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#1492: TidBITS Thanksgiving 休刊、iOS 13 のスクロールバー、Photos のジオロケーション、Luna Display の Mac-to-Mac モード

ここ米国では Thanksgiving (感謝祭) のホリデーとなるので私たち TidBITS スタッフも数日間休暇を取り、2019 年 12 月 2 日は TidBITS の号を休刊とさせて頂く。その間はどうぞ TidBITS ウェブサイトや Apple News で私たちの記事をお読み頂きたい。さて今週の記事では、Josh Centers が iOS 13 の新しいスクロールバー機能の使い方のヒントを述べる。Donald O'Shea は寄稿記事で、iPhone で撮影した写真の地理位置情報を Photos アプリの中で利用する方法を説明する。そして今週号の特集記事として、Julio Ojeda-Zapata が Luna Display の新しい Mac-to-Mac モードを解説する。一台の Mac を別の Mac の第2スクリーンとして使えるようにするというものだ。今週注目すべき Mac アプリのリリースは、DEVONthink 3.0.2、Path Finder 9.0.4、ChronoSync 4.9.6 と ChronoAgent 1.9.4、OmniOutliner Essentials および Pro 5.5.1、SpamSieve 2.9.38、それに Luminar 4 だ。

Adam Engst  訳: Mark Nagata   

2019 年 12 月 2 日は TidBITS 休刊

今週の木曜日 (2019 年 11 月 28 日) は米国では Thanksgiving (感謝祭) の祝日なので、2019 年 12 月 2 日には TidBITS の電子メール号を休刊にして、私たちスタッフや寄稿編集者の面々も家族や友人とともに食卓を囲んで一週間を過ごしたいと思う。

Take Control of Thanksgiving Dinner cover

私たちの多くは今年も、Joe Kissell の Take Control of Thanksgiving Dinner から印刷した便利なワークシートを参考にしつつ、感謝祭ディナーの準備をしていることだろう。何を用意すべきかを Joe ほどうまく、分かりやすくレイアウトしてまとめられる人は他にいないので、助言が欲しい方はどうぞ彼の本をご一読あれ。

来週の TidBITS 電子メール号は休刊にさせて頂くが、その間も TidBITS ウェブサイトへの出版はいつも通り続ける。私たちのサイトを時々チェックするか、RSS feedを購読するか (TidBITS 会員になればフルテキストのフィードを受けられることをお忘れなく!)、Apple News で、または Twitter でフォローするかして、私たちの最新の記事を読めるようにして頂ければと思う。次回の電子メール号は 2019 年 12 月 9 日の発行となる。

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Josh Centers  訳: Mark Nagata   

TipBITS: iOS 13 でもっと素早くスクロールする

従来のバージョンの iOS で、iPhone や iPad の上でコンテンツをスクロールしている間にはスクリーン右側にスクロールバーが見えていることに気付かれたかもしれない。残念ながら Mac 上のスクロールバーと違って、これはあなたの現在位置とそのページのコンテンツ分量の目安となる以上にそれほど大したことはしない。(スクローラー、つまりかつて macOS で Apple がエレベーターボックスと呼んでいたグレイのバーのことだが、これが長ければ長いほど、ページ全体のコンテンツの分量は少ない。) けれども iOS 13 と iPadOS 13 になって Apple はようやくこのスクロールバーを使えるものにしてくれた。

The iOS scroll bar

スクロールバーが見えている状態で (そのためには少しだけスクロールしてやらなければならないかもしれない)、スクロールバーにタッチして、そのまま押さえ続ける。スクロールバーはスクロールを止めてから一・二秒経つと消えてしまうので、これは少々微妙な作業だ。その上、たとえあなたが素早くても、このスクローラーは太い指で押すには相当に小さ過ぎる目標だ。ともあれそれを一秒間ほど押し続けると、スクローラーが拡大し、最近の iPhone でならば「カチッ」というフィードバックがあるかもしれない。指をスクローラーの上に乗せたままで上下に動かせば、そのページの中を高速で移動できる。

もちろん、従来通りの iOS のスクロール方法を使うななどとは言っていない。つまり、ページを指で上下にスワイプする方法だ。でも、長い距離を最小限の労力でスクロールしようと思えば、スクロールバーを使った方がずっと楽だ。スワイプ、スワイプを繰り返して長いページを一番上や一番下まで進むには大変な時間がかかるが、スクローラーをドラッグするだけならばどの位置へでも瞬時に移動できる。

スクロールバーを使ってスクロールするのがどんな感じかを示した短いビデオ を作ってみた。

面白いことに、スクローラーをドラッグしてスクロールするのは Mac 上でスクローラーをクリックしてドラッグするのと同じように働くのに、スクロールの方向は Apple が iOS で導入しその後 macOS にも導入した「ナチュラル」なスクロールとは逆向きだ。「ナチュラル」なスクロールではページを上へスワイプすると下へスクロールし、下へスワイプすると上へスクロールするのに、スクローラーを下へドラッグすると下へスクロールし、上へドラッグすると上へスクロールする。

