TidBITS: Apple News for the Rest of Us  TidBITS#1406/26-Feb-2018

iOS 11 において、Live Photos は単なる子供だましの仕掛けではない。写真に埋め込まれたビデオ部分を利用すれば出来の悪い写真を救出することさえできる。そのやり方を、Josh Centers が解説する。Adam Engst は Bad Apple シリーズ記事の第2回として、iOS 用の Settings アプリにおける項目の並べ方について Apple を叱責する。それから今週は Julio Ojeda-Zapata による寄稿記事が、iPhone 8 または iPhone X 用の 13 個の Qi ワイヤレス充電器を比較検討する。今秋注目すべきソフトウェアリリースは Bookends 13.0.6、Fantastical 2.4.6、Parallels Desktop 13.3、Keyboard Maestro 8.1.1、1Password 6.8.7、Airfoil 5.7 だ。

記事:

----------------- 本号の TidBITS のスポンサーは: ------------------

---- 皆さんのスポンサーへのサポートが TidBITS への力となります ----


iOS 11 の Live Photos でぼやけた写真を救う

  文: Josh Centers: [email protected], @jcenters
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

私は、新しい iOS 機器に焼き込まれた Live Photos 機能が好きである。と言うのも、これは息子が何かかわいいことをしている時に短いビデオを撮らせてくれるからである。しかし、領収書とか自分で料理して美味そうに出来たバターチキンの写真を撮る段には、数秒間のビデオのために Live Photos が消費する余分の保存領域を見過ごすのはもったいない気がする。幸いにして、iOS 11 では、Live Photos をオンにして置いたままにするのを価値があるものとする新機能が導入された。

Apple は、此の手の機能の一つを WWDC キーノートで大々的に宣伝した。Live Photo を上にスワイプすると、それに適用出来る色々な効果を見ることが出来る:Live (デフォルト), Loop, Bounce, そして Long Exposure である。Jeff Carlson は、最後のものについて "iOS 11 の Photos アプリで Long Exposure を使う" (12 October 2017) で取り上げた。Long Exposure や他の機能は素晴らしいが、Apple は iOS 11 での最も有用と思える Live Photos 機能は何かについて語っていない:それは新しいキー写真を選べることである。キー写真は Photos アプリの中で Live Photos を見る静止画となる。

皆さんは、もし動きの速い被写体の写真を撮ることが多いのであれば、まず間違いなくこの問題に遭遇する:完璧な写真を撮る準備が出来ていざシャッターを押そうとしたら被写体が動いてしまう。その結果、ぼやけた写真になったり、シャッターチャンスを逃してしまったりする。

しかし、救いはある! iOS 11 では Live Photos が有効になっていると、Camera アプリは、あなたがシャッターボタンを押す の 1.5 秒間のビデオも実際に撮っている。従って、新しいキー写真を選ぶ時、それはまるで写真が撮られる前の 1.5 秒間の全ての瞬間が見られる極めて精密なタイムマシンを備えた写真を編集するようなものである。それを Photos for iOS でどの様にするかを以下に示すが、手順は Photos for Mac でも全く同じである:

image

  1. Photos アプリで Live Photo を選択し、右上隅にある Edit をタップする。

  2. 画面の下部に、Apple がフレームビューアーと呼ぶ一連の画像が表示される。

  3. このフレームビューアー上には、白い四角があり、それがキー写真を示している。もっと良いものが見つかる迄、この四角を Live Photo のフレームの上で動かしていく。この作業はゆっくりやった方が良い結果が得られる。

  4. この四角を放してやると、Make Key Photo ポップオーバーが現れる。それをタップすれば、キー写真は選んだものに変更される。

image

Photos は、元々のキー写真と新たに選択されたもの両方に対してドットを付ける。もし 3D Touch 対応の機器をお持ちなら、これらのドット付きの画像を選んだ時タップを感じるであろう。Done をタップして編集を終了したが、選んだキー写真はどうも良くないと感じたならば、やり直して他のものを選ぶか、或いは、その画像に対する編集全てを元に戻すため Revert をタップすれば良い。

でも、あまり期待しすぎないように。置き換えたキー写真も完璧ではないかもしれない。しかし劇的な改善が得られ、そのままではどうしようもない写真を救える場合も結構ある!

更なる iOS ヒントに関しては、私の本 "Take Control of iOS 11" を見て欲しい。この本は現時点では私の本の中のベストセラーとなっている。

コメントリンク17781 この記事について | Tweet リンク17781


Bad Apple #2: iOS の設定をアルファベット順にする

  文: Adam C. Engst: [email protected], @adamengst
  訳: 清水 史彦 <qff01604@nifty.com>

私の Bad Apple のコラムに、ようこそおかえり! このコラムでは、私はApple を、厳しく非難する - 建設的に! 理由は、お粗末な決定をしているからで、それは容易に変更が可能だ。TidBITS の読者から、このコラムのために、多くの提案をいただいている。そして、それに対して感謝申し上げる!ゾッとする個人的な話を共有してくれている人たちに、私はお悔やみを申し上げ、そして、力になりたいと思う。だが、Bad Apple では、ある特定のアカウントやマシン特有のものではなく、どんな Apple ユーザーでも出会う可能性がある問題に、私は焦点を絞りたいと思う。

