iPhone の大きさ? 以上の3項目は結局のところ "Apple の新しい iPhone は値段に見合うだけ良くなっていない" と言う一般的なカテゴリに集約され得る。Cook は具体的な話はしなかったが、私は iPhone をより大型化すると言う Apple の姿勢がアップグレードの邪魔をしたと思っている。多くの人が私に、新しいモデルは余りに大きいので iPhone 5s, iPhone 6, 或いは iPhone SE からアップグレードしないことを語ってくれている。Apple の減収見込みは間違いなく良い話ではないが、Cook は、強気で同社の業績の明るい面に言及した。具体的には、iPhone 事業以外の売上げは前年比 19% 近く伸び、Services, Wearables, そして Mac 部門は売上で史上最高となった。とりわけ、Apple Watch Series 4 と AirPods の人気により、Wearables 売上げは年率でおよそ 50% 成長したが、Apple はどちらも需要に見合うだけ作れていないことを認めている。iPad Pro と MacBook Air も供給問題のお陰で品不足となっている。
勿論 Apple は終わったわけではないが、その様な結論に達する賢人達は間違いなくいるであろう。現実の問題は Apple が中国での販売を増加させるために何ができるのかである。May 2017 に、Stratechery のアナリスト Ben Thompson は、Apple’s China Problem で、中国におけるスマートフォン構造の最も重要な層は WeChat であり iOS ではないし、更に言えば、プラットフォームに抱え込まれた Apple の他のサービスのどれでもない。Thompson 曰く:
Tonya と私が話すのをもっと聞きたい人のために、私たち二人は Mac Adminsポッドキャストに出演して素晴らしく楽しい時間を過ごしたのでぜひお聞きあれ。ホストは Tom Bridge、Charles Edge、Marcus Ransom の三人で、2018 年12 月 17 日のエピソード "Screw Your Shoes with Adam and Tonya Engst"だ。そしてもちろん、このタイトルが何を意味するかもお話しするし、わが家のインターネット接続が一匹のリスに食いちぎられた話や、私たちがインターネット広告に関する罪悪感に苦しんでいるという告白もある。推察して頂けるとは思うが、インターネットのテクノロジー系出版の話題もたっぷり話し合っている。とても楽しく聞いて頂けると思うので、ぜひどうぞ!
Mac Admins サイトに立ち寄られたついでに、もしもあなたが本格的なギークなら、とりわけ Apple 関係の管理者なら、2018 年 12 月 12 日のエピソード"The One with Apple" もお薦めしたい。なぜかと言うと、ここのホストたちが Apple の Jeremy Butcher (Enterprise Product Marketing) と Doug Brooks(Mac Hardware Product Marketing) をゲスト出演者として招いて、しかもそのエピソードを後日一般公開してもよいという公式の許可を Apple から得るという大偉業を成し遂げたからだ。そもそも Apple 従業員が公の場で語るということ自体が滅多にない。カンファレンスのような場で Apple のプレゼンテーションを目にする際にも、そこで語られたことを公共の場で引用してはならないという条件が付くのが普通だ。
平均的な Mac ユーザーにとって、語られた話題の大部分は興味のない (ひょっとすると理解さえできない) ものかもしれないが、二つの点だけは一般の人にも注目に値するものだと思う。第一の点は、T2 チップが現代の Mac の中でどのような働きをしているかについての素敵な要約が語られたことだ。結局のところ、それはセキュリティと統合のためだ。セキュリティの面では、T2 チップは Secure Boot を可能にし、プライベートなデータをローカルに保存するSecure Enclave を含み、MacBook Pro と MacBook Air においては Touch IDを可能にする。
統合の面では、私が全然知らなかったようなレベルにまで、従来ロジックボード上のバラバラのコンポーネントに分かれていたものを T2 チップがまとめて引き継いでいる。例えば System Management Controller、オーディオコントローラ、カメラの画像シグナルプロセッサ、SSD コントローラといったものたちだ。そして、セキュリティと統合は一つの興味深い個所で出会うことになる。どうやら T2 は MacBook Air のリッドが閉じられるとマイクロフォンの接続を物理的に切り離すらしく、そのためマイクロフォンを使ったスパイ活動ができなくなっている。