この新しいスクロールバーの挙動はシステムワイドなものなので、数多くのアプリがこれを利用できる。Safari で長いウェブページをスクロールしたり、Mail で長々としたメッセージをナビゲートしたりするのに使ってみよう。それからまた Twitter アプリではタイムラインの中を行き来するのに使えるし、Pages では長い書類を編集する必要がある場合に特に便利だ。反対に、注目すべきは Google Docs アプリがシステムワイドのスクロールバーに対応していないことだ。(これは、Google が独自に機能を拡張したスクロールバーを使って見出しにも素早くジャンプできるようにしているからだ。) いずれにしても、皆さんがお使いのアプリの中で今すぐ試してみることをお勧めしたい。使えると分かれば、今度長いページをスクロールしたくなった場合に思い出すこともあるだろう。

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Donald C O'Shea  訳: 亀岡孝仁  

場所が知りたい! Apple の Photos にある地理位置

最近 Barcelona に旅行した時、妻と私は店のウィンドウで2枚の T シャツを見つけた:Reservoir Dogs としての Muppet と、The Scream に扮した Cookie Monster である。雨の滴が縞模様を描くウィンドウを通してだが、私はこのシャツの写真を、人形師でもあり Muppet のファンでもある娘のために撮った。

The Muppet T-shirts we found while walking in Barcelona
Barcelona を歩き回っていて見つけた Muppet T シャツ

その日の夕方になって、この2枚の T シャツは娘と孫娘への素敵なクリスマスプレゼントになりそうだと思った。しかし、その頃までに我々は十分過ぎるほど歩いたし、結構遠くまで来ていたので、その店が何処にあったか分からなくなっていた。我々は、その辺りと思われる所を歩き回ってみたが、見つからなかった。でも、私はその T シャツの写真を撮っていたことを思い出した。

Apple の Photos アプリには、People & Places の見出しの下に二つの特別なアルバムがある。Photos アプリの Albums をタップしそれから Places アルバムをタップすると、あなたの通常の場所の地図が現れ、そこに写真の重なりがそこに属する写真枚数を示す数字と共に表示される。

People and Places albums (left). Photo stacks located on the map (right).
People and Places アルバム (左)、そして地図上に配置された写真 (右)

この地図を左にスワイプして Europe を出し、Barcelona に近い写真の山をタップすると格子状に並んだ写真が、撮影日と場所で整理されて現れた。

地図をダブルタップするとズームインされ、写真の山はもっと細かい場所毎に集められたより小さな写真の山へと分配される。また、写真を見つけるために更にズームインするには、ピンチアウトすることも出来るが、どこを探せば良いのか分かっている場合に限られる。カメラロールに沢山の写真がある場合には、目指す写真を探して果てしなくスクロールし続けるより、こちらの方がずっと効率的である。写真の山をダブルタップし続けるか、ピンチアウトを続ければ、求める写真が簡単に見つけられるだけ少なくなった写真の山に到達出来るであろう。

A photo map of Europe.
Europe で撮られた写真の地図 (上) と、Barcelona で撮られたもの (下)

下部にある 12 画像の山をタップすることで、これらの画像を示す Places アルバムが開き、そして T シャツの画像をタップすることで、それが iPhone 上に表示された。(上部の9枚の画像は 2014 年に Barcelona へ旅行した時のものである。)

The 12 images in the stack (left), and the T-shirt image I was searching for (right).
その山の 12 枚の画像 (左)、そして探していた T シャツの画像 (右)

その写真をスワイプアップした時、Photos は地図上にその写真のサムネイルをその店があった場所に表示した。そのサムネイルをタップすると全画面版の地図上で開き、ピンチアウトしてより正確な場所にズームインすることが出来る。

しかしながら、それだけではない。地図の下部にある青字の場所の名前 (Palacio de la Generalitat de Catalunya, Placa de...) をタップすると、Maps が開いて場所の名前の上に大きな赤色の地図ピンを表示する。更に有用なのは、Maps はその場所への行き方も示してくれることである。

Screenshots showing the image location in Maps
T シャツ店の場所でのサムネイル (左)、そして Maps での Directions モードでの店の場所 (右)

私が Directions ボタンをタップすると、Maps は、残念ながらこの例では、4500 マイル離れた Atlanta の現在の場所から Barcelona の T シャツ店までの行き方は出せないと言ってくる。しかしながら、"From My Location" をタップすることでそれを変えられる。例えば、それを "From Cathedral of Barcelona" とし、次にウィンドウの底部にある Walk アイコンをタップすれば、Maps はこの店への短い散策のための行き方を教えてくれる。

