iOS 12 と同様に、私はここ一・二ヵ月間私の Apple Watch Series 2 で watchOS 5 を使ってきたが、何の問題にも出会わなかった。新機能は画期的な大変革というようなものではないかもしれないが、それでも Walkie-Talkie (トランシーバー) 機能で友人や家族と一対一の会話ができるのを楽しみにしている人には嬉しいだろうし、ランニングに出かける前に Workout アプリをスタートさせるのを忘れがちな人には自動スタート機能がありがたいだろう。
watchOS 5 は、その Apple Watch に付随した iPhone が iOS 12 を走らせていることを必要とする。なので、iOS 12 にアップグレードしたらそれと合わせて直ちに watchOS 5 にアップグレードすることをお勧めする。watchOS 5 は第一世代 Apple Watch を除くすべてのモデルの Apple Watch で動作する。
watchOS 5 をインストールするには、iPhone 上で Watch アプリを開いて My Watch > General > Software Update に行き、Download and Install をタップする。私の Apple Watch Series 2 では 340 MB のサイズのアップデートであった。いつもと同様、その Apple Watch が充電器に接続されている必要があり、少なくとも 50 パーセントは充電されていて、iPhone からの電波到達範囲内にあり、その iPhone 自体が Wi-Fi に接続されている必要がある。このアップデートのインストールにはあなたが思っている以上の時間がかかる可能性があるので、眠っている間にアップデートすることをお勧めしたい。実際、Apple Watch からも夜のうちにインストールしましょうというお勧めが出るかもしれない。
tvOS 12
私たちは tvOS 12 のベータ版のテストをしなかったが、うまく動作したという話が読者たちから聞こえていた。約束された変更点は少なく、Apple TV 4K での Dolby Atmos 対応と、新しい Earth スクリーンセーバ、タッチパッドをタップして Aerial スクリーンセーバの場所を見つける機能、パスワードの自動補完、iOS 12 デバイスの Control Center に Apple TV Remote ボタンが自動的に追加されること、それに一部の TV プロバイダでの改善 (zero sign-on と cloud DVR 対応) だ。
Apple TV に強い思い入れのある人でない限り、アップグレードを遅らせる理由があるとは私たちには思えない。たいていの人はおそらく tvOS が自動的に自らアップデートする設定にしているだろうが、それで何の問題もないと思う。Apple TV が勝手に tvOS 12 をインストールするに任せてもよいし、あるいは Settings > System > Software Updates から手動でインストールしてもよい。
macOS 10.14 Mojave
Mojave の公式リリース版は 2018 年 9 月 24 日にダウンロード開始となるはずだ。このアップグレードをするか否かについては、他のものたちに比べてはるかに厄介な問題が介在している。たとえあなたがこれまで Mojave のベータ版をテストしていたとしても、おそらくあなたのメインの Mac 上ではそんなことをしていなかったことだろう。そういう人たちは、ベータ期間中の体験を振り返って、あなたが仕事をするために使っている Mac に Mojave をインストールできるものかどうか、感覚的に判断ができるだろう。そういう人なら、日々使っている重要なアプリが互換か否かをもう知っているはずだからだ。
iPhone XS Max は途方もなく大きい 6.5 インチ OLED HDR ディスプレイを持ち、解像度は 2688×1242 で、458 ppi だ。
スクリーンサイズの必要から、それぞれの iPhone の物理的寸法も違ってくる。一番小さいのは iPhone XR なのかと思ってしまいがちだが、そうではなくて iPhone XS の方が少しだけ高さも横幅も小さい。当然ながら iPhone XS Max が一番大きいが、これも古い iPhone 8 Plus に比べれば高さも横幅も 1 mm ずつほど小さい。
2つの iPhone XS モデルはどちらも IP68 等級の耐水性能を持ち、水深 2 m の場所に 30 分間置いても耐えられる。XR の耐水性能は IP67 等級で、水深 1 m に 30 分間置くことができる。私たちとしてはやはり Apple のこの主張を実験して試すことはお勧めできない。
iPhone XS の両モデルと iPhone XR との間のもう一つの大きな違いは、筐体の材料だ。iPhone XS の両モデルは両面ともガラスで、縁の部分がステンレススチール製、このスチール部分には去年までのシルバーとスペースグレイに加えてゴールドも選択肢に加わる。これとは対照的に、iPhone XR はアルミニウム製の筐体で、カラーはレッド、イエロー、ホワイト、コーラル、ブラック、ブルーから選べる。これら二種類の筐体で手触りがどう違うか、試してみたいものだと思っている。私たちは iPhone X をケースから出して使うのには気が引けたが、いつもケースに入れていれば Apple 自慢のデザインもあまり意味がなくなる。
もう一つ、Apple が iPhone XR でコスト削減のために省略したテクノロジーが、3D Touch だ。その代わりとして iPhone XR では Haptic Touch と呼ばれる代替テクノロジーが採用されている。報道によれば、同じような触覚フィードバックは提供するけれども Press and Pop のインターフェイス要素は提供しないという。実際に使ってみてどうなのか、ぜひ試してみたいと思っている。3D Touch はすべての iOS デバイスに共通の機能ではないので、iOS 自体はこれまでも一般的なユーザーインターフェイス要素を 3D Touch のみに頼ることはしてこなかった。
これらの iPhone のどれかを買うべきか?
