Thoughtful, detailed coverage of everything Apple for 28 years
前週号 | 日本語版ホーム | 次週号

#1458: iOS 12.2、macOS 10.14.4、Apple News+、Apple Arcade、新型 iMac、第二世代 AirPods

本日開催されたスペシャルイベントで Apple はさまざまの新しいサービスを発表した。Apple TV+、Apple News+、Apple Arcade、Apple Card とずらりと並んだもののうち、現時点で既に利用できるのは Apple News+ だけ (ただし当面は米国とカナダのみ) だ。Julio Ojeda-Zapata がこの問題について概観する。登場予定のゲーミングサービス Apple Arcade については今週号で Josh Centers が検討するが、Apple TV+ と Apple Card (いずれも今年中に登場すると Apple は約束した) については私たちのウェブサイトで近日中に詳しい記事を出す予定だ。期待通り Apple は iOS 12.2、macOS 10.14.4、tvOS 12.2 もリリースしたので、Adam Engst がそれぞれの主要な変更点を概観する。そして最後に、今日の発表に先立って Apple が先週リリースした新型の iMac と AirPods について、何が変わったのかを解説する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは、PopChar X 8.6、MarsEdit 4.3、Mail Archiver X 5.0、BBEdit 12.6.2、Final Cut Pro X 10.4.6, Compressor 4.4.4, Motion 5.4.3、TechTool Pro 11.0.1、Firefox 66.0、CleanMyMac X 4.3、Things 3.8.2 だ。

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

iOS 12.2 と macOS 10.14.4 が Apple News+ を追加、アプリを拡張

Apple はスペシャルイベントの間ずっとテクノロジーの話題についてはほとんど語らなかったが、Apple News+ 講読サービスに対応するために新バージョンの iOS が出てくることには触れた。事実それはプレゼンテーションの後間もなく起こり、iOS 12.2 がリリースされた。その目玉機能は実際 Apple News+ で、アップデートされた News アプリを使ってアクセスする。詳しくは今週号の記事“雑誌、新聞、ウェブサイトを組み込んだ Apple News+ がデビュー”(2019 年 3 月 25 日) を参照して頂きたい。

iOS 12.2 release notes

その日遅く、Apple は macOS 10.14.4 Mojave もリリースした。これも Apple News+ を提供するとともに、iOS 12.2 に施されたものと同じ拡張の多くを含んでおり、それ以外にこれ独自の変更点もいくつかある。ダウンロードサイズは 2.5 GB だ。

macOS 10.14.4 release notes

それぞれのオペレーティングシステムにおける主要な変更点を以下にまとめてみよう。

Siri

iOS 12.2 (と、たった今リリースされたばかりの tvOS 12.2) で、Apple は Siri に Apple TV をコントロールする新たな方法を与えたので、iOS デバイス上の Siri に命じて Apple TV 上でビデオの再生、番組、スポーツゲーム、チャンネル切替、その他のことをさせられるようになる。

Apple TV Siri commands

あなたが iOS デバイス上で何かを視聴していて、もっと大きなスクリーンで見たいと思ったなら、Siri に "play this on the bedroom Apple TV" と命じればよい。さらにもっと興味深いと思われる使い方として、Siri を使って ("Hey Siri" でも呼び出せる) 現在再生中のものの制御ができる。Apple が挙げた実例には次のようなものがある:

もちろん、Apple TV Remote の Siri ボタンを使って Apple TV 上の Siri を呼び出すことも従来通りできるけれども、"Hey Siri" でアクセスできるようになった点が以前より便利だろう。暗い部屋で黒くて小さなリモコンを手探りしなくても済むからだ。

これらの機能が使えるのはオーストラリア、カナダ、英国、米国の四ヵ国のみで、使える言語は英語のみだ。

Screen Time

Screen Time の Downtime 機能を使っている人は、iOS 12.2 で Downtime がそのデバイスを使えなくする時間帯を曜日別にカスタマイズして指定できるようになったことを歓迎するだろう。最初のリリースでは欠落していたことだ。

また、iOS 12.2 では App Limits 機能に On/Off トグルが追加されたので、一時的にこの機能を手軽にオン・オフできる。

Safari

iOS 12.2 の Safari で最も目立つ変更点は、Smart Search Field の中に文字をタイプし始めればすぐに分かる。提案された候補の隣に見える矢印をタップすれば、その提案を受け入れたり編集したりできる。使いづらい iOS キーボードで単語をタイプする手間が省けるのでありがたい。

The arrow icons that let you edit query suggestions.

iOS 12.2 のリリースノートには「Password Autofill により認証情報を入力したあと、ウェブサイトに自動的にサインイン可能」と書かれており、macOS 10.14.4 のリリースノートには「Password Autofill に資格情報を登録した場合はウェブサイトへのログインを簡素化する」と書かれている。もしそうであれば素晴らしいとは思うが、私が iOS 12.2 で二度ほどテストしてみた限りでは従来と何の違いもないように見えた。

