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#1558: Apple が Find My サービスを開放、Apple Watch Series 3 のアップデートで問題を回避、外付け SSD で Mac を延命、エミュレーションと仮想化と Rosetta 2 を解説

Apple がようやく公式に Find My アプリをサードパーティのデバイスメーカーに開放したが、実際にデバイスが登場するのはまだ数か月先のようだ。ストレージ容量が不足しているので watchOS 7 にアップデートできないというエラーが Apple Watch Series 3 で出た場合のために、Adam Engst がいくつかの回避策を紹介する。今週号には Glenn Fleishman の記事が2つある。2017 年型 iMac に外付け SSD を付けて生産寿命を延命したという話と、エミュレーションと仮想化がどう違うか、Apple silicon 搭載の Mac で走る Rosetta 2 の中でその両者がどのように働いているかという解説記事だ。今週注目すべき Mac アプリのリリースは BusyCal 3.12.5 と BusyContacts 1.5.2、Acorn 7.0.2、Bookends 13.5.3、それに Pixelmator Pro 2.0.6 だ。

Josh Centers  訳: Mark Nagata   

Apple、"Find My" クラウドソーシングをサードパーティアクセサリに開放 (今度こそ本当に!)

去年の 7 月の Glenn Fleishman の記事が、Apple が公式に Find My サービスをサードパーティのアクセサリーメーカーに開放しようとしており、2020 年末にはその機能が実現されるだろうと伝えた。(2020 年 7 月 9 日の記事“Apple、"Find My" クラウドソーシングをサードパーティアクセサリに開放”参照。) 最近の Apple では当たり前のようになった少し予定に遅れるやり方を踏襲したのだろうか、今回やっと Find My をサードパーティの開発者が利用できるようになった

Find My with third-party devices

この新しいプログラムに参加した最初のデバイスは、Vanmoof の電動自転車 S3 および X3、Belkin のワイヤレスイヤーバッド Soundform Freedom、そして Chipolo One アイテムファインダーだ。Apple の Made for iPhone プログラムの拡張が Find My ネットワークの一部分となり、認可を受けた個々のデバイスはプライバシーに関する Apple の標準に適合していなければならない。しかしながらまだ出荷されている製品はない。

今回の発表が意味するのは、あなたが Find My アプリを使って場所を追跡できる対象が iPhone、iPad、Apple Watch、AirPods (加えて Apple 製品を使っているあなたの友人たち) だけではなくなるということだ。電動自転車やイヤーバッドなど、互換なデバイスをすべて追跡できるようになる。とりわけ興味深いのは Chipolo One が加わったことで、このデバイスをバックパックや鍵束、リモコン、あなたの自動車など、事実上どんな物にも取り付けておける。

また、Apple は今後数週間以内に仕様書の草稿を公表するとも発表し、チップセットのメーカーが新型の iPhone に搭載された U1 Ultra Wideband チップを利用できるようになることで、より詳細で道案内にも対応した位置情報データが実現されるとも述べた。

長らく噂されてきた AirTags については何も触れられなかった。これは Tile に似たワイヤレス追跡装置で、もう何年も開発が続いているという報道がなされてきた。Apple が今回 Find My クラウドソーシングを開放することで、その種の製品のための基礎作りをしているのだとしても不思議はない。また、噂されている次世代の Apple TV リモコンにもこのテクノロジーが組み込まれることを期待したい。何しろ、Apple のリモコンは滑りやすくて見失いやすいことで悪評が高いのだから。

Find My 互換性が追加されれば、皆さんがそれに対応したデバイスを購入したい気持ちが高まるだろうか? 皆さんが特に Find My 互換性を組み込んで欲しいと思われるデバイスはどんなものだろうか?

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Adam Engst  訳: 亀岡孝仁  

Apple Watch Series 3 アップデートの際の回避策

GPS だけの Apple Watch Series 3 モデルはオンボードストレージとして 8 GB しか持っていない。それ程多くないアプリをインストールしている人々にとってっも、この限られたストレージ容量は watchOS 7 へのアップデートをインストールする時に問題となる可能性がある。ユーザーは、このアップデートをインストールするための十分な空き容量が無いとするエラーを Watch アプリで経験している事を報告している。この問題はどうも Apple Watch Series 3 だけに限られている様に見える - 私はこの問題がより最新の Apple Watch モデルの所有者を苦しめているという報告を未だ目にしたことがない。

この問題に対する回避策は少なくとも二つはある様に見える:時計上で直接アップデートする方法と時計をペアリングから外しそして再ペアリングする方法である。(私個人的には確認出来ていない三つ目の方法に関してはコメントを見て欲しい。)

Apple Watch 上で直接アップデートする

watchOS をアップデートする標準の方法は iPhone の Watch アプリで始め、My Watch > General > Software Update と行き、そしてアップデートをそこからインストールすることである。

