと思うならば、CrashPlan に代わるものとして何を選ぶのがベストだろうか? 私の意見を述べれば、次のようになる:
手軽なオンラインバックアップが望みならば、Backblaze に乗り換えるとよい。私は Backblaze が好きだし、これを使っている知人たちも一人残らず気に入っている。私の Wirecutter 記事でもこれを第2位に挙げていたが、これからはこれを第1位にするつもりだ。Backblaze は高速で、信頼でき、セキュアで、料金はコンピュータあたり月額 $5 だ。ただ、私がこれまでこれを第1位にしなかったのは、CrashPlan と違ってピア・ツー・ピアのバックアップ(つまりあなたが私のコンピュータにバックアップし、私があなたのコンピュータにバックアップする)もローカルなバックアップ(あなたのデータのコピーを手近なハードドライブや RAID などに保存する)もできず、ファミリー向けの複数ユーザー割引もなかったからだ。また、ファイルをリストアする際の手順が CrashPlan や他の多くの競合製品に比べて余計に手間のかかるものだからだ。その上、Backblaze は削除済みのファイルや古いバージョンのファイルをたった 30 日間しか保存しないが、CrashPlan ではそのようなファイルをいつまでも保存しておくことができる。しかしながら Backblaze の決定的な利点は これからもまだ使える ということで、それに比べれば多少の欠点は比較的マイナーなものに思える。(同社は既存のバックアップを CrashPlan から Backblaze へ移行するための詳しいアドバイスを載せた記事も出している。) 私は、自分の家族のオンラインバックアップを Backblaze に移すつもりだ。
もちろん、他にも数多くのサービスがあるので、何らかの理由で別のものの方が気に入ったならばそれを選べばよい。これについても、私のまとめ記事を読んで頂ければいろいろと説明がある。競合各社が CrashPlan から乗り換える人のための特別価格を用意していることもあるので注意しよう。例えば、iDrive は 2 TB のストレージで最初の一年間を何と 90 パーセント割引 ($69.50 のところ $6.95) にすると発表している。
もしもお金の節約が最優先ならば (とりわけ複数台のコンピュータのある家庭ならば)、しかも多少の手間をかけることを厭わないのならば、その場合には Arq、ChronoSync、CloudBerry Backup といったようなアプリを使い、それに組み合わせて Amazon Drive、Amazon S3、Backblaze B2、Google Drive といった安価なオンラインストレージスペースを別途購入するという方法がある。そうは言っても、Glenn Fleishman が調べたところではこの種の自作のバックアップ法は極めて複雑なものになりがちで、細かい内容にもよるが必ずしも安くつくとは限らないという。(2016 年 12 月 22 日の記事“クラウドバックアップ用 ChronoSync 4.7 を検討する”参照。)
データをクラウドにバックアップするか否かや、どのようなクラウドバックアップを選ぶかによらず、それとは 別に ハードドライブ上に保存したローカルなバックアップも、必ず作っておくべきだ。しかも、Time Machine が作成するもののようなバージョン機能用のバックアップのみでなく、ブート可能な複製(例えば Carbon Copy Cloner や SuperDuper を使って作成したもの)も持っているべきだ。ローカルなバックアップではあなた自身が完璧にセキュリティをコントロールでき、古いバックアップを保持したりといったことも自由にできる。それに、(ローカルなバックアップに対してさえも) クラウドアカウントにログインしてからでなければ働かない CrashPlan のようなアプリを使っているのでない限り、クラウドサービスの機能停止とか気まぐれな企業決定とかに振り回される心配もない。
今すぐ決断する必要はないことを覚えておこう。少なくとも 60 日間は猶予期間があるし、新しいバックアップ方法を決断してデータを移行するまでに最大限 14 ヵ月間かけられる可能性がある。だから、今は強い感情に押し流されそうだと思う人は、まずは気持ちが落ち着くまで待てばよい。ゆっくり時間をかけて、必要だと思う調べものをしっかりしてから、地に足がついた、妥当な判断を下して頂きたい。
怒りは再び -- さて、事実を語り終えたので、最後にほんの少しだけ、憤懣やる方ない私の気持ちを述べさせて頂きたい。私は今回の知らせに腹を立てているだけでなく、欺かれたことに対して激怒している。
