新しい Mac で起動チャイムが鳴らないのを残念に思いませんか? それを有効にする方法があるのでお読みください! もしもあなたが事故に遭ったら、簡単に緊急応答であなたの大切な人に連絡できるだろうか? Adam Engst が、iPhone 上で Medical ID をセットアップする方法を説明するとともに、緊急連絡先の電話番号が最新のものであることをチェックしておこうと呼びかける。アイスランド在住の Apple Watch ユーザーのために Apple は watchOS 6.1.3 アップデートを出したが、それ以外の人たちも時間のあるときにインストールしておくとよいだろう。Adam はまた、先週亡くなった元 Apple 副社長の Larry Tesler の思い出を語り、1997 年に彼と交わした電子メールの会話を披露する。Tesler はコピー&ペーストを発明したことで知られ、彼の仕事は HTML とペインに分割された現代のインターフェイスその他多くのものに大きな影響を与えた。それから、Julio Ojeda-Zapata が iPhone を歩数計として使う方法を考え、使い勝手を良くしてくれるアプリをいくつか紹介する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは BusyCal 3.9、DaisyDisk 4.9、ChronoSync 4.9.9 と ChronoAgent 1.9.7、それに Tinderbox 8.5 だ。
最近私はいくつかの非常に古い Mac やエミュレータをいじる機会があって、その際に Mac の起動サウンドが長年かけて進化し、2016 年になって起動時にサウンドが鳴らなくなったことを改めて思い出した。Computer Clan の Ken が、この起動時サウンドの歴史を語り、実際に時を経て起動サウンドがどう変わってきたかを実演する素敵なビデオを作ってくれた。
2016 年に Apple が起動時サウンドをデフォルトでオフにしたとき、Terminal コマンドを使えば起動時サウンドを復活させることができると気付いた人がいた。次のコマンドだ:
sudo nvram BootAudio=%01
残念なことに、このやり方は 2017 年に Mac の各モデルで働かなくなった。おそらくこれは、Apple が macOS アップデートを通じてそのオプションを取り去ったのだろうと思われた。それ以来、新しい機種の Mac は沈黙のうちに起動するようになった。けれども今、Twitter ユーザー DylanMcD8 が新たな NVRAM パラメータを発見して、これを使えば最新機種の Mac でさえも起動時サウンドが復活することを見つけた。
今の Apple が起動時サウンドをなぜ嫌うのか、私には理解できない。確かに、Mac を常時無音にしておきたい人のためにオプションがあるのは良いことだが、起動時サウンドは Mac が期待通りに動作していることを示す手掛かりとして役に立つ。少なくとも起動プロセスのその時点までは。たぶん Apple は Mac が iPhone や iPad と同様に常時使える状態にあるべきものだという考え方を奨励しようとしているのだろうが、現実はその考え方と一致していない。
Apple は世界の大国のうち一つで起こっていることの影響を見て業績予想を下げなければならなかったかもしれないが、それでも小国のユーザーたちのことにも注意を払い続けてくれている。Apple は watchOS 6.1.3 をリリースして「改善およびバグの修正」を施したが、具体的にはアイスランド在住の Apple Watch ユーザーのために“不規則な心拍の通知”機能が正常に働かないバグを修正したとだけ述べた。
Apple Watch Series 4 で 48.1 MB のこのアップデートをインストールするには iPhone の Watch アプリを使う。Watch > General > Software Update へ行けばよい。アイスランドに住んでいない人は、特に急ぐ必要もないだろう。
皆さんは、自分の iPhone 上の Medical ID を設定したことがありますか? Mike Matthews はこの機能について我々のために "iPhone で財布は置き換えられるか?" (30 June 2017) で書いてくれたが、この世には、万が一重傷を負った時に命を救ってくれる可能性を持つほんの少しの情報を入力することに時間をかけたことのない人が余りに多過ぎる。そこで、私が最近学んだ緊急連絡先についての情報も付け加えて、繰り返して取り上げてみようと思う。
