#1570: Brave Search 公開ベータ、Consumer Cellular レビュー、Nitro が Smile から PDFpen を買収、Global Delight が TidBITS スポンサーに

私たちの最新の TidBITS 長期スポンサーとして Global Delight を心から歓迎したい。インドにあるこの会社はもう十年間以上にわたって Mac ユーティリティを作り続けている。Global Delight の主力製品はオーディオ強化ユーティリティ Boom 3D で、どんなヘッドフォンでも、どんなプレイヤーでも、あるいはどんなメディアやストリーミングサービスでも、3D サラウンド音響を提供する。(iOS や Android 用のモバイル版もあるが、こちらはそのアプリを通じて再生するオーディオにしかサウンド強化を適用できない。)

Apple はロスレスオーディオや Dolby Atmos を伴った空間オーディオを新機能として盛んに宣伝してきたが、これらの機能は Apple Music 購読者のみが使える一部の楽曲に限られている。これに対して Boom 3D はあらゆるシステムオーディオに対して同社が特許を持つ 3D Surround 効果を適用するので、ただ単に Music アプリで働くだけでなく、ウェブブラウザの中で再生する YouTube ビデオにも、TV アプリで再生する映画にも、その他のものでも機能する。シミュレートされた個々のスピーカーを別々にコントロールすることさえできる。この最後の機能はそれ自身特に有用という訳でもないが、このアプリの 3D Surround 効果が実際に何をするのかを示すことができる。

私は決して良い耳を持っているなどと言うつもりはないが、AirPods Pro や Altec Lansing スピーカーを通して聴く 3D Surround のオーディオは実際なかなか良いと思う。Apple Music の Dolby Atmos トラックを再生してみると、Boom 3D のお陰でサウンドがさらにもう少し深くなり、空間に活力が広がるのが感じられる気がする。でも私の言葉を信用してはいけない。Global Delight は 30 日間無料の試用版を提供している。

Boom 3D はオーディオ体験を調整する他のオーディオ効果も提供する。これもやはりご自分で実際に使ってみてご自分に合うかどうか試して頂くしかないが、これは特定の目的に使う価値があると私が思ったものが 2 つあった。Fidelity は細部とくっきり感、鮮やかさを改善すると約束するが、音声録音がぼんやりしたものになってしまった場合に適用すると聞き取りやすい音声になることがある。Night Mode はオーディオを標準化して大きな音の音量を下げ、かすかな音の音量を上げる。こちらはアクション映画で大爆発とささやき声の会話の両方が含まれる場合にうまく使えるかもしれない。

その他の機能としては、オーディオファイルを直接再生できるオーディオプレイヤー、20,000 局を超えるインターネットラジオ局へのアクセス、アプリを限定した音量コントロール、数多くのプリセットを備えた 31-バンドのイコライザー、それにキーボードショートカット (Settings 画面を下へスクロールすれば見つかる) もある。Boom 3D の通常価格は $39.99 だが、現在 70% 割引の $12 でセール販売中だ。PC 上でオーディオ強化をしたい人のためには Windows 10 版もある。

TidBITS のスポンサーとなってくれた Global Delight に感謝したい！

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Apple を巡る世界では独立の開発者たちが多く、企業の合併や買収はそれほど一般的でない。だから、長年の TidBITS スポンサーである Smile 社が Windows の世界で PDF ツールに特化した会社 Nitro Software に PDFpen を売却すると聞いて、私は興味をそそられた。Smile の共同創立者 Philip Goward と Nitro の製品最高責任者 Sam Thorpe の二人ともと電話で話をして、私は状況をある程度理解することができた。

Nitro は 2005 年にオーストラリアで創立されたが、現在はサンフランシスコに本拠を置く株式公開会社であって世界中に 200 人以上の従業員を抱えている。Nitro は終始一貫して Windows 世界での、特に企業の中での PDF ツールに集中してきた。企業の内部で動き回る書類の 75% は PDF だと言われるが、同社の調査によれば PDF の処理に必要なツールを持っている従業員はたった 30% に過ぎず、その大きな理由は Adobe Acrobat Pro DC のコストだという。

