Apple が長いこと約束してきた AirPower ワイヤレス充電マットは過去のものとなった。
TechCrunch の Matthew Panzarino は、Apple の senior vice president of Hardware Engineering である Dan Riccio からの声明を出版した。曰く:
色々努力したが、我々は AirPower が我々の高い基準を満たしそうもないとの結論に達し、そのプロジェクトを中止した。この製品が出るのを待ち望んでくれたお客様にはお詫び申し上げる。我々は、引き続き未来はワイヤレスであると信じており、このワイヤレスの経験を更に前進させる所存である。
TidBITS 関係者の全員が覚えている限りにおいて、これは - 発表済みの製品を中止する - 初めてのことである。失敗を認め、黙って AirPower を絨毯の下に掃き込んで隠し、そのうち誰もが忘れてくれるであろうとの態度を取らなかったことに対して、Apple を褒めてやりたい。出来の悪いものを出荷し - MacBook Pro や MacBook Air のバタフライキーボードの様に - しょっちゅう顧客をがっかりさせるよりも、今製品を中止する方がずっと良い。
しかしながら、同時に、AirPower そのものを悪者にするのは頂けない。これではまるで、その製品の努力が不十分であったかのようではないか。中止となったのは Apple 経営陣 (技術陣が生み出せない様なものを売ろうとした) と Apple 技術陣 (AirPower を作れると引き受けた) の失敗である。そして、第二世代 AirPods の箱には AirPower が描かれており、そして iOS 12.2 ベータにはそれに対するサポートがあったのは、バツの悪い話である。
何がうまくいかなかったのか? 物理は容赦ない。昨年、Sonny Dickson は、AirPower が熱管理、機器間の通信、そして機械的及び干渉の問題に直面しているとする記事を書いた ("Apple の AirPower ワイヤレス充電器に何が起こったのか" 17 September 2018 参照)。 Matthew Panzarino も彼の情報源からほとんど同じ話を聞いたと言っている。
AirPower に対する顧客の要望からして - 最近の Clockwise ポッドキャストで、4人の参加者全員が、次に Apple から出て欲しいものは何かという質問に "AirPower" と答えている - 私には、世界中の技術者達は Apple が解決出来なかった問題に挑戦するであろうとしか思えない。それまでの間、一度に一つの機器を充電出来る Qi 対応の充電器は世の中に沢山出ている - 我々が調べてものに関しては、"13 個の iPhone 用 Qi ワイヤレス充電器をレビューする" (22 February 2018) を見て欲しい。
皆さんはどうですか? AirPower が出るのを待って来た人に推薦出来る Qi 対応の充電器を使っていませんか? 皆さんの経験をコメントで共有しよう。
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我々は何年もの間 Apple の TV ビジョンを読み取ろうと推測し続けてきた。Apple は、時折、ヒントを与えた。例えば、2015 年に、Tim Cook は TV の将来はアプリであると断じた ("ついに第四世代 Apple TV が登場間近" 9 September 2015 参照)。Apple にとって残念なことに、アプリは TV の将来とはならなかった。そこで、Apple は TV を、新しい取り組みを思いつくまで放っておくこととした。
さて我々は今や Apple の最新の TV 計画はどんなものかを知ることとなった。それは魅力的なもので、6つの部分から成っている:
- 再設計された Apple TV アプリはサービスに焦点を当てている。(注意すべきは、Apple はそれを最早 "TV アプリ" ではなく "Apple TV アプリ" と呼んでいることである。) この新しいアプリはまた、Mac 用にも 2019 年内に、恐らく次の macOS のメジャーリリースで、入手可となる。
- この新しい Apple TV アプリから、Apple TV Channels と呼ばれる個別のチャネルを購読することが可能になる。その通り、一品料理 のプログラムがついに登場する! 最初のパートナーのリストには、CBS, Epix, MTV, Showtime, Smithsonian Channel, そして Starz が並んだ。
- この新 Apple TV アプリは、既存のストリーミングサービスもサポートする。例えば、ABC, Amazon Prime Video, ESPN, Hulu, MLB, そして NBC 等であるが、Netflix は含まれない。彼らは間違いなく Apple TV+ を直接の競合者と見ているのであろう。
- アプリ内で、ライブコンテンツも DirecTV Now, PlayStation Vue, そして Spectrum 等のパートナー経由で見られるであろう ("Spectrum の Zero Sign-On アプリが Apple TV に登場" 23 January 2019 参照)。
- 5. 2019 年内には、Apple はオリジナルのコンテンツを持つ Apple TV+ と呼ばれる独自のストリーミングサービスを 100 カ国で始める
- 最後に、そして重要なこととして、Apple TV アプリは Apple エコシステムという制約から外れることになる。Apple が LG, Samsung, Sony, そして Vizio と合意していることは我々にも分かっていたが ("Apple、テレビのライバル社に iTunes Video と AirPlay を開放" 9 January 2019 参照)、Apple TV が Amazon の Fire TV や Roku にも登場することも発表された。これで、Apple は主要事業者の殆どをカバーしたことになる。