Mac 側では、カスタムカラースキームに対応するウェブサイトにおいて Safari が Dark モードへの対応を追加し、push 通知の送信を許可するかどうか尋ねるパネルをサイトで操作をした後にのみ表示するようにし、またセキュアでないウェブサイトをロードすると警告を出すようになった。

最後にもう一つ、いずれのオペレーティングシステムでも Do Not Track 標準への対応が削除された。(2019 年 3 月 19 日の記事“"Do Not Track" の悲劇的なる死”参照。) 今後は Safari の Intelligent Tracking Prevention テクノロジーがクロスサイトのトラッキングに対する保護を提供するのがデフォルトとなる。クッキーに対して新しいアクセス権の要件を定め、長期間にわたる追跡に対して新たな上限を設ける。これらはすべてユーザーにとって良いことだが、広告主たちにとってどうなのかについて Digiday が解説記事を書いている。

AirPlay

AirPlay 経由でビデオを Apple TV に送信する際、iOS 12.2 は Control Center と Lock 画面上とに専用の TV コントロールを置くようになった。Lock 画面と Control Center の双方とも再生コントロールは一目瞭然だが、Control Center 上にある Apple TV リモコン用のアイコンが Apple TV ロゴでなく Apple TV リモコンらしく見えるようになったことに注意しよう。iOS デバイスから Siri を使って Apple TV をコントロールできる新機能と合わせて使えば、これらの変更点のお陰で Apple TV リモコンを一切使わずに済むかもしれない。

Lock screen changes in iOS 12.2

iOS 12.2 のリリースノートには「ビデオ用 AirPlay マルチタスク機能によりその他のアプリを閲覧可能、また AirPlay を中断せずにデバイス上の短い形式のオーディオ・ビデオファイルを再生可能」と書いてある。けれども試してみて分かったのは、そのことが適用されるのは例えば YouTube のようなビデオアプリの内部から AirPlay を指定して使った場合のみであって、Control Center から Screen Mirroring を有効化した場合には適用されないことだった。適合する方法でビデオを Apple TV へ AirPlay し始めた場合には、そのストリームを中断せずに iOS デバイスを普通に使える。

最後にもう一つ、Apple によれば iOS 12.2 は AirPlay 先をコンテンツ内容に応じてグループ化し、再生先のデバイスをより速く見つけることが可能だという。まあ、人によってはたくさんの AirPlay デバイスを持っているのかもしれないが、たった一台の Apple TV と二台の HomePod しか持っていない私には、何のトラブルも起きたことがない。

Apple Pay

Apple Pay Cash と Visa デビットカードを持っている人は瞬時に銀行口座に送金できるとのことで、iOS 12.2 の Wallet アプリがカードの下にクレジットおよびデビットカードの最近の利用履歴を表示するようになったという。

その他の変更点

iOS 12.2 と macOS 10.14.4 には、その他にも数多くの細かな機能の変更点がある。主なものを挙げれば:

iOS 12.2 には Mac と無関係な変更点も二件ある:

バグ修正について言えば、iOS 12.2 では:

macOS 10.14.4 にも独自のバグ修正がある。具体的には:

iOS 12.2 と macOS 10.14.4 へのアップデート

iOS 12.2 へのアップデートは Settings > General > Software Update から、または iTunes 経由でできる。このアップデートのサイズは、iPhone X 上で 834 MB、iPad Air 2 上で 693 MB であった。他のデバイスでも同じくらいのサイズだろう。

従来のバージョンの Mojave から macOS 10.14.4 へアップデートするには、System Preferences > Software Update へ行けばよい。アップデートのサイズは 2.5 GB だ。

いつもと同じく、Apple News+ を試してみたくてたまらない人、またはその他の拡張機能を待ちわびていた人でない限り、私たちとしては少なくとも数日間はこれらのアップデートをインストールをせずに待つことをお勧めしたい。

討論に参加

Josh Centers  訳: Mark Nagata   

Apple、ゲーミングサービス Apple Arcade を発表

Apple が、噂されていたゲーミングサービスを発表した。名前は Apple Arcade だ。これは Netflix や Setapp と似た有料の講読サービスで、App Store から 100 個以上集めた新作ゲームのライブラリへのアクセスを提供する。Apple によれば 2019 年秋に (ということはおそらく 9 月に、iOS 13 と新型 iPhone と共に登場するのだろう)、150ヵ国以上で利用できるようになるとのことだが、価格について同社は何も明かさなかった。

Apple Arcade は iPhone、iPad、Mac、それに Apple TV でも動作し、あなたの進捗状況がこれらのプラットフォームの間で同期される。広告やアプリ内課金などはなく、最初から Family Sharing に対応しているので、同じ料金で最大 6 名までの家族がサービスにアクセスできる。Google とその登場予定のゲームストリーミングサービス Google Stadia を意識したのだろうか、Apple は Apple Arcade のゲームはオフラインでもプレイできると述べた。

Apple は、参加している開発者たちと緊密に協力しつつ彼らが作るゲームを Apple デバイス用に最適化できるようにし、開発者たちには最高の仕事をできるようにするための自由を与えていると述べた。ビジネスの観点からは、この Apple Arcade で最も興味深いのは Apple がゲームサービスを始めるということではなくて、Apple 自身がゲーム出版社となり、Activision Blizzard や Electronic Arts といった業界の巨人たちと競争しようとしていることだ。

