ミーティングへの招待: 連絡先が第一のやり方が好みの人ならば、Cardhop を使って例えば "invite Contact Name to lunch on Thursday at 12:30" というイベントを Fantastical の中に作成することができるようになった。素敵な機能だとは思うが、直接 Fantastical の中に "lunch with Contact Name Thursday at 12:30" とタイプするのと何ら変わらない気もする。
画像の添付: 連絡先カードに画像を直接貼り付けることができるようになった。この機能がどういう風に便利に使えるかは、よく考えてみなければ分からない。例えば、不動産業者がクライアントの家の写真を貼り付けるような感じだろうか。ただ、そのための手順は少々面倒で、ポップアップメニューを使ってから Open ファイルダイアログ (Mac の場合) か写真ピッカー (iOS の場合) を使わなければならないので、二・三枚以上の画像を貼り付ける気にはあまりなれないだろう。
Photos が、写真を Photos から Finder へドラッグして書き出す際に EXIF 位置情報データを削除できる。それを制御する設定が Photos > Preferences の中にある "Include location information for published items" という項目だ。これのチェックが外れている限り、Photos は書き出しの際に位置情報データを削除する。
ドラッグする代わりに File > Export > Export X Photos を使う場合には Location Information というチェックボックスがあって、これが写真と共に GPS 位置情報データを Photos が書き出すか否かを制御する。
でも、写真を共有する度に毎回それをするとなれば、うっかり忘れてしまうこともあるだろう。毎回忘れずにデータの削除をするためのテクニックが欲しい人のために、私は位置情報データなしで写真を共有するためのショートカットを作っておいた。このショートカットをインストールして開き、写真を選んで、右上隅に見える Add をタップすればよい。その後で共有シートから共有先を選ぶことができる。写真を頻繁に共有する人は、このショートカットを Siri で呼び出したり、さらにはあなたが設定したアプリの中へ自動的に共有するようにカスタマイズしたりもできる。
Bombich Software は最近 Carbon Copy Cloner をバージョン 6 にアップデートして、その創設者 Mike Bombich はブログ記事の中でこのクローン作成ソフトウェアを Big Sur と M1 ベース Mac 用にアップデートすることに関係した込み入った状況の一部を解説した。その記事の中の見出しの一つは、M1 での変更点の詳細を読んだことのなかった人を驚かせたかもしれない。その見出しには「Apple Silicon Mac はもしも内蔵ストレージが機能しなくなれば起動できない」と書かれているからだ。
とても奇妙な話に見えるかもしれない。Mac でシステムが機能しなくなれば、そこで重要となるのが外付けのブート可能ドライブで、たぶんそこに起動ドライブのブート可能な複製が入れてあって、たとえ内蔵ドライブに破損が起こったり完全に動かなくなったりしたとしても Mac を使い続けられる、というのが従来当たり前のことだったからだ。
ここでの新しい情報は、M1 ベース Mac が外付けドライブにブートを許す際に内蔵 SSD に依存することだ。もしも内蔵 SSD が故障したり、あるいは完全に消去されたり (そこにはいくつかの隠されたボリュームが含まれている) すれば、外付けドライブ上のボリュームがいくら正当なものであってもそちらからブートすることが許されない。いったいなぜ Apple はこんなことをしたのか? それは、セキュリティを増すためだ。そしておそらく、技術サポートのコストを減らすためでもあるのかもしれない。
内蔵 SSD のみに保存された情報に依存して外付けドライブからの起動を制御するのは、悪人が Mac のデータを奪い取るのを困難にするための手段だ。このやり方は Intel ベース Mac に比べれば大きな転換だ。Intel ベース Mac ではファームウェア (プログラム可能なメモリチップに保存されたソフトウェアで、アップデート可能なもの) に依存していた。けれども、ファームウェアアップデートは時として失敗することがあり、一時的に Mac に問題を起こしたり、あるいはそれを「文鎮化」してしまうことすらあった。ファームウェアに基づく起動制御に関係した攻撃ベクトルで、Apple が公開していないものもあるかもしれない。
