理想的なインターネット・バックアップの方法を今もまだ探し続けている人たちのために、Glenn Fleishman が Arq と Backblaze の B2 ストレージサービスを使って自前のクラウドバックアップを作るやり方を説明する。今週号ではまた、Adam Engst が Mac のドライブ上にある不可視ファイルを見えるようにする簡単な方法を紹介し、また Apple プロフェッショナル向けのカンファレンスを 33 個リストする。それからもう一つ、米国の Memorial Day の祝日のため、来週は電子メールをお休みさせて頂く。今週注目すべきソフトウェアリリースは BusyCal 3.3.6、SoundSource 3.1、PDFpen と PDFpenPro 10.1、Microsoft Office 2016 16.13、Bookends 13.0.9、それに Tweetbot 3.0 だ。
次の月曜日は米国の Memorial Day (戦没者追悼記念日) の祝日なので、旅行したり家族のために過ごしたりするため電子メール号をお休みにさせて頂く。
これからの二週間もウェブ上での新しい記事の出版はいつも通りに続けるし、TidBITS の次回の電子メール号は 2018 年 6 月 4 日、つまり Apple の WWDC キーノートの当日にお届けする。キーノートの最中には、皆さんどうぞご遠慮なく、SlackBITS の #events チャンネルに参加して頂きたい。もしもその当日ロンドンにおられて、もしも星の巡り合わせが合えば、AltConf London の会場で Adam と Tonya、あるいは Stairways Software の Peter Lewis と会えるかもしれない。(2018 年 5 月 21 日の記事“2018 年の Mac および iOS のプロ向けカンファレンス 33 選”参照。)
その間も、TidBITS 会員は個々の記事が出版され次第電子メールで受け取ることもできるし、フルテキスト付き RSS で読むこともできる。もちろんそれ以外のすべての読者の皆さんも TidBITS ウェブサイトを訪れて、動作を再開した TidBITS News iOS アプリを使って、あるいは Apple News (2018 年 4 月 19 日の記事“TidBITS を Apple News で読むには”参照) を使って、記事を読んで頂くことができる。さらには、RSS、Twitter、Facebook で記事見出しの通知を受け取るという方法もある。
これを機会に過去の号を見直してみたい方のためには、すべてのバックナンバーがいつでもオンラインで入手可能だ。
時折、熟練の Mac ユーザーは、通常は見えないファイルやフォルダで作業をする必要に迫られる。つまり、名前がピリオド文字「.」で始まるファイルやフォルダだ。これらのものは、以前の記事“Lion の隠れた Library に対処”(2011 年 7 月 20 日) で初めて説明し“Library の犯人は Shift キーだ!”(2017 年 4 月 7 日) で再び触れた、‾/Library フォルダを見えるようにする技とは全く別の話だ。
いくつかの Unix レベルのファイルやディレクトリの名前がピリオド文字で始まっているのはそれらがデフォルトで隠されるようにするためで、多くのアプリが自らのサポートファイルをユーザーの目から隠すためそのようなファイルやディレクトリを作成する。私のホームディレクトリのトップレベルには現在ピリオド文字で始まるファイルやディレクトリが 61 個あるが、その中の一つには何と 2008 年の日付が付いている。.Maelstrom-data という名前のファイルで、その昔のゲーム Maelstrom に関係するものに違いない。楽しくも懐かしい思い出だ。ずっと最近になって必要が生じたのは ~/.ssh の中に公開鍵が入っているかどうかを調べる必要があったからで、そのことがこの記事を書くきっかけとなった。
macOS は Unix に基づいているので、いつでも Terminal を開いてディレクトリの中のすべてのファイルをリストさせることができ、コマンド ls -asl を使えば不可視のものも含めてすべてが見える。(それには ls -a だけで十分なのだが、私はいつも ls -asl を使って、隠れたファイルも、ファイルサイズも、詳細情報も表示させるようにしている。)
けれども、わざわざ Terminal を使いたくないと思う時もある。それに、そういうファイルの一つを Dock 上のテキストエディタのアイコンの上へドラッグするだけで手軽に開くことができれば嬉しいこともあるだろう。だから、そういう不可視ファイルを Finder のウィンドウの中でそのまま見ることができれば、ありがたいのではないか？ 実はそれができるのだ！
