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#1486: iPadOS 13 の iPad Air 2 での異様な遅さを修正、Backblaze 7.0 がバージョン履歴を拡張、Headspace 瞑想アプリ、BBEdit 13 でパターンマッチング

もしもあなたの iPad Air 2 が iPadOS 13 へのアップデート後に異様な遅さに陥ったのなら、Adam Engst があなたのために解決法をお伝えする。Adam はまた、インターネットバックアップサービス Backblaze の最新バージョンで追加料金を払えば 30 日間のバージョン履歴保存期間を拡張できることを詳しく紹介する。何かに集中したい、またリラックスできなくて困っているという方々のために、今週は Timothy Buck が寄稿記事を書いて、ガイド付き瞑想アプリ Headspace をレビューする。それから、Adam が BBEdit 13 を検討する。この新バージョンで、複雑だけれども実はとても有用な regular expression (正規表現) が初心者ユーザーにもパワーユーザーにも等しく使いやすくなる工夫がなされている。今週注目すべき Mac アプリのリリースは <さあ深く息を吸って> Default Folder X 5.4、Little Snitch 4.4.3、GarageBand 10.3.3、Fantastical 2.5.11、Audio Hijack 3.6、Logic Pro X 10.4.7、ChronoSync 4.9.5 と ChronoAgent 1.9.3、Carbon Copy Cloner 5.1.12、Final Cut Pro X 10.4.7, Compressor 4.4.5, Motion 5.4.4、GraphicConverter 11.1、Things 3.10、CleanMyMac X 4.5、macOS Server 5.9、Piezo 1.6.2、HoudahGeo 5.4、Pixelmator Pro 1.5、それに Scrivener 3.1.4 だ。

Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

iPad Air 2 での iPadOS 13 の異様に遅い動きの解決策

もし iPad Air 2 をお持ちで未だ iOS 12 を走らせているのであれば、iPadOS 13 へのアップグレードは少し見合わせた方が良いかもしれない。しかし、どうしてもと言うのであれば、その前に少なくとも一つのバックアップが存在することを確認して欲しい。

TidBITS 読者の Randy Parker は、iOS 12 から iPadOS 13.1.2 へアップグレードした後、彼の iPad Air 2 の動きが遅くなり、実用上使えない状態になったと報告している。彼は、設定中に Wi-Fi パスワードの画面を通り抜けることが出来なかった。これは恐らく接続が時間切れになってしまうためだと思われるが、時間が経ってそれが独りでにつながった後でも、設定内をナビゲートする様な通常なら即座の動きが1分近くかかる様になった。同じ様報告が Apple Support Communities フォーラムにも上がっている。

Randy が Apple に電話した時、サポートの係員はその問題は iPad Air 2 に関わるものとして Apple 内で認識されているが、未だ修正策は出ていないと語った。しかしながら、回避策は、iPad Air 2 を完全にリセットし (Settings > General > Reset > Erase All Content and Settings を使う) そして最新のバックアップから復元することであった。Randy は根気強さを持って、と言うのも一つ一つの手順が1分かそこらかかったので、必要な手順をクリアして行くことが出来た。そしてバックアップから復元した後、彼の iPad Air 2 は正常に何時もの速さで動作する様になった。

Erase All Content and Settings in iPadOS 13

この問題は、全ての iPad Air 2 機種に現れるわけではないので、アップグレードしても何の問題も経験しないかもしれない。しかしながら、他の iPad モデルでも影響を受けるものがないとは言い切れない。いずれにしろ、もしこの問題に遭遇したならば、消去とバックアップからの復元を試されたい。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Backblaze 7.0、バージョン履歴を延長、Catalina にも対応

Backblaze Internet バックアップサービスに関する最も一般的な苦情は、それがファイルの古いバージョンや削除されたファイルを 30 日間しか保存しないことである。あなたのコンピュータ上の現在のバージョンのファイルは無期限にバックアップされたままであるが、もしファイルのより古いバージョンや削除されたファイルを復元する必要がある場合は、ファイルが変更されたり削除されたりした日から1ヶ月以内にその必要性を認識しなければならない。

我々はこれ迄、この制限がそれ程重要な問題だとは考えたことがなかった。我々の推奨するバックアップ戦略では、災害後に手早く仕事に戻るためとシステム移行用にブート可能な複製を一つ、システム移行に対する二次的な選択肢としても役立つバージョン化されたバックアップのための Time Machine バックアップ、そして、オフサイトの保護と二次的なバージョン化バックアップのための Backblaze バックアップを持つことを推奨している。この 30 日間の制限に巻き込まれるためには、ファイルを削除したり、破壊したりし、1ヶ月以上気づかず、そして 何らかの Time Machine 不具合に遭遇する必要がある。その様な事態は考えられなくはないが、起こる可能性は低い。

延長されたバージョン履歴

いずれにしろ、もし Backblaze バックアップの古いバージョンや削除ファイルの消滅に不安を覚えるのであれば、今やこれらのバージョンを保持する期間を延長することが出来る。

バージョン 7.0 の Backblaze ソフトウェア以降、1年間のバージョン履歴のために追加の月額料金を払うか、或いは,Backblaze が Forever Version History と呼ぶものに対して更に多くの月額料金とそしてストレージ費用を払うことも出来る。価格体系は:

アップグレードするには、Backblaze 7.0 を走らせていることを確認する。メニューバーにある Backblaze アイコンから Check for Updates を選択する。もし Backblaze が既に自らアップデートしていないならば、新しいインストーラーをダウンロードするよう促してくるはずである (これで直接ダウンロードでと同じ様に到達できる)。

Check for Updates in Backblaze

Mac 上の Backblaze のアプデートが済んだら、Backblaze の Web サイトで自分のアカウントにログインし、Version History の隣にある Upgrade をクリック、そして新しいプランを選択する。

