Apple の Q2 2019 業績報告によれば iPhone 売上は引き続き下降しているが、それでも Apple はアナリストの予想を上回る結果を出し、115 億 6 千万ドルの純利益を報告した。Tim Cook とこの会社は、今後も Apple のサービス事業を成長させ続けて会社の成長を維持できるだろうか? Google Home スマートスピーカーを購入したけれども Bluetooth オーディオが切れてしまうトラブルに見舞われている人のために、Josh Centers が修正方法を説明する。それから、Josh は Mac 用ビデオプレイヤー IINA を検討する。これはエレガントなオープンソースのアプリで、Apple が次期バージョンの macOS で放棄する予定の古いビデオフォーマットにも対応している。最後に Adam Engst による新たな Bad Apple 記事がある。今回は Apple の Reminders (リマインダー) アプリが項目の並べ替えに関してはひどくお粗末であることについて検討する。来たるべき WWDC の嵐の前の静けさとしか考えようがないが、今週は注目すべき Mac アプリのリリースが一つもなかった。代わりになかなか面白い読み物を皆さんに紹介する ExtraBITS 記事がいくつかある。
前四半期と同様、iPhone の売上げは急落し、前年同期比で 17.3% の下落となった。Apple CEO Tim Cook は、この下落の大部分は 11 月と 12 月に起こったものだと言っており、Apple は iPhone の販売は今や上昇に転じていると期待している。いずれにしろ、iPhone のユーザー基盤は前よりも大きくなっているという事実は、Apple が自社製品を売ることの出来る iPhone のユーザーでない人は少なくなっていることを意味する。
iPhone に関する明るい側面の一つは、モデムチップについて Apple が Qualcomm と和解したことで、Cook は満足していると語っている ("Apple と Qualcomm、特許使用料訴訟で和解、ライセンス供与で合意" 17 April 2019 参照)。恐らく、これは Apple が将来の iPhone で 5G 対応に備えていることを指し示しているのであろうが、Cook は Apple の 5G 計画について話すのは断固拒否した。
Mac 売上げは前年同期比で 4.6% 下落した。興味深いことに、Cook によれば、Apple は Mac 販売がこの四半期に "プロセッサの供給制約" がなければもっと伸びていたであろうと信じていると言う。このコメントからは、Intel 本社に対する喘ぎと歯ぎしりが聞こえそうだし、それに Apple は将来の Mac で Intel CPU を自社の ARM ベースのチップで置き換えるのではという噂に油を注ぐものとなっている。全体的には Mac 売上げの数字は下落したが、Apple は、日本と韓国では Mac 販売は2桁の成長を記録したことを指摘した。
Apple は、将来に対する希望の多くの部分を Services 製品部門に賭けており、そして、だからこそ Services 売上げが前年比で 16.2% 伸び、そしてこの部門が今や Apple 売上げの 20% を占めていることを発表出来て嬉しく思っている。定期購読はこの製品部門の継続的な収入の信頼できる源であり、Apple が今や 390 百万の定期購読を持っているという発表はとりわけ歓迎される。他の Apple 定期購読サービスは、Apple News+ の様に始まったばかりか、或いは、Apple TV+ の様にこれから登場することを考えると、Apple の最終利益に対する Services の貢献度は更に大きくなると期待されている。
少なくとも Apple はその様に思っている。 Dialog Capital Markets からの質問者とのやり取りの中で、Cook は、Apple の新しい一連のサービスについて少々自己防衛的になったように見受けられ、Apple は意味のないサービスなど作り出さないと言った。"これらは趣味ではない" と、この CEO はかなりぶっきらぼうに言い放った。
2017 年に、私は幾つかの Google Home スマートスピーカーを家庭用に購入した。そしてそれは Bluetooth スピーカーとして問題なく働いた、数ヶ月前までは。理由は分からないが、オーディオを再生していると我々の iPhone は再生を始めて数分後にスピーカーとの接続を切断し始めたのである。Google 検索をしてみたら、この問題は珍しいことではないことが分かった。
Google のサポートフォーラムからは大したことは分からなかったし、我々のイライラはつのるばかりであった。考えてもみてほしい、例えばオーディオ本の再生を始めてシャワーを浴び始めたら、iPhone からのオーディオが Google Home スピーカーを通しての再生を止めてしまい、iPhone スピーカーからかすかに聞こえるだけという状況を。選択肢は二つ:シャワーから出て、水滴を滴らせたままそれに対応しようとするか、或いは、そのまま再生させておいて、後で元のところからもう一度再生させようとするかである。どちらの場合でも、イライラの極みであろう。
ありがたいことに、私は Reddit スレッドで GoNmanne11 というユーザーからのヒントを見つけた。そのやり方は、Google Home アプリの Paired Bluetooth Devices リストから全てを削除して、それから再度 Google Home スピーカーをペア付けするというものであった。この記事には、詳細なやり方は出ていないので、その手順を示すと:
iPhone 上で Google Home アプリを開く。
Home タブ (最初のタブ) にいる間に、問題のある機器のアイコンに到達するまで下方にスクロールする。その機器アイコンをタップする。
歯車アイコンをタップ。Google Home スピーカー設定を探し出す
下方にスクロールして Paired Bluetooth Devices に到達、それをタップ
ペア付けされた iPhone の隣にある X をタップして、それから Unpair をタップ。 (ここにいる間に、右下隅にある Enable Pairing Mode も目に留めておく。何故ならば、後でそれをタップするために戻ってくるからである。) Google Home アプリでペア付けを解除する。
Settings アプリに切り替え、そして Bluetooth をタップ。
対象としている機器に付属している i アイコンをタップ。
Forget This Device をタップ、そして、促されたら Forget Device をタップ。iOS 設定で Bluetooth 機器を忘れる。.