Medical ID を設定する
Apple は、最近のバージョンの iOS で Medical ID を作成し編集するのをより楽にした。それにアクセスする方法は二つある。Health アプリを開き、自分のアバターをタップ、そして Medical ID をタップするか、或いは Settings > Health > Medical ID に行くかのどちらかである。そこに行ったら、下記の手順を踏む:
注:選ぶ電話番号は、それが緊急対応要員や医療関係者のためだけのものであれば何でも良い。しかしながら、iPhone や Apple Watch 上の Emergency SOS 機能を使う事態まで想像するのであれば、選択したものがテキストメッセージを受け取れる番号であることを確認する必要がある。何故ならば、Emergency SOS は、テキストメッセージを使って緊急連絡先に伝えるからである。
Medical ID を使う
Medical ID にアクセスするには、サイドボタンとボリュームボタンのどちらか片方の二つを数秒間長押しして Emergency SOS を呼び出し、そして Medical ID スライダーをスライドさせる。注意すべきは、これをすると Touch ID 及び Face ID は不能化されることである;次に iPhone を開錠したい時には、あなたのパスコードを再入力しなければならない。
他の誰かの Medical ID にアクセスするには - その人が事故に遭い、あなたが助けている - 以下の手順を踏む:
Lock 画面から、Home ボタンを押すか、或いはスワイプアップして Passcode 画面を出す。ここでは Touch ID や Face ID に働いて欲しくない - 目標はパスコードキーパッドを見ることである。
左下隅にある Emergency をタップする。
Emergency Call 画面で、Medical ID をタップする。
緊急連絡先を確認する
最近友人の一人が指摘した問題がこれである。Medical ID に緊急連絡先を追加する時、そこに追加する電話番号は特定の電話番号であり、一概にその人の連絡先カードではない。では、その緊急連絡先の電話番号を変更したら何が起きるか? 少なくとも iOS 13 では、 Medical ID 連絡先情報は正しくアップデートされる;以前のバージョンの iOS ではこうならなかったことは想像出来る。
しかしながら代わりに、もしその緊急連絡先の電話番号を変更するのに、古い番号を削除し、新しい番号を追加したら - 必ずしも理に叶っていないやり方とは言えない - その連絡先と Medical ID の間のリンクは壊れてしまい、以前の番号が Medical ID に残ったままとなる。それを解決するには、Medical ID からその緊急連絡先を削除し、それからその人を再度追加する。
これから引き出せる現実的な結論は、もしあなたの Medical ID を設定したのはかなり前だというのであれば、あなたの緊急連絡先の電話番号は正しく載っているか再チェックしてみる価値があるということであろう。
勿論、これらの人は Medical ID 上でリストとしても見られるが、Contacts アプリをを見れば、緊急連絡先の名前の隣に太字体の赤色の星印が見られる。その人達の連絡先カードには、Emergency Contact が上部に表示され、赤の星印がその対応する電話番号の隣に現れる。(もしこの赤星印があるべきと思われる所に現れないのであれば、恐らく、その電話番号と Medical ID 緊急連絡先との間のリンクが壊れていて、Medical ID は最後に見た番号を保持している状況にあると思われる。)
と言うことで、ここは少しだけ時間をとって、自分の iPhone の Medical ID は設定されており、緊急連絡先には正しい電話番号が示されていることを確認すべきである。あなたが救う命はあなた自身のものかもしれない。
Larry Tesler の逝去をお知らせしなければならないのは大きな悲しみだ。コンピュータ科学者の彼は、コピー&ペーストを発明した人物として一般に知られている。(または少なくとも、デジタルなテキストをある場所から別の場所へ移すというアイデアをこの特定の手法と名称に結びつけたのは彼の業績だ。) 私はこの事実を今になって知って、ますます悲しい気持ちが増した。なぜなら、私はコピー&ペーストがこの半世紀のテクノロジー的革新のうちで最も重要なものの一つだと考えているからだ。現実の世界の中で、私たちは自分が言ったりしたりすることを何度も何度も繰り返すことが多いものだ。だから、データを簡単に複製して更新できることは、生産性を高めるためにこの上なく強力な推進力となる。もしも私がこの事実を 1990 年代に、私と Tesler の間に交流があった時代に知っていたとしたら、彼に向かって直接感謝の言葉を述べる機会もあったろうにと思う。