しかしながら、もしそれが空き容量のせいで上手くいかない場合は、この代替方法を試して欲しい。何人かのユーザーはこの方法で成功している。このやり方を教えてくれた TidBITS Talk の David Weintraub に感謝したい。お陰で、私は私の母の時計でもこの方法を成功裏に使えた。

  1. Apple Watch 上の Digital Crown を押してアプリを表示させる。
  2. 下にスクロールして行き Settings アプリをタップする。(ほぼ使い物にならないグリッドビューが出たら、iPhone 上の Watch アプリを開いて My Watch > App View > List View と行ってリストビューに切り替える。)
  3. General を、次に Software Update をタップして、そのアップデートについての詳細を見る。
  4. Software Update 画面を下方にスクロールし、Download and Install をタップする。
  5. もし利用規約を承諾するよう求められたら、OK をタップし、そして iPhone 上でその規約を承諾する。
  6. アップデートは、Apple Watch を充電器に乗せ、少なくとも 50% 迄充電され、そして Wi-Fi が使える状態になる迄はインストールされない。この過程は、通常 Apple Watch を充電する時間に始めるのが一番やり易い。

Updating watchOS on the Apple Watch

Apple Watch のペアリングを解除し、そして再ペアリングする

前記の方法で成功したとするユーザーは何人かいたが、もしこの方法で解決しない場合、もう一つの選択肢がある。それは面倒だし時間が掛かるので、時間が十分に取れる時が来るまでやらない方が良い。要するに、時計をペアリングから解除することで、それを消去しそしてアップデートのために空きを作り、そして再度ペアリングを行い、バックアップから復元する必要がある。iPhone と Apple Watch をお互いに近い所に置いて、以下の手順を踏む:

  1. Watch アプリの My Watch タブで、All Watches をタップ。
  2. ペアリングを外したい時計の隣にある情報ボタンをタップ。
  3. Unpair Apple Watch をタップ。もしセルラープランを保持するか削除するか聞かれたら、保持するを選ぶ - 削除するのは、その時計を売却するか誰かにあげる時だけである。
  4. 確認のため再度 Unpair Apple Watch をタップ。もう一つのバックアップが作成され、消去の課程が始まる。

Unpairing an Apple Watch

Apple Watch が工場出荷時のデフォルトへの再設定が終わると、それを iPhone の近くに置くことで再びペアリング出来る状態になる。Apple Watch を設定するか聞かれたら Continue をタップ、そしてペアリングのためのアニメーションをスキャンする。要求された所で、Restore from Backup をタップ、そしてもし聞かれたら、最新バージョンの watchOS にアップデートさせる (それが目的なので)。

これらのやり方が役に立ったかどうか知らせて欲しい。

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Glenn Fleishman  訳: 亀岡孝仁  

外付け SSD が、私の iMac をよみがえらせた

私の仕事上の生活は Mac を中心に展開している。数少ない素晴らしい例外として私を解き放っているのは、printing history and letterpress印刷の歴史と凸版印刷に関するものである。私は、毎日の殆どを画面を見つめ、キーボードを叩き、そしてマウスを操ることで過ごしている。2017 年に、私は quad-core 21.5-inch iMac Retina ディスプレイモデルを購入し、二次の 4K ディスプレイを追加した時、私は私のニーズに対して適切な額のお金を使ったと感じていた。しかし、その能力を真の意味で解き放てたのは、つい2週間前になってからであった。

この iMac を買った時、私は不幸にも一つの重要なことに一番安上がりな方法を選んでしまった。私は 32 GB のメモリを組み込んだ一方で、1 TB Fusion Drive を選んだ。これは Apple の高速の低容量 SSD と低速の 5400 rpm 大容量ハードドライブの組合せ品である。当時、$300 を 512 GB SSD に費やすのはもっと大きなストレージを必要とする私には意味を成さなかったが、かといって $700 の 1 TB SSD へのアップグレードは私の予算では手が届かなかった。一方で、Apple は Fusion Drive に遙かに小さな SSD を含める方向へと移行したばかりであった。そして、私見ではあるが、これが大きな不利益をもたらす結果となった。("iMac 1 TB Fusion Drive の SSD は容量が小さくなっている" 7 August 2017 参照)

私はその性能トレードオフに殆ど気付かなかった。この Fusion Drive は最初 macOS 10.12 Sierra で私のニーズには十分応えてくれ、そして 10.13 High Sierra でも私を悩ませることはなかった。でも、10.14 Mojave にアップグレードした途端、私は、アプリが立ち上がるのに、そしてディスクを多用するタスクが終了するのに、永遠とも思える程待たされる経験をするようになった。

