iOS 13 ではマウスや外部ストレージデバイスへの対応がやっと実現されるので、Josh Centers が Apple が出している2つの Lightning to USB アダプタのうち片方だけが良いものである理由を説明する。Netflix が予告編を自動再生するのに飽き飽きしている人のために、Adam Engst が二つの Apple TV 用アプリを使ってそれを回避する方法を語る。macOS の古びたカラー管理ツールで苦闘している人たちのために、Timothy Buck が再度の寄稿記事で Sip をレビューする。これは開発者やグラフィックスのプロフェッショナル向けの賢いカラー管理アプリだ。今週号の結びとして、今年の CES から持ち帰った機器を3つ、Jeff Porten がレビューする。iPhone と MacBook に同時に電源を供給できるバッテリーと、Mac 用のオーディオ・イコライザー・アプリ、それと Apple の AirPods の半額で手に入るワイヤレス Bluetooth イヤーバッドだ。今週注目すべき Mac アプリのリリースは、1Password 7.3.2、ChronoSync 4.9.4、BusyCal 3.6.9、それに DEVONthink 3.0 Public Beta 6 だ。
最近 Apple Store の一つに立ち寄った時、私は思いつきで Lightning to USB Camera Adapter を買うこととした。iOS 13 を試験していて、それは USB ドライブとマウスに対するサポートを提供していたので、試してみる価値があると思ったのである。
実際、USB マウスをアダプタに差し込み、そしてそれを 10.5-inch iPad Pro に接続してみたら、見事に働いた。マウスを使って iPad を制御するというのはとても新鮮に思えたが、iOS でのマウスサポートが全体としてどれだけ有用なのかは、今後に判断を待たなければならない。一つ明らかな利点は、iPad から離れて作業出来、伝統的なデスクトップの様に使えることである。
次に、私は USB サムドライブを差し込んでみたが、直ぐに、このアクセサリは電力を食い過ぎるというエラーを受け取ってしまった。残念。
幸いにして、私はこの制限を、アダプタに給電付き USB ハブを差し込んで、そこにサムドライブをつなぐことで乗り越えることが出来た。この回避策の欠点は、関係する機器の量である:Apple のアダプタからハブへの USB ケーブル、そしてハブの嵩張る充電器である。私は、出来るならその様な機材を持って旅したくはない。加えて、この Lightning to USB Camera Adapter は USB 2.0 速度しかサポートせず、データを手早く転送するには理想的とは言えない。
と言うわけで、私は Apple がこの場面により適したもう一つの Lightning to USB アダプタを売っていることを知った時、自分自身に (比喩的に) 蹴りを入れた:Lightning to USB 3 Camera Adapter である。それは $10 高いだけであり、USB 3.0 速度をサポートする、少なくとも iPad Pro モデルでは。もっと重要なのは、それには USB-A ポートと Lightning パススルーポートの両方があることである。この Lightning パススルーポートは、通常の Lightning ケーブルを差し込め、その Lightning ケーブルを Apple の小さな USB 壁コンセント充電器につなげるので、とても有用である。こうすれば、機器自身とサムドライブの様な付属品の両方に給電出来る。
他の選択肢には、Lighting プラグの付いたサムドライブを買うことがある。その通り、それは存在するが、多くの人にとっては、もう既に幾つもの標準型の USB フラッシュドライブがそこら中に転がっているであろう。
問題は何故 Apple は、この古い、性能の劣る Lightning to USB Camera Adapter を売り続けているのかである。この二つのアダプタの製造コストにそう大きな違いがあるとは私には思えないが、旧型のアダプタの長所は、より低コストであり、そして少々小さいことにあるのであろう。
私が Reelgood Apple TV アプリは "部分的な" 解だと言ったのには二つの理由がある。一つ目は、それは Netflix アプリの映画や TV 番組のエピソードを開いたり、そして終わったら Menu ボタンを押すことで簡単に Reelgood に戻れるが、Reelgood アプリはあなたが見終わったかどうかを認識しない。つまり、見終わる度に、Seen It ボタンをクリックして個別に印をつけなければならない。そうすれば、Reelgood は映画を Watched リストに移し、或いは TV 番組だったら、次のエピソードに移らせる。
二つ目は、我が家では Amazon Prime Video で見る番組もあるのだが、Reelgood は Amazon Prime Video アプリの番組を開くのに同じやり方が使えないことである。これは、全ての視聴を Reelgood アプリから始めることが出来ないことを意味し、残念な話である。
WatchAid の方が良い