Mac や iPhone や iPad がますます企業の中で行き渡るにつれて、それは従業員による選択と "bring your own device" プログラム (2017 年 11 月 3 日の記事“JNUC 2017: Apple Enterprise の世界を垣間見る”参照) によるところが大きいのだが、Nitro にとっても Apple 世界に進出すべき必要があることが明白になった。そこでうってつけの選択肢となったのが PDFpen であり、Philip Goward と Sam Thorpe の二人とも、Smile と Nitro が非常によく似た企業文化を持っているので話がスムーズに進んだと強調した。

Nitro は PDFpen を手に入れる対価として 6 百万ドルを現金で支払い、PDFpen チームが丸ごと Nitro に加わる。Sam Thorpe は Nitro がこのチームの PDFpen のためのロードマップに非常に興味を持ち、Apple 集中の顧客のために開発することのニュアンスをきちんと理解してくれたと述べた。だから、私たちも大きな技術的あるいはインターフェイス的変更は起こらないと期待してよい気がする。PDFpen という名前も変わらないが、Nitro とのブランド提携を示す何らかの変更はあるのだろう。いずれ変わる可能性があるのはライセンス供与モデルで、数回のメジャーリリースを経た後には購読による提供がなされるだろう。また、PDFpen は引き続きアプリ購読サービス Setapp 経由でも利用でき、Thorpe は Setapp での PDFpen の収益は２桁の率で成長中だと述べた。

変化が起こるのは企業世界の中だ。Nitro は現在のところ企業の中にいる Apple ユーザーのためのソリューションを持っておらず、PDFpen は現時点で企業世界に大きな立脚点を持ち合わせていない。だから、企業向けバージョンの PDFpen が例えば Nitro Pro のような名前で登場して、企業空間では一般的な購読モデルに依存するようになるのは自然なことだろう。購読を通じて継続的に収益があがれば、他のシステム、例えば書類への署名、分析、SDK、その他との統合を開発するための費用も生まれる。そのような機能は大企業にとって魅力的なものとなるだろう。

Smile の観点からは、PDFpen の買収は今後の同社が TextExpander のビジネスに集中できることを意味する。こちらは従業員の意味でもプラットフォームの意味でも成長を続けてきた。現在 TextExpander は Mac、iPhone、iPad、それに加えて Windows ベースの PC でも、また Google Chrome の走るデバイスでも動作する。対照的に、PDFpen は Apple のオペレーティングシステムに限定されており、Smile 程度の規模の会社がこれをクロスプラットフォームに持ち込もうとするのは技術的な観点からもマーケティングの観点からもなかなか大変だ。PDFpen を Nitro に売却することで、Smile は基本的に自社では困難に行き当たったような方向に PDFpen を成長させる道を開いたことになる。

最終的に、この買収はすべての人にとってプラスとなるものに思える。Smile は手にした現金を用いて TextExpander ビジネスを構築することができ、Nitro は企業空間におけるプラットフォーム提供の欠落を埋めることができ、そして PDFpen ユーザーは引き続きサポートと開発の恩恵を受けることができる。

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Google はその検索エンジンを背景にテクノロジーの世界で支配的な地位にのし上がった。その検索エンジンには事実上競争相手がいないようなものだ。 StatCounter によれば Google は全世界の検索エンジン市場シェアの 92.49% を占めているといい、Microsoft Bing が第二位で 2.31%、Yahoo Search (これも Bing に基づいている) が 1.53% だ。ここに新たな検索エンジンが入り込める余地があるのかどうか、例えば発表されたばかりの Brave Search はどうか？ もしも高品質の検索結果とプライバシーの重視とを組み合わせることができれば、それはあり得ることかもしれない。

その理由は、Google のビジネスモデルがユーザーの追跡とプロフィール獲得を通じてその情報を広告の標的化のための支持基盤として使うことにあるからだ。そのことを忌み嫌うあまり、DuckDuckGo (これも Bing に基づいて作られている、2014 年 8 月 20 日の記事“DuckDuckGo でプライベートに検索”参照) に切り替えた人たちもいる。けれども DuckDuckGo は市場のたった 0.6% しか獲得していない。

私自身は多くの人たちが感じるほどには Google のビジネスモデルに不安を感じていない。なぜなら、Google のサービスは一般的に言って世界をより良い場所にする役に立っていると思うからだ。(その点が、ここで頭に浮かぶ別の会社と違うところだ。) それぞれに好きの度合は違うけれども、私は Google Search、Gmail、Google Docs、YouTube、Google Maps、Google Photos、それに Google Translate を気に入って使っている。私は使っていないけれども、Android と Chrome OS も全般的に良い影響を与えている。Google の親会社 Alphabet が所有する他の会社、例えば医療革新会社 Verily や自動運転車の会社 Waymo も、より良いテクノロジーの未来への展望を与えている。

