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#1514: Siri でスケジュールするなら注意を、Apple の出荷遅延、Eggtronic Power Bar、古い ScanSnap で使える ExactScan、watchOS 6.2.5

Siri を使ってイベントをスケジュールしようとしているなら、注意しよう。Adam Engst はそれが予期せぬ結果を生むことがあるのを身をもって知った。とりわけ Google Calendar が絡んでいる場合は問題だ。新しい Mac か他の Apple 製品かを急いで買おうと思っていませんか? 現在、Apple がかなりの出荷遅延を起こしていることを知っておこう。Julio Ojeda-Zapata はパワフルだが高価な Eggtronic Power Bar を使ってみる。これはバッテリーを搭載した Qi 互換な充電ステーションで iPhone、Apple Watch、AirPods、MacBook、その他のデバイスを充電できる。Apple は watchOS 6.2.5 もリリースしたが、これは主としてサウジアラビアに住む人にとって興味あるものだ。それからもう一つ、Dave Kitabjian が寄稿記事で ExactScan を使って古い Fujitsu ScanSnap スキャナーに新しい命を吹き込む方法を検討する。今週注目すべき Mac アプリのリリースは BusyCal 3.10 と BusyContacts、Logic Pro X 10.5、PDFpen と PDFpenPro 12.0.2、Pixelmator Pro 1.6.2、Microsoft Office for Mac 16.37、DEVONthink 3.5、Carbon Copy Cloner 5.1.17、それに VLC Media Player 3.0.10 だ。

Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

watchOS 6.2.5 で ECG と不整脈通知が Saudi Arabia に

Apple は watchOS 6.2.5 をリリースした。これは Saudi Arabia に焦点を当てた小さなアップデートで、ECG アプリと不整脈通知をそこのユーザーにもたらす。MacRumors は、このアップデートには新しい Pride テーマの盤面も含まれると言っている。watchOS 6 に対応しない Apple Watch モデルに対しては、Apple は特定されていない "改善とバグ修正" を含む watchOS 5.3.7 を出している。どちらのアップデートもセキュリティ修正を含んでいるので、もう出ているのだと思われるが、Apple はどちらの詳細も未だ発表していない。これは恐らく、他のオペレーティングシステムのアップデートが未だ出されていないためだと思われる。

watchOS 6.2.5 release notes

このアップデートは、Apple Watch Series 5 に対しては 168 MB で、iPhone の Watch アプリからインストール出来る:Watch > General > Software Update に行く。

我々の見方、多くの watchOS アップデートと同様、数週間待って時間に余裕がある時にインストールすべきである。現実世界で、watchOS の脆弱性が簡単につけ込まれる事態は想像し難い。

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Siri を使ってイベントを計画する時は気をつけて

私は最近、他人の貴重な時間を無駄にさせてしまったことに対して謝罪をしなければならない恥ずかしい技術的な失敗をしてしまった。私の失敗? Siri を使って Finger Lakes Runners Club の理事の二人と Zoom 通話を計画することに関してのことであるが、もう一つ、私はデフォルトのカレンダーサービスとして Google Calendar に依存していることも関係する。経緯は以下の様である。

我々は、一日の終わりに会議の時間をメールで調整したのだが、私は終わらせることにばかり気を取られ、それをその場でカレンダーに追加するのを忘れてしまった。それで、よくあることだが、次の朝、朝食を準備している最中に思い出した。その会議は数時間後だったのだが、自分を信用せず、カレンダーに入れておいて時間になったらリマンダーで知らせて貰って時間通りに Zoom 通話を始めようと思った。そこで、Apple Watch のデジタルクラウンを押して、私は Siri に、"Mickie と Gary に今日の正午に電話するようスケジュールして" と指示した。

Calendar event with a video call

Apple Watch 上の Siri は私の言った事を正しく理解したが、どの Gary なのかと聞いてきた事実についてもっと深く考えるべきであった - 私の知人には "Gary" や "Garry" という名前の人が何人かいた。私は、正しい Gary を指し示す選択肢をタップし、そして Siri が単に "Call" という題名でイベントを作成したことに多少の苛立ちをもって気づいたが、そのまま朝食の準備に戻った。私はリマインダーが来た時、"Call" は何を意味するかは判断出来るだろうと思った、本当は "Call with Mickie and Gary" と表示して欲しかったのだが。朝食の後、私は Zoom 会議の詳細をメールで Mickie と Gary に送った。

正午に、私は会議を始めた。そして1分後に Mickie が参加した。我々はちょっとの間雑談していたが、Gary は何処だろうと思い始めた。テキストメッセージを何通かやりとりした後、彼は現れたが、イライラしており、何故彼だけが Google Hangouts に 10 分間も座って待たされたのかと聞いてきた。え、Google Hangouts? 何故彼は Google に... 突然、全ては見えてきた。私は直ぐに彼の時間を無駄にさせてしまった事を詫び、そして事情を説明した。

私が電話をかけるためのカレンダーイベントを作成するために Siri を使った時、私が Mickie と Gary という名前を特定したため、Siri は賢く対応しようと、私に告げる事なく彼らをそのイベントに招待したのである。私はそんなことは望んでいなかった - このイベントは私の参考のためであって、彼らのカレンダーにも載せて欲しいと思ったからではなかった。

(これは一般的な苦情である。大きな組織で働かない者として言わせて貰うと、カレンダー招待は私を不安にさせる。それが何時送られるのか、或いはどの様に、或いは受け手がどの様に反応するのかが全く分からないからである。物書きの一人として、もし誰かをイベントに招待したい場合、私は私が制御出来る言葉を使ってやりたい。更に、私が招待を受けた場合、その招待を私が受ける、拒絶する、或いは無視することで何が起こるか私には分からない。しょっちゅう開かれる会議のために共有カレンダーに依存するグループでは招待は意味をなすであろうことは私にも想像はつくが、個人的にはこれらを完全に無能化するスイッチが欲しい。)