Intel ベース Mac では、ファームウェアパスワードを設定することで「指定された起動ディスク」以外ではブートできないようにする。Apple がこの機能を M1 ベース Mac に含めなかったのは、起動と復旧のプロセスを変更して、選択した起動ボリュームに付随するパスワードを知っていることを要求するようになったからだ。Apple サポート書類には次のような記述がある:「このため、Apple silicon を搭載した Mac もファームウェアパスワードを必要としなくなります (サポートしなくなります)。すべての重要な変更はユーザ認証によってすでに制御されています。」有効なアカウントとパスワードを持っていなければ、起動ボリュームを変更することもできず、復旧機能もその大多数が実行できなくなる。
Apple にこのような方針転換をさせるためにどの程度の問題がファームウェアアップデートに起こったのか、あるいはどんな未公開の攻撃ベクトルが存在していたのか、私たちには分からない。ひょっとするとこれは、SSD の信頼性が上がったことと、そのアップデートの容易さからセキュリティ要素をプログラム可能なメモリチップから SSD ストレージへ簡単に移行できたことによる、単純なアーキテクチャ変更であったのかもしれない。直感から言うなら、ファームウェアアップデートの失敗に関係した技術サポートのコストが高まる事態に Apple が直面していたことと、外付けドライブからの起動によって Mac の内蔵ドライブ上のデータを漏洩させる攻撃があると知っていたことの 両方 が寄与しているのではないかという感じもする。ファームウェアの故障の結果として機能停止または文鎮化した Mac に対する診断と修理のコストが無視できないほど大きくなったということも考えられる。本当のところは分からないが。
けれども、この変更について私たちがあまり心配する必要がないと思える理由がいくつかある:
大多数の人たちは M1 ベース Mac と互換なブート可能外付けドライブを持っていないし、今後もブート可能なバックアップを作りもしないだろう。(私たち専門家は外付けドライブからの起動が大好きかもしれないが、それが主流の方法とは言えない。)
Howard が記事の中で述べているように、Apple は M1 ベース Mac に 1 True Recovery (1TR) パーティションという概念を導入した。この追加のパーティションは Big Sur 起動ボリュームグループとは別に存在しており、ブート時の挙動を制御するためのコードとデータを含んでいる。Intel ベース Mac においてはファームウェアがこれに相当する役割を果たす。
私は、Momento の現在のバージョンにお金を払うことに考え方の上で反対していたわけでは無いが、このアプリの現在のやり方はフリーミアムモデルで (基本サービスは無料で、それ以上のサービスに対してのみ課金する)、私が Momento Classic で使っていた機能をを手にするためには年額 $16.49 の定期購読を必要とした。しかしながら、その定期購読にそれだけの価値があるかどうかはここでの論点では無い。私が現在のバージョンの Momento をダウンロードし、そして Momento Classic からデータをインポートしようとした時、前に Momento Classic を iOS 14.5 の下で起動しようとした時と同じエラーダイアログを見ることとなった。どう見ても、この新バージョンはデータをインポートするために古いバージョンと会話する必要があるようだ。
しかし、もっといい方法は無いのか? 私はデータベースの専門家では無いが、昔の TidBITS Publishing System や我々の現在の WordPress コンテンツ管理システムのために MySQL データベースをいじらざるを得ない事があったので、データベースに使える良い Mac アプリがある事は知っていた。私は Setapp を開き、何があるかを見るために "sqlite" を検索した。宝の山だ!
私は無作為に Base を選び、それを立ち上げ、私のデータベースを開き、そして数分かけてあちこち見て回り、私のデータを見つけた。File > Export へと行き、私のデータを区切り記号付きテキストファイルの形で取り戻せた。(私は、後日、少なくとも SQLPro for SQLite も Momento データベースファイルを開きそしてエクスポートするための同じ能力を持っている事を確認した。)
と言う事で、私はようやく私のデータを取り戻せた、きれいな Momento インターフェースの中ではないとしても。
バックアップにデータを注入する事は出来るか?