今回は、iOS の設定アプリを見てみたい。このアプリは、混乱の泥沼になっている。Apple は、一見したところ、iOS の主要なリリースごとに、ほぼ毎回、時には、マイナーなリリースの場合ですら、このアプリを再編成しているが、それは役に立っていない。例えば、Settings アプリのまさに一番上にある比較的新しい設定アイテムは、Apple ID、iCloud、iTunes & App Store、そして、Device Info に関するオプションを全て一まとめにしていて、一見、有用であるように思われるが、これについて書くのは恐ろしく困難だ。と言うのは、このアイテムの名称は、中身ではなく、ユーザー名に由来しているからだ。

image

だが、Apple に関する私の不満は、この新しい個人設定アイテムの名前についてではない。私の不満は、それが何を表しているのかということについてだ。つまり、Apple が Settings アプリで、機能や関連性によって、アイテムをグループ分けしようと試みているそのやり方だ。この Apple のやり方のために、経験を積んだユーザーでさえも、Settings で正しい位置までスクロールするのが難しくなっている。Apple は、このグループ分けに対して、合理的な根拠を持っているのかもしれないが、Apple の外では、それは誰にとっても明らかではない。私は、Settings 全体の中で、自分が探しているものをタップしようとするのを諦めることが、あまりにもしばしばある。そして、代わりに、Search フィールドを引き出す。その後で、Settings での検索は、しばしば上手く行かないことを思い出す羽目になる。

Apple のグループ分けのやり方は、完全に不合理だというわけではないが、それには、Settings アプリ、そして、iOS 全般に関して、最高に熟知していることが必要だ。これは、macOS の System Preferences と比べてもひどい。macOS の System Preferences では、少なくとも、全てのお気に入りペインが、スクロールの必要無しに示される。実際のところ、System Preferences は、Apple が Settings アプリをもっと操作しやすいように整理し直す簡単な方法を示している。

System Preferences が Mac 上で、最前面のアプリである時、メニューバーに行って、View > Organize Alphabetically が選べることをあなたはご存知でしたか? もはや、右下隅の Accessibility を探し回ったり、こんなにも多くのアイコンが青い丸でなかったらいいのにと願ったりする必要はないのだ。このメニュー項目を選ぶと、System Preferences は、これまで通り、グリッド状に、ただしアルファベット順にアイコンを表示する。これが、一列に並んだリスト表示に比べて、使いにくいのであれば、View メニューに戻ればよい。(もし、TidBITS の Web サイトで記事を読んでいるのであれば、画像を拡大するのにクリックすればよいことを覚えておいてください。)

image

なので、なぜ Apple は iOS の Settings アプリの中で、同様にアルファベット順に整列させる機能を提供しないのだろうか? (そう、もちろん、アルファベット順は言語によって変わるであろうことは、私も理解しているが、それは解決済みの問題だ。) 機能によるグループ分けのいくつかは残る可能性がある。だが、それぞれのグループ分けの中で、Apple は、ほとんどのユーザーが理解できないロジックに、藁をもつかむ思いでいるよりも、むしろ、単にアルファベット順に全て整列させてはどうだろう? そして、各機能の集まりに対して、少なくとも、さまざまな設定の間のつながりに関するヒントをユーザーに与えるラベルが、なぜ与えられていないのか? Bad Apple!

(余談だが、もしあなたが Settings が制御不能に陥っているという証拠がもっと欲しいのであれば、Allison Sheridan が iOS 11 の全設定に関して作ったマインドマップをぜひご覧いただきたい。彼女が作った Markdownバージョンから、私が正確に計算してみたところ、Settings には、全部で1200 を超えるアイテムがあった!)

Settings のメイン画面がどんな風になる可能性があるかについて考えてみよう。(以下のスクリーンショットは、全て iPhone X 上で走っているiOS 11.2.6 に基づく。他のデバイスや、他の iOS バージョンでは、見た目は少々異なるかもしれない。)

ネットワーキング -- 私は一番上から始めようと思う。私が Networkingと呼んでいるものについてだ。現状では、Airplane Mode が個人設定の集まりに続く最初の設定だ。これは、毎週飛行機に乗る出張者にとっては、おそらく、アクセス容易であろうが、iOS ユーザーの大多数がこれに触れるのは、おそらく、年にせいぜい 1, 2 回であろう。だが、ともかく、これはA から始まる。なので、これはここに置いておいてもいいだろう。その後で、Apple は、Bluetooth の上に Wi-Fi を配置している。もしかして、Wi-Fi の設定の方が、みんながもっと頻繁にアクセスするからだろうか? そして、それから Personal Hotspot の前に、Cellular が来る。これは、Personal Hotspot が Cellular に従属していることを考えると、少しは理にかなっている。実際には、Personal Hotspot は、Cellular の設定内に重複して存在している。

このグループの設定は、理解するのが難しくはない。たった 5 つしかないのだ。だが、以下に示した右側のスクリーンショットのように、これらが単純にアルファベット順にリストされていたなら、さらに理解困難になることがあるだろうか? 私はないと思う。

image

画面 -- 次の設定の集まりに対して私が付けたラベルは出来が良くないが、それは、Notifications、Control Center、そして、Do Not Disturb を一まとめにするのは、今日ではほとんど意味がないからだ。思うに、Apple は、かつて、Notification Center と Control Centerを画面横並びとして考えたのだ。そして、Do Not Disturb を Notificationsの近くに配置するのは理にかなっていた。だが、Notification Center は、もはや存在しない。通知は、Lock 画面で、画面の一番上から下にスワイプした時に目にするのだ。

率直に言って、私は、これらのアイテムは次のグループに統合して、このグループ分けは無くなってよいと思う。だが、これらのアイテムを一まとめにする十分な理由があると仮定して、これらをアルファベット順にしてみよう。少なくとも、こうすることで、Do Not Disturb と Notificationsは互いに隣り合わせになるが、これはアルファベット順にする前は、そうですらなかったのだ。

image

システム -- 次のグループは、ごちゃ混ぜのように見えるが、注意深く見ると、これは基本的に全て、iOS とデバイスのハードウェアに関する設定だと分かる。問題は、これがほとんど完全にランダムだということだ。General を最初に持ってきたのは、ある程度意味があると思う。と言うのは、えー、つまりそれは最も一般的だからだ。Display & Brightness とWallpaper は、概念的に幾分関連がある。だが、その後は、見たところ組織だったものは何もなく、ある特定のアイテムを引き出すのに、リスト全体を飲み込んで把握することが強いられる。Bad Apple!