過去数年間にわたって Code42 はいくつかの行動を起こしてきたが、振り返って考えてみればそれらはすべて諺に言う“壁に書かれた災いの前兆”であった。まず、同社は購読の複数年間割引を廃止した。この割引は、既に安価だった同社のサービスをさらにもっと魅力的なものとしていたので非常に人気が高かった。次に、2015 年の末頃、同社は seeding の提供を中止した。これは初回のフルバックアップを含んだハードドライブを送ればバックアップ処理をすぐに始められる状態にして送り返してくれるというものであった。2016 年に入り、同社は Restore-to-Door サービスを中止した。これはバックアップしてあったファイルを入れたハードドライブを追加料金を払って翌日配達便で届けてもらうというものであった。さらに、同社は(何年間も約束のままの状態を続けたあげく)ついにネイティブな (Java アプリでない) バックアップアプリをリリースしたにもかかわらず、そのアプリが働くのは企業向けサービスのみ、CrashPlan for Home では (ついでに言えば CrashPlan for Small Business でも) 動作しなかった。
それらのことが起こる度に私は Code42 の問い合わせ先にメールを書き送ったが、Code42 の担当者は毎回、この変更は大して重要なものでないと述べ、私に対して繰り返し、会社としてはコンシューマ市場を重視し続けていると請け合った。実際のところ、ごく最近、2017 年 5 月に、Code42 の担当者が私に「当社は使いやすくて手頃な価格の高品質な製品を通じて家庭のコンシューマ顧客の皆さんに安心をお届けすべく、今後も力を尽くして参ります」と述べたばかりだ。なのに、結局のところ、これら Code42 の行動はすべてコンシューマ対応を切り捨てることに向けた一歩一歩であり、今や思い返せば少なくともここ数年間の Code42 はそれに向けた働きを続けてきたかのように見える。
そして、それこそが私を本当に怒らせている点だ。Code42 が当初成功したのは主としてコンシューマたちであったことを忘れ、これほど多くの人たちが同社の製品とその作者たちに信頼を置いてきたことを無視しているかのようだ。私も企業が金を稼がなければならないことは理解しているし、時にはビジネスのための正しい判断が顧客にとって不満の種となることも分かっている。企業が収益を最大にしようと努めることや、困難な方針変更をすることも、咎めるつもりはない。
けれども、未来がないと分かっている製品を(見たところ会社としてその決断を下した後の何年にもわたって)宣伝し推薦し続けることで、私や報道で働く他の人たちを欺いたこと、これについては Code42 に咎があると私は思う。Code42 の諸君よ、この態度はクールじゃない。君たちは私の顔をつぶしたし、それを通じて私の尊敬を失った。(もちろん、私は Code42 の上級幹部に直接話をして、私の気持ちをはっきりと言っておいた。)
もしも昨日、企業向けのバックアップサービスなら何を推薦するかとどこかの会社が私に尋ねてきたなら、私は CrashPlan を推薦したかもしれない。でも今日は、とてもそんな気になれない。敬意を欠いた態度で報道と顧客とを扱う様子が見えた以上、以前は大ファンであったこの会社も、私にとっては完全にアウトだ。
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文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
Parallels Desktop 13.0 -- Parallels が仮想化ソフトウェア Parallels Desktop のバージョン 13.0 をリリースして、MacBook Pro の Touch Bar に Windows アプリケーションを追加できるようにし、macOS 10.13 High Sierra および来たるべき Windows 10 Fall Creators Update の機能への対応を提供した。Parallels Desktop 13 ではパフォーマンスの改善 (ファイルとドキュメントへのアクセスが 47 パーセント高速化したという)、USB 3.0 大容量ストレージデバイスや外部 Thunderbolt SSD デバイスからのファイル転送速度の改善、Parallels Installation Assistant による Windows 10 の仮想マシンへの手軽なインストールなどが実現された。
