異常にニュースの詰まった年の、異常にニュースの詰まった四半期投資家電話会見で、Apple CEO Tim Cook は、故人となった公民権運動の指導者であり下院議員でもあった John Lewis への弔意を述べ、そして、人種平等プログラム ("Apple、歴史的黒人大学との提携を拡張" 17 July 2020 参照) 及び Apple の目標である 2030 年迄に完全にカーボンニュートラルとなることへのサポートを誓い、それから、次期 iPhone は通常の9月の発売よりも "数週間遅れて" 到着することになるであろうことを明かにした。これら全ては、驚きの記録破りの四半期業績と株式分割に加えてのことであった。
同社の売上増加は、全ての販売地域と全ての製品部門に渡っている。"不確実な環境下で、Apple は歴史的業績となる四半期を持てた" と Apple CEO Tim Cook は言った。
皆さんは、米国の GDP が三分の一近くも縮小し、Apple も世界中で店を閉めなけらばならない状況下で、Apple がどの様にしてこれ程うまくやれたのかと思われるかも知れない。理由は幾つかある:経済刺激策により人々の懐にはより多くのお金が行き渡った、突然自宅から働いたり勉強したりしなければならなくなった人達は新しい機器を必要とした、そして Apple Music や Apple TV+ の様な娯楽製品を欲したことである。Apple はまた、出張や会議の減少で経費の節減にもなったと言っていた。
家で仕事をする専門家や学生用のコンピュータに対する需要が Mac の売上げを $7 billion に押し上げ、昨年の $5.8 billion からほぼ 22% の増収となった。Apple にこれらの素晴らしい Mac 販売をもたらす手助けとなったのは、3月後半の新型 MacBook Air、そして5月の MacBook Pro のリリースである。Apple は Mac 販売で、これ迄で最高の四半期販売を Japan で、6月四半期での最高を Americas と Greater Europe で記録している。
Apple はこれ迄 Apple シリコンを搭載した最初の Mac を今年末前には出荷すると言っていたが、Cook もそれを再確認した。Apple は何故 Mac の Intel チップを切り替えるのかと尋ねられた時、Cook は Apple シリコンは "我々が製品の中で出来る興味深いもの与えてくれる;言ってみれば、もう一つの革新の波を解き放ってくれる" と表現した。Cook が将来 Apple は Apple シリコンを他社にライセンスすることを考えるか聞かれた時の答えは、皆さんには想像がつくであろう:彼はその技術をライセンスすることを完全に除外することは拒絶したが、彼曰く、"我々は物作りの会社であり、我々は全てを作りたいと思っている。その理由は、その様にすることでユーザー経験を所有出来るからである。"
Cook は、Mac と iPad の急成長の多くは在宅命令のお陰だと言える、より多くの人が家から働きそして遠隔学習や在宅教育をしたと言ったが、一方で、在宅命令は、Apple Store の閉鎖と相俟って、iPhone や Wearables には反対の影響があったとも言った。それでも、どちらもしっかりした四半期実績を残した。
Services
Services の売上げは、ほぼ 15% 伸び、昨年の $11.45 billion に対して $13.2 billion となった。Cook は、その成長を Apple Music や Apple TV+ の様な娯楽サービスに対する記録的な興味のお陰だとし、更に時間を取って Tom Hanks の映画 Greyhound のストリーミングの成功やノミネートされていた Apple TV+ プログラムから数多くの Emmy 賞を受賞したことを自慢した。そして勿論、Apple Card の成功も忘れることは出来ない。"Apple Card を所有している人の数には満足している" と Cook は言い、更に、これはクレジットカード史上最速の展開だと信じていると付け加えた。驚くべきことに、Apple は 2016 会計年度の Services 売上げを倍増する目標を予定より半年早く達成した。
Apple の四半期業績は驚く程良いものであったが、世界経済の混乱と多くの場所で制御不能に拡大するパンデミックの元で、同社は近い将来多くの課題に直面している。不確実な経済情勢を理由に、Apple は次期四半期に対する詳細な予測を提供するのを再度辞退した。提供された断片的な情報は功罪半ばしたものであった:Cook は、iPhone の最近の販売状況は余り変わらないであろうと言ったが、新たな Apple TV+ 番組の制作は遅延されており、再開時期の見通しは立っていないとも言った。