振り返ってみれば、Siri がこのイベントに対して招待を送った事を示すヒントは二つあった:どの "Gary" が望みなのかという問いかけと、このイベントが "Call" と題されたことである。もし私が、"今日の正午に FLRC の仲間への電話をスケジュールして" と言っていたとすれば、Siri はどんな招待も送ることは出来なかったであろうし ("FLRC 仲間" というのは私の連絡先には無い)、そしてイベントは "FLRC の仲間に電話する" との題名になっていたであろう。

この問題の二つ目の要素は、私が主たる共有カレンダーとして Google Calendar を使っているという事実に由来している。それは、息子の Tristan が高校生の時、彼の主たるコンピュータは Chromebook Pixel であったので、我々は共有カレンダーとして Google Calendar を選んだからからである。私はまた、Gmail が自動的にイベントを私のカレンダーに追加出来ることも時としてありがたいと感じていた。もっとも、それは飛行機便に関しては、とりわけそれが時間帯を跨っての場合は、紛らわしくなることもあるのだが。今や、彼は Cornell におり (従って、我々のカレンダーには余り登場しない) そして MacBook Pro を使っているので、iCloud に戻すことも可能ではある。

結果として、私が Siri を使って通話を計画した時、それは関連イベントを Google Calendar の中のカレンダーにも作成した。それ自体では、問題ではなかったはずであるが、デフォルトで、Google Calendar は自動的にビデオ通話を私が他の参加者と共に作成したイベントに追加してしまう。おっと! このデフォルトは Google Calendar の General 設定で不能に出来る;Web ブラウザで Google Calendar を見ている間に、右上隅にある歯車アイコンをクリック、Settings を選び、そして Event Settings をクリックする。

Google Calendar video call setting

従って、Gary が Google Hangouts で待っていたと言ったとたん、私は彼が、理由は何であれ、私が送ったメールではなく、そのイベント招待とその関連したリンクを見たことに気づいた。Mickie もそのイベント招待を見ていたが (そして、受諾した。私はこの記事を書くまでそのことに気づかなかった - これを私の招待苦情に追加する)、彼女はメールの方も見ていたので、Zoom を使う事を知っていた。

全ては辻褄が合う。そして、Apple や Google の様な大企業で働くプログラマーが、誰でもイベント招待を欲しいと思うであろうことは私にも理解出来る - 彼らの日々は間違いなく受諾するか拒絶するかの招待で満ち溢れているのであろうから。そして、Google Calendar チームも恐らく、招待の中でクリック一発でのビデオ通話を提供するする事で皆に役立っている思ったのであろう。少なくとも、彼らはそれを不能にする選択肢は提供している。

しかしながら、もし皆さんが私の様で、自分のカレンダーは基本的に個人的なものだとお思いなら、私が言えることは、イベントを作成するのには Siri を使わないか、それは一つの損失ではあるが、或いはイベントを作る時に連絡先の名前を絶対に言わないよう自分を訓練するかのどちらかである。それが今後私がしようとしていることである。人生は何時も勉強だ!

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Adam Engst Josh Centers  訳: 亀岡孝仁  

新しい Mac, iPad, 或いは Apple Watch が必要? 少々待たねばならないかも

もし新しい Mac, iPad, 或いは iPhone を今直ぐ買いたいとお思いなら、ほぼその場で満足感が得られるというこれ迄の想定は脇に置く準備が必要である。Amazon の1両日での Prime 出荷は現時点では守られていない事はよく知られているが ("コロナウィルス世界的感染爆発の中での買い物" 25 March 2020 参照)、理屈の上では、殆ど閉じたままとなっている直販店から在庫を回せるのではと思われるのだが、Apple も多くの製品に対する注文に応じるのに苦労している。

その理由は二つありそうだ。世界的な COVID-19 パンデミックにより生産と出荷が低下し、Apple はこれ迄の様にそのパイプラインを満たすのが困難になっている。加えて、家で仕事をしたり、勉強をしたりするのはこの先もしばらくは続きそうだと言うことがはっきりしてくるにつれ、製品の中には需要が急増するものが出てきた。大手のテック企業ですら例外ではない:Google は、内部で Mac を多用しているが新規採用者用にラップトップを確保するのが困難になっていると言う。

現在の Apple 製品の出荷見込み

今日新しい Mac を直接 Apple から注文するとすると、期待出来る受取日は次の様になる:

興味深いことに、最も時間がかかるのは 27-inch iMac である。これに対する我々の理由付けは、突然家で働くようになった Mac ユーザーにとっては、これが理想的なマシンだということである。画面は素晴らしく、性能も良いし、値段に対しても良い価値を示している。それが、ここ TidBITS においても、我々の好みの作業用 Mac である理由でもある。別の可能性としては、Apple がアップデートを予定していて、現行モデルの過剰在庫を避けるため製造パイプラインを調節しようとしていることが考えられる。

出荷の遅延を経験しているのは何も Mac に限った話ではない。iPad とそのアクセサリに対する出荷日の見通しも次の様になっている:

iPhone に関して言えば、iPhone 11, iPhone 11 Pro, そして iPhone 11 Pro Max は在庫があり、数日で届く。しかしながら、新型 iPhone SE を今日注文すると、5月下旬から6月初旬にならないと届かない。

他の多くの Apple 製品は影響を受けていない。AirPods, AirPods Pro, 或いは HomePod は数日で手に入るし、Apple TV HD, Apple TV 4K, そして iPod touch でも事情は変わらない。ダメなものを挙げると、Apple Watch Series 5 が欲しければ、6月初旬から中旬あたりを想定しなければならない。