第二の点は、Charles Edge が Apple の製品マネージャーや開発者はオンラインフォーラムを読んでいるのかどうかと直接尋ねたのに答えて、Apple で働く彼らが「私たちは顧客からのフィードバックや開発者からのフィードバックをものすごくたくさん読んでいます。私たち自身が常時参加するとは限りませんが、寄せて頂く声を聞きたいと私たちは思っていますし、だからこそ、そういうことに注意を払うためのスタッフもいます.... つまり私たちは貪欲に聞き続けています」と語ったことだ。企業世界の外でもそうなのかどうかは知らないが、少なくとも Apple の中のある部分ではユーザーがオンラインで語っていることに注意を払っていると分かったのは嬉しいことだと思う。
最後にもう一言。Mac Admins ホストが Apple からのゲストたちに敬意を払って Group FaceTime に切り替え、それがうまく働いたと聞いて、私はとても素敵だと思った。以前、私たち TidBITS スタッフの電話会議で試した経験ではそれほどうまく行かなかったのだが、ぜひもう一度試してみようと思っている。
このリストレストの問題点は、付属のストラップが私の椅子のアームレストを包み込むには長さが足りないことであるが、これについては Amazon のレビューからある程度予期はしていた。応急処置として、私は頭の中にある Red Green の番組をさっとおさらいして、私の高価な Herman Miller Aeron 椅子にこれをダクトテープで貼り付けてみたら、思いの外上手くいった。本格的な解決策として、私は 27-inch Velcro ストラップを購入した。これは少々長すぎるかもしれないが、役目は十分果たしている。このマウスパッドに対する AliExpress の説明からは、理論的にはストラップの代役となりうるデスククランプも含まれるとうかがえたが、私の受け取ったパッケージにはそれらしき物は何も見当たらなかった。
皆さんは、マウスの操作を椅子から行うことには生来のぎこちなさが伴うのでは無いかと思われるかもしれないし、確かにそれはその通りだろうが、私はこのトレードオフにはそれだけの価値があると思った。しかし、私は椅子を動かす時には、マウスを床に落としてしまわないよう気をつけなければならない。実際には、自分でも認めたくない程何回もやってしまっている。他には、私は椅子にもたれかかるので、マウスが滑ってリストレストの上まで行ってしまいがちである。そこで、マウスから手を離す前に、例えばタイプする時の様に、私はマウスをリストレストに当たる所まで持ってきて滑り回らないようにしている。また、Mission Control を起動するための左下のホットコーナーを無効にしている。何故ならば、私はマウスから手を離す度にそれを起動してしまうからである。
今の時代は、誰もがスマートフォンと始終顔を突き合わせていて、スマートフォンには中毒性があるという批判の声も聞こえている。この懸念に対処するために、Apple は iOS 12 に Screen Time と呼ばれる一連の機能を導入した。これを使えばあなたがどれくらい頻繁に iOS デバイスを使っているかが分かり、特定のアプリをどれくらい頻繁に使うかを制御することもできる。それとともに Apple は iOS のペアレンタルコントロール機能を Screen Time の中へ移行させて、あなたの Family Sharing グループに属する子供たちによる使用を監視し (ある程度) 制御できるようにした。
Screen Time の使い方の説明を始める前に、一つだけよくある誤解を解いておきたい。Screen Time なんか使っても何も違いは生まれない、なぜなら人々は警告が出てもただ無視するだけだから、と言う人がいる。でも、そこが問題ではない! Apple はあなたの母親ではないのであって、Screen Time は単にあなたが自分の時間を管理する際の手助けをする一連のツールに過ぎないのだ。
この姿勢を念頭に置きつつ、これらの新しいツールの使い方を学んで行こう。iOS 12 の他の新機能へのガイドとしては、私の本 Take Control of iOS 12 をお読み頂きたい。
Screen Time をオンにする
まず始めに、Settings > Screen Time で Screen Time をオンにする。すると、Screen Time にできることのすべてを説明する画面が開く。Continue をタップすれば、あなたのデバイスとあなたの子供のデバイスのどちらを制御するかと尋ねてくる。前者を選べば、直接 Screen Time 設定画面に移る。
けれども、あなたの子供のデバイスを設定したい場合には、iOS 12 があなたを導いて Screen Time の個々の機能ごとに設定するように促す:
Downtime: ここでは Screen Time がそのデバイスを使えなくする時間帯を設定する。デフォルトは 10 PM から 7 AM までだ。眠っているべき時間帯にテクノロジーの誘惑を避けられるようにしようというのがその考え方だ。
最後に、Screen Time はあなたに Screen Time パスコードを設定するよう求める。これはデバイスのパスコードとは別のもので、Screen Time による制限を回避しようとする際に常に必要となる。パスコードがなければあなたの子供は (あるいはあなた自身も) 時間制限を無視することができず、この点はさきほど述べた姿勢にちょっと反することとも言える。
あなた自身のために Screen Time を設定する際にも、設定しておいた制限を回避する際に考え直す余地を与える目的でパスコードを設定しておいた方が良いかもしれない。あるいは、誰か信頼できるパートナーにパスコードを設定してもらい、あなたに対する責任を負ってもらうこともできるだろう。
これらのオプションはいつでも好きな時にオン・オフの切り替えができるので、今すぐ無理にすべてを設定する必要はない。また、設定の際に子供のデバイスに制限を加えることはできるけれども、あとでいつでも Family Sharing に属するどの子供のデバイスでも Settings > Screen Time > (子供の名前) で設定の変更ができる。これについてはまたあとで説明する。
あなたの消費量をチェックする
Screen Time は毎週あなたにレポートを提供し、あなたがそのデバイスをどれくらいの時間使ったか、デバイス上であなたが何をしていたかを報告する。Screen Time で子供の設定をしていれば、その子供の使用状況に関するレポートも届く。
また、Settings > Screen Time の中のチャートで、いつでも自分の使用状況をチェックできる。ここには、その日の通算使用量と、あなたが多くの時間を過ごしたカテゴリーごとに分けた使用量とが表示される。
そのサマリー部分をタップすればさらに詳しい情報として一時間ごとに切り分けたグラフが表示され、最近 7 日間の表示に切り替えれば日ごとに分けたグラフが表示される。これらのグラフも、Screen Time の中の他のグラフも、その上のどこでもタップしてホールドすれば、ラベルが表示されていなかったグラフでさえもその個所の時刻についての具体的な値が表示される。
下の方へスクロールすれば、Most Used apps、Pickups、Notifications のそれぞれについてさらに詳しい情報が表示される:
Most Used: このセクションには、あなたが最も多く使ったアプリ (とウェブサイト) が、使用時間の順に表示される。個別のアプリでなくカテゴリーごとの比較をしたい場合は Show Categories をタップすればよい。一つのアプリまたはカテゴリーをタップすれば、それに対する制限を設定できる。これについてはあとで説明する。
アプリのカテゴリーを制限: アプリのカテゴリーごとに使える時間の上限を設定するには、Settings > Screen Time > App Limits へ行き、Add Limit をタップする。Add 画面で、どれだけの時間を上限とするかを設定でき、週の中のどの曜日にその上限を有効とするかもカスタマイズできる。あなた自身のために上限を設定する場合には、Block at End of Limit (時間が来ればブロックする) をオフにしておくことで、これを単なる警告のみに止められる。子供には、このスイッチをオンにしておくのがよいだろう。アプリのカテゴリーには Social Networking、Games、Entertainment、その他があるが、もちろん Creativity や Productivity といったカテゴリーのものに時間制限を付けたい状況はあまりないに違いない。これらのカテゴリーは Safari で開くウェブサイトにも適用されるので、ソーシャルメディアの制限にかからないようにしようと思って Facebook のウェブサイトを開いても、Screen Time はちゃんとあなたを監視している。
個別のアプリを制限: Apple はこの機能をはっきりと表に出してはいないけれども、個々のアプリやウェブサイトごとの制限もできる。それには Settings > Screen Time でその日の通算使用量のグラフをタップしてから、次の画面の Most Used セクションへ行き、そのアプリまたはウェブサイトの名前をタップしてから、Add Limit をタップする。例えばあなたが使い過ぎたくないと思うアプリがたまたま Creativity カテゴリーに属するのでカテゴリー単位の制限が使えないような場合、個別のアプリを制限できるこの機能が便利に使えるだろう。