それには、ただ Command-Shift-. (コマンド-シフト-ピリオド) を押せばよい。それだけで不可視な項目が見えるようになる。ファイルやディレクトリを隠すために Unix が使っているのがピリオド文字なので、このショートカットは覚えやすいだろう。(指が Command-. (コマンド-ピリオド) を記憶しているのでちょっと違和感があるという人にはボーナスポイントを差し上げよう。こちらは、Mac で「止めろ！」を意味する汎用のキー組み合わせだ。)
このキーボードショートカットを押した後は、隠されていたすべてのファイルやディレクトリが見えるようになる。ただしそれらはグレイアウトされていて、本来不可視であるはずのものだと分かる。これは、開いた Finder ウィンドウのすべてでそうなる。グレイアウトされているけれども、Finder の中の他の普通のアイコンと同じように操作できる。ダブルクリックしたり、コピーしたり移動したり、アプリの Dock アイコンの上へドラッグしてそのアプリに開かせたり、さらにはゴミ箱へ入れることさえできる。すべてが普通に働く。そうは言っても、思慮を無くしてはいけない。これらのファイルは見たり操作したりすべきでないからこそ隠されているのであって、ちゃんと分かってするのでなければ無闇に触るべきではない。
(上の二つのスクリーンショットを注意して見比べた方のために説明を加えておくと、Terminal が表示するリストと Finder ウィンドウのリストは違っていて、ls コマンドが出力するリストでは名前が大文字で始まるものが一番上に集まるのに、Finder が表示するアルファベット順は大文字と小文字を区別しない。)
不可視ファイルを表示させればある意味楽しいけれども、反面これでは表示がゴチャゴチャして見にくい。それらが隠された元の状態に戻すには、もう一度 Command-Shift-. (コマンド-シフト-ピリオド) を押せばよい。あなたがこのキーボードショートカットを覚えている限り、必要が生じれば不可視ファイルを表示させて、用事が済めば元通り隠す、という操作が、すべて Finder に居ながらにしてワンタッチでできるのだ。
Apple が macOS 向けに、iCloud によるバックアップを未だに提供していないのは驚きだ。Time Machine は、別の外付けドライブまたはパーティションが必要で、そのために、古びていると感じられる。そして、Apple がTime Capsule をちょうど廃止したことも支障を来たす ("安らかに眠れ：Apple AirPort, 1999-2018" 2018 年 4 月 27 日参照)。iCloud と、その最大2 テラバイトのストレージの利用可能性に対する Apple の約束にもかかわらず、同社は、Mac 向けに、一度設定すれば後は何もしなくてよいバックアップ・オプションを、一切提供していない。これは、奇妙な手抜かりだ。なぜなら、Apple は、他の全てのピースについては、それを提供するために、環境を整えているからだ。
Backblaze (TidBITS のスポンサーの一つ) のような有料クラウド・サービスは、このギャップを容易に埋めることができる。だが、今では、Haystack Software の macOS 向け Arq バックアップ・アプリと、Backblazeの B2 オンデマンド従量制クラウド・ストレージ・サービスを組み合わせることによって、まずまずの価格で自分用にクラウド・サービスを展開することも可能だ。私は、2017 年 3 月に、Macworld 向けに Arq のレビューを行い、Arq は、リストアのプロセスにおいて、もっと洗練される必要があるとは言うものの、概して良いと思った。Arq は、1 年前に B2 のサポートを追加した。
Backblaze の B2 は、業界最大の同業者 2 社、すなわち、Amazon のSimple Storage Service (S3) や Google Cloud Storage と競合している。あらゆるクラウド・ストレージ会社は、定期的な値下げを行なっており、B2の最近の値下げによって、今では B2 が、自分のバックアップ向けに、まずまずの選択肢となっている。
この記事では、いかにして自分のクラウド・バックアップを展開し、そのプロセスで何も諦めなくてもいいようにするためのロードマップを提供する。将来は、もっと多くの選択肢が出てくるものと期待してほしい。
クラウド・ベースのバックアップは、分散型オンライン・ストレージ向けに「クラウド」という言葉が登場する前ですら存在した。Mozy は 2005 年に最初に登場したものの一つで、Code42 の CrashPlan が 2007 年にそれに続いた。(Code42 は個人向けバックアップ事業から撤退中だ。CrashPlan、コンシューマ向けバックアップを廃止" 2017 年 8 月 22 日参照) 初期の優位性は、サーバを管理する必要がないこと、ある特定容量のストレージに料金を払わなくてもよいこと、あるいは、データを日常的に、そして、自動的に転送するのに充分信頼できるソフトを見つけなくてもよいことであった。