Screenshots showing how to get directions in Maps
Maps は Atlanta の現在地からの T シャツ店の場所を示し (左)、そしてもっと現実的な Cathedral of Barcelona からの行き方を示す (右)

(この記事の以前のバージョンでは、Maps を使っての行き方を得ることの代わりに Metapho というアプリを推薦していた。iOS 13 の何処かで、Apple は Photos の中で住所を表示し始め、そしてそれをタップすることで Maps 内で行き方を得られる様にした。こちらの方がずと簡単ではあるが、Metapho は写真と一緒に保存されたメタデータを見るにはとても良いアプリであること変わりはない。)

Places の他の使い方

iPhone を使って写真を撮ることで、旅行中の他の問題も解決出来る。例えば、ツアー旅行の組み込み行程が丁度終わり、見知らぬ街を自分で自由に動き回れる時間があったとする。多くの街では、ホテルに帰るツアーバスのための集合場所があるであろう。その様な時には、写真を撮ることでその集合場所に印をつけられる。そして、上で説明した手順を踏めば、バスへ戻るための行き方が得られる。

Parking lot at the Jesuit monastery of Monserrat outside Barcelona.
Barcelona 郊外にある Jesuit monastery of Monserrat の駐車場

最後の進言を一つ。新しい場所を訪れる時には、その入り口の写真を一枚撮る。それは、その訪問中に撮られる画像の始まりとしてカメラロールの中でマーカーの役目を果たしてくれる。その画像はまた、写真集、Web サイト、或いはスライドショーのためのその場所の冒頭画像としても役立つかもしれない。そして、その正確な位置も Places アルバムの中で再チェック出来る。

Charles Darwin Research Station
ツアー中の立ち寄り地点の記録ショット

お分かり頂けましたか。あなたが撮る写真内に保存された地理位置情報データのお陰で、撮影された場所の地図を一見することでそこで撮られた画像を簡単に見つけ出すことが出来る。更に、Photos でその画像の場所をタップすることで、Maps を使ってその場所に戻る行き方さえも得られる。


Donald O'Shea は Georgia Tech の物理学の名誉教授である。彼は Editor of Optical Engineering を 1998 年から 1999 年迄と 2001 年から 2009 年迄務めた。彼は光学及び光学設計に関する教科書を何冊か書いている。彼の最新作は Julie L. Bentley と共に書いた Designing Optics Using CODE V(TM) (SPIE Press, 2018) である。彼は TidBITS をそれが HyperCard フォーマットで配布されていた頃から、World Wide Web が出現する以前、購読している。

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Julio Ojeda-Zapata  訳: Mark Nagata   

AstroHQ の Luna Display ドングルで Mac を第2ディスプレイに

Apple は最近、AstroHQ という会社を「Sherlock 化」した。つまりこれはその会社がそう認めたことだが、Apple は macOS 10.15 Catalina に Sidecar と呼ぶ機能を組み込み、iPad を Mac の補助的モニタとして使えるようにした。

Sidecar は基本的に、AstroHQ が $79.99 で販売している物理的なドングル Luna Display の機能性を再現するものだ。Sidecar が無料で手に入る点を考えれば、AstroHQ の価格は法外な高値に見えてしまう。(2019 年 10 月 21 日の記事“Catalina の Sidecar 機能で iPad を Mac の第2モニタにする”と 2018 年 12 月 7 日の記事“Luna Display を使えば iPad が反応の良い Mac スクリーンに”参照。)

ならば、AstroHQ にとっては何ができただろうか? この会社の共同創設者 Matt Ronge が今月初めに Twitter に書き込んでr、Luna Display の Mac-to-Mac Mode を発表した。

Tweet announcing Mac-to-Mac

Mac を補助的ディスプレイとしてセットアップするという考え方をどこかで聞いたことがあるという方は、おそらく Apple 自身の Target Display Mode のことを考えておられるのだろう。これは、基本的に同じことをするのだが、ただし使える状況が限られている。これを使えば、かなり旧型の一部のモデルの iMac を、他の Mac の第2ディスプレイにすることができる。ただ、そういうセットアップはかなり風変わりなものと言うべきだろう。

TidBITS 出版者の Adam Engst はしばらくの間古い 21.5 インチ iMac を彼の MacBook Air の補助的ディスプレイとして使っていたけれども、その体験は必ずしも満足できるものではなかったという。MacBook Air がスリープから目覚める度に Target Display Mode を呼び出し直さなければならないことも多かったし、時には MacBook Air か iMac のどちらかを再起動しなければ使えなかったこともあった。その上、キーボードを常時 iMac に接続したままにすることが必要だった。それも、ただ単に Command-F2 を押して Target Display Mode を呼び出すためだけにだ。また、iMac を繋いでいる間、なぜだか分からないが MacBook Air 上でオーディオの再生ができなかったという。