一般的な話として、27-inch iMac と Apple Watch Series 5 を別にすれば、手に入るまでより長くかかる製品は、新しくかつ人気のある製品である。

ここは焦らずに

もし個人のユーザーなら、心配する必要はない。出荷の遅れは多少不便ではあるが、この困難な時期においては完全に理解できる話である。焦ることはないし、何処でも事態は厳しいのである。しかし、事業をしていて、家から働く従業員に用具を与えなければならない場合はとりわけ気が休まらないであろう。

この頭痛の種に加えて、殆どの Apple 小売ストアは閉じており、例えば、Smart Keyboard Folio を iPad Pro 用の新しい Magic Keyboard と比べてみることは出来ない。Apple は幾つかのストアを再開しており ("Apple、リテール店の再開計画を発表" 18 May 2020 参照)、そして 9to5Mac の Michael Steeber は、閉店している、そして再開している Apple Store を追跡してその地図を公開している。

急いで Apple 機器を手に入れたいと言う人は、他の電気店も見てみるべきである。例えば、Best BuyB&H Photo は、幾つかの構成の 27-inch iMac を在庫しているし、我々の旧友である Small Dog Electronics も同様である。加えて、米国の多くの地域では、カーブサイドピックアップに対応する独立の Apple 再販店が開いている所もある - Apple は、近くの店が何処になるかを教えてくれるロケーターを公開している。Apple Premier Partner を示す Premier タグを探すこと。何故ならば、多くの店は iPhone だけを売る携帯事業者だからである。

Small Dog Electronics in Key West

全地球があらゆる形の問題に直面している時、Apple 製品の出荷が少し遅れていることは最悪の事態からは程遠いとは言えるが、自らの期待値を見直す必要はあるかもしれない。

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Julio Ojeda-Zapata  訳: Mark Nagata   

Eggtronic の Power Bar があらゆる Apple デバイスを充電

自宅にいようと外出中であろうと、MacBook と、iPhone と、iPad と、その上 Apple Watch にも、それぞれ別々の充電器を使わなければならないのは面倒だ。一つの充電器で複数のデバイスを充電できれば楽なのにと思う。それを実現するために出される製品は多くの場合パワーバンクと呼ばれる。これは基本的に、大型の携帯可能バッテリーに Apple 機器と繋ぐためのいろいろなポートが設けられたものだ。それに加えて、もしもそのパワーバンクがワイヤレス充電パッドとしても使えれば、なお嬉しいではないか!

そのようなタイプの複数デバイス充電器の一つを、私は最近テストしている。Eggtronic の新製品 Power Bar だ。これは Apple のあらゆるモバイル機器に対応している。白いレンガ状の外見で、パワーバンクとして MacBook や iPad を電源コードを通じて充電する。それに加えてワイヤレス Qi 充電ステーションとしても使え、iPhone や Qi 対応 AirPod バッテリーケースを置く場所が 2 つある。そして最後に、Apple Watch を充電する場所も設けられている。

The Eggtronic Power Bar with an Apple Watch, iPhone, and AirPods case

この Power Bar は高い目標を持つが、価格も高くて $150 もする。いくつか欠けている機能や具合の悪い側面もあって目標に達していない感もあるが、全体的に私は良い印象を受けている。

ワイヤード充電

片方の端に、Power Bar は多目的の USB-C ポートを設けていて 30W Power Delivery を提供し、ラップトップ機やその他のデバイスを充電できる。ただし、それに対応した電源コードを用意しておく必要がある。MacBook や最近の機種の iPad Pro を充電するための USB-C to USB-C ケーブルと、iPhone、iPod Touch、あるいは旧型の iPad を充電するための USB-C to Lightning ケーブルは Power Bar に付属している。

The Power Bar charing a MacBook

USB-C ポートの左側に小さな 3 つの青いライトがあって、バッテリーの残量がどの程度あるかを示す。ポートのすぐ右に電源ボタンがあるが、どうやらワイヤードの充電を開始するためには電源ボタンを使う必要がないようだ。

The Power Bar's battery indicator

Power Bar の 10,000 mAh バッテリーはある程度までしか保たない。私がテストした限りでは (それぞれのデバイスを空の状態からスタートしてテストした)、2020 年型 MacBook Air を 55% まで、2020 年型 12.9 インチ iPad Pro ならば 74% まで、2018 年型 11 インチ iPad Pro は 96% までしか充電できなかった。iPhone については、少なくとも 2 回か 3 回はフル充電できた。

ポートが一つしかないのは不満だ。USB-C しかないのも困る。パワーバンクは普通 USB-C ポートと USB-A ポートをいくつか組み合わせているものだろう。

Power Bar 自体はかなり高速で充電できる。これは Power Delivery テクノロジーのお陰だ。ただしそのためには十分にしっかりしたアダプタを使う必要がある。困ったことに、アダプタは付属していない。どうやら Eggtronic はあなたの Apple 製品に付属していたアダプタを使うことを前提としているようだが (30W またはそれ以上を推奨)、Eggtronic からも 30W 充電器が別売されていて追加の $29.99 がかかる。

ワイヤレス充電

パワーバンクにワイヤレス充電機能を統合した製品は Power Bar だけでなく他にも数多くあるが、細かな奇妙な点はいくつかあるものの、私がこれまで見た中でこれが最高だと言える。

Power Bar 上面に 2 か所ある iPhone および AirPod ケース用の充電スポットにはグレイの Qi ロゴが示され、デバイスを揃えて置くための役に立つ。ワイヤレス充電を開始するためにはさきほど述べた電源ボタンを押す必要がある。長押しせずに素早くタップしよう。青いバッテリー残量表示ライトの横に緑色のライトが 2 つあって、充電が始まると点滅する。