オンデマンドで従量制のクラウド・ストレージが登場し、Amazon の S3 が初めて登場して以来、急激に価格が低下したことによって、自分のクラウド・バックアップ・ソリューションを展開するメリットを考えることが可能になっている。これを使えば、現在使用中のアーカイブ用ストレージの料金のみ支払ったり、ファイルをリストアする必要がある時にデータをダウンロードしたりしながら、バックアップ・プロセス全体のコントロールが可能となる。加えて、クライアント側で暗号化を行うことによって、自分のアーカイブ・データのセキュリティを管理することもできる。データのセキュリティは、懸念がますます高まっている領域だ。
Arq を使うと、こうしたこと全てが可能となる。そして、私は、下記の「ハウツー」セクションで、これをどのようにして設定するかを説明する。だが、まずは、自分のデータをどこに格納すべきかから始めよう。
ただいま現在、B2 の価格設定は、Amazon S3 の同様のストレージよりも安価だ。最近の値下げによって、B2 は、今では、ストレージに、月 1 GBあたり、0.005 ドルを課金する。そして、ダウンロードについては、1 GB の転送につき、0.01 ドルしか課金しない。1 GB のデータ転送は、バックアップからファイルをリストアする時にほぼ限られる。(データのアップデートは無料である。) Amazon と Google は、階層制のサービスを行っている。両社の標準的な「高速アクセス」クラスは、ストレージとダウンロードに関して、B2 よりもずっと値段が高い。そして、両社のディープストレージ・オプションは、B2 により近接して競合するとは言え、それでも結局は、ストレージ、あるいは、リストア時のダウンロードは、B2 よりも高価だ。(私は、"クラウドバックアップ用 ChronoSync 4.7 を検討する" 2016 年12 月 22 日参照) で、これらのクラスについて、やり過ぎとも思われるくらい踏み込んだ。)
B2 のサポートは、最近になってようやく、macOS のソフトに広がった。このことは、B2 の価格と B2 を使う機会が、多くのユーザーにとって、遂に歩み寄ってきたということを意味する。アーカイブ全体を 1 TB に限ることができるなら、ストレージへの支払いは、月 5 ドル (年 60 ドル) だ。5 TBでは、支払いは月 25 ドル (年 300 ドル) となる。1 台のマシン向けには、大部分の無制限ホスト・バックアップ・サービスが、B2 以下のコストとなるであろうが、複数のコンピュータ用には、自分用のクラウドを展開する方が、より安価か、もしくは、同程度となる可能性がある。と言うのは、支払いは、あらゆるバックアップを含めて、格納されたデータ全体に対してのみ行われるようになるからだ。データをリストアするコストは、100 GB あたり 1 ドルで、よって、通常のリストアであれば、大したコストにはならない。
あなたのブロードバンド接続に対して、リストアすべきデータが大量にある場合、Backblaze は、B2 Snapshot Return Refund Program を試験的に行なっている。このプログラムでは、標準的なダウンロード料金があなたに課金され、そして、後日払い戻される料金 (128 GB までで 99 ドル、4 TBまでで 189 ドル) と返送費用と引き換えに、あなたにドライブが送付される。
既に料金を払っていながら、使っていない容量がある同期やストレージ・サービスを使うことによっても、費用を節約できる可能性がある。
これらの料金を念頭において、これを実現する方法を見てみよう。
Backblaze B2 用のアカウントを作って、必要な認証情報を得ることから始めよう。
バケットとはいったい何か? これは、クラウド・ストレージ・システムにおけるフォルダだと考えてもよい。だが、Mac のドライブ上のフォルダとは異なり、全てのバケットの名前は、クラウド・システム全体に渡って唯一のものでなければならない! あなたのバックアップ・ソフトは、名前をランダムに生成することができるし、あるいは、キーボードを叩いて名前を生成してもよい。
B2 アカウントを手にして、Arq の設定をしよう。
Arq には一度限りの $50 ライセンス料があるが - これには無期限のアップデートも含まれる - 30 日間のお試し期間が設定されているので、コミットする前にいじってみることが出来る。Arq は Arq が走るコンピュータに接続された内部又は外部ドライブから、或いはマウントされたネットワークボリュームから、フォルダ又はボリューム全体をバックアップ出来る。これで、バックアップされるコンピュータ毎に Arq ライセンスが発生する必要性を排除している。承知しておいて欲しいのは、そのインターフェースには余分なものは何もなく、画面ベースのターミナルアプリと余り違わなく見えることだが、結構強力である。