このグループをアルファベット順にすると、Battery が最初に来る。これは良い副作用だ。と言うのは、これは、古いデバイスを持っている人なら誰でもよく使うオプションだからだ。その後は、アルファベット順に並んでいるので、行きたいアイテムに直接ジャンプするのはずっと容易になる。そして、私には、Control Center、Do Not Disturb、そして、Notifications が、このグループにフィットしない理由を見出すことはできない。

image

ここは、詳細に踏み込むところではないが、General は、それ自身、ごちゃ混ぜだ。Accessibility、Keyboard、そして、Software Update といったものを、General に置くことに対する合理的な理由付けとは、いったいいかなるものなのか? あるいは、もしかしたら、Display & Brightness やWallpaper は、General の中にあるべきではないのか? 誰にも分からない!

店と支払い -- 次のグループには、たった 2 つのオプションしかなく、これらは既にアルファベット順になっている。なので、私が行った唯一の変更は、なぜこれらが一緒になっているのかを明確にするラベルを付与したことだけだ。

image

コア・アプリ -- 次のグループ分けには、背後にかなりのロジックがあるが、そのロジックは、これをそのままにしておくほど十分ではない。Accounts & Passwords は、場違いに感じられるし、それ自身、アプリではない。だが、これは、Mail、Contacts、Calendar、Notes、そして、Reminders用のアカウントを設定する場所なのだ。奇妙なことに、Apple は、引き続く設定の各画面の中で、アカウントの設定を再度示すようにしなかった。なので、あなたが自分のメール・アカウントをちょっと探しているなら、それは、Mail では見つからないのだ。これら、Mail、Contacts、Calendarの 3 つが一緒になっている別の理由は、ずっと前に、これらは、"Mail, Contacts, Calendar" と呼ばれる一つのエントリーだったことにある。だが、もしあなたがそれを忘れていたら、あるいは、今はじめて知ったのであれば、このグループ分けは恣意的だと感じられるかもしれない。とは言え、Notes と Reminders は、関連があると感じられ、それは、Phone、Messages、そして、FaceTime も同様だ。Compass はほとんど誰も使わないにも関わらず (そして、その唯一の設定は、Use True North だけだ)、なぜ、Maps と Compass が互いに隣り合っているかについては、議論さえある。それから、Safari と News は、なぜ一番下に押し込まれているのだろう?

この集まりの中に、いくつか意味のある部分集合があろうが無かろうが、総じて、これはランダムで操作しにくい。特に、Safari や News を探している場合は。あなたは、リストにあるアイテムを見る度に、その名前を全て読まなければならない。これを、単純にアルファベット順にソートされているものと比べてほしい。こうすることで、論理的なグループ分けは一切失われるが、あなたがリストの中でどこにいるか、そして、名前を見ながら次に何が来るかが正確に分かる。

image

メディア -- Apple が提供する設定の集まりの最後は、明らかにメディア関連だ。あるいはむしろ、TV Provider を、単独でグループ化することによって強調する Apple の不可解な決定は別にして、これは、最後の集まりと言うべきであろう。Bad Apple! 私の最良の推測では、Apple は、Music と TV を一番上にして、iTunes U と Game Center を一番下にして、重要だと思われる順番にこれらを配列しているのだ。

だが、誰もが世界を同じように見る訳ではないので、これは、TV Providerも一まとめにして、アルファベット順に配列したなら、もっとずっと意味があるだろう。いや、TV Provider は、その他とは違ってアプリではない。だが、これを切り離す正当な理由はない。結局のところ、Apple は、Accounts & Passwords を、上にあるコア・アプリとともに一まとめにした。なぜなら、それは、いくつかのアイテムに共通する設定を制御するからだ。TV Provider も、他のメディア・アプリが使うであろう設定を提供するという点において同様である。そして、これは、今なお一番下にある。TV に隣接すべきなのだが。

image

A は Apple の A -- コラムを終えるにあたり、二言三言述べたい。Appleが Settings アプリのコンテンツをもっとアルファベット順に並べるという提案は、過激な提案であるはずがない。最終的に、Media の設定を通り過ぎてスクロールしたなら、自分でインストールしたサード・パーティーのアプリのオプションにたどり着く。そして、お気付きであろうが、これらはアルファベット順にリストアップされているのだ! 同様に、例えば、Cellular Data、Notification Style、あるいは、Search & Siri Suggestionsのリストのように、インストールされたアプリの他のどのリストを見ても、それらは常にアルファベット順だと分かる。それ以外に合理的なものはない。