Power Bar with AirPods

この 2 基の Qi パッドは iPhone のワイヤレス充電で可能な限り最速の 7.5W で動作する。ただし Eggtronic の説明書には警告が載っていて「2 台の Pro モデルを同時に充電することは保証の限りではありません」という。これは iPhone 11 Pro のことを言っているようだ。

Qi 充電機能があるということは、Power Bar が単なるモバイル製品ではなくて、他の Qi パッドと同じように自宅でデバイスを充電する目的に使うことも十分に意図しているという意味だろう。壁のコンセントに差し込んでおけばバッテリー残量の心配も要らない。けれども MacBook の充電については話が違う。第二のパススルー USB-C ポートが設けられていないからだ。

Watch の充電

さて、Power Bar 上面には 3 つ目の充電スポットもあり、これは標準的な Apple Watch 充電用パックだ。バンドによってはパックと Apple Watch の間の磁力リンクが物理的に妨げられることがあるので、Eggtronic は少々不格好な回避策を採用した。指の爪先をパックの縁の下に差し込んで、パックを上へ引き出さなければならないのだ。引き出されたパックはカチリと定位置に収まり、どんな種類のバンドが付いていても Apple Watch を乗せられるようになる。(私の Apple Watch Series 4 は Nike Sports Band を付けているが、パックを下げたままでも問題なく充電できた。)

Power Bar watch puck

Apple Watch の充電を開始する際にも、すぐに始まらなければ電源ボタンをタップする必要があるかもしれない。この点に関しては、Power Bar の挙動が少々首尾一貫せず紛らわしい印象を受けた。

結論

この Power Bar はある意味妥協の産物だ。MacBook や iPad Pro のバッテリーに電気を供給することはできるけれども、ノートブックグレードのパワーバンクと言えるレベルのパワフルさはない。その種の目的には Eggtronic の Laptop Universal Power Bank の方が適している。こちらには追加のポートもあり、しかも価格はたったの $89.90 だ。

Power Bar はその埋め合わせとして、ワイヤードとワイヤレス双方の接続を使って幅広い種類の Apple 機器を充電できるので、家庭でも旅行先でも多目的の必携品と言える。ラップトップ機を部分的に充電できるのはボーナス機能と考えるべきで、いざという時に使うために限るのがよいだろう。

私としては、Power Bar が第二の USB-C または USB-A ポートを備えていてくれたらなあと思う。それにまた、Apple Watch 充電用パックはボタンを押せばせり上がるようにして欲しい。それでも、私はこれを結構気に入っているので皆さんにお薦めしたい。ちょっと変なところもあって価格はかなり高いが、機能はしっかりしたものを提供している。

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Dave Kitabjian  訳: Mark Nagata   

ExactScan は待ちに待った ScanSnap 代替製品となるか

もう何年も前のこと、Fujitsu ScanSnap スキャナーはペーパーレスへの移行の作業を簡略化できるものとして大人気となった。ユーザー・フレンドリーなハードウェアと、独特なやり方でシンプルに味付けされたスキャン用ソフトウェアの組み合わせが、機能豊富でパーソナライズされたスキャン作業のワークフローから面倒な仕事を取り去ってくれたからだ。

けれども私たちの多くが今もなお使っているこの旧世代のスキャナーを支える秘密の立役者であった魔法のようなそのデスクトップソフトウェア、ScanSnap Manager は 32-bit ソフトウェアであって、従って macOS 10.15 Catalina とは互換でない。そこで、まだまだ完璧に機能する古い ScanSnap スキャナーを持っている人たちは、新しいスキャナーを買うか、それとも macOS 10.14 Mojave を使い続けるかという、難しい二者択一を迫られることとなった。

いや待て、まだもう一つ解決策がある。サードパーティのスキャナー用ソフトウェアだ。その種の製品の一つに Hamrick Software の VueScan Professional があって、去年私はこの製品を詳しくレビューした。(2019 年 12 月 2 日の記事“VueScan: あなたが願っていた ScanSnap 代替品とは言えない”参照。)

この製品は極めて有能で、効果的に使えている人たちもどうやら多くいるらしい。けれども VueScan Professional は ScanSnap Manager を使う快適な体験とは似ても似つかないもので、さまざまな問題点もあり、私はそれらについて記事で詳しく述べた。

ところがここに、さらにもう一つ新たな挑戦者が登場した。ExactCODE の ExactScan Pro だ。はたしてこれは ScanSnap Manager の代替製品として使えるものと言えるだろうか? それをこれから検討してみたい。

ExactScan には 3 種類の製品がある。基本版は $79.99、それに OCR 機能を加えて検索可能な PDF の作成やその他の機能も追加した Pro 版が $99.99、さらに高速スキャナーにも対応した Enterprise 版が $297.50 だ。そのうちで ExactScan Pro が機能的に最適で、ScanSnap Manager や VueScan Professional に最も近いものなので、今回のレビューではこの ExactScan Pro に絞って検討することにしよう。

スキャナーとの互換性

ExactScan Pro は幅広い種類のスキャナーに対応しているが、購入する前に必ず互換性ページを見て、あなたが持っているスキャナーに対応していることを確認しておこう。そこには多数の ScanSnap スキャナーも含まれており、私が持っていて前回のテストでも使った人気モデルの S1300 も対応機種だ。

あなたのスキャナーが互換リストにあれば、早速 ExactScan のダウンロードページへ行って 14 日間無料の試用版を入手しよう。試用期間中にはスキャンしたページの一番上のところに小さいけれどもよく目立つ赤いバナーが付くが、それ以外の点でこのソフトウェアはフル機能する。