これ迄、多くの識者が Apple TV アプリ、Apple TV Channels, そして Apple TV+ を混同してきた。確かに、紛らわしいが、全ては別個のものである。
再設計された Apple TV アプリ
Apple は、この新しい Apple TV アプリを May 2019 にリリーするであろうと言った。我々が思うに、それには少なくとも幾つかの新チャネルとサービスが付いて来るのであろう。同様に、サードパーティ機器に対する Apple TV アプリも同じ様な時期に、Samsung を手始めとして、出されるであろう。
この新しい TV アプリは、我々が見てきたことからすると、古いものとそう違わなく見えるであろう。購入済みの iTunes 映画や TV 番組は、変わらずにこれを使って見られる。良くなるのは、独立した Kids セクションで、これを使って子供達は、Netflix が長年やってきた様に、登場人物でブラウズすることが可能になる。
新しい TV アプリは、個人の好みに合わせることに強く意識している。新しい "スワイプ" 機能は、チャネル内での番組探しを効率的にさせてくれるはずである。と言うのも、番組探しに登場する番組は、Apple のアルゴリズムがあなたが好むであろうと思うものだからである。これがどれだけよく働くかは、5月にこのアプリがリリースされれば分かる。
Apple TV Channels
Apple は Apple TV Channels については殆ど何も言っておらず、ただ幾つかのパートナーを挙げて、その中から好きなものを選べることを強調しているだけである。価格、予想されるバンドル割引、等々については何も言及されていない。
従って、Apple TV Channels が興味深いものであるのか、或いは Showtime や Starz の様なものを個別に購読するよりも安くなるのかも分からない。現時点では、Apple は Apple TV ユーザーに Apple TV Channels を、より多くのコンテンツを直接購読出来る (そして Apple に分け前を与える) ことを知らせるショーウィンドウと見做している様に見える。
Apple TV アプリと同様、我々は5月にはより多くのことを学ぶことになりそうで、その時には、Apple が Netflix に対抗出来るだけのメディアライブラリへのアクセスを提供しているかどうかの感触は得られるであろう。
Apple TV+
これ迄、Apple が $1 billion を投じたと報じられるオリジナルコンテンツがぎっしりの Apple ストリーミングサービスに関する噂は途切れることがなかったが、同社はようやく、何をしてきたかを明らかにする準備が出来たようだ。まあ... ある程度。Apple は、最もぴったりの言い方をすれば "Apple のアップフロント" とも言える有名人で一杯のそれでいてぎこちないプレゼンテーションの後、その番組からの幾つかの短いクリップを示した。アップフロントとは、毎年ある春季の業界イベントで、始まったのは 1960 年代の初期であるが、ここで TV ネットワークはその新しい番組を広告主たちに発表する。
自らのプロジェクトを発表したのは、Steven Spielberg (Amazing Stories); Reese Witherspoon, Jennifer Anniston, そして Steve Carrell (The Morning Show); Alfre Woodard と Jason Momoa (See); Kumail Nanjiani (Little America); JJ Abrams と Sara Bareilles (Little Voice); Big Bird と仲間のマペット Cody (Helpsters); そして日中 TV の最高の女王 Oprah Winfrey (一対のドキュメンタリー) であった。それはスターが散りばめられたイベントではあったが、多くの技術記者をしてあくびをさせたり、頭をかかせたりするものであった。何故ならば、Apple が噂になっているプロジェクトに実際に着手していると言うこと以外、我々にはこれ迄知っていた以上のことは分からなかったからである。
しかしながら、この発表は Apple の通常の聴衆である技術記者や愛好家達を狙ったものではなく、Hollywood が "ビズ" と呼ぶショービジネスの中で働き、命を懸け、そしてそれについて飽きることなくゴシップする人達に向けたものであった。この業界は、ここ数年の間、稀に見る激しい浮き沈みに晒せれてきた:Apple のイベントの前週には、Disney による 21st Century Fox の買収が確定したのに伴い、多くのエンタメ業界の労働者が解雇された。ビズにいる人達は知りたがっている、"Apple は本気なのか"、"大手の一つになるのであろうか" そして "履歴書を送るべきであろうか?"
Apple は、アップフロントという伝統的なショービジネスの儀式を模して、メッセージを送った。実際のところ、二つのメッセージである。一つは、傷ついたそして不安定な Hollywood の労働者に対してである:"我々はここにいる、我々は計画を持っている、我々は本気だし、それにお金もある。" そしてもう一つは、Hollywood のスタジオ、ストリーミング会社、等々の Apple と取引するのをためらっている人達に対してである:"あなたのコンテンツを我々と組んでストリームしたいと思いませんか? 我々は自分でも作れますよ、Spielberg も Oprah も参加している。昼食でも一緒にいかがですか?"