だが、Apple が、独自のアプリやサービスのリストを提供する時はいつも、それらを、こうした不可解な寄せ集めのどれかに、一緒に投げ込む。Apps Using iCloud や Privacy におけるリストをちょっと見てほしい。仮に、それらがランダムではないとしても、アイテムを整理するスキームがあまりにも直感に反するので、それはランダムだと言って良いだろう。

image

どうか誤解しないでいただきたい。私は、Apple が全てを盲目的にアルファベット順にすることを提案している訳ではない。5 個以下のアイテムのリストであれば、全てのアイテムを一目で把握して、必要なものを見つけることができる。場合によっては、例えば Navigation Voice Volume (左下図)のように、もっと意味のあるやり方がある (弱から強)。だが、このように明らかに組織だったスキームがない、もっと長いリストの場合、例えば、Settings > General > Accessibility 内の Vision の設定 (右下図) の場合、なぜ、それらをアルファベット順にしないのか? そうした方が、私たちみんなにとって、もっとアクセスが容易になると思われるのだが。

image

コメントリンク17807 この記事について | Tweet リンク17807


13 個の iPhone 用 Qi ワイヤレス充電器をレビューする

  文: Julio Ojeda-Zapata: [email protected]
  訳: 亀岡孝仁<takkameoka@kif.biglobe.ne.jp>

Qi (チー) 標準規格を使ったワイヤレス充電は新しいものではないが、一時は休眠状態にあったこのテクノロジーが大きく躍進したのは Apple が iPhone 8、iPhone 8 Plus、そして iPhone X にこれを内蔵させてからであった。

今や多くの Apple ユーザーたちが知るようになったのは、スマートフォンを単純に平置きの台またはスタンド型の台の上に置くだけで自動的にワイヤレス充電が実行され、充電コードをスマートフォン本体に差し込んだりする必要がないという事実だ。

ワイヤレス充電自体は、もう何年も前から Apple 以外のスマートフォンで使えていた。Palm Pre はその最初のものの一つであり、Nokia 製 Windows フォンもこれを搭載していたし、Samsung は一貫してこのテクノロジーをスマートフォンに組み込み続けてきた。けれども最近になるまでハンドセット機のメーカーにとってワイヤレス充電は必ずしも必須のものとは考えられていなかった。注目すべきことに、Google は旧型の製品に Qi を組み込んだが、その後旗艦製品たる Pixel ハンドセットには二世代にわたってこの機能を省いてきた。

けれどもワイヤレス充電が Apple 世界の一部分となった今、Qi アクセサリーのメーカー各社は競うようにそれぞれの製品を iPhone を持つ人々の前に呈示しようとしている。私の手許にも多数のレビュー用機器が届いたので、それぞれについてこれから紹介して行こうと思うが、それ以外にもこれから登場する充電器の宣伝が次々と押し寄せている。

まだ出ていないそれらのデバイスの一つとして、Apple 製のものがある。昨年、同社は AirPower を発表した。これは、iPhone と Apple Watch Series 3 と一対の AirPods を同時に全部乗せることのできる広い台を Qi 互換のケースに組み込んで登場する予定だ。この AirPower は今年出荷されるはずで、最近は 3 月後半に出るだろうと噂されている。

image

現時点で Apple は、サードパーティ2社のワイヤレス充電器にお墨付きを与えている。Belkin と Mophie だ。それぞれ、この記事の中で詳しく紹介する。Apple の店舗でも、オンラインストアでも、両社の充電器が販売されている。

ワイヤレス充電の基本 -- ワイヤレス充電は素敵なものだが、必ずしも必須のテクノロジーという訳ではない。「充電コードを差し込むのがそんなに難しいことか?」と私は五年前に書いたことがあるし、今もその気持ちは変わらない。でも、たとえそうであっても iPhone を充電台の上に置くだけで緑の充電インジケータが灯るというシンプルさを嬉しく思わない人はいないだろう。

一見した印象では、ワイヤレス充電が何か奇跡のように思えるかもしれないが、その基盤となるテクノロジーは決して奇跡でも何でもない。最も単純化して言えば、ハンドセットの内部にあるコイルと、充電台の中のコイルとがお互いに近づけば相互作用をし、電磁誘導と呼ばれる現象を通じて充電セッションが起こる。双方のコイルはぴったりと同じ向きに並ぶ必要があり、ワイヤレス充電の際にはその他にもいろいろと気を配らなければならない。Apple が、細かな注意点を記したサポート記事を出している。

嬉しいことに、一般的に言えばスマートフォンをケースに入れているか否かにかかわらずワイヤレス充電は働くはずだが、厚みのあるケースや、金属部分の多いケース (例えばバッテリー付きケース) などは問題を起こす可能性がある。

充電にかかる時間について言えば、ワイヤレス充電は遅い方の部類に入る。特に、有線の高速充電とははっきり違う。新型の iPhone や iPad で最速の充電がしたければ、Apple の 29 ワット USB-C Power Adapter と Apple の USB-C to Lightning ケーブルの組み合わせ (2016 年 4 月 27 日の記事“iPad Pro を MacBook アダプタと新型ケーブルで高速充電”参照) またはそれと同等のものを使うのがよい。その種のものに比べれば、ワイヤレス充電はかなり遅い。(ただし、Apple の貧弱な 5 ワットのアダプタで iPhone を充電する場合と比べるならば大差はない。)

ワイヤレス充電にかかる時間は、主としてワット数で決まる。充電器によって、5 ワットのものから 15 ワットのものまである。ワット数が多ければ、通常、充電が早く済む。もちろんそのためにはスマートフォン自体も、また充電器の電源アダプタも、すべてがその同じワット数にフル対応している必要がある。