私のイライラはつのり続ける一方で、2019 年後半には 10.15 Catalina が出たが、私には何時までも使い続けたい重要な 32-bit アプリが二つあった。Catalina への移行は、これら二つのアプリのために Mojave も取っておいて、仮想マシンを効率的に走らせるための追加の資源を必要とする事を意味した ("Catalina への移行: 手持ちの 32-Bit Mac アプリは Parallels で動かす" 18 September 2019 参照)。私はここでも一番安い方法を選んだ。それはメモリを 64 GB に上げて、元の 32 GB は友人に売ることであった。

この追加の RAM は役だったが、十分ではなかった。Parallels Desktop はディスクの多用を要し、使えるメモリは沢山あったにも拘わらず、それは他のアプリと共にまるでナメクジの様であった。私は更に 18 ヶ月間頑張り続けた。その間 Catalina リリースがありそして macOS 11 Big Sur が登場したが、私は、調べ物と書き物の補助用の意味もあって、Mac ラップトップをアップグレードした。

M1-based MacBook Air を買ってみて、私の常識は吹き飛ばされてしまった。皆さんは、最初に Retina ディスプレイを見た時のことを覚えていますか? 私は最初見た時、"いや、いや、これに慣れてしまっては いけない、さもなくば、今の画面は巨大なギザギザしたピクセルで出来ていると見えてしまうであろう" と思った事を覚えている。やがて、私はお金を工面して Retina へと移行した。

この M1 チップも同じ効果を持っていた。16 GB のメモリにも拘わらず、M1 MacBook Air は私の iMac よりも目に見える形で遙かに速く走った。しかも、Photoshop の様な Adobe Creative Cloud アプリを走らせるために Rosetta 2 エミュレーションを使う時でさえ (最新の M1-native バージョンのリリースの前)、この MacBook Air は iMac を圧倒した。私は、画面共有を使い Adobe InDesign や Photoshop が立ち上がるまでの数分間を避けるようになった;私の MacBook Air 上ではおよそ 10 秒で立ち上がった。

解決策は明らかであった - 私は iMac 上にもっと高速のストレージを必要としていた。以前の Mac mini2台で、私は手頃な価格の 512 GB 外付けスタートアップドライブに切り替えていた。それは、SATA III フォーマットを持ち USB 3 経由で接続される外付け SSD を使っている。その様な SSD は、フラッシュメモリを 2.5-inch ドライブケースに収納したものだが、SATA III のスループット速度に制限を受ける。SATA III SSD は、最高で 600 MBps にちょっと欠ける程度だが (約 5 Gbps, USB 3 の最低レベル速度)、7200 rpm ハードドライブよりも数倍高速である。

しかしながら、それ以来、技術と価格は跳躍的に改善した。今日の SSD は NVM Express に依存しており、PCI Express の最上位の標準、最大 10 倍の速度を提供出来、Thunderbolt 3 が提供する最大速度に匹敵する。私は、Thunderbolt 3 外付け SSD を、1 TB モデルの Envoy Pro EX, である、Other World Computing から $300 を切る値段で購入したが、これは 2800 MBps に格付けされている。(SSD 価格の基準が下がるにつれて、SATA III-packaged 8 TB SSD が今や $800 を切る値段で買える。別の言い方をすれば、2017 年に私が 1 TB SSD アップグレードオプションに払う値段相当である。これの上位に位置するのは、8 TB NVMe SSD ブレードで OWC から $1349 で買え$79 の Envoy Express Thunderbolt 3 筐体に収まる。)

Envoy Pro

私がアップグレードした方法を説明すると:

私の iMac とのやり取りの中では、今や私は大幅なハードウェアアップグレードをしたかのように感じる。とりわけ、起動システムとして Big Sur を使っている時には特にそうで、まるで全く違うマシンのようにすら感じられる。

Blackmagic Disk Speed Test を使ってのテストでは、私の Fusion Drive は最初は数百 MBps を読み書きに示したが、幾つかのテストの後には、動作は明らかに SSD からハードドライブに移行したようで、速度は 60 MBps をちょっと超える位の書きに、70 MBps のちょっと上の読みに下がった。外付けの Thunderbolt 3 SSD 上では、書きには 1600 MBps に近い値を、読みにはほぼ 2200 MBps を安定的に記録した。

上は Fusion Drive 性能。下は Thunderbolt 3 SSD 性能。

この性能向上はドライブを多用するアプリでは大きな違いをもたらした。具体的には、ポッドキャスト用の音声編集に対する愛が私に戻ってきた。私は何年も前に Adobe Audition を標準とする事を決めたが、Audition はドライブを多用する。以前は、立ち上げそしてプロジェクトをロードするのに数分はかかったし、編集性能は貧弱なことが多く、そして編集したファイルをエクスポートするのも良く言ってトロかった。今やそれは流れるように走る。他の5人との 90 分のレコーディングを、私がホストする番組、Pants in the Boot、のために6回の回に分ける編集作業も数時間で出来た。1年前だったら、同じ様な作業をするのに、少なくとも2倍の時間を要し、そして山程のイライラを経験したであろう。それはとても心地良い経験であった。