Where to find the signup link for Backblaze version history upgrades

月額 $2 の料金は、現在のライセンスのタイプ (月毎、年毎、或いは 2 年毎) に応じて課金され、ライセンス更新日に合わせて比例配分される。更なる細々とした詳細については、Backblaze の FAQ を参照されたい。

古いバージョンや削除ファイルをより長い期間維持するために余分に課金するのは理に叶っている様に見える。ユーザーによっては、ストレージ要件は大きな意味をなす可能性があるし、Backblaze はがこれ迄繰り返し言ってきたのは、その主たる経営課題は、バックアップしたデータの量がストレージ費用の下落よりも早い速度で増えて行くことに対処しなければならないことだと言う。この取り組み方法だと、更なる安心を求める人には余分な費用を負担してもらい、その他の人には価格を低く抑えることを可能にする。

Catalina 対応と他の改善

Backblaze 7.0 ソフトウェアはまた macOS 10.15 Catalina に対するサポートも提供するので、もし Catalina にアップグレードしようとしているのであれば、新しいソフトウェアを直ちにダウンロードすべきであろう。Backblaze は全システムではなくファイルだけしか復元しないので、前のバージョンでも Catalina の読み取り専用のシステムボリュームとの問題に遭遇することは恐らく無かったであろう。しかしながら、Catalina はずっと頻繁にアプリに許可を求めるよう求めるし、そして Backblaze はあなたのファイル全てに対してのアクセスを必要とするので、Catalina に Backblaze をインストールする時にはその様な要求をより多く目にすることになるであろう。

Backblaze 7.0 での他の目に付く変更は、最大パケットサイズが 30 MB から 100 MB に増えたことである。報じるところによると、この変更でアプリはスレッディングをより良く使うことでデータをより効率的に送れる様になり、更にアップロード動作も滑らかにり、遅延に対する許容度が増し、そしてより小さなデータ構造になると言う。私は、Backblaze が Mac や Internet 接続を遅くすることを経験したことはないが、効率と性能の改善は常に歓迎である。

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Timothy Buck  訳: Mark Nagata   

Headspace: ガイド付き瞑想のコンパニオン

世界中の多くの文化が、何世紀も前からずっと、さまざまの形で瞑想を実践してきた。けれども、それほど普及しているにもかかわらず、瞑想に対して腰が引けてしまう人たちは多い。そこで Headspace が、その iOS 用、Android 用、およびウェブ用のアプリを通じて、パワフルで、実行しやすい、ガイド付きの瞑想を大衆に届けている。

近年、科学者たちは瞑想を多種多様な利益に関連付けてきた。記憶、消化、血流の改善から、ストレス、孤独、認知機能低下の軽減まで、その応用は幅広い。Headspace には科学研究者たちのチームがいて、ガイド付きの瞑想が集中、親切、幸福、ストレス緩和、その他に及ぼす利点に関する 16 件の研究を査読付き学術雑誌に出版している。

私自身、瞑想が大いに役に立つことを実感している。心が迷っているときに集中を取り戻したり、いろいろ考えてしまうときに眠りについたり、生活が困難に直面したときにストレス不安を和らげたりしている。

その根本では、Headspace はコンテンツ購読サービスだ。どのようにその体験を受け取るかについてはその iOS アプリ (私はこれを使っている)、Android アプリ、ウェブアプリの働きが重要になるが、真の価値はこの会社が提供するコンテンツ、すなわちガイド付き瞑想のために録音されたオーディオにある。

Headspace を使い始める

まだあまり時間をかけて瞑想をしたことがないという人には、Headspace Basics コースが良い出発点となる。ここでは 10 個のガイド付き瞑想が提供される。それぞれの回を開始する際には、3 分、5 分、10 分のうちどのバージョンを使うかを選び、またガイドに男性の声と女性の声のどちらが良いかを選ぶ。どの回も瞑想という概念についての短いレッスンから始まり、それからガイド付き瞑想に移る。

Basics コースを終えたら、あるいは既にマインドフルネスの瞑想の基本的概念に馴染めたと思ったなら、Headspace の毎日の瞑想を試してみるとよい。これは、着実に瞑想を実践したいと思うユーザーに向いている。

他の人たちと一緒に瞑想するという考え方に魅力を感じる人には、Headspace が Everybody Headspace というオプションを提供する。これは、昼夜を通じて定期的な時刻に始まるガイド付き瞑想を提供する。次のセッションが始まるまで他の人たちと一緒に待つこともできるし、進行中のセッションに参加することもできる。

Headspace
左: Headspace のメインスクリーン、中: Basics コース、右: ライブ瞑想

Headspace のコンテンツを探索する

Explore タブは Headspace のコンテンツをタイプ別に分けて整理しているので、特定の状況に適した瞑想をしたい場合に便利だ。参考のために、iOS アプリの英語カタログは次のようなセクションに分けて整理されている:

Headspace のコンテンツは3か国語で提供される。英語、オランダ語、フランス語の3つだ。私はオランダ語もフランス語も話さないが、アプリをこれらの言語に切り替えてコンテンツをざっと見てみた。これら2つの言語のライブラリは英語のライブラリに比べて少し小さい気がしたが、それでもしっかりした内容がある。また、モバイルアプリとウェブアプリの間にもコンテンツの違いがあるようで、ウェブアプリの方は後から思い付いて追加されたもののような気がする。

Headspace
左: Explore リスト、中: 子供と育児サブセクション、右: 仕事と生産性サブセクション

Headspace を使って眠りを改善する

Headspace の Sleep タブは単なるガイド付き瞑想以上のものを提供する。ここでは睡眠をテーマにしたコンテンツが5つのタイプに分けられている:

選ぶのが嫌になった人たちのために、Headspace は睡眠ページの下のところに Play Random (ランダム再生) ボタンも用意している。

Headspace
左: Nighttime SOS コンテンツ、中: 睡眠ページの下にある Play Random オプション、右: Sleepcast 再生中の周囲音/音声のスライダー表示

iOS で Headspace を使う

Headspace は善き iOS 市民だ。定期的に (過去 5 か月間に 26 回) アップデートされており、iOS 固有の機能の多くにも対応している。

例えば、Headspace は Apple の Health アプリと統合できる。Headspace の環境設定でこの機能をオンにしておけば、このアプリで瞑想を完了する度にその情報が Health アプリの中に Mindful Minutes として記録される。これは、Apple Watch の Breathe アプリが使うものと同じ測定基準だ。

また、Headspace は Shortcuts にもある程度対応している。今後さらにこの機能を拡張して欲しいものだと思っているが、現時点では毎日の瞑想を開始するショートカットや、夜の瞑想で眠りに誘うショートカットを作成できる。

iOS 版の Headspace アプリは4つの異なる種類の通知を提供する:

Headspace
左: Settings ページ、中: Siri ショートカットの設定、右: 瞑想リマインダーの通知設定

Headspace を購読する

iOS と Android で、あるいはウェブ上でも、Headspace のコンテンツのうち少数のものには無料でアクセスできる。瞑想するのが初めてで Headspace をどの程度使うようになるか分からない人には、この試用コンテンツを使ってみることを強くお勧めしたい。

無料ライブラリから卒業して Headspace が役立つと分かったなら、Headspace を購読することができる。料金は月払いならば月額 $12.99、年額払い ($95.98) ならば一月あたり $7.99 だ。Headspace はファミリープランも提供していて、最大 6 人までで使えて料金は月額 $19.99 だ。学生ならば、年額 $9.99 という大幅な値引きで Headspace が使える。さらに Headspace は企業向けのものも入手可能で、(例えば私の雇い主のように) 健康手当として従業員に無料で Headspace を提供している企業もある。

Headspace の価格はあなたの生活をもっと良くできる潜在力に基づいている。もしもあなたが Headspace を瞑想に使ってみてそれを習慣にできなければ、あるいは影響力を感じられなければ、Headspace の無料コンテンツを使い続けるか、あるいはまた他の無料の代替製品、例えば Oak (これも素晴らしいが、コンテンツの量はあまり多くない) を試してみるとよい。けれども、例えば私のように、Headspace のガイド付き瞑想のコンテンツとアプリのデザインの組み合わせが有用で影響力があると思ったならば、料金を支払う価値は十分あるだろう。

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Adam Engst  訳: Mark Nagata   

BBEdit 13、パターンに基づく検索を簡素化

私はテキスト主体のデータファイルで多くの作業をする。例えば会員リスト、競技結果のタイム表、チーム名簿といったものだ。データベースから書き出したり、あるいはスプレッドシートをコンマ区切り値 (CSV) フォーマットで保存したりすれば、その種のファイルが得られる。私はその種のファイルからデータを抽出したり、余計なデータを削除してクリーンアップしたり、何らかのやり方で再フォーマットしたりといった作業をする必要があるが、その種のテキスト処理をするための素晴らしいアプリはといえば、ずっと以前から変わらず Bare Bones Software の BBEdit だ。

BBEdit icon

同社は今回有料アップグレードとして BBEdit 13 をリリースした。このアプリには 27 年間にもわたる歴史があるにもかかわらず、Rich Siegel と彼の仲間たちは今も変わらず新しい機能を考え抜いて、この力強いテキストエディタの新鮮さを保ち続けている。今回のアップデートは、ずっと以前から BBEdit の中核的機能であったパターンマッチングによる検索に焦点を当てており、regular expression (正規表現) をインタラクティブに実験できる Pattern Playground と、よく使う regular expression の多くに手早くアクセスできて簡潔な説明まで付いた Grep Cheat Sheet を追加している。それに加えて、BBEdit 13 は Find ウィンドウの中でライブ検索を提供し、あなたが検索語を入力するにつれて自動的にマッチ個所をハイライト表示する。

Regular Expression の簡潔な入門

皆さんはもちろん文字列の検索をよくご存知のことだろう。この書類で検索文字列 "string" を検索すれば、書類の中に登場するその単語がすべて見つかるし、またその文字列を含んだ単語、例えば "astringent" (収斂剤) といったものも見つかる。

それよりずっと興味深いのが regular expression だ。これは検索パターンを定義する文字列であって、例えばその書類の中に登場するすべての電話番号とか、市外局番 607 を持つ電話番号すべてとか、あるいは ###/###-#### という形でなくて (###) ###-#### という形にフォーマットされた電話番号のみとか、そういったものが検索できるようになる。

テキストを検索して置換する場合にも regular expression が使える。例えば、検索文字列の一部を括弧で括れば、その部分が保存されて置換に使われる。これによって、例えば名前のリストの中で Tim CookCook, Tim に再フォーマットするといったことができる。要は、まずファーストネームを見つけて、それを置換パターン 1 として保存し、ラストネームを見つけて、それを置換パターン 2 として保存し、それから両者の順序を入れ替えてその間にコンマを挿入するのだ。

(余談だが、くだけた話し言葉では "regular expression" の代わりに "grep" という単語を使う人が多い。この "grep" というのは、Unix の中で regular expression を使った検索を実行するコマンドの名前だ。その名前は Unix のラインエディタ ed のコマンド g/re/p に由来する。このコマンドの意味は "globally search a regular expression and print" (ファイル全体から正規表現を検索して表示する) ということだ。この記事では Unix のユーティリティについて語る訳ではないので、以下では "grep" を "regular expression" の同義語として自由に使うことにしよう。)

