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#1477: Netflix 予告編自動再生を阻止、Mac 用カラー管理ツール Sip、Lightning to USB アダプタを選ぶ、CES 2019 の機器をレビュー

iOS 13 ではマウスや外部ストレージデバイスへの対応がやっと実現されるので、Josh Centers が Apple が出している2つの Lightning to USB アダプタのうち片方だけが良いものである理由を説明する。Netflix が予告編を自動再生するのに飽き飽きしている人のために、Adam Engst が二つの Apple TV 用アプリを使ってそれを回避する方法を語る。macOS の古びたカラー管理ツールで苦闘している人たちのために、Timothy Buck が再度の寄稿記事で Sip をレビューする。これは開発者やグラフィックスのプロフェッショナル向けの賢いカラー管理アプリだ。今週号の結びとして、今年の CES から持ち帰った機器を3つ、Jeff Porten がレビューする。iPhone と MacBook に同時に電源を供給できるバッテリーと、Mac 用のオーディオ・イコライザー・アプリ、それと Apple の AirPods の半額で手に入るワイヤレス Bluetooth イヤーバッドだ。今週注目すべき Mac アプリのリリースは、1Password 7.3.2、ChronoSync 4.9.4、BusyCal 3.6.9、それに DEVONthink 3.0 Public Beta 6 だ。

Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

iOS 13 に最適の Lightning to USB Adapter を選ぼう

最近 Apple Store の一つに立ち寄った時、私は思いつきで Lightning to USB Camera Adapter を買うこととした。iOS 13 を試験していて、それは USB ドライブとマウスに対するサポートを提供していたので、試してみる価値があると思ったのである。

実際、USB マウスをアダプタに差し込み、そしてそれを 10.5-inch iPad Pro に接続してみたら、見事に働いた。マウスを使って iPad を制御するというのはとても新鮮に思えたが、iOS でのマウスサポートが全体としてどれだけ有用なのかは、今後に判断を待たなければならない。一つ明らかな利点は、iPad から離れて作業出来、伝統的なデスクトップの様に使えることである。

次に、私は USB サムドライブを差し込んでみたが、直ぐに、このアクセサリは電力を食い過ぎるというエラーを受け取ってしまった。残念。

Cruzer: This accessory requires too much power.

幸いにして、私はこの制限を、アダプタに給電付き USB ハブを差し込んで、そこにサムドライブをつなぐことで乗り越えることが出来た。この回避策の欠点は、関係する機器の量である:Apple のアダプタからハブへの USB ケーブル、そしてハブの嵩張る充電器である。私は、出来るならその様な機材を持って旅したくはない。加えて、この Lightning to USB Camera Adapter は USB 2.0 速度しかサポートせず、データを手早く転送するには理想的とは言えない。

と言うわけで、私は Apple がこの場面により適したもう一つの Lightning to USB アダプタを売っていることを知った時、自分自身に (比喩的に) 蹴りを入れた:Lightning to USB 3 Camera Adapter である。それは $10 高いだけであり、USB 3.0 速度をサポートする、少なくとも iPad Pro モデルでは。もっと重要なのは、それには USB-A ポートと Lightning パススルーポートの両方があることである。この Lightning パススルーポートは、通常の Lightning ケーブルを差し込め、その Lightning ケーブルを Apple の小さな USB 壁コンセント充電器につなげるので、とても有用である。こうすれば、機器自身とサムドライブの様な付属品の両方に給電出来る。

他の選択肢には、Lighting プラグの付いたサムドライブを買うことがある。その通り、それは存在するが、多くの人にとっては、もう既に幾つもの標準型の USB フラッシュドライブがそこら中に転がっているであろう。

問題は何故 Apple は、この古い、性能の劣る Lightning to USB Camera Adapter を売り続けているのかである。この二つのアダプタの製造コストにそう大きな違いがあるとは私には思えないが、旧型のアダプタの長所は、より低コストであり、そして少々小さいことにあるのであろう。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Apple TV 上の Netflix 自動再生プレビューを Reelgood や WatchAid で避ける

Josh Centers がビデオ発見サービスの Reelgood と JustWatch を取り上げた後 ("百万のストリーム、でも見るものが無い? Reelgood と JustWatch の出番!" 21 June 2019 参照)、私は Netflix が自動再生プレビューで我々を襲ってくる問題に対する部分的な解を一つならず二つも見つけた ("#DeathToAutoPlay - 自動再生するオーディオとビデオを廃絶しよう!" 6 February 2019 参照)。

Reelgood が助けに、まあ、言ってみれば

Reelgood は Apple TV アプリを、その iOS Reelgood アプリの一部として出していることが分かった。そのアプリは単純だが - それはその iOS アプリや Web アプリで出来る検索やブラウズといったことは何もさせてくれない - 一つの鍵となる機能を提供している:Netflix のあなたの Reelgood ウォッチリストにある映画や TV 番組を Reelgood アプリから直接開かせてくれる (Netflix アカウントを複数持っている場合、アカウントを選択するための短い中断がある)。

Reelgood main screen

言い換えれば、Netflix アプリを視聴のためだけに使えることを意味し、番組を見るために Netflix のユーザーに敵対的なインターフェースに自分を晒す必要がなくなる。