それでもなお、Google が私のウェブ検索を追跡してその情報を私のオンライン活動記録に組み込んでいることを考えると嫌な気持ちになることもある。皆さんも My Activity をチェックしてみれば Google があなたについてどんなことを知っているかが分かるだろう。だから、Apple が去年の末頃に Ecosia 検索エンジンを Safari のアドレスバーから呼び出す検索エンジンとして使えるようにした時に (2020 年 12 月 14 日の記事“Apple が Apple Fitness+、macOS 11.1 Big Sur、iOS 14.3、iPadOS 14.3、watchOS 7.2、tvOS 14.3 をリリース”参照)、私はそれを試してみることにした。

でも単刀直入に言って、Ecosia は駄目だった。動作しなかった訳ではないし、いつも乏しい検索結果しか出さなかった訳でもない。ただ、検索結果を見て首をひねったり、これは自分が望んだ検索結果じゃないと思ったりすることが、あまりにも多過ぎた。Ecosia は Bing に依存しており、その点は DuckDuckGo (過去に私はこれを試してやはり駄目だと思った) と同じことだ。なので私は諦めて Google に戻った。私はプライバシー重視に大賛成だが、検索が頻繁に失敗することと引き換えにする訳にはいかない。

Brave Search 登場

Brave が初めて非公開のベータ版として Brave Search をリリースすると、私は喜んでその機会に飛び付いた。使ってみると、何とまあ、これがすごく良かった。時々、Brave Search で望みのものが見つからなくて検索を直接 Google へ送ることはあるけれども、Ecosia や DuckDuckGo で駄目だと思わせたような苛立たしさは感じなかった。たぶん Brave が率直に Brave Search がベータ版だと明言していて、完成した製品のふりをしたりしていなかったこともあるのかもしれない。その後間もなく Brave は Brave Search を公開ベータ版にして、それが現時点での状況となっている。

幸いにも、Brave Search は私の最初のテストに合格した。Google のように私についての情報を知っていなくても、"tidbits" を検索すればフロリダのサンドイッチレストランより上にちゃんと TidBITS を置いてくれる。私はすぐ気に入った。

検索は期待通りに働く。ランク付けされた結果が並び、上の方にあるオプションを選べば結果を画像、ニュース、ビデオに絞ることができる。現在のところ広告はないし、結果の表示はクリーンで読みやすい。検索結果はすべて国別にフィルターがかかるし (例えば "penguins" を米国で検索すれば Pittsburgh Penguins が出るが、オーストラリアで検索すれば Adelaide 動物園のベンギンたちが出る)、安全な検索 (おそらくは良くない結果を除外するもの) や時間によるフィルター (最近のページのみになる) もある。画像については、サブフィルターを使って結果をサイズ/タイプ/レイアウト/カラーで制限できる。ビデオもサブフィルターで継続時間と解像度で切り分けられる。

現時点で Brave Search ベータ版を使いたいと思う主要な理由を挙げよう：

• プライベート： すべての検索が完全に匿名でプライベートであり、クエリーが追跡されることは一切ない。ユーザーが第一であって、広告やデータ収集の業界のためではない。
• 独立： Brave Search のために Brave は Cliqz という会社が開発した Tailcat 検索エンジンを買収した。検索結果の品質がしっかりしている限り、私は Google でも Microsoft でもないところが作った検索エンジンを諸手を挙げて歓迎したい。

そうは言っても、Brave Search がベータ版である間は、完全に独立ではない。同社が説明している通り、現在のところ、他の検索エンジンへ匿名の API 呼び出しを送ることによって検索結果の品質チェックをし、それがユーザーの期待するレベルの結果であることを確認している。いずれにしても、皆さんは Feedback ボタンをクリックすることで、その結果が役に立ったか、見当違いだったか、誤っていたか、それともただ役に立たなかったかについて意見を述べることができる。

Brave はすべての結果ページについてその結果がどの程度独立であるかを報告し (Info ボタンをクリック)、それを設定ページ (結果ページの右上にあるハンバーガーボタンをクリック) に集約する。設定の中で、Brave はあなたのクエリーに対する結果のうち Brave の索引から来たものの割合 (私の場合現在 82% で向上しつつある) と、全世界でのすべての検索で Brave の索引が使われた割合 (87%) を表示する。そういうことをして欲しくない場合には、Brave Search 設定 (やはり検索結果ページのハンバーガーボタンをクリック) で Google Fallback Mixing をオフにすればよい。