Apple TV+ 発表の全ての安っぽい光りと輝きの下には、本物の光りと輝きがあるのかどうかは、少なくとも半年経ってみないと我々には分からないであろうが、そんなものは無いとここで言い切る気にはなれない。一方で、Hailee Steinfeld と Jane Krakowski が主演する 19 世紀の詩人 Emily Dickinson についてのコメディシリーズ? 誰がこれにゴーサインを出したのであろうか?
Apple TV、サービス第一、ハードウェア第二
Apple の TV 発表は広範囲にわたるものであったが、一つの中心となるテーマがあった:Apple TV は、もはや単なるハードウェアの箱ではなく、一連のサービスで、TV に関する全てのものを包含する。そこには、ケーブルも衛星 TV サービスも、レンタルも購入コンテンツも、そして Apple TV+ が行き着く先の姿が含まれる。このことは、Apple が Apple TV アプリをサードパーティの機器に搭載することに反映されている。
"Apple、テレビのライバル社に iTunes Video と AirPlay を開放" (9 January 2019) の中で、Josh は Apple がハードウェアとしての Apple TV を完全に止めてしまうかもしれないと予言した。彼は今それについて余り自信を持っていないが、それは何も Apple の TV 発表のせいではなく、Apple Arcade ゲーミングサービスにおける Apple TV の役割のせいである ("Apple、ゲーミングサービス Apple Arcade を発表" 25 March 2019 参照)。
Apple TV ハードウェアがゲーミングにより重きを置くという観点からすると、より安価な Apple TV の "ドングル型" モデルが近々出ることを期待すべきではない。Apple は $59 の Siri Remote を同梱することを止めれば、もっと安価なバージョンを出荷出来るはずであるが (代わりに iPhone や iPad を使えば良い)、こんなことはこれ迄も可能であったのに、実現しなかった。しかし、今では、年内に Apple ブランドのゲームコントローラーが、或いはひょっとするとゲーミングに焦点を当てた Apple TV モデルが出るのではないかと思いたくもなる。
何れにしても、全体像は明らかである:Apple は、その TV 関連のサービスに遥かに多くの資源を注ぎ込むことを意図しており、そして、それらのサービスは最も一般的な TV プラットフォーム上で提供される。しかしながら、同社は引き続き、Apple TV HD (新型の、この上なく短い名前となった第四世代 Apple TV) と Apple TV 4K を、ゲーミングが追加されたプレミアム製品として提供する。これは、誰をも (相対的に) 幸せにする戦略だと言える。
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既に Apple は私たちが物を買うやり方に大きな変化をもたらしている。今や、Apple Pay を使えば、手首を振るか、あるいはボタンを一つ押すだけで買い物ができるからだ。それに、Apple Pay には強力な競争相手もいる。Google も Samsung も、それぞれ独自のモバイル支払システムを宣伝しているからだ。こうして、かつてはプラスチックのカードと署名が必要であった買い物も、今や仮想の世界へと移行している。Apple Pay だけでも、今年のうちに 100 億回の取引に到達しようとしている。
最近 Apple は新しい Apple Card サービスを発表した。一見するとこれは単なる一つの追加機能に過ぎないように思えるかもしれない。今や Apple Pay が信用枠を提供できているからだ。けれども、これがクレジットカード業界に深い影響を及ぼすこともあり得る。ちょうど、Netflix が DVD を赤い封筒に入れて送り始めることで既存の Blockbuster 店に深い影響を与えたように。
Apple Card はどのように使うのか
Apple Card は、あなたの Wallet アプリの中に存在するクレジットカードであって、他とは違う見栄えの物理的カードがその働きを補助する。2019 年中頃に予定されている通りに米国において Apple Card が利用できるようになれば、申請の手続きはこのアプリの中に組み込まれている。米国以外の国でどのような予定であるかについては何も発表されていない。Apple Card のアカウントは個人のみが使えるもので、複数のカードには対応しない。
Apple Card は支払いのために2つの異なる方法を使う。一つは Apple Pay、もう一つは Mastercard ネットワークだ。現在の Apple Pay での取引と同様、あなたのアカウントに付随して固定された番号などはない。従って、物理的カードにも番号は何も印刷されていない。個々の取引ごとに、Wallet アプリがその取引に固有の番号を生成するが、それはすべて舞台裏で起こる。
Mastercard による取引については (Apple Pay を受け付けないベンダーではこちらを使うことになる)、Wallet アプリの中でカードをタップすれば、あなたのカード番号、有効期限、それに CVV セキュリティ番号が表示される。これらはあなたがアカウントを開いた際に割り当てられるが、セキュリティの目的のため、あなたが毎回これらの番号をリサイクルして新しい番号を生成させることができ、その全てが Wallet アプリの中で済む。