我々誰もが大金持ちではないし、2017 年にこの iMac を買った時、私は2年間で2回目の Mac mini 故障に遭遇した。私は、余りお金をかけずに仕事に戻ろうと必死であった。お金をケチって SSD の代わりに Fusion Drive にするという決定は、それ程ひどいものだとは当初は思えなかったが、やがて痛みの伴うものとなった。

しかし、我慢しただけの価値はあった。Thunderbolt 3 SSD の性能は実質的に、内蔵 SSD 用に Apple に支払ったのと同じ程度に良い。もしこのボリュームに関して何かが悪くなったとしても、iMac を開いてみる必要も無く、私はただ単にそれを置き換えることが出来る。或いは、1,2年後には、私はそれを 2 TB 或いは 8 TB にアップグレード出来るかも知れない - SSD 価格は下がり続けている。少なくとも今の所、私は好きな Mac の一つを使っての満足感をあと数年は味わえることに満足している。今や、私はもはやその真の性能を意図せずに低下させてはいない。

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Glenn Fleishman  訳: Mark Nagata   

エミュレーションと仮想化と Rosetta 2: 旧と新と、そして未登場のものとの混合

何十年間もかけて、Apple はプロセッサやオペレーティングシステムの移行を数回にわたって、何とか成功裏に進めてきた。そこでは エミュレーション仮想化 との組み合わせが働いていた。エミュレーションはコンピュータが異なる CPU のためのコードを走らせることができるようにするもので、例えば Intel プロセッサを装備した Mac が Motorola チップのために書かれたコードを走らせるために使われる。一方、仮想化は Apple (や他の会社) が古いオペレーティングシステムをしばらくの間 (時には無期限にということもあるが) 生きながらえさせるために、一種の泡 (バブル) を作成してその中で古いコードがハードウェアのコンピュータを動かしていない事実を知らないままネイティブに走ることのできる環境を作るものだ。

Apple がエミュレーションの世界に繰り出した最新のものが Rosetta 2 だ。これは Intel ベースのアプリが Apple の M1 チップ上で走れるようにする。ただ、Mac ユーザーの Intel から Apple silicon への移行をより良いものにするために、今後さらに新たなものがいくつか登場するはずだ。例えば、仮想化アプリを使って私たちが 10.15 Catalina を、あるいはもっと古い Intel 専用版の macOS を、さらには Intel 版の Windows、Linux、その他のオペレーティングシステムを走らせられるようになるかもしれない。では、そのための障害になっているのは何だろうか?

お互いに似たような機能を提供するように見えているかもしれないが、エミュレーションと仮想化との間には大きな溝が横たわっている。機能の限られた Apple の Rosetta 2 エミュレータは、Indiana Jones で地面の裂け目の上に架かったロープの吊り橋の一つのようなものだ。ここにちゃんとした橋脚のあるハイウェイを構築してくれる者が、はたして登場するのだろうか? ここではまず、その背後にある概念を検討してみよう。

裂け目を渡る: エミュレーションと仮想化

エミュレーションと仮想化はいずれも、一つかそれ以上のアプリまたはオペレーティングシステム全体を、ホストコンピュータつまり実際のコンピュータハードウェアを管理するものとは違った別のオペレーティングシステムの 内部で 走らせることができるようにする。そのようなやり方によって双方の世界の最良のものが得られる。つまり、最新のハードウェアとオペレーティングシステムを使いつつ、過去に購入したアプリで現在は使えないマシン構成の下でしか走らないものにもアクセスできるようになる。また、アプリの開発者や技術サポートのスタッフにとってもこの上なく役に立つ。彼らは、テストやトラブルシューティングのためにさまざまの異なるバージョンのオペレーティングシステムを必要としているからだ。

一般的に、エミュレーションは命令のレベルで働く。通常エミュレータはコンピュータのプロセッサが持つ機能の大多数または全部をシミュレートするが、実際の CPU が実行できる可能な命令すべてのうち一部分しか処理できないこともある。エミュレータ内部でアプリまたはオペレーティングシステムがロードする際、エミュレータはその命令をエミュレータが走っているプロセッサの上でネイティブに働くバージョンの命令へと変換する。(他のエミュレータの内部にネストされて働くエミュレータさえあって、特に電話ネットワークやその他の旧来からあるシステムにそれがよくある。それからハードウェアエミュレータもあって、自分自身を再構成して他のチップをエミュレートするようにプログラミングされているチップもある!)