どの種類の制限を設定したにしても、Screen Time はタイムリミットの 5 分前に警告を出す。その 5 分が過ぎれば、Screen Time はもう一つ別の警告を出して時間が来たことを示す。
何かをし終えたいのでもう少し時間が必要ならば、Ignore Limit をタップすればそのアプリまたはウェブサイトへの制限がその日一日無視されるし、その代わりに 15 分だけ猶予をもらうこともできる。Screen Time のパスコードが設定されていれば、制限を回避するためには必ずパスコードを入力しなければならない。Home 画面上では、制限を受けたアプリがグレイアウト表示され、その名前の横に添えられた小さな Time Limit アイコンが、そのアプリが開けないことを示す。
あなたが Family Sharing の設定を終えてからそこで Screen Time を有効にすれば (Settings > (あなたの名前) > Family Sharing > Screen Time でできる)、Screen Time は新たに Family セクションを作成してそこにあなたの家族全員の名前を含める。初めてこの作業をした際に、Screen Time はあなたを導いて個々の機能を設定するように促す。その後は、Family リストで子供の名前をタップすれば、その子供のデバイスについての完全な Screen Time インターフェイスが開き、使用状況のグラフも表示される。肩越しに何度も覗き込むなどということをせずとも、あなたの子供が本当は何をしているかが分かる、素晴らしい手段となる。それにもちろん、あなたのデバイスから子供の Screen Time 設定を調整することもできる。
もしもあなたの子供が制限にかかって、それでも作業を続ける必要があればどうするのか? その場合は、Time Limit 画面の Ignore Limit リンクを使うのではなくて、Ask For More Time というリンクが使えるようになる。こちらは、あなたが設定しておいた Screen Time パスコードが実行に際して必要となる。あなたがパスコードを入力すれば、15 分間、1 時間、あるいはその日一日中、タイムリミットを延期することができる。この操作はその子供のデバイスでもできるし、あるいは Family Sharing を使っていればあなたの iPhone や iPad に通知が送られるようにすることもできる。
私が Luna Display をセットアップして使ってみた体験を語る前に、少しだけこれが何をするのかの詳細を見ておこう。
Astro HQ によれば、このハードウェア中心の手法にはソフトウェアのみのシステムに比べていくつかの利点があるという。一つには、その Mac が Luna ドングルを一台のモニタとして扱う点がある。つまり現実には、この小さなドングルの中に外付けモニタの基本的なハードウェア機能がすべて備わっていて、ただガラスのパネルだけがないと考えればよい。
Astro HQ の共同創設者 Matt Ronge は次のように説明している:
Luna が動作中には、Mac にとっては通常のワイヤーで接続されたモニタがそのポートに取り付けられているのと同じ状況となる。Luna は DisplayPort と USB のプロトコルを使って Mac とコミュニケーションする。その Mac に関する限り、普通の Dell や LG のモニタと何ら異なるところはない。
その上で、iPad と Mac のそれぞれでアプリの形で走るソフトウェアによって、Luna Display のセットアップが完成する。この時点で、このドングルは Mac の GPU を利用する。Ronge によれば、このやり方のお陰で待機時間が少なく、iPad 上に鮮やかな画像が描かれ、Retina にもフル対応できるのだという。
Luna は、その iPad が USB ケーブルを通じて Mac に物理的に接続されている状態で最もその性能を発揮できる。けれども Ronge によれば Wi-Fi 経由のパフォーマンスもなかなか良いという。
Astro HQ は大きな約束を口にする。既に、Luna Display は実質的に iPad をタッチスクリーンの Mac にすることができるとさえ主張している。ある意味それは事実だが、私が遭遇したいくつかの制約を考えれば、その期待は当面控えておく方が賢明だろう。
Luna Display のセットアップ
