企業ユーザーのためには、10.15.1 では内蔵キーボードを US 以外のキーボードレイアウトで使っている場合に Mac ログインウィンドウで特定の文字を含むパスワードが拒否されていたバグが修正された。また、構成プロファイルが Apple ID でのサインインを認めない設定の場合に System Preferences の Sign In ボタンを薄暗く表示するようになった。
まだ 10.14 Mojave またはそれ以前のバージョンを走らせている人たちには、今はまだ Catalina にアップグレードせずに待つ方が良いという私たちの助言を引き続きお伝えしたい。他のこともともかく、私たちとしては Mail での問題点 (2019 年 10 月 11 日の記事“Catalina でのメールデータ消失に注意”参照) に Apple が対処してくれる見通しが立つまで待ちたいと思う。
watchOS 6.1
Apple は新しい AirPods Pro への対応を追加して watchOS 6.1 をリリースした。けれどももっと興味深いのは、watchOS 6.1 が Apple Watch Series 1 と Series 2 にも対応するようになったという事実だ。これまで、これらの旧モデルでは watchOS 6 にアップデートすることができなかった。watchOS 6.1 のリリースノートはそれ以外の点についてはごく簡潔で、いつも通りに「改善及びバグ修正」が含まれるとしか述べていない。
もし自動アップがオンでなければ、Apple TV HD または Apple TV 4K を Settings > System > Software Updates からアップデートできる。このアップデートを自動的にインストールさせるか、または次に気が向いた際に手動でアップデートするか、どちらかをしない理由を私たちは思い付けない。
Mac 売上げは少し下落し - 前年同期に比べて 4.8% - $7 billion となったが、昨年は $7.3 billion であった。Cook は、昨年は2つの MacBook Pro モデルをリリースしたのに、今年は1つしかリリース出来なかったことを原因としていた。いずれにしろ、会計年度 2019 全体での Apple の Mac 事業の売上げは史上最高であり、Cook は 2019 年内に予定されている新しい Mac Pro (そして、もしかすると噂に上っている 16-inch MacBook Pro も?) のリリースが今後の Mac 売上げ増に寄与することを期待している。
Services
Apple がこれ迄この事業部門に払ってきた注意を考えれば驚く話ではないが、Services 売上げは前年比で 18% の大幅伸びを記録し、$12.5 billion を稼いだ。これに比して前年同期の売上げは $10.6 billion であった。地域的にみても、Apple の5つの地域別市場全てで Services は二桁の成長を見せた。Cook は Apple の支払いサービスに特別の注意を向け、そこからの売上げは今や PayPal を凌いでいると言った。彼はまた、この機会を利用して、Apple Card のユーザーはもう直ぐ新しい iPhone 購入に向けて 24 ヶ月にわたって無利子の融資を受けられる様になるであろうと言った。次の四半期で、Apple の新しい Apple Arcade と Apple TV+ サービスがこの成功物語に目に見えるほどの貢献ができるかどうかは、現時点では不明である。
Wearables
Wearables は、この1年で Apple の成長が爆発した部門であり、驚きの 54.4% の増加で、昨年は $4.2 billion であったのに対して $6.5 billion を稼いだ。これはものすごく沢山の Apple Watche でありそして AirPods であり、そして AirPods Pro のリリースは次のホリデーシーズン四半期の Wearables の数字を更に伸ばすことになるかもしれない。この部門だけでも Fortune 500 の会社の3分の2よりも多い年間売上げをもたらしている。
まとめ
数年前、Apple の業績を取り巻く消え行かない質問は:"iPhone が息切れした後はどうなるのか?" であった。今やその答えは見えている: Tim Cook と Apple 経営チームは同社をウェアラブルとサービスへと舵取りをし、その巨大な iPhone 顧客ベースを十分に活用している。Apple の Services 部門だけで今や Fortune 70 会社の規模に到達している。投資家たちは、2010 年代には iPhone 頼りの巨人であった Apple が、一発屋ではないことに確信を持てるであろう。
iOS 13、iPadOS 13、macOS 10.15 Catalina、それに tvOS 13 で、ゲーミングに向けた Apple の努力が大きな二歩の前進を果たした。一つ目は Apple Arcade だ。購読すれば、毎月 $5 で高品質のタイトルがアプリ内購入を要することなく提供される。(2019 年 9 月 10 日の記事“Apple、Apple Arcade と Apple TV+ の値段と開始日を明らかに”参照。) もう一つは、これらすべてのオペレーティングシステムが Microsoft Xbox One と Sony PlayStation 4 (PS4) のゲームコントローラに対応したことだ。(悲しいことに、Catalina は 32-bit ゲームに対応しなくなったことで一歩後退したけれども、その問題には回避策がある。2019 年 9 月 18 日の記事“Catalina への移行: 手持ちの 32-Bit Mac アプリは Parallels で動かす”をご覧頂きたい。)
いったいなぜそれらのコントローラに対応したことが大きな一歩なのか? それは、多くの人たちが既にコントローラを持っているので、Apple デバイスで使うための特別のコントローラを買う必要がないからだ。また、これらのコントローラは従来 Apple エコシステム用に入手可能であったどのコントローラよりも優れている。評価の高い Steelseries Nimbus よりも良い。