Touch Bar 搭載の MacBook Pro を使っている場合、Parallels Desktop 13 は Microsoft Outlook、Word、Excel、PowerPoint、さらには Internet Explorer や Microsoft Edge などのブラウザとの統合を提供する。Windows Start Menu や Desktop を使う際には Touch Bar 上に Taskbar ピン留め要素、Cortana、Task View、設定が組み込まれる。新設の Picture-in-Picture (PiP) View では他のアクティブな仮想マシンのウィンドウを作成でき、Parallels Desktop には 30 以上のユーティリティが追加されてディスクの空き容量を開放したりウェブサイトからビデオをダウンロードしたり画面を録画保存したりなどさまざまの作業ができる。
標準版の Parallels Desktop (家庭用や学生用として位置付けられる) の価格は一回限りの購入で $79.99、過去のライセンスからのアップグレードは $49 だ。(14 日間有効の試用版もある。) Pro 版は年額 $99 (更新購読は $49) の購読モデルに移行済みで、仮想マシンあたり最大 32 コア (vCPU) と 128 GB の vRAM を割り当て可能、アプリのパフォーマンス分析および最適化機能、使用法(ポッドキャスト、ビデオチュートリアル、ウェブブラウザテストなど)に応じた解像度の自動切替などの機能が付く。Business 版も年額 $99 の購読(アップグレードのオプションなし)で、Single Application Mode 設定と設定の際に指定の Windows アプリケーションをユーザーの Dock に追加する機能が付く。(Standard Edition の新規購入 $79.99 (アップグレード $49.99)、Pro/Business Edition は年額 $99.99 (Pro への更新の場合 $49.99) の購読、無料アップデート、251 MB、リリースノート、10.10.5+)
Parallels Desktop 13.0 へのコメントリンク:
Carbon Copy Cloner 5.0 -- ブート可能なバックアップを作成し続けてきた 15 周年を記念して、Bombich Software が Carbon Copy Cloner 5.0 (CCC) をリリースし、これを macOS 10.13 High Sierra と Apple の新しい APFS ファイルシステム (2017 年 6 月 5 日の記事“macOS 10.13 High Sierra にトリップする”参照) に対応させた。同社のブログ記事によれば、CCC 5.0 は APFS から APFS へ、HFS から APFS へ、APFS から HFS へ (また HFS から HFS へも) ブート可能なバックアップを作成でき、ソースと保存先の双方で、また遠隔 Mac のソースと保存先ボリュームでも、APFS 暗号化に対応する。
CCC 5.0 はまた、ユーザーインターフェイスをアップデートして構成においてもランタイムでも挙動を指定できるタスクグループを備え、SafetyNet 刈り込み設定を改良してそのタスクがコピーすべきデータ量に順応できるようにし、Mac を CCC バックアップからブートする際にガイド付きのリストアヒントを提供し、新たにスケジュール設定オプション (一時間ごとのランタイム制限付き) を導入している。今回のリリースではまた、名前・戻り状況・最終動作日付・次回の動作日付でタスクを並べ替えできるようになり、ボリュームのマウント・アンマウントへの手軽なアクセスを提供し、Task History ウィンドウにトレンドチャートを追加している。
新規購入価格は $39.99 で、CCC 4.x からのアップグレード価格は (50 % 引きの) $19.99、CCC 3.5 からは (25 % 引きの) $29.99 となる。30 日間無料の試用版もあり、このアプリは今回から最低限 OS X 10.10 Yosemite を必要とするようになった。10.8 Mountain Lion や 10.9 Mavericks を使っている人のために CCC 4.1.18 も引き続き入手可能だ。(新規購入 $39.99、CCC 3.5 や CCC 4 からは有料アップグレード、12.4 MB、リリースノート、10.10+)
Carbon Copy Cloner 5.0 へのコメントリンク:
Mellel 4.0 -- RedleX が Mellel 4.0 をリリースした。長編書類執筆のためにデザインされたこのワードプロセッサに 95 個の新機能や拡張機能を加えた、メジャーなアップデートだ。今回のリリースでは、見出しとボールド体のテキストを効果的に検索することにより索引作成の処理を 50 パーセント高速化するとともに作業をしながら動的に索引の作成ができる Quick Index という新機能を導入している。また、原稿に目印となる点を追加してそれを使って書類の中をナビゲートし人物や場所を付随させることができる Story という新機能もある。