私たちはそれ以外にも多くの Larry Tesler によるテクノロジー的革新の恩恵を受けている。Xerox PARC で働いていた頃の Tesler は、(ユーザーインターフェイスの使い易さを推し進める努力の一環として)「ユーザーフレンドリー」という用語を生み出し、よく使われた頭字語 WYSIWYG (what you see is what you get、見た通りのものが結果に出る) の着想も彼から生まれた。いくつかの分野では、彼はソフトウェアはモードレスであるべきだという考え方の伝道者として最もよく知られていて、彼の自動車のナンバープレートには NO MODES という番号が記されていた。(モードレスなソフトウェアでは、あらゆるアクションが一貫していつでも利用可能な状態にあるはずだ。これに対してモーダルなソフトウェアではユーザーがいったん特定のモードに入ってからでないとアクションを実行できない。) 皆さんにはぜひ、New York Times と Cult of Mac の追悼記事と、Twitter 上の Chris Espinosa と Martin Haeberli による回想の言葉をお読み頂きたい。
1980 年に、Tesler は Xerox PARC の職を辞して Apple に移り、1997 年までそこで働いた。その間彼は Newton Group を率い、Apple の Chief Scientist となり、また AppleNet の副社長として Apple のインターネット戦略を開発し宣伝する仕事をした。私が彼とやり取りしたのは彼が Apple で働いていた時期の終わり近くで、当時彼も私も Net-Thinkers というプライベートなメーリングリストに参加して、Apple とインターネットに関係するさまざまの問題について議論していた。
思い返せば、物事はどうしてこうも大きく違ってしまったのだろうか。Apple の副社長がプライベートなメーリングリストに参加して自由に発言し、私のような単なるライターと会話していたのだから。(当時、TidBITS を出版する以外に、私の著書 Internet Starter Kit for Macintosh がおよそ 40 万部の売り上げを達成し、私は MacWEEK に「帝王には戦略がない」と題したコラム記事を書いて Apple の重役たちの機嫌を損ねたばかりだった。)
Larry Tesler の人物像を皆さんに感じて頂くために、ここに彼と私がその昔の 1997 年 2 月に Net-Thinkers メーリングリスト上で交わした電子メールの会話をそのまま転載したいと思う。思い返せば、それは彼が Apple を去ったよりそれほど前のことではなかった。ただ、私の電子メールのアーカイブをいくら探ししても、そのことの記録は見つからなかった。
Tesler が配置換えになるという報道について私が触れる
件名: Re: Internet changes at Apple 差出人: Adam C. Engst <ace@tidbits.com> 日付: February 21, 1997 at 1:40:50 PM EST 宛先: Multiple recipients of <net-thinkers@thumper.vmeng.com>
Tevanian のソフトウェアエンジニアリンググループは Mac OS と Rhapsody、インタラクティブメディア、そしてインターネットを含む。インタラクティブメディアグループは従来の代表 Carlos Montalvo が引き続き運営するが、新たな組み合わせとなるインターネットとエンタープライズのセクションはまだ誰がボスになるか検討中だ。
Apple の Chief Scientist である Larry Tesler は、現在 Hancock が運営している新しい Technical Office に加わった。この、元インターネット部門の帝王は、もはや Apple のインターネット製品の開発には参加していない。
興味深い動きです。そうすると、いったい誰が Apple のインターネット部門の仕事を率いていくことになるのでしょうか?