いったん物事をパターンの観点から考えるようになれば、テキスト主体のデータを思いのままに扱えるようになる。難しいのは、目の前にある特定の文字たちの中を見通して、それを代表し、そこに内在するパターンを把握できるようにあなたの脳を訓練するところだ。そして、それこそがまさに BBEdit 13 の新機能が輝きを見せるところでもある。以下では、競技記録のタイム表示から 10 分の 1 秒以下の部分を削除する (手動計時ではそこまでの正確さが保証されないので) という現実世界の実例を通して、パターン検索・置換を段階を踏んで実行するところを説明してみよう。

Pattern Playground

長年にわたって regular expression についての記事を書いてきた私のような者でさえ、いざ grep 検索を構築しようと思えば、たいてい試行錯誤が必要となる。それは、私が grep が苦手だからとかいうことではなくて、検索すべきファイルが実際以上に regular (正規的) だと思い込んでしまいがちだからだ。

例を挙げよう。さきほどのようにファーストネームとラストネームを見つけてそれを「ラスト, ファースト」の形に再フォーマットする grep 検索を構築したとしても、そこに "Victor Von Doom" という名前があれば失敗に終わる。ラストネームが2個の単語でできているからだ。厄介なことに、単語2つのラストネームに対処しようと検索を修正しても、今度はファーストネームが単語2つの "Billie Joe MacAllister" で違う意味の失敗に終わる。時には、巧みなパターンには収まり切らない現実世界のデータもあるということだ。

私にとっての解決法はいつも一つだった。BBEdit の Find ウィンドウを開いて、そこに regular expression を書き、継続的にテストしてみることだ。確かにこれでうまくいくけれども、この試行錯誤のやり方は退屈な作業になりがちだ。そこで登場するのが BBEdit の新しい Pattern Playground 機能だ。既に regular expression に馴染んでいる人にはその作業を単純化してくれるし、そうでない人には素晴らしい学習方法となる。この機能は次のように働く:

Search > Pattern Playground からそのウィンドウを開く。このウィンドウには5つのセクションがあって、その2つにあなたが書き込めば、残りの3つにあなたのアクションの結果が表示される:

BBEdit 13's Pattern Playground
この検索は 10 分の 1 秒以下の部分を含む競技結果の記録を見つけ、その部分を切り捨てる。

ライブ検索による結果のハイライト表示

機能できる検索を構築し終えれば、Use for Find をクリックして BBEdit の Find ウィンドウに移る。そして、ここで効果を発揮するのが BBEdit 13 の新機能であるライブ検索だ。Find ウィンドウが最前面にある間はいつも、見つかったすべてのマッチ個所を BBEdit がハイライト表示する。あるいはもっと重要な面を言えば、見つかるはずだとあなたが思っていても実際にはマッチしなかった個所を、ハイライト表示しない。

下のスクリーンショットでお分かりの通り、BBEdit は 15K 競技のタイムをすべてハイライト表示している。すべての記録が 1 時間を超えているからだ。けれども 7K 競技のタイムの多くは 1 時間を切っているので、この検索は私が望むものすべてを見つけてくれている訳ではない。

BBEdit 13 Live Search highlighting example
競技結果のタイムの中にハイライトされているものといないものがあることに注意。

そこで私は素早く Pattern Playground ウィンドウに戻る。検索パターンを修正するために、時間の桁と最初のコロンを見つけるパターンが「0 回以上連続で続く」という指定を使う。つまり (\d:)* だ。

BBEdit 13 Live Search highlighting example
修正後の検索では、競技結果のタイムがすべてハイライト表示される。

Grep Cheat Sheet

時間の桁があってもなくても競技結果のタイムを検索できる方法をいったん見つけてしまえば、もはや私は修正方法を知っているので Pattern Playground ウィンドウにいちいち戻る必要はもうない。でも、もしも方法が分からなかったら、あるいは普通でない regular expression で作業することになったら、どうすべきだろうか? そこで便利に使えるのが Grep Cheat Sheet だ。そのためには grep 検索を使用可能なすべての場所に表示される小さな ? アイコンをクリックすればよい。すると BBEdit は一般的な regular expression をリストしたメニューを表示する。あなたが必要とするものすべてがここにあるとは言えないけれども、良い出発点であることは確かだ。

BBEdit 13 Grep Cheat Sheet
Grep Cheat Sheet の中から項目を一つ選べば、それが Find ウィンドウの中の現在の挿入ポイントに、または現在選択されているものがあればそれを置き換えて挿入される。

その他の新機能

BBEdit 13 には他にもいくつか新機能がある。(Help > Change Notes を選べばいつでも現在のバージョンのものが見られるようになっている) リリースノートに、新機能のフルリストがある。

BBEdit 13 のリリースに先立って私が Bare Bones から聞いた説明の中でおそらく最も私の興味を惹いたのは、従来のバージョンの BBEdit に既に組み込まれていた有用な機能であるけれども私がまだ自分のものにできていなかった、そんないくつかの機能に関することであった。それらの機能についてはいずれまた機会を設けて掘り下げてみたいと思っている。四六時中 BBEdit を使い続けているくせに、どれだけ多くのことに気付かず見過ごしていたかを知って、とても恥ずかしい思いをしたからだ。

いずれにしても、BBEdit 13 はたっぷりとしたアップグレードで、魅力的な新機能を追加しつつ、忠実なユーザーたちが長年使い慣れたやり方は何も変えていない。特にあなたが grep ベースの検索を使うなら、あるいは使おうと思っていたけれども grep のシンタックスが分からなくて手が出せないでいたのなら、BBEdit 13 にはきっとアップグレード料金を上回る価値があることだろう。

アップグレードの詳細

システム要件が増して、BBEdit は今回から少なくとも macOS 10.14.2 Mojave (できれば 10.14.6 かそれ以降) を必要とするようになり、10.15 Catalina でも動作する。