あなたが物理的カードを必要とするのは、Apple Pay を受け付けないベンダーの店頭で買い物をする場合だけだ。このカードにはチップと磁気ストライプの両方が入っている。まだはっきりしないのは、仮想的に番号を変更する場合に磁気ストライプが使えるのかどうかという点だ。歴史的に見てそのためには新しい番号を磁気ストライプに書き込む必要があると思われるが、何らかのネットワークの魔法を使って購入時点で最新の番号を Apple Pay から取り寄せることができるのかもしれない。
Wallet アプリの中であなたの Apple Card アカウントを開けば、普通のクレジットカードサイトで見られるのと同様のデータが、財務分析と組み合わされ、Apple 流のデザインを使って表示される。開始画面にはあなたの残高とクレジット限度額が示され、あなたの最近の買い物のサムネイルチャートと、次の支払期日を示したリマインダーが出る。あなたが購入したものはすべて自動的にカテゴリー分けされて (どのようなカテゴリーに分けるかをカスタマイズできるか否かははっきりしない)、複数の色を使ったグラフの中に色分けしてグループ表示されるので、レストランで使ったお金と自動車に使ったお金がちゃんと見分けられる。レポートには、週ごと・月ごとのチャートやサマリーが自動的に含められる。
実際の取引をする段になれば、Apple Card のインターフェイスを見て思わず「ワーォ」と言ってしまう場面が現われる。取引の画面を開けば、個々の取引が明確に表示される。多くの取引書類に見られるような、意味不明の略語のようなものはどこにもない。既知のベンダーについてはロゴも表示する。一つの取引をタップすれば、地図が開いてあなたがその購入をどこでしたかが示される。自分が何を買ったか思い出すのに便利だし、経費支払いの手続きの際の証拠としても使える。
見た目に美しいものの背後で、Apple Card の財務機能が働くやり方はあなたがこれまで親しんできたものとはかなり違う。イベント壇上のプレゼンテーションの中で、Apple は手数料はない、全くないと述べた。年間会費もなし、延滞料もなし、キャッシング手数料もなし、上限越え料金もなしだ。その上、Apple によれば、これは Apple の言葉通りに書いておくべきだと思うが、「私たちの目標は業界で最も低い利率を提供すること」なのだという。たとえあなたが支払期日に遅れても、あなたの金利が上昇したりはしない。
支払いをする際には、Wallet アプリを使ってする。電卓を使って、請求全額よりも少ない額を設定して支払うこともでき、その場合にはどれだけの利息を支払うことになるかが表示される。当然ながら、毎月請求額の全額を支払えば利息はゼロだ。けれどもそうでない場合には、どれだけの額の利息が負債に上乗せされるかが明確に分かる。スライダーを使って、支払うべき妥当な額の提案が示される。多額の負債が残れば円が赤くなり、かなりの部分を支払えばそれが黄色に変わり、ほとんどまたは全部を支払えば緑に変わる。支払い期日はいつでもはっきりと示される。誰でも、期日はその月の末日だ。
また、Wallet アプリは「スマート支払い提案」も提供する。つまり、あなたが利率を下げたりお金をより良く管理したりできるように助言する。例えば、あなたの収入にタイミングを合わせて複数個の月払い計画を立てたりできる。Wallet アプリはもっと頻繁に支払えば支払利息分を減らすことができるといった提案もする。これは、利息は日ごとに発生するので、より一般的な月ごとの利息計算では一週間早く支払っても利息が減らないからだ。
ポイントや、報奨金や、その他の奨励プログラムはないけれども、その代わりに Apple Card ではキャッシュバックが、しかも 当日の キャッシュバックが提供され、Daily Cash と呼ばれる。(App Store も含め) Apple から購入した場合は 3%、それ以外の Apple Pay では 2%、Mastercard を使った場合には 1% が戻ってくる。この Daily Cash はカード残高に繰り入れることも、Apple Pay 内部で他の好きな目的に使うことも、あるいは銀行口座に振り込むこともでき、受け取れる額に上限はない。
詐欺対策として、課金の度に通知が送られるが、その点は他のクレジットカードアプリでも一般的なことだ。けれども他のアプリならば、ボタンを一つ押すだけでその課金が正当なものでないことが即座に Apple に伝えられるという訳にはいかない。Apple によれば、その場合あなたにそれ以上何の面倒もかけずにあとは Apple が処理するのだという。また、他のアプリの大多数でならば、Messages を使って週 7 日毎日 24 時間ライブのテキストチャットを提供しあなたが他のどんな問題に陥っても援助してくれるという訳にもいかないだろう。(たとえその種のチャットを提供していても、Apple のように「お待たせしない」約束まではしていないだろう。) どうやら Apple は、iOS 11.3 以来ずっとベータ版のままの Business Chat サービスを活用するつもりらしい。このようにチャットを強調するということは、もしもあなたが電話で人間と話す方が好みの場合には、うむ、私からは幸運を祈ると言っておこう。
もう一つの大きなセキュリティ機能に、びっくり仰天させられる。Apple があなたの iMessage での会話を読めないのと同じように、Apple によればあなたの取引について、額の大小、取引の場所、その他いかなるメタデータも、Apple は 一切何も 知らないのだという。それらのデータはすべて Apple Card 提携銀行である Goldman Sachs が扱う。Wallet アプリはこれらすべての情報をローカルにのみ保存して、グラフを作成したりその他、あなたが欲しい詳細情報を表示するために使う。あなた自身がセキュリティ目的でローカルに保存された取引データを削除できるのかどうか、Apple はまだ述べていないが、いずれにしてもそれらのデータに触れたり購入ができたりするためには Touch ID または Face ID を経由する以外に方法はない。ここで Apple が実践したのは、Apple 自身がその中の一部分とはならない、そのような購入プラットフォームを作り上げたことだ。