Apple Arcade と協力して働いている開発者たちは大体において独立系の会社であって、例えば ustwo games (Monument Valley を作った会社、2014 年 4 月 25 日の記事“FunBITS: iPhone および iPad 用 Monument Valley”参照) のように Apple 世界ではお馴染みだけれどもより広範なゲーム業界では基本的に無名のところが多い。Apple は Konami (CastlevaniaMetal Gear) や Sega (_Sonic the Hedgehog_) とも提携したが、この両社とも残念ながらとっくに盛りを過ぎている。(私は提携会社のリストに Konami の名を見つけて驚いた。この会社は大体においてテレビゲームを放棄してパチンコマシンに集中したのではなかったのか?)

Apple Arcade launch partners.

Apple Arcade の開発者たちは第一級の有名どころではないかもしれないが、いくつかのゲームは興味深いものに見える。例えば Oceanhorn 2 だ。これはもともと Nintendo の Zelda ゲームの見事な模造品であった (2014 年 1 月 31 日の記事“FunBITS: Oceanhorn が iOS に Zelda をエミュレート”参照) のだが、確かに 8-bit や 16-bit の時代の Zelda ゲームによく似ているとしても、Oceanhorn 2 の見栄えは本格的な 3D アドベンチャーで、むしろ 2017 年の大ヒット作品 The Legend of Zelda: Breath of the Wild の方に似ている。

あと二つ、とても興味深いのが、1994 年の古典的なサイバーパンクのアドベンチャーゲーム Beneath a Steel Sky の意外な続編として発表されたばかりの Beyond a Steel Sky と、Lego を使った格闘ゲーム Lego Brawls だ。でも、こういったゲームが、気軽にゲームをしたい人たちの気持ちさえも掴むことができるだろうか? それは、始まってみなければ分からない。

討論に参加

Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Apple、より高速のマルチコア CPU で iMac の性能を向上

Apple は、性能を向上させた新しい 21.5-inch 及び 27-inch iMac をリリースした。これは最新版のマルチコアプロセッサによるものだが、オプションの Radeon Pro Vega グラフィックスチップ、及びより高速の RAM も用意された。これらの変更を除けば、iMac モデルは以前と全く変わらず、Bluetooth 5.0 や Apple の T2 セキュリティチップすらも取り込んでいない。全く悲しい話である。

non-Retina 21.5-inch iMac は $1099 のまま残されたが、変更は何も加えられていない。しかしながら、Apple は iMac Pro に対する受注構成のオプションにも手を加えた。こちらも 15 ヵ月前に登場して以来何の変更もされてこなかった ("Apple、iMac Pro をリリース" 15 December 2017 参照)。

これらの新しい iMac が Apple の店頭に昨日の新型 iPad と一緒に並ぶ様になれば、Apple は来週にも macOS 10.14.4 Mojave と iOS 12.2 をまず間違いなくリリースするであろうことは記憶にとどめておく価値がある。watchOS 5 と tvOS 12 のアップデートも一緒になるかもしれないが、それはこれら二つのメインのオペレーティングシステムが受けるであろうセキュリティアップデートに歩調を合わせることになればの話である。

2019 iMac 構成は捻れている:痛い目に遭わないように!

詳細に入る前に、警告を一つ。Apple が前回 21.5-inch 及び 27-inch Retina iMac を更改した時 ("Apple、iMac と MacBook ラインを増強、iMac Pro で興奮を誘う" 6 June 2017)、TidBITS 読者の一人は、同じ構成のものに対して、どの様に始めるかで支払額が多くなったり、少なくなったりすることがあることを指摘した。

具体的に言うと、ある構成に対して、高性能オプションから入る方が、もっと性能の劣るオプションから入って同じレベル迄性能を上げて行くよりも、より性能のいい Radeon Pro グラフィックスプロセッサが得られると言うものである。

更なる詳細については、記事全文を "2017 iMac 構成捻れる:騙されないように!" (12 June 2017) で読んでほしい。そして Radeon Pro オプションに関する最初の2章は新しいモデルにも当てはまることに留意してほしい。

21.5-inch iMac 4K Retina ディスプレイモデル

アップデートされた 21.5-inch iMac 4K Retina ディスプレイモデルの変更点は、3つのカテゴリに分類される:より高速の CPU、アップデートされた GPU、そしてより高速の RAM である:

Apple はまた注文構成のオプションにも手を入れ、低位機の 21.5-inch Retina iMac に 32 GB の RAM と 1 TB SSD を付けさせてくれることになった。このどちらも以前は最低速のプロセッサとは組み合わせはさせてくれなかった。これは小さな変更である - RAM とストレージを最大化したい人の多くは、より高速のプロセッサも欲しがると思う。我々は常に、Fusion Drive よりも SSD を推奨してきたが、何をするにしろ、1 TB ハードドライブオプションは絶対に選ばないように;それでは iMac の性能は破壊されてしまう。Apple はハードドライブモデルを完全に廃止すべきである。