Apple の iPhone は、ごく最近になるまでたった 5 ワットのワイヤレス充電にしか対応していなかった。けれどもソフトウェアアップデートの結果、7.5 ワットの充電に対応するようになった。ただしそれは 7.5 ワットの充電器を使ってその iPhone を充電すると仮定しての話だ。現在 Apple がお墨付きを与えている2つの充電器、Belkin の Boost Up Wireless Charging Pad と Mophie の Wireless Charging Base は、両方とも 7.5 ワットの充電をする。

他のワイヤレス充電器の中には、iPhone を 7.5 ワットで充電できるかどうかはっきり分からないものもある。高いワット数 (7.5 ワットよりもずっと高い数値) を表示した充電器でも、iPhone で使うと 5 ワットに落ちてしまうものがあるが、そのことが必ずしもはっきりそう書かれているとは限らない。フルに 7.5 ワット充電ができる確証が欲しければ、Belkin や Mophie のモデルのように 7.5 ワットで iPhone を充電可能と明確に保証しているものを使おう。

でも正直言って、たいていの人はワット数などあまり気にする必要はないだろう。iPhone を一晩中充電器の上に置いておいて、朝になればフル充電された iPhone を持って出かけるというのならば、たとえ低いワット数でも問題ない。それに、Matt Birchler や他の人たちがテストしてみた結果によれば、5 ワットと 7.5 ワットで充電速度にそれほど大きな違いは見られないようだ。

充電器を選ぶ -- かつては、いくつか競合するワイヤレス充電テクノロジーが互いに優位を争っていた。けれども今は Qi が Wireless Power Consortium の後押しを受けて君臨し、競合していた Power Matters Alliance と呼ばれる団体は事実上力を失っている。

幅広い種類の構成や機能を持ったさまざまの充電器が出回っているので、その中の一つを選んで購入しようと思えばやはり困惑させられる。ワット数以外にも、以下のような重要な要因を考慮に入れるべきだろう:

Apple 推薦の充電器 -- AirPower が登場するまでの間は、Belkin と Mophie から出ている Apple お墨付きの 7.5 ワット製品が次善の選択肢だ。

この両者はよく似ている。いずれも表面は平らな円板状で、独自仕様のコードと電源アダプタを持つ。$59.95 の Belkin Boost Up Wireless Charging Pad (認定済) の方が直径は大きく、充電ケーブルを充電台から取り外すことができ (ただし電源アダプタから取り外すことはできない)、色はホワイトでよく目立つ。

image

一方 Mophie の $59.95 の Wireless Charging Base (認定済) の方は少し小さく、黒っぽい地味な円板状、コードはやはり台から取り外せるけれども反対の端で電源アダプタからは取り外せない。

image

いずれの充電器も十分に滑りにくい表面を持つ。宣伝されている通りに動作する。Apple が気に入っている。それ以上、言うことはあまりない。

その他の平置き充電器 -- ワイヤレス充電器の世界においては、平らな台の形をしたものが最も一般的だ。それらの中から私が最も気に入ったものをいくつか挙げてみよう:

Satechi の $34.99 の Aluminum Wireless Charger (認定済) は、美しいアルミニウム製の台で、面取りした端の部分にいろいろな色を選べる。見栄えが魅力的なので、表面が滑りやすいことも許せる気になれる。だから、これを使って充電する際には iPhone のバイブレーションをオフにしておくのが賢明だろう。電源アダプタは付属していない。

image

充電状況表示灯はあるが、iPhone ユーザーには一つ大きな注意点がある。充電が終わっても、他のハンドセットのように表示灯が青から緑に変わらないのだ。この厄介な問題は他の充電器でも見られる。例えばこの少し先で紹介する RAVPower と Samsung のモデルにも同じ問題がある。

この Satechi の充電器は互換なスマートフォンを 9 ワットで充電する。けれども iPhone ではたった 5 ワットでしか働かず、Apple ハンドセットが対応可能な 7.5 ワットに達することができない。

Aukey の $24.99 の LC-Qi Wireless Fast Charger は、見た目が少し巨大なギターピックに似ている。Apple 以外のハンドセットは最大 10 ワットで充電するが、iPhone は 5 ワットでしか充電しないことをメーカーが確認している。このユニットは USB-C ポートで接続し、ケーブルも付いているが、電源アダプタは付いていない。この充電器は冷却ファンを内蔵しているが、私はそれが動き出す音を聞いたことがない。ひょっとすると、Apple 以外のハンドセットを高ワット数で充電し発熱が大きくなればファンが回るのかもしれない。

image

Bezalel の $49.99 の Futura X は、ピカピカして薄型、少し膨らみのある角の丸い正方形で、飲み物のコースターのようにも見える。(白または黒のアクリル製だ。) Micro-USB ケーブルが付属するが、電源アダプタはない。充電は 5 ワットのみだが、格好良さと持ち運びし易さがその欠点を埋め合わせる。

image

Bezalel によれば、今年のどこかの時点でスタンド風の追加アクセサリーを出すので、スマートフォンをこのピカピカの台に立てた状態で充電できるようになるという。

RAVPower の $49.99 の Fast Wireless Charger は、今回紹介するものたちの中で私の一番のお気に入りだ。コンパクトで、頑丈で、重みのある、洗練された円盤状で、(称賛すべきことに!) 電源アダプタと、非常にしっかりした編組 USB-C コードが付属している。対応するスマートフォンならば 10 ワットで充電する。"7.5W for iPhone X, 8 & 8 Plus" と宣伝しているので、Apple ユーザーにとっても悪くない選択肢だろう。

image

Samsung の $49.99 の Fast Charge Wireless Charging Pad (認定済) は、大型で、高さもあり、微妙に透明なところのある円盤状で、ホワイト、ブルー、ブラックサファイアの各色がある。電源アダプタと Micro-USB コードが付属する。充電は 9 ワットとのことで (Samsung に iPhone を充電する際のワット数を問い合わせたが返事は得られなかった)、冷却ファンを内蔵する。

image

スタンド型充電器 -- この種のアクセサリーは角度を付けて iPhone を置くようになっていて、メッセージの到着に目を配ったり、FaceTime チャットをしたリ、その他のことを充電中にも続けたい場合に便利だ。iPhone X では、ハンドセットを持ち上げずに Face ID 認証ができるので斜めに立てて置けるのは都合が良い。