私が Reelgood Apple TV アプリは "部分的な" 解だと言ったのには二つの理由がある。一つ目は、それは Netflix アプリの映画や TV 番組のエピソードを開いたり、そして終わったら Menu ボタンを押すことで簡単に Reelgood に戻れるが、Reelgood アプリはあなたが見終わったかどうかを認識しない。つまり、見終わる度に、Seen It ボタンをクリックして個別に印をつけなければならない。そうすれば、Reelgood は映画を Watched リストに移し、或いは TV 番組だったら、次のエピソードに移らせる。

二つ目は、我が家では Amazon Prime Video で見る番組もあるのだが、Reelgood は Amazon Prime Video アプリの番組を開くのに同じやり方が使えないことである。これは、全ての視聴を Reelgood アプリから始めることが出来ないことを意味し、残念な話である。

Reelgood failure with Amazon Prime

WatchAid の方が良い

Reelgood アプリについての身元調査をしている時、私はたまたま WatchAid のことを言及しているものに出くわした。これも TV 番組を検索させてくれるアプリで、番組を待ち行列に入れておけば、そのアプリから直接見始められる。 Reelgood と同様、WatchAid にも Apple TV 補助付きの iOS アプリがあるが、Reelgood とは違い、WatchAid の Apple TV アプリは完全に独立したものとしても使えるし、また iOS 機器と同期させて使うことも出来る。もし WatchAid を Apple TV の主画面の一番上に置けば、それはアイコンを選択した時、あなたの番組のプレビューサムネイルすらも表示する。

WatchAid main screen

最初、WatchAid は我が家にとってぴったりのものと映った。何故ならば、それは Netflix と Amazon Prime Video (他のサービスも加えて) のどちらの番組も開けるし、そして Menu ボタンを押して元へ戻る時にも、WatchAid はそのエピソードは見終わったと印をつけてもいいかと聞いてくる。

WatchAid はまた、その待ち行列に Apple TV アプリ内からも入れさせてくれる。それにはカテゴリとかジャンルのブラウザは無いし、その検索能力も、標準の Apple TV 検索インターフェースなので、キリッとしないが、いったん番組を見つければ、フォローしたり途中のエピソードから見たりさせてくれる。次に見たい番組を選択すると、WatchAid は残りの番組を未だ見ていないと印するか聞いてくる。

WatchAid show screen

WatchAid episode list

WatchAid mark as unwatched screen

弱点を上げれば、WatchAid のデータベースは Reelgood のものよりも完成度が低く、正確性にも欠ける。例えば、WatchAid は 3rd Rock from the Sun は Netflix 購読で見られると思い (見られない)、そしてそれは Amazon Prime 購読では見られないと思っている (見られる)。WatchAid はまた Netflix がシーズン 3 の Glow をリリースしたばかりであることを未だ知らない。加えて、WatchAid アプリはそのサーバーへの接続に度々失敗し、Retry や Cancel ボタンをクリックさせられる。些細なことではあるが、腹立たしい。

WatchAid network error

しかし、WatchAid が Netflix の自動再生プレビュー問題に対する部分的な解に過ぎない本当の理由は、それが働くのは TV 番組に対してだけで、映画に対しては働かないことである。我が家で見るのは殆ど TV なので、それは大きな問題では無いが、主として映画を見る人達には魅力は半減するかもしれない。

従って、もし見たくも無い TV 番組や映画を押し付けてくるストリーミングビデオアプリにうんざりしているのであれば、或いは自動再生プレビューで爆撃されるのが嫌なのであれば、WatchAid の Apple TV アプリを試されたい。それは完全では無いが、Netflix と戦うよりもずっと良い体験である。そして、もし WatchAid は余り役に立たず、とりわけもう既に Reelgood を使っているというのであれば、そちらの Apple TV アプリの方があなたには適しているかもしれない。

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Timothy Buck  訳: Mark Nagata   

Sip は Mac 用の賢いカラー管理ツール

Mac で色を扱う作業をする人は、macOS の Colors パレットが長年変わらないままであることを痛いほどよくご存知のことだろう。いくつかの異なるタイプのカラーピッカーと、スクリーンからカラーをサンプリングする点眼器ツール、それに色見本を保存して置いてあるところもある。時々使うだけならば十分に機能するけれども、使っているうちにすぐ困ったことになる。例えば、似たような色合いの赤をいくつか保存してある場合、どれがどの赤かを覚えていられるものだろうか。多くのグラフィックスアプリはそれぞれ独自のカラーツールを提供しているけれども、別のアプリで作業する必要が出てきた途端に使い物にならなくなる。幸いにも、この悩みを解決してくれるものがある。Sip だ。

macOS Colors palette

Sip は $10 のメニューバーアプリで、Mac 上のどこにいてもカラーを選ぶことができるようにし、パレットの中にカラーを素早く整理して、他のアプリの中でそれらのカラーを賢く使いこなせるようにする。André Gonçalves と Rui Aureliano の兄弟が、プロフェッショナルの開発者とデザイナーのための高度な機能を組み込んで Sip を作り上げたのだが、核心を成す機能は十分にシンプルで、どんな Mac ユーザーでもカラー管理のために便利に使えるだろう。