価格体系はそのままで、低価格機は $1299 から始まり、満艦飾のマシンだと $2999 に達する。

27-inch iMac 5K Retina ディスプレイモデル

27-inch iMac 5K Retina ディスプレイモデルは、長いこと私の好きな Mac の一つであった - 私は今でも初代モデルを 2014 年以来使っているし、最近やった 16 GB から 32 GB への RAM アップグレードで、macOS 10.14 Mojave と共に現れ始めたしつこい問題も消滅した様に見える。しかしながら、これは Apple からは長いこと愛を得られてこなかった - 最新の性能向上はほぼ2年前に遡る。

27-inch 製品群の変更点も 21.5-inch のものと同様で、より高速のプロセッサ、アップデートされたグラフィックスチップ、そしてより高速のメモリである:

明らかにより高速なプロセッサが搭載されたにも拘らず、値段は据え置かれ、低価格の構成は $1799 から始まり、最高の構成だと $5249 に達する。

iMac Pro 構成が見直される

27-inch iMac 5K Retina ディスプレイモデルがどれだけ強力になっても、iMac Pro と太刀打ち出来る所までは行かない。iMac Pro は 18-core Intel Xeon W プロセッサの構成まで行ける。.

Apple の新しい iMac の報道発表では触れていないが、同社は iMac Pro に高性能オプションを付け加えている。今や、それに 256 GB の RAM をあっと驚きの $5200 で、16 GB の VRAM 付きの Radeon Pro Vega 64X GPU を $700 で搭載出来る。入門レベルの MacBook Air の SSD ストレージよりも大きい RAM を持つ iMac など、想像するだけで少々異様な感じがする。

同時に、MacRumors が報じる所によると、Apple は幾つかの注文構成のオプションの値段も下げていると言う:RAM アップグレードからは $400、Radeon Vega Pro 64 グラフィックスプロセッサからは $50、そして 4 TB SSD ストレージオプションからは $400 が削られている。

性能向上は常に歓迎だが...

これらの変更のどれにも難癖をつけるのは難しい - 同じ値段でより速くなるのは良いことである。しかし、これらの改善のどれもが、現行の Retina iMac をアップグレードするに値するだけの意味があるとは言い難い。Apple がこれらのモデルをアップデートし、そして iMac Pro にも幾つかの高性能オプションを追加したと言う事実からすると、同社は近々に、この製品群により意味のあることをしようとは考えていないと思われる。

勿論、ある人々にとっての認識はしているが触れたくない問題は Mac Pro に対するアップデートであろう。これは Apple が今年中にはと約束しているものである。これは、旧型の Mac Pro や 27-inch iMac から iMac Pro に今すぐ移行するか、或いは Apple が次にリリースする Mac Pro を、それがどんなものであれ、待つか思い悩んでいる人にとっては大事な話である。

しかし、かなり昔の Mac から新しい iMac にアップグレードするのを留保してきたのであれば、今が一番良い時である。

討論に参加

Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

第二世代 AirPods、"Hey Siri" とオプションでのワイヤレス充電を提供

Apple は第二世代 AirPods をリリースした。これには新しい H1 チップが採用されているが、以前のものは W1 チップで第一世代 AirPods とワイヤレスの Beats 製品に使われていた。Apple によると、H1 チップは新型 AirPods に第一世代 AirPods よりも 50% 多い連続通話時間を与え、接続速度も2倍速くなっていると言う。しかし、H1 チップの主要な利点は "Hey Siri" を使わせてくれることで、これにより自分の声で Siri を呼び出せるようになる。以前は AirPod をダブルタップする必要があったが、それはいつでも可能なわけではない。

新しくなったものにはまた Wireless Charging Case があり、これは Qi 対応の充電マットの上に置いただけで充電される。標準の充電ケースの付いた第二世代AirPods の値段は $159 に据え置かれているが、Wireless Charging Case の付いた AirPods は $199 に跳ね上がる。幸いにして、Wireless Charging Case は第一世代 AirPods にも対応しており、$79 で別売りもされている。この Wireless Charging Case のリリース、そして iOS 12.2 ベータからわかることからすると、 Apple が長年約束し続けてきた AirPower 充電マットの登場はもうすぐなのかもしれない。

Wireless Charging Case の正面には小さな LED 表示が付いており、充電状態を示す。また、AirPods を Apple Web サイトか Apple Store アプリ経由で注文する場合、ケースの正面に最大 19 文字迄のレーザー刻印が可能である。

An engraved AirPods case

これらの改善と追加された選択肢を除けば、新型 AirPods は AirPods ファンが求めるもの全てを継承している。Apple は、音質や電池寿命の改善には何も触れていないが、どちらも現状のままで十分なレベルにある。

第二世代 AirPods と Wireless Charging Case は、もう入手可となっている。

討論に参加

Julio Ojeda-Zapata  訳: Mark Nagata   

雑誌、新聞、ウェブサイトを組み込んだ Apple News+ がデビュー

ほとんどきっかり一年前に Apple がデジタル雑誌サービス Texture を買収した際には (2018 年 3 月 12 日の記事“Apple、デジタル雑誌サービス Texture を買収”参照)、いずれはこれに似た Apple ブランドのサービスが登場するだろう、おそらくそれは News アプリに統合されるだろう、という推測が盛んに飛び交ったものだった。