私はレビュー用に受け取った Luna ユニットの一つをを私の 2015 年型 21.5 インチ non-Retina iMac に Mini DisplayPort を通じて、もう一つを 2018 年型 MacBook Pro ラップトップ機に USB-C を通じて、それぞれセットアップしたが、何のトラブルにも遭遇しなかった。双方とも、私の第六世代 9.7 インチ iPad を第二ディスプレイにした。さらに、Apple の最新の 2018 年型 12.9 インチ iPad Pro も試して、こちらは私の iMac に Luna Display を差し込んで使った。
Luna ドングルを差し込むのに加えて、iPad 用 と Mac 用双方のアプリをダウンロードする必要もある。それらをインストールして起動すれば、両者は自動的に互いに相手を探し出す。その Mac と iPad が同一の Wi-Fi ネットワーク上にあれば、それを通じて互いを見つけ出せる。けれども最良のパフォーマンスを得たければ、その iPad と Mac を充電用ケーブルで繋いでおくのがよい。
いずれの方法でのセットアップも問題なくできたが、万一うまく行かなかった場合に備えて Astro HQ はスキャン可能な QR コードを使うワイヤレスのセットアップオプションも追加で組み込んでいる。
セキュリティのために、双方のデバイス上の Luna ソフトウェアはそれぞれに接続の認証を私に求めてきた。
Luna Display の Preferences ウィンドウはさらなるセキュリティ機能も提供する。USB のみに限定したり、誰がドングルを使えるかを指定したり、さらにはアクセスを取り消したりもできる。これは、企業内の設定でデバイスをロックダウンしたい場合や、あるいはただ単に用心に用心を重ねたいような場合のためだ。
いったん Luna Display が接続を確立すると、お馴染みの Mac のインターフェイスが私の iPad の上に現われた。
iPad 上と Mac 上の Luna のコントロールを使ってスクリーンを微調整できる。iPad スクリーンの輝度や解像度を設定したり、2つのスクリーンの互いの関係を配置し直したりもできる。
さらなる調整がしたければ、どちらかのスクリーン上で System Preferences > Displays を開いて、普通のデュアルスクリーンの Mac セットアップでするのと同じように設定すればよい。
Retina についての考察
Retina でない iMac が私のメインのコンピュータだが、これを使ってもうまく行くのを知って私は大喜びした。でも、Retina の Mac の上で Luna Display をセットアップすればもっと面白いことがある。この場合、別途システム機能拡張をインストールすることを求められ、それによって iPad のスクリーンの見栄えを重要なやり方で調整できるようになる。
超高解像度の Mac のディスプレイのためにあなたのスクリーンのすべてのピクセルをフルに使いこなしたい場合は、(Mac のインターフェイス要素がとても小さくなってしまうのを気にしなければ) それができる。これは、スクリーン上に最大限の広さを確保したい場合に適している。ただし、Dock のアイコンをタップしたりメニューにアクセスしたりする際にはきっと目を細めて狙いをつける必要があるだろうが。
そうでなければ、ピクセルを二倍密度にして使うこともできる。技術的には HiDPI と呼ばれる設定だが、こうすれば Mac のディスプレイとして使っている iPad が Dock やその他のものをすべて普通の、読みやすいサイズにしつつ、よりくっきりした全体の見栄えを提供できる。
Astro HQ の Matt Ronge は次のように説明する:
もしもあなたの Mac に iPad をフル Retina 解像度で駆動する能力があれば、それが有効になる。こうすることで、iPad 上のあらゆるピクセルが利用される。そうでない場合は、あなたの目に見えるものは iPad のスクリーンに合うように縮小され、二倍化されたピクセルがすべてに使われる。
Luna Display を使う
Luna Display を使って私の第六世代 iPad を Mac のスクリーンに変身させるのは、私が仕事場で使っているデュアルモニタのセットアップとはやはり違う。何と言っても、iPad は iMac のメインディスプレイに比べればずっと小さいからだ。
だから、私は自分のワクワクする気持ちを押さえ込まなければならなかった。いくらか実験してみた結果、私は iPad を主たるディスプレイとして使うことを大体において止めてしまい、その狭苦しい領域の中で複雑な Mac の作業をこなすことを諦めざるを得なかった。
他方、情報コンソールとして、あるいは「参照用ディスプレイ」として iPad は素晴らしく見事に機能した。私は Gmail と Slack を、それぞれフルスクリーンモードで、そこに表示させておき、Command-Tab のキー組み合わせでそれらの間を (また iMac 画面上の他のアプリにも) 簡単にナビゲートできた。このテクニックのお陰で、これまで私の Mac ディスプレイ上では重要な通知がウィンドウの下に埋もれて見逃されてしまうという問題がよく起こっていたが、その問題が大体においてきれいに解消された。試してみる際には、必ず System Preferences > Mission Control で Displays Have Separate Spaces オプションをオンにしておくようにしよう。