また、Brave はより良い検索の未来に向けた 2 つの取り組みを約束する：

• 選択肢： Brave によれば、近いうちにユーザーに選択肢を用意して広告に支えられた検索 (それでも追跡はしない) または広告のない有料検索のいずれかを選べるようにするという。そう、口先だけでなく行動を通じて広告を避けたいと思う私たちのための機会がついに与えられるのだ。
• コミュニティー： Brave Search は独自仕様のランク付けアルゴリズムを持っているけれども、Tailcat の開発者たちは Goggles という名前のシステムを提案していて、これを使ってユーザーが明示的にランク付けをし直し、それぞれの好みによる判断のインスタンス化を通じてコミュニティーが作成したフィルターを形成しようとする。

この Goggles 提案は興味深く、一読の価値がある。ユーザーが自分の好みに合わせてパーソナライズしようとしたとしても、突き詰めればこれはユーザーに単独のランキングをさせようというよりもランキングの複数性を作り出そうとするための手段だと言える。この論文が示唆するのは、コミュニティーの手で高品質のテクノロジーブログのみに集中した Goggles が作り出されることもあれば、商業的な意図を持たない製品レビューに集中したもの、あるいはまた (メジャーな新聞のみでなく) 特定の国におけるマイナーな報道機関や、特定の料理人が吟味したレシピのブログなどが脚光を浴びるかもしれないということだ。確証バイアスを避ける方法がないのは確かだが、この Goggles システムはその現実を明らかにするとともに自分のバイアスの外を探訪してみたい人を支援することもできる。もちろんすべては未来の話だが、製品として出荷される日が来たならば、その時こそ私たちはそれがどの程度効果的なものか知ることができるだろう。

Brave Search のセットアップ

Brave Search はどんなウェブブラウザでも使える。ただ単に https://search.brave.com/ をロードするだけでよい。でもそれは面倒だ。Safari 以外のほとんどのウェブブラウザでは、何でも好きなものを デフォルトの検索エンジンに設定してアドレスバーから検索できるようにする方法が提供されている。Apple には、ぜひとも近いうちに Brave Search を Safari の検索エンジンリストに加えて欲しいものだ。私はこの要望を Apple の Feedback Assistant アプリから提出しておいたが、皆さんにも同じことをして頂けるようお願いしたいと思う。

当然ながら、Brave Search を使う最も手軽な方法は Brave ブラウザ自体を使うことだ。Settings > Search Engine にナビゲートして、Brave をアドレスバーで使う検索エンジンに選べばよい。(その選択肢が見えなければ、Brave を終了してから起動し直すことで最新のアップデートをインストールする。)

この手順は Google Chrome やその他の Chromium ベースのブラウザ、例えば Microsoft Edge などでもそれほど難しくはない。Chrome > Preferences > Search Engine > Manage Search Engines へ行き、Add ボタンをクリックする。Brave Search の詳細情報を下のスクリーンショットに示したように入力する。(重要なのは https://search.brave.com/search?q=%s URL だ。)

それから検索エンジンのリストを下へスクロールして Brave を見つけ、縦に 3 つの点が並んだボタンをクリックして、Make Default を選ぶ。

Firefox 用には Brave Search アドオンがあるので、これを Firefox に追加しておけば、Firefox > Preferences > Search で Brave Search をデフォルトの検索エンジンに選べる。

iOS では、私の知る限り Brave Search を使う一番良い方法は Brave アプリをデフォルトのウェブブラウザに設定しておくことだ。どのページからでも、スクリーン右下にある•••ボタンをタップして、Settings > Search Engines > Standard Tab > Brave Search beta にナビゲートする。

Brave Search がまだベータ版の段階にあることを忘れてはならない。だから、Google ほどうまく働くとは限らない。現実的には、まだまだ当分の間 Google ほどには良くない状態が続くだろう。あまりにも高いハードルだからだ。けれども、私はもう数週間にわたって自分の Mac でもっぱら Brave Search のみを使っており、もっと良い検索結果が出ないかと思って Google 検索に切り替えたのはほんの数回だけだ。もしかすると私たちは、既にもう検索の素晴らしき新世界 (brave new world) に足を踏み入れているのかもしれない！