その推測は、まさにぴたりと当たっていた。サービスに焦点を当てた 2019 年 3 月 25 日のスペシャルイベントで、Apple は Apple News+ というものを発表した。これは Apple News に追加される有料のアドオンで、およそ 300 の雑誌と、いくつかの大手の新聞やデジタル出版へのアクセスを提供する。現時点では、米国とカナダでのみ Apple News+ が利用できる。オーストラリアとヨーロッパでは「今年の秋」にアクセスできるようになる予定だという。私たちの予想では、次期バージョンの iPhone と iOS のリリースに合わせた 9 月の登場になるのではないかと思う。

A look at Apple News+

あなたのデバイスで Apple News+ を有効にするには、まず iOS 12.2 または macOS 10.14.4 Mojave にアップデートしなければならない。それから、News アプリのサイドバーまたはツールバーにある News+ アイコンを探す。見つからないって? もう一度よく見るとよい。Today アイコンとあまりにもよく似ているので、つい見逃しがちだから。

Apple News+ はスクリーン上で雑誌を読めるようにし、アニメーション化された表紙、写真やインフォグラフィックのカスタマイズ、複数個のタイトルにわたる検索、賢いユーザー推薦、雑誌内および複数個の雑誌にわたっての手軽なナビゲーション、iPhone、iPad、Mac それぞれのスクリーンにシームレスに適合する動的レイアウトなどを提供する。そのいずれも別に革新的なものではない。Texture がその大部分を既に実装していたのだから。

Apple は、あらゆる種類のコンテンツを提供できるもっと包括的な有料ニュースサービスを目指していたが、まだすべきことが残っている。雑誌 (30 のカナダの雑誌もある) を除けば、Apple News+ は当初の時点では Los Angeles Times と Wall Street Journal、それにカナダの新聞 The Star、そして theSkimm、Vox、New York Magazine、TechCrunch などほんの少数のウェブサイトしか含んでいない。さらに Wall Street Journal に関しては注意点がある: どうやらこの新聞のコンテンツすべてにはアクセスできず、一般的関心のためのニュースいくつかを精選して提供しているに過ぎないようだ。

月額 $9.99 で、Apple News+ には競合的な価格が付いている。とりわけ、家庭内で家族の一人一人が自分の好きな雑誌を選んで設定してそれぞれに使っても一つの料金で済むのだからなおさらだ。また、Apple は最初の一ヵ月間は無料にしている。もちろん、Apple News+ の料金を安いと感じるか否かはあなたがこれまで印刷された雑誌をどれだけ読んでいたか、それらがどの程度の価格だったかに依存するだろう。あなたは現在、定期刊行雑誌に年間 $120 以上を支払っているだろうか?

Apple News+ に競合するものはいろいろある。AmazonMagzterZinio といった会社がこれとほぼ同等のサービスを提供していて、場合によってはもっと広範な雑誌カタログを利用できることもある。Texture もまだ利用でき、どうやら 5 月までは従来通りのようだが、Texture から Apple News+ に移行すればあなたの講読もそれに付いて来る。

講読を検討している人たちは、Apple News+ のような有料サービスに料金を支払う前に、近所の公共図書館を調べてみるべきかもしれない。FlipsterRBdigital のようなデジタルパートナーとの提携により、デジタル雑誌のかなり充実した選択肢を無料で利用できる公共図書館もあるからだ。

けれども Apple デバイスを使っている人には、Apple News+ が独特の魅力を発揮する。Apple が細かいところまで注意を払い、使いやすさを追求しているからだ。また Apple は、あなたが何を読んでいるかを広告主が (そして Apple 自身さえも) 知ることができないようにして Apple News+ があなたのプライバシーを保護すると強調する。

より大きな疑問点として、出版社にとって Apple News+ がどの程度うまく働くのかという問題がある。New York Times は最近発表した声明の中でこのサービスに対する不満を表明し、参加する意志がないと述べた。他のいくつかの報道関係各社も、参加と引き換えに Apple が取り分として徴収する収益割合に異議を唱えていると言われる。

まだ懐疑的なそれらの出版社を Apple が説得できるか否かによって、Apple News+ が成功するか否かが決まるだろう。なぜなら、読者たちが好みの出版物のために別途講読を余儀なくされるのであれば、Apple News+ の魅力がぐっと落ちてしまうだろうからだ。

あなたの見解は?