それに加えて、この iPad は複雑なアプリの二次的なウィンドウやツールバーなどを片付けておくための理想的な場所ともなることが分かった。例えば、Final Cut Pro を使う場合、ブラウザ、ビューワ、タイムラインといったものを iPad 上に置いておくことができる。(View > Show in Secondary Display のオプションを使う。)
その後、私は Apple の 2018 年型 12.9 インチ iPad Pro のレビュー用ユニットを手にすることができ、短期間だがこれを Luna で動かす Mac のディスプレイとして使ってみた。その使用体験は、まさに根本的に違うものとなった。12.9 インチ iPad Pro のスクリーン (二倍密度で 2732 × 2048 ピクセル) は 9.7 インチ iPad (2048 × 1536 ピクセル) に比べてあまりにも大きくて、何をするにも十分にたっぷりした余地があった。Ronge によれば Luna Display を新型 iPad Pro とフル互換にするためにソフトウェアアップデートをリリースしなければならなかったとのことだったが、私の体験ではこのアップグレードはしっかり大盤石だと思う。
けれども、iPad のスクリーン上で Mac のインターフェイスを使おうとすると、問題が起こらない訳ではない。
デュアルスクリーンの作業環境をスタートさせるのが、まずちょっと厄介だ。なぜなら、どちらの Luna アプリを先に起動させるべきなのかがはっきりしないからだ。iOS アプリが先か、それとも Mac アプリが先なのか? どちらの順番で試してみても、二・三回やり直さないとすべてが正しく動くようにならないことが時々あった。
おそらくこれが最も問題の多い点だろう。Astro HQ は Luna Display が実質的に iPad をタッチスクリーンの Mac に変えられると主張しているが、それは約束し過ぎのこととなる可能性があると思う。
実際、Astro HQ は最近のブログ記事の中で新型 iPad Pro タブレットを Apple の新型 Mac mini にワイヤレス接続してその (唯一の) スクリーンとして使うことを論じて、かなりの話題を集めた。これは、確かにある程度は意味を成す。クロゼットの中や棚の上の見えない場所に Mac mini を置いて使っている人なら、Luna Display をワイヤレスでそのスクリーンとして使うことができれば大いに便利で柔軟性もあるだろう。
でも、Astro HQ の実演ビデオを見て、私はちょっとがっかりした。ビデオの中のユーザーは、ゆったりと椅子に座り、指先と Apple Pencil のジェスチャーだけを使って完全な Mac セッションを進めていたのだ。確かに、それで十分使いこなせる Mac アプリもあるにはあるだろう。
でも、一般的に言って、そのような使い方をしていれば、macOS がタッチして使うオペレーティングシステムとしてはあまりにも不出来だという事実が浮き彫りになるだけだ。Microsoft の Windows 10 や Google の Chrome OS のような、タッチして操作することを念頭に置いて作られたものとは違うのだ。それらのエコシステムにおいてはタッチスクリーンのノートブック機がますます多く使われるようになってきているので、いずれのオペレーティングシステムも指先やスタイラスペンでのコントロールのための機能が多く導入されている。Apple がそれと同じ道には踏み込むまいとしているのは有名な話だ。
最も注目すべきこととして、Duet はつい最近になって Luna Display に直接狙いをつけ、最新版の Mac アプリ (有料の iOS アプリと対になる無料のアプリ) は Mac のハードウェア・アクセラレーション対応となったと発表した。最近リリースされた macOS 10.14.2 の下では、これでパフォーマンスが改善されるという。
Air Display の方が Duet Display よりも少しお買い得だ。なぜなら、こちらはワイヤレスにも、物理的テザリングにも対応していて、そのための追加料金が不要だからだ。Apple Pencil 対応 (さらにはいくつかのサードパーティのスタイラスペンへの対応) も組み込まれている。Air Display も最近になって新型 iPad Pro の解像度への対応を追加した。その上、Air Display のメーカー Avatron はそのソフトウェアの Mac 版も $19.99 で出していて、こちらを使えば別の Mac をあなたのメインの Mac の外付けディスプレイとして使うことができる。