最もありそうな説明は、これがエンド・ツー・エンドの暗号化で Goldman Sachs のサーバから Apple 経由であなたの iOS デバイスに届くことだろう。Apple は Goldman があなたの取引データをアカウントの目的のみに使用し、サードパーティと共有したり販売したりすることは決してないと保証する。これは、提携企業の片方がもう片方に代わってするものとしては極めて広範囲にわたる声明であり、Goldman による意図的なアクションについても、また何らかのエラーや攻撃によって起こり得るデータ漏洩についても、Apple を危険な立場に置くものだ。クレジットカード業界の常識から言えばショッキングなほどユーザー・フレンドリー過ぎる戦略であり、これらの取引が生み出す情報の豊かなデータ宝庫を手放すこととも言える。そのことを別にしても、Wallet アプリが処理しなければならないデータを提示するために、しかもそれを一切 Apple に見せることなくやり遂げるために、必要となるエンジニアリングの努力はあまりにも大きく、数え切れないほどある技術的理由によって驚嘆すべきものとしか言いようがない。プライバシーに関して Apple がしようとしている約束は膨大な努力を必要とするものであり、これが決してマーケティングの戦略ではなくて真の意味での企業価値であることを示唆している。
Apple Card は消費者信用をどのように変革できるか
実際のところ、表面的に少しかじっただけでも、これらの Apple Card ポリシーについて驚嘆すべき点がたくさんあると分かる。ほんのちょっとしたユーザー・フレンドリーな機能に見えるものも、壮大なる結果を生むことが十分にあり得る。
購買決定と金利計算
財務テクノロジーについて理解する際に重要となることの一つは、私たちがどのツールを使うかによって私たちが何を購入するかが影響を受けるという点だ。ウォッチで支払うか、それともカードを取り出すかによって、あなたは違ったものを買うだろう。もっと正確に言えば、現金やプラスチックカードに付き物の心理的障壁を回避することで、人はより多くのものを買う。これこそがまさに、Amazon がワンクリック購入の特許を取った理由だ。
同じように、あなたが持っているデータもあなたの購買行動に影響を与える。あなたは $500 のものを購入するかどうか決断するために、どれくらいの時間をかけるだろうか? そして、それは $40,000 の自動車に $500 のオプションを追加するかどうか決断するためにかける時間よりも長いだろうか? 自動車の価格は、あなたが $500 について違った考え方をするように仕向けるものだ。とりわけ、月々の支払いの中で考えれば大した違いを生まないような気になるだろう。この効果は priming (呼び水効果) と呼ばれる。
クレジットカード業界はあなたにできるだけ多く支払わせることを、そしてどれだけ多く支払っているかができるだけあなたに分からないようにすることを目指している。例えば、あなたが $600 のものを、それが $500 でセール販売されているという理由で買うとしよう。ただし、あなたの今すぐの予算の範囲を超えているので、あなたはクレジットカードを使うとしよう。そうすると、あなたは毎月 $10 を利息として支払うかもしれない。もしもそれが一年間続けば、セールで購入した分が帳消しになってしまうだろう。その $100 は小売店のポケットに入る代わりに、銀行に (少々の追加分を付けて) 入る。だから、銀行としてはそれがあなたにとって購入のための追加費用であることをあなたに気付いて欲しくない。これは、単なる手数料だ。その一方で、あなたは楽しげに「$100 節約できた」と考え、将来もまた同じことをしたいと考えがちになる。
あなたが個人財務管理の基本を知っていれば、この種の考え方はただ単に非合理であるだけでなく、危険なことだと知っているだろう。それは、多額の負債の重荷に押し潰される事態へと向かう、滑りやすい坂道なのだ。でも、これは合理的か否かの問題ではない。クレジットカード業界が引き金を引く心理的効果は、生来のものだ。霊長類研究所にいるチンパンジーたちは、私たちと同じ非合理な金融行動を取る (現金と引き換えに、ブドウや砂糖水を選ぶ) ことが実証されている。
Apple は、すべての手数料をなくし、あなたが負債残高を支払うためにどれだけの費用がかかるかを正確にあなたに告げることで、この状況を逆転させようとしている。それらの情報を知ることで、私たちはこれまでと異なる選択をするように導かれる。スライダーと、併せて表示される支払計画の提案とを見て、あなたはその $500 が今月の予算を超えていることを知り、来月には余分の $10 がかかること、支払い終えるまで毎月同じ $10 がかかり続けることを知るようになる。