AstroHQ は、Target Display Mode のハードウェア要件が限定的なことと、全般的に動作が当てにならないことから、Luna を使った代替方法にも参入の余地があると考えている。(これは「Watson 化」とでも呼ぶべきか?) 一つには、AstroHQ の解決方法がより広範なデュアル Mac のシナリオに対応していることがある。例えば 2 台の MacBook を並べて使ったり、さらには Mac mini に MacBook を繋いでその唯一のディスプレイとして使ったりすることさえできる。

Luna Mac-to-Mac mode in action

でも、この Mac-to-Mac Mode にもそれなりの問題点はある。最も顕著な問題は、Mac-to-Mac Mode は iMac を 2 台並べて使えるけれども、21.5 インチまたは 27 インチの Retina ディスプレイを持つ iMac には対応していないことだ。4K でも 5K でもだ。残念なことだ。それはつまり、Retina ディスプレイを持つ古い 27 インチ iMac を 5K の外付けモニタとして使うことはできないからだ。

そうは言っても、Mac-to-Mac Mode は標準的な 4K ディスプレイには対応する。

Mac-to-Mac Mode の第一歩

The Luna dongle

AstroHQ は 2 種類のバージョンの Luna ドングルを販売している。新機種の Mac で使う USB-C モデルと、旧型マシンで使う Mini DisplayPort 版だ。

これらのドングルのどちらか一つに加えて、Mac-to-Mac Mode のセットアップには以下のものが必要となる:

Mac-to-Mac 接続を有効にする手順は、Luna で Mac-to-iPad 接続をする場合と同様に簡単だ。

まず第一に、主たる Mac の上で Luna Display アプリを走らせる。10.14 Mojave かそれ以降を走らせている場合には System Preferences の Accessibility 設定を変更するよう求められるかもしれないが、これは一度だけ設定すればそれで済む。

The Luna Display app

次に、補助的 Mac の上で Luna Secondary アプリを開く。この時点で、2 台の Mac は自動的に繋がるはずだ。ディスプレイがしばらく点滅した後は、あなたの Desktop が主たる Mac から補助的 Mac へ拡張されているはずだ。

Setting it up Luna

私がやってみたところ、自動接続は何度かの試みではうまく行ったけれども、理由は分からないがうまく行かなかったこともあった。

もしも自動接続がうまく行かなければ、Wi-Fi Manual Connect と呼ばれる回避策が使える。双方の Mac 上のそれぞれのアプリで、そのボタンをクリックする。すると主たる Mac 上のアプリにコード番号が表示される。補助的 Mac の上にも同じコード番号が表示されるが、ただいくつかの桁が省かれている。省かれているところに正しい数字を入力すれば、接続が完了するはずだ。

Wi-Fi Manual Connect

私が試した限りでは、自動接続に失敗した場合にも Wi-Fi Manual Connect はうまく行った。

いったん接続が済めば、主たる Mac の上で走っている Luna Display アプリを使って 2 台の Mac がお互いにどう機能するかを設定できる。補助的 Mac は左側にも右側にも置ける。Custom をクリックすれば標準的な Display 設定画面が開いて、さらなる調整ができる。

Setting the Luna Display arrangement

Mac-to-Mac Mode を使う

Mac-to-Mac Mode をテストするために、私は妻を説き伏せて彼女が大事にしている 2015 年型 MacBook Air を一時的に使わせてもらった。それを私の 2018 年型 Mac mini (2018 年 10 月 30 日の記事“再生! Apple、プロ狙いの Mac mini を発表”参照) とその LG UltraFine 外付けディスプレイ (2019 年 5 月 20 日の記事“Apple、LG の最新型 23.7 インチ UltraFine ディスプレイを披露”参照) に繋いだ。

MacBook Air が使えたので、私は Mac-to-Mac Mode を 3 つの異なる状況の下でテストした。そのうち 2 つでは USB-C 版の Luna Display ドングルを使い、3 つ目では Mini DisplayPort 版を使った。

1: MacBook Air を補助的ディスプレイにする

ここでの目標は、LG UltraFine ディスプレイを Mac mini のメインスクリーンとして使い、MacBook Air をその脇に置いて補助的モニタにすることだ。これは iPad を Luna Display と共に使う場合と似たような設定だ。

このデュアルスクリーン構成はうまく行った。Mac mini の拡張された Desktop が MacBook Air 上にそのフル解像度 1400×900 で表示され、反応性も良かった。

Mac-to-Mac Mode 接続はしっかりしていて容易に壊れたりしないという印象を受けた。MacBook Air のリッドを繰り返し閉じたり開けたりしても、Luna Display の接続は何事もなかったかのように続いた。Mac mini をスリープさせると Mac-to-Mac Mode リンクは切れたが、これは予想できることだ。けれども双方の Luna アプリは目覚めるのを待ち続けていて、自動的に接続を再開した。