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Verizon は以前、最も大きなセルラーネットワークを持っていると称していたし、大抵の場合、実体も伴っていた。Verizon のネットワークは、他のキャリアは手を出さないような場所もカバーしていた。森林の山奥の町で５本バーのサービスを手にしたり、名も無い都市で 40 Mbps LTE ダウンロード速度も見たりするのはそれ程珍しいことでは無かった。

しかしながら、ここ Tennessee の田舎に於いては、我々の Verizon サービスはここ数年間で着実に品質が下がってきて、私のサービスは町の中でさえ使い物にならない所まで来てしまった。奇妙なことだが、普通はより頑健なテキストメッセージでさえ問題を起こすようになり、妻から苛立った電話を貰う原因となった。勿論、電話が通じた時の話だが。

私が最初に妻と一緒に住むため Lafayette に移住して来た時には、Verizon は唯一の選択肢であった。我々が初めて会った時、私は AT&T を使っており - 当時 iPhone を提供する唯一のキャリアであった - そして１年を超える付き合いの間に、私が彼女を訪ねている間は、私は基本的には友人や家族から連絡が付かなくなっていた。結婚した後、我々は Verizon 家族プランを加入したが、私の AT&T の番号すら移行出来なかった。何故ならば、 AT&T はここでは免許されていなかったからである。

最近、その状況は変わった。FirstNet 構想の一環として、AT&T はそのカバー範囲を劇的に拡大してきており、私の郡でも少なくとも３つのタワーが建設された。その間、T-Mobile サービスも始まった。と言うわけで、我々にも選択肢が出来た。一方で、私の Verizon サービスは悪化の一途を辿り、そして一本の新しい Verizon のタワーも余り役に立っていないように見える。

Verizon に愛想が尽きて、私は AT&T ネットワークを試してみたかったが、どの様な性能が得られるのか試してみるまでは、決める気にはなれなかった。TidBITS Talk でお勧めを聞いてみたら、Robert C. Johnson が Consumer Cellular を教えてくれた。それはモバイル仮想ネットワークのオペレーターで AT&T ネットワーク上で運用している。試しにやってみようと、私は無料の SIM カードを注文した。それには私の iPhone 11 Pro 用の仮の番号が付与されている。

SIM カードを注文する時、自分の iPhone の IMEI 番号を入力しなければならない。それは Consumer Cellular がその電話は現在のキャリアに対してロックされていない事を確認するためである。この情報は、Settings > General > About で見つけられる。また、About 画面上の Carrier Lock を見れば、自分の iPhone には何らかの制約が課せられているどうかも分かるはずである。

Consumer Cellular：欲しいものは何でも、いらないものは何も

最初に、私は Consumer Cellular は年配層をターゲットにしている事を少々の驚きをもって指摘しなければならない。登場するモデルは全て、少なくとも髪の一部がグレーがかっており、GrandPad と呼ばれる機器も売っている。Consumer Cellular は Boost Mobileの反対極に位置する。こちらは、昨年 Virgin Mobile と合併し、そして若い、ヒップな層に対して積極的に売り込んでいる。この様な会社間で、実際のサービスに際立った違いは無いであろうが、もしターゲット層に属していなければ、売り込みやサービスは身をすくませる程場違いなものであるかもしれない。個人的には、私は誠実なグレーの方が俗っぽい熱狂よりも好きである - 私はただ、信頼性あるセルラーサービスと対応の良い技術サポートが欲しいだけである。

Consumer Cellular の売り込みは結構しつこくて、彼らは、電話をかけることが何を意味するかや我々は皆どの様に "全員参加する" かを再定義する積もりかを自慢する会社のソーシャルメディアフィードに一生懸命で、私は辟易した。Consumer Cellular は電話と電話アクセサリに固執している。 同社の Twitter フィード は、消費者が電話を最大限に活用するのを手助けする Android Authority, CNET, Fast Company, そして他の立派な集団 (残念なことに TidBITS は未だ載っていない) へのリンクを掲載している。その徹底ぶりと "特別メッセージ" の欠如は、爽快である。

iPhone を Consumer Cellular を通して買うことも出来る、前払いか販売プログラムを通して。Apple の現在のラインナップにある iPhone は全て含まれ、既存の iPhone にインストール出来る無料の SIM カードを入手することも出来る (最近の iPhone は、昔と違って、色々な異なる技術を使うキャリアを越えて働く)。