そう、その質問こそがまさに $64,000 Question[訳者注: 1950 年代後半に米国の CBS テレビで放送されたクイズ番組の名前]だが、幸いにも iPhone はまだそこまで高価になっていない。言うまでもなく iPhone XS と XS Max は実際に Apple がこれまで開発した中で最も素晴らしい iPhone だ。それを疑わせる要素は何もない。Apple はこれまで、コストを削るためだけの目的でそれ以前のモデルよりはっきり機能の落ちる iPhone を出してきたことは一度もない。そして iPhone XR も、より安価なパッケージの中で今日のテクノロジーの大多数を提供しようと努めた、しっかりした試みのように見える。価格を昨年の iPhone 8 Plus の登場時点の価格より安く抑えているからだ。
そうは言っても、あなたが Apple の新製品にこれまでになく高い金額を支払うことになるのではないかという気がする。実際その通りで、iPhone XR は伝統的な iPhone の最低価格 $649 より $100 も高いし、去年私たちが 256 GB iPhone X の $1149 という値札にちょっと息を飲んだことを思い出せば、今回 512 GB iPhone XS Max の価格が $1499 になるというのはどうだろうか。
でも驚く必要はない。私たちは既に記事“Apple の Q3 2018 業績、再度記録を破る”(2018 年 7 月 31 日) の中で「今後は Apple 製品にはより多く支払うことになりそうである。何故ならば、iPhone X の成功で、Apple は販売台数は伸び悩んでも業績の記録は塗り替えることを許されたからである」と書き、さらに「iPhone SE や Mac mini の様な安価な製品のための投資をしっかりしてくれるなどと期待しないように」と続けている。
いずれにしても、これらの iPhone を今日私たちが目にすることができているのは、iPhone X のデザインに途方もない人気が集まったからこそだ。私たち TidBITS スタッフの何人かが去年 iPhone X を購入したのは、これがあまりにも大きなテクノロジーの跳躍だと思ったからであり、今後の Apple の行く道を理解するためにはこれを使う必要があると判断したからであった。今にして思えば、私たちの考えは正しかった。
12 September 2018 の特別イベントで、Apple は第四世代 Apple Watch モデルを披露することから発表を始めた。このモデルは、初めてこれ迄のモデルの大きさと形から認識出来る程度に外れるものとなった。この新しい Apple Watch Series 4 モデルは、これ迄のものよりもより纏まり感はあるが、スクリーンは大きくなり、殆ど縁なしに近いまでになった。
Bluetooth 5 サポートが付き、iPhone との接続も距離が伸び、そしてデータ転送速度と、接続信頼性も向上した。
ソフトウェア:新しい、より複雑な盤面
Apple は既に watchOS 5 のことは発表していたが、同社はこの Apple Watch Series 4 の発表を利用して、その新しい、より大きくなったディスプレイを活用するべく意図された追加のソフトウェア機能を披露した。例を挙げると:
新しいコンプリケーション: Apple は更なるコンプリケーションを追加し、そして、全く新しい Series 4 専用の Infograph 盤面も作り出した。これは、利便性を最大にする売込み中の8つのコンプリケーションを取り込んでいる。歓迎出来る一つのコンプリケーションは愛する人の円形写真を提供し、タップ一つでその人と連絡が取れる。他の選択肢には、運動家のための健康ゲージ、そして旅行者のための複数時間帯等がある。
顔の若返り: 人気の Modular 盤面は、かなり長い情報を表示する中央コンプリケーションを持つが、表示選択肢が更に広がり、今や Apple の Activity, Heart Rate, そして Stocks アプリからのデータも使える。また、対応するサードパーティアプリも増え、ユーザーは MLB At Bat アプリからのスコア、そして Qantas アプリからのフライト情報、等々を表示させることが出来る。これらの変更は、watchOS 5 が走る従来モデルにも対応する。Series 4 版では、この Modular 盤面は、呼び名が少し変わって Infograph Modular となる。
健康:転倒及び心拍異常事態に対して見守る
初代の Apple Watch は、Apple が当初ファッション市場に焦点を絞り、その存在を正当化するのにかなり苦労した。その後のアップデートでは、Apple はフィットネスに目を向け、その分野で Apple Watch は人気を証明した。Apple Watch Series 4 では、同社は今や Apple Watch を健康管理機器とすることに集中している。
それを受けて、Apple は Series 4 を "あなたの健康の知性を持った守護者" とする健康関連の幾つかの機能を盛り込んだ。
Apple Watch の新しい健康監視機能は、American Heart Association 及び U.S. Food and Drug Administration (FDA) からの承認も得ており、このスマートウォッチの健康機器としての信用性を更に強している。