また、Mellel 4.0 ではアウトライン機能の改善もあり、アウトライン項目にインライン編集を施したり、タイトルに行送りを入れたり、アウトライン項目を名前・コメント・タグ・マーカーによってフィルター分けしたりできるようになった。その他の変更点としてはユーザーインターフェイスのアップデート、一新された工場出荷テンプレート、書類ウィンドウのサイズ管理の改良、書類作成ワークフローの改訂、タグ・コメント・マーカーを伴ったブックマークの改良などがある。
RedleX は Mellel 4.0 の価格を従来の $39 から $59 へ値上げし、旧バージョンからのアップグレード価格を $29 とした。30 日間無料の試用版を RedleX ウェブサイトからダウンロードできる。Mac 用 Mellel 4.0 とフル互換なバージョン 4.0 の Mellel for iOS も入手可能だ。(RedleX からも Mac App Store からも新規購入 $59、アップグレード $29、85 MB、リリースノート、10.6+)
DEVONagent 3.9.8 -- DEVONtechnologies が、同社のリサーチ用ソフトウェア DEVONagent の三つの版すべて (Lite、Express および Pro) をバージョン 3.9.8 にアップデートしてパフォーマンスと信頼性を改善した。Express および Pro 版には、Google Chrome のブックマークとの互換性の改善と、バックグラウンドプロセスの処理の拡張が盛り込まれている。また DEVONagent Pro は Search モードを改良して、自動的にサイトを検索できるようにしている。(いずれもアップデートは無料。DEVONagent Lite は無料、リリースノート。DEVONagent Express は新規購入 $4.95、リリースノート。DEVONagent Pro は新規購入 $49.95、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、リリースノート。10.7.5+)
DEVONthink/DEVONnote 2.9.15 -- DEVONtechnologies が DEVONthink の三つの版 (Personal、Pro、Pro Office) と DEVONnote をバージョン 2.9.15 にアップデートした。PDF サイドバーを改訂して、OS X 10.11 El Capitan 以降でずっと以前から存在していた問題に対処している。四つのアプリはいずれも、グループを作成する新しい URL コマンド (x-devonthink://createGroup) を追加し、macOS 10.13 High Sierra 互換性を改善し、メモリ管理とバックグラウンドタスクの処理を拡張し、過去に書き出したことのあるフォルダを Tags グループに読み込むとタグが重複することのあった問題を修正している。また、クリップボード、ドラッグ&ドロップ、キーボードナビゲーション対応を拡張している。
三つの版の DEVONthink では、内部にある HTML または Markdown ファイルの中のリンクを DEVONthink To Go やその他の互換アプリ (例えば MathJax) と合致するものにし、Tinderbox 用に拡張されたドラッグ&ドロップに対応し、編集後の HTML ページでその URL がページのパスに変わってしまったバグを修正し、ネットワークスキャナからのスキャンがタイムアウトした問題を解消し、High Sierra でマウスホイールによる画像スクロールができなくなった問題に対処している。DEVONthink Pro Office では、Apple Mail プラグインの対応と High Sierra での電子メールアーカイブ機能を改良し、また Import, OCR & Delete フォルダアクションスクリプトを改良している。
DEVONtechnologies は 25 パーセントの教育関係者用割引を常時提供しているが、2017 年 9 月 15 日までに限り学生および教員用の割引率を 40 パーセントに上げている。(有効な学生または教員 ID が必要。) (いずれもアップデートは無料。DEVONthink Pro Office 新規購入 $149.95、リリースノート。DEVONthink Professional 新規購入 $79.95、リリースノート。DEVONthink Personal 新規購入 $49.95、リリースノート。DEVONnote 新規購入 $24.95、リリースノート。TidBITS 会員には DEVONnote もいずれの版の DEVONthink もそれぞれ 25 パーセント割引。10.9+)