インストール、インターフェイス、プロファイル

よくある通りに Applications フォルダの中へドラッグ&ドロップした後で ExactScan Pro を起動すると、他のアプリケーションの中からのスキャンを許すための TWAIN Bridge をインストールするようにと促してくる。私はインストールすることにしたが、以下のレビューでは ExactScan Pro の中からのスキャンのみを扱う。

起動を終えれば、ExactScan Pro は次のようなインターフェイスを呈示する:

ExactScan Pro interface

VueScan では Basic、Standard、Advanced のレベルに分かれていてユーザーインターフェイスがとても複雑だったが、ExactScan Pro ではあらゆる機能がいつでも手に届くところにある。一連のタブの影に隠れて整理されてはいるけれども、全体的なレイアウトは VueScan のものに比べて分かりやすくで混乱の度が少ない。

VueScan のプロファイル管理は何となく後付けで追加したかのような印象を与えたが、ExactScan Pro はワークフローをユーザー体験の中心に据えて、メインウィンドウの左側のパネルの中でプロファイル管理のサイドバーを丸ごと提供する。このプロファイルのインターフェイスは Apple の設計ガイドラインに従っているので、あなたが施した変更はプロファイルが自動的に保存する。さらに嬉しいことに、Dock にあるアプリのアイコンを Control-クリックすればすべてのプロファイルにアクセスできる。私は ScanSnap Manager を使っていてこのシンプルな機能に大いに助けられた。いちいち ExactScan Pro のメインのユーザーインターフェイスに入らずとも素早くスキャンができるからだ。

ExactScan Pro にはさまざまの定義済みプロファイルが付属している。これらは、異なるワークフローの中のさまざまな設定をどのように使いこなすかを学べる実例としての役割も果たす。

最重要な機能は期待通りに働く

ScanSnap Manager や VueScan Professional と同様に、ExactScan Pro も今やパワーユーザーたちが期待するに至った機能のすべてを備えている。具体的には:

ExactScan Pro を使って、私は自分のワークフローに必要なものを ScanSnap Manager でやっていたように再現することができたので、これは使い物になる ScanSnap Manager の代替製品が手に入った。ようやく!

ExactScan Pro は ScanSnap Manager になかった他のオプションも提供する。そのうちいくつかは便利かもしれないと思うが、残りの多くは私にはたぶん無用のものだろう。例えば、ExactScan Pro には (VueScan Professional もそうだが) スキャナーに紙を差し込めば自動的にスキャンを始める機能もある。もしもあらかじめプロファイルを選択しておくことを忘れなかったなら、この機能はかなり便利だろうと思うのだが。

さらにまた、ExactScan Pro では後処理フィルターも設定することができる。例えば Brightness、Contrast、Gamma の調整もできる。これらのフィルターはすべてのスキャンに適用されるのだが、例えばたくさんの写真があってすべてが同一の編集の必要を有していたならばそういう機能も便利なことだろう。より高性能の写真編集ソフトウェアは一般的にそういった感じのバッチ調整の機能を提供しているけれども、Apple の Photos は提供しておらず、Photos ユーザーにとって ExactScan Pro のこの機能が魅力的になる可能性はあるだろう。

奇妙な挙動と特異性

ExactScan Pro は公表通りの動作をしたし、私の ScanSnap S1300 を使えるようにしてくれはしたけれども、VueScan Professional で経験したのと同様に、ScanSnap Manager で見たこともなかった奇妙な挙動に驚かされることもあった。だからと言って交渉決裂の原因となるほどではないが、非常に便利で機能的ではあるものの ExactScan Pro はやはりまだ ScanSnap Manager の域には達していないと思わされた。

これから述べるいくつかの事例を、私はすべて ExactCODE の担当者に報告しておいたし、時には直接この会社のサポートチームに報告したこともある。彼らは概して早い反応を示してくれたが、私の報告の多くはエッジケースとして片付けられてしまった。(なぜそうなのかについて詳しくは記事へのコメントをご覧頂きたい。)

トリミングと傾き修正でびっくり仰天

ExactScan Pro はトリミングと傾き修正の機能を Media Detection ポップアップメニューに組み込んでいる。このメニューを None に設定しておくと、白い背景であったはずの私のテスト用書類が、何らかの色に染まって仕上がることになる。色あせた感じではあるが、本来の色の白ではない。

ExactScan background color
Media Detection がに設定されていると背景が白くならない。(いや、これは私の年金書類ではない!)

Media Detection を Auto Crop and Deskew に切り替えるとその背景色がなくなる。本来の書類と同じ白に限りなく近いのが見て取れる。トリミングや傾き修正と何の関係もないはずだが、なぜかそうなっているように見えて、そのこと自体が厄介な問題だ。

ExactScan white background
Media Detection を Auto Crop and Deskew にすると背景が本来の白になる。

奇妙なことに、私が初めて Auto Crop and Deskew のオプションを選んだ際に、初めてスキャンしたページがひどく歪んでしまった。紙は真っ直ぐに差し込んだのだが。けれどもこの挙動は例外的なものだった。ExactScan Pro はたいていの場合正しく動作したのだが、それでも一度限りの問題という訳でもなかった。ExactScan Pro には "De-skew based on page content" というチェックボックスがあって、これをチェックすると時には事態が好転したが、時には悪化することもあった。

いずれにしても ScanSnap Manager は、私の知る限りいつでも正しく動作した。だから、私はこうやって ExactScan Pro を使っていて何となくフラストレーションを感じざるを得ない。

JPEG を印刷できない

私が気付いたもう一つの風変わりな問題は、これは再現可能な問題だが、スキャンのフォーマットを JPEG に設定した状態で Print With チェックボックスでスキャンをプリンターへ送るように設定すると、「書類から印刷のためのページが選択されませんでした」というメッセージが出る。けれどもフォーマットを PDF に設定すると、問題なく印刷される。