cheers... -Adam
批判されたと受け取って憤慨し、Larry が防衛的に反応する
件名: Re: Internet changes at Apple 差出人: Larry Tesler <cs@apple.com> 日付: February 22, 1997 at 5:27:47 PM EST 宛先: Multiple recipients of <net-thinkers@thumper.vmeng.com>
1997/02/22, 12:09 PM -0800, Adam C. Engst のメール:
この状況では、ネットワーキングのコミュニティーを知っている人と、インターネットのコミュニティーを知っている人との間に実際かなりの違いがあると考えてしまいます。ネットワーキングとはハイエンドの技術的なものであり、もちろんそれは素晴らしいものなのですが、現在の Apple にとってのインターネットに重要なものではありません。Apple は、電気回線にではなく、人々に集中するべきです。
報道の虚偽の記載とは違って (こんなことが起こったのは初めてだ)、今日この今もまだ、私は Apple のれっきとしたインターネット部門責任者だ。でも、皆さんの中の幾人かと同じように、私にも在職期間の終わりが近づきつつある。私が ARPAnet ユーザーになったより後に生まれたくせに、私とは狭い話題でしか会話したことがないのに、私が下してきた Apple の決断や私には権限のなかった Apple の決断についてこれっぽっちも知らないのに、私のインターネットの知識について知ったような話をする、そんな連中はもううんざりだ。
確かに、私は君や Richard Ford や Chuck Shotton がインターネットについて何を知っているかなんて知らない。でも、その反対もまた真実だ。私たちはそれぞれに、インターネットの広大さについてごく浅い理解しかしておらず、自分たちが最も興味ある部分のみについて深い理解をしている。
件名: Re: Internet changes at Apple 差出人: Adam C. Engst <ace@tidbits.com> 日付: February 22, 1997 at 7:28:42 PM EST 宛先: Multiple recipients of <net-thinkers@thumper.vmeng.com>
1997/02/22, 2:27 PM -0800, Larry Tesler のメール:
報道の虚偽の記載とは違って (こんなことが起こったのは初めてだ)、今日この今もまだ、私は Apple のれっきとしたインターネット部門責任者だ。
🙂 ありがとうございます、Larry。私はあなたがこのメーリングリストを読んでおられることを知っていますし、あなたが週末に読んでおられることも知っています。そして、あなたがインターネット部門の中心人物の地位から辞任するのではないかという報道がたとえ正しくても、あなたが今すぐ手仕舞いなさるなどと思ったことはありません。事実を言わせて頂ければ、私はあなたを批判してなどいませんし (感情に訴えた攻撃はネットにはふさわしくないです)、私が書いたことをもう一度読んで頂けば、そもそも私は何かを批判してさえいなかったことがお分かりになると思います。私はただ単に、もしも Apple が新しいインターネット部門のボスを探しているのならばどんな人を探すべきかという点について自分の意見を述べただけです。私の考えではたとえあなたがご自分の今後についてどのような決断をなさろうとも、私が述べたことは依然として事実を言い当てていると思います。(もちろん、インターネット部門のボスを終身雇用の地位にすると Apple が決断しなければの話ですが。🙂
cheers... -Adam
Larry が防衛的な態度から戻り、さらなるギーク経歴を明かす
件名: Re: Internet changes at Apple 差出人: Larry Tesler <cs@apple.com> 日付: February 23, 1997 at 3:03:26 AM EST 宛先: Multiple recipients of <net-thinkers@thumper.vmeng.com>
私は決して、ただ面白がってメーリングリストを始めた訳ではありません。いや、まあ、大体は面白かったからですが。でも、私は本当に、Apple がこのサイトをもとに収益のあがるビジネスを始めることができると考えていたのです。ところが Apple の財務業績はついにこのサイトに投資できるだけの資金を残すことができず、それについて話をしても、Apple のビジネスに寄与するところはこれっぽっちもありませんでした。話をすればインターネットの人々にもっと私を知ってもらえたかもしれませんが、でも私の職務はギーク仲間に自分自身を売ることではなくて、顧客に Mac を売ることです。ただ、この一年に私が学んだことの一つとして、後者をするためには、まず前者をすることが必要なのかもしれません。
