もしもあなたのアルミニウムモデル Apple Watch Series 2 または Series 3 で画面に特定の種類の亀裂が入っているなら、Apple による無料交換プログラムについてお読み頂きたい。仕事場の Windows マシンでも Apple Music を聴きたい方のために、Apple がひっそりと Apple Music ウェブアプリのベータ版をスタートさせて Apple 以外のプラットフォームにも Apple Music を開放しようとしていることをお伝えする。他の TidBITS 読者の皆さんがあなたと同じ考えでいるかどうかについて、Adam Engst が 2019 年の TidBITS 読者アンケートの結果を分析して、今後の記事の方向性についても考察する。それからもう一つ、皆さんは ... という文字をご存知だろうか? これは ellipsis (省略記号) と呼ばれる文字だが、今やこの文字は Mac や iOS のユーザーインターフェイスの中に頻出するようになってしまった。そのことは一体何を意味するだろうか? Josh Centers が数多くの実例を調べつつ、その疑問に答えようと試みる。今週の ExtraBITS では、ファイル転送アプリ Fetch が 30 周年を迎え、Apple が App Store の検索ランク付けで自社アプリが優遇されていたことを認める。今週注目すべき Mac アプリのリリースは Airfoil 5.8.7、Postbox 7.0、それに SoundSource 4.1.4 だ。
もしもあなたのアルミニウムモデル Apple Watch Series 2 または Series 3 の画面の縁の部分に特定のタイプの亀裂があれば、良い知らせがある。Apple が、その画面を無償で交換してくれるからだ。Apple は次のように発表した:
ごくまれに、Apple Watch Series 2 または Series 3 のアルミニウムモデルの画面の縁の丸みを帯びた部分に亀裂が生じる可能性があることが判明しました。亀裂は画面のいずれか一辺から始まって外周に広がっていく可能性があります (下図参照)。
この画面交換プログラムは、すべてのアルミニウムモデルの Apple Watch Series 2 および Series 3 を対象としており、そこには GPS、GPS+Cellular、Nike+ の各モデルも含まれる。お持ちのモデルが対象であるかを確認したければ、Apple の説明書に従ってあなたの Apple Watch を識別できる。
Apple がひっそりと Apple Music ウェブアプリのベータ版をスタートさせて、Apple Music 購読者が現代的なウェブブラウザからならば自分の Apple Music コンテンツのすべてにアクセスできるようにした。あなたが期待する機能がすべてそこにあるが、ただし楽曲のアップロード機能、スマートプレイリスト、一部のミュージックビデオ、最近再生したカスタムラジオ局、それから奇妙なことに、Beats One ラジオが欠落している。
Apple はこれまでさまざまのプラットフォームにそれぞれネイティブな Apple Music クライアントを提供してきた:
Mac: iTunes と、 macOS 10.15 Catalina で登場予定の Music アプリ
iOS、watchOS、tvOS: Music アプリ
Windows: iTunes
Android: Music アプリ
しかしながら、Linux と ChromeOS のユーザーは締め出されていたので、今回のウェブアプリはそういう人たちにとって嬉しいニュースだ。現行の Mac ユーザーで iTunes が嫌いな人たちも、Apple Music のウェブクライアントの登場を歓迎するだろう。より一般的には、このリリースは iTunes 亡き後の世界における Apple の Windows に対するプランを示すものでもあるのかもしれない。
このウェブ版の Apple Music がどの程度クロス・プラットフォームであるかをテストするため、私は Ubuntu Linux の走る Lenovo ThinkPad の上でこれを Firefox にロードさせてみた。メディアキーが見つからないというエラーが出たことを除いては、期待通りに動作して、私のライブラリをブラウズし、Apple Music カタログを検索し、楽曲を再生することができた。
この Apple Music ウェブアプリは Catalina の Music アプリのインターフェイスを真似ている。あなたの Apple Music ライブラリとプレイリストへのアクセスを提供し、それに加えて Apple コンテンツ、具体的には編集者の手でキュレートされたプレイリストと、アルゴリズムにより生成されたプレイリスト、例えば New Music Mix や My Chill Mix などもある。さらには Up Next さえもある。
Mac の上で Apple Music ウェブアプリを使えば、いくつか追加の素敵なことを享受できる。例えば Dark Mode 対応 (これは Firefox の中でさえ働く) や、メディアキー対応 (これは少なくとも Safari の中では働く) などがある。
報道によればこの Apple Music ウェブアプリは Android でも働くとのことだが、私は Android デバイスを持っていないのでテストできていない。iOS デバイス上でロードさせようとすると、代わりに Music アプリが開く。