JPEG print bug

私はこの問題を ExactCODE のサポートチームに提起して、JPEG の印刷ができないのならば、少なくともインターフェイスの検証を使ってユーザーに JPEG と Print の組み合わせを選ばせないようにするべきではないかと提案した。彼らはこれをエッジケースだとして却下した。

スキャンした JPEG ごとに別々の電子メールを作成

理想的でない点がもう一つある。それは、JPEG としてスキャンし Open With を Mail を使って開くように設定した一連の写真を ExactScan Pro が扱う際の挙動だ。多数の写真をスキャンしてそれを一通の電子メールメッセージに添付したい場合にはそうするだろう。スキャンされた写真が全部まとめて一通の電子メールメッセージに添付されるものだと私は思っていた。ところが、おそらく ExactScan Pro が個々の写真の両面をそれぞれ別々の JPEG ファイルにしたためなのだろうか、一つ一つの JPEG をそれぞれ別々の電子メールメッセージに添付してしまった。

それから私は ExactScan Pro の Preferences ウィンドウの奥深くに隠されたチェックボックスに "Merge files in one batch" (一つのバッチのファイルを統合) というものがあることに気付いた。残念ながら、これにチェックを入れても結果は変わらなかった。

幸いにも、印刷の場合と同様、スキャンのフォーマットを PDF にすれば期待通りの挙動になった。こうすると複数ページの PDF が作成され、その一つのファイルが一つの電子メールメッセージに添付された。

結論: Catalina へ踏み出すか?

こうした特異な点にはイライラさせられるけれども、問題は簡単に回避できるものだし、全体的に見れば ExactScan Pro は非常に有用なスキャンのための解決策だと私は思った。一番重要なのは、ScanSnap S1300 が使えなくなる事態に陥ることなく Catalina にアップグレードできる日がようやく訪れたのかもしれないということだ。

手間要らずの、すべてが期待通りに働く ScanSnap Manager 体験に手が届かなくなるのは残念だが、私はようやく ExactScan Pro が私を一歩前進させられるだけの良さを備えた代替ソフトウェアだと感じるようになった。決して安価な製品ではないが、新しいスキャナーを購入するよりは安い。(それに環境にも優しい。) 皆さんももしもこれを試してみられたら、皆さんがどんな結論に至ったか、ExactScan が Catalina へ進むためのチケットとなったかどうかを、どうぞコメントでお知らせ願いたい!

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

BusyCal 3.10 and BusyContacts 1.4.6

BusyCal 3.10 と BusyContacts 1.4.6

BusyMac が BusyCal 3.10BusyContacts 1.4.5 をリリースして、これらの個人情報管理ユーティリティに拡張とバグ修正を加えた。BusyCal は今回から、ミーティングの招待を受けるとイベントにデフォルトのアラームを追加するようになり、サードパーティの CalDAV サーバへの対応を改善し、週間および月間の表示でバナーを表示する際に改行を無視するようにし、Zoom ミーティング情報のあるイベントで壊れた "Join Zoom" リンクを修正し、切り離されたイベントを作成する際に稀に起こったクラッシュを修正している。

BusyContacts は部分的に入力された電話番号の検索を改良し、連絡先をカットする際に確認プロンプトが誤って表示されることがあったバグを修正し、バックグラウンドで同期が進行中に連絡先を更新するとカーソルがノートの末尾に移動してしまった問題に対処している。

BusyCal と BusyContacts の双方とも、Mail が電子メールを正しく作成しないことがあったバグを修正し、macOS 10.14 Mojave やそれ以前で添付ファイル付き電子メールの送信の際に時々起こった問題を解消し、AirMail をデフォルトの電子メールクライアントとしている場合の VCF ファイルの添付を修正した。BusyCalBusyContacts の双方とも月額 $9.99 の Setapp 購読サービスに含まれている。(BusyCal は BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、22.9 MB、リリースノート、macOS 10.11+。BusyContacts は BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、13.1 MB、リリースノート、macOS 10.11+)

BusyCal 3.10 と BusyContacts 1.4.6 の使用体験を話し合おう

Logic Pro X 10.5

Logic Pro X 10.5

Apple が Logic Pro X 10.5 をリリースした。このプロフェッショナル向けオーディオアプリへのメジャーなアップデートで、プロフェッショナル版の Live Loops を追加し、サンプリングのワークフローを設計し直している。Live Loops 機能を使えば、ループ、サンプル、あるいは録音したものを使いグリッドの中でセルを配置したりトリガしたりして音楽を新しい自由造形で非線形な手法で作成できる。また、iPad や iPhone の上で無料の Logic Remote アプリを使って、Multi-Touch ジェスチャーを通じて Live Loops や Remix FX を実行できる。

Sampler のデザインが更新されてシンセシス、マッピング、ゾーン編集がシングルウィンドウのインターフェイスの中でできるようになり、サウンド成形のコントロールがドラッグ&ドロップを用いて拡張された。新しい Quick Sampler 機能でサウンドを Logic 内部から、Finder から、Voice Memos から、あるいは Quick Sampler に直接録音して取り込み、それにトリミングやループを施したり、読み込んだサンプルをキーボードコントローラで再生したりできる。

Logic Pro X 10.5 ではまた、ドラムビート、ベースライン、メロディーパートをクラシックなドラムマシンのワークフローに示唆を得たインターフェイスでプログラミングする Step Sequencer も導入された。さらに Live Loops でセルやその他の機能を動かす Novation Launchpad への対応を追加し、他のプロジェクトから Electronic Drummer トラックを読み込めるようにし、高密度ディスプレイを使うシステムで Score に音符を作成する際のパフォーマンスを改善し、さまざまの楽器やジャンルにわたる 2500 以上の新しいループを追加している。(Mac App Store から新規購入 $199.99、無料アップデート、1.0 GB、リリースノート、macOS 10.14.6+)