この優位性には二つの理由がある。第一に、Microsoft と Sony はかれこれ 20 年以上もこの業界にいる。Microsoft は Xbox が出現したより前から長年 PC 用のゲームパッドを作ってきた。第二に、ゲームコンソールを作っている三つの大会社、つまり Microsoft と Nintendo と Sony は最良のコントローラ・テクノロジーを特許の鍵でしっかりと囲い込んでいて、それらの特許を守ろうと猛烈に努力を傾けている。
Apple Arcade を購読した人たちの中には、Apple が独自のゲームコントローラを作っていないことに苛立ちを覚えている人たちもいる。そういうものを作るためには上記の会社のいずれかからテクノロジーのライセンスを受けなければならないことは承知しているとしてもだ。正直言って、私は Apple が TV リモコンに傾けた努力の結果を見た経験からしても、既存の他社製コントローラに対応する方が Apple にとって賢明なやり方だろうと思っている。
Apple Arcade のゲームをプレイしているのならば、App Store の目録の中の説明ブロックを見れば分かる。iPad で表示された例を示しておこう。
Catalina の App Store にも同様のインターフェイスがある。
ここのインターフェイスが "Controller Supported" (コントローラ対応) と言っていることに注意しよう。ゲームによっては、特に Apple TV でプレイする場合には、コントローラが 必須 のものもある。例えば Oceanhorn 2 を Apple TV でプレイする場合はそうなる。Oceanhorn 2 の iOS 版や iPadOS 版ではコントローラは必須でないのだが。
Apple Arcade 以外でもゲームコントローラを使うことは可能か?
その通りだが、Apple Arcade 以外のゲームでそれがコントローラに対応しているか否かを識別するのはそれほど簡単でない。そのゲームの App Store での情報をよく読むか、あるいはとりあえずコントローラを接続して、ゲームを開始してみて、コントローラが使えるか見てみてもよい。また、iOSmacOS と macOS それぞれの App Store には Apple Arcade 以外のゲームでコントローラの使用に向いているものを特集したストーリーページもある。
PlayStation 4 を持っている人は、無料の PS4 Remote Play アプリを使ってみるのもよい。これを使えば、あなたが持っている PlayStation 4 ゲームを iPhone や iPad の上でリモートプレイすることができるし、それに、そう、これは PS4 コントローラに対応している。このようにしてリモートでゲームをプレイすると若干ラグが多いので、動きの激しいゲームには向いていない。私はベッドの中でロールプレイング・ゲームをするためにこれを使っている。
コントローラが欲しいのだが、どれを買うべきか?
まず第一に、もしもあなたの家のどこかに PlayStation 4 か Xbox One コントローラが既に転がっているのならば、それを使えばお金の節約になる。私は前から PlayStation 4 を持っていたので、そのコントローラを使っている。
市場には安価なサードパーティのコントローラがたくさん出回っているが、その大多数は公式の製品に比べてはっきり劣っている。Microsoft と Sony のコントローラは $40 前後という手頃な値段なので、私はそちらの方が総合的価値が高いと思う。
どちらのコントローラも気に入らないのだが、何か他のものが使えないか?
Bluetooth コントローラであって Xbox One または PlayStation 4 と互換なものならばどんなものでも使えるはずだし、どんな MFi コントローラも使えるはずだ。運動に困難を伴う人には、Xbox Adaptive Controller が使えるかもしれない。
よし、コントローラを買ってきた。それで、これってどうやって持つの?
歩き始めたと同じくらいの年頃からずっとゲーミングに親しんできた者として、私は初めてゲーミングをし始めた人がゲームコントローラを持つのを見ていつも笑いを堪えきれずにいる。アーケードゲームのコントロールスティックのように持つ人がいるかと思えば、上下逆さまに持つ人さえいる。(Scotty が Mac を使おうとしているStar Trek IV のシーンを思い出して頂きたい。)
ボタンの機能はゲームによる。オンスクリーンの説明を提供しているゲームもある。チュートリアルの中で示されることも、特定の状況になると説明が表示されることもある。例えば Oceanhorn 2 では樽に近付くと、X ボタンを押せば樽を獲得できるのだという説明が出る。(ややこしいことに PlayStation 流の黒い背景に青い文字の X 印にはなっていない。)
残念ながら、あなたが使っているコントローラに応じてオンスクリーンの説明を調整してくれるゲームはないようだ。例えば MacBook Pro で Hot Lava をプレイしていると A ボタンを押すようにという指示が出たが、私の PS4 コントローラにはそのようなボタンはない。そういう場合には、下に記したヒントを使ってちょっと翻訳してやる必要がある。(あるいは単にいろいろボタンを連打してどれが何をするのか見つけてもよい。)
Xbox と PS4 のコントローラはかなり見掛けが違うけれども、実際にはかなり似ている。いずれも、2個のアナログスティック、一組の十字キー、4個のフェイスボタン、2個のショルダーボタン、それに2個のトリガーを持つ。大手のゲーム制作会社の大多数は両方のコンソールに対応するように開発をしており、そのため「革新的」なやり方はあまり関心を持たれない。それと同じように、大多数のゲーマーたちもゲームをプレイする前に説明書を (仮に説明書があったとしても) 読む気などあまりなく、そういう訳でコントローラには長年かけて一定の慣習のようなものが生まれてきた:
コントローラは標準的な Bluetooth デバイスとして動作する。まずそのコントローラをペアリングモードにしてから、その後で Settings > Bluetooth へ、または System Preferences > Bluetooth へ行ってペアリングをするだけだ。そうは言っても、これらのコントローラをどうやってペアリングモードにするのかは必ずしも分かりやすくはない。
Xbox One コントローラをペアリングモードにするのはどうやるのか?