消費者擁護団体はもう何年も前から、クレジット発行者に対してこれらの情報を提供させるために戦い続けてきた。けれども彼らが規制当局から獲得できた最良のものは、誰も読みもしないあの 40 ページのパンフレットだけであった。現在のところ彼らが勝ち得た最大の勝利は、あらゆるアプリケーションに要約ボックスを付けることと、受諾通知のみであった。食品に付けられる FDA (食品医薬品局) の原材料表示ラベルと同様に、最も重要なのはカードにかかる最も突出した費用だ。けれどもその情報を理解するためには、消費者の側でそう簡単でない数学のスキルが必要となる。もしもあなたのカードが利率 24.9% で延滞料が $25 なら、追加される利息はいくらで、残高の半額を毎月払い続ければ 3ヶ月後の残高はいくらになるか? その答を知るには複利計算が必要で、数学の達人でさえ普通はスプレッドシートを使って計算するようなことだ。Apple Card は、そのスキルを大衆にもたらす働きをする。
ここのところの違いは極めて重大だ。さきほど私は良いクレジット実践を紹介しようとして「あなたが個人財務管理の基本を知っていれば」という言い方をした。でも実際は、それを知っている人は非常に少ない。利息計算にスプレッドシートが必要なのに、いつどうやって小数点を 12 桁繰り上げるのか知っているべきなのに、実際には多くの人たちが「5 で割る」ことの意味さえ知らずレストランのレシートにはあらかじめ 20% のチップ推奨額が印刷されている、そんな国にいる私たちが、日常的にクレジット供与手段を利用しているのだ。クレジットカード業者の中には、顧客の無知を食い物にして、よくあるけれど非合理な人間の行動をするようにわざと仕向ける、そんな者たちがいると言っても決して過言ではないだろう。Apple は、まさにそれを逆転させようとしている。Apple Card と Wallet アプリは、さりげなくあなたにクレジットについて教え、道徳に適ったフィードバックのループを作り出し、結果としてあなたが無意識に自らの挙動を良い方向に向けるようになるかもしれない。これはさきほど述べたと同じ priming (呼び水効果) だが、史上初めて善い側に向けた呼び水だ。
いったん Apple がこれを始めれば、問題はわが国の他のすべてのクレジットカード会社が「それならうちも」となるかどうかだ。そして、これは私企業同士の間の自由市場の競争の一部であるので、金融業界における規制を最小限にせよと論ずる者たちも、もはやどうすることもできない。Apple は、政治的な問題であったものを、消費者のための機能へと見事に転化させてみせたのだ。
手数料無料が意味するもの
Apple は Apple Card の手数料構造で極めて気前が良い印象を与えている。手数料は高いけれども複雑な報奨金構造を持つカードから、手数料なしで日々のキャッシュバックがあるカードへと切り替えるというのは、なかなか魅力的な話だ。だから、当然こんな疑問が頭に浮かぶだろう。いったいなぜ? Apple はお金が嫌いなのか?
その答には、いくらかの心理学と、いくらかのミクロ経済学が関係する。通常、クレジットカード発行会社は適切な顧客を見出したいと望むものだ。負債を持たない顧客は、会社にとって金食い虫になる可能性を持つ。報奨金のコストを食い潰し、利息を全く支払わないからだ。だからこそ、報奨金の高いクレジットカードには年会費がある。一方、多額の負債を抱える顧客は膨大な利息を支払っており、それは会社にとって素晴らしいことだが... ただしもちろん、その人たちが破産しなければの話だ。今では昔のように破産しさえすれば負債から逃れられるという訳にはいかないが、それでもクレジットカード会社が取り戻せる分はほんの僅かだ。だから、これらの会社が顧客たちに向かわせようとするスイート・スポットとは、破産に陥る顧客の数を増やし過ぎることなく、顧客たちが将来の収入を未返済の借金の返済に回すことができるようにして、クレジットカード会社が可能な限り多くの収入を搾り取れる、そのような状態だ。支払期日とか、最低支払額とか、延滞料とかは、そのためにある。そういう手段を用いて、彼らは最も多くの負債を抱えた者たちからも途切れることなく収入の流れを確保しようとする。なぜなら、新たな手数料を増やしたくないことが支払いの動機になるからだ。
それと比較して、Apple Card に支払いたいと思わせる動機とは何だろうか? 延滞料がないのなら、そもそも支払期日を設ける意味があるのか? (つまり、期日を過ぎても負債の利息が増える以外に何の追加料金もかからないのなら、支払期日も他の日と何ら変わらないことになる。)
まさにここで、Apple は興味深い方法で自らのパワーを行使することになる。通常のクレジットカードで支払いを怠ればお金がかかるのだが、Apple Card の支払いを怠れば、あなたが持っているすべての Apple デバイスでサービスのレベルが低下する かもしれない。それはまさに、iCloud で料金の支払いを怠れば有料 iCloud ストレージに新たなアップロードができなくなるのと同じように、Apple は一つの Apple ID に関してあなたがするすべてのことに影響力を及ぼせることで、あなたが Apple Card で滞納をしないよう阻止し得る力を持っているということだ。もしあなたが他の Apple サービスにも料金を払っていれば、例えば Apple Music へのアクセスを失ったり、新たなアプリ購入ができなくなったり、継続的購読を要するアプリの使用に問題が起こったりといったこともあり得るだろう。さらには Apple が提供する無料のサービスにも目を向ければ、例えばパスワードとかカレンダー同期とかいったものも、合わせて一時中断となったり、あるいは一定期間の後まだ支払っていなければ中断されたりということもあり得る。
Apple にとっては、あなたに延滞料を要求する必要がない。Apple は、もっと他の手段を使って、あなたが何よりもまず Apple Card の支払いを済ませたいと思うように圧力をかけられる潜在力を持つ。
Apple は本当に利率を下げるつもりか?