エミュレーションがこれほどまでに基本的なレベルで働くので、もしもホストのプロセッサが再現対象のプロセッサに比べて十分に高速でないと、動作はかなり遅くなってしまう。Rosetta 2 は Intel プロセッサのコードを M1 上で Apple silicon の命令に変換するので、macOS での必要に最適化されているとともに従来の Intel CPU に比べて十分に高速だという利点がある。

エミュレーションは実際に重要な目的のためにも使われることがある。例えば、ビジネス用の重要なソフトウェアがそのために必要なハードウェアが古くなり入手できなくなった後も走り続けられるようにするために使われる。個人用にも、世界規模の法人用にも、ソフトウェアへの投資を失わずに必要を満たすことができるからだ。とりわけ、新しいものが入手できなかったり、妥当な料金でアップグレードできなかったりする場合には不可欠だ。また、コンピュータのアーカイブを管理している人や、歴史的なマシンやゲームを愛する人たちにとっても大きな恩恵となる。Internet Archive には初期の Mac のエミュレータがあって例えば Mac 版の Oregon Trail ゲームを動かしたりできるし、さらには Adobe Flash を生き続けさせるエミュレータさえあって、保存されたアニメーションやインタラクティブなゲームなどを動かせる。特記すべきことだと思うが、それらのエミュレータはすべてウェブブラウザの中で動作する。

それとは対照的に、仮想化はもっと高いレベルで働く。仮想化アプリは 仮想マシン を作成して、アプリまたはオペレーティングシステムのコードがそのホストコンピュータのオペレーティングシステムを走らせているものと同じプロセッサでネイティブに実行できるようなフレームワークを提供する。そのアプリやオペレーティングシステムは自分がまっさらなプロセッサの上で走っていると信じ込まされる。ことわざに言う「水槽の中の脳」のようなものだ。その環境の中で走るために速度低下を招くオーバーヘッドはそれほど大きくない。

例えば Intel ベース Mac 用の Parallels DesktopVMware Fusion は仮想化アプリで、仮想マシンの中で Intel ベースのオペレーティングシステムを走らせるために ハイパーバイザ に依存する。(Parallels は自社独自のハイパーバイザと Apple が構築したハイパーバイザの間で選べるようにさえしているが、Big Sur では Apple の方を推奨すると述べている。) 仮想化によって古いバージョンの macOS を生き続けさせることができるし、Intel x86 コードを使うバージョンの Windows、Linux、その他のオペレーティングシステムも使える。特に、macOS で 64-bit アプリを必要とする Catalina の要件より前の時代の 32-bit コードも使える。一つのアプリの中に複数個の仮想マシンをセットアップしておいてそれらを並べて使うこともできる。

(ちなみに、Boot Camp は仮想化ではない。そうではなくてこれは Intel ベース Mac の上に Windows をインストールしてネイティブにブートさせる方式だ。つまり、Windows がホストコンピュータをコントロールするオペレーティングシステムとなる。)

また、ハイパーバイザはデータセンターやビジネスの現場などで一台の高性能サーバの中で複数の仮想マシンを同時に走らせてそのハードウェアから最大限のリソースを引き出す目的でも使われる。私は仮想のプライベートサーバを運営しているが、これはあるマシンのごく一部としてハイパーバイザの下で走っている。つまり、どこかのラック上に独自のサーバを持つのとほぼ同じ結果が、はるかに安価に実現できる。もしもホストのハードウェアが死んだとしても、私のプロバイダはほんの数分間でディスクイメージのバックアップから新しいホストの上へ移行できるだろう。それに、現実的には、データセンター用のハードウェアコンポーネントの多くはホットスワップ可能に設計されているので、稼動停止時間の可能性はさらに減るだろう。

Intel プロセッサから Apple silicon へ移るに際しての Apple の解決策は、エミュレーションを活用することであった。ただしこれは、その上での仮想化を許さないやり方だ。Rosetta 2 は Apple の M シリーズ Mac 用の 64-bit Intel x86 エミュレータだが、これは完全機能のエミュレーション環境ではなく、32-bit アプリには対応していない。仮想化アプリのメーカー各社は、いずれ時間が経てば Apple silicon 用に独自のアプリを提供して、Apple の ARM ベースの M1 (およびそれ以後に出てくると思われる M シリーズのチップ) と互換な ARM チップのために設計されたオペレーティングシステムを走らせることができるようにするだろう。既に Parallels は M1 ベース Mac 用の ベータ版 Parallels Desktop を作っていて、これで Microsoft の ARM ネイティブな Windows プレビューが走るようにしている。Apple の ARM 実装と互換だからだ。(Parallels Desktop beta と Windows Insider プログラムの双方にサインアップすれば、Windows プレビューを無料でダウンロードできる。)

皆さんの頭をちょっと爆発させてしまうかもしれないが、もしも M1 用の Parallels Desktop の内部で ARM 用の Windows を走らせていれば、Microsoft から出ている Intel エミュレータを使って、Intel 版の Windows 用に書かれた 32-bit および 64-bit 双方のアプリを走らせることができる! (Microsoft は 2020 年 12 月に 64-bit アップデートをリリースしたが、32-bit 版は既に 2017 年以来使えている。)