Samsung の $39.99 の Fast Charge Wireless Charging Stand (認定済) は、たった今紹介したばかりの同社の Fast Charge Wireless Charging Pad と非常によく似ている。ただ、透明なところがない点と、ハンドセットを横置きにも縦置きにでも立てておける角度の付いたデザインが違うだけだ。これもやはり最大 9 ワットの充電をし、冷却ファンを内蔵し、Micro-USB コードと電源アダプタが付属する。

image

Samsung の $58.96 の Fast Charge Wireless Charging Convertible (認定済) は、高級感があり、それに見合った価格で、充電台が革風の素材で覆われる。

image

その充電台をスライドさせて動かせば、角度を付けて立てる配置から平置きの配置へ切り替えられる。どちらの配置でも充電はできる。立てる配置では、スマートフォンを横置きにも縦置きにもできる。この充電器は 9 ワットで動作し、熱対策のファンも内蔵する。USB-C コードと電源アダプタも付く。

その他の充電器 -- ワイヤレス充電器の中には他の機能、例えば、有線での充電や外出先での電源用の電池パックを組み込んだものもある。

Bezalel の光沢のある黒か白の $59.99 の Prelude Wireless Charging Power Bank は、電話や他の小型機器を USB-A ポート経由で有線で充電するための携帯型の電池を持ち、上面はワイヤレス充電用となる。

image

この電源バンクを充電するには Micro-USB ポート経由で行い、完了したら外して持ち出せる。電源ボタンを押すと、4つの青色 LED が一列に並んだ表示器が電池の残量を示す。ワイヤレス充電能力は 5 ワットである。これは、少々かさばるが、旅には適した優れものである。

Nomad の $79.95 の Wireless USB Hub は、4ポートの USB ハブである (USB-C ポートが1つ、iPad や iPhone の充電に適した高出力 USB-A ポートが2つ、そして AirPods や他のアクセサリの充電に適した標準の USB-A が2つ付いている)。このハブは特大のホッケーパックのような形で、上面は 7.5 ワットのワイヤレス充電器となっており、これが同社の他のパック型の USB ハブとの違いになっている、

私は最初この製品にワクワクした。と言うのも、それは見栄えが良いし、有線でも無線でも充電出来る多用性を与えてくれるからである。しかしながら、私に貸し出されたものは数日のテストで死んでしまった。皆さんがこの記事をお読みなっている段階では、私は何が起こったのか調べている所である (現時点では、不良品に当たってしまったと思っている)。私は、非の打ち所のないこれまでの経験からして Nomad の機器には注目しており、この製品を直ちに退けてしまう積りはないが、もし購入されるのであれば、返金を求められるオプションを付けるのはお忘れなく。

image

電話のための車載ドックは別に新しくはないが、ワイヤレス充電は新しい切り口である。

Scosche の $49.99 の StuckUp Qi Wireless Charging Universal Window/Dash Mount (認定済) は、車のダッシュボードやウィンドシールドに貼り付く標準の自動車用マウントを備えており、クランプ型のドックが付いた捻れたアームが組み込まれている。

このダッシュマウントが他と違うのは、ワイヤレス充電パッドが電力を USB-C コード経由で受けており、パワーアダプターは車のアクセサリポートに差し込まれるということにある。このやり方はうまくいくが、ドックのクランプ機構をスマートフォンに合わせて調整しなければいけない。さもなくば、うまく充電されないことも起こりうる。

このドックはプラスチックぽく、弱そうに見えるが、これは残念ながらこの部類に即する製品では別に珍しいことではない。

image

Bezalel の $59.90 の Omnia は空気吹き出し口に取り付く。電話が乗る部分は小さな板状で、巨大なクランプ型の Scosche ドックとは異なり、電話をしっかり保持するためには磁力に依存している。

このしっかりした保持力を実現するため、Bezalel は磁力保持を実現する iPhone ケースを提供している。iPhone 6 にまで遡る旧型の iPhone すらもこの方式を使える。と言うのも、Bezalel は "レシーバーケース" も売っており、これによりワイヤレス充電 (Lightning ポートへの物理的な接続経由で) と磁力マウントの両方を達成している。

この磁力保持は他の Bezalel 製品でも使える。それには前に触れた Futura X や Prelude も含まれる。この方式によれば、充電面にどの様に電話を置くかのイライラのつのる試行錯誤も全く不要になる。もし iPhone 用に Bezalel ケースを既にお持ちなら、どちらの Bezalel 充電器でも一発で場所出し出来る。素晴らしい。

image

今後予定される充電器 -- 私は、発売間近のワイヤレス充電器についてだけで、一つの記事全部を埋めることも出来るが、ここではその内の数点だけを取り上げようと思う。

Las Vegas での最近の Consumer Electronics Show で、Belkin は、家庭及び自動車向けの一連のワイヤレス充電製品のお披露目をした。RAVPower も幾つかの Qi 機器を準備中である - そこにはワイヤレス充電を内蔵したモバイル電源バンクも含まれる - 数週間内の発売が見込まれている。そして Aukey は 10 ワット充電器を提供しようとしており、これは 7.5 ワット iPhone 充電もサポートする