BBEdit 13 の価格設定は BBEdit 12 と同じで、つまり新規にライセンスを購入すれば価格は $49.99、バージョン 12 からのアップグレード価格は $29.99、BBEdit 11 またはそれ以前のバージョンを持っている人は $39.99 でアップグレードできる。Mac App Store で購読している顧客は、何もせずとも直ちに BBEdit 13 の新機能のすべてにアクセスできる。

BBEdit のすべての機能が 30 日間無料で使えるが、その日数が経過した後でも主要な機能は引き続き無料で使える。ただ、星印の付いたメニュー項目はライセンスを購入しなければ使えなくなる。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

Default Folder X 5.4

Default Folder X 5.4

St. Clair Software が Default Folder X 5.4 をリリースして、macOS 10.15 Catalina 対応、AppleScript 機能の追加、いくつかのバグ修正などを施した。Open/Save ダイアログを拡張するこのユーティリティは今回、AppleScript コマンドを新たにいくつか追加し、Script Editor や Script Debugger から AppleScript アプレットまたはドロップレットを開いた際にそれが Recent Files メニューに追加されるようにした。今回のリリースではまた、タブの付いた Finder ウィンドウに示されたフォルダが複数回リストされることがあったバグを修正し、Default Folder X の中でファイルをゴミ箱に移した際にファイルダイアログが早く閉じてしまった問題を解消し、SetApp 経由で配布されたバージョンのファイルマネージャアプリ Path Finder への対応を追加している。(新規購入 $34.95、TidBITS 会員には新規購入で $10、アップグレードで $5 の値引、9.6 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

Default Folder X 5.4 の使用体験を話し合おう

Little Snitch 4.4.3

Little Snitch 4.4.3

Objective Development が Little Snitch 4.4.3 をリリースして、macOS 10.15 Catalina との互換性を加えた。Catalina ではシステムアプリが /Applications から /System/Applications へ移動したので、ルールの中のファイルパスを更新しなければならない。Objective Development は Catalina へアップグレードするよりも 前に あらかじめ Little Snitch をアップグレードしておくことでシステムアプリに関するルールが正しくアップデートされるようにすることを勧めている。このネットワークトラフィック管理ユーティリティはまた、アプリケーションごとに接続を拒否する際に出る潜在的帰結を述べた通知を無効にできるようにし、さらなる遠隔終点タイプへの対応を追加し、ルールリストのカラム見出しをクリックした場合にそのカラムが正しく並べ替えられるようにし、システムメモリに余裕がなくなった場合に稀に起こることがあったカーネルパニックを修正している。(新規購入 $45、無料アップデート、39.5 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

Little Snitch 4.4.3 の使用体験を話し合おう

GarageBand 10.3.3

GarageBand 10.3.3

Apple が GarageBand 10.3.3 をリリースして、この音楽制作およびオーディオ編集アプリに少数の改善を加えた。今回のアップデートでは Loop Browser がループタイプでフィルター分けできるようになり、Piano Roll でキーボードのキーが正しいサイズになり、同じ Learn to Play セッションの中で二度目に Intro to Guitar レッスンを開くと起こったクラッシュを修正し、Light モードと Dark モードの切り替えを改善し、Learn to Play セットアップウィンドウで入力レベルメーターが働くようにしている。GarageBand 10.3.3 から、最低限 macOS 10.13.6 High Sierra を必要とするようになった。(Mac App Store から無料、無料アップデート、1 GB、リリースノート、macOS 10.13.6+)

GarageBand 10.3.3 の使用体験を話し合おう

Fantastical 2.5.11

Fantastical 2.5.11

Flexibits が Fantastical 2.5.11 をリリースして、macOS 10.15 Catalina の Reminders (CalDAV を使用しなくなった) と Voice Control への対応を追加した。このカレンダーアプリはまた、複数個のディスプレイを使っている際に Fantastical が正しいディスプレイ上に開かなかった問題を解消し、一部の Exchange イベントで Propose New Time が間違って開いたバグを修正し、Exchange Server 2007 との同期の問題を修正している。(Flexibits からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、16.2 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

Fantastical 2.5.11 の使用体験を話し合おう

Audio Hijack 3.6

Audio Hijack 3.6

Rogue Amoeba が Audio Hijack 3.6 をリリースして、macOS 10.15 Catalina との互換性を追加し、物理的な入力・出力デバイスの追跡と処理を改善した。Audio Hijack は今回から再起動後も、またポートを切り替えた後にも自動的にデバイスを追跡するようになり、従来はシステムの再起動後に再選択を要した USB オーディオデバイスも自動的に扱えるようになった。Catalina の下では、もはや廃止された iTunes を Audio Hijack がいたる所で新しい Music アプリで置き換えようと試みるようになった。

このオーディオ録音ユーティリティはまた、Dark モードにフル対応し、Source セレクタを更新して Finder や Text to Speech からのオーディオのキャプチャが簡単にできるようにし、ファイルの自動分割をミリ秒単位の正確さで改良し、古い Audio Hijack Pro から読み込まれたセッションの名前付けを改善し、バックエンドの Audio Capture Engine をバージョン 11.0.1 に更新している。今回から Audio Hijack は 10.12 Sierra かそれ以降を必要とするようになった。(新規購入 $49、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、14.1 MB、 リリースノート、macOS 10.12+)

Audio Hijack 3.6 の使用体験を話し合おう

Logic Pro X 10.4.7

Logic Pro X 10.4.7

Apple が Logic Pro X 10.4.7 をリリースした。アクセシビリティの問題に特化した、メンテナンス・リリースだ。このプロフェッショナル向けオーディオアプリは今回、VoiceOver を使ってプラグインを既存のプラグインの前に挿入できるようにし、VoiceOver を改良して Inspector の展開三角形やトラックに割り当てられたやアイコン名を読み上げられるようにし、VoiceOver を使って連続的に挿入された複数個のプラグインが期待通りの順序で現われるようにし、VoiceOver を使って連続的に並んでいない複数のトラックを Track Stack の中へドラッグできるようにした。