このようなエミュレーションと仮想化の違いを念頭に置いた上で、ここからは Apple が現在まで歩んできた道筋を辿りつつ、すべての Mac を Apple silicon に移行させる中でどのような将来の道筋が開けてゆくのかを考えてみたい。

Apple が歩んできたエミュレーションと仮想化の旅

私はずっと以前から、Apple がいくつもの世代の同社のハードウェアとオペレーティングシステムを越えて、いかに効果的に移行の道筋を提供してきたかについて大きな感銘を受けていた。Michael Spindler、Steve Jobs、そして Tim Cook の指揮の下に、Apple は感情に流されずに将来を見越した姿勢を一貫して保ち続けてきた。

エミュレーションと仮想化に関する Apple のタイムラインは次のようなものだ。これ以外にも細かなステップや追加すべき微妙な点はいくつかあるけれども、そういうものは Wikipedia のページを探せば見つかるだろう:

Rosetta 2 は、64-bit Intel Mac アプリを走らせようとすると自動的に舞台裏で起動する。(その種のアプリを始めて走らせた際には Rosetta 2 をダウンロードしてインストールするようにというプロンプトが出るかもしれないが、そんなプロンプトは出なかったと言う人たちもいる。) アプリが初めて起動する際に、エミュレータが一回限りの移行プロセスを実行して、変換されたネイティブなコードをキャッシュする。それ以後は高速で起動するはずだが、あなたが Intel アプリをアップデートする度に移行用のキャッシュ作成が起こる。

また、開発者たちはユニバーサルアプリをリリースすることができる。これは、一つのバンドルの中に Intel コードと M1 ネイティブコードの双方を含んでいて、Finder の Get Info を使えば強制的にユニバーサルアプリを Rosetta 2 で起動させるようにもできる。このオプションが有用なのは、Intel 版とは機能の同等性が達成されていないユニバーサルアプリをリリースする開発者たちがいるからだ。例えば、Adobe の最初の M1 用 Photoshop リリースでは Intel 実装にある機能のいくつかが省略されていた。また、拡張可能なアーキテクチャを使ったアプリでは、そのアプリ用にあなたが持っているプラグインがまだ M1 ネイティブでないということもあり得る。

会社によっては自社のアプリの Intel 版と M1 ネイティブ版を別々にリリースするところもある。私が気付いたのは、Zoom と Cisco WebEx が双方とも私の M1 ベース MacBook Air で自動的に M1 版のアプリをダウンロードしたことと、Google Chrome がどちらをダウンロードするかを選ばせてくれたことであった。

Parallels Desktop は、そして将来には VMware Fusion もそうなると言われているが、現在 Intel ベース Mac 上で Intel ベースのオペレーティングシステムを走らせられるのと同じように、他の ARM ベースのオペレーティングシステムをネイティブに走らせられるようになる。そこには Unix や Linux や Windows の変種も含まれる。ただし、Catalina やそれ以前のバージョンの macOS を仮想化することはできない。なぜなら、M1 ベース Mac 上で Intel オペレーティングシステムのエミュレートと仮想化を同時に実行する方法はまだ存在していないからだ。もちろんその点は将来変わるかもしれない。

Rosetta 2 の向こう側に完全なるエミュレーションはあるのか?

Apple の設計の結果として、Rosetta 2 は Intel プロセッサ上のすべての機能と活動を処理できる訳ではない。これは、macOS の内部で Mac ソフトウェアが実行するタスクのみに対応する。Apple は Mac ソフトウェアが設計されコンパイルされている全環境をコントロールするので、Rosetta 2 を構築する際に開発者たちがその環境の中で実行を許されていることのみをエミュレートするようにしたが、その環境は Intel CPU 命令のうち一部のみに依存する。

Big Sur よりも前のバージョンの macOS や、Intel 版の Windows、あるいは Intel x86 チップの上で走るように作られた他のいろいろなオペレーティングシステムをエミュレートするためには、弾力性を持ち完備したプロセッサ・エミュレータを何らかのグループまたは会社が構築しなければならない。

どうやらそこが難しいところのようだ。ARM チップ用の完全な x86 エミュレータを一つの会社が作成することができない技術的理由が存在する。Apple と Microsoft はそれぞれに部分的なエミュレータをそれぞれのオペレーティングシステム用に既に作成済みだ。皮肉なことに、いったん誰かが全面的な x86 エミュレータを作成したとすれば、Catalina より前のバージョンの macOS を許容して 32-bit アプリを走らせられるようにするのはそれほど困難なことではないだろうし、そうなれば M シリーズの Mac の上でもエミュレーションと仮想化の組み合わせを使って古いアプリを使い続けることができるだろう。