ただ、一つだけ奇妙な異常に気付いた。MacBook Air の内蔵キーボードも Mac mini の外付けキーボードもどちらも期待通りにテキスト入力に使えたのだが、マウスとトラックパッドは Mac mini の方のものだけが正常に動作した。MacBook Air のトラックパッドを使っても、Mac mini のディスプレイ上にあるカーソルは動かなかった。なぜかは分からないが、そちらのトラックパッドはノートブック専用だった。

2: MacBook Air を主たるディスプレイにする

では、もしも Mac mini を「ヘッドレス」な Mac として使っていて、例えば Mac mini 本体は押入れの中に入れっぱなしにしていたらどうだろうか? Luna Display の Mac-to-Mac Mode は、ラップトップの Mac をワイヤレスで接続して必要な時だけそのモニタとして使えるようにすることもできる。実際、既に AstroHQ はこのようにして iPad を Mac mini と組み合わせて使う用例を具体的に紹介している。

私の場合、妻の MacBook Air で Mac-to-Mac Mode を有効にすることにより、リビングルームのソファにゆったりと座ったままでずっと離れた仕事部屋にある Mac mini を使うことができた。

このシングルディスプレイの用法をテストするために、私の LG スクリーンを物理的に Mac mini から取り外して、MacBook Air を Mac mini の唯一のディスプレイとして使えるようにしなければならなかった。

でもその前に、この機能が正しく働くようにするため、いくつか macOS 上の調整を施しておく必要があった:

これらの設定が済めば、MacBook Air 上で Luna Secondary アプリを起動しながら、Mac mini を起動する。数秒後に、双方の Mac 上で Luna アプリがお互いを見つけると... ほらたちまち! MacBook Air のスクリーン上に Mac mini のデスクトップが表示された。

すべてが満足のいく程度にうまく行った。反応性はちょっとだけ遅い気がしたが、それほど悪くはなかった。入力デバイスはすべて、Mac mini の Magic Mouse も Magic Trackpad も、Magic Keyboard も、それから MacBook Air の内蔵ラップトップキーボードもトラックパッドも、すべてが期待通りに働いた。信頼性もちゃんとしていて、MacBook Air のリッドを閉じたり開いたりしても Mac-to-Mac Mode のリンクには何の影響もなかった。

この MacBook Air と Mac mini は Wi-Fi で接続されていたので、自宅の Wi-Fi ネットワークの範囲内ならばどこにいても仕事ができた。実際、私はこの記事の大部分を1階のリビングルームのソファの上で暖かい毛布にくるまって (ここミネソタではもう冬が近い) MacBook Air で執筆したのだが、その間ずっと私の Mac mini は2階の私の仕事部屋の中で動いていた。素敵だ。

3: MacBook Air を主たるコンピュータにする

上記の例はいずれも、私の Mac mini を主たるコンピュータとして Mac-to-Mac Mode の実験をした。妻の MacBook Air は補助的ディスプレイとして使うだけだった。でも、それらの役割を入れ替えて、MacBook Air を主たるコンピュータとして使い、Mac mini の LG モニタを MacBook Air の補助的ディスプレイとして使ったらどうだろうか?

そこで私は Mini DisplayPort 版の Luna Display ドングルを取り出した。それを MacBook Air に差し込んで、そちらでは Luna Display アプリを走らせ、Mac mini の方では Luna Secondary アプリを走らせた。ここでの目標は、MacBook Air の Desktop を、Mac mini を通じて、LG display 上に拡張することだ。少なくとも、私が期待していたのはそういうことだった。

残念ながら、この構成を信頼性をもって使いこなすには至らなかった。使ってみると、頻繁に Mac-to-Mac Mode 接続が切れてしまった。ディスプレイからディスプレイへとカーソルを動かすことができることもあったが、カーソルが頑として動かないこともあった。

どうにもならない混乱に陥って問い合わせてみたところ、AstroHQ の Matt Ronge も問題があることを認めてくれた。彼によれば、Mini DisplayPort モデルの Luna を Mac-to-Mac Mode 接続に使う際にはそれを妨げるバグがいくつかあって、彼のチームは現在それを修正するために大急ぎで作業を続けているところだという。この件については今後も状況をチェックして、何かニュースがあれば記事へのコメントとしてお知らせしたいと思っている。

現時点では、USB-C 版の Luna Display ドングルを Mac-to-Mac Mode に使うことはお薦めできるけれども、もしもあなたの Mac が Mini DisplayPort か Thunderbolt 2 ポートしか備えていないならば、もうしばらく手を出さずに待つ方がよいだろう。

Luna の Mac-to-iPad Mode 再考

iPad を Mac の補助的モニタとして使うという記事を書いてから何か月も経って再び Luna ドングルを引っ張り出して使ってみて、私は iPad を使うシナリオについても考え直すことができた。特に、私がつい先月にレビューした iPad を使う Apple の同等機能、Catalina の Sidecar とも比較して考えてみた。