あなたが定期刊行物を消費するやり方を、Apple News+ は変えることになるだろうか? あなたは現在どれくらいのお金を定期刊行物に使っていて、もしも Apple News+ を使えばどれくらいの節約になるだろうか、あるいはもっと多くのものを読むようになるだろうか? 質問 4 個の手早いアンケートを実施中なので、どうぞ皆さんも投票して、さらにもっと踏み込んだ回答をコメントにも書き込んで頂きたい。

討論に参加

TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata

PopChar X 8.6

PopChar X 8.6

Ergonis Software が PopChar X 8.6 をリリースした。最近使った文字のセクションに表示したい行数を設定するオプションを追加した、メンテナンス・リリースだ。また、この文字発見ユーティリティは今回からいくつかのシンボルフォント (FontAwesome、Material Icons、Webdings、Wingdings、その他) でフォントごとの Unicode 記述に対応し、このアプリがアクセシビリティ許可を求めるのを macOS 10.14 Mojave 下のみに限定し、Mojave の Dark モードにおけるメニューバーアイコンのプルダウンメニューを改良し、一時フォルダによってインストールやアップデートが失敗に終わることがあった問題を回避している。PopChar は今回から公式に Apple 認証を受けたアプリケーションとなった。(新規購入 29.99 ユーロ、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、バージョン 8.0 からは無料アップデート、4.9 MB、リリースノート、macOS 10.6+)

PopChar X 8.6 の使用体験を話し合おう

MarsEdit 4.3

MarsEdit 4.3

Red Sweater Software が MarsEdit 4.3 をリリースして、ユーザーインターフェイスとアップロード済み GIF 画像の処理に改良を加えた。このブログ用エディタは今回からアニメーション GIF でアニメーションを保ったままリサイズする機能に対応し、一部の GIF 画像が空のファイルとしてアップロードされてしまったバグを修正し、 GIF 画像を Tumblr ブログにアップロードすると PNG フォーマットに変換されてしまった問題を解消している。インターフェイスの改良により Dark モード下の Media Manager の見栄えが良くなり、ステータスメッセージが改善され、プレビューウィンドウ内容のサイズがウェブブラウザで表示したものと合致するようになった。(Red Sweater Software からも Mac App Store からも新規購入 $49.95、15.6 MB、リリースノート、macOS 10.12+)

MarsEdit 4.3 の使用体験を話し合おう

Mail Archiver X 5.0

Mail Archiver X 5.0

Moth Software が Mail Archiver X 5.0 (前回 TidBITS で取り上げたのは 2011 年 9 月 6 日の記事“Eudora から電子メールを変換: なぜ私はもうあの P.O. に住んでいないか”) をリリースして、暗号化機能を新設し、macOS 10.14 Mojave の Dark モードに対応した。この電子メールアーカイブ用ツールはメール構文解析を更新し、動作速度を改善し、メールプレビューにインライン画像をロードするようになり、外部画像をダウンロードして保存するオプションを追加している。今回のリリースではまた、プロキシがある場合にも電子メールを送信する機能への対応を追加し、再索引付けや既存の PDF ファイルのチェックの際に進行状況を表示するようにし、アプリの統計情報に StatHat の代わりに Google Analytics を使うようにし、メールボックス選択領域にすべてのメールボックスを選択または非選択にするボタンを追加し、Unicode 検索を改良している。

2019 年 2 月 1 日以後に Mail Archiver X を購入した人は無料でバージョン 5.0 にアップグレードできる。その日またはそれ以前に購入したライセンスを持つ人は 50% 割引が受けられる。無料試用版もあって、10 日間はデモモードで利用でき、その後はアーカイブを開くことはできるけれども新たな電子メールの追加はできなくなる。(新規購入 $44.95、無料アップデート、151 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

Mail Archiver X 5.0 の使用体験を話し合おう

BBEdit 12.6.2

BBEdit 12.6.2

Bare Bones Software が BBEdit 12.6.2 をリリースした。この古参のテキストエディタに改善とバグ修正を加えた、メンテナンス・リリースだ。今回のアップデートでは App Store 以外のビルドで起動時にサンドボックスアクセスへの許可を求めなくなり (ただし後になって一部の機能を使う際にサンドボックスアクセスを要求することもあり得る)、内蔵 FTP クライアントに調整を加えてディレクトリをリストする際に可能な限り MLSD コマンドを使うようにし、大規模なバッチ処理の際にファイル名から拡張子への言語マッピングのパフォーマンスを改善し、アプリケーションを終了した際にフルスクリーンモードにあったウィンドウのサイドバー幅を正しく再現するようにし、シバン文字列 (#!) で始まるスクリプトを走らせた際に書き出された一時ファイルが隔離されてしまった macOS の誤動作を回避している。(新規購入 $49.99、無料アップデート、13.8 MB、 リリースノート、macOS 10.12.6+)

BBEdit 12.6.2 の使用体験を話し合おう

Final Cut Pro X 10.4.6, Compressor 4.4.4, and Motion 5.4.3

Final Cut Pro X 10.4.6, Compressor 4.4.4, Motion 5.4.3

Apple が Final Cut Pro X 10.4.6Compressor 4.4.4Motion 5.4.3 をリリースし、三つのアプリのいずれも、YouTube にビデオを共有する際の信頼性を向上させるとともに、10.14 Mojave より後のバージョンの macOS と非互換の可能性のあるメディアファイルを検出・変換できるようにした。また、Final Cut Pro 10.4.6 は終了した後に共有先が共有メニューから消えることがあったバグを修正し、インターフェイスをサイズ変更した際にワークフロー拡張ボタンが消えることがあった問題を解消し、Select Clip コマンドで再生ヘッドの下のクリップが誤って選択された問題を修正し、再リンクしたメディアがブラウザとタイムラインに黒いサムネールで表示されることがないようにしている。(いずれも無料アップデート。Final Cut Pro X 新規購入 $299.99、2.97 GB、リリースノート、10.13.6+; Compressor 新規購入 $49.99、401 MB、リリースノート、10.13.6+; Motion 新規購入 $49.99、2.33 GB、リリースノート、10.13.6+)