Consumer Cellular には 30 日間の返金保証がある。私は最初の回線はキャンセルし、番号を移行することにしたが、June スペシャルのお陰で、最終残高は請求では無くプラスで終えることが出来た。

Consumer Cellular は極めて一般的な機能を提供する：5G (iPhone 12 モデルのみ), Wi-Fi Calling, そして Personal Hotspot である。私は、Wi-Fi Calling と Personal Hotspot に関してちょっとミスってしまったが、その詳細については後述する。Wi-Fi Calling の設定が完了したら、それは Verizon のものよりも遙かに信頼性のある動作をした。Verizon は一日を通して自然発生的に働かなくなってしまい、私は再び (望むらくは) 動き出すまで、機器をオフにして再度オンにする作業を繰り返さなければならなかった。(我が家ではセルラーサービスを持っていないので、Wi-Fi Calling は鍵である。) 私はまた、出掛けた先で iPad のテザリングも試験したが、問題なく働いた。

受信状態に関して、私は AT&T ネットワークを Verizon と T-Mobile と較べてみて ("既存の iPhone の eSIM で T-Mobile の 5G ネットワークを試用" 5 July 2021 のお陰)、私の地域で３つの同等な地点を見つけた。これは何かを物語っている、と言うのも私は George Clooney が O Brother, Where Art Thou で "何処からでも２週間" と称していた様な所に住んでいるからである。データ速度に関しては、皆さんの判断にお任せしたい。

Consumer Cellular の値段

Consumer Cellular は幾つかのプランを提供しているが、その内容は極めて単純である。通話だけのプランもあるが、iPhone を持っているのであれば、意味をなさないであろう。そして、250 分プランもあるが、通話、テキスト無制限プランよりも特別安いわけでもない。

一回線で、通話、テキスト無制限で 500 MB のデータの場合月額 $25 となるが、何でも無制限の月額 $60 迄の間には、幾つかの層がある。最大三回線迄持て、三回線の場合、それぞれの人が無制限の通話、テキスト、そしてデータを手にし月額は $30 だが、合わせると月額 $90 となる。悪くはない。私は三回線のどうしようも無い Verizon サービスのために月額 $130 も払っていたのだが、それも妻が教師であることによる 19% の州公務員割引の適用を受けた後でであった。

超過は無い。もしデータ限度を超えたら、Consumer Cellular は自動的に次のレベルにアップグレードし、通知してくる。手動でダウングレードしない限り、その上の層に留まる。

無制限プランに関しては、35 GB を超える迄は全速の 5G や LTE が使えるが、それ以降は速度制限されるが、どの速度になるかは私には分からなかった。

AARP (全米退職者協会) 会員はまた 5% の割引が受けられる。

Consumer Cellular の限界と混乱

Consumer Cellular にも幾つかの限界がある。それはビッグ３キャリアの一つではないので、Apple の iPhone Upgrade Program の一部では無い。でも、それは私には大きな問題には見えない。と言うのも私は Apple Card を使って iPhone に対する融資を受けられ、アップグレードしたい時にはそれを Apple に戻して交換出来るからである。

家族プランは三回線に限定される。我が家では、プランを妻と母とでしか共有しないので、それは問題では無い。もっと多くの回線を必要とするのであれば、恐らく二つ目のアカウントを設定して、更なる三回線を追加出来るのだと思われる。

Consumer Cellular は Apple Watch や iPad 用のデータプランを提供していない。Consumer Cellular SIM をセルラー iPad にインストール出来ない理由は私には分からないが、試験してみるための機器を持っていない。(私はセルラー Apple Watch も持っていないので、これは私にとっては限界では無い。)

Consumer Cellular は Wi-Fi Calling と Personal Hotspot を提供しているが、それらを使えるようにするには、同社の顧客サービスに頼まなければならない。私は Consumer Cellular と２枚の SIM をアクチベートした：一つは試験用に、そしてもう一つは Verizon から番号移転した時。どちらの場合も、データは SIM をインストールすると直ぐに働き始めたが、顧客サービスに連絡を取るまで、私はダイヤルする事も、Wi-Fi Calling をアクチベートすることも、Personal Hotspot を使うことも出来なかった。