利率について寛大でありたいという Apple の主張に関しては、私は大いに疑わしいと思っている。金貸しのビジネスでは、利息がすべてだ。Goldman Sachs も、慈善の気持ちから提携に乗り気になった訳ではない。
その答の一部は、商人たちがどれだけ支払うことになるのかという、まだ発表されていない詳細情報の中にある。あなたが何かをクレジットカードで買えば、一般的に商人は価格の 2-3% をクレジットカード会社に支払う。(通常そのコストは商品の購入の際の価格に織り込まれている。だからこそガソリンスタンドでは現金価格とクレジット価格が違うのだ。) もう一つ別に差し引かれる少額の料金があって、それはクレジットカード処理業者の取り分だ。例えば、CNN の報道によれば現在 Apple は Apple Pay の取引 1 回ごとに 1 セント以下の取り分を得ているという。取引の回数が 100 億回ともなれば、相当な金額だ。それでも、取引のパーセンテージによる割前に比べれば微々たるものだ。
Apple は今でも Apple Pay については支払処理業者だが、それに加えて Apple Card の課金に関しては Goldman Sachs と提携関係にある。金融情報ニュース報道によれば、Apple は今後 Goldman Sachs が商人から受け取る発行者料金から割前を受け取ることになり、それ以外にも収益を受け取る可能性があるという。仮に、Apple がビジネスコストを差し引いた後の 1% を受け取り、カード保有者に返金する 2% の払戻金の一定割合を負担したとしよう。米国におけるクレジットカードチャージ額の平均は $93 なので、Apple Pay で Apple が儲ける金額は 100 分の 1 以下だが、93 セントであっても 100 億回の中のどれだけかの割合が Apple Card で支払われるとなれば、それはもう Apple にとって、安全に管理できる範囲内で可能な限り多くの顧客にサインアップしてもらいたい強い動機となる。
商人が支払う料金も、Apple が顧客に対して低利率を約束できる理由となる。けれどもそこには、この会社がマーケティングで約束している内容と矛盾する点も存在している。Apple はプレゼンテーションの中で利率を発表することはしなかったが、実はそれは Apple Card の細則規定の中に明記されていて、利率は 13.24% から 24.24% までの間 (経済状況の動向によって変わり、数ヶ月以内に違った領域になるかもしれない) となっている。現在クレジットカードの平均利率は 17.67% なので、Apple の利率領域は必ずしも「最も低い」とは言えない。
利率をめぐってはもう一つ考えておくべき点がある。それは、Apple が低利率の約束を守るかどうかを知ることが困難だという点だ。個人としての私たちは Apple が提供する利率と他のカードの利率を比較することはできるけれども、それがあまねく適用されているものかどうか、私たちには知る方法がない。集約データはプライベートなものだからだ。Goldman Sachs はさまざまの公的報告書をまとめて一定の運用データを開示する義務を持つが、私たちが見て分かる形で Apple Card の利率が報告されるとは思えない。(記事執筆後に何か分かれば、記事へのコメントで報告するつもりだ。)
Apple はもっと違う道を進むこともできた。Apple Card は Goldman Sachs が発行するけれども、それはニューヨーク市内で起こることではない。発行は、Goldman Sachs のユタ州 Salt Lake City にある支店で為される。デラウェア州やサウスダコタ州と同様、ユタ州も クレジットカード発行会社に特に好意的な州であって、消費者クレジット部門をそこに置くことで Goldman と Apple は高い利率を課しつつニューヨークやカリフォルニアにおけるよりも制約の少ない規制の下で活動できる。おそらくこの場所は Goldman が Apple との交渉を始めるよりも前からあったものだろうが、この提携の背後に必ずや存在しているに違いない緊密な統合を考えれば、Apple が新たな活動拠点を強制してもっと規制の天井の低い州でカードを発行し Apple Card の利率について拘束力の伴う約束をすることもできただろう。それが起こらなかった理由については、皆さんそれぞれの結論を出して頂きたい。この点は、Apple Card が他のどのカードとも変わらない数少ない側面の一つだ。
もっと大局的な見地から言えること