Sip の基本

Sip で最初にするのは、カラーをいくつか選ぶことだ。メニューバーアイコンをクリックするか、キーボードショートカット (Command-Control-Option-P) を押すかして、カラーピッカー (円形の中に、その下にあるごく小さなスクリーン領域が拡大されて見える) を開く。Sip は多数のショートカットを提供するが、そのいずれも環境設定画面で変更できる。

Picking a color in Sip

カラーをピックするには、スクリーン上のどこでも欲しい色の個所の上にカラーピッカーを置いて、クリックする。カラーを選ぶ際に修飾キーを押していれば、さらなる調整が加わる:

より精密にカラーをピックするために、Sip のキーボードショートカットを使ってカラーピッカーのズーム率を増やしたり減らしたり、カラーピッカーのグリッドを大きくしたり小さくしたり、カラーピッカーを 1 ピクセル単位か 10 ピクセル単位で動かしたりできる。幅 1 ピクセルの境界線や、ごく小さな文字のカラーを取り込む際に便利だ。

また、Get Border Color または Get Fill Color という Sip のショートカットを使って Sketch や Photoshop から直接 Sip へカラーを送ることもできる。メニューバーウィンドウの右上隅に見えるカラーホイールをクリックすれば、Photoshop 風のカラーエディタが開いてその中でカラーをピックしたり 16 進数値か RGBA 値を入力したりできる。

いったん Sip の中にカラーを取り込めば、それらのカラーを整理しておくためのパレットを作成したくなるだろう。カラーの区分のために一個、作業中のプロジェクトのためにもう一個、着想を与えてくれるカラーのためにさらにもういくつか、といった風にパレットを使い分けるとよい。

最初のパレットを作成するには、メニューバーウィンドウにあるハンバーガー (三本線) メニューをクリックして、New Palette を選ぶ。それまでにピックしてあったカラーのすべてがカラー履歴として並んでいる。そのカラー履歴から新しいパレットへ、カラーをドラッグする。また、どのパレットの内部でもカラーをドラッグして並べ替えることができる。

Creating a palette in Sip

パレットを Control-クリックすれば、そのパレットを改名・複製・ロック・お気に入り指定できる。パレットの数が多くなれば、お気に入り指定はなかなか便利だ。メニューバードロップダウンの左下隅にあるハート形アイコンをクリックすれば、お気に入り指定したパレットだけが表示される。

パレットの名前をクリックすれば、そのパレットの中にあるカラーのすべてがリスト表示される。Sip はカラーに Sunglow (朝焼け) や Blue Haze (青いもや) などの名前を自動的に生成するが、リスト表示の中にあるどのカラーでも Control-クリックすれば改名できる。私は自分のカラーに使用事例に応じた名前を付けるようにしている。例えば Background、Highlight、Header Text、Body Text といった具合だ。リスト表示の中のカラーを Control-クリックすると、それを削除したり、入れ替えたり、あるいは Photoshop 風のカラーエディタで編集したりという選択肢も提供される。

いくつかのパレットにカラーを整理し終えたら、次はそれらを他のアプリで使い始める番だ。メニューバーウィンドウの中で履歴またはパレットからどのカラーでも選べば、そのカラーがクリップボードにコピーされる。また、Sip はスクリーンの縁のところにドラッグ可能なカラードックを表示することもできる。どのパレットがドックに置かれるかは自由に選べる。カラードックからカラーを選べば、メニューバーウィンドウから選んだ場合と同じことが起こる。

Sip's color dock

あなたのカラーパレット、カラー履歴、各種設定は Mac 同士で同期され、また万一何かをうっかり削除してしまった場合に備えて Sip は自動的にスナップショットをローカルに保存することでバックアップする。

Sip のフォーマット

異なるアプリでそれぞれ異なるカラーフォーマットを使いがちな場合、例えば Photoshop では 16 進数値を使い、Sublime Text では CSS RGBA 値を使うような場合、Sip はそれにも対応してくれる。Smart Formats をオンにして、それぞれのアプリでどのフォーマットを使うのかを指定する。あるいは単純に前もってセットされている指定を使ってもよい。Smart Formats がオンになっていれば、Sip からアプリへカラーをペーストすると、データが自動的に正しいカラーフォーマットに変換される。

Smart Formats in Sip

私はカスタマイズしたフォーマットを使う必要に迫られたことはないが、もしも内蔵されたフォーマットのリストにあなたが必要とするものが欠けていたならば、既存のどのフォーマットからでも、あるいは一から作り上げても、自分独自のフォーマットを作成できる。メニューバーウィンドウにあるハンバーガー (三本線) メニューから、Custom Format エディタを開こう。ここで、カラーがどのようにクリップボードに保存されるか、どのようにメニューに表示されるか、ピッカーの中でどのように見えるかを、それぞれ別個に定義することができる。

Sip's Custom Format editor

Sip のアクセシビリティ関係ツール

Sip の Check Contrast 機能は、あなたが使っているカラーのコントラストが視力に問題のある人たちにとってアクセス可能なものかどうかを確認する役に立つ。コントラストのチェックをするには、ハンバーガー (三本線) メニューから Check Contrast を選ぶ。それから、背景のカラーとテキストのカラーをピックする。すると、Sip は数値スコアを示すとともに、全体的な評価を AAA (素晴らしい)、AA (18 ポイント以下の文字でも何とか容認可能なコントラスト)、A Large (18 ポイントより大きい文字ならば容認可能)、Fail (不可) のいずれかで表示する。