DEVONthink/DEVONnote 2.9.15 へのコメントリンク:
SpamSieve 2.9.29 -- C-Command Software の Michael Tsai が SpamSieve 2.9.29 をリリースして、macOS 10.13 High Sierra の Apple Mail との互換性を加えた。このスパムフィルタリングユーティリティは Microsoft Outlook 2016 での電子メールのフィルタリングにさまざまの改善を加えており、大きなメールボックスで起こったハングを回避し、メッセージの処理速度を改善するための Large Inboxes セットアップオプションを追加し、ログ作成とエラー報告を改善している。今回のリリースではまた Apple Mail - Remote Training スクリプトをアップデートしてメッセージの背景色と(オプションで)フラグを設定したりクリアしたりできるようにし、必要に応じてログファイルのアクセス権を修正し、起動エージェントの問題点探知と報告を改善し、またマニュアルのいくつかのセクションを更新している。(新規購入 $30、TidBITS 会員は 20 パーセント割引、無料アップデート、13.7 MB、リリースノート、10.6+)
1Password 6.8.1 -- AgileBits が 1Password 6.8.1 をリリースした。このパスワード管理ユーティリティのメンテナンス・リリースで、Chrome および Firefox 用の Native Messaging 対応を改善し、2015 年 12 月 3 日以前に作成されたアカウントが macOS 10.13 High Sierra で New Vault 機能を利用できるようにダイアログを一つ削除している。今回のアップデートではまた、メインウィンドウで Touch ID 状況が更新されなくなったバグを修正し、Quick Look 関係のいくつかの問題点を解消し、ユーザーが Watchtower をオフに切り替えられなくなった問題に対処し、Mac App Store 版が起動時にクラッシュしたバグを取り除いている。(AgileBits および Mac App Store から新規購入 $64.99、または無料入手で月額 $2.99 か $4.99 の購読、無料アップデート、48.6 MB、リリースノート、10.10+)
Mailplane 3.7 -- Uncomplex が Mailplane 3.7 をリリースして、独自バージョンの Quote Selected Text 機能 (従来は現在終了している Gmail Lab が提供していたもの) を組み込んだ。TidBITS 出版者 Adam Engst がそうするように Uncomplex に勧め、彼らの調整作業も手伝った。この機能を利用するには、テキストを選択してから、Reply の場合は Command-R、Reply All の場合は Command-Option-R を押せばよい。この Gmail 専用電子メールクライアントはまた、よく使う検索や個々のメッセージへのリンクを保存する Bookmarks 機能 (現在は終了している Gmail Lab の Quick Links 機能に代わるもの) を追加し、公開ベータ版の macOS 10.13 High Sierra への対応を追加している。(新規購入 $24.95、無料アップデート、63.2 MB、リリースノート、10.10+)
文: TidBITS Staff: [email protected]
訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>
今週の ExtraBITS では、Apple がアイオワ州に建設予定の新しいデータセンターが再生可能エネルギーだけで稼動することになり、Virgin Mobile USA が自分の iPhone を持ち込んだ顧客にも年間 $1 の携帯電話サービスを提供し、Sonos がスピーカーの既存のオーナーにも新しいプライバシー方針を強要し、Verizon が新しい無制限データ顧客にビデオの速度抑制を実施し、天気予報アプリ AccuWeather が許可なく位置情報データ収集をしていることが判明した。