あなたのバックアップを設定するには、Arq を立ち上げた後、以下の手順を踏む：
全てのバックアップ先は、暗号化 (下記のステップ 3 を参照)、スケジュール、予算、そしてスクリプトのために同じパラメータを使う。暗号化パラメータを除いた他の全てのものは変更可能で、そのためには Preferences でバックアップ先を選択、Edit をクリック、そして Schedule, Budget, 及び Before and After Backup タブでオプションを設定する。
この Budget タブは、費用を管理する上で最も興味をそそられるものである。設定するのはバックアップのための最大サイズであり、それがあなたのファイルの全セットよりも大きい限り、Arq はその量に収めるために自動的により古いものから削っていく。(これは全てのファイルの完全なセットを、予算に関わらず、常に保持する。) Amazon S3 等を使う場合、月額の最大金額を設定出来、Arq は Amazon の料率をもとにそれを計算する。Arq はまた "参照されなくなった" 或いはローカルで削除された項目を、30 日毎、或いは、設定した間隔で削除していく。
次に、Arq の主ウィンドウを用いて、バックアップしたいフォルダを追加する：
パスワードをメモするように促す警告が出るが、これは現代社会においては賢くない助言だと言わざるを得ない - 安全なパスワード管理アプリを使うべきである。この対話には "I Wrote It Down (書き留めた)" と記された単一のボタンが付いているが、この時点では、パスワードは設定済みで、遡ってそれを変更することは出来ないので、これはあまり有用とは思えない。
先にも書いたように、ファイルを復元するのはバックアップを設定するほど簡単ではない：
残念なことに、一度に復元出来るのは一つのファイルかフォルダだけである；一度に複数の選択をする方法は与えられていない。復元場所で相反する項目がある場合、Do Not Overwrite, Cancel, そして Overwrite の選択肢が表示される。しかし、Do Not Overwrite は、選択的にファイルを置き換えることはしない。代わりに、それは全セットの復元ファイルを持つ入れ子になったローカルディレクトリを作成する。
Arq は独自の暗号化システムを使っていて、標準のライブラリに依存している。Arq の開発社 Haystack Software は、その詳細を自社の Web サイトに記載しており (テキストファイルで！)、そして、それは Git ファイルバージョニングシステムによって使われているものと同様の暗号化方法を使っていると述べている。
Arq はあなたのパスフレーズを幾つもの暗号化キーに変換し、あなたのパスフレーズで直接暗号化されたローカルファイルに保存される。Arq が使われている間は、その暗号化キーは自分自身に対して利用可能となっているが、これはクライアント側の暗号化と復号化を持つどのバックアップソフトウェアでも同じである。
この暗号化キーはサーバーに対してはどんな形でも送られことはないので、自分のアーカイブファイルに対して最大限の制御を保持し、そして、どんな望みもしないやからが - 個人、犯罪組織、或いは政府 - これらのファイルに対してアクセスする可能性も最小限にしたいのであれば、これに勝る振る舞いはない。
Backblaze の消費者バックアップの解は、あなたの暗号化キーを、あなたがデータを復元する迄、或いは復元しない限り、秘密にしておくが、復元時点では、そのキーは同社のサーバーに送られ、アーカイブを復号化しそしてあなたの復元ファイルのダウンロード可能な Zip アーカイブが作成するのに使用されねばならない。それは永久に保存される訳ではないが、特権的アクセスを得ることの出来る誰かに対しては弱点となるし、それは SpiderOak や CrashPlan には見られないものでもある。
Google や Amazon のクラウドベースのサーバーシステムもまた暗号化を許すが、その暗号化と復号化はユーザー提供のキーを使ってサーバー側でなされるので、その過程は安全であるべく設計されてはいるが、キーはあなたの制御の外に行ってしまう。
Arq の暗号化に関する唯一の問題は、そのパスフレーズ入力方法が他の何とも統合されていないことで、あなたは自らがコピーを何らかの安全が確保された方法で、例えば 1Password や LastPass の様なパスワード管理アプリを使うといった、保持しなければならない。Haystack Software はこの統合を考慮すべきである。
皆さんは、私が B2 や他のクラウドサービス, SFTP, そして他の接続方法をサポートする他の二つの人気のアプリを何故取り上げないのか疑問に思われているかもしれない。