この記事のためにスクリーンショットを撮影しながら私がこの機能を使ってみると、Sip は私のウェブサイトで使っていた海泡石色の上に白のカラー組み合わせがアクセス可能でないという警告を示した。そこで私は自分のサイトに単純な色変更を施しておいたので、今では視力に問題のある人にも以前より使い勝手の良いサイトになっているはずだ。

A Check Contrast failure

ちょっと一口 (a Sip) 飲んでみる

Sip は 15 日間無料で試用できる。無料試用期間を過ぎて使うには、アプリを購入しなければならない。

Sip はデザイン用アプリ Sketch で有名になった価格決定モデルを使っている。$10 払えば、1 台のコンピュータ上で一年間、アプリのアップデートを受けながら使える。2 台以上のコンピュータでライセンスを受けたければ、割引価格が利用できる。つまり、2 台から 5 台までのコンピュータでは 1 台あたりの価格が $8 で、6 台から 9 台までは 1 台あたり $7、10 台から 19 台までは 1 台あたり $6、20 台以上では 1 台あたり $5 となる。最初の一年間が過ぎた後は、最初の年に払った分の半額で次の一年間のアップデートを購入できるし、あるいはその時点で使っているバージョンをそのまま使い続けたいのならば追加料金は一切かからない。

複数のアプリの間でカラー管理に苦闘したことがある人にとって、Sip には十分に値段以上の価値があるだろうし、これがあなたのワークフローを改善する役に立つかどうかは無料の試用版を使ってみれば簡単に分かる。私は、自分のワークフローが改善されたことを知っている。

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Jeff Porten  訳: Mark Nagata   

CES 2019 レビュー: iPhone/MacBook 用電池、Mac 用イコライザー、AirPods 代替品

Consumer Electronics Show (CES、毎年 1 月にラスベガスで開催される電子機器の見本市) に TidBITS から派遣される勇猛果敢な特派員から、年の半ばのご挨拶をいたします。(2019 年 1 月 8 日の記事“CES 2019: CES Unveiled は今年も恒例のガジェット祭り”参照。) この見本市でどんな新しいガジェットが出てくるのかは、時にはとてつもなく奇妙なものに出くわすこともあり、いつも非常に興味深いものだが、中には結局実現されないものもあるし、商品化された途端にがっかりさせられるものもある。TidBITS でも時々レビュー記事を出すことはあるけれども、この種の CES ガジェットで丸々一つの記事にして取り上げる価値のあるものは少ない。そこで今回は、ごく短いレビュー記事をいくつかまとめてご紹介したいと思う。

MyCharge の HubMax Universal バッテリー

バッテリーについてワクワクした気持ちになることはなかなかないが、控え目な見栄えの HubMax Universal はあっという間に“興味深い”だけのものから私の定番の機器へと昇格を遂げた。これはコンパクトなケースに収められた 10,050 mAh のバッテリーで、畳み込み式の 2 本のケーブルがそれぞれ USB-C と Lightning での充電を提供し、同時に 3 台のデバイスを充電できる。(底面にある USB-A ポートで、標準の充電ケーブルを持つ 3 台目のデバイスを充電する。) 小さなボタンを押せば LED が点灯して、残りの充電容量を示す。壁に差し込む電源プラグが背面からポンと開き、使わない時は平らに畳まれている。ただし言っておきたいが、そのことは背面側に数インチの余裕がなければ AC 電源からの充電ができないことを意味するので、私は 6 口の電源延長ケーブルに差し込んで使っている。

MyCharge HubMax Universal Battery

文句を付けたいところがいくつかある。一番大きいのは micro-USB コードが付いていないことだ。小型の機器はほとんどが micro-USB で充電するのだから。MyCharge から別売されている HubMax バッテリーにはそのケーブルが付いているが、その代わりに USB-C ケーブルを諦めなければならない。

この USB-C ケーブルは出力専用なので、AC 電源で動く MacBook Pro から HubMax Universal を充電することはできない。内蔵のコードは短いので、充電しながらそのデバイスを使うことも難しい。スマートフォンとこのバッテリーをサンドイッチ状態にして持ち運ぶことは可能だが、スクリーンを使おうとしてスマートフォンをちょっと傾けただけでケーブルが抜けてしまいがちだ。

他のバッテリーがどんな魔術を使ってフルに充電されたスマートフォンの充電を停止するのかは知らないが、この HubMax Universal にそのような機能はないようだ。スマートフォンを一晩中繋いでおくと、HubMax Universal の充電が完全に空になってしまう。フル充電された HubMax Universal は私の 13 インチ MacBook Pro の緊急充電を 60 分から 90 分も提供できるのだから、これは相当たっぷりした容量だ。おそらくもっと重要な点は、動かなくなった MacBook Pro を起動可能な状態にするまでにたった 2 分間しかかからなかったことだろう。

けれどもこの HubMax Universal で何よりも重要なのはそのサイズだ。寸法は 4.6 × 2.8 × 0.9 インチ (11.7 × 7.1 × 2.3 cm)、重さは 19 オンス (0.54 kg) で、(男性用の) ズボンのポケットに楽々と入るし、小さな鞄にも入る。私はバックパックの中に巨大なバッテリーを入れているが、軽装で旅行する場合には、以前ならば機器類を動かし続けるために鞄のポケットのいくつかを小型のバッテリーとそれに必要なケーブル類を入れるため専用にしなければならなかった。もしも旅先でスマートフォンが死んでしまえば途方に暮れることになるので、電源の確保は私にとって重大問題だ。でも、この HubMax Universal を手に入れて以来、これさえ持っていればもう安心だ。私のスマートフォンも iPad も、一日中電源の心配をせずに使えるからだ。

