勇猛果敢な Apple ファンたちは、発表の前からこのイベントを知っていた。Siri に向かって "Apple event" と言えば、この仮想アシスタントが元気良くイベントについて語ったからだ。もう一つ興味深いのは、開催の日付が 4/20 であることだ。どうぞご自由に冗談を考えて頂きたい。
Apple は何を発表するだろうか? 思いつくアイデアがいくつかある:
iPad Pro: Apple が去年のモデルの iPad Pro を発表したのは 3 月だった (2020 年 3 月 18 日の記事“世界が覆る: Apple の新型 iPad Pro がトラックパッドに対応”参照) ので、アップデートの機会は十分過ぎるほどに熟している。とりわけ、既に iPad Air が 11 インチ iPad Pro の機能の大半をそれより安い価格で提供しているのだから。Apple は 9 月に iPad と iPad Air をアップデートしたので、こちらもアップデートはあり得るけれど、可能性は低いだろう。(2020 年 9 月 15 日の記事“Apple、iPad Air を再設計、基本モデル iPad を更新”参照。)
新たな Apple silicon Mac: Apple は iMac Pro を生産終了とし (2021 年 3 月 8 日の記事“Apple、iMac Pro を生産終了に”参照)、一部のモデルの 21.5 インチ iMac も廃止したので、遅かれ早かれ新しい M シリーズ iMac は間違いなく登場するだろう。より高速の M シリーズのチップとより多くのオンボード RAM を搭載して、Apple はハイエンドの Intel 版 MacBook Pro と Mac mini にも Apple silicon 版を出すかもしれない。
AirTag: Apple ブランドのアイテムトラッカーが出るのではないかという噂はもう何年も前から行き交っていた。その名も AirTag だ。Apple がサードパーティの製品を Find My システムに招き入れようとしているのを考えれば、AirTag が出るのは“今か、それとももう出ないか”のどちらかであるように感じられる。(2021 年 4 月 7 日の記事“Apple、Find My クラウドソーシングをサードパーティアクセサリに開放 (今度こそ本当に!)”参照。)
第三世代 iPhone SE: Apple は去年の 4 月に第二世代 iPhone SE を出したので、そろそろアップデートのタイミングが来ているのかもしれない。(2020 年 4 月 15 日の記事“Apple の新しい低価格 iPhone SE、大きくなったサイズは失望もの”参照。) サイズが大きくなった失望はあっても、この iPhone SE はヒットしたようだ。他方、報道によれば iPhone 12 mini の売れ行きは芳しくなかったという。もちろん、初代の iPhone SE は次世代版が出るまで何年も続いたのだから、Apple が第二世代 iPhone SE をそのままにしても何の不思議もない。
世界中にパンデミックが広がっている時だからこそ、自分が何をしているのか、何のためにそれをしているのかについて考えさせられる。私が TidBITS を始めたのは、Mac と Mac アプリを使うこと、明らかではないやり方を見つけてテクノロジーを活用すること、そうして自らが学んだものを知識や能力を広げたいと思っている人たちと共有することに、私が純粋な喜びを感じているからだ。Apple のエコシステムは当時に比べれば大幅に進化したが、もしも私が Apple 関係のハードウェア、ソフトウェア、サービスを探求することに積極的な喜びを感じていなかったならば、とっくに他のことをするようになっていただろう。TidBITS は当時も今も、私たちの生活をより良いものにするためにテクノロジーを使うことを中心に据えている。必要に応じて批判をすることはあるけれども、私たちはいつも建設的な批判であるようにと心掛けている。
しかしながら、過去一年間は一般的に言って前向きな気持ちを保つのが難しかった。テクノロジー世界からのニュースも心を前に向けてくれなかった。Apple は場当たり的な App Store ポリシーを弄し、Facebook は世界中で選挙操作にアルゴリズム的に参加し、デジタル広告会社は私たちのオンラインやオフラインでのあらゆる活動を追跡した。巨大テクノロジー会社がさまざまの方法を駆使して社会を裏切っているというニュースに加えて、徐々に忍び寄るセキュリティ攻撃の魔の手やそれに対抗する修正について記事を書くのは少々嫌な気にさせられる。少なくとも、そのような記事を書くことによって良いコンピューティング習慣を広める役に立てればと願うばかりだ。
T-Mobile Home Internet には、今の所、正確な意味においてのビジネス版は無いが、T-Mobile は家から仕事をするという現実は容認しており、家の住所にある個人事業体もこのサービスに申し込めるとはっきり書いている。自分の名前と家でサービスに対して支払いをしている企業の遠隔勤務者もふるい落とされることはない。
T-Mobile Home Internet は、考え方としては、T-Mobile が遡ること 2007 年に率先してやった HotSpot@Home セルエクステンダーと似ている。HotSpot@Home はちっぽけなセル受信機を既存の有線ブロードバンド接続につなぎ、より高品位な屋内音声通話を提供しようとするものであった (そして、やがて顧客には固定電話を必要ないと思わせることを願って)。今や、その真逆である:T-Mobile Home Internet は、Wi-Fi 経由で機器に帰路としてのセルラーデータホットスポットに接続させてくれる。
驚くことではないが、T-Mobile には自ら "無制限" と呼ぶものに対する制限があるが、その内容ははっきり定義されておりそして理に適っているように見え、そして同社の全ての無制限サービスに適用される。基本的には T-Mobile Home Internet を、"利用可能なネットワーク容量の法外な量を自動的に消費する" 様なサーバーに類した目的或いはアプリのためには使えない。そこには、私の解釈では、例えば個人用にアーカイブするために巨大なビデオファイルを連続的にダウンロードするソフトウェアの様なものが含まれる。"無人での" 使用もまた許されていないので、オンラインのバックアップサービスに毎月ギガバイトのデータをアップロードするのも違法となるのであろうか?