複数のプラットフォーム (Xbox と Windows) で使えるようにデザインされているので、Xbox One コントローラには Bluetooth ペアリング用に特別のボタンがある:
もしもそのコントローラが Xbox にペアリングされていたならば、その Xbox がオフになっていることを確認する。
コントローラの前面にある Xbox ボタンを押して、コントローラをオンにする。下の図に赤で囲って示してある、やたらに大きな X ボタンだ。
PlayStation ボタン、つまり2つのアナログスティックの間にある丸いボタンと、Share ボタンとを押してそのまま押し続け、赤いバーが光り始めるまで待つ。下の図に、その2つのボタンを赤で囲って示してある。
コントローラを iPhone や iPad にペアリングするには?
Bluetooth ペアリングのやり方は iOS でも iPadOS でも同じだ:
コントローラをペアリングモードにする。
Settings > Bluetooth へ行く。
Other Devices のリストにコントローラが表示されたらそれをタップする。
コントローラとのペアリングを解除して他のデバイスが使えるようにするには、Settings > Bluetooth に戻って、コントローラの横に示された i ボタンをタップし、Forget This Device をタップすればよい。Xbox One についてはよく知らないが、PlayStation 4 コントローラを USB ケーブルで PlayStation コンソールに取り付ければ、自動的にそのコンソールに再ペアリングされる。
コントローラを Apple TV にペアリングするには?
コントローラを Apple TV にペアリングするには次のようにする:
コントローラをペアリングモードにする。
Apple TV で、Settings > Remotes and Devices > Bluetooth へ行く。
リストからコントローラを選ぶ。
コントローラとのペアリングを解除するには Settings > Remotes and Devices > Bluetooth > あなたのコントローラ へ行って、Unpair Device を選ぶ。
コントローラを Mac にペアリングするには?
Bluetooth 環境設定へ行くショートカットとして、メニューバー上の Bluetooth アイコンをクリックする。それ以外は同様だ:
コントローラをペアリングモードにする。
System Preferences > Bluetooth へ行く。
コントローラの横に見える Connect ボタンをクリックする。
コントローラとのペアリングを解除するには、同じ画面に戻ってコントローラの横に見える X をクリックする。
コントローラを別の Apple デバイスに接続し直すには?
残念ながら、コントローラをデバイスからデバイスへ移す作業を単純化してくれる AirPod 風の魔法の体験は用意されていない。まずペアリングされている Apple との間でコントローラのペアリングを解除してから、新しいデバイスにペアリングし直すのが最善の策だ。
どの Apple Arcade ゲームがコントローラに対応しているのか?
私が楽しめたものをいくつか紹介しておこう:
Sayonara Wild Hearts (iOS 用macOS 用、macOS 用): これは Apple が Arcade で前面に押し出しているタイトルの一つだった。当初私はこれが App Store に百万個ほどもあるエンドレスなランナーゲームかと思ってあきれ返った。でも、実際にやってみると格好良くて夢のようなスタイル、強力なサウンドトラック、そして心落ち着く Tempest 風のゲームプレイで、ユニークな体験ができた。
Oceanhorn 2 (iOS 用、macOS 用): 初代の Oceanhorn は The Legend of Zelda シリーズの少々大胆ながら良く出来た模倣品であった。当初のリリースでは上から見下ろした二次元の古いZelda ゲームから多くを取り入れていたが、Oceanhorn 2 はもっと野心的な三次元のアドベンチャーゲームとなって、Zelda の続編である Ocarina of Time や Breath of the Wild に近いものとなった。近年の私は Take Control 本の改訂が忙し過ぎてあまりゲームに没頭する暇がないが、これまでプレイしたところはとても楽しく、Zelda ファンには特にお薦めしたい。
Backblaze ブログに Andy Klein が感動的な物語をしたためた。Zach という名前のハードドライブの視点から、Backblaze 社内でハードドライブとして働くのはどんな具合かを物語っている。風変わりな図もいくつか付いているこの記事は、言ってみれば子供向けの本にもなり得るだろう。才能ある若いギークにベッドで読み聞かせるのに最適だ。興味をそそる話の展開も魅力的だが、これを読めば Backblaze が故障しかけのドライブをどうやって診断して交換しているかを窺い知ることができて興味深い。一読の価値ありだ。