Logic Pro X 10.5 の使用体験を話し合おう

PDFpen and PDFpenPro 12.0.2

PDFpen と PDFpenPro 12.0.2

Smile が PDFpenPDFpenPro のバージョン 12.0.2 をリリースした。最近アップグレードされたこれらの PDF 編集アプリ (2020 年 4 月 29 日の記事“PDFpen 12 の新機能は圧縮、拡大、その他”参照) の、メンテナンス・リリースだ。今回のアップデートでは 90 度または 270 度回転されたページの OCR 位置取りを修正し、大きく手を動かしてドラッグしながらコールアウトを描き直した際の問題を解消し、Finder へドラッグした後にその場でサムをドラッグすると複製ができてしまった問題に対処し、ページ上で画像やその他のオブジェクトを動かした際のメモリリークをパッチし、書類の歪み補正処理を高速化し、書類全体を再サンプリングする際のメモリとタイミングを改善している。(新規購入 $74.95/$124.95、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、アップグレード $35、バージョン 12 からは無料アップデート、86/133 MB、macOS 10.13+)

PDFpen と PDFpenPro 12.0.2 の使用体験を話し合おう

Pixelmator Pro 1.6.2

Pixelmator Pro 1.6.2

The Pixelmator Team が画像編集アプリ Pixelmator Pro のバージョン 1.6.2 をリリースして、画像レイヤーをそのレイヤースタイル、カラー補正、エフェクト、その他の非破壊機能を保持した状態で入れ替えられるようにする Replace Image 機能 (Command-Shift-R) を追加した。今回のリリースではまた、多数のキーボードおよびマウス操作のショートカットを新設または再割り当てした。具体的には:

  • Command-I が Invert 調整から新設の Invert コマンドに割り当て直された。
  • Command-Shift-V は Finder から新規レイヤーを挿入する。
  • Command-Option-G はクリッピングマスクを作成しリリースする。
  • Command-Option-コンマ はレイヤーの可視性を切り替える。
  • Layers サイドバーショートカットメニューで Add Mask を Option-クリックすると従来のようにすべてを隠すのでなくマスクされたレイヤーの内容を見えるようにするマスクを追加する。

また、Pixelmator Pro 1.6.2 は Format > Choose Mask を使って画像からマスクを作成する機能を追加し、System Preferences で "Show scroll bars" が Always に設定されている場合にスクロールバーが常に表示されるようにし、非常に大きな書類を開く際のフリーズに対処し、PSD へ書き出す際に純白または純黒のレイヤーマスクが失われたバグを修正している。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、無料アップデート、193 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

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Microsoft Office for Mac 16.37

Microsoft Office for Mac 16.37

Microsoft が Office for Mac の月例アップデートを出して、Word、Excel、PowerPoint のバージョン 16.37 でコマンドやヘルプを検索する新しい方法を追加した。 Tell Me 機能 (ウィンドウ最上部のタブ名の右側にある電球アイコンからアクセスする) で、使いたいツールや実行したいアクションに関する語句を入力することができる。また、Excel には Excel Ideas 機能が装備され、複雑な定型句を書く必要なしに自然な言語を使ってデータに関する質問をすることができるようになった。PowerPoint はバックグラウンドでコンテンツをダウンロードすることにより大サイズのクラウドファイルを読む速度を上げ、Word では speech-to-text (Home > Dictate) を使って手を使わずタイプできるようになった。(一回限りの購入ならば $149.99、年払い講読オプションは $99.99/$69.99、Microsoft AutoUpdate 経由で無料アップデート、リリースノート、macOS 10.10+)

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DEVONthink 3.5

DEVONthink 3.5

DEVONtechnologies が DEVONthink をバージョン 3.5 に (バージョン 3.0.4 から飛んで) アップデートした。この情報管理アプリのメジャーリリースで、多数の新機能や改善があり、サイドバーの拡充、新しい自動化オプション、その他がある。Navigate サイドバーにはアクティブ・データベース・アクションが設けられ、一つのデータベースの内容だけを個別に表示することができる。(Preferences で Unify Databases を無効にしておくことが必要。) また、新しいコマンドやキーボードショートカットを使ってデータベースを切り替えたりお気に入りにアクセスしたりでき、サイドバーで複数個のグループを選ぶことでそれらを一緒に表示したり処理したりできる。

DEVONthink 3.5 はまた、複数のイベントトリガーによりスマートルールを呼び出せるようになり、ハッシュタグ、キーワード、プロパティ、ジオロケーションをタグに変換するスマートルールアクションを追加し、コードを含んだ Markdown 書類にシンタックスカラーリングを追加し、編集バーの中で書類の文字数カウントを調べられるようにし、ガラクタなしのウェブページを取り込むためのガラクタ除去サービスを改良し、音声メモ録音を改良してより互換性のあるフォーマットで録音できるようにし、PDF 注釈のアトリビュート保存を改善し、RSS フィードの処理を改善している。DEVONthink Pro 版では更新された OCR エンジンを搭載して非常に大きな PDF の処理を高速化し、シートのフォーム表示のリッチテキストフィールドにおける Dark Mode 対応を改良し、またウェブインターフェイスを更新してファイルのアップロードが楽にできるようにしている。DEVONtechnologies サイトでさらなる詳細を読むことができ、フルリリースノートはアプリの Help メニューから読める。(DEVONthink 新規購入 $99、DEVONthink Pro 新規購入 $199、DEVONthink Server 新規購入 $499、TidBITS 会員にはそれぞれ 15 パーセント割引、無料アップデート、106.5 MB、macOS 10.11.5+)