こういうことを私に考えさせてくださり、ありがとうございます。個人的成長の場として、良い機会となりました。16 年間 Apple で働いて、51 年間この地球上にいても、まだまだたくさん学ぶことがあるということです。
実際、私は 1980 年に Apple に移って以来、仕事でコード書きをしたのはほんの少数の機会があったのみです。プログラミングをするのは主に休暇中だけで、しかもたいていの休暇中にはもっと他のことをしたいです。
“私のことはこれくらいにして”と世に言う通り、この辺で私は Net-Thinkers の皆さんのアイデアを読みつつ Apple のインターネット部門のより良い将来に考えを巡らす仕事に戻りましょう。
では、パーティーで会いましょう。
Larry
私がスレッドを畳み、議論を別の方向に向ける
件名: Re: Internet changes at Apple 差出人: Adam C. Engst <ace@tidbits.com> 日付: February 23, 1997 at 1:16:52 PM EST 宛先: Multiple recipients of <net-thinkers@thumper.vmeng.com>
Apple のインターネット部門に、(ただ単に決断を下したり、ゴーサインが出れば物事をきちんと実行したりする人がいるだけでなく) 広報担当者がいてくれたならばそれは何を意味するだろうか、と私は考えざるを得ません。私の最初の直感は、私たちが考えているようなタイプのことに当てはまらない人が担当になるならそれはあまり良くないなあ、というものでしたが、ただ、その時点でその人が経験を積んだ経営者である必要はないと思います。実際のところ、よく考え直してみれば、目に見える度合いが高く、知識の豊富な広報の人がいて、その人が Apple のインターネット関連の努力に通じていると信頼できるのなら、それは必ずしも悪いことではないでしょう。もちろん、その場合にはその人と Apple 経営陣との間にしっかりした本物のコミュニケーションが存在していなければなりません。そうでなければその人は何も意味あることをしていないと感じて、あっという間にその仕事に燃え尽きてしまうでしょうから。
BusyMac が BusyCal 3.9 をリリースして、ある時間帯だけアラームが出るのを延期できる新しい Do Not Disturb モードを追加した。また、このカレンダーユーティリティは Notification Center アラートを (長いクリックで) スヌーズするオプションを追加し、Alarm ウィンドウのデザインとレイアウトを更新してアラームの詳細情報を表示する際にスペースを有効利用できるようにし、アラームがイベントの中にクリック可能な URL リンクを表示できるようにし、複数日にわたるイベントを継続期間に応じたバナーとして表示する機能を追加し、不要なカレンダーを隠したり見えるようにしたりできるようにし、日付範囲に関する自然言語解析を改良し、アプリを切り替えてもメニューバーのクイック入力が入力されたテキストを維持できるようにした。(BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、月額 $9.99 の Setapp Mac アプリ購読サービスから利用可能、無料アップデート、22.9 MB、リリースノート、macOS 10.11+)
四半期ごとに Apple は Services ビジネス部門への依存度を増しつつあるが、Services からの収益を伸ばすことに集中するあまり、それが iOS の使い勝手に悪影響を及ぼすようになっていないだろうか? この疑問を持ち出したのが開発者 Steve Streza だ。フレッシュにインストールしたばかりの iOS 13 と新規に作成した iCloud アカウントで、彼は Apple の内蔵アプリを分析した。
Streza が見つけたのは Apple のサービス、つまり Apple Arcade、Apple Card、Apple Music、Apple News+、そして Apple TV+ の、いつ果てるとも知らない広告の集中砲火であった。「もしもこれらのサービスを購読していなければ、現在使っているアプリの中で、あるいはデフォルトでオンになっている push 通知で、ひっきりなしにその広告を見せられることになる」と Steza は語った。取り去ることのできない広告で一杯であることから、彼は iOS 13 が「アドウェア」であるとさえ言ってのけた。
私も先月このことについて記事“なぜ Apple TV は絶えず広告を出し続けるのか?”(2020 年 1 月 16 日) で、Apple がサービスに集中し過ぎてユーザーの使い勝手が悪くなっているという趣旨のことを書いた。ユーザーの使い勝手が良いことこそ長年来の Apple の強みであったことを考えれば、サービスをプッシュしようとするこの傾向は、もしもユーザーたちの気持ちをそっぽ向かせるようなことになれば思わぬしっぺ返しを食らうことになるかもしれない。