Reelgood アプリについての身元調査をしている時、私はたまたま WatchAid のことを言及しているものに出くわした。これも TV 番組を検索させてくれるアプリで、番組を待ち行列に入れておけば、そのアプリから直接見始められる。 Reelgood と同様、WatchAid にも Apple TV 補助付きの iOS アプリがあるが、Reelgood とは違い、WatchAid の Apple TV アプリは完全に独立したものとしても使えるし、また iOS 機器と同期させて使うことも出来る。もし WatchAid を Apple TV の主画面の一番上に置けば、それはアイコンを選択した時、あなたの番組のプレビューサムネイルすらも表示する。
最初、WatchAid は我が家にとってぴったりのものと映った。何故ならば、それは Netflix と Amazon Prime Video (他のサービスも加えて) のどちらの番組も開けるし、そして Menu ボタンを押して元へ戻る時にも、WatchAid はそのエピソードは見終わったと印をつけてもいいかと聞いてくる。
WatchAid はまた、その待ち行列に Apple TV アプリ内からも入れさせてくれる。それにはカテゴリとかジャンルのブラウザは無いし、その検索能力も、標準の Apple TV 検索インターフェースなので、キリッとしないが、いったん番組を見つければ、フォローしたり途中のエピソードから見たりさせてくれる。次に見たい番組を選択すると、WatchAid は残りの番組を未だ見ていないと印するか聞いてくる。
弱点を上げれば、WatchAid のデータベースは Reelgood のものよりも完成度が低く、正確性にも欠ける。例えば、WatchAid は 3rd Rock from the Sun は Netflix 購読で見られると思い (見られない)、そしてそれは Amazon Prime 購読では見られないと思っている (見られる)。WatchAid はまた Netflix がシーズン 3 の Glow をリリースしたばかりであることを未だ知らない。加えて、WatchAid アプリはそのサーバーへの接続に度々失敗し、Retry や Cancel ボタンをクリックさせられる。些細なことではあるが、腹立たしい。
しかし、WatchAid が Netflix の自動再生プレビュー問題に対する部分的な解に過ぎない本当の理由は、それが働くのは TV 番組に対してだけで、映画に対しては働かないことである。我が家で見るのは殆ど TV なので、それは大きな問題では無いが、主として映画を見る人達には魅力は半減するかもしれない。
従って、もし見たくも無い TV 番組や映画を押し付けてくるストリーミングビデオアプリにうんざりしているのであれば、或いは自動再生プレビューで爆撃されるのが嫌なのであれば、WatchAid の Apple TV アプリを試されたい。それは完全では無いが、Netflix と戦うよりもずっと良い体験である。そして、もし WatchAid は余り役に立たず、とりわけもう既に Reelgood を使っているというのであれば、そちらの Apple TV アプリの方があなたには適しているかもしれない。
私はカスタマイズしたフォーマットを使う必要に迫られたことはないが、もしも内蔵されたフォーマットのリストにあなたが必要とするものが欠けていたならば、既存のどのフォーマットからでも、あるいは一から作り上げても、自分独自のフォーマットを作成できる。メニューバーウィンドウにあるハンバーガー (三本線) メニューから、Custom Format エディタを開こう。ここで、カラーがどのようにクリップボードに保存されるか、どのようにメニューに表示されるか、ピッカーの中でどのように見えるかを、それぞれ別個に定義することができる。
Apple の AirPods に競合するまずまずのレベルの安価な製品が出始めたのは去年になってからで、 SoundCore Liberty Air もその一つだ。SoundCore は Anker が作っているブランド製品で、Anker はバッテリーや充電器については既に定評がある。そして実際、この Liberty Air はなかなか良い。AirPods に比べればほぼ半分の価格で、備えている機能もほぼ半分というところだろうか。Nahimic と同様、サウンドは素晴らしいが、それ以外の点では良くないところもある。
サウンドについては、$80 よりはるかに高いお金をヘッドフォンに注ぎ込むタイプのオーディオファンでもない限り、文句を言う人はいないだろう。音楽は鮮明で透明感があり、低音もなかなか良い。私が長年試してきた Bluetooth ヘッドセットの多くとは違って、よく知っている音楽が違って聞こえるような周波数の欠落などはない。
AirPods では耳の形に合わないという人は、Liberty Air に三種類のゴム製のイヤーチップが付いていることを歓迎するだろう。そのうちどれかを使えば、AirPod の垂れ玉形よりも良い遮音効果が得られる役に立つだろう。でも、近付いてくる人の行き来が気になるので周囲の音も聞こえるようにしたいのならば、このイヤーバッドは向いていない。周囲のサウンドを取り込めるイヤーチップはまた、人とぶつかった際に耳から飛び出してしまう可能性も高いだろう。
もう一つ、Liberty Air が優れている点がある。それはバッテリー寿命だ。SoundCore によれば、イヤーバッドとして使って 5 時間保ち、バッテリーケースで 4 回充電できるので、合計して 20 時間使えるという。もう少し長いかもしれない。日によっては、ずっと音楽やポッドキャストを聞きっぱなしで使って朝起きてから夜寝るまでずっと使えることもある。私の経験では、バッテリーケースの中に入れて充電する時間はごく短く、再生を単に一時停止にして、充電の間にコーヒーを注文したりなどしているうちに、またすぐに続きを聴けるようになる。