いずれにしろ、現在の経済環境下での Apple の業績は息をのむものであり、そして変化する環境に素早く適応するその能力は素晴らしいものであった。次期四半期の業績は現時点では誰にも分からないことであるが、この伝説の果物会社が再度、今年のレモン (余り役に立たないもの) の記録となる収穫からおいしいレモネード (役に立つもの) を作り出しても我々は余り驚かないであろう。
29 July 2020 に、Jeff Bezos (Amazon), Tim Cook (Apple), Sundar Pichai (Alphabet/Google), そして Mark Zuckerberg (Facebook) の CEO 達は、表面的にはビッグテックに対する反トラスト懸念についてのヒアリングのために House Judiciary Committee (下院司法委員会) の前に(仮想的に)座った。しかしながら、この5時間以上に及ぶ出し物は、ほぼ直ぐに不満をぶちまける茶番と化した。下院議員達はビッグテックの CEO 達に対し、弱小のウェブサイトからコンテンツを盗み市場から弱小の競争相手を排除することから、保守的な見方や公然とした背信までをも検閲していることまでに及ぶ非難を投げかけた。The Washington Post の Heather Kelly はいみじくも言った:"彼らは血を求めていた。"
始めに、4人の CEO は一人ずつ長い冒頭発言を行った。それら全てはヒアリングの前に PDF で公開されていた。Politico は、これらの PDF を一つの Web ページにまとめる下働きをしてくれていた。Daring Fireball の John Gruber は分析と Cook の冒頭発言の分析を掲載した。Rob Pegoraro はこの4人の発言に対する彼の分析を Forbes に書き、Cook の発言に照準を合わせ次の様に言った、それは "あからさまなもう一つの事実を提供するのに匹敵する"。(もう一つの真実とは、勿論のこと、嘘に対する今日の婉曲的な言い回しである。)
Cook は比較的簡単に逃げられた。聞かれた質問は数えられる程しかなかった - the New York Times は、彼が受けた質問は他の人より遙かに少なかったことを報じている。しかしながら、Apple はそれでも幾つかの攻撃を受けた。例えば、召喚されたメールに関係してである。このメールの中で Eddy Cue は、出版社 Random House からのアプリを拒絶することがその出版社が最終的には (当時の) iBookstore に参加することにつながったとはっきりと言っていた。我々はこの先、Apple に対する非難と、そして Apple の反応についてもっと取り上げるつもりだ。.
The Verge の Adi Robertson がこのヒアリングの概要をよく纏めている。そこでは、鍵となるやり取りがすっきりした小さな箱の中に要約されている。
読む価値があると言える出版物はすべて、スタイルガイドを持っている。スタイルガイドとは、コンテンツ作成の作業の手引きとなり正確さと一貫性を保障するための、一連のルールだ。ただ、スタイルガイドが通常階層的に適用されていることを知らない人は多いだろう。TidBITS においては、綴り、句読点、または大文字か小文字かなどの問題が生じる度に、私たちはまず社内用のスタイルガイドを見るようにしている。もし過去に社内でスタイルのルールを確立する必要を感じていなかった場合には、次に Apple Style Guide を見ている。そして Apple が答えていない疑問、少なくとも私たちに満足がゆく程度には答えていない疑問については、私たちは The Chicago Manual of Style を参照する。そのどれからも助言が得られなければ、あるいは助言に私たちが同意できない場合には、私たち自身の手でその話題について調べてみた上で、ルールを考え出して、それを TidBITS スタイルガイドに追加している。(申し訳ないが TidBITS スタイルガイド書類を公開することはしない。これまで何十年間も TidBITS と Take Control で使い続けてきて有機的な進化を遂げているので、公開のためにクリーンアップする手間がかかり過ぎるだろうからだ。)
すべてのコンテンツが含まれてはいるけれども、Books アプリがページ単位でブラウズすること、検索が遅いこと、まるで隠れん坊のようなインターフェイスもあり、参照用の本としてやり取りしようとするとフラストレーションが溜まる一方だ。例えば目次を見るというだけの単純なことでさえ、タイトルバーの上にマウスを持ってきていつもは隠れているコントロールを出し、それから Table of Contents ボタンをクリックするという手間がかかる。
ウェブ上の Apple Style Guide
ウェブ版の Apple Style Guide は電子ブック版に比べてはっきりと使いやすい。それに、項目への内的リンクが見つかれば、それを外的にリンクすることもできる。例えばさきほど私は「Apple Books からダウンロードして Books アプリで読む」と書いたが、あれは正しい表現だったのか?