クラウドファンディングの分野では、Plux という会社が Indiegogo 資金を AirPower 似の複合ワイヤレス充電パッド (これも Plux と呼ばれている) 用に募っている。これは iPhone, Apple Watch Series 3 そして AirPods を同時に、立てた状態か平らに置いた状態のどちらででも充電出来る。このプロジェクトは $5,000 の目標を大幅に超えた - しかし、どんなクラウドファンディングプロジェクトにも言えることだが、あまり期待を膨らまさないようにされたい。何故ならば、ご存知のように沈没してしまったものも幾つかあるからである。

image

ワイヤレス方式 -- 数年前、私は一時期 Qi 充電について夢中になったことがある、しかし、私は主として iPhone ユーザーであり、Qi はそれ程意味のあることではなく、間も無く興味は薄れていった。それに、Qi は消費者向け技術の世界では地位を築いたが、爆発的にとまでは行かなかった。

Apple はそれを Qi 技術を自らのエコシステムに引き込むことで変えた。同社は Qi の認知度を高め、そしてアクセサリメーカーの間に高揚感を引き起こしたので、今後は iPhone で使い易いワイヤレス充電器の選択肢が大幅に広がることが期待出来る。

コメントリンク17810 この記事について | Tweet リンク17810


TidBITS 監視リスト: 注目のアップデート、2018 年 2 月 26 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

Bookends 13.0.6 -- Sonny Software が Bookends 13.0.6 をリリースして、この文献参照管理ツールのデータベースエンジンを更新した。今回のアップデートではまた、Copy Citation および Copy Formatted のテキストを Apple Pages 書類の中に自動的に挿入できるようにし、Crossref 検索で見つかったメタデータを改良し、PDF ビューワーで PDF を回転できるようにし、Cited インスペクタを改良し (ドラッグ&ドロップでライブラリの中へ読み込めるようにし)、また Science のウェブサイトでの問題点を回避して PDF の自動ダウンロードが再び機能するようにしている。(新規購入 $59.99、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、46.8 MB、リリースノート、10.9+)

Bookends 13.0.6 へのコメントリンク:

Fantastical 2.4.6 -- Flexibits が Fantastical 2.4.6 をリリースして、Microsoft Exchange 上で招待客が招待状に返事を出した際の通知を追加した。このカレンダーアプリはまた、Day 表示の中で詳細の長い説明のあるイベントをスクロールできるようにし、メニューバーや Dock のダークテーマを使っている際の Spotlight 検索結果の表示の見栄えを改善し、毎日繰り返すイベントが真夜中を跨ぐ場合に Week 表示で正しく表示されなかった問題を修正し、Travel Time メニューが自宅や職場のアドレスを常に正しく表示するようにし、Week 表示や Month 表示が起動時に空白のままになることがあった問題を解消している。(Flexibits からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、15.3 MB、リリースノート、10.11+)

Fantastical 2.4.6 へのコメントリンク:

Parallels Desktop 13.3 -- Parallels が Parallels Desktop のバージョン 13.3 をリリースして、この仮想化ソフトウェアにいくつかのバグ修正を施した。今回のアップデートでは、Windows アップデートをインストールした後にウィンドウが不均衡にスケールされた問題に対処し、Boot Camp ベースの仮想マシンがバージョン 13.2 で起動しなかった問題を解消し、仮想マシンを他の Mac へ Thunderbolt Bridge を使いネットワーク接続するとクラッシュした問題を回避し、Windows 仮想マシンに以前から残っていた多数の問題点 (遅いログイン、反応しない Start Menu、一部のアプリでキーボードが使えなくなるなど) を解決し、また Parallels Tools が macOS 10.13 High Sierra 仮想マシンで動作しなかったバグを修正している。(Standard Edition の新規購入 $79.99 (アップグレード $49.99)、Pro/Business Edition は年額 $99.99 (Pro への更新の場合 $49.99) の購読、251 MB、リリースノート、10.10.5+)

Parallels Desktop 13.3 へのコメントリンク:

Keyboard Maestro 8.1.1 -- Stairways Software の Peter Lewis が Keyboard Maestro 8.1 8.1 をリリースして、Prompt With List アクションにいくつかの追加機能 (例えば初期検索文字列や、手動および自動の幅設定など) を追加した。この自動化およびクリップボード用ユーティリティはまた Execute Macro アクションタイトルにもう一つ別のパラメータを加え、Custom HTML Prompt で JavaScript がウィンドウを即座に閉じた場合にクラッシュする可能性があったのを修正し、Named Clipboard ポップアップメニューで New... を選択した際の問題を修正した。このリリースの後間もなく、Stairways Software はバージョン 8.1.1 を出して Append to File アクションを修正し、Trigger Macro by Name での問題点を解消し、AppleScript を使って辞書や辞書キーを作成することに関係する問題点を修正した。(新規購入 $36、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、22.3 MB、リリースノート、10.10+)

Keyboard Maestro 8.1 へのコメントリンク:

1Password 6.8.7 -- AgileBits が 1Password 6.8.7 をリリースして、一部のウェブサイト (例えば Bank of Montreal、UBS、Citi、DOCO Credit Union など) でのログインの問題に対処を施した。このパスワードマネージャはまた、Identity や Credit Card フォーム記入に全般的な改善を施し、スウェーデン語のクレジットカード用フォームの有効期限欄とカード名義人項目への記入を改善し、WordPress の再認証プロンプトに記入すると間違ったフィールドに記入されていた問題を解決し、Facebook の登録ページへの記入で Identity 項目の記入を改良している。(AgileBits および Mac App Store から新規購入 $64.99、または無料入手で月額 $2.99 か $4.99 の購読、無料アップデート、48.7 MB、リリースノート、10.10+)

