Mac の売上は $5.8 billion で、前年に比べて増減なしであったが、Mac の事業としては、販売台数が 3% の減で、下降となった。この四半期に市場の投入された新しい Mac はなく、更に最新の MacBook Pro キーボードのユーザーからの不満もこれらの結果に影響したのかもしれない。
あなたが、多くの Internet ユーザーと同様であれば、ここ 2, 3 週間のうちに、条項やプライバシー・ポリシーに対する変更を告げるために、各社から、曖昧で妙に明るい通知が数多く来たであろう。各社が言おうが言うまいが、こうしたアップデートの多くは、EU の General Data Protection Regulation (GDPR, 一般データ保護規則) に適合するためのものだ。GDPR は複雑な政策および規制の枠組みであって、欧州市民に対して、自分たちの個人データに関する「デジタル権利」を与えることを目的にしている。すなわち、誰がそれを保有し、自分たちが何を保有し、そして、それがどのように使用されるかといったことだ。
大まかに言えば、GDPR は、あらゆる EU 市民 (この規制の専門用語でデータ対象者)、ならびに、広範囲で重なりのある二つの組織分類、すなわち、データ管理者とデータ処理者に対して適用される。データ管理者は、情報を収集、使用し、一方、データ処理者は、データ管理者の代わりに、そうした情報を貯蔵、管理し、あるいは、そのデータに基づいて行動する。
電子メール・アドレス、位置データ、スマートホン・デバイスの識別子、そして、IP アドレス (動的にアサインされる IP アドレスでさえも)、これらは全て、個人情報と見なされる。技術的には、事実上全ての Internet サイトや Internet に接続されたアプリは、いったん EU の住人によってアクセスされたならば、GDPR の対象となる。と言うのは、そうしたサイトやアプリはほぼ全て、デフォルトで、ユーザーの IP アドレスを記録するからだ。
管理者は、個人データ使用に対するユーザーの承諾を文書で記録しなければならない:これは単に yes か no を記録するだけでは十分でなく、それを収集するのに使ったフォームや画面のバージョンも含んだ時間スタンプされた記録、そして、電話台本、完全なサービス利用規約、そして方針の様な関連する全ての書類と言ったものが必要とされる。もし論争になったら、管理者は同意が合法的になされたことを証明出来なければならない。
購入や寄付は、マーケティングや更なる接触への同意ではない。たとえ一人の EU 住人があなたの Etsy 店から何かを買っても、或いはあなたのポッドキャストに寄付をしても、あなたはその人を自分のマーケッティングリストにただ単に付け加えることは出来ない。更なる接触への同意は、別で、明白で、曖昧でなく、そして自発的でなければならない。支払いページにある前もってチェックマークの入ったチェックボックスでは通用しない。
あなたは、IP アドレス, 電話番号、請求先住所、或いは他のデータからその人が EU 住人かどうかを判断する魔法の方法を持っていると思っているならば (従って、GDPR が適用されるかどうかが分かる);その様に思ってはいけない。あなたはユーザーに直接その人が EU 市民かどうか尋ねなければならないであろう。そして、違っていれば、より緩やかなプライバシー保護を提供することも可能かもしれない。でも、それはあなたが伝えたいメッセージではないであろう。小さな店にとって、誰に対してでも、GDPR 保護を適用することが通常は一番の近道である。
英国は European Union を 20 March 2019 に離脱することになっているが、GDPR の本質からまで離脱することはないであろう。英国は、今年の5月に GDPR が効力を発したら、それに従うであろうし、そして、提案されている "Great Repeal Bill" の下では、GDPR は Brexit (英国離脱) 後に英国法に組み込まれるであろう。英国法はその後、提案されている Data Protection Bill で修正されることになるであろうが、GDPR から大幅に乖離したものとはならないであろう。
しかしながら、Brexit はデータ保護に対して直ちにある程度の影響を及ぼす。と言うのも、英国は最早 US-EU Privacy Shield (米国と EU 間の商業目的の個人データ交換に関する現行の枠組み) や US-EU Umbrella Agreement (法執行協力に関する枠組み) に属さないからである。英国は、米国と European Union の両者との間で個別に合意を持ちたいと思っているが、現時点では何も合意されていない。
GDPR は大切か?