完全なプロセッサ・エミュレータを構築しなかった Apple の動機の正確なところは私たちには分からない。Apple が Catalina で 32-bit 互換性を切り捨てた理由として私たちが推測できるのは、おそらく M シリーズ Mac の上で走る Rosetta 2 にかかるパフォーマンスとテスト作業の負担を考慮しての結果だろうということくらいだ。そのすべてを、大多数の顧客に大きな利益を提供しつつ実現しなければならないのだから。Apple は長い年月を費やして開発者たちや Mac ユーザーたちを 32-bit アプリから引き離そうと努め続けてきた。加えて、Apple による移行は通常すべての人を可能な限り素早く最新のテクノロジーにシフトさせることを狙っているのだから。

さらに法律的な懸念もあるかもしれない。Intel は 2017 年に Microsoft と Qualcomm に対して皮肉めいた言葉を発して、その中で Qualcomm 製のチップのための ARM ベースのバージョンの Windows が何らかの x86 命令をエミュレートすればそれは法的手段に直面することになるだろうと匂わせた。Intel は長い年月と何世代ものチップにわたって命令セットを発展させてきており、一部の x86 命令は特許権の保護下にあり、残りのものはもはや保護されていないという状態にある。細かな点は訴訟を通じてのみ明らかにされ得るものであろうし、極めて面倒で長期にわたる民事訴訟へと結び付くに違いないだろう。(実例として、Oracle は最近になって 11 年もの長い期間にわたって Google を相手に争ってきた知的所有権訴訟敗訴した。これは、Google が Android で互換バージョンの Java を使用していることを巡るものであった。争いは延々と最高裁判所まで続いた。)

けれども Intel が咳払いをした後にまだ訴訟は起こされていない。Microsoft は ARM 用 Windows と共に自社の 32-bit x86 エミュレータをリリースし、その後 2020 年 12 月に 64-bit x86 エミュレータを追加した。Intel の暗黙の脅迫には小規模の会社やオープンソースの取り組みを抑止する効果があったかもしれない。誰も、数十億ドル規模の大会社を相手の争いに巻き込まれたくはないからだ。ただ、その証拠もまた、どこにも存在しない。もしその種の脅迫が実際になされたならばオープンソースの開発者たちはためらわずに警鐘を鳴らすだろうから、そういう事態になればきっと私たちの耳にも聞こえてくるだろうと思う。

現時点では、Intel のみのオペレーティングシステムを必要とする人は、Intel ハードウェアを走らせ続けておく必要がある。そこにはホストのオペレーティングシステムとは違うオペレーティングシステムを駆動する仮想化ソフトウェアも含まれるかもしれない。過去には、古いハードウェアを復活させることに利益が伴う状況ではいつも、商業的にせよ、オープンソースにせよ、あるいはその両方にせよ、エミュレータを実現させようという意思が必ず働いていたように思える。今回もまたそれが起こるのかどうか見守りたい。

Glenn は最近になって Apple silicon Mac に特化した著書 Take Control of Your M-Series Mac を執筆して、macOS の中の大きな違い、リカバリモード、macOS の内部で Mac 以外のアプリを走らせることなどについて説明した。

Your M-Series Mac cover

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TidBITS 監視リスト: Mac アプリのアップデート

訳: Mark Nagata   

BusyCal 3.12.5 and BusyContacts 1.5.2

BusyCal 3.12.5 と BusyContacts 1.5.2

BusyMac が BusyCal 3.12.5BusyContacts 1.5.2 をリリースして、Google と同期する際の "quota exceeded" エラーの処理を改良するとともに、長時間にわたってインターネットに接続できなかった場合にアプリがバックグラウンドの同期をしなくなったバグを修正した。BusyCal ではまた、対応していない機能に対応していると偽り称している CalDAV サーバへの接続性を改善し、クリップボードから新規イベントをペーストしてもフローティング Info パネルが勝手に開かないようにし、出席者フィールドに電子メールアドレスをペーストできなくなっていたバグを修正し、旅行時刻に相対的に設定されたアラームに Google アカウントで誤ったラベルが付けられていた問題を解消し、macOS 10.14 Mojave で走る場合のメモリ関係のクラッシュに対処している。

BusyContacts では View メニューに Show All Tags ショートカットを追加し、会社の LinkedIn URL をペーストする際の問題を修正し、MailMate 用の追加の権限授与を導入している。(BusyCal は BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、Setapp からも入手可、32.6 MB、リリースノート、macOS 10.12+。BusyContacts は BusyMac からも Mac App Store からも新規購入 $49.99、無料アップデート、Setapp からも入手可、20.6 MB、リリースノート、macOS 10.12+)