今回のアップデートではまた、マウスのスクロールホイールでステレオ幅やパニングの調整ができるようにし、Flex Pitch 上のメモを分割しても Flex Pitch 検出が消えてしまわないようにし、まだ保存されていないプロジェクトの中でトラックをバウンスさせられるようにし、Track Inspector の設定が意図せず Articulation Output スイッチに影響しないようにし、2 件のクラッシュを除去している。(Mac App Store から新規購入 $199.99、無料アップデート、1.5 GB、リリースノート、macOS 10.13.6+)

Logic Pro X 10.4.7 の使用体験を話し合おう

ChronoSync 4.9.5 and ChronoAgent 1.9.3

ChronoSync 4.9.5 と ChronoAgent 1.9.3

Econ Technologies が ChronoSync 4.9.5ChronoAgent 1.9.3 をリリースして、双方とも macOS 10.15 Catalina とそのシステム/データボリュームの分離に合わせて最適化した。ChronoSync は Backblaze B2 接続を通したアーカイブ化への対応を追加し、Bootable Backup で firmlink を正しく処理するようにし、Bootable Backup Assistant に APFS Volume Group への対応を導入し、一個の APFS ボリュームを Catalina の APFS Volume Group に変換できる新しい Volume Group Converter ユーティリティを実装し、ボリュームの検出とマウント処理を改善している。また、False Mount Point Detection Readiness Test、Validator、および SFTP ストレージプロバイダにおけるバグを修正している。

ChronoAgent はインターネットベースの登録機能を獲得し、パッケージのファイルカウントとデータサイズをより正確に報告できる新しい InterConneX クライアント機能に対応し、また Dark モードが選択されていれば環境設定枠をそのモードで表示するようになった。いずれのアプリも、Full Disk Access 検出能力を Catalina 用に変更している。(ChronoSync は新規購入 $49.99、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、67 MB、リリースノート、macOS 10.11+。ChronoAgent は新規購入 $14.99、26.6 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

ChronoSync 4.9.5 と ChronoAgent 1.9.3 の使用体験を話し合おう

Carbon Copy Cloner 5.1.12

Carbon Copy Cloner 5.1.12

Bombich Software が Carbon Copy Cloner 5.1.12 をリリースして、macOS 10.15 Catalina の新しい読み出し専用 System ボリュームとそれと並立する Data ボリュームのブート可能バックアップを作成する機能にフル対応した。このドライブクローン作成およびバックアップ用ユーティリティはまた、OneDrive および Dropbox のプレースホルダーファイルの検出を改善し、保存先のボリュームグループから削除された Catalina System ボリュームを選択できるようにし (その再作成もできるようにし)、HFS+-to-APFS 変換の信頼性を (特に速度の遅い保存先デバイスで) 改善し、CCC のアーカイブ管理とファイルコピーのリクエストとの間で遠隔の Mac がスリープに入ってしまうことに対処してバージョン 5.1.10 で施した修正を更新し、CCC のコマンドラインツールの履歴出力に "files copied" を追加した。(新規購入 $39.99、無料アップデート、15.9 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

Carbon Copy Cloner 5.1.12 の使用体験を話し合おう

Final Cut Pro X 10.4.7, Compressor 4.4.5, and Motion 5.4.4

Final Cut Pro X 10.4.7, Compressor 4.4.5, Motion 5.4.4

Apple が Final Cut Pro X 10.4.7Compressor 4.4.5Motion 5.4.4をリリースし、三つのアプリのいずれも、新しい Metal ベースのプロセッシング・エンジンによって再生を改善しグラフィックスタスクを高速化している。今年中に発売予定の新型 Mac Pro を購入予定の方には、これら三つのアプリのいずれもマルチ GPU (Radeon Pro Vega II や Radeon Pro Vega II Duo など) に対応してグラフィックスのパフォーマンスを向上させ、最大 28 コアの CPU に対応して CPU パフォーマンスを最適化し、Afterburner カード使用時の ProRes および ProRes RAW の再生速度を向上させている。また、これら三つのアプリのいずれも、Apple の Pro Display XDR (これも今年中に発売予定) で High Dynamic Range (HDR) ビデオを表示する機能への対応を追加しており、Final Cut Pro では最大 3 台の Pro Display XDR ユニットを (2台を Final Cut Pro インターフェイス用、1 台をモニタ専用で) 同時に接続して使用できる。Final Cut Pro、Compress、Motion のいずれも、今回から macOS 10.14.6 Mojave かそれ以降を必要とするようになった。

Final Cut Pro 10.4.7 ではグラフィックスを加速するために内蔵または外部のどちらの GPU を使用するかを選べるようになり、Waveform モニタの High Dynamic Range PQ で輝度レベルを見ることができるようになり、メディアをリンクし直すと空白のサムネイルができることがあった問題を解消し、HTTP ライブストリーミングで断片化 MP4 フォーマットへの対応を追加し、また Add Color Mask、Add Shape Mask、Toggle View Mask の各コマンドにキーボードショートカットを定義できるようになった。

Compressor 4.4.5 は 10.15 Catalina の下で Standard Dynamic Range (SDR) ディスプレイに対してトーンマッピングされた HDR ビデオを表示できるようになり、アルファチャンネルでの HEVC 再生に対応し、マルチ GPU 全体でのグラフィックス処理の負荷分散を改善し、タイムコードをドロップフレーム・ノンドロップフレーム・フレーム・絶対時間のいずれでも表示できるようになり、また複数個の画像シーケンスを同時に読み込めるようになった。