価格は $99.99 で、同程度の電源容量でもっと安いバッテリーも出回っているけれども、これほど使い勝手の良いものを私は他に見たことがない。MyCharge の Hub シリーズには幅広いタイプの同種の製品が出ており、USB-C または micro-USB に加えて Lightning が使えて、バッテリー容量もさまざま、価格は $49.99 からいろいろある。

Nahimic は Mac 用のオーディオ・イコライザー

Nahimic は Mac のメニューバー上で動作するオーディオ・イコライザーで、音楽も、映画のオーディオサウンドもより良い音質で聴けると約束する。最初に起動した際に、あるいは新しいオーディオハードウェアを探知した際に、そのデバイスのためのサウンドプロファイルをセットアップするように求めてくる。このアプリには非常に多数のメーカー、スピーカー、ヘッドセットのリストが含まれていて (ある程度人気のあるモデルはたぶんリストされている)、それぞれに対して完璧に周波数調整がなされていると主張する。もしもあなたがお持ちの出力ハードウェアがリストされていなければ、このアプリは手持ちのプロファイルに依存して働く。Nahimic は、クラウドソースされたデータに基づいて新しいプロファイルを作成して送り出せるようにデータを同社へ送信する許可をあなたに求める。

他の同種のアプリの多くは、複数の周波数帯やら何やら技術的なちんぷんかんぷんだらけで、いつ果てるともなくいじり回し続けなければならない。Kirk McElhearn でもなければ、iTunes にプリセットとして含まれている Classical と Live Hall の違いを聴き分けることなんかできるものか。けれども Nahimic では、ハードウェアとか個別の周波数設定などをいじる必要など何もなくて、このアプリはたった 3 つのオプションを 1 つの文の中で呈示するだけだ:

私は (音楽/映画)(ステレオ/3D) で、(中立/重低音/明るいサウンド/明瞭なボーカル/パンチの効いたサウンド) で聴きたい。

Nahimic Audio Equalizer for Mac

これは素晴らしいインターフェイスだ。それぞれのサウンド出力オプションは聴いてすぐに分かるほどはっきり違っている。明るいサウンドは、実際ポップミュージックをポップな感じに聴かせる周波数帯を強調する。パンチの効いたサウンドは、音量が増えるのとは違う意味で低音のリバーブを提供する。3D 効果は、まるで自分の耳の前と後ろに追加のヘッドセットが浮かんでいるような風に聞こえる。これはとても良い感じで、“ステレオ”に切り替えるとサウンドが平面的に聞こえてしまうほどだ。これを使わない手はないと思う。

このアプリには欠けているものがたった一つあって、その理由も理解できる。iTunes では、カスタマイズしたイコライザーを作ってそれを個々のトラックに永続的に割り当てることができる (ご存知ない方のために言い添えれば、Edit > Song Info > Options > Equalizer にある) けれども、Nahimic ではすべてを支配するたった一つの設定が提供できるのみだ。

でも、サウンドが良くなるという点を別にすれば、このソフトウェアにはいくつか苛立たしい点がある。時々私はシステム環境設定と Nahimic のインターフェイスの両方でサウンド出力をいじる必要のあることがあったが、そのうち一回か二回、出力が完全に失われてしまい、Mac を再起動するまで直らないように見えたことがあった。この問題はここのところかなり長い間一度も起こっていないので、Nahimic がソフトウェアアップデートで修正済みということもあり得る。何より奇妙なこととして、Nahimic が私の iPad をオーディオデバイスとしてセットアップしようと申し出たことがあったのだが、それを出力先に指定した途端に、すべてが完全な沈黙に陥ってしまった。

そうは言っても、今では Nahimic のお陰で私の耳に快いサウンドが聴けるようになったし、そのことこそがこのアプリが作られた目的だ。無料試用期間があるのであなたの耳に合っているかどうかを確かめられる。価格は $9.99 で、Mac でしょっちゅうオーディオを聴いていてサウンドにこだわりがある人 (あるいは安価なヘッドセットを使っていていくつかの周波数帯が欠落しているような人) にはほとんど迷う必要もないくらいだろう。ただし、Nahimic がスピーカー以外のものをオーディオデバイスとして提案してきた場合には OK をクリックしてはいけない。

SoundCore Liberty Air は本物のワイヤレスヘッドフォン

Apple の AirPods に競合するまずまずのレベルの安価な製品が出始めたのは去年になってからで、 SoundCore Liberty Air もその一つだ。SoundCore は Anker が作っているブランド製品で、Anker はバッテリーや充電器については既に定評がある。そして実際、この Liberty Air はなかなか良い。AirPods に比べればほぼ半分の価格で、備えている機能もほぼ半分というところだろうか。Nahimic と同様、サウンドは素晴らしいが、それ以外の点では良くないところもある。