Sidecar には変なところもあるので、Luna を使ったやり方のお陰で安心できるという面もいくつかある。特に指摘しておくべきなのは、iPad のスクリーンにタッチすることで macOS を使いこなそうとすると、AstroHQ の実装の方がうまく行っていることだ。手を伸ばして、指先でできることはたいてい何でもできる。それが当たり前じゃないだろうか? ところが、Sidecar をレビューした私の記事にも書いたように、Sidecar では指先でのやり取りは iPad スクリーン上での一部のことに使えるだけで、それ以外には使えない。多くの場合、Apple Pencil が必須となる。おやおや。

だから、Luna ハードウェアを購入できるだけの資金の余裕がある人には、そちらの方が iPad を Mac のディスプレイとするための最良の方法と言えるだろう。でも Sidecar は無料なので、きっとほとんどの人たちはそちらを使うのだろう。タッチの問題を別にすれば満足できる程度に働くし、時が経てば問題点も解決されるはずだから。

Mac-to-Mac Mode の結論

Mac を別の Mac の補助的ディスプレイとして使うというのは、おそらく大多数のユーザーにとって考えたこともないシナリオだったろう。なぜなら、これまでそれは、特定のモデルの iMac のみで実現できる、極めて狭い状況下のみで可能なことであったからだ。それに、Adam Engst が指摘した通り、Apple の Target Display Mode はそれほどうまくは動作しなかった。

だから、AstroHQ は、Sherlock 化された後にも市場に残ろうと必死になった結果として、Mac-to-Mac Mode を登場させたことにより Mac の世界に巨大な恩恵をもたらした。とりわけ DisplayPort 版ではまだ完成に至っている訳ではないけれども、Luna ハードウェアとその関連ソフトウェアは Mac が余っていて補助的ディスプレイとして使えたらいいなあと思っていた人たちにとっては天の恵みとも言える。

もちろん、その恵みには出費が伴う。Luna ドングルは決して安い買い物ではない。だから、使うことを考慮している人は皆、自分にとってこれがその出費に見合うだけの価値あるものかどうか、よく考えてみるべきだろう。

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

DEVONthink 3.0.2

DEVONthink 3.0.2

DEVONtechnologies が DEVONthink 3.0.2 をリリースして、最近アップグレードされたこの情報管理アプリ (2019 年 9 月 16 日の記事“DEVONthink 3.0”参照) に数多くの追加機能、拡張、バグ修正を施した。今回のリリースではサイドバーにキーボードによるコントロールを追加し、Nisus Writer の ZRTF 書類を索引付けて検索できるようにし、Markdown フォーマットでサマリーを作成できるようになり、Move Into Database と Move To External Folder にスマートルールアクションを追加し、Window > Close All と File > Export PDF Document Without Annotations の各コマンドに Option キーを使ったアクセスができるようにしている。改善点としては macOS 10.15 Catalina で Notes アプリから読み込む際に埋め込まれた画像も含めるようにし、Info インスペクタにさらなるスマートグループの情報を表示し、アイコン表示やカラム表示で検索結果を見る際に名前の中で検索語をハイライト表示するようにし、WikiLinking の信頼性を高めている。DEVONtechnologies はこれ以外にも多数のバグを修正しており、アプリケーションが登録された際に Check for Updates が働かなかったバグ、Catalina の下で PDF がキャプチャできなかったバグ、PDF サムネイルや大きなメールボックスのアーカイブ保存や Download Manager に関係したクラッシュなどが修正された。アプリ内からアップグレードする際にフルのリリースノートが表示されるので、ぜひともそこで他にも多くある変更点について読んで頂きたい。(DEVONthink 新規購入 $99、DEVONthink Pro 新規購入 $199、DEVONthink Server 新規購入 $499、TidBITS 会員にはそれぞれ 15 パーセント割引、アップグレード価格あり、100.3 MB、macOS 10.11.5+)

DEVONthink 3.0.2 の使用体験を話し合おう

Path Finder 9.0.4

Path Finder 9.0.4

Cocoatech が Path Finder 9.0.4 をリリースした。macOS の Finder に代わる同社のファイルブラウザの、大きなアップデートだ。Path Finder はユーザーが隠されたファイルも見られるようにし、フォルダ同士を比較・統合・同期し、ファイルをバッチ選択・バッチ改名し、二つのブラウザ枠の中を一つのウィンドウで表示しナビゲートできる。