Motion 5.4.4 は開いた時点でカスタムウィンドウレイアウトを維持するようになり、再生中にカメラを変更するとちらつきが起こることがあった問題を解消し、一台のカメラで複数の挙動を使う際のパフォーマンスを改善し、3D テキストフォントの変更を取り消した場合にキャンバス上の文字が壊れることがあったバグを修正し、Match Move 挙動をコピー&ペーストすると起こった不安定性を修正し、またマルチ GPU 全体でのグラフィックス処理の負荷分散を改善した。(いずれも無料アップデート。Final Cut Pro X 新規購入 $299.99、2.9 GB、リリースノート、10.14.6+; Compressor 新規購入 $49.99、342.2 MB、リリースノート、10.14.6+; Motion 新規購入 $49.99、2.3 GB、リリースノート、10.14.6+)

Final Cut Pro X 10.4.7, Compressor 4.4.5, Motion 5.4.4 の使用体験を話し合おう

GraphicConverter 11.1

GraphicConverter 11.1

Lemkesoft が GraphicConverter 11.1 をリリースして、最近アップグレードされたばかりのこのグラフィックスプログラム Swiss Army ナイフに、多数の新機能や機能のアップデートを施した。今回のリリースでは Browser で使用済みのキーワード機能をすべて集める機能を追加し、境界内部のカラーをコンテクストメニューを使って変更できるようにし、ムービーの現在のフレームをそのムービーに添えて保存するための Option-Space キーボードショートカットを追加し、Browser のコンテクストメニューにいくつかの項目 (Quick Convert Into Same Folder や Add XMP Faces As Finder Tags など) を追加している。GraphicConverter 11.1 はまた、Quick Look に自動再生オプションを追加し、PDF のプロポーショナルでない拡大縮小に対応し、サードパーティの Core Image フィルターで起こったクラッシュの可能性を修正し、ファイルを NTSF ボリュームへ移動することに関係したバグを修正し、PNG や一部の HEIC で XMP 内部に EXIF 日付を表示する機能を復活させ、一部の MOV ファイルの作成日を表示する際に起こったタイムゾーンの問題を修正している。(Lemkesoft からも Mac App Store からも新規購入 $39.95、アップグレード $25.95、バージョン 11 からは無料アップデート、152 MB、リリースノート、macOS 10.9+)

GraphicConverter 11.1 の使用体験を話し合おう

Things 3.10

Things 3.10

Cultured Code が Things 3.10 をリリースして、macOS 10.15 Catalina とのフル互換性を追加し、システム要件を最低限 10.13 High Sierra までに上げて 10.11 El Capitan と 10.12 Sierra への対応を外した。アップデートされたこのタスクマネージャはまた、Catalina の Dark モードスケジュール化に対応し、既存の Reminders データベース全体を Things に移行する Reminders Import 機能を新設し、Things Inbox に to-do を追加するための Reminders アプリとの統合 (Settings で Reminders Inbox と改名された) を作り直している。(Cultured Code ウェブサイトからも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、17.9 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

Things 3.10 の使用体験を話し合おう

CleanMyMac X 4.5

CleanMyMac X 4.5

MacPaw が CleanMyMac X 4.5 をリリースして、macOS 10.15 Catalina に対応させるとともに、マルウェアの脅威に関する即時通知を追加した。この新しいリアルタイムのマルウェア監視ツールはバックグラウンドで常時動作しており、あなたのシステムの疑わしい動作をチェックして、脅威の可能性があれば即座に通知を出す。この汎用クリーニング・メンテナンスアプリはまた、Catalina の下ではもはや不要となった Photos や iTunes の Junk モジュールをサイドバーから除去し、Quicken のアンインストールを改良し、CleanMyMac X Menu の CPU チャートアニメーションを拡張し、Notifications Center で Do Not Disturb モードがオンになっている場合にも Health アラートが出ていたバグを修正している。(新規購入は $89.95 の一回払いまたは $39.95 の年間講読、月額 $9.99 の Setapp Mac アプリ購読サービスの一部としても入手可、無料アップデート、48.1 MB、 リリースノート、macOS 10.10+)

CleanMyMac X 4.5 の使用体験を話し合おう

macOS Server 5.9

macOS Server 5.9

Apple が macOS Server 5.9 をリリースして、Profile Manager に新しい制限、ペイロード、コマンドを追加するとともに、今回から macOS 10.15 Catalina かそれ以降を必要とするようになった。macOS 上では、このアップデートは Setup Assistant の Screen Time および TouchID パネルをスキップするプロファイルを作成できるようにし、macOS およびアプリケーションの自動アップデートの構成ができるようにし、Device Enrollment Program のウェブベース認証に対応し、Catalina で登録した Mac での Activation Lock 設定を管理できるようにした。iOS 上では、新しい管理対象のみの制限を構成して Files アプリでの外部ドライブアクセスの許可、なぞり入力キーボード、Wi-Fi のオン・オフ切替を可能にするとともに、Setup Assistant でいろいろなパネルをスキップできるようにした。(新規購入 $19.99、無料アップデート、66.1 MB、リリースノート、macOS 10.15+)

macOS Server 5.9 の使用体験を話し合おう

Piezo 1.6.2

Piezo 1.6.2

Rogue Amoeba が Piezo 1.6.2 をリリースして、macOS 10.15 Catalina の下で AAC 録音が正しく働かなかった問題を修正した。このシンプルなオーディオ録音アプリはまた、物理的な入力・出力デバイスの追跡と処理を改善した。Piezo は今回から再起動後も、またポートを切り替えた後にも自動的にデバイスを追跡するようになり、従来はシステムの再起動後に再選択を要した USB オーディオデバイスも自動的に扱えるようになった。(新規購入 $19、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、8.8 MB、 リリースノート、macOS 10.12+)