1Password 6.8.7 へのコメントリンク:

Airfoil 5.7 -- Airfoil 5.7 で、Rogue Amoeba はどんな Mac ソースからでも Apple の新しい HomePod (2018 年 2 月 12 日の記事“HomePod の第一印象: 音楽を (Apple Music を) 奏でよ”参照) へオーディオを送信できる機能にフル対応した。また、Airfoil は HomePod が送信した音量や再生のコマンドを処理できるようになり、その際再生関係のコマンドは Spotify や iTunes など対応可能な Mac オーディオソースへ手渡されるようにした。このワイヤレスオーディオ送信アプリはまた、Mac 上の Downcast で拡張メタデータや遠隔コントロールへの対応を追加し、djay Pro 2 でタイトルトラックへの対応を追加し、Apple TV で使うパスコードのフィールドで項目が隠れてしまわないようにし、工場出荷時リセットを実行する際キーチェーン項目もクリアするようにした。(新規購入 $29、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、14.2 MB、リリースノート、10.10+)

Airfoil 5.7 へのコメントリンク:


ExtraBITS、2018 年 2 月 26 日

  文: TidBITS Staff: [email protected]
  訳: Mark Nagata <nagata@kurims.kyoto-u.ac.jp>

今週の ExtraBITS では、Apple が第一世代 Apple TV から iTunes Store へのアクセスを間もなく終了させ、Tim Cook が自身の Apple での仕事に肯定的な見解を述べ、連邦裁判所判事が tweet 埋め込みは著作権侵害の可能性ありと判断した。

Apple、第一世代 Apple TV から iTunes Store へのアクセスを終了 -- まだ第一世代の Apple TV を使っている人は、Apple がセキュリティ対策の変更のため 2018 年 5 月 25 日をもって第一世代 Apple TV から iTunes Store にアクセスできなくすることに注意しよう。このセキュリティ対策の変更により、Windows XP または Vista を搭載した Windows PC も iTunes Store にアクセスできなくなる。ハードドライブ搭載の第一世代 Apple TV は、2007 年 1 月に発売が開始され、2010 年 9 月まで販売が続けられた。第二世代およびそれ以降の Apple TV は引き続き iTunes Store からコンテンツを入手できる。

コメントリンク: 17817

Tim Cook: "ここで私は良い年月のみを過ごした" -- Apple CEO の Tim Cook が、Fast Company の Robert Safian とのインタビューで幅広い話題を語った。Cook は自身の Apple での職についてかなり良い感触を得ており、インタビューの冒頭に「ここで私は良い年月のみを過ごした」と述べた。Apple の株価は素晴らしい好調さを見せているけれども、Cook は株式市場に対する懸念を表明しつつ、Apple が忍耐強さをもって製品を開発していること (「私たちは顧客の皆様を実験台にしようとは考えておりません」)、彼自身顧客からのフィードバックに目を通していること (「最も思慮深いものは特に重要視したいと考えております」) を論じ、顧客たちが正しいことができるよう力を添えること (例えば Do Not Disturb While Driving 機能など) こそ Apple がすべきことだと願っていると語った。

コメントリンク: 17809

連邦裁判所判事、tweet 埋め込みは著作権侵害の可能性ありと判断 -- 米国における著作権の法的概念が既にインターネットに追い付いたと思っている人は、その考えが間違っていると知るべきなのだろうか。連邦地方裁判所の判事 Katherine B. Forrest が、ウェブページに誰か他の人の tweet を埋め込む行為が著作権の侵害になり得るという判断を示したのだ。今回の裁判は、New England Patriots のクォーターバック Tom Brady を撮影した写真を写真家 Justin Goldman が自身の Snapchat Story に投稿したことが発端となった。他の多くの人たちがこの写真について tweet し、それらの tweet がさまざまのニュースメディアに埋め込まれたので、Goldman がそれに対する訴訟を起こしたものだ。問題は、インライン・リンクがインターネットにおける核心的な機能の一つであり、もしも今回の判断がさらに広範に拡張されるようになったならばごく一般的なインターネット挙動に対して萎縮効果が及ぶだろうという点だ。(ウェブ以前の時代に Ted Nelson の意見に誰も耳を貸さなかったのは残念なことだ。彼の Xanadu ハイパーテキストシステムは、その中に埋め込まれたコンテンツの所有者の権利を擁護すること、そしてマイクロペイメントを通じて正当に支払いをすることの重要性を正しく理解していた。)

コメントリンク: 17808


tb_badge_trans-jp2

TidBITS は、タイムリーなニュース、洞察溢れる解説、奥の深いレビューを Macintosh とインターネット共同体にお届けする無料の週刊ニュースレターです。ご友人には自由にご転送ください。できれば購読をお薦めください。
非営利、非商用の出版物、Web サイトは、フルクレジットを明記すれば記事を転載または記事へのリンクができます。それ以外の場合はお問い合わせ下さい。記事が正確であることの保証はありません。
告示:書名、製品名および会社名は、それぞれ該当する権利者の登録商標または権利です。

TidBITS ISSN 1090-7017©Copyright 2018 TidBITS: 再使用はCreative Commons ライセンスによります。

日本語版最終更新: 2018年 03月 03日 土曜日 , S. HOSOKAWA