Apple が引き続きビジネスの重点をサービスへと向けようとしていることを考えれば、将来には News アプリや TV アプリのウェブ版が登場してもおかしくないかもしれない。もしもそれが実現すれば、現行の Apple News+ と、登場予定の Apple TV+ との聴衆を拡大することができるだろう。
あなたはウェブ版の Apple Music をお使いになりたいだろうか? Apple がもっと多くのウェブアプリを出してくることをお望みだろうか? ご意見をどうぞコメントに書き込んで頂きたい。
どの製品についての記事を読みたいかという点については、いつも通りに Mac が首位となった。そして、誰もが予想する通り、iPhone と iPad が僅差でそれに続いた。次の Apple TV では興味の度合いがぐっと減り、Apple Watch がそれとほぼ同レベルで続いた。AirPods と HomePod にはそれほど人気が集まらないだろうと予想していて、結果はその通りだったが、この両者はそもそもあまり取り上げる必要がない。
興味深かったのは、2015 年に同じ質問をした結果と比較してみたところ、Mac が 0.06 ポイント減り、iPhone が 0.24 ポイント増え、iPad が 0.13 ポイント増え、Apple TV が 0.24 ポイント減り、そして Apple Watch が 0.49 ポイントも急増したことだった。この結果はうなずける。iOS デバイスはあれ以来さらに柔軟で強力になったので、そちらの魅力が増して、Mac が少しだけそのあおりを食らったということだろう。前回のアンケートの数カ月前に第四世代 Apple TV と初代の Apple Watch が出荷されていたが、今回の結果を見ると Apple TV はあまり期待に応えることができず、その一方で Apple Watch は期待を上回ったと言っても差し支えないだろう。
電子メール号のみを読んでおられる方々は、これらの見出し画像を記事タイトルの右側に見える小さなサムネイル画像としてしかご覧になっていないはずだ。フルサイズの画像では場所を取り過ぎるからだ。けれどもウェブサイトでは、加えて TidBITS 会員が受け取る個々の記事でも、記事の冒頭にフルサイズの画像が表示され、読者の気持ちを引く魅力的なビジュアル要素として働く。これはウェブ出版においてはごく一般的なことで、ソーシャルメディアのプラットフォームでも、また Apple News でも、トラフィックを呼び込むために不可欠のものと見なされている。
けれども、これらの画像を見つけてきたり作成したりするためにとてつもない膨大な労力が必要であることは否めない。そこで、これから一・二週間は実験的に、見出し画像を取り除いてみたいと思っている。それで何か影響がありそうかどうか、特に Apple News で何が起こるかを見てみたい。Apple News は画像を強く欲しているからだ。妥協案として、あらかじめ Apple News にいくつかの画像を蓄えておいて、そこから画像をフィードするようにすれば個々の記事ごとに余分の労力をかける必要がなくなるかもしれない。
リリースされたばかりの Take Control of iOS 13 and iPadOS 13 を書くために iOS 13 を探求していて、私は iOS ソフトウェアデザインにおけるあるやり方が益々増えてくる傾向にあると思え気になり始めた。この記事を書かねばならないと思わせられたのは、Wallet における Apple Card のユーザーインターフェースを記録していてである ("Apple Card 特典を最大限に活用する方法" 14 August 2019 参照)。何故ならば、私は同じ文字を繰り返し繰り返しタイプしていることに気づいたからである...
これは書き物の場合である。Macintosh のインターフェースでは、この省略記号は長いこと特定の意味合いを持っていた。メニュー項目に続く省略記号は、それを選ぶと直ぐにアクションが取られるのではなく、ダイアログが出てくることを意味する。File > Save を選べば現在の書類が保存される;File Save As... は Save ダイアログが現れ、そこで新しいファイル名やファイルの置き場所を入力出来る。技術的な書き物の中でメニュー項目名を書く場合は、省略記号を省略して省略記号のより伝統的な使い方と混同しないように心掛ける。
しかし iOS では - そして一部の Mac アプリでも - Apple はこの省略記号を統一性なく使い始め、その意味を混乱させている。例を見てみよう。
この例では、省略記号ボタンは、Mac 上で File > Get Info を選択して Get Info ウィンドウを開かせるのに似ている。このウィンドウは選択したファイルについてのメタデータを表示する。興味深いことに、Wallet がこの省略記号ボタンを使い始めたのはつい最近のことで、以前は、小文字の i の様に見えるボタンに依存していた。ひょっとすると、このインターフェースを他の言語やスクリプトシステムにローカライズする時に i は収まりが悪かったのかもしれないが、でもそれは ISO の標準シンボルの一つに定められている。