私は今でも Apple が iCloud ベースのバックアップサービスを提供するよう望んでいるが、これは何も他の会社を廃業に至らせるためではなく、簡単にそして手頃な価格で利用出来る最低レベルのアーカイブサービスを提供するためである。そうすれば、日常的なユーザーにもクラウドバックアップの解が存在することを教えるであろうし、その結果、より機能豊富な独立のバックアップサービスの市場を成長させることにもつながるであろう。
Arq と B2 は完璧な組み合わせではないが、制御性、アーカイブ機能、そして価格の組み合わせとしては、私が今日まで見た範囲では最善の選択肢である。CrashPlan の市場からの撤退と、自分自身の暗号化の制御に対しての増大する興味、そしてクラウドベースのストレージ価格の低下からして、市場には更なる選択肢が登場すると思われる。
プロフェッショナルが同業者たちと集まることのできる Apple に焦点を置いたカンファレンスは、結構たくさんある。今回もまた、私たちが気付いた限りすべての Apple 関連カンファレンスの情報を（少なくとも日付とリンクを）集めてみた。何か見落としたものがあれば、どうぞコメントで知らせて頂きたい。それに応じてこの記事を更新するつもりだ。日付順に並べてあるので、そのままスクロールして、皆さんのスケジュールに合うものを見つけて下さればと思っている。
もっと早い時期にこの記事をお届けするつもりでいてすっかり忘れていたことをお詫びしたい。実は、1 月の末ごろにすでにサイト上に出したのだが、その時点ではまだ情報が判明しているカンファレンスの数が少なかったので、情報が出揃うまで待とうと決めた。でもその後、私たちのインターネット基盤構造の移行にすっかり気を取られて、この記事のことを忘れてしまったのだった。
Mac Admin & Developer Conference は、英国で言う "on the tin" (書かれている通り) の内容だ。今年で三回目となるこのカンファレンスでは、Terminal、自動化、セキュリティ、デバイス管理、その他 Mac IT プロフェッショナルにとって興味ある話題のセッションを提供する。London の Leicester Square で開催される。
MacTech Conference の背後にいる人たちが提供する一連の地域イベントシリーズである MacTech Pro は、Apple 関連のプロフェッショナル技術者やコンサルタントに向けたものだ。イベントはすべてシングルトラックでホテル開催のセミナーで、終日にわたるスケジュールには昼食も含まれる。話題としてはストレージ戦略の創出、配備の手法、Python スクリプティング、IoT とホームオートメーション、セキュリティ、トラブルシューティング、その他があり得る。この MacTech Pro イベントは米国各地の 9 つの都市で開催される：
これまで Mdevcon という名前で知られていた Appdevcon は、オランダの Amsterdam にてモバイルアプリの開発者のために開かれ、iOS と Android 双方の開発者向けのセッションがある。
5 年目を迎える iOSCon は、英国 London の CodeNode において 2 日間開催される。プログラムには、Swift を使ってアプリを構築することに関する数多くのセッションが載っている。
Apple IT の仕事をしていてフランス語が話せるなら、1 日限りの Command-iT イベントがお薦めだ。フランスの Poitiers の Futuroscope Park で開催される。
モバイルアプリの開発者のためのもう一つのカンファレンス、App Builders Switzerland はスイスの Lugano で開催される。トラックが二つあり、一つは iOS 開発者向け、もう一つは Android 開発者向けだ。
9 周年を祝う iOSDevCamp Colorado は iOS 開発者向けに Colorado Springs で開催される非公式のカンファレンス風イベントで、金曜日の夕方に始まって土曜日の一日中続く。
Apple コンサルタント Justin Esgar が Baltimore で開催する ACEs Conference は今年で 4 年目、「ひらめき、アイデア、ビジネス上の人脈作り、直ちに応用できる知識のための場所」であることを約束する。Apple コンサルタントが IT ビジネスを成長させるための方法に焦点を置いて、ブランド指導、ビジネス研修会、さらにはこの仕事につきまとう高ストレス状況に対処するための瞑想といった話題も扱われる。
講演者には Adam Engst をはじめとして Apple IT およびエンタープライズ・コミュニティーの有名どころが並び、Jamf の Charles Edge もいる。