Internet ユーザーは、自らの個人情報が細心の注意を要するものになり得ることに段々気づきつつあり、そして我々は膨大なデータ漏洩の時代に生きている。量がまとまると、我々のデータは意見の対立を招いたり、選挙に影響を及ぼすことに利用される。個人レベルでは、悪用されると色々な影響が出る:なりすまし、職を失う、信用格付けが改変される、保険料率の増加、医療費の増加、等々である。そして、勿論のこと、我々の個人データは、多くの時価総額が世界一の企業にとっても本物のお金に値する。
GDPR の登場で、データ保護法制に関しては、米国は European Union に大きく遅れをとることになる。緩やかな "事前承認" や既にチェックの入ったチェックボックスは今でも米国では許容される。信用情報に対しては限定的な例外はあるものの、個人は今でも、自分について収集されたデータを見る、或いはそれを訂正させる、又は忘れてもらう実質的な権利を有していない。米国の州の中には、データ漏洩法を成立させた所もあるが、個人データが流出した場合、その個人に知らせることを課す全国的な規制は無い。そして、企業は基本的に彼らが有する如何なる個人データも、好きなように、好きな期間にわたって使用出来る。
しかしながら、GDPR は米国人や多くの非 Europe の Internet ユーザーにも間接的な恩恵をもたらすであろう - そして、皆さんが現在受け取っている新しい契約条項やプライバシー方針に関する通知がその証拠である。企業は GDPR 恩恵を Europe 以外のユーザーにも拡大するべきとする圧力を感じている。明らかに沈黙を守っている企業もあるが (Google の様に)、Apple は既に GDPR 規制を米国と他の市場における顧客に適用すると発表している。それには、Apple が処理する情報を見、そして正す能力をユーザーに与えることが含まれる。Facebook さえも、GDPR の "精神" を Europe 外のユーザーにも適用すると言っているが、GDPR 保護を世界的に広げてはいない。
映画“Ready Player One,”の中で、人々は仮想現実 (VR) のヘッドセットと触覚フィードバックのある衣服を身に着けて、OASIS と呼ばれる仮想世界の中で生きる。この映画も、また New York Times がベストセラーとして紹介した原作の小説も、どちらも素晴らしいし、大いにお薦めしたい。けれども映画の全編を通じて、登場人物が VR ヘッドセットを着けていて近くに誰か他の人物がいるのを見ると、自分の視覚と聴覚が外の世界から切り離されていればどんな攻撃を受けても分からず、ひどく恐ろしいのではないかと思わざるを得ない。
数値だけを見れば素晴らしく聞こえるが、私が試した感触では、ビデオの画質はまあまあという程度で、私が観た Netflix の番組では iPad Pro で観るほどには良くなかった。とりわけ暗いシーンで差が気になった。レンズを調整してどちらの目でも可能な限りはっきり見えるように調整しても、常にどこかがぼやけていて、特にスクリーンの下の端近くでぼやけが目立った。ローカルに保存した映画の方が、Netflix で観るよりもビデオの画質が良かった。だから、画質が気になる場合は、いったん DVD か Blu-ray ディスクにリッピングしたものを使う方が最良の画質設定に調節できるのではないかと思う。
内蔵のノイズキャンセル機能付きヘッドフォンは、素晴らしいオーディオを提供する。Royole によれば Moon のヘッドフォンは 92% 以上のノイズ低減率を達成し、ノイズ低減レートは 22 db 以上だという。フル仕様書を見ればさらなるオーディオの詳細値が分かる。
この Moon はカスタム Moon OS で動作する。これは Google の Android から派生した OS だ。2 GB の RAM を搭載し、コンテンツの保存用に 32 GB のハードドライブを内蔵する。これらすべてが iPhone 程度の大きさの箱に収められ、ヘッドセットと電源に接続するためのジャックと、オン・オフのために使う大きな電源ボタンがある。ワイヤレス接続性は 802.11n Wi-Fi と Bluetooth 3.0 に対応しており、また mini HDMI ポートと、他のビデオ入力源に接続するためのアダプタも付いている。6000 mAh のバッテリーを内蔵し、USB 経由の 2 時間充電と、5 時間のビデオ再生を約束する。
基本的な使用に関しては、Moon OS はかなり使いやすい。水平方向にスクロールする大きなアイコンが並んだ画面が示され、常にどれか一つのアイコンが選択されている。右の耳当ての上で左右にスワイプすることで、アイコンを切り替えられる。一つのアイコンの中へナビゲートするには、右の耳当てをタップする。ダブルタップすれば前のレベルに戻る。音量を変えるには右の耳当ての外側に沿ってぐるりとスワイプする。(スクリーンショットの出来が悪くて申し訳ないが、レンズを通して写真を撮るのはなかなか難しく、しかも周辺部分が実際に見るよりぼやけて写ってしまう。)
全体的に見て、コントロールは少々煩わしいが、困難というほどではない。ただしそれは、Netflix アプリをインストールして使いたい場合を除いての話だ。(私のレビュー用ユニットには Netflix アプリがあらかじめインストールされていなかったが、今はその点が変わっているかもしれない。) Moon OS にはフル機能のウェブブラウザが含まれているが、スクリーン上のキーボードを使って URL を入力したり Google 検索をしたりするのは、扱いにくく、のろのろしていて、間違いが起こりやすい。文字を「タイプ」するには、右の耳当ての上でドラッグすることで Mac 風のポインタを動かして、欲しい文字の上にポインタが来たら右の耳当てをタップする、という作業を繰り返す必要がある。
結びにもう一言。Royole Moon は没入体験を実際に提供するが、それは良いことでも悪いことでもある。映画 Ready Player One の登場人物たちは、仮想世界にフルに参加したいがために、現実世界の中に自らの身を隠す必要があった。歯の治療をするというような特別の状況を別にすれば、Moon においても物理的に外界から隔絶されることが必要かもしれない。
多くの意味で、その初代の iMac は Apple の復活のための鍵となった。Apple の財政と製品種目が制御不可能な状態に陥っていた当時、Steve Jobs が単純化して呈示した4種の製品マトリックス (1998 年 5 月 11 日の記事“Apple Hardware Strategy: Alluring PowerBooks and iMac”参照) の中で、議論はあったかもしれないが iMac は最も重要な位置を占めていた。
けれども iMac にも論議を呼んだ点がない訳ではなかった。これは、今では流行の最先端を行く USB を採用する代わりに旧来のポートを廃止した初めての Mac であったので、ユーザーたちはどうやって周辺機器を接続するのかと苦心惨憺する羽目になった。(1998 年 8 月 24 日の記事“iMac Connection Guide”参照。)
それにもかかわらず、この初代の iMac は Apple の財務業績に驚くべき効果を及ぼした。四半期で 1 億 6 百万ドルという、当時としては驚嘆すべき売上げを記録したのだった。今日の Apple が四半期ごとに Mac を売上げる数十億ドルという数字に比べれば見劣りする数字だとしても。(1998 年 10 月 14 日の記事“iMac Propels Apple to $106 Million in Earnings”参照。)