Final Cut Pro X 10.4.6, Compressor 4.4.4, Motion 5.4.3 の使用体験を話し合おう

TechTool Pro 11.0.1

TechTool Pro 11.0.1

Micromat が TechTool Pro 11 をリリースした。このハードドライブおよびシステムの修復・メンテナンス用ツールに macOS 10.14 Mojave 互換性を提供する、メジャーなアップグレードだ。今回のアップデートではまた、あなたのホームフォルダのアクセス権をリセットしてホームフォルダのパフォーマンスを復活・改善する Home Permissions ツールを追加し、TechTool Pro 内蔵のテストやツールの多くを根本から見直してより高度な方法でこのアプリのタスクの多くを実行できるようにした。TechTool Pro 11 の価格は $129.99 で、TechTool Pro 10 のライセンスを持つユーザーは $29.99 でアップグレードできる。Micromat はまた TechTool Pro 9 から ($49.99) と TechTool Pro 8 やそれ以前から ($59.99) のアップグレードも用意している。(新規購入 $129、macOS 10.10+)

TechTool Pro 11.0.1 の使用体験を話し合おう

Firefox 66.0

Firefox 66.0

Mozilla が Firefox 66 をリリースして、大きな機能を一つ追加した。ウェブサイトがビデオやオーディオを自動再生できないようにするオプションだ。(2019 年 2 月 6 日の記事“#DeathToAutoPlay - 自動再生するオーディオとビデオを廃絶しよう!”参照。) Preferences > Privacy & Security > Permissions でオーディオ自動再生をブロックする選択ができ、ビデオ自動再生を許す例外設定もできる。Mozilla によれば、この Block Autoplay 機能をオンにしてもサウンドをミュートした状態でビデオを自動再生する一部のサイト (ソーシャルメディアなど) ではビデオ再生を止めないという。

Firefox 66 はまた、ページ上部に画像や広告が挿入される度にコンテンツがジャンプするのを防ぐためのスクロールアンカー機能を実装し、開いているタブを検索する新しい方法 (多数のタブが開いている場合に見えるタブ・オーバーフロー・メニューからアクセスする) を導入し、ウェブコンテンツをロードするプロセスを 4 個から 8 個に倍増させてパフォーマンスを改善するとともにクラッシュ率を減らし、MacBook Pro モデルの Touch Bar への基本的対応を追加している。(無料、64.9 MB、 リリースノート、macOS 10.9+)

Firefox 66.0 の使用体験を話し合おう

CleanMyMac X 4.3

CleanMyMac X 4.3

MacPaw が CleanMyMac X 4.3 をリリースして、ストレージマップを構築して最大スペースを浪費しているものを見つけ出す Space Lens というベータ版の機能を追加した。この機能や、将来追加される他のベータ版の機能は、すべて Preferences で有効にできる。この汎用クリーニングおよびメンテナンスアプリはまた、アプリケーション残滓ファイルをスキャンする機能の信頼性と速度を改善し、アクセス権に関係する CleanMyMac X Menu の問題点をいくつか解決し、高コントラストモードを改善してアクセシビリティを高め、CleanMyMac がスキャンを終えた後に Dropbox に自らのフォルダ全体を再同期させていたバグを修正している。(新規購入は $89.95 の一回払いまたは $39.95 の年間講読、無料アップデート、72.4 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

CleanMyMac X 4.3 の使用体験を話し合おう

Things 3.8.2

Things 3.8.2

Cultured Code が Things 3.8.2 をリリースした。このタスクマネージャのメンテナンス・リリースで、Brave ウェブブラウザでの Quick Entry 対応を追加し、すべてのタグフィールドで Command-Return に対応し、macOS 10.14 Mojave の Dark モードの中では明色のスクロールバーに切り替えるようにし、タイトル付き URL をドラッグまたはペーストする際の処理を改善し、to-do を編集している最中にアプリを終了した場合に変更点が失われることがあったバグを解消し、カレンダーイベントに関するパフォーマンスの問題を修正し、稀な状況下でリマインダーが働かなくなったバグを修正している。(新規購入 $49.99、無料アップデート、16.9 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