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Carbon Copy Cloner 5.1.17

Carbon Copy Cloner 5.1.17

Bombich Software が Carbon Copy Cloner 5.1.17 をリリースして、メニューバーアプリケーションを使ってのタスク作成にさらなる一貫性がもたらされた。このドライブクローン作成およびバックアップ用ユーティリティはまた、macOS 10.15.4 Catalina で導入された論理の小さな変更が Preboot ヘルパーボリュームをアーカイブする際にエラーに至る可能性があった問題に対処し、タスクの中で厳密なボリューム識別を無効にしていた際に起こったユーザーインターフェイスのバグを修正し、回転する起動ディスクでスナップショットを削除できなかったと CCC が報告していた問題を解消し、アンマウントされたディスクイメージが接続されたままでもサイドバーにリストされないようにし、大文字小文字によるコンフリクトを探している間に CCC のファイルコピーツールで起こることがあったクラッシュを修正している。(新規購入 $39.99、無料アップデート、14.5 MB、 リリースノート、macOS 10.10+)

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VLC Media Player 3.0.10

VLC Media Player 3.0.10

VideoLAN がオープンソースの VLC メディアプレイヤーをバージョン 3.0.10 にアップデートして、macOS 10.15 Catalina 対応を改善するとともに、macOS のビデオレンダリングのための修正を施した。今回のリリースでは 10.14 Mojave かそれ以降でレイヤーベースのビデオ出力を使うようになり、サイズに関係した不具合を解消するとともに、専用の Nvidia GPU を搭載した Mac での OpenGL の問題点を回避した。VLC 3.0.10 ではまた Catalina での Apple Remote 対応を修正し、Apple Music の一時停止への対応を追加し、アクティブなネットワークインターフェイスなしの UPnP discovery クラッシュを修正し、オーディオ出力がデジタルモードで最後に使ったデバイス構成を記憶することに関係した問題点を解消している。(無料、49.4 MB、リリースノート、macOS 10.7+)

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ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

Adobe Acrobat Reader の欠陥、Mac が乗っ取られる恐れあり

もし Adobe Acrobat Reader を使っているなら、Help > Check for Updates を選んでアップデートしておこう。Tencent Security Xuanwu Lab のセキュリティ研究者 Yuebin Sun が複数個の脆弱性を発見して、その中にはローカルな攻撃者が Mac への root アクセスを得てしまう危険を含むものもあるからだ。幸いにも、Adobe は最新バージョンの Acrobat Reader でこれらの脆弱性を修正済みだ

大多数の Mac ユーザーには Acrobat Reader を使う必要があるとは思えない。macOS 内蔵の Preview アプリの方が軽量で高速だからだ。(Adam Engst と私は共同執筆した本 Take Control of Preview を macOS 10.15 Catalina 用にアップデートした無料改訂版をもうすぐリリースするところだ。) Preview にできる範囲を超えた PDF の作成や操作のためには、Smile の PDFpenPDFpenPro をお薦めしたい。Acrobat Reader を使うべき理由として主要なものは、Preview にも PDFpen にも処理できないほど複雑な、あるいは不正な形式の PDF に頻繁に遭遇するような状況だろう。

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濡れたラップトップを米に埋めてはいけない! iFixit からのより良い助言

ラップトップ機やその他のデバイスに飲み物をこぼしてしまったらどうすればよいか? この COVID-19 パンデミックの中で多くの人たちが自宅で仕事をしているので、修理サイト iFixit にはその種の質問が多く寄せられるようになってきた。そこで iFixit の Kevin Purdy が、ラップトップ機が濡れてしまったら何をすべきかについて、はっきりした助言を述べる。彼の記事を今すぐ読まないとしても、事故が起こった際のための参照先として控えておこう。

最も重要なのは、デバイスを米の中へ埋めなさいという昔のデマ話を信じないことだ。湿気を吸い出す役には立たないし、もっと大きな問題を引き起こしかねない。何より、あなたの貴重な時間を空費してしまう。iPad Rehab の Jessa Jones が、米がどれほど役に立たないかを示したビデオまで出している。

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Apple、リテール店の再開計画を発表

Apple は今年、大多数の実店舗を休業するという前例のない一歩を踏み出した。(2020 年 3 月 14 日の記事“COVID-19 に対応して Apple は中国以外の全ての店舗を休業”参照。) そして今、Apple はそのうち 100 店舗近くを再開し、Apple の Apple Retail + People 担当 Senior Vice President の Deirdre O'Brien が公開書簡を発表して、開店に伴う Apple の予防措置のあらましを述べた。開店は近隣の COVID-19 蔓延、短期および長期の傾向、地方および国の機関による勧告を評価した後にのみ実行される。Apple は同時に入店できる人の数を制限し、従業員にも顧客にもマスクの着用を義務付ける。Apple は必要とする顧客にマスクを提供し、入り口で体温チェックも実施する。他の小売店で見られたよりは理解ある態度を Apple の顧客たちが示すことを願いたいものだ。

Customers wearing masks in the Apple Store

O'Brien は Apple がこれまで Genius Bar のみで実施していた1対1の個別サービスを店内全てで実施するように方針を改めると述べた。現時点では私たちもまだすぐに Apple Store に立ち寄る気にはならないが、もしもお持ちの製品が壊れたら、Genius Bar に行くのが素早く修理してもらえるための最良の道かもしれない。Apple は Find a Store ツールを使って近隣の店舗が開店しているかどうか確かめることを勧めているが、Michael Steeber の Apple Store 再開状況 Google Map の方が便利かもしれない。

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