SIM をアクチベートするために Consumer Cellular に連絡する時には、Wi-Fi Calling と Personal Hotspot も一緒に依頼することをお勧めする。そうすることでもう一回電話をする必要が無くなるだけでなく、新機能をオンにする度に iPhone を再起動させなければならない手間が省けるからである。また、Consumer Cellular が最初に Personal Hotspot をアクチベートした時、それは iPhone 上の Wi-Fi Calling をオフにしてしまっており、私は Settings でそれをオンに戻さなければならなかった。

顧客サービスはまずまずの対応速度だといえる - 通常、チャットや電話サポートが得られるようになる迄の待ち時間は 5-10 分であった。他のキャリアでどれだけ待たされたかや一般的な労働力不足を考えれば、余り不平は言えない。一旦つながった後では、私は良いサービスが得られた - 係員は機敏で、礼儀正しく、そして英語も流ちょうであった。

唯一嫌な思いをしたのは、私が私の電話番号を移行しようとした時であった。Consumer Cellular の顧客サービスの係員は、Consumer Cellular は私の地区でサービスを提供していないので、その番号は移行出来ないと私に告げた。それは奇妙であった。何故ならば、私は既にそのサービスを試験済みで、以前仮の番号でアクチベートするのにも問題は無かったからである。私は Consumer Cellular で SIM をアクチベートしたことがあることを告げると、彼女はやがて、私の番号の移行を阻止していたものを上書きすることが出来た。

ところで、番号を移行する時、以前のプロバイダーから特別なコードを必要とするかも知れない。それは、悪人が身元詐称詐欺の一部としてあなたの番号を移行しようとするのを阻止するためである。Verizon の場合、設定ページに行って Generate PIN をクリックする必要がある。そしてそれを Consumer Cellular 顧客サービスに与える。

Consumer Cellular SIM をインストールする

Consumer Cellular はその SIM カードを一体型のカードに組み込んでいる。殆どの iPhone に対しては、真ん中にある nano-SIM を押し出して使うが、そのカード自体を捨てないように。後になって、違う SIM カードサイズが必要になった場合、その nano-SIM を押し込んで戻し、それから必要な micro 或いは standard SIM サイズを押し出す。

Consumer Cellular には、その SIM カードの使い方を示す有用なビデオがある。

nano-SIM カードの扱いについての二つの注意事項：

• それはとても小さく、簡単になくしてしまう。小さな対象物と扱う時には適切なアイウェアを使い、注意深く進める。
• カードの金属側に触らないように。汚れると、電話はそれを読み取り難くなり、SIM カードが挿入されていないというでまかせのメッセージを受け取ることになる。使い捨ての手袋を使うのも良い考えである。

ちっぽけな nano-SIM を扱うこと以外、取り替えるのは簡単である：

1. iPhone にケースを使っているのであれば、それを取り外す。
2. iPhone の左か右側にある穴のある楕円形 (SIM トレイ) を見つける
3. 細い金属体を穴に優しく挿入し SIM トレイを押し出す。iPhone には SIM 取り外し工具が付いてくるが、無ければ、紙クリップが使える。
4. 古い SIM カードは安全な場所に保管する。私は古い SD カードケースを使った。
5. トレイに Consumer Cellular SIM カードを注意深く挿入する。一方向にしかフィットしないので、間違う心配は無い。
6. トレイを iPhone の横面と面一になる迄押し込む。

Apple は、SIM カードの交換方法を示すビデオを掲載している。

iPhone は直ちにその SIM を認識するはずだが、電話が出来るようにするには Consumer Cellular 顧客サービスに連絡しなければならないかも知れない。SIM に付いている説明書にはテストのための番号も掲載されている。

切り替えると決めたのなら

皆さんが Consumer Cellular に切り替えるべきかどうかは、私には言えない。と言うのも、セルサービスは国中の地域によって大きく異なるからである。私はこれ迄の所今のサービスに満足している。顧客サービスは一緒に仕事しやすいし、私は同社の現実的な路線が好きである。私が Verizon を懐かしく思ったりすることは一切無い。

私はこの記事をただ私の経験を共有するために書いたのだが、もし切り替えたいとお思いなら、Consumer Cellular の紹介プログラムについても述べておきたいと思う。どちらにも $10 のアカウントクレジットが与えられる。もし切り替えに興味があれば、私にメールを [email protected] 宛てに送って欲しい、そうすれば、私は紹介リンクをあなたと共有するので、お互いにほんの少々だが節約出来る。

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