最後にもう一つ、Apple の発表全体を見渡して気付く、ひときわ印象的なことがある。これは、財務に関することとはほとんど関係がない。最近、上院議員 Elizabeth Warren が、Apple を含む巨大テクノロジー会社に対して独占禁止法の罪に問うべきだと発言してニュース見出しを飾った。それを受けて、彼女が提唱する巨大会社の分割など起こるはずがないという無知なコメントが盛んに飛び交った。けれども歴史的に見て、それは誤りだ。その昔の巨大石油会社 Standard Oil も、"Ma Bell" 時代の AT&T も、どちらも今日の Apple、Amazon、Facebook、Google のどれよりも遥かに総合的で、アメリカ経済にとって中心的に重要な存在であったにもかかわらず、連邦政府はこの二社のいずれも分割させた。もちろん現在とは政治情勢が違うけれども、分割など起こり得ないと思う人は、是非とも当時 AT&T にそんなことは起こらないと言っていた人たちが書いたものを読んでみるべきだ。
もちろん、Elizabeth Warren が大統領候補としてどれだけ成功を収めることができるかは分かるはずもないが、彼女は上院議員であって、巨大テクノロジー会社の分割というアイデアを政治的市場に持ち込むことに成功したので、他の候補者たちもそのアイデアに乗ったり、あるいはそれと並ぶ選択肢を提案したりする可能性が高い。だからと言って実際にそういうことが起こるとは限らないけれども、その懸念が消え去ることはないとは言えるし、そのことが企業の肩に公的圧力をかけるのは確かだ。
いくつもの意味で、Apple Card の発表は Apple の背中にこれまでよりずっと大きな攻撃目標を描くことになる。Apple が iPhone を販売し、App Store を運営し、iOS の一部分ではない iOS アプリを出荷しても、そこには確固としたテクノロジー上ならびにビジネス上の理由がある。これらの点については、訴訟の場においても Apple は良い結果を残せるだろう。
けれども Apple が銀行の運営を始めて、人々が Apple 製品を購入する際に使わせたり、また Apple Pay に対するそのコントロール力を使って Apple Card の取引の際の価格を決めたりし始めれば、その時こそ Apple はまさにその昔の石油会社、油田から製油所からガソリンスタンドまで全てを支配していた巨大石油会社と同じような存在に見えてくる。Apple はまたテレビのハードウェアを販売し、ユーザーをテレビのプロバイダー各社に結び付け、さらには自社独自のテレビコンテンツにさえユーザーを購読で囲い込むことまで企てている。この点は既に多くの注目を集めており、この種のビジネス統合を分割させることに対する技術的な反論はどこにもない。
しかしながら、このことを私がさきほど述べたことと組み合わせてみよう。つまり、Apple が消費者に優しい事柄を、政府の関与を一切必要とせずに、導入しようとしているという点だ。それこそがまさに、Elizabeth Warren の側の政治的立場が永遠に目指す目標ではないか。(そして特に Warren についてははっきりとそれが言える。政治の世界に来る前の彼女は、経済学の教授としてそのような考え方を掲げていた。彼女こそ、Consumer Financial Protection Bureau (米国消費者金融保護局) の設立の背後にいた女性だったのだから。) Apple が発表した内容は、消費者擁護団体にとっては勝利であり、Exxon Mobil がガソリンスタンドを閉鎖してその代わりに電気自動車のための風力発電施設を作ると発表した際に環境保護主義者たちが感じたのと同等の感触をもって迎えられることだろう。
アメリカの政治スペクトラムの幅が両方向に広がって、かつては「あり得ない」と思われたようなアイデアをも議論するようになったこの時代に、そしてまた欧州連合や中国など他の大規模な市場もそれぞれ独自に政治的ならびに経済的な変化の混迷に突入しつつあるこの時代に、Apple が大々的に金融界に参入することを発表したのは非常に興味深い。iPhone が他のキーボード付きモバイルフォンをすべて蹴散らしてみせたのと同じように、Apple Card も消費者金融の世界に大きな転換点を生み出すと私は確信している。第一には消費者たちが財務サービスプロバイダーに期待する内容を変革し、第二にはそれらの変化の力によって政府の行為を変え、最後には企業そのものを変えてゆくだろう。Apple Card を使う人の数が増えれば増えるほど、その変化はより速く起こるに違いない。
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