Path Finder screenshot

バージョン 9.0 では macOS 10.15 Catalina との互換性を改善し、コミュニティーから要望の多かったバージョン 7 の折り畳みモジュール棚を復活させた。バージョン 8 と同様に、ユーザーは棚 (ブラウザウィンドウの左右側に一つずつある) をカスタマイズして好きな数のモジュールを入れることができ、再びそれらのモジュールを折り畳んでブラウズ用のスペースを確保できるようになった。バージョン 9.0 以後のマイナーアップデートを通じて Cocoatech はさまざまのクラッシュ、バグ、インターフェイスの誤りを修正し、また通常のファイルを Sidebar の Favorites リストに置いたり、ブラウザウィンドウのツールバーにカスタムファイルを置いたりできる機能を追加した。(新規購入 $36、アップグレード $18、Setapp からも入手可、15.6 MB、リリースノート)

Path Finder 9.0.4 の使用体験を話し合おう

ChronoSync 4.9.6 and ChronoAgent 1.9.4

ChronoSync 4.9.6 と ChronoAgent 1.9.4

Econ Technologies が ChronoSync 4.9.6ChronoAgent 1.9.4 をリリースして、macOS 10.15 Catalina に関係した調整やバグ修正を加えた。ChronoSync は既存の HFS+ バックアップボリュームを Catalina でブート可能バックアップのために必要な新しい APFS Volume Group に変換する機能を追加し、ファイルとフォルダのペア (片側にフォルダがあり、もう片側にファイルがあって、双方の名前が一致している場合) に影響していたバグを修正し、APFS Volume Group Converter ユーティリティにあった所有権に関する問題点を解消し、Backblaze B2 対応で 5 GB より大きなファイルが扱えなかったバグを修正している。ChronoSync と ChronoAgent は双方ともシェルタスクの信頼性を高めてエラーや例外をより良く処理できるようになり、またディスクイメージをマウントしたりブート可能なバックアップターゲットにその働きを与えたりする際に外部のコマンドやタスクを走らせた結果が誤って解釈されていた長年来のバグを修正した。(ChronoSync は新規購入 $49.99、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、67 MB、リリースノート、macOS 10.11+。ChronoAgent は新規購入 $14.99、26.6 MB、リリースノート、macOS 10.10+)

ChronoSync 4.9.6 and ChronoAgent 1.9.4 の使用体験を話し合おう

OmniOutliner Essentials and Pro 5.5.1

OmniOutliner Essentials および Pro 5.5.1

The Omni Group が OmniOutliner EssentialsOmniOutliner Pro のバージョン 5.5 をこの 11 月にリリースして macOS 10.15 Catalina との互換性を高め、選択したテキストへのリンクを追加できる機能を追加し、システム要件を 10.14 Mojave かそれ以降とした。このアウトライン作成および情報整理アプリはまた、.ooutline および .otemplate ファイルにサムネイルのプレビューを作成するようになり、Omni Automation を改良して入力ダイアログやファイル出力への対応を追加し、ユーザーインターフェイスにいくつかの改良を加えている。The Omni Group は最近になってバージョン 5.5.1 を出し、LinkBack データを保存するやり方に対処を加えて Catalina の元で走る際にファイルが壊れないようにした。ただし、既にこのバグの結果壊れてしまっているファイルを修正することはできない。壊れたファイルを復旧するための援助が必要な場合は、Omni Group サポートチームに連絡しよう。(Essentials の新規購入 $9.99、Pro の新規購入 $59.99、40.0 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

OmniOutliner Essentials and Pro 5.5.1 の使用体験を話し合おう

SpamSieve 2.9.38

SpamSieve 2.9.38

C-Command Software が SpamSieve 2.9.38 をリリースして、このベイズ推定に基づくスパム電子メールフィルタリングツールにバグ修正や改善を加えた。今回のアップデートはトレーニングによって良いものと判断されたメッセージが無効化されたアカウントの受信箱に入ってしまった macOS 10.15 Catalina の Mail の AppleScript バグを回避し、SpamSieve が起動する際に Mail がハングすることがあった Catalina のバグに対処し、Catalina の下で走る際に Mail がメッセージを Spam メールボックスへ移動できなくなったバグに対処するための代替用 Apple Mail Script Rule を追加している。(新規購入 $30、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、無料アップデート、15.4 MB、リリースノート、macOS 10.7+)

SpamSieve 2.9.38 の使用体験を話し合おう

Luminar 4

Luminar 4

Skylum が Luminar 4 をリリースした。AI に駆動されるこの写真編集アプリへのメジャーなアップグレードで、ユーザーインターフェイスを更新するとともに、4 つの新しいツールを導入した。AI Sky Replacement ツールは自動的にシーンの中で空とオブジェクトを識別し、ハローやノイズ、推移部の縁などを除去する。AI Structure ツールは人物とその顔、肌、空、建物などのオブジェクトを特定してそれらの個所のみで細かな調整を施す。Luminar 4 はまた、自動的に人の肌のさまざまの欠点を取り除く Skin Enhancer ツールと、顔立ちをより表情豊かにする Portrait Enhancer ツールも備えている。Luminar 4 は Adobe Photoshop、Lightroom Classic、Photoshop Elements、それに Photos や Aperture のためのプラグインとしても働く。アプリの価格は $89 で、従来のライセンスを持っている人は $74 でアップグレードできる。家庭内ならば 2 台のデバイスで Luminar 4 をアクティベートでき、また無料の試用版もダウンロードして利用できる。(新規購入 $89、アップグレード $74、18.8 MB、リリースノート、macOS 10.12+)