Apple Watch のラインナップ
Apple Watch Series 4 は、GPS だけのモデルが $399 から始まり、そしてセルラー対応モデルは $499 からとなっている (セルラー接続には追加の月極めセルプランが必要となる)。これ迄 Apple Watch Series 3 は基本モデルが $329 から、そしてセルラーモデルが $399 からだったので、この新モデルはより高額な提案となっている。
そんなにお金も使いたくないし、Series 4 の新機能も必要ではないという人達のためには、Apple は Apple Watch Series 3 の販売を継続し、値段も下げて GPS だけのモデルは $279 から、セルラーモデルは $379 からとした。
シルバー、ゴールド、そして、スペースグレイの3色の酸化被膜仕上げのアルミケースに加えて、Apple Watch Series 4 では、ゴールドのステンレスケースに同色の Milanese バンドが付いたものが、シルバーとスペースブラックのステンレスケースに仲間入りした。
この新しい時計は、予約受付けが 14 September 2018 から始まり、出荷は 21 September 2018 からとなる。
発表された製品ラインナップに無かったもので目につくのは、セラミックの Apple Watch Edition で、これは最早存在しない。分かったことは、ゴールドの Apple Watch Edition が最初に売り出された時、人々は最大 $17,000 も使いたいとは思わなかったことである。そして、セラミックの Apple Watch Edition に $1,000 以上も使いたいとも思わなかった様である。
Apple は、いつもの様に新しいバンドも出してきたが、同社は、既存のバンド全てがより大きくなった新しい時計にも問題なく使え、逆もまた同じであることを強調している。同様に、ニッチである Nike+ と Hermes バージョンの Apple Watch にもまた、新しいバンドと対応する盤面が準備されている。目につくのは Nike+ Sport Loop で、これには、より安全な屋外での、薄暗い時間の運動のために、反射糸が織り込まれている。
Apple Watch Series 4 のリリースで、購入決定はより難しくなった。新しい健康管理機能はとりわけ説得力があり、転倒や心臓の健康状態が心配なお年寄りには特にそうであろうが、その値札はますます高額なものとなっている。もし値段が問題ならば、Series 3 の選択肢は残っているが、魅力的な新機能の幾つかは手に入らない。
Eclectic Light Company ブログで Howard Oakley が掘り下げるのは、年間収益が 10 億ドルを超え 6000 人近くの従業員を抱える多国籍企業 Trend Micro がまるで安っぽいハッキング連中のようなことをしているところを見つかったという話だ。Trend Micro が出している数多くの無料の Mac 用アプリ、例えば Dr. Cleaner、Dr. Antivirus、Dr. Unarchiver、Dr. Battery、Duplicate Finder、NoSleep、App Uninstall などのアプリが、ユーザーのブラウジング履歴やその他の個人データを収集していることが分かった。Apple は Mac App Store から Trend Micro 製のアプリをすべて削除した。
これは実に奇妙な話だ。Trend Micro は同社のアプリがユーザーデータを収集しアップロードしていたことを認め、この機能を削除すると述べたが、そもそもこんなことがいったいなぜ起こったのか? 「サイバーセキュリティソリューションのグローバルリーダー」と自らを宣伝する会社がこんなことをするとは、いったいどういう言い訳が成立するというのか? これは、単に深刻な倫理的過ちであるばかりでなく、明確に Apple の App Store 規約に違反する行為だ。それに、もしも Apple が App Store の審査手続きはユーザー保護のためだと主張するのならば、もっとちゃんとした仕事をすべきではないのか。
Apple は既に新しい "spaceship" Apple Park キャンパスへの引越しを終えているが、古い Infinite Loop は今後も Apple の歴史の中で大きな存在として残るだろう。Apple が消滅の危機に瀕したのも、Steve Jobs が再び舵を握って Apple を新たな高みへと押し上げたのも、すべて Infinite Loop の中で起こった。ベテランのテクノロジージャーナリスト Steven Levy が Wired の記事で、Infinite Loop キャンパスの口述歴史を書き上げた。過去と現在の Apple 従業員たちから聞き取りをした、まだどこにも出ていない話が盛り沢山だ。聞き取った相手の中には Tim Cook、John Sculley、Gil Amelio、Fred Anderson、Phil Schiller、Eddy Cue、Greg Joswiak、Cheryl Thomas、Chris Espinosa、Scott Forstall、Heidi Roizen、Jon Rubinstein、Avie Tevanian といった錚々たる面々が含まれる。Apple の歴史に興味のある人にとっては必読だ。