そして、私と同様に macOS だけでなく Windows も使っている人にとっては、Duet Display と Air Display の双方が PC 版を出していることも注目すべきだろう。Astro HQ も、Windows ユーザーにも Luna Display ドングルを使ってもらうためにその方向を目指したいと述べた。もしもそれが実現されれば、私の職場の2モニタ PC のセットアップに第3のディスプレイを追加することができてとても嬉しいだろうにと思う。
Astro HQ は他にもいくつかのことを準備中だ。Ronge によれば、新バージョンの Apple Pencil に搭載された、ダブルタップしていろいろなソフトウェア機能を呼び出す、あの新機能を Luna Display に取り込めないものかどうか研究中だという。また、iPad の縦置きモードに対応する方法も調べているところだという。現時点では、Luna Display は横置きモードにした iPad でしか使えない。
結論
この Luna Display は、パフォーマンスに関するマイナーな問題はあるけれども、エンジニアリングの観点からは非常に印象深い快挙だ。iPad を信頼できる有用な Mac ディスプレイへと転化させるという約束を、見事に実現している。ソフトウェアのみの手法に比べれば値段が高いかもしれないが、Mac と iPad を組み合わせたセットアップに最大限の柔軟性とパフォーマンスを欲する人にとっては十分に考慮に値する製品だろう。
New York Times による調査が、Facebook の罪を暴露した。Facebook は、同社の 22 億人のユーザーたちから集められる限りのデータを吸い上げて自らの目的に利用するだけでは飽き足りなかったとみえて、内密のうちにそのデータを他のテクノロジー巨大会社と共有していた。そこには Amazon、Microsoft、Netflix、Sony、Spotify、Yahoo、ロシアの検索の巨人 Yandex、そしてさらには Apple の名前さえ挙がっている。
Facebook のプライバシーおよび公共政策担当重役は、これらの提携関係のいずれも決してユーザーのプライバシーを侵害するものでなく、2011 年に US Federal Trade Commission (連邦取引委員会) と交わした、同社が明示的な許可なくデータの共有を行なわないとした取り決めにも違反しないと主張した。でも、大会社のずる賢い広報担当者が「へい旦那、素直にお縄を頂戴します」なんて言ったことが未だかつてあっただろうか?
Apple について、この記事は次のように述べる:
Facebook は Apple に、そのデバイスがデータを求めている徴候のすべてを Facebook ユーザーから隠す権限を与えた。また、記録の示すところによれば、Apple デバイスはすべての共有を無効とするようアカウント設定を変更した人たちの連絡先の数字やカレンダー項目にアクセスできていた。
Apple の担当者は、Facebook がデバイスに対して特別のアクセスを認めていたとは知らなかったと述べた。また、共有されたデータは何であれそのデバイス上のみに存在し、そのユーザー以外の誰からもアクセスできないものだとも述べた。
セキュリティ・ジャーナリストの Brian Krebs が、新手の精巧なフィッシング攻撃を素っ破抜いた。Apple からかかっていると見せかけた電話で、自動化されたメッセージを再生してデータ漏洩を警告するものだ。(この種の電話詐欺の最近の事例や、それに対抗するための助言は、2018 年 5 月 23 日の記事“電話による "iCloud 侵入" 詐欺にご注意を”をご覧頂きたい。) 幸いにも、詐欺師が電話した相手は Global Cyber Risk の Jody Westby で、彼はすぐに電話を切ってから Apple Support に電話し、本当に漏洩があったのかを尋ねた。(もちろんそんなものはなかった。) このなりすましはあまりにもうまく出来ていて、その詐欺師からの通話と本物の Apple からの通話を iPhone の着信履歴リストが区別できなかったほどだった。
現時点でこの種の攻撃に対処する最良の方策は、あなたが個人的に知っている人や会社からの通話と、かかってくると期待している通話、それ以外の通話は一切受けないことだ。また、一般的に言って、頼んでもいないのにかかって来たけれども本物らしく聞こえる Apple あるいはその他の会社からの電話に対しては、いったん電話を切り、ご自分の手で正しい電話番号を調べて、あなたの方からかけ直すのがよい。