Luminar 4 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

Amazon Music、広告支援の無料レベルを iOS ユーザーに開放

Amazon Music が、米国と英国とドイツにおいて、その無料レベルAmazon Music iOS アプリのユーザーに、また Android、Fire TV、およびウェブ版のアプリのユーザーにも開放した。従来は Amazon Echo デバイスでしか利用できなかったこの無料レベルは広告支援の Amazon Music で、クレジットカード情報の必要が一切なく何千ものプレイリストやステーションにリスナーたちがアクセスできる。もし広告なしで音楽を楽しみたければ、Amazon Prime を購読すれば Amazon Music アプリを通じて 200 万曲以上にアクセスできるようになる。200 万曲といえば非常に多く聞こえるかもしれないが、Amazon Music Unlimited をフルに購読すれば 5,000 万曲以上が提供され Apple Music と同等になり、料金は Amazon Prime 会員には月額 $7.99、それ以外の人は月額 $9.99 だ。そうは言っても、Mac と iOS デバイスの両方を持っている人にとっては Apple Music の方がより良いユーザー体験が得られるように思われる。

Amazon Music on a phone

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Amazon の Ring ドアホンが Wi-Fi パスワードを暗号化なしで送信

今年になって、サイバーセキュリティ会社 Bitdefender の研究者たちが、Amazon の Ring ドアホンが Wi-Fi ネットワークパスワードを暗号化しない状態でローカルネットワークに送信していることを発見した。それにより、近所にいる攻撃者が Wi-Fi ネットワークのパスワードを傍受して、その家主のネットワークにアクセスできてしまう可能性があった。現実にそのような事態が起こる可能性は低いし、Amazon は 2019 年 9 月にその脆弱性を修正したけれども、より大きな視点からの懸念は、下手にプログラミングされた Internet of Things (IoT) 機器が知らないうちに私たちの Wi-Fi トラフィックを垂れ流していることはあり得るという点だ。

A Ring doorbell with the Wi-Fi symbol

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iOS 13 のバグを受け Apple がソフトウェアのテストを見直し

Apple の iOS 13 と iPadOS 13 のリリースには並外れてトラブルが多かったと感じたのはあなただけではない。iOS 13 が当初リリース以後最初の2か月間でアップデートされた回数は (HomePod 用の iOS 13.2.1 アップデートを勘定に入れれば) 全部で 8 回を数え、これは以前のどのバージョンよりも多かった。iOS 12 は2か月間でたった2回しかアップデートされなかった。Mark Gurman による Bloomberg レポートが、Apple が 2019 年 6 月の WWDC で発表したよりも前から既に iOS 13 がひどい状態にあると社内的に認識していたと伝えている。

Gurman によれば、Apple は現在そのことに応じてテスト手順を見直しつつあるという。今後は、毎日テストにかける個々のバージョンで未完成またはバグのある機能をデフォルトでオフにしておき、それらを個別にオンにできる選択肢を設けておく。そうすることで Apple としてはどの新機能が問題を起こしているかを知ることができる。Gurman によれば、Apple 社内であまりにも多くのチームがそれぞれに機能を (それに伴って避け得ないバグを) iOS 13 の中へ追加していたので、社内用のテストバージョンは Apple のテスターたちでさえ使えないものであったという。Apple は既に iOS 14 の開発でこのやり方を採用している。しかしながら、iOS 12 の時代のようなリリースの少なさは期待しない方がよい。Gurman によれば iOS 14 には iOS 13 と同じくらい多数の機能が期待されていて、Apple はそのうちいくつかを当初リリースより後に先送りすることを予定しているくらいだという。

Miscellaneous iOS 13 features

残念なことに、Gurman のレポートは記事“iOS 13 と Catalina がバグだらけな6つの理由”(2019 年 10 月 21 日) で元 Apple 従業員の David Shayer が挙げた他の問題点について Apple が対処中だとは書いていない。例えばクラッシュ報告からクラッシュ以外のバグは見つからないとか、優先順位付けの結果重要度の低いバグは結局修正されないとか、新しいバグが優先されて古いバグは無視されるとか、可能な限り自動化テストを使うことがなされないとかいったことだ。その上、おそらく最も重要な点として、iOS が今後もますます複雑なものになるのは避けられない。私たちとしては Apple の新しいテスト手順が状況をより良くすることを願いたいが、その判断は iOS 14 が出荷される時まで待たざるを得ないだろう。

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