Apple の電子ブックアプリを考える際に未だに真っ先に私の頭に浮かぶ名前は iBooks だが、その項目を見ると、代わりに "Apple Books" を使いなさいと書いてある。結構なことだが、「Apple Books からダウンロードして Apple Books で読む」と書くのは具合が悪い。幸いにも、Apple Books のところを見るとその代わりに "Books" あるいは "the Books app" を使っても構わないとある。いずれにしても私はそうするつもりだった。なぜなら、私のドライブ上にある実際のアプリの名前は "Books" であって "Apple Books" ではないからだ。ただ、Apple が私の直感を追認してくれたのは良いことだ。
Apple がウェブ上のスタイルガイドの項目へのリンクをもっと楽に作れるようにしてくれたらありがたいのにと思う。私の知る限り、Safari の中でそれをするには項目を Control-クリックして、Inspect Element (要素の詳細を表示) を選び、Web Inspector からそれに付随する element ID をコピーして、それから sub query パラメータを持つ頭文字の URL の中に手でそれを組み込むしかない。
私がこれまで電子ブック版のスタイルガイドで気付いていなかったことがもう一つある。おそらくその理由は私がスタイルガイドを開くとすぐに検索を走らせていたからだろうが、Apple が冒頭のところに Changes to the Guide セクションを含めていることだ。このセクションは本当に素晴らしく、 Apple が新しいテクノロジーについてどう考えているか、世界のイベントについてどう反応しようとしているかが見て取れる。
例えば 2020 年 7 月のアップデートで、Apple が民族性や文化的アイデンティティを意味する Black という言葉を必ず大文字で始めるようにし、ブラックリストとホワイトリスト、あるいはマスターとスレーブといった言葉には代替用語を使うよう勧めていることが分かる。人種的偏見に基づくそれらの言葉を Apple が使用しないようにしているのは良いことだ。
Red Sweater Software が MarsEdit 4.4 をリリースしてブログの再描画のパフォーマンスを改善し、今回からロード中にもできる限り早くポストが表示されるようにした。今回のリリースでは Micro.blog プラットフォームを公式のサポート対象出版システムに追加し、Page および Post タイプの項目を編集できるようにし、Draft 状態のポストもサーバへ送信するようにし、ポストの全履歴をダウンロードするようにした。このブログエディタはまた、Media Manager のアイコン表示で文字をタイプして項目を選択できる機能を復活させ、Media Manager の Published タブからドラッグ&ドロップする機能も再登場させ、出版済みのブログ記事が選択されている場合に View on Web メニュー項目が必ず有効となるようにした。
そのリリースの後間もなく Red Sweater は2回のメンテナンス・リリースを出して、既存の WordPress ポストを編集する際にカテゴリーの設定などの変更を施せなくなっていたバグを修正するとともに多数のポストを含んだブログに出版する際に起こることのあったパフォーマンスの問題に対処 (バージョン 4.4.1) し、さらに新規ブログを追加する際のクラッシュに対処 (バージョン 4.4.2) した。(Red Sweater Software からも Mac App Store からも新規購入 $49.95、15.9 MB、リリースノート、macOS 10.12+)