手元の暗号化無しの iPhone バックアップからデータをとても簡単に引き出せたという事実から、私は更に考えた。私は、データを Momento Classic の外側に出せたのだから、ひょっとすると、それを Momento Classic 又は新しいバージョンの Momento に戻す手立てがあるかもしれない。それが働くためには、私は Mac 上の暗号化無しのバックアップ内のデータを変更し、そしてそのバックアップを iPhone に復元する必要がある。
その後 Steve は私の誤りを正してくれた。彼は、容量を節約するためにアプリをオフロードするやり方のことを言っていたのである。それは Settings > General > iPhone Storage でやる。欲しいアプリを探すために、頭頂にある拡大鏡アイコンをタップ、Offload App をタップ、促されたら Offload App を再度タップ、そして、それが iPhone から取り除かれたら、Reinstall App をタップする。私がこれを NME Digital アプリで試したら、それは生き返った!
このやり方は、同じ状況下にある他の幾つかのアプリには使えなかった。何故ならば、それらは App Store でのダウンロードにもう供されていないからである。私に重要な物は何もなかったので、私はそれらを削除した。それらの中に有用なデータが含まれていたならば、私はそれを取り出そうとしたかもしれない。何故古いアプリの幾つかは未だに App Store で入手可なのか私には分からない - それは開発者次第なのかもしれない。
Steve の洞察は、何故 iOS 14.5 で働かなくなった Momento Classic や他のアプリが、iPhone 11 Pro のバックアップから復元した後 iPhone 7 上で起動出来るようになったかを説明している。iOS のバックアップと復元過程はアプリ自身を含んでいない;代わりに、新鮮な - そして機能する - コピーを App Store からダウンロードする。(この戦略はとても意味がある。と言うのも、Apple は、世界中の iPhone 上にインストールされた数百万のコピーをバックアップする代わりに、一つのアプリに対して一つのコピーを App Store に保持するだけで良い。)
単にアプリをリロードするだけで起動出来る様になると言う事実から、実際の問題はある種の期限切れの証明書であって、破損や iOS 14.5 との非互換性ではないと推定出来る。期限切れの証明書を持つアプリを起動しようとすると、iOS 14.5 はそれは開発者によってアップデートされる必要があると言ってくる。その過程を通してそれに対する新しい証明書が付与される。私の推測は、古いアプリが再ダウンロードされる時に App Store 自身が自動的に新しい証明書を適用するのではと言う事である。そうであれば、リローディングやバックアップからの復元のどちらもが対象のアプリを生き返らせることが説明出来る。
上級裁判所へと進むのはほぼ間違いないとしても、Fortnite のメーカー Epic Games と Apple との App Store 方針を巡る法廷闘争の結果は気になる。その一方で、この裁判の中でたくさんの社内コミュニケーションの内容が明かされ、Apple のビジネスのやり方についていろいろなことが分かった。(この争いの背景については 2020 年 12 月 17 日の記事“App Store 戦争:Facebook 対 Apple、出版者対 Apple、Apple 対 Brave”参照。) The Verge の記事が特に興味深い点をいくつか集めて紹介する。
Apple は iMessage を自社のデバイス専用とすることでより多くの iPhone を売ろうとしている。
Apple は方針を変えてまで Netflix に購読のためのアプリ内購入を続けさせようとした。
Apple は App Store から膨大な利益を得つつもそうと知っていることを認めない。
Apple が iPhone に最新のウェブアプリテクノロジー対応を組み込むのが遅いのはセキュリティ上の理由で iOS の制御を維持するためかもしれない。
Apple は Mac 上のマルウェアを深く憂慮しており、macOS を iOS や iPadOS と同等の程度にまでロックダウンしたいと思っているらしい。
Epic Games CEO の Tim Sweeney は何年も前から Tim Cook に対して iOS を開放せよと働き掛けてきた。
一つの資料が個人的な理由から私たちの注意を引いた。2016 年 1 月に、Phil Schiller は他の重役たちに向けて Jason Snell が書いた最初の Six Colors Apple 成績表記事を転送し、その記事の中には Adam Engst や Josh Centers によるコメントも掲載されていた。つまり、私たちが書いたり述べたりしたことの少なくとも一部を Apple が見ているということだ。たとえ、私たちのコメントに基づいて Apple が行動を起こした兆候が見えることはまずなかったとしても。