Piezo 1.6.2 の使用体験を話し合おう

HoudahGeo 5.4

HoudahGeo 5.4

Houdah Software が HoudahGeo 5.4 をリリースして、macOS 10.15 Catalina と Photos 5.0 への対応を追加した。Catalina にアップグレードすると Photos ライブラリが再構築される (ファイルのパスや識別子も変わる) ので、Catalina にアップグレードするよりも前にあらかじめ現行の HoudahGeo プロジェクトを仕上げておくことが極めて重要だ。そうしないと、それまでそのプロジェクトに付随していた画像を HoudahGeo が再接続できなくなるからだ。この写真ジオタグ付けアプリは今回、地図が検索結果にジャンプすると起こることがあったクラッシュを修正し、画像のサムネイルをロードする際に時々起こったクラッシュを回避している。(新規購入 $39、TidBITS 会員は 25 パーセント割引、無料アップデート、23.2 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

HoudahGeo 5.4 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

  訳: Mark Nagata   

Catalina でのメールデータ消失に注意

Mail 13.0 About box

Mac 上の Mail プラグインとして長年活躍している SpamSieve の開発者である Michael Tsai が、macOS 10.15 Catalina へのアップグレード後に Mail に関係したデータ消失が起こる可能性があると警告するブログ記事を書いた。とりわけ、彼は数多くの顧客たちから、Mail に蓄積されたデータを Mojave から Catalina へアップデートすると、成功したと言ってくるにもかかわらず、実際には数多くのメッセージが不完全だったり完全に抜け落ちていたりすることがあるという話を聞いている。その上、Mac 上のメールボックスの間でメッセージを移動させると、残るのはヘッダのみで、メッセージ本文が削除されてしまうことがあるという。メッセージを IMAP サーバ上のメールボックスへ移動させた場合には、他のデバイス上ではそのメッセージが削除されたように見えて、時が経てばその削除状態が元の Mac にも同期されて戻り、結局そちらでもメッセージが消えてしまう。

Michael Tsai が指摘する通り、このような問題はユーザーの目からは気付きにくいものであり (もしもあなたが既に Catalina にアップデートしているなら、メールに一通り目を通して問題が起こっていないか確かめておこう)、しかも問題は他のデバイスにも伝播するかもしれず、完全なバックアップを作成することも難しく、たとえバックアップが作ってあったとしても、リストアの作業は困難だ。

記事“macOS 10.15 Catalina 出荷、アップグレードは慎重に”(2019 年 10 月 7 日) でも述べたように、私たちからの助言をここでもう一度書いておこう。しばらくの間、Catalina へのアップグレードはせずに待つことだ。とりわけ Mail アプリを使っている場合には、待つことを強くお勧めしたい。

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Adobe、ベネズエラのユーザーへのサービスを停止

Adobe がベネズエラでのサービスを停止しようとしている。同国に対する米国の制裁措置のためだ。Executive Order 13884 に従うため、Adobe は 2019 年 10 月 29 日をもってベネズエラのすべてのアカウントを無効化する。ただし Behance はこの措置から除外される。Adobe から直接購読契約を購入したユーザーに対して、Adobe はサービスの未使用分を返金する。ベネズエラでアカウントを作成したけれども今は住んでいない場合には、Adobe サポートに連絡すればアカウントを維持してもらえる。

Adobe's cancellation notice

仕事のために Adobe のツールに依存して使ってきた人にとっては、返金だけでは慰めにもならない。このような動きは、ソフトウェアの購読に伴う危険の実例の一つだ。もしも Adobe が今でもソフトウェアライセンスの販売を続けていたならば、ベネズエラの人たちはアプリを使い続けられたことだろう。

嬉しい知らせを言えば、Adobe の Creative Suite ソフトウェアの代替となる製品はたくさんある。下に挙げるアプリのすべてを私たちが使ったことがある訳ではないが、必要に合うかどうか試してみる価値はあるだろう:

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知らない人から Lightning ケーブルを入手してはいけない

Fast Company の記事が、秘かにワイヤレス・ホットスポットを埋め込んだ Lightning ケーブルの作成者と称する人物が今やそのケーブルを大量生産できるようになったと主張していると伝える。このケーブルは iPhone への脅威とはならないが、もしもこれが PC または Mac に挿し込まれれば、その近くにいる攻撃者がそのコンピュータに Wi-Fi 経由で、またはインターネットを通じてアクセスできるようになる可能性がある。実際、この O.MG Cable は悪意のツールとして販売されている:

この O.MG Cable™ は何ヶ月にもわたる開発作業の結果で、高度に隠密の、悪意ある USB ケーブルが出来上がりました。... この O.MG Cable があれば新規のペイロードを作成し、保存し、完全に遠隔から送信することができます。

O.MG Cable
画像は Hak5 による。

現実的には、日常的なユーザーが心配することはない。この O.MG ケーブルの機能を使いこなせる能力を備えた人物が直接あなたを狙う可能性は極めて低い。ただ、覚えておくべき重要な点は、あなたのコンピュータにどのケーブルを挿し込むかについて用心深くしていなければならないことだ。ケーブルは常に信頼できる供給業者から買い、知らない入手先から来たケーブルは挿し込まないことだ。

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Apple Card が災害救援プログラムを提供

Apple Card は数多くの便益を提供するが、その中に Apple が宣伝していないものが一つある。災害救援プログラムだ。MacRumors のある読者が、ヒューストンで洪水を経験した後で、Apple からの電子メールメッセージを受け取って、2ヶ月間無利子、プログラムに加入した最初の月には支払期限なし、という申し出を受けたという。どうやら Apple は、自然災害に見舞われた地域に住む Apple Card 所持者に対してこの申し出をしているようだ。もしあなたがこのような申し出を受け取ったなら、プログラムに加入したければ Apple Card サポートに連絡する必要がある。このプログラムを一種の搾取だと見る人たちもいるが、家から避難せざるを得ず長期間のモーテル暮らしを余儀なくされた人たちにとっては、この種の恩恵はありがたいことだろう。

The physical Apple Card

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