SoundCore Liberty Air

サウンドについては、$80 よりはるかに高いお金をヘッドフォンに注ぎ込むタイプのオーディオファンでもない限り、文句を言う人はいないだろう。音楽は鮮明で透明感があり、低音もなかなか良い。私が長年試してきた Bluetooth ヘッドセットの多くとは違って、よく知っている音楽が違って聞こえるような周波数の欠落などはない。

AirPods では耳の形に合わないという人は、Liberty Air に三種類のゴム製のイヤーチップが付いていることを歓迎するだろう。そのうちどれかを使えば、AirPod の垂れ玉形よりも良い遮音効果が得られる役に立つだろう。でも、近付いてくる人の行き来が気になるので周囲の音も聞こえるようにしたいのならば、このイヤーバッドは向いていない。周囲のサウンドを取り込めるイヤーチップはまた、人とぶつかった際に耳から飛び出してしまう可能性も高いだろう。

もう一つ、Liberty Air が優れている点がある。それはバッテリー寿命だ。SoundCore によれば、イヤーバッドとして使って 5 時間保ち、バッテリーケースで 4 回充電できるので、合計して 20 時間使えるという。もう少し長いかもしれない。日によっては、ずっと音楽やポッドキャストを聞きっぱなしで使って朝起きてから夜寝るまでずっと使えることもある。私の経験では、バッテリーケースの中に入れて充電する時間はごく短く、再生を単に一時停止にして、充電の間にコーヒーを注文したりなどしているうちに、またすぐに続きを聴けるようになる。

残念ながら、褒め言葉が言えるのはここまでだ。まず、Bluetooth 接続にイライラさせられる。左のイヤーバッドの音がしょっちゅう短時間欠落するし、時には長い時間接続が切れてリセットする (イヤーバッドの両方ともを一時的にケースに入れる) 必要が生じることもある。周囲に多数のラジオ電波送信機があればこの種の問題は以外でもないのだろう。25 個の異なる Wi-Fi ネットワークがあり、発見可能な携帯電話が 10 台以上あるのだから。左耳から音が聞こえなくなって、もう少し待てば復帰するのか、それともリセットが必要なのかと迷ってしまう時ほどイライラさせられるものはない。

付属のマイクロフォンはあまりにも貧弱で、そもそも広告されていること自体に驚いてしまうほどだ。周囲が完全に静寂なら、Siri にも Google Assistant にも使える。でも、私自身が録音してみた結果が目安になるとすれば、あなたの言葉を聞こうとしている人間のためにはまったく何の役にも立たない。そよ風が吹いていても、あるいは普通程度のファンの音がしていても、簡単な用事の電話でさえヘッドセットを取り替えなければ話が通じなくなる。SoundCore の FAQ 記事は、この種のデザインでは通話の品質がそれほど良くないと認めているが、それに続けて Liberty Air はデジタル信号処理を使って音声の明瞭化をしていると主張する。それは本当なのかもしれないが、その結果が使い物になると読めるのに、実際にはそうでない。

携帯ケースのデザインは良いし、ちょうど良い感じの重さだ。ポケットに入れていて重過ぎると感じたことはないし、手触りの感触や曲面の具合も良い。蓋を閉じる際に少々グラグラする感じだが、レビュー記事を書く目的で注意してするのでなければ気が付かない程度のものだろう。ただ、時々イヤーバッドがケースの中に正しく収まらないことがあって、数時間後に取り出して片方が死んでいると気付くこともある。もしそれが右側のイヤーバッドならば、両方とも使えない。なぜなら、モノラルのサウンドに使えるのは右側のイヤーバッドだけだからだ。もう一つ厄介な点として、自宅のハブから micro-USB ケーブルでケースを充電していると、ケーブルを抜くまでイヤーバッドは一切充電されない。バッテリーからケースを充電している際にはその問題は起こらない。それから、一回の充電でどの程度の時間使えるかの数字をはっきり出せない理由の一つは、ケースにある 3 つの LED バッテリーインジケータがほとんど常に 2 つ点灯しているからだ。フル充電された直後の短い時間のみ、3 つ点灯する。そして、1 つのみ点灯になるのは完全に死ぬ直前の短時間のみだ。

イヤーバッド自体について言えば、耳に入れた状態は十分に快適で、入れていることを忘れてしまいそうなほどだ。スウェットシャツを脱いで片方のイヤーバッドを部屋の向こうの方まではじき飛ばしてしまった折に、これが問題となった。(ホワイトとブラックが選べるが、購入の際には自宅の床の色を考慮に入れるようにしよう。床との色のコントラストが高い方を選ぶべきだ。都会の大通りで黒いイヤーバッドを落としてしまえば、踏み潰されるより前に見つけるのは不可能に近い。) サウンドのコントロールはボタンではなくタッチセンサー式のパッドを使う。クールに聞こえるかもしれないが、使い勝手は悪い。イヤーバッドにちょっと触れただけで機能を呼び出してしまうからだ。聞こえを良くするために左側のイヤーバッドを耳に入れ直そうとすると、知らないうちに自分が Siri と話していると気付かされることがある。まわりの状況を確認しようとイヤーバッドを手に持ってほんの 1 分ほど歩くと、それを耳に入れ直せば 2 回に 1 回の確率でさっきまでと違う曲が聞こえるか、またはイヤーバッドが完全にオフに切り替わっている。そして、これほどトラブルを抱えているというのに、音量を変えるなどのごくごく基本的な機能が、Siri の助けを借りなければできない。AirPods 以外のいくつかの Bluetooth ヘッドセットにも言えることだが、Bluetooth がオフになるか、Bluetooth 電波の到達範囲の外に出るかしない限り、頑固に接続されたままの状態が続く。私が MacBook を荷造りした際に Bluetooth 接続を切っておくのを忘れれば、Power Napping の間でさえも嬉々として私のイヤーバッドを独占し続け、その結果としてスマートフォンが接続できないままとなる。