BusyCal 3.12.5 と BusyContacts 1.5.2 の使用体験を話し合おう

Acorn 7.0.2

Acorn 7.0.2

Flying Meat が Acorn 7.0.2 を出した。最近アップグレードされたこの画像編集アプリの、メンテナンス・アップデートだ。(2021 年 3 月 22 日の記事“Acorn 7.0”参照。) 今回のリリースでは Export、RAW Import、New View の各ウィンドウでつまんでズームするジェスチャーが働くようにし、Esc キーを (マウスボタンを押したまま) 押すことで新規の図形の作成をキャンセルできるようにし、Apple の SF Symbols アプリで作成した SVG ファイルの読み込みを改良し、書き出したアニメーション GIF がいつまでもループし続けるようにし、カラーピッカーで値フィールドに施した変更が色を更新していなかった問題に対処し、ドロップシャドウの y 値の表示が正しくなかったバグを修正し、WebP として書き出すとアルファチャンネルが保持されなかった問題を解消している。通常価格は $39.99 だが、Flying Meat は Acorn 7 のリリースを記念して期間限定で 50% 割引 ($19.99) でセール中だ。(Flying Meat からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、TidBITS 会員には 20 パーセント割引、19.2 MB、リリースノート、macOS 10.14+)

Acorn 7.0.2 の使用体験を話し合おう

Bookends 13.5.3

Bookends 13.5.3

Sonny Software が Bookends 13.5.3 をリリースして、この文献参照管理ツールに個別添付物マネージャを付けて更新し、どの開いたライブラリにも付属していないファイルのリストを生成できるようにした。今回のアップデートではまた、Autocomplete Paper で新規に参照物を添付する際にメタデータから PDF の title と subject を読み込むようにし、表示枠の中にある画像を Finder やその他のアプリにドラッグできるようにし、PDF を別のアプリケーションに表示させるオプションとして PDF Viewer を追加し、BibTeX key を生成する際にアポストロフィーを含んだ名前がエラーを起こしていたバグを修正し、何百個もの PDF を一度に添付しようとすると起こることがあったエラーに対処し、クラウド内の既存のライブラリにリンクさせようとすると起こったクラウド同期の問題を解消している。(新規購入 $59.99、TidBITS 会員には 25 パーセント割引、96.2 MB、リリースノート、macOS 10.13+)

Bookends 13.5.3 の使用体験を話し合おう

Pixelmator Pro 2.0.6

Pixelmator Pro 2.0.6

The Pixelmator Team が Pixelmator Pro 2.0.6 をリリースして、Tools サイドバー上のツールの上にマウスをかざすと現われるビデオツールチップを追加した。このツールチップは Pixelmator Pro の環境設定でもオン・オフできるし、ツールチップを閉じる際に Option-クリックすれば環境設定を開かずにオフにできる。この画像編集アプリはまた、Automator で Change Type of Images アクションを使う際に WebP ファイルフォーマットが使えるようにし、Finder の Get Info ウィンドウからコピーしたアプリのアイコンを (ようやく!) ペーストできるようになり、選択域を図形に変換した後に Style ツールが自動的に選択されるようにし、カラー調整がマスクに正しく働くようにし、テキストレイヤーを含むグループレイヤーをリサイズした後に個々のテキストレイヤーがぼやけてしまったバグを修正し、Photos の中の Pixelmator Pro 編集拡張で gradient color stop が正しく働かなかった問題を解消している。(Pixelmator からも Mac App Store からも新規購入 $39.99、無料アップデート、273.6 MB、リリースノート、macOS 10.14.4+)

Pixelmator Pro 2.0.6 の使用体験を話し合おう

ExtraBITS

訳: Mark Nagata   

忘れられない結婚式 (結婚なんかしなかったのに)

Josh Centers は著書 iOS 10: A Take Control Crash Course の中で Photos の Memories 機能について初めて書いた際に、古い記憶がまた見えるようになれば心乱されることもあると警告した。「Memories はコンピュータが生成したものであるので、みっともない写真や配慮に欠けた写真まで一緒にしてしまうこともあります。」

残念ながら、この問題は彼が思い描いていたよりずっと深刻な状況を生み出すこともある。Lauren Goode が Wired の記事で、彼女が 2019 年に取り止めた結婚式のことをいつまでも思い出させられると語った。結婚関係の製品の広告は今でも彼女のソーシャルメディアフィードに登場し続けているし、iCloud Photos も Google Photos も、彼女と元婚約者の写真を思い出したように示してくる。

Pinterest の Omar Seyal は彼女に、Pinterest ではこれを「誤配問題 (miscarriage problem)」と呼んでいると言った。結婚や出産など人生の大きな出来事は広告主にとって非常に価値あるもので、積極的にこれを標的にしようとするのだが、そうした出来事が幸せな結末に至らなかった場合にも広告は届き続けてしまう。残念ながらこの問題への対処はほとんどなされていない。

当然のことだが、本質的に、これは決して新しい問題とは言えない。Josh の父親は 20 年以上前に亡くなったが、父親に宛てた手紙は今もまだ彼の母親のところに届き続けている。彼の祖母は夫を 1970 年代に亡くしたが、祖母は 2019 年の末に亡くなるまでずっと祖父に宛てた手紙を受け取り続けていた。

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