Google Home アプリに戻って、Enable Pairing Mode をタップ。
Settings アプリに再度切り替えて、スピーカーが Other Devices の下に現れたらそれをタップ。Google Home スピーカーを再ペア付けする。
残念ながら、この修正はずっと続かないかもしれない。数ヶ月間、問題なく働いた後、我々の浴室のスピーカーは、私の妻の iPhone からオーディオを再生している時に再度接続が切れ始めた。上記の手順をもう一度踏むことで、この不具合は直ったが、我々としては Google がこの問題の根底にあるバグを修正してくれることを望みたい。
IINA は Mac 用に作られているので、macOS の Picture-in-Picture (ピクチャ・イン・ピクチャ) 機能にネイティブに対応する。これは 10.12 Sierra で導入された機能だが、Picture-in-Picture アイコンをクリックするだけでビデオがミニサイズのウィンドウの中に収まり、そのウィンドウがスクリーン四隅のどれかのところに固定され、最前面に留まる。Video > Float on Top を選んでビデオを最前面に保つことも可能だが、システムの Picture-in-Picture 機能は作業をしながらビデオを観るのに便利に使える。
YouTube プレイヤー
IINA のもう一つの素敵な機能は、YouTube のビデオを再生できることだ。YouTube の URL をコピーしておいて、File > Open URL in New Window を選んでその URL をペーストする。(VLC もこれはできる。)
ビデオプレイヤーの大多数はオーディオの再生もできるのだが、たいていは使い勝手が悪い。そこで IINA の開発者たちは巧みな技を駆使して Music Mode を実装した。これは Video > Music Mode を選べば呼び出されるが、音楽ファイル、または音楽ファイルを含むフォルダを開いた際にも自動的に稼働する。
Music Mode は何が違うのか? 表示ウィンドウが収縮して、アルバムアートと再生コントロールのみを示すようになる。オプションとして、アート部分を隠してプレイリストを示すようにすることもできる。iTunes の膨れ上がり具合に飽き飽きしている人にとっては、素敵な軽量の音楽プレイヤーだ。
私は Bad Apple コラム記事を続けるのをすっかりおろそかにしてしまっていた。Bad Apple とは、Apple 体験の中で議論の余地なく間違っていて、しかも明白な解決策がある、そのような問題点を記録しておこうという趣旨のシリーズ記事だ。今回ここにもう一つ新たな Bad Apple 記事を書こうと思ったのは、Apple の Reminders (リマインダー) アプリがここのところいつも私の神経を逆撫でする、その理由の一つを見つけられたからだ。このバカな奴は、未だにリストの項目を並べ替えることが、どうしてもできないのだ。Bad Apple!
正直言って、私たちはこれらの古いブラウザに対して Google がとった態度に諸手を挙げて賛成したい。特に Internet Explorer 6 については大賛成だ。TidBITS ウェブサイトがこれまで Internet Explorer 6 でうまくレンダリングされたことは一度もない。その理由は、このブラウザに基本的なウェブ規格のサポートがあまりにも欠け過ぎているからだ。私たちには、この非常に古い、しかも Apple プラットフォーム用でもないブラウザのために、膨大な時間と労力を割く余裕がなかった。
当時の私たちはその半分も知らなかったが、本当の話は Google が力技を発揮するなどということよりずっと興味深いものであった。YouTube の初期の従業員であった Chris Zacharias がとても愉快なブログ記事を書いて、その中で彼といたずら者の開発者チームの面々が、Internet Explorer 6 対応は段階的に廃止予定、と記したバナーをこっそりと YouTube に忍び込ませたことについて語った。そのバナーが上層部が認めたものではないことに気付かなかった Google Docs チームが間もなく後に続き、他にもいくつかの Google サイトが加わるに至って、その種の Internet Explorer 6 バナーは至る所で見られるようになった。一月もしないうちに Internet Explorer 6 のトラフィックは 10% 以上も減り、Internet Explorer 6 がいずれ消え去ることはもはや既定の事実となった。
大規模な、官僚的な団体の中で、時としてこんな風に物事が達成されることもあるという実例として、これはとても素敵な話だ。Steve Jobs もこう言ったことがある。「海軍に入隊するよりも、海賊でいる方が良いさ。」