付属のマイクロフォンはあまりにも貧弱で、そもそも広告されていること自体に驚いてしまうほどだ。周囲が完全に静寂なら、Siri にも Google Assistant にも使える。でも、私自身が録音してみた結果が目安になるとすれば、あなたの言葉を聞こうとしている人間のためにはまったく何の役にも立たない。そよ風が吹いていても、あるいは普通程度のファンの音がしていても、簡単な用事の電話でさえヘッドセットを取り替えなければ話が通じなくなる。SoundCore の FAQ 記事は、この種のデザインでは通話の品質がそれほど良くないと認めているが、それに続けて Liberty Air はデジタル信号処理を使って音声の明瞭化をしていると主張する。それは本当なのかもしれないが、その結果が使い物になると読めるのに、実際にはそうでない。
イヤーバッド自体について言えば、耳に入れた状態は十分に快適で、入れていることを忘れてしまいそうなほどだ。スウェットシャツを脱いで片方のイヤーバッドを部屋の向こうの方まではじき飛ばしてしまった折に、これが問題となった。(ホワイトとブラックが選べるが、購入の際には自宅の床の色を考慮に入れるようにしよう。床との色のコントラストが高い方を選ぶべきだ。都会の大通りで黒いイヤーバッドを落としてしまえば、踏み潰されるより前に見つけるのは不可能に近い。) サウンドのコントロールはボタンではなくタッチセンサー式のパッドを使う。クールに聞こえるかもしれないが、使い勝手は悪い。イヤーバッドにちょっと触れただけで機能を呼び出してしまうからだ。聞こえを良くするために左側のイヤーバッドを耳に入れ直そうとすると、知らないうちに自分が Siri と話していると気付かされることがある。まわりの状況を確認しようとイヤーバッドを手に持ってほんの 1 分ほど歩くと、それを耳に入れ直せば 2 回に 1 回の確率でさっきまでと違う曲が聞こえるか、またはイヤーバッドが完全にオフに切り替わっている。そして、これほどトラブルを抱えているというのに、音量を変えるなどのごくごく基本的な機能が、Siri の助けを借りなければできない。AirPods 以外のいくつかの Bluetooth ヘッドセットにも言えることだが、Bluetooth がオフになるか、Bluetooth 電波の到達範囲の外に出るかしない限り、頑固に接続されたままの状態が続く。私が MacBook を荷造りした際に Bluetooth 接続を切っておくのを忘れれば、Power Napping の間でさえも嬉々として私のイヤーバッドを独占し続け、その結果としてスマートフォンが接続できないままとなる。
そうは言っても、良い音質でバッテリーが長持ちする $79.99 のイヤーバッドの市場は確かに存在する。ただ、何か他のことにも使おうというのならば、とりわけちゃんと動作するマイクとしても使いたいのならば、これを買ってはいけない。でも、私がこれまでに使ったことのあるものの中には、価格がもっと高いワイヤードの Bluetooth ヘッドセットで、サウンドがもっと悪くて、もっと大きなバッテリーを搭載できるスペースの余裕は十分にあったにもかかわらずバッテリーの保ちの悪いものがいくつもあった。
iFixit が、Apple が iPhone XR、XS および XS Max のバッテリーをロックして、もしも Apple または Apple Authorized Service Provider 以外の者がバッテリーを交換すれば、たとえそれが正真正銘の Apple バッテリーであっても、iOS が Settings > Battery に表示されるバッテリー健全度の指標を「バッテリーが本物かどうか確認できない」という意味の不吉なメッセージに入れ替えてしまうことを発見した。この不吉なメッセージをクリアしてバッテリーの健全度指標の表示に戻せるのは Apple の社内用診断ソフトウェアのみであって、Apple はこのソフトウェアを Apple Authorized Service Provider ネットワークの外部には一切出していない。ただし良いニュースは、表示がなくなってもバッテリー自体の寿命やパフォーマンスには影響がないことだ。
正直言って、これは Apple の側での二流の反競争的行為と言わざるを得ない。iPhone のバッテリーを独立の修理業者に交換してもらう人は、あるいは自分で交換する人は、ちゃんとそれと分かってそうしている。自動車の世界ではその昔の Ford Model T の時代以来ずっと、補修部品市場に依存して働く独立の自動車修理業がディーラーでの修理を補完するものとして立派に存続してきたし、自動車のオーナーたちはどちらのサービスをひいきにするかを自分で判断することに何の問題も感じてこなかった。コンピュータやスマートフォンの世界でも同じことが成り立つはずだ。
Apple が Apple Music for Artists のベータテストを終了して公式リリースし、独立のミュージシャンも含む Apple Music と iTunes 上のすべてのアーティストが自分の音楽の実績を確認できるようにした。再生回数、1日あたりの平均視聴回数、曲の購入状況、Shazam での検索回数も分かる。また、アーティストが自分独自のプロフィール写真をアップロードしたり、自分の音楽がどこで最も多く聴かれているかを調べたりすることもできる。Apple Music に自分の音楽がある人は、登録すればアーティストとしてのデータアクセスをリクエストできるし、そのための iOS アプリさえある。