「真摯な iOS 開発者のための Berlin の独立系カンファレンス」と銘打たれた UIKonf の発表者達は、iOS 開発、モバイルデザイン、ビジネスの最先端の話題に焦点を当てる。
Apple の Worldwide Developers Conference はカリフォルニア州 San Jose の McEnery Convention Center で開催される。(2018 年 3 月 13 日の記事“WWDC 2018、San Jose に戻り６月４日から８日まで開催”参照。)
昨年までと同様、チケットは登録された参加希望の開発者に対するくじ引きで配布される。チケットの価格は $1599 だが、Apple は学生向けに宿泊を含む奨学金を提供する。
WWDC チケットを入手できなかったけれども近所にはいたいという人たちのために、San Jose 市内の近隣でもう一つのカンファレンスが開催される。それが AltConf だ。
AltConf は無料の、コミュニティー運営のイベントで、WWDC に合わせて開催され、WWDC に入場する幸運を得られなかった人たち、また少しの間 Apple の Reality Distortion Field (現実歪曲空間) から逃れて一休みしたい人たちのために、いろいろな講演やイベントを提供する。チケットは無料だが、$300 を寄付することで満席の場合にも座席を確保してもらえる。
6 月 4 日に英国 London にいれば、AltConf London に立ち寄ってはいかがだろうか。新しい、1 日限りのイベントで、Royal Horticultural Halls にて開催される。他の AltConf イベントと同様、入場は無料で、飲み物の付いたレセプションと、WWDC キーノートのライブストリーミング、それにパネルディスカッションがある。
Layers はデザイナーのためのカンファレンスで「デザイン、テクノロジー、その中間にあるあらゆる仕事」を扱う。3 日間のカンファレンスは WWDC のすぐ近く、Montgomery Theater にて開催される。講演者には UX のリーダー Busra Demirci、レタリング・アーティストであり著述家でもある Jessica Hische、開発者でありデザイナーである Litha Soyizwapi などがいる。
これもまた WWDC と並行して開催されるイベントだが、try! Swift San Jose は San Jose McEnery Convention Center に隣接する Hilton ホテルで開催され、Swift のオープンソース寄稿者による自由討論を提供する。入場は無料だが、金額にかかわらず寄付をした人は優先的に入場できる。
MacDevOps:YVR はカナダの Vancouver の Simon Fraser University キャンパスにて開催される。Apple デバイス管理の一環としてコードを書く人は、このカンファレンスのことも知っておくべきだろう。講演者には Shopify の Meg Ciliberti、Microsoft の, Jessica Deen、Kollide の Zach Wasserman などがいる。チケットには 20 以上の教育セッション、10 時間の人脈作り、夕べのレセプション、それに朝食、昼食、スナックも含まれる。
サポート担当、ラボ管理者、ネットワーク技術者、またはシステム管理者として Mac や iOS の管理やインストールをしている人たちのために、オーストラリアの Apple University Consortium が X World カンファレンスを開催する。オーストラリア Sydney の University of Technology Sydney, Broadway City キャンパスが会場となる。
ペンシルバニア州 State College の Penn Stater Conference Center Hotel で開催される MacAdmins カンファレンスは、Mac および iOS のデプロイメントに関する 50 超の技術的なセッションに加えて、Apple にフォーカスした 400 人超の管理者向けに人脈作りの機会が提供される。登録はワークショップ、個別セッション、人脈作りイベントを含む。
iOSDevCampDC は 1 日限り、シングルトラックのカンファレンスで、iPhone および iPad 用の開発をテーマにバージニア州 McLean にて開催される。
Macstock 2018 は 4 年目を迎えてイリノイ州 Woodstock に復帰し、エンドユーザーのための生産性に焦点を当てた数少ないカンファレンスの一つを提供する。講演者には、かの Bob "Dr. Mac" LeVitus、映像作家 Wally Cherwinski、ポッドキャスター Allison Sheridan などがいる。