Things 3.8.2 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata

For Better or Worse, GarageBand Has Changed Music

善かれ悪しかれ、GarageBand は音楽を変えた

2004 年に Steve Jobs とミュージシャン John Mayer が GarageBand をお披露目した際には、それがどんな影響を音楽業界に及ぼすかなど誰にも見えていなかった。そして今日、もしあなたが音楽業界にいなければ、Rolling Stone の Amy Wang が物語る状況に、きっと驚くことだろう。もはや GarageBand はアマチュアたちだけのものではない。プロフェッショナルなレコーディングに GarageBand を使ってきたアーティストたちの名前を挙げただけでも、Duran Duran、Haim、Nine Inch Nails、Rihana、St. Vincent、T-Pain、Usher など錚々たる面々が並ぶ。人気のある楽曲の中には、Apple が GarageBand に含めたループの上にボーカルを乗せただけのものもあるし、有名楽曲の中から GarageBand ループを聴き分けることを趣味にしている人たちさえいる。もちろん、GarageBand を使えば音楽の才能のあまりない人でも手早く楽曲を作ることができる。それが素晴らしいことなのか困ったことなのかは読者の皆さんの判断に任せよう。

元記事を読む | 討論に参加

Apple and Stanford Announce Results of Heart Study

Apple と Stanford、心臓に関する研究結果を発表

Stanford 大学医学部と Apple が大規模な調査 Apple Heart Study の結果を発表した。400,000 人以上の Apple Watch (Series 1、2、または 3、ただし 4 は含まず) ユーザーを追跡して、ウォッチの心拍センサーから取得したデータをアプリが使うことによって心房細動 (AFib) を見分けることができるか否かを調べることが目的だ。アプリが不整脈を探知すれば、そのことをユーザーに通知し、その場合にユーザーは必ず医者との間で遠隔医療の診察を受けることになっていた。その後、そのユーザーには携帯式の ECG (心電計) パッチが提供され、それ以後に Apple Watch が読み取ったデータと心電図との比較が行なわれた。

調査の結果は良いもののように見える。何の通知も受け取らなかった患者はたった 0.5% で、通知を受け取った患者たちのうち 84% がその通知の時点で AFib であった、ECG パッチを使った人たちのうち AFib だと診断されたのはたった 34% であったが、調査報告書の筆者たちによれば AFib は本来間欠的に起こるものなので驚くには当たらないという。

ある意味で、今回の調査は実際に診察して結果を得るよりもウェアラブルテクノロジーを使えば多数の患者から素早くデータを集めることができるという点で興味深い。このようなテクニックを使うことで、医学研究もその種類によっては大幅なスピードアップが得られることだろう。(あなたがもしも AFib が心配だと思うなら、Apple Watch Series 4 に搭載された ECG センサーが役に立つだろう。2018 年 10 月 3 日の記事“私は救急医療隊員: Apple Watch Series 4 が命を救う場合とは、救えない場合とは”参照。)

元記事を読む | 討論に参加

The Tragic Death of “Do Not Track”

"Do Not Track" の悲劇的なる死

ブラウザのオプション Do Not Track (トラッキング拒否機能) が 2009 年に初めて作られた時、それは広告に依存するビジネスモデルを持つ出版社へのダメージを最小限に抑えつつクリック一つでプライバシーが守れる方法として注目を浴びた。けれどもその作業グループが 2013 年以後活動を止め、Apple が 2019 年 2 月にこれに対応するオプションを Safari から削除するに至って、今や Do Not Track はほとんど死んだようなものだ。Fast Company の記事で、Glenn Fleishman がいったいなぜすべてがおかしくなってしまったのかを解説する。皮肉にも、Apple が Do Not Track を Safari から外した理由の一つは、この設定を有効にすることで実際にはかえって追跡者たちがあなたを見つけやすくなってしまうからだ。また、もともと Do Not Track のアイデアは US Federal Trade Commission (米連邦取引委員会) の Do Not Call 制度から来ているのであるが、Glenn の考えでは法律にきちんと従うのはごく良心的な会社のみなので制度として失敗であった。もっと大幅に強力な強制力を持ったプライバシー法制がない限り、私たちとしては広告ブロックテクノロジーや追跡防止テクノロジーに頼って広告主たちと競い合って行くしかない。

元記事を読む | 討論に参加

European Commission Fines Google €1.49 Billion

欧州委員会、Google に 14.9 億ユーロの制裁金を科す

European Commission (EC、欧州委員会) が、European Union (EU、欧州連合) の反トラスト法に違反したとして Google に 14.9 億ユーロの制裁金を科した。具体的には、Google が市場における優位を利用して、サイト内蔵検索機能に Google の検索エンジンを使っている会社が Microsoft や Yahoo のような競合各社の運営するライバルの広告ネットワークからの広告を表示できないようにしたと EC は述べる。Google はその後その要件を緩和したが、それでも最も目立つ広告には自らの優位性を主張し続け、2016 年 7 月に EC が異議を唱えて以後にやっとそのやり方を変えた。14.9 億ユーロは大きな金額に見えるけれども、EC が 2018 年 7 月に Google の Android での慣行に対して科した 43.4 億ユーロや、2017 年 6 月に Google が自社の比較ショッピングサービスで違法な利点を使ったことに対して科した 24.2 億ユーロに比べればずっと小さい額だ。EC によるこれらの制裁金は決して少額ではないが、Google が年間に稼ぐ金額に比べればごく僅かだとも言える。2018 年の Google の収益は 1368 億ドルで、Google にとっては EC に支払う金額もビジネス上の必要経費の範囲内なのだろう。

元記事を読む | 討論に参加