そうは言っても、良い音質でバッテリーが長持ちする $79.99 のイヤーバッドの市場は確かに存在する。ただ、何か他のことにも使おうというのならば、とりわけちゃんと動作するマイクとしても使いたいのならば、これを買ってはいけない。でも、私がこれまでに使ったことのあるものの中には、価格がもっと高いワイヤードの Bluetooth ヘッドセットで、サウンドがもっと悪くて、もっと大きなバッテリーを搭載できるスペースの余裕は十分にあったにもかかわらずバッテリーの保ちの悪いものがいくつもあった。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

1Password 7.3.2

1Password 7.3.2

AgileBits が 1Password 7.3.2 を出した。安定性の改善のための、メンテナンス・リリースだ。今回のアップデートでは、環境設定ウィンドウの中で 1Password アカウントで Two-Factor Authentication をオフにできるようにし、ネットワーク管理者が環境設定を調整して“ログイン時に自動的に開始”の挙動を強制できるようにし、Desktop App Integration を使っている際に起こることのあったクラッシュを解消し、選択したアイコンを暗く表示する際のカスタム画像処理の安定性を高め、ヴォールトの説明書きが正しく保存されなかったバグを修正し、1Password がファイルの追加を繰り返し求め続けることになった問題を解消し、取り外したウィンドウの中の項目が共有されなくなったバグを修正している。(AgileBits または Mac App Store から独立動作のアプリ購入の場合 $64.99、講読の場合は月額 $2.99 または $4.99 (TidBITS 会員は 6 ヵ月間無料)、無料アップデート、51.3 MB、リリースノート、macOS 10.12.6+)

1Password 7.3.2 の使用体験を話し合おう

ChronoSync 4.9.4

ChronoSync 4.9.4

Econ Technologies が ChronoSync 4.9.4 を出した。この同期およびバックアップ用アプリのメンテナンス・リリースで、多数の改善やバグ修正を施している。今回のアップデートでは InterConneX 接続での Diagnostic Logging 対応をフルに実装し、InterConneX 共有スペースのロックされたフォルダの中へコピーできなかったバグを修正し、遠隔クラウドや InterConneX 保存先へコピーする際に固有の一時ファイルの名前を決定するためのロジックを修正し、Strict Volume Identification の挙動を変更して deviceModel と deviceProtocol を調べないようにし、またコレクション記録からファイルパスを抽出する際に壊れたパスが作られてしまった問題を解消した。(新規購入 $49.99、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、66.8 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

ChronoSync 4.9.4 の使用体験を話し合おう

BusyCal 3.6.9

BusyCal 3.6.9

BusyMac が BusyCal 3.6.9 をリリースして、Day 表示の複数日にわたるイベントですべての日に添付グラフィックを表示できる機能を追加し、同期の際にローカルなタイムゾーンと GMT との自動変換をオフにする上級環境設定項目を追加した。このカレンダーアプリはまた、繰り返し起こるミーティングのうち一回のみを削除するとそのシリーズ全体が削除されてしまったバグを修正し、カレンダーの説明を省略することのある CalDAV サーバへの対応を追加し、購読されたカレンダーの変更が修正日付を更新しなかった場合の変更探知を改善し、繰り返すイベントから分離させて通常のイベントにしたものを繰り返しイベントを丸ごと複製する必要なく単独で複製できるようにしている。(BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、22.2 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

BusyCal 3.6.9 の使用体験を話し合おう

DEVONthink 3.0 Public Beta 6

DEVONthink 3.0 Public Beta 6

最終版のフル・リリースに近づきつつ、DEVONtechnologies 情報管理アプリ DEVONthink 3 の六番目の公開ベータ版をリリースして、今回もまた多数の改善や修正を施した。今回のアップデートでは Reading List とカスタマイズされたメタデータ定義を同期する機能を追加し、リッチテキストファイルや Annotations および Reminders インスペクタでの Dark モード対応を改良し、スキャンしたもののページの向きを自動修正する必要なしに OCR を走らせられるようにし、Markdown 書類における WikiLinking を改良し、Annotations インスペクタで選択した PDF 注釈が直ちに表示されるようにし、書類を分割した後のファイルの改名の際の問題点を解消し、OCR を通じて作成されたリッチテキスト書類での行間隔のバグを修正し、文献メタデータを Bookends 12.3 またはそれ以降に書き出す機能への対応を追加している。

DEVONthink 3.0 の公開ベータ版は無料で利用できるが、公開ベータテスト期間が終わった後は有効なライセンス鍵がなければ使えなくなるし、電子メールのアーカイブへのアクセスや試用上限を超えるテキスト認識機能はライセンス鍵がなければ使えない。(DEVONthink 新規購入 $99、DEVONthink Pro 新規購入 $199、DEVONthink Server 新規購入 $499、TidBITS 会員にはそれぞれ 15 パーセント割引、アップグレード価格あり、90.5 MB、macOS 10.11+)