これははかなり特定した内容のものだが、FileMaker Developer Conference は公開されたカンファレンスであり、FileMaker は Apple の子会社でもあるので、ここに含めることにした。テキサス州 Dallas の Gaylord Texan Resort にて開催され、モバイル・クラウド・オンプレミスの環境のために FileMaker アプリを作成する助けとなることを目指した 80 異常のセッションを提供する。対象となるテクノロジーには REST、JSON、cURL、SSL、JavaScript、SQL、OAuth、AI、iOS、その他が含まれる。
オーストラレーシア (オーストラリア、ニュージーランド、およびその周辺の島々) 在住で、Apple コンピュータやデバイス用の開発についてもっと学びたいという人たちのために、Apple University Consortium が /dev/world を Melbourne にて開催する。カンファレンスのセッションは iOS SDK、OS X フレームワーク、Apple およびサードパーティの開発ツール、オープンソースのソフトウェアなど幅広い話題を扱う。
「一流の独立系 iOS/Mac (および watchOS, and tvOS) 開発者カンファレンス」と銘打った 360|iDev は、コロラド州 Denver の Grand Hyatt Denver にて開催される。4 日間の実地トレーニング、セッション、コミュニティー人脈作りなどが、すべて Swift で提供される。
iOS 開発の話題に焦点を絞ったものだが、第 8 回の iOSDevUK カンファレンスは英国の Aberystwyth で開催される。チュートリアルには Swift Best Practices、Augmented Reality、Serverside Swift、Google Cloud Firestore といったタイトルが並ぶ。
try! Swift は国際的なコミュニティーの集まりで、Apple の Swift プログラミング言語に関する最新成果が語られる。ニューヨーク市の New World Stages が会場となる予定だ。講演者は Artsy の Ash Furrow、XO Group Inc の Erica Correa、元 Apple にいた Sebastiaan de With などだ。
もしあなたが弁護士で Mac を使っているなら、MacTrack Legal カンファレンスのことを調べてみるとよい。フロリダ州 Orlando の Disney World で開催される。講演者には MacSparky の David Sparks と共に Mac Power Users ポッドキャストをホストしている弁護士の Katie Floyd、それから Randy Juip、Tom Lambotte らが名を連ねる。セッションで扱うのは書類ワークフロー、ビデオによるコミュニケーション、GTD 生産性、マーケティング自動化システム、事案管理の最良実践、中級から上級の PDF 作業などだ。
カンファレンス会場のホテルは Disney の Epcot センターへ歩いて行ける距離にあり、カンファレンスの開催期間が Epcot International Food & Wine Festival と重なるので、カンファレンスを抜け出すのもよいし、何か他の楽しみを探している配偶者を同伴するのもよい。一般入場券は $825、間際になってからの登録は $925 となる。クーポンコード TIDBITS を使えば $50 値引きされる。
iBooks Author Conference がなくなったと聞いた方も、がっかりすることはない。そのカンファレンスは Digital Book World イベントに組み込まれたからだ。(2017 年 10 月 24 日の記事“iBooks Author Conference の焦点は iBooks エコシステムの懸念”参照。) このイベントはテネシー州 Nashville の Music City Center にて開催される。出版業界のあらゆる側面がセッションのテーマとなり、具体的には iBooks Author の長所と短所、出版業界におけるセクハラ、ソーシャルメディアを使った本の宣伝、出版業界におけるポッドキャスティング、出版におけるブロックチェーンの使用などだ。伝説的なテクノロジージャーナリスト Walt Mossberg が基調講演をするので、これは見逃せない。
ヨーロッパにおける Mac および iOS システム管理者向け主要イベントである MacSysAdmin は、スウェーデンの Goteborg で開催される。講演内容は企業や学校、各種団体のシステム管理者、また技術コンサルタント、コンサルティング会社、配布業者などに向けたものだ。すべてのセッションは英語で語られる。