Apple の新 Iowa データセンターは再生可能エネルギーだけで稼動 -- Apple はアイオワ州 Waukee に 400,000 平方フィートのデータセンターを 13 億ドルかけて建設予定だが、この施設が初日から完全に再生可能エネルギーだけで稼動するという。この新しいデータセンターは 550 あまりの建設および業務にかかわる雇用を創造し、Apple は Waukee 周辺の地域開発のために創設される公共開発基金に対して最大 1 億ドルを寄与する。建設終了後にそれらの雇用数のうちどの程度が継続されるのかについて Apple は何も語らなかった。
Virgin Mobile、iPhone 購入なしでも $1 サービスを提供 -- Sprint の子会社 Virgin Mobile USA は最近 iPhone 専用のキャリアとなり、iPhone 購入とともに申し込めば最初の一年間のサービスが $1 で得られるようにした。今回同社は既存の iPhone を Virgin Mobile に契約替えしようとする顧客にも同じことを提供するようにした。2017 年 9 月 29 日までに申し込んだ新規顧客に対して Virgin Mobile は SIM カードを無料で提供し、それ以後は SIM カードの価格が $25 となる。サービス料金は最初の一年間が $1 で、その後は月額 $50 となるが、iPhone をアップグレードする度に 6 ヵ月間のサービスが $1 で提供される。
Sonos: 新しいプライバシー方針を認めるか、スピーカーを失うかだ -- Alexa 駆動のスマートスピーカー機能に備えるため、サウンドシステムのメーカー Sonos はオーディオ設定、エラーのデータ、その他のアカウントデータを収集し始めようとしている。そこで Sonos は同社のプライバシー方針を更新して、もしもユーザーがそれに同意しなければそのユーザーは Sonos ソフトウェアを更新することができず、またそのユーザーのスピーカーは将来いずれかの時点で機能しなくなるとした。ユーザーはデータ収集の一部を拒否することはできるが、すべてを拒否することはできない。Electronic Frontier Foundation やその他のプライバシー志向のグループはこれに対して非難の声を挙げ、インターネット接続デバイスにおいてはこれがますます大きな問題となると警告する。今回の Sonos のやり方は、Apple が間もなく出す HomePod と比較すればとりわけ短絡的なものに見える。
Verizon Wireless、新規の無制限データ顧客にビデオ速度抑制 -- 今年になって Verizon Wireless が無制限データプランの復活を発表した際、私たちはこれがあまりにもうまい話過ぎるという印象を受けた。そして今、Verizon は無制限プランを (以前より $5 安い) 月額 $75 で提供しているが、ビデオストリームには速度抑制をかけて解像度が携帯電話では 480p (DVD)、タブレットでは 720p を超えないようにしている。解像度制限はモバイルホットスポットにも適用され、600 Kbps が上限となる。また、Verizon は新たに月額 $85 の Beyond Unlimited プランを発表し、これならばビデオを HD 解像度でストリーミングし、月間 15 GB の 4G LTE データをテザリングでき、15 GB を超えた後はデータを 600 Kbps に絞るとした。一つだけ良いニュースがあって、以前からあった Verizon の月額 $80 の無制限プランを現在購読中の人はこれまでと同じ価格で Beyond Unlimited の恩恵を受けられる。
AccuWeather、位置情報サービスが無効であっても位置情報を収集 -- iOS 用天気予報アプリ AccuWeather は、たとえあなたが Settings > Privacy > Location Services で無効に設定していても、位置情報データを収集していたことが判明した。セキュリティ研究者 Will Strafach が発見したのは、このアプリが数時間に一度ずつあなたの Wi-Fi ルータ名と MAC アドレスをデータ収益化会社 Reveal Mobile へ送信していたという事実だ。Reveal Mobile は個々のデバイスの追跡はしていないと主張するけれども、Wi-Fi ルータと MAC アドレスがあればあなたの位置情報が特定できてしまう。AccuWeather はアプリをアップデートしてこの挙動を止めると述べたが、私たちとしては基本的に AccuWeather を削除して何か他の天気予報アプリに切り替えることをお勧めしたい。このようにしてユーザーのプライバシーをあからさまに軽視することには必ずや何らかの帰結があるはずで、私たちユーザーにできることは自分の足で席を立って意思表示をするしかない。
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