DEVONthink 3.0 Public Beta 6 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

FileMaker Retakes the Claris Name after 21 Years

21 年経って FileMaker が Claris の名前を取り戻す

1998 年に、Apple のソフトウェア子会社 Claris (MacWriteMacPaint、後にAppleWorks へと進化した ClarisWorks、Claris Emailer といった製品を開発および販売していた会社) は、FileMaker データベース以外のすべてのものを処分した上で、FileMaker Inc. という名前の会社へと移行した。そして今回、新しく CEO に就任した Brad Freitag が、会社の名前を元の Claris に戻すと発表するとともに、この会社を今後拡張させる自身の構想を示唆した。今回のブランド再生は一つには、FileMaker が企業向けプラットフォームの会社 Stamplay を買収したことが大きな要因となった。Stamplay はリブランドされて Claris Connect となり、Dropbox、Slack、Salesforce といったクラウドサービスにリンクさせたワークフローやオートメーションを開発者たちが作り出せるようにする。はてさてあとは、Apple が Clarus を復活させてくれさえすれば完璧なのだが。

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Disney Will Bundle Disney+, Hulu, and ESPN+ for $12.99 Per Month

Disney、月額 $12.99 で Disney+、Hulu、ESPN+ をバンドル

Disney 社 CEO の Bob Iger が、同社が3つのストリーミングサービス Disney+、Hulu、and SPN+ を月額 $12.99 でバンドルすると発表した。この価格は Netflix の標準ストリーミングプランと同等で、AT&T から間もなく出ると噂される HBO Max の予想価格月額 $16-$20 よりも安い。Hulu の価格は月額 $5.99 から、ESPN+ は月額 $4.99、Disney+ を単独で購読すれば $6.99 なので、このバンドルは月額 $5 程度のお買い得だ。

あまりにも好条件過ぎるので長続きしないだろうという声もある。そうなのかもしれない。Disney+ を月額 $6.99 で販売して Disney の儲けになるとは考えにくいし、3つのサービスを月額 $12.99 で販売して大きな稼ぎになるとも考えにくい。私たちの推測では、この価格設定の狙いは Netflix と、間もなくストリーミングを始めようとしている Apple とに圧力をかけることにあるのではなかろうか。Apple は、Disney が Disney+ に課金しているより高い金額を Apple TV+ に課したのでは太刀打ちできないだろうし、Disney が3つのサービスのバンドルに課す $12.99 と同等の月額料金では Apple にとうてい望みはないだろう。Apple が自社のコンテンツの方が高い料金に見合う内容だと主張できるような状況も想像し難い。これはハードウェアの話ではないからだ。だから問題は、Disney が市場に十分入り込めたと判断した後で値上げをする予定なのかどうかという点にある。あるいは、それをせずにこの新たな低額を継続的に固定して Netflix と Apple がそれに合わせざるを得ないようにするつもりなのだろうか。

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Apple Starts Locking iPhone Batteries to Thwart Independent Repair

Apple、独立の修理業者を妨害するため iPhone バッテリーのロックを開始

iFixit が、Apple が iPhone XR、XS および XS Max のバッテリーをロックして、もしも Apple または Apple Authorized Service Provider 以外の者がバッテリーを交換すれば、たとえそれが正真正銘の Apple バッテリーであっても、iOS が Settings > Battery に表示されるバッテリー健全度の指標を「バッテリーが本物かどうか確認できない」という意味の不吉なメッセージに入れ替えてしまうことを発見した。この不吉なメッセージをクリアしてバッテリーの健全度指標の表示に戻せるのは Apple の社内用診断ソフトウェアのみであって、Apple はこのソフトウェアを Apple Authorized Service Provider ネットワークの外部には一切出していない。ただし良いニュースは、表示がなくなってもバッテリー自体の寿命やパフォーマンスには影響がないことだ。

正直言って、これは Apple の側での二流の反競争的行為と言わざるを得ない。iPhone のバッテリーを独立の修理業者に交換してもらう人は、あるいは自分で交換する人は、ちゃんとそれと分かってそうしている。自動車の世界ではその昔の Ford Model T の時代以来ずっと、補修部品市場に依存して働く独立の自動車修理業がディーラーでの修理を補完するものとして立派に存続してきたし、自動車のオーナーたちはどちらのサービスをひいきにするかを自分で判断することに何の問題も感じてこなかった。コンピュータやスマートフォンの世界でも同じことが成り立つはずだ。

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Apple Music for Artists Opens to All Artists

Apple Music for Artists をすべてのアーティストに開放

Apple が Apple Music for Artists のベータテストを終了して公式リリースし、独立のミュージシャンも含む Apple Music と iTunes 上のすべてのアーティストが自分の音楽の実績を確認できるようにした。再生回数、1日あたりの平均視聴回数、曲の購入状況、Shazam での検索回数も分かる。また、アーティストが自分独自のプロフィール写真をアップロードしたり、自分の音楽がどこで最も多く聴かれているかを調べたりすることもできる。Apple Music に自分の音楽がある人は、登録すればアーティストとしてのデータアクセスをリクエストできるし、そのための iOS アプリさえある。

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