講演者には Andrew Seago、Armin Briegel、Ben Toms、Charles Edge、Ed Marczak、Greg Neagle、Joel Rennich、Laura Roesler、Rich Trouton、Sal Soghoian、Tim Standing、その他 Apple システム管理者の世界の有名どころの名前が並ぶ。
昨年の CMD-D カンファレンスを引き継ぐ形で、オートメーションの導師 Sal Soghoian と Ray Robertson が、第一回の CMD-D: Down-Home Scripting Boot Camp を開催する。3 日間ぶっ通しの集中的な AppleScript トレーニングを提供し、小グループ環境の中での実地訓練が中心となる。CMD-D: Down-Home Scripting Boot Camp はジョージア州 Atlanta の郊外にある Cartersville で開催される。
iOS や Mac の開発者向けの Swift 言語トレーニングを中心とした Swift By Northwest は、オレゴン州 Portland で開催される。講演者には開発者 Brent Simmons、Daniel Steinberg、Dave Delong、Jaimee Newberry がいる。
今どきの Apple IT 管理者の仕事は、デバイス管理に関係することが大きな部分を占める。デバイス管理システム Jamf Pro と Jamf Now のメーカーでありこの分野の有力な供給元の一つでもある Jamf が主催して、Jamf Nation User Conference (JNUC) が開催される。その目的は「人々を力づけ、ビジネス過程を転換し、IT 生活を楽にする」ことだ。
ミネソタ州 Minneapolis のダウンタウンで開催される JNUC は、製品デモとプレビューセッション、綿密な技術セッション、Apple のサービスに特化したセッション、それに資格取得コースを提供する。去年、私たちは記事“JNUC 2017: Apple Enterprise の世界を垣間見る”(2017 年 11 月 3 日) でこのイベントを紹介した。
Los Angeles で開催される MacTech Conference は 3 日間にわたってセッション、セミナー、ベンダーとの交流などを提供し、さらにプレカンファレンスのワークショップと、二晩にわたる極上の夕べの行事もある。私たちは何度もこのカンファレンスに参加してきたし (2012 年 10 月 22 日の記事“MacTech Conference 2012 が心の扉を開く”、2013 年 11 月 11 日の記事“MacTech Conference 2013、つながりと楽しさが満杯”、2015 年 11 月 9 日の記事“MacTech Conference 2015 の三つの注目点”参照)、Apple IT プロフェッショナルの方々にもお薦めしたい。Adam と Tonya は今年もまた講演するし、Take Control の Joe Kissell、Sal Soghoian、Mac Observer の Dave Hamilton その他の人たちも講演する予定だ。
try! Swift Bangalore は Swift 開発を主たる内容としてインドの Bangalore にて 2018 年 11 月に開催される。現時点でそれ以上の情報は分かっていない。
CreateWorld はパフォーマンス、プレゼンテーション、プロフェッショナル開発をテーマとした 3 日間のイベントで、教育分野やデジタルアート訓練の場で Apple テクノロジーを利用する大学教員、学校教師、技術スタッフなどを対象とする。オーストラリアの Brisbane にある Griffith University の Brisbane South Bank キャンパスが会場となる。セッションのテーマは教育・学習の場でのプレゼンテーション、新しいメディアを使った作業、パフォーマンス、テクニックやアプローチなどで、対象となるのは写真、サイバーアート、音楽、e-ラーニング、映画、アニメーション、デザインなどにおける実践主導の研究分野だ。
この記事を最初に書いた時点では 2018 年の情報がまだ発表されてもいないしキャンセルされてもいないカンファレンスがたくさんあったのだが、今や不明なものはたった一つになった。新しい情報が分かり次第記事を更新したいので、Úll カンファレンスの関係者の方々、どうぞ状況を教えて頂ければありがたい。
もしも何か重要な Apple に集中したカンファレンスで、一般の入場が許されていて、広い地理的領域から参加者を集められるようなものが抜けていたら、どうぞ記事へのコメントでお知らせ願いたい。記事に追加すべきかどうか考慮させて頂きたいと思う。