T-Mobile Home Internet は、ゲームを根本から変えるものではないかもしれないが、少なくともゲームを拡大させるものではある。提供するのは下りの速度がせいぜい 100 Mbps かそこら、そして上りは 5 Mbps に過ぎないという様な ISP が一つしかないという様な地域に住む人は沢山いる。郊外や都市によっては、その "高速" ブロードバンド会社は地元のケーブルプロバイダーであることがしばしばあり、彼らはバンドル外の Internet に割高な料金を課し、顧客を利益率の高い音声、ケーブル TV、プレミアムチャネル、そして Internet サービスのパッケージに囲い込もうとする。地方では、旧式な或いは低速の DSL を提供する有線電話会社、衛星 Internet 会社、或いは既存のセルラープランに人々は依存している.かもしれない。地方でも都会でも、Internet に対する最善の選択肢は、T-Mobile Home Internet よりも、より低速だったり、より高価だったり、或いはより多くの制約 (装置代や年契約の様な) があったりするかも知れない。
Running with Crayons が Alfred 4.3.3 をリリースして、この Mac ベースのキーボード駆動ランチャーの Alfred Remote iOS アプリに改良を加えた。Alfred Remote は Mac 上の Alfred をコントロールし、頻繁に使うアクションを iOS デバイス上の便利なアイコンとして手元に置けるようにする。バージョン 1.5 の Alfred Remote は新しいグリッドオプションを追加し、ボタンラベルを隠せるようにし、ワークフローを削除する際にインストール済みの Alfred Remote ページが正しく削除されるようにした。Alfred 4.3.3 ではまた、macOS 11 Big Sur で電卓の浮動小数点の精度の問題を修正し、Alfred の File System Navigation から Return to open folders in Finder を使う際に Alfred が正しく隠されるようにし、Alfred の Preferences 全体にわたって画像の保存を修正した。(基本的機能は無料、Powerpack は 23 ポンド、4.7 MB、リリースノート、macOS 10.11+)
Apple が Fitness+ サービスに高齢者や妊娠中の女性が手軽に運動できるための新しいワークアウトを追加すると発表した。また、Apple は高強度インターバルトレーニングや筋力トレーニング、およびヨガにさらなる初心者向けワークアウトを追加する予定だ。(現在の Apple Fitness+ のワークアウトがあまりにもハード過ぎるという声は私たちにも聞こえているので、今回の変更点は歓迎できると思う。) さらに、Apple はヨガと "mindful cooldown" の新しいトレーナーとして Jonelle Lewis を加え、Earth Day 用の Time to Walk 特別エピソードに Jane Fonda を登場させる。これらの新しいプログラムはすべて 2021 年 4 月 19 日から利用できる。
皆さんは Apple Fitness+ を試してみただろうか? 試してみて行き詰ってしまわなかっただろうか? もしそうなら、今回の新しいものがこのサービスへの興味をかき立てるだろうか?
[訳者注: Apple Fitness+ はオーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、英国および米国のみで利用できるサービスです。]
[警告: リンク先の記事の中にあるサウンドを聴いて不安になる、あるいはトラウマになると感じる人もいるかもしれない。サウンドを聴く前に、どうか心の準備をして頂きたい。たとえ Mac がこれらのサウンドを発しても、実際にそのハードウェアにダメージが起こった訳ではない。心臓がドキドキしたり胃がキリキリ痛んだりしても、それはあくまでも予期されたことだから。]
これまで TidBITS 記事で事前警告音について書いたことはなかったし、ましてや ExtraBIT で誰か他の人のそういう記事を紹介することもなかったけれど、512 Pixels に掲載された Stephen Hackett の Mac Chimes of Death という記事には紹介すべき価値がある。ここにはさまざまのクラシック Mac モデルが起動不可能な状態に陥った際に発した事前警告音のサウンドクリップが集められている。最初のサウンドを再生しても私は何とも思わなかったけれども、全部を聴くうちに、とりわけ Power Mac 6100 の発した自動車事故の音を聴いてからは、心臓が激しく鼓動するのを感じた。そうは言っても、おどろおどろしい Performa の死亡時チャイムを私はかなり気に入った。一度も聴いたことがなかったサウンドだ。これらのサウンドクリップを聴けばちょっと懐かしい思い出に浸れるかもしれないが、フラッシュバックには気を付けよう。