ここで、何か音楽を聴くために Music アプリに切り替えるとしよう。曲を再生していると、別の省略記号ボタンが目に入ってくる。それをタップすればその曲に関する更なる情報が見られるのかなと思われるかもしれない、iTunes で Edit > Song Info を選択した時の様なものを。しかし、答えはノーで、iOS Music アプリの省略記号ボタンは、その曲を自分のライブラリに追加する、それをプレイリストに追加する、それに基づいて Apple Music ステーションを作成する等々のトラックに固有のアクションのリストを引き出す。強いていえば、Add to Playlist や Share Song のメニューコマンドは、次もダイアログが現れることを指し示す省略記号の標準的な使い方を守っているとは言える。
それがまさに iOS における省略記号ボタンの役割となった:汎用アイコンで、他にも見るものあることを示唆しているが、何が出てくるかは全く分からない。これだと省略記号を Clarus the Dogcow に置き換えても全く問題なく、しかもその方が視覚的にもはっきりするではないか (そして、もっと面白い)。
(SF Symbols は標準の Unicode フォントではないので、技術的な書き物をする人が Mac や iOS アプリを記述する時にそれらを使う術はない。更に事態を悪くしているのは、Apple がライセンス文書の中でのそれらの使用を禁止している様に見えることで、次の様に言っている、"Apple の SF Font から得られる Symbols の使用は、Apple の iOS, macOS そして tvOS オペレーティングシステム上で走るソフトウェア製品のためのユーザーインターフェースの雛形を作成するための使用に限定される。")
ellipses.bubble や ellipsis.circle の様な名前は助けにはならない。興味深いことに、あるアイコンがどの様に使われるべきか Apple が記述出来ないというわけではなさそうなのである。同社は、特定の Apple 機能を指し示すためだけに開発者が使うことを許されるアイコンに対してはそうしている。
意外に思われるかもしれないが、この様なデザインに関しては Google は Apple を打ち負かしていると思われる。Google は開発者に Material Design と呼ばれる明快なデザイン標準を与えている。そこには色パターン、テンプレート、そしてアイコンが含まれる。それぞれの Google オープンソースアイコンはその目的を明確に記述している。
大抵の場合、Material Design はそのアイコンをどの様に見えるかで名前を付けておらず、どの機能をそれが代表すべきかに依存している。Apple と違って、 Google は歯車アイコンを "歯車" とは呼ばない。代わりに、それは "設定" と名付けられていて、それをタップすると設定へのアクセスを提供することが求められている。 Material Design はまた、他のことに対しても一連の設定アイコンを提供している、例えば Bluetooth や明るさの様な。
Google Maps はこのしきたりから少々外れる。Explore Nearby ペーンで More をタップすると、場所カテゴリの全ページメニューを開く。
しかしこれは完全に公平な比較とは言えない。と言うのも、この省略記号ボタンはその他の多くの省略記号ボタンの様には見えないからである - それは周りの色付きのアイコンと釣り合いが取れていて、かつテキストのラベルも付いている。私はこの使い方が好きである。何故ならば、その More とはっきり記されたボタンを押せば何が起こるか直感出来るからである。
勿論、皆さんの好みは主観的な選択であり、Android 開発者は (Google も含んで) Material Design ガイドラインをその通り踏襲していると言うわけでもない。しかしながら、省略記号ボタンの Google の使い方の方が Apple のものよりも明快で首尾一貫していると私には思える。
インターフェースデザインのリーダーと思われる Apple が、このアイコンに関して、その様に感動に欠ける、そして敢えて言わせて貰うが、怠惰なデザインに甘んじているのは情けない。私は、自分が有用性の権威だなどと言うつもりはないが、アイコンは明快な意思を代表し、首尾一貫したアクションに裏打ちされるべきものと私には思える。Apple の Human Interface Guidelines を引用すると:
最近数年以内に App Store で検索をした人ならお気付きかもしれないが、検索結果で Apple 自社製のアプリがトップに表示され競合するアプリを下の方へ追いやっていることがよくある。それに気付いた人は他にもいたとみえて、New York Times が Apple の検索ランク付けの問題点について非常に詳しく分析する記事を出した。App Store とそこにある多くの Apple 製アプリを監督する立場にある Apple の重役 Eddy Cue と Phil Schiller は、Apple のランク付けにおける優位性を認めたが、それが意図的な操作によるものという点は否定した。(アルゴリズムの設計とテストが十分でなかったという疑念も否定した。それがもう一つの説明に思えたのだが。) 二人は Apple 製のアプリに高いランクが付くのはその人気と汎用の名前のお陰だと断言したが、Times に意見を求められた検索ランク付けの専門家たちはそのようなランク付けが自然に発生したものという考え方に懐疑的であった。("podcasts" を検索した結果に Apple の Compass アプリが登場するのはいったいなぜだろうか?)